JP2002144154A - 縫合針の先端加工方法及びこれに用いる先端加工装置 - Google Patents

縫合針の先端加工方法及びこれに用いる先端加工装置

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JP2002144154A
JP2002144154A JP2000347225A JP2000347225A JP2002144154A JP 2002144154 A JP2002144154 A JP 2002144154A JP 2000347225 A JP2000347225 A JP 2000347225A JP 2000347225 A JP2000347225 A JP 2000347225A JP 2002144154 A JP2002144154 A JP 2002144154A
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Tsuyoshi Uetake
強 植竹
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Keisei Medical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数の針素材に電解液に浸漬させる際、各針
素材が不揃いな状態でも針素材を均一的に尖鋭化できる
ようにする。 【解決手段】 保持部材15に装着された針素材1のう
ち、最も長い針素材1Aが電解液の液面レベルRに到達
してから、最も短い針素材が電解液の液面レベルに到達
した間、先行する針素材を溶解させれ保持部材15に装着
した針素材1の先端を揃える。この後、保持部材15に装
着した多数の針素材1を一斉に電解液に浸漬することに
よって、その針素材1の先端を全て均一的に溶解させて
尖鋭化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縫合針の製造に際
し、直線状の針素材の先端を尖鋭状に加工する縫合針の
先端加工方法及びこれに用いる先端加工装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来から、手術に用い
られる生体組織を縫合するための医療用縫合用針(以
下、単に縫合針と称す)は、ステンレス鋼などから成る
鋼材を所定長に切断し、針素材を製造し、この針素材の
先端を尖らせる。すなわち、手術用縫合針は、生体組織
を縫合するものであるから、生体組織に刺通する際の抵
抗(以下、刺通抵抗と略記することがある)を低減する
ために、針素材の先端部を鋭利で表面を滑とすることは
重要である。
【0003】ところで、直線状の針素材の先端を尖鋭状
に形成する方法として、例えば、図10に示すように、
針素材1の先端を電解液Wに浸漬し、この針素材1に
「+」の電圧を印加するとともに、電解液Wに挿入した
電極に「−」の電圧を印加することによって、針先を研
磨する方法が知られている。この電解研磨方法によれ
ば、多数の針素材1の先端を電解液Wに浸漬するように
すれば、短時間で大量に処理することができる点で有利
である。
【0004】ところで、多数の針素材1を電解液Wに浸
漬させる場合、多数の針素材1を着脱自在に組み付ける
保持部材を設け、この保持部材を介して針素材1の先端
を電解液Wに浸漬するようにすれば効率的である。
【0005】しかし、多数の針素材1を保持部材に取り
付ける場合、前記縫合針などのように、3mm〜10m
m程度の極短い針素材1の先端を完全に揃えるようにし
て保持部材に組み付けることが困難であり、針素材1の
先端が不揃な状態で装着される場合が多い。したがっ
て、保持部材を介して針素材1を電解液Wに浸漬させた
場合、先端が揃わず、電解液W中における各針素材1の
長さもばらばらとなる。このため、例えば、針素材1を
昇降させて電解液Wに浸漬させる場合、針素材1の先端
が不揃な状態においては、最も長い針素材1が電解液W
の液面レベルRに到達しても、それより短い針素材1は
液面レベルRまで到達しないため、短い針素材1が液面
レベルRまで到達まで間に長い針素材1は、電解液Wに
よって溶融が進行する。この結果、長い針素材1が完全
に尖鋭状に形成された状態でも短い針素材1は、その針
先が完全に尖鋭状にならないため、刺通抵抗が大きくな
ってしまうとう問題があった。
【0006】本発明は、このような課題を解決して多数
の針素材の先端が不揃いな状態であっても各針素材を確
実に尖鋭化することができる縫合針の先端加工方法を提
供することを第1の目的とするものであり、また、多数
の針素材を効率的に先端加工を行うことができる先端加
工装置を提供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の縫合針
の先端加工方法は、所定の長さに形成された直線状の針
素材を相互に位置決め保持する保持部材を設け、この保
持部材を介して前記針素材の先端を電解液に浸漬させ、
電解液中に挿入した電極の通電によって前記針素材の先
端を尖鋭状に形成する縫合針の先端加工方法であって、
前記保持部材に装着された状態で最も長い針素材の先端
が前記電解液の液面レベルに到達してから、前記保持部
材に装着された最も短い針素材の先端が前記電解液の液
面レベルに到達するまでの間、先行する前記針素材の浸
漬時間を調整することによって前記最も短い針素材の先
端が前記電解液の液面レベルに到達するまでの間に、先
行する針素材の先端を溶解して成るものである。
【0008】上記構成により、保持部材に装着される針
素材のうち、最も長い針素材が電解液の液面レベルに到
達してから、その針素材の浸漬時間を可変的に調整する
ことにより、最も短い針素材の先端が電解液の液面レベ
ルに到達するまでの間、先行する長い針素材の先端を溶
解させ、最も短い針素材が電解液の液面レベルに到達し
た段階で保持部材に装着する針素材の先端を電解液の液
面レベルに揃えることができる。これにより、保持部材
に装着した針素材の先端部を揃えることができる。こう
して、各針素材の先端部を揃えた後、保持部材に装着し
た多数の針素材を一斉に電解液に浸漬することによっ
て、その針素材の先端を全て均一的に溶解させて尖鋭化
することができる。
【0009】請求項2の発明の先端加工装置は、請求項
1記載の縫合針の先端加工方法に用いる先端加工装置で
あり、前記複数の針素材を整列状態で載置する載置台
と、前記針素材の基部を挟持する捕捉手段を備えた保持
部材と、前記捕捉手段を開閉する開閉手段と、前記載置
台に対して移動可能に設けられ前記開閉手段により開状
態の捕捉手段に前記針素材を移送する供給装置と、前記
保持部材を電解液を充填した電解槽に移送する移送装置
と、前記保持部材又は電解槽を昇降させて前記針素材の
先端を電解液に浸漬させる昇降装置とを具備したもので
ある。
【0010】上記構成により、針素材を載置台に載せ、
各針素材を位置決めすることによって、載置台上の針素
材を保持部材に合わせて正確に位置決めする。この後、
載置台に組み付けた供給装置により載置台上の針素材を
押出すことによって、開閉装置によって開状態で保持さ
れた保持部材に針素材を正確に挿入することができる。
そして、開閉装置を各捕捉手段から引き抜くことによっ
て、多数の針素材が保持部材に挟着保持される。こうし
て保持部材で保持した針素材を移送装置により、電解槽
に搬送し、昇降装置により、保持部材に装着した針素材
の先端を電解槽に充填した電解液に浸漬させる。これに
より、短時間で大量の針素材を尖鋭化することが可能と
なる。
【0011】請求項3の発明の先端加工装置は、請求項
2記載の先端加工装置において、前記電解槽に隣接して
複数の洗浄槽と、乾燥装置とを配置し、前記移送装置に
より、電解槽から洗浄槽、乾燥装置に順次搬送してなる
ことを特徴とする。
【0012】これにより、針素材の先端加工工程、洗浄
工程及び乾燥工程を連続的に処理することができる。
【0013】
【発明の実施形態】本発明の実施例を添付図面を参照し
て説明すると、図1〜図9は本発明の一実施例を示し、
同図において、1は直線形状の針素材であり、金属、例
えばSUS304系の特殊なステンレス鋼からなり、こ
の針素材1は全長が3mm〜10mm程度の極短いもの
であり、図9に示すように、先端を尖鋭状に形成すると
ともに、他端側にはナイロンなどからなる縫合糸(図示
せず)を加締るためのスウェッジ部2を形成している。
これを円弧状に曲げて生体組織を縫合するための縫合用
針を形成する。
【0014】次に針素材1の先端を尖鋭状に成形するた
めの先端加工装置5について主に図2を参照して説明す
る。先端加工装置5は、リン酸、重クロム酸、水等を混
合した電解液が充填された電解槽6と、純水を充填した
二槽の洗浄槽7,8と、純水とアルコールを混合した二
槽の洗浄槽9,10と、これら電解槽6と各洗浄槽7〜10
に浸漬した針素材1を乾燥させるドライヤ12を有する乾
燥装置13と、多数の針素材1を位置決め保持する保持部
材15と、この保持部材15を介して前記保持部材15を前記
各槽6〜10と乾燥装置13に移送する移送装置30などから
構成されている。これら各槽6〜10と乾燥装置13はベー
ス16に固定されているが、前記電解槽6と乾燥装置13の
間には先端加工装置5に前記保持部材15を組込むための
凹部17と取出しための凹部18が相互に隣接するように形
成されている。この各槽6〜10と乾燥装置13及び各凹部
17,18はそれぞれ等間隔毎に並んで円環状に配置され、
その中心に移送装置50が設けられている。
【0015】前記保持部材15は、図3に示すように、そ
れぞれチタンから成る水平腕20と、この水平腕20の中央
から垂設した取付基板21とを備えたT字状に形成され、
取付基板21の先端に一対の捕捉片22,23を固定してい
る。この捕捉片22,23は、チタンから成る薄板状に形成
されている。また、各捕捉片22,23は等間隔毎に切込溝2
4を形成して前記針素材1を挟持する弾性変形可能な櫛
歯状の爪部25を形成している。また、爪部25は、一方の
捕捉片22の先端が他方の捕捉片23に圧接するようにカー
ルした湾曲部26が形成されている。
【0016】前記保持部材15に前記針素材1を組み付け
る組付装置30は、主に図1に示すように、針素材1を載
置する載置台31と、この載置台31の上面にスライド自在
に組み付けた供給装置としての押出部材32と、前記各捕
捉片22,23を開閉する開閉装置33とから構成されてい
る。図5に示すように、前記載置台31と押出部材32の重
ね合せ面は、それぞれ断面鋸刃状の凹凸部35が形成さ
れ、この載置台31と押出部材32の凹凸部35を嵌合させる
ことによって載置台31上の押出部材32が載置台31の凹凸
部35に沿ってスライド自在に組み込まれている。また、
載置台31は押出部材32より大きく形成されており、押出
部材32から張り出した余剰部分31Aに針素材1を載置し
ている。このとき、針素材1は載置台31の表面に形成す
る凹凸部35の谷部35Aによって位置決めされている。ま
た、載置台31の後端側には操作摘み36が回動自在に枢着
され、この操作摘み36の回転軸37に前記押出部材32と係
合する偏心カム38が一体的に固定されている。また、載
置台31と押出部材32とはばね39によって連結され、載置
台31にスライド自在に組み付ける押出部材32を常に偏心
カム38に押し付けるように付勢している。なお、載置台
31には押出部材32の位置を規制するストッパとなる段差
部40が形成され、初期位置において押出部材32が前記ば
ね37によって段差部40に当接して位置決めされている。
【0017】前記押出部材32の前方には一対の固定板4
3,43を備えたホルダ44が設けられており、前記固定板4
3,43で保持部材15の水平腕20を挟持することによって、
保持部材15はその先端部に形成する爪部15が前記載置台
31に近接するようにして固定される。そして、このホル
ダ44に固定される保持部材15の爪部15の側部には爪部15
と直交するように開閉装置33が設けられている。
【0018】開閉装置33はガイド部材45と、このガイド
部材45に形成する図示しない案内レールに沿ってスライ
ド自在に組み付けられたスライド体46とから成り、この
スライド体46には、前記爪部25の各捕捉片22,23の間に
挿入する細い軸状の挿入杆47と、操作摘み48が固定され
ている。
【0019】前記保持部材15を搬送する移送装置50は、
十字型の搬送アーム51を備え、その各搬送アーム51の先
端に前記保持部材15の水平腕20を載置する左右一対の支
持アーム52が固定されている。搬送アーム51は、図示し
ないモータ等の回転駆動手段によって間歇的に回転し、
前記支持アーム52に載置した保持部材15を各槽6〜10及
び乾燥装置13に順次、回転搬送するとともに、搬送アー
ム51は図示しない昇降駆動手段によって昇降可能に設け
られている。なお、電解槽6には、保持部材15を載置す
る受部55が形成されている。この受部55は金属製材料か
ら成る左右一対の軸部56を備え、該軸部56には電極棒58
を有する絶縁部材57が設けられ、軸部56に「+」の電極
を印加されるとともに、電極棒58に「−」の電極を印加
される。
【0020】以上のように構成される本実施例の作用・
効果について説明する。
【0021】まず、針素材1の先端を尖鋭状に加工する
前に組付装置30によって多数の針素材1を保持部材15に
装着する。すなわち、針素材1を組付装置30の載置台31
の上面に形成する凹凸部35に載せると、各針素材1は凹
凸部35の谷部35Aに嵌まり込んで、各針素材1が載置台
31上に位置決め状態で載置される。また、針素材1を保
持する保持部材15は、載置台31の前方に設けたホルダ44
に固定することによって、各捕捉片22,23に形成した櫛
歯状の爪部25が前記載置台31に位置決めされた各針素材
1と対峙するように各針素材1と各爪部25とが一直線状
に位置する。これとともに、各捕捉片22,23の側部には
開閉装置33の挿入杆47が配置され、操作摘み48を持って
スライド体46を押出すことによって、挿入杆47が各捕捉
片22,23の間に挿入され、各捕捉片22,23の先端が開く。
この状態で押出装置32の操作摘み36を回転することによ
って、その回転軸37に形成する偏心カム38が回転し、該
偏心カム38と係合する押出部材32がばね39に抗して保持
部材15側にスライドする。これにより、載置台31上の針
素材1の押出されて開状態の爪部25内に挿入される。こ
こでスライド体46を引くことによって各捕捉片22,23の
間に挿入された挿入杆47が各捕捉片22,23から引き抜か
れて載置台31上の針素材1が各捕捉片22,23によって挟
着される。この後、捕捉片22,23で複数の針素材1を挟
着保持した状態で操作摘み36をさらに回転させることに
よって、押出部材32がばね39によって復帰し、初期位置
に戻る。これにより、複数の針素材1が保持部材15の爪
部25に組み込まれる。このとき、一方の捕捉片22の爪部
25には、先端をカールさせた湾曲部26が形成されている
ので、各捕捉片22,23の間に各針素材1を強固に挟み付
けられることができる。
【0022】次に、多数の針素材1を装着した保持部材
15を先端加工装置5の移送装置50にセットする。ここ
で、十字型に形成された4本の搬送アーム51のうち、1
本の搬送アーム51の支持アーム52が組込み凹部17に臨ん
で待機している。そして、針素材1を装着した保持部材
15の水平腕20を組込み凹部17に待機する支持アーム52に
掛け渡す。これにより、保持部材15に装着した針素材1
がベース16に形成する組込み凹部17内に収容される。そ
して、図示しない昇降駆動手段によって、搬送アーム51
を上昇させて針素材1を組込み凹部17から保持部材15を
引き上げた後、搬送アーム51を所定角度、回転させるこ
とによって保持部材15を電解槽6上に搬送させる。この
後、搬送アーム51を降下させることによって、支持アー
ム52で支持していた保持部材15の水平腕20が電解槽6に
近接した受部55の軸部56に乗り上がり、保持部材15が搬
送アーム51から軸部56に乗り移る。こうして受部55で保
持される保持部材15が電解槽6上に支持され、図示しな
い昇降駆動手段によって電解槽6を上昇させる。これに
より、保持部材15で保持した針素材1の先端及び絶縁部
材57を介して軸部56に装着した電極棒58が電解液Wに浸
漬する。そして、軸部56に「+」の電圧を印加するとと
もに、電極棒58に「−」の電圧を印加することによっ
て、電解液Wに浸漬した針素材1の先端を電解研磨して
尖鋭化する。ここで、組込装置30によって多数の針素材
1を保持部材15する場合、組付誤差によって支持体15に
装着する針素材1の長さにバラツキが生じ、支持体15に
装着する針素材1の先端が不揃いとなる。このため、浸
漬開始時において、針素材1の先端の不揃いを解消して
先端を揃えるために、電解槽6を上昇速度を調整して最
も先に電解液Wに浸漬する針素材1の浸漬時間を可変的
に調整する。すなわち、図8に示すように、浸漬開始直
後においては、保持部材15に装着される複数の針素材1
の最も長い針素材1Aの先端が電解液Wに浸漬するもの
の最も短い針素材1Aは電解液Wの液面レベルRに到達
しないため、浸漬開始時に、保持部材15に装着する最も
長い針素材1Aと最も短い針素材1Bとの差Lに応じて
先行する針素材1Aを所定長さSだけ浸漬させる。そし
て、その先行する長い針素材1Aを電解液Wに浸漬し、
これを所定時間、かけて所定長さSまで浸漬させる間に
電解液W中の針素材1Aの先端を溶解させる。これとと
もに最も短い針素材1Bは電解液Wに液面レベルRに到
達し、これにより、保持部材15に装着する各針素材1の
先端が電解液Wに液面レベルRとなり、この後、電解槽
6を徐々に上昇させ、保持部材15に装着した各針素材1
を電解液Wに浸漬させて各針素材1の先端を溶解させる
ことによって、各針素材1A,1Bをそれぞれ均一に尖
鋭化することができる。こうして、各針素材1の先端を
尖鋭状に形成した後、電解槽6を降下させて電解液Wか
ら各針素材1を取り出した状態で搬送アーム51を上昇さ
せて搬送アーム51の先端に取り付けた支持アーム52に保
持部材15の水平腕20を支持させる。この後、支持アーム
52を回転させて洗浄槽7,8に順次搬送し、洗浄槽7,8
に充填した純水に浸漬させることによって、先の電解研
磨工程で各針素材1に付着した電解液Wの濯ぎ洗浄を行
う。このように、純水にて洗浄した各針素材1は搬送ア
ーム51によって二槽の洗浄槽7,8に順次搬送され、純
水とアルコールを混合した二槽の洗浄槽9,10でさらに
洗浄される。この洗浄槽9,10は純水とアルコールが混
合されているため、洗浄工程において針素材1に付着す
る純水がアルコールの作用によって蒸発しやすくなるた
め、最終的に乾燥装置13へと搬送された針素材1は、乾
燥装置13のドライヤ12からの温風により効率的に乾燥処
理される。こうして、乾燥装置13によって乾燥した針素
材1は搬送アーム51により最終的に取出し用の凹部18へ
と搬送され、ここで搬送アーム51の支持アーム52から保
持部材15を取り出して一連の工程が完了する。なお、搬
送アーム51は十字型に形成され、その搬送アーム51の先
端に4組の保持部材15をセットすることが可能であり、
4組の保持部材15に装着する針素材1の先端加工工程、
洗浄工程及び乾燥工程を同時に行うことが可能である。
【0023】以上のように、本実施例においては、保持
部材15に装着される針素材1のうち、最も長い針素材1
Aが電解液Wの液面レベルRに到達してから、その針素
材1Aが所定長さSを浸漬させるまでの間、その針素材
1Aの浸漬時間を可変的に調整して、最も短い針素材1
Bの先端が電解液Wの液面レベルRに到達するまでの
間、先行する長い針素材1Aの先端を溶解させ、最も短
い針素材1Aが電解液Wの液面レベルRに到達した段階
で保持部材15に装着する針素材1の先端が電解液Wの液
面レベルRに揃えることができる。これにより、保持部
材15に装着した針素材1の長さを揃えてこれら各針素材
1の先端部を揃えることができる。こうして、各針素材
1の先端部を揃えた後、保持部材15に装着した多数の針
素材1を一斉に電解液Wに浸漬することによって、その
針素材1の先端を全て均一的に溶解させて尖鋭化するこ
とができる。
【0024】また、保持部材15に前記針素材1を組み付
ける際、組付装置30を用いることによって効率的に多数
の針素材1を保持部材15に装着することができる。すな
わち、針素材1を組付装置30の載置台31の上面に形成す
る凹凸部35に載せ、各針素材1を凹凸部35の谷部35Aに
よって位置決めすることによって、載置台31上の針素材
1を保持部材15の櫛歯状の爪部25に正確に合わせること
ができる。このため、載置台31に組み付けた押出装置32
で載置台31上の針素材1を押出すことによって、針素材
1は、開閉装置33の挿入杆47によって開状態で保持され
た保持部材15の爪部25に正確に挿入することができる。
そして、挿入杆47を各捕捉片22,23から引き抜くことに
よって、保持部材15の爪部25で多数の針素材1を挟着保
持することができる。また、一方の捕捉片22の先端にカ
ールした湾曲部26が形成されているので、針素材1を強
固に保持することができるから、保持部材15から針素材
1が脱落することもない。
【0025】また、保持部材15で保持した針素材1を搬
送アーム51の先端に取り付けた支持アーム52にセット
し、支持アーム52の回転により、保持部材15で保持した
針素材1を電解槽6、洗浄槽7,8,9,10及び乾燥装置1
3へと順次搬送して乾燥装置13で乾燥処理した針素材1
を取出し凹部18に搬送することで、針素材1の先端加工
工程、洗浄工程及び乾燥工程を連続的に処理することが
できる。しかも、保持部材15で保持する搬送アーム51
は、十字型に形成され、その搬送アーム51の先端に4組
の保持部材15に装着することができ、同時に4組の保持
部材15で保持した針素材1を処理することができるた
め、生産性を高めることができる。
【0026】以上、本発明の実施例について詳述した
が、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、
本願発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であ
る。例えば、針素材を保持する保持部材の形状や針素材
を保持するための構造あるいは、この保持部材に針素材
をセットする組込み装置の構造なども適宜選定すればよ
い。また、保持部材を搬送する移送装置や各針素材を電
解槽に浸漬する構造などの前記実施例に限定されるもの
ではない。すなわち、前記実施例では、各針素材を電解
槽に浸漬する際、電解槽を上昇させた例を示したが、保
持部材を支持した軸部を降下させて各針素材を電解槽に
浸漬するように構成してもよい。
【0027】
【発明の効果】請求項1の発明の縫合針の先端加工方法
によれば、所定の長さに形成された直線状の針素材を相
互に位置決め保持する保持部材を設け、この保持部材を
介して前記針素材の先端を電解液に浸漬させ、電解液中
に挿入した電極の通電によって前記針素材の先端を尖鋭
状に形成する縫合針の先端加工方法であって、前記保持
部材に装着された状態で最も長い針素材の先端が前記電
解液の液面レベルに到達してから、前記保持部材に装着
された最も短い針素材の先端が前記電解液の液面レベル
に到達するまでの間、先行する前記針素材の浸漬時間を
調整することによって前記最も短い針素材の先端が前記
電解液の液面レベルに到達するまでの間に、先行する針
素材の先端を溶解して成るものであるから、保持部材に
装着した複数の針素材の先端を全て均一的に尖鋭化する
ことができる。
【0028】請求項2の発明の先端加工装置によれば、
請求項1記載の縫合針の先端加工方法に用いる先端加工
装置であり、前記複数の針素材を整列状態で載置する載
置台と、前記針素材の基部を挟持する捕捉手段を備えた
保持部材と、前記捕捉手段を開閉する開閉手段と、前記
載置台に対して移動可能に設けられ前記開閉手段により
開状態の捕捉手段に前記針素材を移送する供給装置と、
前記保持部材を電解液を充填した電解槽に移送する移送
装置と、前記保持部材又は電解槽を昇降させて前記針素
材の先端を電解液に浸漬させる昇降装置とを具備したも
のであるから、複数の針素材を保持部材に効率的に装着
することができ、保持部材に装着した針素材を短時間で
大量に処理することができる。
【0029】請求項3の発明の先端加工装置によれば、
請求項2記載の先端加工装置において、前記電解槽に隣
接して複数の洗浄槽と、乾燥装置とを配置し、前記移送
装置により、電解槽から洗浄槽、乾燥装置に順次搬送し
てなるものであるから、針素材の先端加工工程、洗浄工
程及び乾燥工程を連続的に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す針素材の組み込み装置
を示す全体平面図である。
【図2】同上先端加工装置の概略を示す全体平面図であ
る。
【図3】同上保持部材の正面図である。
【図4】同上保持部材への針素材の組み込み状態を示す
側面図である。
【図5】同上図4のA−A線断面図である。
【図6】同上開閉装置の動作を示す平面図である。
【図7】同上先端加工装置の電解槽への針素材の組み付
け状態を示す斜視図である。
【図8】同上針素材の先端加工工程を示す説明図であ
り、図10(a)は、先行する針素材が液面レベルに達
した状態を示し、図10(b)は、先行する針素材を溶
解させて長短の針素材の先端を揃えた状態を示し、図1
0(c)は、先端を揃えた針素材の先端加工工程を示し
ている。
【図9】同上針素材の斜視図である。
【図10】従来例の針素材の先端加工工程を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 針素材 5 先端加工装置 6 電解槽 7,8,9,10 洗浄槽 12 乾燥装置 22,23 捕捉片(捕捉手段) 30 組付装置 31 載置台 32 押出部材(供給装置) 33 開閉装置 50 移送装置 W 電解液

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の長さに形成された直線状の針素材
    を相互に位置決め保持する保持部材を設け、この保持部
    材を介して前記針素材の先端を電解液に浸漬させ、電解
    液中に挿入した電極の通電によって前記針素材の先端を
    尖鋭状に形成する縫合針の先端加工方法であって、前記
    保持部材に装着された状態で最も長い針素材の先端が前
    記電解液の液面レベルに到達してから、前記保持部材に
    装着された最も短い針素材の先端が前記電解液の液面レ
    ベルに到達するまでの間、先行する前記針素材の浸漬時
    間を調整することによって前記最も短い針素材の先端が
    前記電解液の液面レベルに到達するまでの間に、先行す
    る針素材の先端を溶解して成ることを特徴とする縫合針
    の先端加工方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の縫合針の先端加工方
    法に用いる先端加工装置であり、前記複数の針素材を整
    列状態で載置する載置台と、前記針素材の基部を挟持す
    る捕捉手段を備えた保持部材と、前記捕捉手段を開閉す
    る開閉手段と、前記載置台に対して移動可能に設けられ
    前記開閉手段により開状態の捕捉手段に前記針素材を移
    送する供給装置と、前記保持部材を電解液を充填した電
    解槽に移送する移送装置と、前記保持部材又は電解槽を
    昇降させて前記針素材の先端を電解液に浸漬させる昇降
    装置とを具備したことを特徴とする先端加工装置。
  3. 【請求項3】 前記電解槽に隣接して複数の洗浄槽と、
    乾燥装置とを配置し、前記移送装置により、電解槽から
    洗浄槽、乾燥装置に順次搬送してなることを特徴とする
    請求項2記載の先端加工装置。
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