JP2002141893A - クロック供給装置 - Google Patents

クロック供給装置

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JP2002141893A
JP2002141893A JP2000332478A JP2000332478A JP2002141893A JP 2002141893 A JP2002141893 A JP 2002141893A JP 2000332478 A JP2000332478 A JP 2000332478A JP 2000332478 A JP2000332478 A JP 2000332478A JP 2002141893 A JP2002141893 A JP 2002141893A
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JP
Japan
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clock
card
network synchronization
phase difference
switching
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JP2000332478A
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English (en)
Inventor
Akio Ebara
暁夫 江原
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基地局装置に供給するクロックにグリッ
ジが発生することを防止すること。 【解決手段】 運用切換制御部109は、カード100
−1およびカード100−2の運用の切換を行う。シス
テム間位相差検出部108は、運用系のカードにおける
水晶発振器104により発生されたクロックと待機系の
カードにおける水晶発振器104により発生されたクロ
ックとの間の位相差を検出する。システム間位相差補正
部107は、網同期クロック切換部101により網同期
クロックの切換がなされた後、運用切換制御部により運
用の切換がなされる際に、この運用の切換がなされる前
に、検出された位相差を用いて、待機系のカードにおけ
る水晶発振器104により発生されたクロックに対する
位相差の補正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロック供給装置
に関し、特に、2つの網同期クロックの切換制御を可能
とし、かつ、二重化構成を有するクロック供給装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気通信事業者が有する上位の装
置から供給される網同期クロックに対して、基地局装置
が同期をとれるようにする(基地局装置のクロックを同
期させる)ために、クロック供給装置が用いられてい
る。このクロック供給装置は、上位の装置と基地局装置
との間に設けられ、上位の装置からの網同期クロックを
用いて、基地局装置にクロックを供給するものである。
【0003】通常、このクロック供給装置は、供給しよ
うとするクロックに異常が発生しても、常に基地局装置
に対して適切なクロックを供給できるように、二重化構
成すなわち運用系のカードと待機系のカードを有してい
る。通常の状態では、運用系のカードが基地局装置に対
してクロックを供給し、運用系が供給するクロックに異
常が発生した場合、または、運用系カードから待機系カ
ードに切換える旨の指示が出された場合には、待機系の
カードが基地局装置に対してクロックを供給する。
【0004】また、このクロック供給装置は、2つの網
同期クロックの切換制御を行う構成を有する。すなわ
ち、このクロック供給装置は、上位の装置からの網同期
クロックに従属した状態を維持するために(すなわち網
従属状態を維持するために)、上位の装置から供給され
る網同期クロックが断状態となった場合には、上位の装
置から供給される予備の網同期クロックに従属する。
【0005】以下、上記のような従来のクロック供給装
置について、図8および図9を参照して説明する。図8
は、従来のクロック供給装置の構成を示すブロック図で
ある。図9は、クロック供給装置の通常運用時における
クロックの様子を示す模式図である。
【0006】図8に示すように、クロック供給装置は、
運用系のカード20と待機系のカード21とを有する。
カード20およびカード21には、上位の装置からの網
同期クロックC1および網同期クロック(予備の網同期
クロック)C2が供給されている。なお、図9に示すよ
うに、網同期クロックC1と網同期クロックC2の周波
数は同一であるが、各網同期クロック間には位相差が生
じている。
【0007】図8において、カード20(カード21)
は、網同期クロックC1および網同期クロックC2のい
ずれかをリファレンスクロックC3(リファレンスクロ
ックC9)として用い、このPLLリファレンスクロッ
クの周波数の定数倍(ここでは一例として2倍)の周波
数となるように水晶発振器からクロックC8(クロック
C14)を発生させる。
【0008】待機系のカード21においては、運用系の
カード20におけるクロックC8の周波数と同一にする
ために、所定の時間において、クロックC14に対する
位相の補正がなされる。これにより、通常状態では、待
機系のカード21におけるクロックC14の周波数は、
運用系のカード20におけるクロックC8の周波数と同
一となる。
【0009】このように発生されたクロックのうち運用
系のカード20により発生されたクロック(ここではク
ロックC8)が、クロックC15として基地局装置に供
給される。図9に示すように、クロック8またはクロッ
ク14(すなわちクロックC15)は、周波数が異なっ
ているものの網同期クロックC1(網同期クロックC2
に従属時には網同期クロックC2)に同期している。
【0010】次いで、網同期クロックを網同期クロック
C1から網同期クロックC2に切換えた場合(2つの網
同期クロックの切換制御がなされた場合)のクロックの
様子について、図10を参照して説明する。運用系のカ
ード20および待機系のカード21において、網同期ク
ロックを網同期クロックC1から網同期クロックC2
に、図に示すような切換タイミングで切換えた場合に
は、PLL回路22(PLL回路23)におけるリファ
レンスクロックC3(リファレンスクロックC9)は、
切換タイミングにおける周期のみが大きくなる。
【0011】このようにリファレンスクロックC3(リ
ファレンスクロックC9)の周期が一時的に大きくなる
(不安定になる)と、図10に示すように、上述したP
LL回路22(PLL回路23)における水晶発振器に
より発生されるクロックC8(クロック14)に変動が
生ずる。ただし、クロックC8(クロック14)の周波
数は、一定時間経過後、リファレンスクロックC3(リ
ファレンスクロックC9)の周波数の2倍に戻る。
【0012】次いで、カード20からカード21に運用
を切換えた場合のクロックの様子について、図11を参
照して説明する。図11は、クロック供給装置の運用切
換時におけるクロックの様子の第1例を示す模式図であ
る。
【0013】カード20に代えてカード21を運用系の
カードに、図11に示すような切換タイミングで切換え
た場合には、カード20におけるPLL回路22により
発生されたクロックC8に代えて、カード21における
PLL回路23により発生されたクロックC14が、ク
ロックC15として基地局装置に供給される。なお、上
述したように、クロックC14の周波数はクロックC8
と同一となるように、所定の時間において、位相が補正
されているので、カードの運用の切換がなされても、ク
ロックC15の周波数には何ら影響がない。
【0014】以上のように、従来のクロック供給装置に
よれば、2つの網同期クロックの切換制御がなされた場
合、および、2つのカードの運用の切換がなされた場合
においても、基地局装置に対しては適切なクロックが供
給される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のクロック供給装置においては、次に述べるような問
題がある。すなわち、上述したように、2つの網同期ク
ロック(網同期クロックC1および網同期クロックC
2)の切換制御がなされた際には、切換タイミングにお
けるリファレンスクロック(C3およびC9)の周波数
が一時的に不安定となるので、PLL回路における水晶
発振器により発生されるクロック(C8およびC14)
の周波数に変動が生ずる。
【0016】上述したように、一定時間経過すれば、ク
ロックC8とクロックC14の周波数は、ともにリファ
レンスクロック(C3およびC9)の2倍の周波数とな
る(適切な周波数になる)ものの、クロックC8および
クロックC14の周波数が適切な周波数となる前に、カ
ード1からカード2への運用の切換がなされた場合に
は、以下に述べるような要因により、基地局装置に供給
されるクロックが不安定なものとなる可能性がある。
【0017】図12に示すように、網同期クロックC1
から網同期クロックC2への切換制御がなされた直後で
は、クロックC8およびクロックC14の周波数に変動
が生じて、クロックC8の周波数および位相とクロック
C14の周波数および位相が相互に異なっている。この
ような状態のまま、図12に示すようなタイミングでカ
ード20からカード21への運用の切換がなされると、
クロックC8の周波数とクロックC14の周波数が同一
でないのにもかかわらずクロックC8に代えてクロック
C14が、クロックC15として選択される。この結
果、クロックC15には、図12に示すようなグリッジ
30が発生する。このように発生したグリッジ30の影
響により、クロックC15を供給される基地局装置が誤
動作を起こす可能性が高くなる。
【0018】以上のように、上記従来のクロック供給装
置においては、網同期クロックの切換制御がなされた
後、運用系のカードにおける水晶発振器により発生され
るクロックと待機系のカードにおける水晶発振器により
発生されるクロックとが同一となっていない状態で、カ
ードの運用が切換えられた場合には、基地局装置に供給
されるクロックにグリッジ(ひげ)が発生する可能性が
ある。これにより、基地局装置が誤動作を起こす可能性
が高くなる。
【0019】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、基地局装置に供給するクロックにグリッジが発
生することを防止するクロック供給装置を提供すること
を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のクロック供給装
置は、位相差が生じた同一周波数の複数の網同期クロッ
クのうちいずれかの網同期クロックを基準クロックとし
て選択して出力する網同期クロック切換部、および、前
記網同期クロック切換部により出力された基準クロック
を用いて、前記基準クロックの整数倍となるようなクロ
ックを発生させるクロック発生部を備えた複数のクロッ
ク供給手段と、クロック発生部により発生されたクロッ
クを基地局装置に対して供給している運用系のクロック
供給手段に代えて、前記複数のクロック供給手段のうち
前記運用系のクロック供給手段以外のクロック供給手段
を、新たな運用系のクロック供給手段として選択し、前
記新たな運用系のクロック手段におけるクロック発生部
により発生されたクロックを基地局装置に供給させるよ
うに切換制御を行うことが可能な制御手段と、前記切換
制御がなされる前に、前記運用系のクロック手段におけ
るクロック発生部により発生されたクロックの位相およ
び周波数と略同一となるように、前記新たな運用系のク
ロック供給手段におけるクロック発生部により発生され
たクロックに対する位相の補正を行う補正手段と、を具
備する構成を採る。
【0021】本発明のクロック供給装置は、補正手段
が、網同期クロック切換部により出力される基準クロッ
クが切換られた際にのみ、位相の補正を行う構成を採
る。
【0022】これらの構成によれば、運用系のカードに
おける水晶発振器により発生されたクロックと待機系の
カードにおける水晶発振器により発生されたクロックと
の間における周波数または位相差の変動が、カードの運
用の切換の際に生じないように、待機系のカードに対応
するクロックの周波数および位相を、運用系のカードに
対応するクロックの周波数および位相に合わせた後、カ
ードの運用の切換を行っている。これにより、カードの
運用の切換がなされても、基地局装置に対して、グリッ
ジの発生しないクロックを供給することができる。よっ
て、基地局装置が誤動作を起こす事態を防止することが
できる。
【0023】本発明のクロック供給装置は、新たな運用
系のクロック供給手段におけるクロック発生部により発
生されるクロックにおいて、制御手段により切換制御が
なされるタイミングに対応する周期と、補正手段により
位相の補正がなされるタイミングに対応する周期とが、
隣接している構成を採る。
【0024】この構成によれば、クロック供給手段の運
用の切換タイミングにおいて、新たな運用系のクロック
供給手段により発生されたクロックの周波数および位相
を、運用系のクロック供給手段により発生されたクロッ
クの周波数および位相と略同一にすることができるの
で、基地局装置に供給されるクロックにグリッジが発生
することを確実に防止することができる。
【0025】本発明の基地局装置は、上記いずれかのク
ロック供給装置を備えたことを特徴とする。
【0026】この構成によれば、上位の装置により供給
されるクロックに基づく誤動作を防止することが可能な
基地局装置を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、運用系のカード
および待機系のカードの運用を切換える際には、この運
用の切換の前に、運用系のカードにおける水晶発振器に
より発生されたクロックの位相および周波数と略同一と
なるように、待機系のカードにおける水晶発振器により
発生されたクロックの位相を補正することである。さら
に具体的には、網同期クロックの切換がなされた場合に
のみ、上記運用の切換の前に、待機系のカードにおける
水晶発振器により発生されたクロックの位相を補正する
ことである。
【0028】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照して詳細に説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1にかか
るクロック供給装置の構成を示すブロック図である。図
1に示すクロック供給装置は、電気通信事業者が有する
上位の装置から供給される網同期クロック(C1または
C2)を用いて、基地局装置に供給するクロック(C1
5)を生成し、基地局装置が上記網同期クロックに対し
て同期をとるようにするための装置である。
【0029】本実施の形態にかかるクロック供給装置
は、2つの網同期クロックの切換制御を行う構成を有す
る。すなわち、本実施の形態にかかるクロック供給装置
は、常に上位の装置からの網同期クロックに従属した状
態を維持するために(常に網従属状態を維持するため
に)、上位の装置から供給される網同期クロックC1が
断状態となった場合には、上位の装置から供給される予
備の網同期クロックC2に従属する。
【0030】また、本実施の形態にかかるクロック供給
装置は、基地局装置に供給しようとするクロックに異常
が発生しても、常に基地局装置に対して適切なクロック
を供給できるように、二重化構成すなわちカード100
−1とカード100−2とを有している。カード100
−1を運用系のカードとし、カード100−2を待機系
のカードとすれば、通常の状態では、運用系のカード1
00−1が基地局装置に対してクロックを供給し、運用
系のカード100−1が供給するクロックに異常が発生
した場合には、待機系のカード100−2が、運用系の
カード100−1に代わり運用系のカードとなり、基地
局装置に対してクロックを供給する。
【0031】カード100−1およびカード100−2
には、上位の装置からの網同期クロックC1および網同
期クロック(予備の網同期クロック)C2が供給されて
いる。なお、網同期クロックC1と網同期クロックC2
の周波数は同一であるが、各網同期クロック間には位相
差が生じている。
【0032】次に、カード100−1およびカード10
0−2の具体的な構成について、同様に図1を参照して
説明する。カード100−1およびカード100−2
は、同一の構成を有するものである。したがって、カー
ド100−1およびカード100−2における同一の構
成要素に対しては、同一の符号を付している。ただし、
各構成要素が出力する信号の名称については、カード1
00−1とカード100−2とで相違するように付して
いる。カード100−1とカード100−2は構成が同
一であるので、以下、カード100−1に着目して、カ
ード100−1およびカード100−2の構成を説明す
る。なお、網同期クロックC1を通常供給される網同期
クロックとし、網同期クロックC2を予備の網同期クロ
ックとする。
【0033】網同期クロック切換部101には、上位の
装置から、網同期クロックC1および網同期クロックC
2が供給されている。網同期クロック切換部101は、
上位の装置から供給される網同期クロックC1をリファ
レンス信号C3(C9)(基準クロック)として位相比
較器102に出力する。この網同期クロック切換部10
1は、網同期クロックC1および網同期クロックC2の
切換制御を行う。すなわち、網同期クロックC1が断状
態となった場合には、網同期クロック切換部101は、
網同期クロックC1に代えて網同期クロックC2を位相
比較器102に出力する。網同期クロックの切換を行っ
た際には、網同期クロック切換部101は、網同期クロ
ックの切換を行った旨を示す切換信号S1(S6)を、
網同期クロック位相差検出部106および運用切換制御
部109に出力する。
【0034】網同期クロック位相差検出部106は、網
同期クロックC1と網同期クロックC2との間の位相差
を検出し、網同期クロック切換部101から切換信号S
1(S6)を受信した場合には、検出した位相差を示す
信号S2(S7)を分周器105に出力する。
【0035】位相比較器102は、網同期クロック切換
部101からのリファレンス信号C3(C9)と、後述
する分周器105からのフィードバック信号C7(C1
3)との位相差を求め、この位相差に対応する信号C4
(C10)をLPF(ローパスフィルタ)103に出力
する。LPF103は、信号C4(C10)における低
周波成分のみを含む信号C5(C11)を水晶発振器1
04に出力する。水晶発振器104は、LPF103か
らの信号C5(C11)に応じたクロックC6(C1
2)を発生させ、このクロックC6(C12)を分周器
105、システム間位相差補正部107およびシステム
間位相差検出部108に出力する。
【0036】分周器105は、クロックC6(C12)
の周波数を1/n倍(本実施の形態ではn=2)に分周
してフィードバック信号C7(C13)を生成し、この
フィードバック信号C7(C13)を位相比較器102
に出力する。また、この分周器105は、網早期クロッ
ク位相差検出部106より、網同期クロックC1と網同
期クロックC2との位相差を示す信号S2(S7)を受
信した場合には、この信号S2(S7)をトリガとし
て、上記位相差を用いてクロックC6(C12)の位相
を制御しつつクロックC6(C12)に対する分周を行
う。
【0037】上述した位相比較器102、LPF10
3、水晶発振器104および分周器105により、PL
L回路が構成されている。すなわち、このPLL回路
は、リファレンス信号C3(C9)を用いて、このリフ
ァレンス信号C3(C9)の周波数をn倍(整数倍)に
したクロックC6(C12)を生成するものである。
【0038】システム間位相差検出部108は、このシ
ステム間位相差検出部108が搭載されたカードが待機
系のカードである場合には、水晶発振器104により発
生されたクロックC6(C12)と、運用系のカードに
おける水晶発振器104により発生されたクロックC1
2(C6)との位相差を検出して、検出した位相差を示
す信号S3(S8)をシステム間位相差補正部107に
出力する。
【0039】システム間位相差補正部107は、このシ
ステム間位相差補正部107が搭載されたカードが運用
系のカードである場合には、水晶発振器104からのク
ロックC6(C12)をクロックC8(C14)とし
て、3ステートバッファ110および待機系のカードに
おけるシステム間位相差検出部108に出力する。
【0040】一方、このシステム間位相差補正部107
は、このシステム間位相差補正部107が搭載されたカ
ードが待機系のカードである場合には、上述した動作に
加えて、次のような動作も行う。すなわち、システム間
位相差補正部107は、後述する運用切換制御部109
から位相差の補正を命令する信号S4(S9)を受信し
たときには、システム間位相差検出部108からの信号
S3(S8)を用いて水晶発振器104からのクロック
C6(C12)に対して位相差の補正を行い(すなわ
ち、運用系のカードにおけるクロックC14(C8)と
周波数および位相が同一となるように、クロックC6
(C12)の位相を補正し)、位相差の補正がなされた
クロックC6(C12)をクロックC8(C14)とし
て出力する。
【0041】3ステートバッファ110は、後述する運
用切換制御部109からの信号S5(S10)を受信し
ない場合には、システム間位相差補正部107からのク
ロックC8(C14)をクロックC15として基地局装
置(図示しない)に供給する。逆に、3ステートバッフ
ァ110は、後述する運用切換制御部109から信号S
5(S10)を受信した場合には、高インピーダンス状
態となるので、システム間位相差補正部107からのク
ロックC8(C14)の出力を中止する。
【0042】運用切換制御部109は、通常、この運用
切換制御部109が搭載されたカード(により基地局装
置に供給されるクロックC15等)に異常が発生してい
るか否かを監視する。
【0043】運用切換制御部109は、この運用切換制
御部109が搭載されたカードが運用系のカードである
場合には、このカードに異常が発生した際に、待機系の
カードにおける運用切換制御部109との間で制御信号
S11の送受信を行い、この運用系切換制御部109が
搭載されたカードを待機系のカードに切り換える制御
(すなわち、3ステートバッファ110に対して信号S
5(S10)を出力する制御等)を、待機系のカードに
搭載された運用切換制御部109による制御と同期して
(すなわち後述する切換タイミングで)行う。
【0044】また、運用切換制御部109は、この運用
切換制御部109が搭載されたカードが待機系のカード
である場合には、次のような動作を行う。すなわち、ま
ず第1に、運用切換制御部109は、所定の時間におい
て、システム間位相差補正部107に対して、位相差の
補正を命令する信号S4(S9)を出力する。これによ
り、待機系のカードにおけるシステム間位相差補正部1
07は、所定の時間において、上述したクロックC6
(C12)に対する位相差の補正を行う。さらに、運用
切換制御部109は、3ステートバッファ110に対し
て信号S5(S10)を出力し続ける。これにより、待
機系のカードにおける3ステートバッファ110から
は、基地局装置に対してクロックC15が出力されな
い。
【0045】第2に、運用切換制御部109は、網同期
クロック切換部101から切換信号(すなわち、網同期
クロックの切換を行った旨を示す信号)S1(S6)を
受信した場合には、この切換信号S1(S6)の受信時
間を記憶するとともに、位相補正フラグを「1」に設定
する。この運用切換制御部109は、受信時間から一定
時間が経過したときには、運用系のカードにおけるクロ
ックC14(C8)とクロックC8(C14)との間の
位相差(周波数)のずれがほとんどないので、位相補正
フラグを「0」にクリアする。
【0046】第3に、運用切換制御部109は、運用系
のカードに搭載された運用切換制御部109から制御信
号S11を介して、運用系のカードに異常が発生した旨
を認識した場合には、位相補正フラグが「1」であると
きにのみ、すなわち、運用系のカードにおけるクロック
C14(C8)とクロックC8(C14)との間に位相
(周波数)のずれが生じているときにのみ、システム間
位相差補正部107に対して、位相差の補正を命令する
信号S4(S9)を出力するとともに、位相補正フラグ
を「0」にクリアする。さらに、運用切換制御部109
は、信号S4(S9)に応じてシステム間位相差補正部
107が位相差の補正を行う補正タイミング(このタイ
ミングは、信号S4(S9)が出力された時間および遅
延時間等により設定することが可能である。)の直後の
切換タイミングで、この運用切換制御部109が設けら
れたカードを運用系のカードに切り換えるように、3ス
テートバッファ110に対する信号S5(S10)の出
力を中止する。また、運用系切換制御部109は、上述
した制御信号S11を介して、運用系のカードにおける
運用切換制御部109に対して切換タイミングを通知す
る。これにより、3ステートバッファ110は、補正タ
イミングの直後の切換タイミングで、基地局装置に対し
てクロックC15を出力する。すなわち、この切換タイ
ミングにおいて、運用系のカードにおける3ステートバ
ッファ110により出力されるクロックに代えて、待機
系のカードにおける3ステートバッファ110により出
力されるクロックが、クロックC15として基地局装置
に出力されると同時に、運用系のカードと待機系のカー
ドの運用の切換がなされる。
【0047】次いで、上記構成を有するクロック供給装
置の動作について、通常運用時、網同期クロック切換時
およびカードの運用切換時の各動作に分けて、同様に図
1を参照して説明する。なお、カード100−1および
カード100−2をそれぞれ運用系および待機系のカー
ドであるものとする。
【0048】(1−1)まず第1に、通常運用時の動作
について、先に用いた図9を参照して説明する。網同期
クロックC1および予備の網同期クロックC2は、カー
ド100−1およびカード100−2における網同期ク
ロック切換部101に入力されている。図9に示すよう
に、網同期クロックC1と網同期クロックC2の周波数
は同一であるが、各網同期クロック間には位相差が生じ
ている。
【0049】カード100−1において、網同期クロッ
ク切換部101から位相比較器102に対して、網同期
クロックC1がリファレンス信号C3として出力され
る。このとき、網同期クロック切換部101では、網同
期クロックの切換がなされていないので、網同期クロッ
ク位相差検出部106および運用切換制御部109に対
して切換信号S1は出力されない。網同期クロック位相
差検出部106では、網同期クロックC1と網同期クロ
ックC2との間の位相差が検出される。ただし、網同期
クロック切換部101により切換信号S1が出力されな
いので、網同期クロック位相差検出部106から分周器
105に対しては、検出された位相差を示す信号S2は
出力されない。
【0050】位相比較器102では、リファレンス信号
C3と分周器105からのフィードバック信号C7との
位相差が検出される。検出された位相差に対応する信号
C4は、LPF103により低周波成分のみを含む信号
C5とされた後、水晶発振器104に出力される。水晶
発振器104では、LPF103からの信号C5に応じ
たクロックC6が発生される。このクロックC6は、シ
ステム間位相差補正部107および分周器106に出力
される。分周器105では、クロックC6の周波数が1
/2倍に分周される。分周されたクロックC6は、フィ
ードバック信号C7として、上述したように位相比較器
102に用いられる。
【0051】上述した網同期クロック101、位相比較
器102、LPF103、水晶発振器104、分周器1
05および網同期クロック位相差検出部106による動
作は、カード100−2においても同様に行われる。
【0052】カード100−1において、水晶発振器1
04により発生されたクロックC6は、システム間位相
差補正部107を介して、クロックC8として3ステー
トバッファ110に出力される。運用切換制御部109
では、常時、カード100−1(により基地局装置に供
給されるクロックC15等)に異常が発生しているか否
かが、監視されている。ここでは、カード100−1に
異常が発生しない場合の説明を行っているので、運用切
換制御部109から3ステートバッファ110に対して
は、信号S5が出力されない。よって、システム間位相
差補正部107からのクロックC8は、3ステートバッ
ファ110によりクロックC15として、基地局装置に
対して出力される。
【0053】一方、カード100−2において、システ
ム間位相差検出部108では、カード100−2におけ
る水晶発振器104により発生されたクロックC12
と、カード100−1におけるシステム間位相差補正部
107により出力されるクロックC8(すなわちクロッ
クC6)との間の位相差が検出される。検出された位相
差を示す信号S3は、システム間位相差補正部107に
出力される。
【0054】運用切換制御部109において、まず、所
定の時間において、システム間位相差補正部107に対
して、位相差の補正を命令する信号S9が出力される。
また、上述したように、網同期クロック切換部101で
は、網同期クロックの切換がなされていないので、網同
期クロック切換部101から運用切換制御部107に対
しては、切換信号S6が出力されない。これにより、運
用切換制御部109では、位相補正フラグは「0」とな
っている。さらに、運用切換制御部109から3ステー
トバッファ110に対して信号S10が出力され続け
る。
【0055】システム間位相差補正部107では、上述
した運用切換制御部109から位相差の補正を命令する
信号S9の受信時には、水晶発振器104からのクロッ
クC12に対する位相差の補正がなされる。このとき、
システム間位相差検出部108からの信号S8により、
カード100−1におけるクロックC8とカード100
−2におけるクロックC12との間の位相差が認識さ
れ、この位相差を用いて、クロックC12に対する位相
差の補正がなされる。これにより、クロックC12(す
なわちC14)は、カード100−1におけるクロック
C8と、周波数および位相が略同一なものとなる。以
後、網同期クロックの切換がなされない限り、クロック
C8およびクロックC14は、ともにその周波数および
位相が略同一なままとなる。位相差の補正がなされたク
ロックC6は、クロックC14として3ステートバッフ
ァ110に出力される。
【0056】3ステートバッファ110には、上述した
ように運用切換制御部109から信号S10が入力され
ている。これにより、システム間位相差補正部107か
らのクロックC14は、3ステートバッファ110によ
り、基地局装置に対する出力がなされない。
【0057】以上のように、通常運用時には、カード1
00−1におけるクロックC8は、網同期クロックC1
に対する位相差を含むものとなっているが、網同期クロ
ックC1には同期している。また、カード100−2に
おけるクロックC14は、カード100−2におけるシ
ステム間位相差補正部107によりクロックC12に対
する位相差の補正がなされることに起因して、カード1
00−1におけるクロックC8と、位相差および周波数
が略同一となっている。
【0058】(1−2)第2に、網同期クロック切換時
の動作について、先に用いた図10を参照して説明す
る。図10において、切換タイミングまでの動作につい
ては、上述した通常運用時の動作と同様であるので、詳
しい説明を省略する。
【0059】カード100−1において、上位の装置か
ら供給される網同期クロックC1が何らかの要因により
断状態となった場合等には、網同期クロック切換部10
1では、網同期クロックの切換が行われる。すなわち、
網同期クロックC1に代えて網同期クロックC2がリフ
ァレンス信号C3として、網同期クロック切換部101
から位相比較器102に出力される(図10参照)。
【0060】網同期クロック切換部101により網同期
クロックの切換がなされたときには、網同期クロック切
換部101から網同期クロック位相差検出部106およ
び運用切換制御部109に対して、切換信号S1が出力
される。
【0061】網同期クロック位相差検出部106では、
上述したように、網同期クロックC1と網同期クロック
C2との間の位相差の検出がなされている。この網同期
クロック位相差検出部106に対して、網同期クロック
切換部101より切換信号S1が出力されると、網同期
クロック位相差検出部106から分周器105に対し
て、検出された位相差を示す信号S2が出力される。
【0062】分周器105においては、網同期クロック
位相差検出部106から信号S2が送られると、この信
号S2により網同期クロックC1と網同期クロックC2
との間の位相差が認識される。これにより、分周器10
5においては、上述したクロックC6に対する分周に加
えて、上記位相差を用いたクロックC6に対する位相の
制御(すなわちクロックC6の位相を上記位相差だけ変
化させるような制御)がなされる。
【0063】図10を参照するに、網同期クロックC1
に代えて網同期クロックC2が、切換タイミングにおい
てリファレンス信号C3として出力されるために、この
切換タイミングにおけるリファレンス信号C3の周期
は、一時的に大きくなっている。この結果、水晶発振器
104により発生されるクロックC6(すなわちC8)
の周波数に変動が生じている。ただし、リファレンス信
号C3の周期は直ちに正常なものに戻るので、水晶発振
器104に発生されるクロックC6(すなわちC8)の
周波数も、一定時間経過後、正常なもの(すなわち網同
期クロックC2の周波数の2倍の周波数)となる。カー
ド100−1における上記以外の動作については、通常
運用時の動作と同様であるので、詳しい説明を省略す
る。
【0064】一方、カード100−2においては、カー
ド100−1における動作に加えて、次のような動作が
なされる。カード100−1と同様に、カード100−
2においても、網同期クロック切換部101から運用切
換制御部109に対して、切換信号S6が出力される。
よって、運用切換制御部109においては、切換信号S
6の受信時刻が記憶されるとともに、位相補正フラグが
「0」から「1」に変更される。さらに、記憶された受
信時刻から一定時間が経過したときには、位相補正フラ
グは「1」から「0」に変更される。なお、この一定時
間としては、任意なものを用いることが可能であり、例
えば、網同期クロックの切換タイミングの時点から、カ
ード100−1におけるクロックC8(C6)、また
は、カード100−2におけるクロックC14(C1
2)の周波数が正常に戻る時点までの時間、を用いるこ
とが可能である。
【0065】ここで、位相補正フラグが「1」である間
に、カードの運用切換がなされる場合には、上述した所
定の時間においてシステム間位相差補正部107に出力
される信号S9とは別に、同様のS9がシステム間位相
差補正部107に出力されるのであるが、これについて
は、カード運用切換時の動作において説明する。
【0066】図10を参照するに、上述した要因によ
り、水晶発振器104により発生されるクロックC12
(すなわちC14)の周波数に変動が生じている。ただ
し、リファレンス信号C9の周期は直ちに正常なものに
戻るので、水晶発振器104に発生されるクロックC1
2(すなわちC14)の周波数も、一定時間経過後、正
常なもの(すなわち網同期クロックC2の周波数の2倍
の周波数)となる。なお、図10では、カード100−
1におけるクロックC8は、周波数および位相の点で、
カード100−2におけるクロックC14と同一である
かのように、示されているが、切換タイミングから一定
時間が経過するまで、クロックC8とクロックC14の
周波数および位相は、相互に異なる。
【0067】上記の動作を除いて、網同期クロック切換
時のカード100−2における動作については、通常運
用時のカード100−2における動作と同様であるの
で、詳しい説明を省略する。
【0068】(1−3)第3に、カード運用切換時の動
作について、運用切換制御部109における位相補正フ
ラグが「0」である場合と「1」である場合に分けて説
明する。ここで、位相補正フラグが「0」である場合と
は、網同期クロックの切換がなされていないので、クロ
ックC8およびクロックC14における周波数の変動値
が閾値以下である場合、または、網同期クロックの切換
がなされたが、一定時間が経過したので、クロックC8
およびクロックC14における周波数の変動値が閾値以
下である場合に相当する。また、位相補正フラグが
「1」である場合とは、網同期クロックの切換がなされ
たことに起因して、クロックC8およびクロックC14
における周波数の変動が閾値を上回っている場合に相当
する。なお、この閾値としては、例えば、クロックC1
5を供給された基地局装置が誤動作を起こさない範囲で
の、クロックC8およびクロックC14との間における
周波数または位相により設定した値を用いることが可能
である。
【0069】まず最初に、位相補正フラグが「0」であ
る場合について、先に用いた図11を参照して説明す
る。カード100−1において、運用切換制御部109
により、カード100−1に何らかの異常が発生したこ
と(例えば3ステートバッファ110により出力される
クロックC15に異常が発生したこと等)が認識される
と、カード100−2における運用切換制御部109に
対して、制御信号S11を介して、上記異常が発生した
旨が通知される。
【0070】カード100−2において、運用切換制御
部109では、カード100−1における運用切換制御
部109からの制御信号S11が受信されると、位相補
正フラグの内容が確認される。位相補正フラグが「1」
である場合には、後述するように、システム間位相差補
正部107に対して信号S9が出力されるが、ここで
は、位相補正フラグは「0」であるので、システム間位
相差補正部107に対して信号S9(ただし、上述した
所定の時間において出力される信号S9を除く)は出力
されない。
【0071】カード100−2における運用切換制御部
109により上記異常が認識された後、カード100−
1における運用切換制御部109およびカード100−
2における運用切換制御部109との間では、制御信号
S11を介して、切換タイミングの確認がなされる。こ
の後、カード100−1における運用切換制御部109
およびカード100−2における運用切換制御部109
では、お互いに同期して、カードの運用の切換がなされ
る。すなわち、カード100−1における運用切換制御
部109から3ステートバッファ110に対して信号S
5が出力されることに同期して、カード100−2にお
ける運用切換制御部109から3ステートバッファ11
0に対する信号S10の出力が中止される。この結果、
カード100−1における3ステートバッファ110に
よるクロックC15の出力が中止されるとともに、カー
ド100−2における3ステートバッファ110により
クロックC15が基地局装置に対して出力される。
【0072】図11を参照するに、位相補正フラグが
「0」であるので(すなわち、カード100−2におけ
るシステム間位相差補正部107により、所定の時間に
おいてクロックC12に対する位相差の補正がなされて
いるために、カード100−1におけるクロックC6と
カード100−2におけるクロックC12との間におけ
る周波数または位相差の変動値が閾値以下であるの
で)、切換タイミングの直前(もちろん切換タイミング
以後も)において、クロックC8とクロックC14の周
波数および位相は略同一となっている。よって、切換タ
イミングでカードの運用がなされても、クロックC15
にグリッジは発生していない。
【0073】次に、位相補正フラグが「1」である場合
について、さらに図2を参照して説明する。図2は、本
発明の実施の形態1にかかるクロック供給装置の運用切
換時におけるクロックの様子を従来方式と比較して示す
模式図である。なお、図2の上段には、従来方式のクロ
ック供給装置の運用切換時におけるクロックの様子が示
され、図2の下段には、本実施の形態にかかるクロック
供給装置の運用切換時におけるクロックの様子が示され
ている。
【0074】図2に示す切換タイミングで網同期クロッ
クの切換がなされることにより、この切換タイミングの
直後、クロックC8とクロックC14には、周波数およ
び位相の変動が生じている。この結果、カード100−
2における運用切換制御部109の位相補正フラグは
「1」となる。
【0075】カード100−1において、運用切換制御
部109により、カード100−1に何らかの異常が発
生したことが認識されると、位相補正フラグが「0」で
ある場合のところで説明したように、カード100−2
における運用切換制御部109に対して、制御信号S1
1を介して、上記異常が発生した旨が通知される。
【0076】カード100−2において、運用切換制御
部109では、カード100−1における運用切換制御
部109からの制御信号S11が受信されると、位相補
正フラグの内容が確認される。位相補正フラグの内容は
「1」であるので、運用切換制御部109では、以下の
ような動作がなされる。
【0077】すなわち、まず、システム間位相差補正部
107に対して信号S9が出力されるとともに、位相補
正フラグは「0」に変更される。これにより、システム
間位相差補正部107では、図2に示す補正タイミング
で、クロックC12に対する位相差の補正がなされる。
位相差の補正がなされたクロックC12は、クロックC
14として3ステートバッファ110に出力される。
【0078】さらに、上記補正タイミングの直後にカー
ドの運用の切換がなされるような切換タイミングが設定
される。すなわち、切換タイミングは、待機系のカード
(ここではカード100−2)における3ステートバッ
ファ110に入力されるクロック(ここではC14)を
基準として、このクロックにおいて補正タイミングが位
置する周期の直後の周期の中から、選択される。別言す
れば、上記クロックにおける切換タイミングが位置する
周期と、上記クロックにおける補正タイミングが位置す
る周期と、が相互に隣接するように、切換タイミングが
設定される。なお、上記補正タイミングは、例えば、シ
ステム間位相差補正部107に信号S9が出力された時
間、および、システム間位相差補正部107における遅
延時間(信号S9を受信した時点から、実際にクロック
C12に対する位相差の補正がなされる時点までの時
間)を用いて、運用切換制御部109により認識可能な
ものである。また、基準とするクロックは、運用系のカ
ードにおける3ステートバッファ110に入力されるク
ロックであってもよい。
【0079】カード100−2における運用切換制御部
109により切換タイミングが設定された後、カード1
00−1における運用切換制御部109およびカード1
00−2における運用切換制御部109との間では、制
御信号S11を介して、切換タイミングの確認がなされ
る。
【0080】この後の動作は、上述した位相補正フラグ
が「0」である場合と同様である。すなわち、カード1
00−1における運用切換制御部109から3ステート
バッファ110に対して信号S5が出力されることに同
期して、カード100−2における運用切換制御部10
9から3ステートバッファ110に対する信号S10の
出力が中止される。この結果、カード100−1におけ
る3ステートバッファ110によるクロックC15の出
力が中止されるとともに、カード100−2における3
ステートバッファ110により、クロックC14がクロ
ックC15として基地局装置に対して出力される。
【0081】図2を参照するに、網同期クロックの切換
タイミングの直後、上述した理由により、クロックC8
とクロックC14との間に周波数および位相の変動が生
じているが、実際に切換タイミングでカードの運用の切
換がなされる際のみにおいて、この切換タイミングの直
前の補正タイミングにおいてクロックC14に対する位
相差の補正がなされているので、クロックC8とクロッ
クC14との間に生じていた周波数および位相の変動量
は、ほとんどなくなっている。この結果、上記切換タイ
ミングでカード100−1からカード100−2に運用
が切換られても、基地局装置に供給されるクロックC1
5には、グリッジが発生しない。
【0082】なお、クロックC8の周波数および位相が
クロックC14の周波数および位相と略同一となるの
は、カードの運用の切換タイミングに対応する周期のみ
であり、この切換タイミングに対応する周期の後の周期
では、クロックC8の周波数および位相と、クロックC
14の周波数および位相とは、それぞれ相互に異なる。
ただし、クロックC8およびクロックC14の周波数
は、一定時間経過後、適切な周波数(網同期クロックC
2の周波数の2倍の周波数)に戻る。
【0083】一方、本実施の形態にかかるクロック供給
装置従来方式のクロック供給装置では、図2の上段に示
すように、網同期クロックの切換に起因する周波数およ
び位相の変動がクロックC8およびクロックC14に生
じている状態で、カードの運用の切換がなされるので、
基地局装置に供給されるクロックC15にグリッジが発
生している。
【0084】なお、本実施の形態では、最も好ましい例
として、待機系のカードにおける水晶発振器により発生
されたクロックに対する位相差の補正を行う補正タイミ
ングを、上記クロックにおけるカードの運用の切換タイ
ミングに対応する周期の、直前の周期の中から設定する
場合について説明した。この場合には、カードの運用の
切換タイミングにおいて、クロックC14の周波数およ
び位相を、確実にクロックC8の周波数および位相と略
同一にすることができるので、クロックC15にグリッ
ジが発生することを確実に防止することができる。
【0085】また、補正タイミングを、網同期クロック
の切換タイミングとカードの運用の切換タイミングとの
間の中から選択した場合でも、クロックC15にグリッ
ジが発生することを防止できる可能性は高い。しかし、
クロックC14の周波数および位相は、システム間位相
差補正部107により位相差が補正された後、クロック
C8における変動量と異なる変動量で適切な周波数に戻
って行く(すなわち、クロックC8の周波数および位相
と略同一であるとは限らない)ので、カードの運用の切
換タイミングに対して時間的に近くのところに、補正タ
イミングを設定することが好ましい。
【0086】さらに、本実施の形態では、各カードにお
ける水晶発振器により発生されたクロック間に、周波数
または位相の変動が生じているか否かを、カードの運用
の切換を行う際に認識し、この認識の結果に応じて待機
系における水晶発振器により発生されたクロックに対す
る位相差の補正を行うようにするために、運用切換制御
部109における位相補正フラグを用いた場合を例にと
り説明したが、カードの運用の切換を行う際に、上記変
動が生じているか否かを認識できるのであれば、どのよ
うな方法を用いてもよい。例えば、各カードにおける水
晶発振器により発生されたクロック間の周波数または位
相の変動を監視しておき、カードの運用の切換を行う際
に、その監視の結果に基づいて待機系における水晶発振
器により発生されたクロックに対する位相差の補正を行
うようにしてもよい。
【0087】また、カードの運用の切換を行う際に、各
カードにおける水晶発振器により発生されるクロック間
に変動が生じているか否かに関係なく、待機系における
水晶発振器により発生されたクロックに対する位相差の
補正を行うようにしてもよい。この場合には、網同期ク
ロック切換部101が、運用切換制御部109に対して
網同期クロックの切換を行った旨を報知する必要がない
ので、装置全体の規模を削減すること、および、装置構
成を単純化することができる。
【0088】以上、本実施の形態では、運用系のカード
となっていたカード100−1が待機系のカードとな
り、待機系のカードとなっていたカード100−2が運
用系のカードとなる場合について説明したが、逆の場合
であっても上述したような動作がなされてクロックC1
5にグリッジが発生することを防止することができる。
【0089】このように、本実施の形態によれば、運用
系のカードにおける水晶発振器により発生されたクロッ
クと待機系のカードにおける水晶発振器により発生され
たクロックとの間における周波数または位相の変動が、
カードの運用の切換の際に生じないように、待機系のカ
ードに対応するクロックの周波数および位相を、運用系
のカードに対応するクロックの周波数および位相に合わ
せた後、カードの運用の切換を行っている。これによ
り、カードの運用の切換がなされても、基地局装置に対
して、グリッジの発生しないクロックを供給することが
できる。よって、基地局装置が誤動作を起こす事態を防
止することができる。
【0090】(実施の形態2)本実施の形態では、実施
の形態1において、運用系のカードに供給される網同期
クロックおよび予備の網同期クロックと、待機系のカー
ドに供給される網同期クロックおよび予備の網同期クロ
ックとが相互に異なる場合について、図3を参照して説
明する。
【0091】図3は、本発明の実施の形態2にかかるク
ロック供給装置の構成を示すブロック図である。なお、
本実施の形態でも、上記実施の形態1と同様に、カード
100−1を運用系のカードとし、カード100−2を
待機系のカードとした場合を例にとり説明する。
【0092】図3に示すように、本実施の形態にかかる
クロック供給装置は、網同期クロック101に供給され
る網同期クロックが運用系のカード100−1と待機系
のカード100−2とで相違する点を除いて、実施の形
態1にかかるクロック供給装置(図1)と同様の構成を
有する。なお、図3における実施の形態1(図1)と同
様の構成(要素の名前および信号の名称)については、
図1におけるものと同一の符号を付して、詳しい説明を
省略する。すなわち、運用系のカード100−1に供給
される網同期クロック(図3中C1)と、待機系のカー
ド100−2に供給される網同期クロック(図3中C1
6)とが相違し、同様に、運用系のカード100−1に
供給される予備の網同期クロックと、待機系のカード1
00−2に供給される予備の網同期クロックとが相違し
ている。すなわち、網同期クロックC1(C2)の周波
数と網同期クロックC16(C17)の周波数とは同一
であり、網同期クロックC1(C2)と網同期クロック
C16(C17)との間に位相差が生じている。
【0093】次いで、上記構成を有するクロック供給装
置の動作について、通常運用時、網同期クロック切換時
およびカードの運用切換時の各動作に分けて、実施の形
態1と相違する点のみに着目して説明する。
【0094】(2−1)まず第1に、通常運用時の動作
について説明する。カード100−1における網同期ク
ロック切換部101に入力される網同期クロックC1
と、カード100−2における網同期クロック切換部1
01に入力される網同期クロックC16とは、周波数は
同一であるが位相が異なっている。しかし、上述したよ
うに、カード100−2におけるシステム間位相差補正
部107では、システム間位相差検出部108により検
出されたクロックC8とクロックC12との間の位相差
を用いて、クロックC12に対する位相差の補正がなさ
れる。これにより、クロックC12(すなわちクロック
C14)は、カード100−1におけるクロックC8
と、周波数および位相が略同一なものとなる。以後、網
同期クロックの切換がなされない限り、クロックC8お
よびクロックC14は、ともにその周波数および位相が
略同一なままとなる。
【0095】(2−2)第2に、網同期クロック切換時
の動作について説明する。カード100−1における網
同期クロック101により、網同期クロックC1から網
同期クロックC2への切換がなされ、また、カード10
0−2における網同期クロック101により、網同期ク
ロックC16から網同期クロックC17への切換がなさ
れた場合には、実施の形態1で説明したように、カード
100−1における水晶発振器104により発生される
クロックC6およびカード100−2における水晶発振
器104により発生されるクロックC12には、周波数
の変動が生ずる。
【0096】ただし、カード100−1における網同期
クロック切換部101により出力されるリファレンス信
号C3およびカード100−2における網同期クロック
切換部101により出力されるリファレンス信号C9
は、その周期が直ちに正常なものに戻るので、クロック
C6およびクロックC12の周波数も、一定時間経過
後、正常なもの(すなわち網同期クロックC2または網
同期クロックC17の周波数の2倍の周波数)となる。
【0097】(2−3)第3に、カード運用切換時の動
作について説明する。まず最初に、位相補正フラグが
「0」である場合には、実施の形態1と同様に、カード
100−2におけるシステム間位相差補正部107によ
り、所定の時間において、クロックC12に対する位相
差の補正がなされているので、クロックC8とクロック
C14の周波数および位相差は略同一となっている。よ
って、カードの運用の切換がなされても、クロックC1
5にグリッジが発生することはない。
【0098】次に、位相補正フラグが「1」である場合
には、カードの運用の切換が切換タイミングでなされる
際には、実施の形態1と同様に、この切換タイミングの
直前のタイミングにおいて、クロックC14に対する位
相差の補正がなされるので、上記切換タイミングでは、
クロックC8とクロックC14との間に生じていた周波
数および位相差の変動量はほとんどなくなる。この結
果、上記切換タイミングでカード100−1からカード
100−2に運用が切換られても、基地局装置に供給さ
れるクロックC15には、グリッジが発生しない。
【0099】このように、本実施の形態によれば、運用
系のカードにおける水晶発振器により発生されたクロッ
クと待機系のカードにおける水晶発振器により発生され
たクロックとの間における周波数または位相の変動が、
カードの運用の切換の際に生じないように、待機系のカ
ードに対応するクロックの周波数および位相を、運用系
のカードに対応するクロックの周波数および位相に合わ
せた後、カードの運用の切換を行っている。これによ
り、運用系のカードに供給される網同期クロックおよび
予備の網同期クロックが、それぞれ、待機系のカードに
供給される網同期クロックおよび予備の網同期クロック
と異なっている場合に、カードの運用の切換がなされて
も、基地局装置に対して、グリッジの発生しないクロッ
クを供給することができる。
【0100】(実施の形態3)本実施の形態では、実施
の形態1において、予備の網同期クロックとして、2つ
以上の網同期クロックが運用系のカードおよび待機系の
カードに供給される場合について、図4を参照して説明
する。図4は、本発明の実施の形態3にかかるクロック
供給装置の構成を示すブロック図である。なお、図4に
おける実施の形態1(図1)と同様の構成(要素の名称
および信号の名称)については、図1におけるものと同
一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0101】図4に示すように、カード400−1およ
びカード400−2は、同一の構成を有するものであ
る。したがって、カード400−1およびカード400
−2における同一の構成要素に対しては、同一の符号を
付している。ただし、各構成要素が出力する信号の名称
については、カード400−1とカード400−2とで
相違するように付している。カード400−1とカード
400−2は構成が同一であるので、以下、カード40
0−1に着目して、カード400−1およびカード40
0−2の構成を説明する。
【0102】カード400−1およびカード400−2
には、上位の装置から、通常の網同期クロックC1に加
えて予備の網同期クロックが複数(本実施の形態では、
一例として網同期クロックC2と網同期クロックC16
の2つ)供給されている。
【0103】また、カード400−1およびカード40
0−2では、従属すべき網同期クロックとして、上記複
数の予備の網同期クロックがどのような順序で用いられ
るかが、あらかじめ決められている。なお、本実施の形
態では、一例として、通常の網同期クロックC1が断状
態となった場合には、まず最初に網同期クロックC2が
従属すべき網同期クロックとして用いられ、さらに網同
期クロックC2が断状態となった場合には、網同期クロ
ックC16が従属すべき網同期クロックとして用いられ
るものとする。
【0104】網同期クロック切換部401には、上位の
装置から、網同期クロックC1、ならびに、予備の網同
期クロックC2および網同期クロックC16が供給され
ている。網同期クロック切換部401は、以下の点を除
いて、実施の形態1(図1)における網同期クロック切
換部101と同様の構成を有する。すなわち、網同期ク
ロック切換部401は、網同期クロックC1が断状態と
なった場合には、網同期クロックC1に代えて網同期ク
ロックC2を位相比較器102に出力し、さらに、網同
期クロックC2が断状態となった場合には、網同期クロ
ックC2に代えて網同期クロックC16を位相比較器1
02に出力する。この網同期クロック切換部401は、
このような網同期クロックの切換制御を行う毎に、網同
期クロックの切換を行った旨を示す信号S1(S6)
を、網同期クロック位相差検出部402および運用切換
制御部109に出力する。
【0105】網同期クロック位相差検出部402は、以
下の点を除いて、実施の形態1(図1)における網同期
クロック位相差検出部106と同様の構成を有する。す
なわち、網同期クロック位相差検出部402は、現在従
属している網同期クロックと予備の網同期クロックのう
ち次に従属する予定の網同期クロックとの間の位相差を
検出し、網同期クロック切換部401から切換信号S1
(S6)を受信した場合には、検出した位相差を示す信
号S2(S7)を分周器105に出力する。例えば、こ
の網同期クロック位相差検出部402は、現在従属して
いる網同期クロックが網同期クロックC1(C2)の場
合には、網同期クロックC1と次に従属する予定の網同
期クロックC2(C16)との間の位相差を検出する。
【0106】次いで、上記構成を有するクロック供給装
置の動作について説明する。本実施の形態にかかるクロ
ック供給装置の動作は、従属すべき網同期クロックが、
網同期クロックC2から網同期クロックC16に切換ら
れる場合を除いて、実施の形態1にかかるクロック供給
装置の動作と同様であるので、詳しい説明を省略する。
また、網同期クロックC2から網同期クロックC16に
網同期クロックが切り換えられた場合の動作について
は、実施の形態1において、網同期クロックC1を網同
期クロックC2と置き換え、さらに、網同期クロックC
2を網同期クロックC16と置き換えた場合の動作と同
様であるので、詳しい説明を省略する。
【0107】なお、本実施の形態では、予備の網同期ク
ロックとして、2つの網同期クロックを用いる場合を例
にとり説明したが、網同期クロック切換部401および
網同期クロック位相差検出部402が、予備の網同期ク
ロックの数および予備の網同期クロックが従属すべき網
同期クロックとして用いられる順番を認識する限り、予
備の網同期クロックとして3つ以上の網同期クロックを
用いることも可能である。
【0108】また、本実施の形態では、一例として、通
常の網同期クロックとして網同期クロックC1が用いら
れ、予備の網同期クロックとして網同期クロックC2お
よび網同期クロックC16が順次用いられる場合につい
て説明したが、いずれの網同期クロックが通常の網同期
クロックとして用いられてもよいし、どのような順序で
予備の網同期クロックが用いられてもよい。
【0109】このように、本実施の形態によれば、運用
系のカードにおける水晶発振器により発生されたクロッ
クと待機系のカードにおける水晶発振器により発生され
たクロックとの間における周波数または位相差の変動
が、カードの運用の切換の際に生じないように、待機系
のカードに対応するクロックの周波数および位相を、運
用系のカードに対応するクロックの周波数および位相に
合わせた後、カードの運用の切換を行っている。これに
より、予備の網同期クロックとして2つ以上の網同期ク
ロックが用いられる場合に、カードの運用の切換がなさ
れても、基地局装置に対して、グリッジの発生しないク
ロックを供給することができる。
【0110】(実施の形態4)本実施の形態では、実施
の形態1において、カードが多重化された場合につい
て、図5を参照して説明する。図5は、本発明の実施の
形態4にかかるクロック供給装置の構成を示すブロック
図である。なお、図4における実施の形態1(図1)と
同様の構成(要素の名称および信号の名称)について
は、図1におけるものと同一の符号を付して、詳しい説
明を省略する。
【0111】本実施の形態にかかるクロック供給装置
は、図5に示すように多重化(図5には、例えば3重化
構成を適用した場合の例が示されている)構成を有する
ものである。すなわち、本実施の形態にかかるクロック
供給装置は、カード500−1、カード500−2およ
びカード500−3を有している。このようなクロック
供給装置によれば、カード500−1を運用系のカード
とし、カード500−2およびカード500−3を待機
系のカードとすれば、通常の状態では、運用系のカード
500−1が基地局装置に対してクロックを供給し、運
用系のカード500−1が供給するクロックに異常が発
生した場合には、待機系のカード500−2が、運用系
のカード500−1に代わり運用系のカードとなり、基
地局装置に対してクロックを供給する。さらに、運用系
のカード500−2が供給するクロックに異常が発生し
た場合には、待機系のカード500−3が、運用系のカ
ード500−2に代わり運用系のカードとなり、基地局
装置に対してクロックを供給する。
【0112】次に、カード500−1〜カード500−
3の具体的な構成について説明する。なお、ここでは、
カード500−1を運用系のカードとし、カード500
−2およびカード500−3を待機系のカードとして、
説明する。カード500−1〜カード500−3は、同
一の構成を有するものである。したがって、カード50
0−1〜カード500−3における同一の構成要素に対
しては、同一の符号を付している。ただし、各構成要素
が出力する信号の名称については、運用系のカード(5
00−1)と待機系のカード(500−2および500
−3)とで相違するように付している。以下、カード5
00−1に着目して、カード500−1〜カード500
−3の構成を説明する。なお、網同期クロックC1を通
常の網同期クロックとし、網同期クロックC2を予備の
網同期クロックとする。
【0113】システム間位相差検出部501は、以下の
点を除いて、実施の形態1(図1)におけるシステム間
位相差検出部108と同様の構成を有する。すなわち、
システム間位相差検出部501は、このシステム間位相
差検出部501が搭載されているカードが次に運用系と
して動作する待機系のカードである場合にのみ、水晶発
振器104により発生されたクロックC6(C12)
と、運用系のカードにおける水晶発振器C12(C6)
との間の位相差を検出して、検出した位相差を示す信号
S3(S8)をシステム間位相差補正部502に出力す
る。
【0114】システム間位相差補正部502は、以下の
点を除いて、実施の形態1(図1)におけるシステム間
位相差補正部107と同様の構成を有する。すなわち、
システム間位相差補正部502は、このシステム間位相
差補正部501が次に運用系のカードとして動作する待
機系のカードに搭載されている場合にのみ、システム間
位相差検出部501からの信号S3(S8)を用いて、
上述したクロックC6(C12)に対する位相差の補正
を行う。
【0115】次いで、上記構成を有するクロック供給装
置の動作について説明する。ここでは、一例として、カ
ード500−2がカード500−1の次に運用系のカー
ドとして動作するカードであり、カード500−3がカ
ード500−2の次に運用系のカードとして動作するも
のとする。
【0116】本実施の形態にかかるクロック供給装置の
動作は、次に運用系のカードとして動作する待機系のカ
ードのみにおいて、水晶発振器により発生されるクロッ
クに対して、運用系のカードにおける水晶発振器により
発生されるクロックの周波数および位相と同一となるよ
うな補正がなされる点を除いて、実施の形態1にかかる
クロック供給装置の動作と同様である。
【0117】具体的には、カード500−1が運用系の
カードである場合には、カード500−2のみにおいて
以下のような動作がなされる。すなわち、カード500
−2において、システム間位相差検出部501では、水
晶発振器104により発生されたクロックC12と、カ
ード500−1における水晶発振器104により発生さ
れたクロックC6との間の位相差が検出される。さら
に、通常運用時およびカード運用切換時(における位相
補正フラグが「1」であるとき)には、クロックC12
に対する位相差の補正がなされる。なお、通常運用時、
網同期クロック切換時およびカード運用切換時における
その他の動作については、実施の形態1におけるものと
同様である。
【0118】一方、カード500−2が運用系のカード
である場合には、カード500−3のみにおいて以下の
ような動作がなされる。すなわち、カード500−3に
おいて、システム間位相差検出部501では、水晶発振
器104により発生されたクロックC12と、カード5
00−2における水晶発振器104により発生されたク
ロックC12との間の位相差が検出される。さらに、通
常運用時およびカード運用切換時(における位相補正フ
ラグが「1」であるとき)には、クロックC12に対す
る位相差の補正がなされる。なお、通常運用時、網同期
クロック切換時およびカード運用切換時におけるその他
の動作については、実施の形態1におけるものと同様で
ある。
【0119】なお、本実施の形態では、カード500−
2およびカード500−3が順次運用系のカードとして
動作する場合を例にとり説明したが、カード500−3
およびカード500−2が順次運用系のカードとして動
作するようにしてもよいことはいうまでもない。
【0120】また、本実施の形態では、多重化構成とし
て三重化構成を適用した場合を例にとり説明したが、次
に運用系のカードとして動作する待機系のカードにおけ
るシステム間位相差検出部501およびシステム間位相
差補正部502が上述したように動作する限り、多重化
構成として四重化以上の構成を適用することが可能であ
る。
【0121】このように、本実施の形態によれば、運用
系のカードにおける水晶発振器により発生されたクロッ
クと次に待機系となるカードにおける水晶発振器により
発生されたクロックとの間における周波数または位相の
変動が、カードの運用の切換の際に生じないように、上
記待機系のカードに対応するクロックの周波数および位
相を、運用系のカードに対応するクロックの周波数およ
び位相に合わせた後、カードの運用の切換を行ってい
る。これにより、待機系のカードとして2つ以上のカー
ドが用いられる場合に、カードの運用の切換がなされて
も、基地局装置に対して、グリッジの発生しないクロッ
クを供給することができる。
【0122】(実施の形態5)本実施の形態では、実施
の形態1において、運用系のカードにおける水晶発振器
により発生されるクロックと待機系のカードにおける水
晶発振器により発生されるクロックとの間の位相差を検
出するシステム間位相差検出部、および、運用系のカー
ドと待機系のカードの運用の切換を制御する運用切換制
御部を、待機系のカードまたは運用系のカードのいずれ
か一方のみに搭載する場合について、図6を参照して説
明する。図6は、本発明の実施の形態5にかかるクロッ
ク供給装置の構成を示すブロック図である。なお、図6
における実施の形態1(図1)と同様の構成について
は、図1におけるものと同一の符号を付して、詳しい説
明を省略する。
【0123】ここでは、一例として、カード600−1
を運用系のカードとし、カード600−2を待機系のカ
ードとし、さらに、上記システム間位相差検出部および
運用切換制御部を、運用系のカードに搭載した場合につ
いて、説明する。
【0124】システム間位相差検出部601は、実施の
形態1(図1)におけるカード100−1内のシステム
間位相差検出部108と、実施の形態1(図1)におけ
るカード100−2内のシステム間位相差検出部108
とを統合した構成を有する。すなわち、システム間位相
差検出部601は、カード600−1が運用系のカード
である場合には、カード600−1におけるクロックC
8とカード600−2におけるクロックC12との間の
位相差を検出し、検出した位相差を示す信号S8をカー
ド600−2におけるシステム間位相差補正部107に
出力する。逆に、システム間位相差検出部601は、カ
ード600−1が待機系のカードである場合には、カー
ド600−2におけるクロックC14とカード600−
1におけるクロックC6との間の位相差を検出し、検出
した位相差を示す信号S3をカード600−1における
システム間位相差補正部107に出力する。
【0125】運用切換制御部602は、実施の形態1
(図1)におけるカード100−1内の運用切換制御部
109と、実施の形態1(図1)におけるカード100
−2内の運用切換制御部109とを統合した構成を有す
る。すなわち、運用切換制御部602は、運用系のカー
ド(ここではカード600−1)に対しては、運用切換
制御部109が運用系のカードに搭載された場合におけ
るこの運用切換制御部109によるものと同様の動作を
行う。また、運用切換制御部602は、待機系のカード
(ここではカード600−2)に対しては、運用切換制
御部109が待機系のカードに搭載された場合における
この運用切換制御部109によるものと同様の動作を行
う。ただし、実施の形態1における各運用切換制御部1
09により用いられる信号S11は、本実施の形態で
は、運用切換制御部602の内部で用いられる。
【0126】なお、本実施の形態では、システム間位相
差検出部601および運用切換制御部602を運用系の
カードに搭載した場合について説明したが、システム間
位相差検出部601および運用切換制御部602を待機
系のカードに搭載することも可能である。この場合に
も、システム間位相差検出部601および運用切換制御
部602が上述したものと同様の動作を行うようにすれ
ばよい。
【0127】このように、本実施の形態によれば、運用
系のカードにおける水晶発振器により発生されたクロッ
クと待機系のカードにおける水晶発振器により発生され
たクロックとの間における周波数または位相の変動が、
カードの運用の切換の際に生じないように、待機系のカ
ードに対応するクロックの周波数および位相を、運用系
のカードに対応するクロックの周波数および位相に合わ
せた後、カードの運用の切換を行っている。これによ
り、カードの運用の切換がなされても、基地局装置に対
して、グリッジの発生しないクロックを供給することが
できる。さらに、運用系のカードにおける水晶発振器に
より発生されるクロックと待機系のカードにおける水晶
発振器により発生されるクロックとの間の位相差を検出
するシステム間位相差検出部、および、運用系のカード
と待機系のカードの運用の切換を制御する運用切換制御
部を、待機系のカードまたは運用系のカードのいずれか
一方のみに搭載したので、装置規模を抑えることが可能
となる。
【0128】(実施の形態6)本実施の形態では、実施
の形態5において、運用系のカードにおける水晶発振器
により発生されるクロックと待機系のカードにおける水
晶発振器により発生されるクロックとの間の位相差を検
出するシステム間位相差検出部、および、運用系のカー
ドと待機系のカードの運用の切換を制御する運用切換制
御部を、待機系のカードおよび運用系のカードに搭載せ
ず、待機系のカードおよび運用系のカードで共用する場
合について、図7を参照して説明する。図7は、本発明
の実施の形態6にかかるクロック供給装置の構成を示す
ブロック図である。なお、図7における実施の形態5
(図6)と同様の構成については、図6におけるものと
同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0129】システム間位相差検出部701は、カード
700−1およびカード700−2のいずれにも搭載さ
れていないが、実施の形態5(図6)におけるシステム
間位相差検出部601と同様の構成を有する。運用切換
制御部702は、カード700−1およびカード700
−2のいずれにも搭載されていないが、実施の形態5
(図6)における運用切換制御部602と同様の構成を
有する。すなわち、システム間位相差検出部701およ
び運用切換制御部702は、運用系のカードおよび待機
系のカードにより共用されている。
【0130】このように、本実施の形態によれば、運用
系のカードにおける水晶発振器により発生されたクロッ
クと待機系のカードにおける水晶発振器により発生され
たクロックとの間における周波数または位相の変動が、
カードの運用の切換の際に生じないように、待機系のカ
ードに対応するクロックの周波数および位相を、運用系
のカードに対応するクロックの周波数および位相に合わ
せた後、カードの運用の切換を行っている。これによ
り、カードの運用の切換がなされても、基地局装置に対
して、グリッジの発生しないクロックを供給することが
できる。さらに、運用系のカードにおける水晶発振器に
より発生されるクロックと待機系のカードにおける水晶
発振器により発生されるクロックとの間の位相差を検出
するシステム間位相差検出部、および、運用系のカード
と待機系のカードの運用の切換を制御する運用切換制御
部を、待機系のカードおよび運用系のカード間で共用し
ているので、待機系のカードおよび運用系のカードに実
装する回路の簡略化を図ることができる。
【0131】なお、上記実施の形態にかかるクロック供
給装置は、ディジタル移動体通信システムにおける基地
局装置に搭載することが可能なものである。この基地局
装置においては、このクロック供給装置を介して、上位
の装置により供給されるクロックに基づく誤動作を防止
することができる。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
運用系のカードおよび待機系のカードの運用を切換える
際には、この運用の切換の前に、運用系のカードにおけ
る水晶発振器により発生されたクロックの位相および周
波数と略同一となるように、待機系のカードにおける水
晶発振器により発生されたクロックの位相を補正するこ
と、さらには、網同期クロックの切換がなされた場合に
のみ、上記運用の切換の前に、待機系のカードにおける
水晶発振器により発生されたクロックの位相を補正する
ことにより、基地局装置に供給するクロックにグリッジ
が発生することを防止するクロック供給装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるクロック供給装
置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1にかかるクロック供給装
置の運用切換時におけるクロックの様子を従来方式と比
較して示す模式図
【図3】本発明の実施の形態2にかかるクロック供給装
置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態3にかかるクロック供給装
置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態4にかかるクロック供給装
置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態5にかかるクロック供給装
置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態6にかかるクロック供給装
置の構成を示すブロック図
【図8】従来のクロック供給装置の構成を示すブロック
【図9】クロック供給装置の通常運用時におけるクロッ
クの様子を示す模式図
【図10】クロック供給装置の網同期クロック切換時に
おけるクロックの様子を示す模式図
【図11】クロック供給装置の運用切換時におけるクロ
ックの様子を示す模式図
【図12】従来のクロック供給装置の運用切換時に発生
するグリッジの様子を示す模式図
【符号の説明】
101,401 網同期クロック切換部 102 位相比較器 103 LPF 104 水晶発振器 105 分周器 106,402 網同期クロック位相差検出部 107,502 システム間位相差補正部 108,501,601,701 システム間位相差検
出部 109,602,702 運用切換制御部 110 3ステートバッファ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相差が生じた同一周波数の複数の網同
    期クロックのうちいずれかの網同期クロックを基準クロ
    ックとして選択して出力する網同期クロック切換部、お
    よび、前記網同期クロック切換部により出力された基準
    クロックを用いて、前記基準クロックの整数倍となるよ
    うなクロックを発生させるクロック発生部を備えた複数
    のクロック供給手段と、クロック発生部により発生され
    たクロックを基地局装置に対して供給している運用系の
    クロック供給手段に代えて、前記複数のクロック供給手
    段のうち前記運用系のクロック供給手段以外のクロック
    供給手段を、新たな運用系のクロック供給手段として選
    択し、前記新たな運用系のクロック手段におけるクロッ
    ク発生部により発生されたクロックを基地局装置に供給
    させるように切換制御を行うことが可能な制御手段と、
    前記切換制御がなされる前に、前記運用系のクロック手
    段におけるクロック発生部により発生されたクロックの
    位相および周波数と略同一となるように、前記新たな運
    用系のクロック供給手段におけるクロック発生部により
    発生されたクロックに対する位相の補正を行う補正手段
    と、を具備することを特徴とするクロック供給装置。
  2. 【請求項2】 補正手段は、網同期クロック切換部によ
    り出力される基準クロックが切換られた際にのみ、位相
    の補正を行うことを特徴とする請求項1に記載のクロッ
    ク供給装置。
  3. 【請求項3】 新たな運用系のクロック供給手段におけ
    るクロック発生部により発生されるクロックにおいて、
    制御手段により切換制御がなされるタイミングに対応す
    る周期と、補正手段により位相の補正がなされるタイミ
    ングに対応する周期とが、隣接していることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載のクロック供給装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    のクロック供給装置を備えたことを特徴とする基地局装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010206355A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Furuno Electric Co Ltd 基準周波数発生システム及び基準周波数発生装置
JP2010206354A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Furuno Electric Co Ltd 基準周波数発生装置及び基準周波数発生システム
JP2014093719A (ja) * 2012-11-06 2014-05-19 Sumitomo Electric Ind Ltd クロック生成装置、通信装置及び同期クロックの切り替え方法

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