JP2002144118A - 偏心チャック - Google Patents

偏心チャック

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JP2002144118A JP2000337528A JP2000337528A JP2002144118A JP 2002144118 A JP2002144118 A JP 2002144118A JP 2000337528 A JP2000337528 A JP 2000337528A JP 2000337528 A JP2000337528 A JP 2000337528A JP 2002144118 A JP2002144118 A JP 2002144118A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外形が小さくチャック効率が向上した偏心チ
ャックを提供することである。 【解決手段】 チャック本体2にマスタジョー12を旋
回中心に向けてチャック半径方向移動可能に設けて、把
握動作の中心と旋回中心とを同じにすることで偏心チャ
ック1の外形が大きくならないようにする。各マスタジ
ョー12には、旋回中心と偏心した位置にワーク把握部
24,25を備えたチャック爪10,11を夫々設け
る。各チャック爪10,11には、ワーク把握部24,
25と旋回中心を介して反対側の反対側部分10a,1
1aに夫々当接部30を設ける。ワークWを把握した際
に各当接部30が互いに当接し、チャック爪10,11
とマスタジョー12とがチャック本体1に対して回転し
ようとするのが妨げられ、マスタジョー12とガイド溝
9の摩擦力の増加によるシリンダ力の損失が防止され、
チャック効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワークの切削中
心とチャック旋回中心とが一致するようにワークをチャ
ックの旋回中心から偏心した位置で把握する偏心チャッ
クに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の旋回中心から偏心した位置でワー
クを把握する偏心チャックとして、図10に示すもの
がある。この偏心チャック45は、チャック本体2に設
けられたチャック半径方向のガイド溝9にマスタジョー
12をチャック旋回中心に向けてチャック半径方向に摺
動可能に備えた周知の2つ爪チャックであり、そのマス
タジョー12にチャック旋回中心から偏心した位置でワ
ークWを把握可能なチャック爪46を備え、そのチャッ
ク爪46でワークWを把握し、ワークWの切削中心がチ
ャック旋回中心と一致するようにしている。また、特
開平9−277107号等に開示のものがある。このチ
ャックは、ハウジングの前面に取付けられたバランスリ
ングに、旋盤の主軸中心(チャックの旋回中心)から偏
心した位置に主軸と平行にサブハウジングが設けられて
おり、サブハウジングにサブハウジングの中心に向けて
半径方向に移動可能なジョウピース(チャック爪)が設
けられ、ジョウピースはサブハウジングの軸心と同心の
アクチュエータに連結されている。ハウジング内には主
軸と同心軸のドローバージョイントが摺動可能に設けら
れ、そのドローバージョイントと偏心して前記アクチュ
エータが連結されてシリンダ力伝達手段が構成されてい
る。シリンダ力伝達手段が移動されるとジョウピース
が、ワークの切削中心と主軸中心とが一致するように、
ワークを主軸中心から偏心した位置で把握する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のでは、ワ
ークを旋回中心から偏心した位置で把握したときに、マ
スタジョーに把握力による偏心荷重が加わりマスタジョ
ーがガイド溝内で回転しようとし、そのマスタジョーの
回転力によってマスタジョーとガイド溝間の摩擦が大き
くなり、摩擦力分のシリンダ力が余分に必要となり円滑
な動作を妨げ、チャック効率が低下し、ワークの把握を
十分に行えない問題があった。また、チャック爪とマス
タジョーにチャック本体に対して回転しようとする回転
力が作用することで、チャック爪とマスタジョーとチャ
ック本体とを破損しようとする無理な力が加わる問題が
あった。
【0004】また、では、ハウジングに偏心してサブ
ハウジングが設けられており回転時のバランスを取るた
めバランスリングをサブハウジング外周に設けてあると
共にチャック爪の把握中心がチャックの旋回中心から偏
心して設けてあるので、把握中心と旋回中心が同一の通
常のチャックより把握中心と旋回中心との偏心量分だけ
チャックの外径が大きくなる問題があった。また、シリ
ンダ力を偏心位置に伝えるため、ドローバージョイント
とアクチュエータとが偏心して連結されているので、ド
ローバージョイントとアクチュエータが重なりその分チ
ャックが旋回軸方向に厚くなると共に、シリンダ力の伝
達の際ドローバージョイントに対して相対的にアクチュ
エータに旋回中心回りのモーメントが作用し、ドローバ
ージョイントとハウジング、アクチュエータとサブハウ
ジング間の摩擦力が増加しチャック効率が低下すると共
に円滑な動作を妨げる問題があった。この発明の課題
は、チャック爪とマスタジョーに無理な力が加わらず、
チャックの大きさを小さくでき、チャック効率が向上し
た偏心チャックを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題解決のため本願
発明では、ワークをチャックの旋回中心より偏心した位
置で把握する偏心チャックにおいて、チャック本体にチ
ャック旋回中心に向けてチャック半径方向に摺動可能な
相互に対向する2つのマスタジョーを備え、各マスタジ
ョーに夫々備えられたチャック爪の一方をマスタジョー
に対して揺動可能に設け、それらのチャック爪にはチャ
ック旋回中心から偏心した位置にワーク把握部を備え、
また、ワーク把握部とチャック旋回中心に対して反対側
部分には、前記ワーク把握部間でワークを把握した際
に、互いに当接する当接部を設けたことを特徴とする
(請求項1)。
【0006】ワークをチャックの旋回中心より偏心した
位置で把握する偏心チャックにおいて、チャック本体に
チャック旋回中心に向けてチャック半径方向に摺動可能
な相互に対向する2つのマスタジョーを備え、各マスタ
ジョーにチャック爪をマスタジョーに対して夫々揺動可
能に設け、それらのチャック爪にはチャック旋回中心か
ら偏心した位置にワーク把握部を備え、また、ワーク把
握部とチャック旋回中心に対して反対側部分には、前記
ワーク把握部間でワークを把握した際に、チャック本体
に固定した固定当接部に当接する当接部を夫々設けたこ
とを特徴とする(請求項2)。
【0007】これらによれば、ワークを把握した際に各
当接部が当接することで当接部に作用する反力により、
偏心荷重によるチャック爪とマスタジョーのチャック本
体に対する回転が防止され、チャック効率の低下が防止
される。
【0008】また、ワークをチャックの旋回中心より偏
心した位置で把握する偏心チャックにおいて、チャック
本体にチャック旋回中心に向けてチャック半径方向に摺
動可能な相互に対向する2つのマスタジョーを備え、各
マスタジョーに夫々備えられたチャック爪をマスタジョ
ーに対して揺動可能に設け、それらのチャック爪にはチ
ャック旋回中心から偏心した位置にワーク把握部を備
え、また、ワーク把握部とチャック旋回中心に対して反
対側部分にチャック本体に固定したピン部材を通して各
チャック爪を揺動可能にピン連結し、マスタジョーの直
線移動によりピン部材を中心としてワーク把握部が開閉
することを特徴とする(請求項3)。これによれば、ワ
ークを把握した際に各チャック爪のワーク把握部と反対
側部分がピン部材に当接し、そのチャック爪の反対側部
分とピン部材とによりチャック爪に作用する偏心荷重を
受けるので、チャック本体に対してマスタジョー及びチ
ャック爪を回転しようとする無理な力が作用するのを防
止できる。また、チャック爪の反対側部分をピン連結す
ることで、チャック爪が反対側部分を回動中心として回
動し、マスタジョーの移動距離をワーク把握部に反対側
部分とマスタジョーの距離と反対側部分とワーク把握部
との距離との比により拡大して伝えることとなるので、
その距離が拡大される分マスタジョーの移動距離を小さ
くすること、即ち、ウェッジプランジャーの楔溝とマス
タジョーの楔部の勾配を小さくすることができ、勾配が
小さくなった分ウェッジプランジャーからマスタジョー
に伝わるシリンダ力が大きくなり、そのため把握力が反
対側部分とワーク把握部とに分散してもワーク把握部の
把握力が大きく、好ましい。
【0009】上記これらによれば、チャックの旋回中心
と把握動作の中心が同じなので、旋回中心と把握中心の
偏心量分余分に外径が大きくならず、また、マスタジョ
ーにシリンダ力を伝達し開閉するためのウェッジプラン
ジャ(シリンダ力伝達手段)が旋回中心と同軸上にあ
り、シリンダ力が直線的に伝達されるので、旋回軸線の
垂直方向にモーメントが作用せずチャック効率の低下を
防止できる。更に、シリンダ力を直線的に伝えるためウ
ェッジプランジャに旋回軸線と垂直方向に屈曲する部分
がないので、旋回中心軸方向に重なりが無く、旋回中心
軸方向の厚さを薄くできる。
【0010】ワークを開放した際に、チャック爪の揺動
を規制する揺動規制部材を備えていることを特徴とする
(請求項4)。これによれば、チャック爪が開いたとき
に爪の揺動が規制され好適である。
【0011】各チャック爪にワークを心出しする心出し
手段を設けたことを特徴とする(請求項5)。チャック
爪の把握動作と同時にワークの心出しが行われ好適であ
る。
【0012】また、チャック本体にチャックのバランス
を調整するためのバランスウェイトを設けたことを特徴
とする(請求項6)。バランスウェイトによりワークが
旋回中心から偏心した位置で把握されてもチャックのバ
ランスが保たれ、また、このバランスウェイトは旋回軸
方向に設けられるので、チャック外径を大きくすること
がなく好適である。
【0013】ワークをチャックの旋回中心より偏心した
位置で把握する偏心チャックにおいて、チャック本体に
チャック旋回中心に向けてチャック半径方向に摺動可能
な相互に対向する2つのマスタジョーを備え、それらの
マスタジョーに備えたチャック爪にはチャック旋回中心
から偏心した位置にワーク把握部を備え、そのワーク把
握部がワークを把握した際に、ワーク把握動作によっ
て、各チャック爪に作用して、チャク本体に対してマス
タジョーを回転させようとする把握回転力と反対回りの
抑制回転力を各チャック爪に生じさせて、各チャック爪
の把握回転力を抑制する回転力抑制手段を備えてなる
(請求項7)。回転力抑制手段により把握回転力が抑制
されるので、マスタジョーとチャック本体間の摩擦が抑
えられ、チャック効率の低下が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】本願発明の実施の形態について図
1から図6に基づいて説明する。チャック1は周知の2
爪の楔形チャックであり、チャック本体2の背面にはバ
ックプレート3が取付けられており、図示しない工作機
械の主軸先端に一体的に固着されている。チャック本体
2の内側には収容孔4が設けられており、その収容孔4
には、ウェッジプランジャ5がチャック旋回軸線方向に
進退可能に収容されている。ウェッジプランジャ5の後
部分はバックプレート3を貫通して主軸後端に設けた図
示しない回転シリンダの如き駆動源に連結されている。
また、チャック本体2の前面6中心には、パイロットプ
レート7が固着され、ウェッジプランジャ5の中心孔8
に遊嵌されている。また、チャック本体2の前面6には
180度の円周方向間隔で半径方向の2つのガイド溝9
が形成され、各ガイド溝9には後述のチャック爪10、
11が夫々設けられるマスタジョー12が相互に対向し
て半径方向移動可能に案内されている。周知のようにマ
スタジョー12のウェッジ部13は、前記ウェッジプラ
ンジャ5のウェッジ溝14と係合され、ウェッジプラン
ジャ5の進退(前後動)によって、マスタジョー12が
半径方向に開閉移動するようになっている。
【0015】また、チャック本体2の前面6にはチャッ
ク1が後述のチャック爪10,11でワークWを把握し
た状態で、チャック回転時のバランスを調整するための
バランスウェイト15を着脱可能な2つの錘取付部材1
6,17が設けられている。各錘取付部材16,17
は、図1に示すようにチャック本体2の円周方向に沿っ
た略円弧形状をしており、チャック本体2の半径方向外
側(図1、2において上下方向)に固着されている。下
側の錘取付部材17には、ワークガイド18が設けられ
ている。また、パイロットプレート7の前面でチャック
旋回中心よりチャック半径方向外側(図1において下
側)には、ストッパ19が設けられている。ストッパ1
9は、図3に示すようにワークWの外周に沿う半円弧受
面19aの両側にチャック前方に突出する腕部20を備
えU形を成しており、その腕部20にはワークWの着座
確認用の空気吹出し孔21が設けてある。
【0016】前記各マスタジョー12の前面には夫々チ
ャック爪10,11が設けられている。チャック爪1
0,11は、ベースジョー22,23とインサートジョ
ー24,25とから成っている。各ベースジョー22,
23は、マスタジョー12の開閉方向と直交方向に広が
る形状をしている。一方(図1において左側)のチャッ
ク爪10のベースジョー22はその略中心で、一方のマ
スタジョー12に螺着されたピン部材27によって、マ
スタジョー12に対して揺動可能に備えられている。他
方(図1において右側)のチャック爪11のベースジョ
ー23は、他方のマスタジョー12に固着されている。
各チャック爪10,11のインサートジョー24,25
はワーク把握部であり、夫々のインサートジョー24,
25は、チャック旋回中心から偏心した位置でワークW
を把握可能なように、ベースジョー22,23のマスタ
ジョー12開閉方向と直交方向の一端側(図1において
下側)の内側面に対向して設けられている。揺動側のベ
ースジョー22の一端に形成されている切欠円弧孔29
には、ピン部材26がその軸線方向の抜け止めを施し
て、回動自在に嵌め込まれている。切欠円弧孔29の切
欠部から露出しているピン部材26の周面の一部にイン
サートジョー24がボルト28で一体固着され、こうし
てインサートジョー24は、ピン部材26を介してベー
スジョー22に揺動自在に設けてある(図5)。他方側
のインサートジョー25はベースジョー23に固着され
ている。インサートジョー24,25のワークWに向く
側には、前記ストッパ19を挟んで半径方向の両側に、
ワークWの周面に沿った円弧状の把持面24a,24
b,25a,25bが形成されている(図4)。
【0017】また、各チャック爪10,11は、インサ
ートジョー24,25とチャック旋回中心に対して反対
側部分10a,11a、即ちベースジョー22,23の
マスタジョー12開閉方向と直交方向の他端側の内側面
にインサートジョー24,25がワークWを把握した際
に、互いに当接する当接部30が設けられている。ま
た、各チャック爪10,11は、夫々心出し手段31を
備えている。各心出し手段31は同一構造なので一方の
チャック爪10に設けられたものについて説明する。心
出し手段31はベースジョー22に備えられ、チャック
旋回中心と当接部30間に位置している。ベースジョー
22には、図5に示すようにチャック半径方向のばね挿
入孔32と、図1に示すように前面部分に心出し部材3
3を案内する案内凹部34が形成されている。ばね挿入
孔32内には、心出し用ばね35が挿入されており、案
内凹部34に係合された心出し部材33をチャク旋回軸
線に向けて付勢しており、心出し部材33はばね挿入孔
32の底面に螺合されたボルト36によってベースジョ
ー22からの突出が規制されている。
【0018】また、一方のベースジョー22にはチャッ
ク爪10の揺動を規制する揺動規制部材37が設けられ
ている。この揺動規制部材37は、錘取付部材16に設
けられた揺動規制ボルト38にチャック爪10が開放さ
れたときに当接し、チャック爪10がふらつくのを防止
するものである。また、チャック爪10には、チャック
爪10のワークW把握時の揺動量を調整するための調整
ボルト39が螺合されており、調整ボルト39の先端と
マスタジョー12との隙間によって揺動量が決められて
いる。尚、40は、ワークWに指向するエアノズルであ
る。また、マスタジョー12に伝わるシリンダ力は各チ
ャック爪10,11のワーク把握部24,25と当接部
30とに分散され、ワークWの把握力が小さくなるが、
チャック爪10,11のワーク把握部24,25と旋回
中心までの距離と、当接部30と旋回中心までの距離と
の比を変えることでワーク把握力を変えることができ、
ワーク把握部24,25と旋回中心までの距離を当接部
30と旋回中心までの距離より大きく設定すれば、把握
力の減少を小さくすることができる。
【0019】次に動作を説明する。加工すべきワークW
をストッパ19及びワークガイド18に押し当てる。図
示のない回転シリンダからのシリンダ力をウエッジプラ
ンジャ5に伝達し、ウェッジプランジャ5を後方に引き
込み、マスタジョー12をチャック旋回中心に向けて移
動していく。すると、先ずチャック爪10,11に設け
た心出し部材33の先端がワークWに当接し、心出し用
ばね35の付勢力によってワークWが心出しされワーク
Wの加工中心がチャック1の旋回中心と一致し、ストッ
パ19と心出し手段31とによりワークWが仮クランプ
される。更にマスタジョー12が移動すると各インサー
トジョー24,25がワークWに当接してワークWを把
握する。このとき、ワークWにならって一方のチャック
爪10がマスタジョー12に対して揺動し、一方のイン
サートジョー24もチャック爪10に対し揺動するので
確実にワークWを把握する。
【0020】ワークWを把握すると各チャック爪10,
11の当接部30が互いに当接する。このワークWを把
握した際に各チャック爪10,11及びマスタジョー1
2には、ワーク把握時のマスタジョー12の移動方向と
反対方向の、ワークWからの把握反力による偏心荷重が
作用する。この把握反力により、チャック本体2に対し
てチャック爪10,11とマスタジョー12を回転しよ
うとする把握回転力が作用する。と同時に当接部30間
には、互いに当接する方向(ワーク把握時のマスタジョ
ー12の移動方向)とは反対方向に反力が作用し、チャ
ック爪10,11にワークWからの把握反力と同方向に
当接反力を生じる。当接反力によってチャック爪10,
11とマスタジョー12には、チャック本体2に対して
把握回転力と反対回りの抑制回転力が生じる。この把握
反力と当接反力とは、夫々マスタジョー12を中心とし
てチャック爪10,11とマスタジョー12とを反対方
向に回転しようとする力なので、相互に打ち消しあう。
これによってチャック爪10,11とマスタジョー12
とに偏心荷重力が作用することが防止され、マスタジョ
ー12がガイド溝9内で回転してマスタジョー12とガ
イド溝9間の摩擦が大きくなりシリンダ力の伝達の低下
(チャック効率の低下)が防止される。また、マスタジ
ョー12とガイド溝9を破損しようとする無理な力が防
止される。このように各チャック爪10,11の当接部
30は、チャック爪10,11とマスタジョー12のチ
ャック本体2に対する回転を抑制する抑制回転力を発生
する回転制御手段となっている。
【0021】また、回転シリンダと同一軸心のウェッジ
プランジャ5を介してシリンダ力がマスタジョー12に
伝達されマスタジョー12が旋回中心に向けて移動する
ので、把握動作の中心とチャック旋回中心とが同じとな
り、従来の偏心チャックのように回転シリンダからのシ
リンダ力が回転シリンダの軸心と偏心した軸を介してマ
スタジョーに伝達されるため旋回中心回りのモーメント
が発生することが無く、チャック効率の低下が防止され
ると共に、チャック1の旋回軸線方向の厚さが薄くな
り、更に、チャック1の外径が大きくなることが無い。
【0022】このワークWを把握した状態でチャック1
が回転され、ワークWの切削加工が行われる。加工が終
了すると、ウエッジプランジャ5を前進させワークWを
アンクランプし、ワークWを取り外す。ワークWをアン
クランプしチャック爪10,11が開くと、一方のチャ
ック爪10に設けた揺動規制部材37がチャック本体2
の揺動規制ボルト38と当接し、アンクランプ状態での
チャック爪10の揺動が防止される。
【0023】次に第2の実施の形態について説明する。
図7は、要部の概要を示す図である。これは、第1の実
施の形態と略同様な構成であり、同一部分の説明は省略
する。各マスタジョー12には、ピン部材27により夫
々揺動可能にチャック爪10A,11Aが設けられてい
る。チャック本体前面6には固定当接部41が設けられ
ており、各チャック爪10A,11Aに設けた夫々の当
接部30がワーク把握時に当接するようになっており、
固定当接部41と各当接部30が当接した際にチャック
爪10A,11Aに反力を与え、ワークWを把握するこ
とによって発生する把握回転力を打ち消す抑制回転力を
生ずる回転抑制手段となっている。これによって前記第
1の実施の形態と同様にチャック効率の低下が防止され
ると共に無理な力が加わらず、チャック1Aを大きくす
るすることが無い。この偏心チャック1AはワークWの
把握部分が黒皮に覆われているもの等のチャック爪10
A,11Aにより把握する部分が基準となっていないも
のの把握に適している。
【0024】次に第3の実施の形態について説明する。
図8は要部の概要を示す図である。第1の実施の形態と
略同様な構成であるので、同一部分の説明は省略する。
各マスタジョー12には、ピン部材27により揺動可能
に夫々チャック爪10B,11Bが設けられている。各
チャック爪10B,11Bのインサートジョー24B,
25Bと反対側部分10Ba,11Baには、夫々長孔
42が設けられている。チャック本体2の前面にはピン
部材43が固着されており、このピン部材43が前記長
孔42に挿入されて各チャック爪10B,11Bをピン
連結している。前記第1、第2の実施の形態と同様に、
チャック爪10B,11BによりワークWを把握した際
にはチャック爪10B,11BにワークWからの反力が
作用しチャック爪10B,11Bを回転しようとする
が、ワーク把握時にピン部材43を固定当接部として各
チャック爪10B,11Bの長孔42の内周面が当接し
て反力が生じ、この長孔42とピン部材43との反力が
ワークWの反力によるチャック爪10B,11Bの回転
方向と反対方向の回転をチャック爪10B,11Bに与
え、前記実施の形態と同様にチャック効率の低下が防止
されると共に無理な力が加わるのを防止する。このよう
にピン部材43と長孔42とは回転抑制手段となってい
る。
【0025】また、この偏心チャック1Bでは、マスタ
ジョー12が移動した際にチャック爪10B,11Bが
ピン部材43を中心として回動するので、マスタジョー
12からベースジョー22B,23Bに伝わる力に対し
てインサートジョー24B,25Bでの力は、ピン部材
43とピン部材27との距離とピン部材43とインサー
トジョー24B,25Bとの距離の比により拡大され
る。また、マスタジョー12の移動量に対しインサート
ジョー24B,25Bの移動量も拡大される。これによ
ってインサートジョー24B,25Bの移動量が拡大さ
れる分、マスタジョー12の移動量を小さくできる。回
転シリンダからウエッジプランジャ5を介してマスタジ
ョー12に伝えられるシリンダ力は、マスタジョー12
のウェッジ部13とウェッジプランジャ5のウェッジ溝
14の高さ(角度)の増加に対して減少するので、マス
タジョー12の移動量を小さくすること、即ち、マスタ
ジョー12のウェッジ部13とウェッジプランジャ5の
ウェッジ溝14の高さを低く(角度を小さく)すると、
シリンダ力がマスタジョー12へ大きく伝わる。これら
によって、前記第1、第2の実施の形態でのチャック爪
の把握力より、把握力を大きくすることができる。
【0026】図9は第4の実施の形態を示すものであ
り、これは第3の実施の形態において、各チャック爪1
0C,11Cの反対側部分10Ca,11Caの各長孔
42を夫々チャック本体前面6に設けた2本のピン部材
44にピン連結したものである。
【0027】
【発明の効果】以上のように本願発明では、チャック爪
によりワークを把握した際に、チャック爪のワーク把握
部と反対側部分が互いにまたはチャック本体に設けた固
定当接部やピン部材等の突起物と当るので、チャック爪
とマスタジョーとをチャック本体に対して回転しようと
する偏心荷重が加わるのが防止され、そしてガイド溝と
マスタジョーとの摩擦力の増加によるチャック効率の低
下を防止する。また、チャックの旋回中心と把握動作の
中心が同じであるので、チャック爪を開閉する駆動力の
伝達の低下も防止され、これによってもチャック効率の
低下を招かない。また、把握動作の中心が旋回中心と一
致しているので、従来の把握動作の中心が偏心したもの
のように駆動力を伝えるための厚みや、把握動作の中心
と旋回中心の偏心距離の分、チャック外径が大きくなる
ことがなく、小型のチャックにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏心チャックの正面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】ワーク把握部の拡大図である。
【図5】心出し手段を示す図である。
【図6】チャック爪とマスタジョーの係合を示す図であ
る。
【図7】第2の実施の形態を示す図である。
【図8】第3の実施の形態を示す図である。
【図9】第4の実施の形態を示す図である。
【図10】従来の技術である。
【符号の説明】
1 偏心チャック 2 チャック本体 10,11 チャック爪 10a,11a ワーク把握部の反対側部分 12 マスタジョー 15 バランスウェイト 24,25 ワーク把握部(インサートジョー) 30 当接部 31 心出し手段 37 揺動規制部材 41 固定当接部 43,44 ピン部材 W ワーク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークをチャックの旋回中心より偏心し
    た位置で把握する偏心チャックにおいて、チャック本体
    にチャック旋回中心に向けてチャック半径方向に摺動可
    能な相互に対向する2つのマスタジョーを備え、各マス
    タジョーに夫々備えられたチャック爪の一方をマスタジ
    ョーに対して揺動可能に設け、それらのチャック爪には
    チャック旋回中心から偏心した位置にワーク把握部を備
    え、また、ワーク把握部とチャック旋回中心に対して反
    対側部分には、前記ワーク把握部間でワークを把握した
    際に、互いに当接する当接部を設けたことを特徴とする
    偏心チャック。
  2. 【請求項2】 ワークをチャックの旋回中心より偏心し
    た位置で把握する偏心チャックにおいて、チャック本体
    にチャック旋回中心に向けてチャック半径方向に摺動可
    能な相互に対向する2つのマスタジョーを備え、各マス
    タジョーにチャック爪をマスタジョーに対して夫々揺動
    可能に設け、それらのチャック爪にはチャック旋回中心
    から偏心した位置にワーク把握部を備え、また、ワーク
    把握部とチャック旋回中心に対して反対側部分には、前
    記ワーク把握部間でワークを把握した際に、チャック本
    体に固定した固定当接部に当接する当接部を夫々設けた
    ことを特徴とする偏心チャック。
  3. 【請求項3】 ワークをチャックの旋回中心より偏心し
    た位置で把握する偏心チャックにおいて、チャック本体
    にチャック旋回中心に向けてチャック半径方向に摺動可
    能な相互に対向する2つのマスタジョーを備え、各マス
    タジョーに夫々備えられたチャック爪をマスタジョーに
    対して揺動可能に設け、それらのチャック爪にはチャッ
    ク旋回中心から偏心した位置にワーク把握部を備え、ま
    た、ワーク把握部とチャック旋回中心に対して反対側部
    分にチャック本体に固定したピン部材を通して各チャッ
    ク爪を揺動可能にピン連結し、マスタジョーの直線移動
    によりピン部材を中心としてワーク把握部が開閉するこ
    とを特徴とする偏心チャック。
  4. 【請求項4】 ワークを開放した際に、チャック爪の揺
    動を規制する揺動規制部材を備えていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の偏心チャック。
  5. 【請求項5】 各チャック爪にワークを心出しする心出
    し手段を設けたことを特徴とする請求項1から4何れか
    1項記載の偏心チャック。
  6. 【請求項6】 チャック本体にチャックのバランスを調
    整するためのバランスウェイトを設けたことを特徴とす
    る請求項1から5何れか1項記載の偏心チャック。
  7. 【請求項7】 ワークをチャックの旋回中心より偏心し
    た位置で把握する偏心チャックにおいて、チャック本体
    にチャック旋回中心に向けてチャック半径方向に摺動可
    能な相互に対向する2つのマスタジョーを備え、それら
    のマスタジョーに備えたチャック爪にはチャック旋回中
    心から偏心した位置にワーク把握部を備え、そのワーク
    把握部がワークを把握した際に、ワーク把握動作によっ
    て、各チャック爪に作用して、チャク本体に対してマス
    タジョーを回転させようとする把握回転力と反対回りの
    抑制回転力を各チャック爪に生じさせて、各チャック爪
    の把握回転力を抑制する回転力抑制手段を備えてなる偏
    心チャック。
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