JP2002141668A - 高密度多層配線基板及びその製造方法 - Google Patents

高密度多層配線基板及びその製造方法

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JP2002141668A
JP2002141668A JP2000339143A JP2000339143A JP2002141668A JP 2002141668 A JP2002141668 A JP 2002141668A JP 2000339143 A JP2000339143 A JP 2000339143A JP 2000339143 A JP2000339143 A JP 2000339143A JP 2002141668 A JP2002141668 A JP 2002141668A
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wiring board
multilayer wiring
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English (en)
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Yoshihide Yamaguchi
欣秀 山口
Hidetaka Shigi
英孝 志儀
Takashi Kashimura
隆司 樫村
Isamu Tanaka
勇 田中
Naoya Kitamura
直也 北村
Chie Yoshizawa
千絵 吉澤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便かつ効率的なビア配線の内部充填方法を提
案することにより、薄膜多層配線基板や高密度多層配線
プリント基板、特に、いわゆるビルドアップ方式多層配
線基板の高密度化を図り、高密度な多層配線基板の低コ
スト製造方法を確立して、低コストかつ高密度な多層配
線基板を提供することにある。 【解決手段】ビア配線形成に先だってビア穴内部に嵌入
構造を形成する。嵌入構造を有するビア穴へめっきを行
うことにより、鬆の入らない状態でビア内部を導電体で
充填できる。導電体によって内部を充填されたビア配線
は接続信頼性が高く、さらに上面が平坦化されているの
でビア配線を上下方向に揃えて配置可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型計算機やワー
クステーションなどのコンピュータ、交換機や携帯電話
などの通信機器等に用いられる、LSI、抵抗、コンデ
ンサ等を高密度で実装する薄膜多層配線基板や高密度多
層配線プリント基板に係り、特に、絶縁層と導体回路と
を交互に複数層積層する、いわゆるビルドアップ方式に
好適な多層配線基板およびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】貫通穴によらずに配線導体間の接続を行
う高密度プリント配線基板およびその製造方法として、
例えば特開平4−148590号公報に示されるような
いわゆるビルドアップ工法やその工法を用いて作製され
たビルドアップ基板が注目を集めている。ビルドアップ
工法では、図2に示すように、表層に所望の平面配線パ
ターン3を形成したコア基板1の上に層間絶縁材料2を
成膜し(図2(a))、その後、ビア接続個所に該当す
る層間絶縁材料2aを選択的に除去してビア配線のため
の穴2bを形成する(図2(b))。必要に応じて所定
の前処理を行った後、図2(c)に示すように、めっき
などにより基板表面全面に導体6を形成する。次いで、
当該導体6を所望の導体パターンを残して選択的にエッ
チング除去することにより、コンフォーマルなビア配線
7および上層平面配線3’を形成する(図2(d))。
上記の工程(絶縁材料成膜〜選択的エッチング除去)を
逐次複数回繰り返せば所望の層数の多層配線基板を製造
できる(図2(e)、(f))。
【0003】この工法では、配線導体間の相互接続には
適宜必要箇所のみに設けたビア配線を用いる。
【0004】このようなビア配線を用いることにより、
貫通穴方式の欠点である接続不要箇所への穴形成が解消
されているため、貫通穴方式の配線基板と較べて配線密
度や配線設計自由度の点で有利である。
【0005】しかし逆に、この工法では、ビア配線の上
面が平坦でないためにビア配線を上下方向に揃えて形成
することができず、図2(e)や(f)に示すように少
しずらして形成する。そのために配線密度は予想外に向
上しないし、配線設計の自由度の制限も完全には解消さ
れない。また、コンフォーマルなビア配線の形状を反映
して基板表面には凹凸ができており、それに起因して、
最上層導体6’を選択的にエッチング除去する工程(図
2(e)→(f))でエッチングレジストの密着性が低
下するため、微細配線パターンの形成が困難であるとい
う欠点があった。
【0006】この点を改善するために、特開平5−21
8645号公報や特開平8−242077号公報では、
導体および/または樹脂などを用いてコンフォーマルビ
アの内部を充填するという技術が提案されている。これ
らの技術によれば、図3に示すように、コンフォーマル
ビアの内部に充填物質9を充填することによってビア上
面の平坦化が可能となり、ビア配線を上下方向に揃えて
配置できるようになる。
【0007】なお本発明では、特開平5−218645
号公報や特開平8−242077号公報などに例示され
ているビア配線の内部を充填してビア配線を上下方向に
揃えて配置したビルドアップ方式多層配線基板(図3)
を説明簡略化のためにビア充填ビルドアップ基板と略
し、その製造方法をビア充填ビルドアップ工法と呼ぶ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−21864
5号公報に示された技術では、スパッタなどによりめっ
き下地膜10を形成した後に電気銅めっきすることによ
りコンフォーマルビアの内部をめっき皮膜によって充填
する(図4)。そのため、ビア内部が導電性の高い銅で
充填されており、ビア配線の接続信頼性が高いという利
点がある。
【0009】しかしながら、当該公報には、めっき下地
膜10をビア開口部径11と同程度の厚さに形成するこ
とが記載されており(図4(b))、大口径、例えば1
00μmを超える径のビア配線を有する配線基板を作製
するにはめっき下地膜形成に時間がかかりすぎるという
問題がある。しかも、接着性確保のためにこの下地膜は
スパッタにて形成するため、例えば500×500mm
というプリント配線板としては標準的なサイズの基板を
作製するにも極大型のスパッタ装置が必要な点で、この
技術は実用的ではない。また、上記のようにして作製し
ためっき下地膜の上に電気めっきによって導電膜を形成
((図4(c))するが、めっき後には所望の厚さにま
で銅を研摩あるいは全面エッチングによって除去する必
要がある(図4(d))。このため、例えば、ビア径1
00μmで配線厚さ20μmの配線基板を作製するには
約100μmのエッチングが必要となり、工程が長くな
るだけではなく資源の無駄にもなる。
【0010】さらに、この技術では切り立った凹凸表面
へ電気めっきする場合、図5(c)に示すような「鬆1
2」がはいった状態になりやすいという問題がある(以
下このようなめっきを「鬆入りめっき」と略称する)。
鬆入りめっきが起こる直接の原因はめっき液中での金属
イオンの拡散律速であり、凹部への金属イオンの拡散供
給は凸部と較べて遅いため、凹部へのめっき被膜成長が
進まないうちに開口部が閉じてしまうのである。鬆入り
めっき皮膜の上面を研摩あるいはエッチングしても、図
5(d)に示すように鬆が露出してビア配線上面は平坦
にはならない。従って、小テーパー角のビア配線、即ち
切り立った凹凸表面を有する高密度配線基板を作製する
場合には、特開平5−218645号公報に示された技
術を適用してもビア配線を上下方向に揃えて配置すると
いう当初の目的は達せられない。一方、特開平8−24
2077号公報では、ビア充填ビルドアップ工法とし
て、2種類の方法を提案している。1つは特開平5−2
18645号公報の技術と同様な電気めっきによるビア
充填技術であり、もう1つは印刷技術を利用したビア充
填技術である。
【0011】前者の技術では、コンフォーマルなめっき
被膜を成膜して非充填ビアを形成したのち、めっきレジ
スト13を当該非充填ビアの周辺を残して成膜し、めっ
き成膜にてビア充填することを提案している(図6)。
この技術はスパッタを使用せずめっきのみで導電膜を形
成し、導電膜形成後に全面エッチングを必要としないと
いう点で特開平5−218645号公報より有利であ
る。
【0012】しかし逆に、ビア充填のためにめっきレジ
スト13のリソグラフィー工程が新たに必要となり、工
程が長くなっている。また、充填されたビア配線7の上
面が盛り上がっていて完全には平坦ではない(図6
(d))という新たな問題も発生する。ビア配線上面の
平坦化には、エッチングレジスト成膜前に基板表面全面
を研摩あるいはエッチング(化学研摩)するという方法
があるが、同一面内におけるパターン疎密の違いにより
研磨圧力差が生じて研磨むらが生じやすいという欠点が
ある。しかも、上述の鬆入りめっき現象という問題に対
して何らの解決策は示されておらず、ビア上面を研磨し
てもビア配線上面は平坦になるとは限らない。
【0013】特開平8−242077号公報記載のもう
1つの技術では、コンフォーマルなめっき被膜を成膜し
て非充填ビアを形成したのち、充填剤をスクリーン印刷
することを提案している。この技術では、めっきを使わ
ないため上述の鬆入りめっき現象という問題は発生しな
い。
【0014】しかしながら、当該公報にも明記されてい
るように、スクリーン印刷後に充填剤の過不足を均す目
的で表面研磨を施す必要があり、パターン疎密の違いに
よる研磨むらの問題は解消されていない。また、充填剤
はその成分として樹脂を含んでおり、研磨の際に発生す
る摩擦熱によって樹脂が硬化収縮して鬆が入ったり、砥
粒が樹脂の中に埋め込まれたり、摩擦熱によって樹脂が
溶融して研磨体が固着したりするなどの問題も発生す
る。さらに、充填剤はめっき被膜に較べて導電性が劣る
ため、接続信頼性が低下するという問題が新たに発生す
る。
【0015】本発明の目的は、簡便かつ効率的なビア配
線の充填方法を考案することにより、ビア充填ビルドア
ップ工法を確立して低コストで高い接続信頼性を有する
高密度多層配線基板(ビア充填ビルドアップ基板)を提
供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】発明者らは、ビア配線内
部を簡便かつ効率的に充填する方法を鋭意検討し、めっ
きに先だってビア内部に嵌入構造を形成することによ
り、鬆の入らない状態でビア内部をめっき皮膜で充填で
きることを見いだして本発明に至った。
【0017】図1は、本発明によるビア充填ビルドアッ
プ工法の一例を概略で例示したものであり、図1(e)
は本発明によって製造される高密度配線基板の構造の一
例を示している。
【0018】以下、図1に例示した工程に従って本発明
を詳しく説明する。なお、図1では説明簡略化のために
片面基板で表示してあるが、両面基板でも同様である。
【0019】本発明のビア充填ビルドアップ工法では、
まず始めに、コアとなる基板1の上に所望の平面配線パ
ターン3を形成し、しかる後に当該基板上へ絶縁材料2
を成膜する。この際用いられるコア基板、平面配線、絶
縁材料には特段の制限はなく、公知慣用のものであれば
特に問題なく使用でき、配線パターン形成や絶縁材料成
膜方法なども公知慣用の高密度多層配線基板の製造方
法、製造条件を用いることに特に支障はない。例えば、
本発明に好適に用いられるコア基板をいくつか例示する
と、絶縁基板、良熱伝導性金属基板、内層回路を包含し
た多層配線基板などが挙げられ、本発明に好適な絶縁材
料として、感光性樹脂、熱硬化樹脂、光/熱併用硬化樹
脂、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。絶縁材
料の成膜方法を例示すると、例えば、スクリーン印刷、
ロールコーター、スプレーコーター、カーテンコータ
ー、スピンコーター等であり、これらの材料・方法を目
的・用途に合わせて適宜選択して組み合わせることも可
能である。
【0020】次に、上記のようにして基板の最外層に形
成された絶縁材料膜の所望の部分(図1の2a)のみを
選択的に除去して、コア基板上に設けられた平面配線パ
ターンの一部を露出させる。絶縁膜2aが除去された後
にできた穴2bは、ビア配線を形成・収納するための穴
であるので、本発明では、以下ビア穴と略称する。
【0021】本発明では、ビア穴2bを形成する1つの
方法として、フォトリソグラフィの手法を用いる。絶縁
材料2が感光性を有している場合には、成膜の後に露
光、現像という処理を施すだけの簡単な処理で所定の目
的を達成できる。また、絶縁材料2が非感光性である場
合には、当該樹脂膜上に感光性レジストフィルムを重ね
て成膜し、露光・現像により所望のレジストパターンを
形成後にそのパターンをマスクにしたエッチング処理に
よって絶縁材料の所望の部分を選択的に除去できる。
【0022】本発明では、ビア穴2bを形成するための
別の方法として、ドリル加工及び/又はレーザー加工を
用いることもできる。この方法を採用すると、非感光性
絶縁材料膜の場合であっても、感光性レジストの成膜、
露光、現像という煩雑な工程は不必要である。さらに、
この方法ではフォトマスクを使わないため、加工に用い
るNCデータの修正・変更だけでパターンの変更が可能
になり、設計完了から試作着手までの時間を大きく短縮
できる。
【0023】また、本発明では、スクリーン印刷などの
手法を用いてあらかじめ所望の個所を避けて絶縁材料を
成膜するという工程によって、絶縁材料の成膜工程とビ
ア穴形成の工程とを実質的に一回の操作によって達成し
ても構わないし、フォトリソグラフィ、ドリル加工、レ
ーザー加工、スクリーン印刷、プラズマ処理及び公知慣
用のパターン形成方法を単独あるいは互いに組み合わせ
て用いても問題はない。
【0024】本発明では、ビア配線形成に先立ち、少な
くとも1つ以上のビア穴の内部に嵌入構造となる突起状
の構造体5を形成する。このような突起状の構造体5を
ビア穴内部に設けることにより、ビア穴底部への金属イ
オンの拡散供給が促進されるため、鬆が入らない状態で
のめっきが可能となる。
【0025】当該構造体5は、必要に応じて1つのビア
穴に幾つ含まれるようにしても構わないが、その高さが
当該ビア配線層の厚みに対して10%以上200%以下
であることが望ましく、更に望ましくは35%以上10
5%以下である。高さが10%以下であると金属イオン
の拡散供給促進効果が期待できず、逆に200%以上で
あると上層配線の形成に支障をきたす。
【0026】また、当該構造体5の断面積が、ビア穴底
部において、当該ビア配線の総断面積に対して3%以上
95%以下であることが望ましく、更に望ましくは20
%以上67%以下である。断面積比率が3%を下回ると
きには上述の高さ下限値を満たすことが実質的に困難に
なり、95%を越えるようになるとビア配線としての導
体断面積が小さくなって接続信頼性が確保できにくくな
る。1つのビア配線の内部に当該構造体を複数個設ける
ときには、それらの構造体の断面積の総和とビア配線の
断面積の比率が3%以上95%以下となるようにするこ
とが望ましい。なお、当該構造体5の断面形状は、円
形、矩形、星形、十字形、ないしはいかなる幾何学的な
模様であっても構わないが、嵌入構造作製に係る工程制
御の観点から、円形、矩形、あるいは十字形が実用的で
ある。
【0027】突起状の嵌入構造5を構成する材料として
は、絶縁材料であってもよいし、導体であっても良い。
接続信頼性の観点からは導体材料であることが望ましい
が、必ずしも導体である必然性はなく、製造しやすさの
観点から絶縁材料を用いても構わないし、製造しやすさ
と接続信頼性の両方を鑑みて導電性ペーストなどを用い
ても構わない。あるいは、化学めっきを触媒する物質、
特に化学銅めっきの触媒を含有する材料を用いることに
よって、次工程であるビア配線形成工程の歩留りを向上
できるので、実質的に当該ビア配線の接続信頼性を向上
させることもできる。
【0028】本発明では、当該構造体5を形成するため
の1つの方法として、スクリーン印刷および/またはデ
ィスペンサーにを用いた微量塗布法を用いる。この方法
によれば、構造体5の大きさや形、テーパー角や個数を
ビア穴毎に変えることもできる。また別の方法として、
フォトリソグラフィグラフィーの手法を用いたり、ドリ
ル加工、レーザー加工、スクリーン印刷、及び公知慣用
のパターン形成方法を単独あるいは互いに組み合わせて
用いても問題はない。フォトリソグラフィーの手法を用
いた本発明に好適な工程を例示すると、まずスキージな
どによりビア穴へ感光性樹脂を充填し、所望のマスクパ
ターンを通して露光、現像、という工程を順次経ること
によって所望のビア穴に突起状の嵌入構造体5を形成す
る。
【0029】本発明では、当該嵌入構造体5が絶縁材料
2と同一の物質でできている場合には、スクリーン印刷
やフォトリソグラフィなどを用いた方法によって構造体
5をさらに効率的に形成できる。たとえば、フォトリソ
グラフィーを用いた方法の1つを例示すると、絶縁材料
2を成膜し、ビア配線のためのパターンと嵌入構造体の
ためのパターンとの両方を含むフォトマスクパターンを
通して露光、引き続いて現像する、というものである。
この方法では、ビア穴形成工程と当該嵌入構造体形成工
程とを実質的に同一の工程によって達成できる。従っ
て、図2に代表される従来工法の場合と比べて工程数・
処理時間は変わらず、従来工法と比べて実質的に同一の
ビア穴形成コストで嵌入構造5を有するビア穴2bを形
成できる。なお、ビア穴2b、嵌入構造5のいずれもさ
ほど微細にする必要がない場合には、ビア配線のための
パターンと嵌入構造体のためのパターンとの両方を含む
スクリーン印刷マスクを通してスクリーン印刷すること
により、絶縁材料2の成膜、ビア穴2b形成、嵌入構造
5形成の3工程を実質的に1回の処理によって達成でき
ることは言うまでもない。
【0030】本発明では、嵌入構造体5のビア穴内にお
ける配置、本数、大きさなどは特に規定しない。これら
を適宜変更することにより、ビア配線のインピーダンス
を調整させたり、絶縁材料5とビア配線7との線膨脹係
数差によって発生する絶縁材料2及び/またはビア配線
7のクラックを防止することができる。
【0031】本発明では、これまでに記載してきた工程
を順次経ることによって、嵌入構造体を有するビア穴が
少なくとも1つ以上形成された基板(図1(b))を形
成し、しかる後に、ビア配線を形成する。
【0032】本発明に好適なビア配線の形成工程の一例
を挙げれば、まず基板表面の全面にめっき下地膜を形成
し、全面にめっきを施した後、所望の導体パターンを残
して不要となるめっき皮膜をエッチング除去するという
工程がある。
【0033】その際好適に用いられるめっき下地膜は、
ビア配線本体と異なる導体を用いても構わないし、スパ
ッタ、蒸着、化学めっきなど公知慣用のいずれの方法を
用いて形成しても構わないが、接続信頼性と大面積化可
能という観点から、化学銅めっき法による銅皮膜がもっ
とも好適である。なお、化学めっき法を用いる場合に
は、基板との密着性確保のために、所定のめっき前処理
が必要となることは周知の通りである。
【0034】上述の工程に好適な下地膜形成後のめっき
は、電気めっき、化学めっきのいずれでも構わないが、
工程時間短縮の観点からは電気めっきがより望ましく、
接続信頼性や導体抵抗の観点から電気銅めっきがさらに
好ましい。本発明では、ビア穴内部に嵌入構造体5が形
成されているため、電気銅めっき反応においてビア穴底
部への銅イオンの拡散供給が促進されており、鬆入りめ
っき現象を伴わずにビア穴内部をめっき皮膜によって充
填され、ビア穴上面を含めて基板上面はおおむね平面と
なっている(図1(c))。
【0035】上述の工程では、次に、エッチング技術を
用いて、所望の上層配線とビア配線とを分離させて、図
1(d)に示した構造を得る。なおその際、エッチング
レジスト密着性確保のために、必要に応じて銅皮膜表面
の整面処理を行うことがある。
【0036】本発明では、これまでに述べた工程(図1
(a)〜(d))を所望の回数繰り返すことによって必
要な層数の多層配線基板を製造する。その際、ビア配線
上面が平坦化されているため、図1(e)に示すように
上下のビア配線を揃えて形成することができ、面内の配
線密度や配線設計自由度の高い多層配線基板を製造でき
る。また、本発明に記載したような上下に揃えたビア配
線は、配線導体としてだけではなくヒートシンクとして
も利用可能である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の形態を実施の一例
となる工程の概略を示す図1に基づいて説明する。な
お、図1では図面簡略化のために片面基板で表示してあ
るが、両面基板でも操作は同様である。
【0038】本実施例は、本発明の技術を高密度多層配
線プリント基板及びその製造法に適用したものである。
まず、両面銅張ガラスエポキシ基板((株)日立化成工
業製;MCL−E−67)を用意し、表面の銅箔層を選
択的エッチングによってパターニングして平面配線3を
形成した後、カーテンコートにより絶縁膜2を成膜し図
1(a)に示す構造とした。本実施例では絶縁膜2とし
てシプレイ・ファーイースト(株)製感光性絶縁樹脂マ
ルチポジットXP9500を用いた。次に、ビア穴のパ
ターンと嵌入構造のパターンとの両方のパターンが描か
れたフォトマスクを通して露光した後、露光後ベーキン
グ処理を経て、炭酸ナトリウム水溶液によって現像し
た。この樹脂はネガ型なので光の当たらなかった部分の
樹脂が選択的に除去され、図1(b)に示す構造となっ
た。次にめっき下地膜を形成するが、本実施例では、め
っき皮膜の密着性を向上するための前処理を行った。前
処理としては、約80℃に設定した過マンガン酸カリウ
ムを主成分とするアルカリ性水溶液へ5分以上浸漬した
後、塩酸ヒドロキシルアミンの水溶液に浸漬した。この
前処理の後、めっき用Pd触媒液(シプレイ・ファーイ
ースト(株)製キャタプリッププレディップ404及び
キャタポジットキャタリスト44)を用いて、所定の条
件で基板表面に触媒付与し、引き続いて、活性化処理
(シプレイ・ファーイースト(株)製キューポジットア
クセラレータ19)、化学銅めっき(シプレイ・ファー
イースト(株)製キューポジット328カッパーミック
ス)によりめっき下地膜を形成した。次に電気銅めっき
(硫酸銅、1.0〜2.0A/dm2)により、基板表
面にパネルめっきを行ったところビア穴がめっき皮膜に
よって完全に充填され、図1(c)に示す構造となっ
た。次に、エッチングレジスト密着性向上のためにめっ
き皮膜の表面をバフ整面した後、ドライフィルムレジス
ト((株)日立化成工業製;HW240)を用いて、ラ
ミネート、露光、現像、エッチング、剥離を順次行っ
て、ビア配線と上層平面配線とを分離した(図1
(d))。本実施例では、この上にさらに、絶縁膜成
膜、絶縁膜パターニング、めっき前処理、下地膜作製、
電気銅めっき、選択的エッチングを順次行うことによっ
て図1(e)に示すように上下方向にビア配線を揃えて
配置した構造の基板を作製できた。上下方向に揃えて配
置したビア配線の接続抵抗を測定したが、接続不良箇所
は検出されなかった。また基板の断面を観察したとこ
ろ、ビア配線内部に鬆が入った状態になっているものは
全く見られなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、ビア穴内部に嵌入構造
を形成したことにより、効率的かつ簡便な工程でビア配
線内部を充填でき、それによりビア配線上面を平坦化で
きるために、ビア配線を上下方向に揃えて配置すること
が可能となる。また、ビア配線を上下方向に揃えて配置
させることにより、面内の配線密度や配線設計自由度の
高い多層配線基板を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高密度多層配線基板およびその製
造方法の一例を示す概略図である。
【図2】従来における一般的なビルドアップ方式高密度
多層配線基板およびその製造方法の一例を示す概略図で
ある。
【図3】ビア充填ビルドアップ方式高密度多層配線基板
の一般的構造を示す概略図である。
【図4】ビア充填ビルドアップ方式高密度多層配線基板
製造方法に係る従来技術(特開平5−218645号公
報)を示す概略図である。
【図5】鬆入りめっき現象の原理を示す概略図である。
【図6】ビア充填ビルドアップ方式高密度多層配線基板
製造方法に係る従来技術(特開平8−242077号公
報)を示す概略図である。
【符号の説明】
1…コア基板、2…絶縁膜、2a…ビア穴箇所に該当す
る絶縁材料、2b…ビア穴、3…平面配線、3’…上層
平面配線、4…平面配線層、5…嵌入構造体、6…導
体、6’…最上層導体、7…ビア配線、8…ビア配線
層、9…ビア充填物質、10…めっき下地膜、11…ビ
ア開口部、12…鬆、13…めっきレジスト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/42 610 H05K 3/42 610Z (72)発明者 樫村 隆司 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 田中 勇 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 北村 直也 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 吉澤 千絵 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 Fターム(参考) 5E317 AA24 BB01 BB11 CC17 CC31 CC53 CD12 CD27 CD32 GG01 GG09 GG14 5E346 AA02 AA03 AA04 AA05 AA06 AA12 AA15 AA29 AA32 AA43 CC32 CC53 CC55 DD03 DD13 DD24 FF01 FF07 FF13 GG06 GG07 GG15 GG19 GG22 HH07 HH11

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁材料からなる絶縁膜2と導体からな
    る平面配線3との複合体である平面配線層4を複数持っ
    ており、該平面配線層4を相互に接続するための導体か
    らなるビア配線7と絶縁膜2との複合体であるビア配線
    層8も複数持つことによって、平面配線層4とビア配線
    層8とを交互に積層した構造を備える多層配線基板にお
    いて、少なくとも1個のビア配線がその内部に突起状の
    嵌入構造5を少なくとも1個持つことを特徴とする高密
    度多層配線基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の突起状の嵌入構造は、そ
    の高さが当該ビア配線層の厚みに対して10%以上20
    0%以下であることを特徴とする高密度多層配線基板。
  3. 【請求項3】 請求項1および2記載の突起状の嵌入構
    造の断面積が、当該ビア配線の総断面積に対して、当該
    ビア配線底部において3%以上95%以下であることを
    特徴とする高密度多層配線基板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の突起状の嵌入構造
    が、当該ビア内部に設けられた絶縁材料からなることを
    特徴とする高密度多層配線基板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3記載の突起状の嵌入構造
    が、当該ビア内部に設けられた柱状の導体からなること
    を特徴とする高密度多層配線基板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の突起状の嵌入構造を
    持つビア配線のうち、少なくとも1個が、その上面が平
    坦であることを特徴とする高密度多層配線基板。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の上面が平坦なビア配線の
    うち少なくとも1個が、その真上に上層のビア配線を配
    置されていることを特徴とする高密度多層配線基板。
  8. 【請求項8】 コア基板表層に所望の平面配線パターン
    を形成する工程(1)と、 当該平面配線パターンを形成した基板上へ絶縁材料を成
    膜する工程(2)と、 当該絶縁材料の所望の部分のみを選択的に除去してビア
    配線のための穴を形成する工程(3)と、 当該ビア配線のための穴の内部に、嵌入構造となる構造
    体を形成する工程(4)と、 このようにして得られた基板表面の所望の箇所に導電体
    を形成する工程(5)とを含み、上記の工程(2)から
    工程(5)を所定の回数繰り返すことを特徴とする高密
    度多層配線基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の、嵌入構造となる構造体
    を有するビア配線のための穴が形成された基板表面の所
    望の箇所に導電体を形成する工程(5)が、当該基板表
    面の全面に導体を形成する工程と当該導体を所望の導体
    パターンを残して選択的にエッチング除去する工程とか
    らなることを特徴とする高密度多層配線基板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の、当該ビア配線のため
    の穴の内部に嵌入構造となる構造体を形成する工程
    (4)が、スクリーン印刷および/またはディスペンサ
    ーによる微量塗布であることを特徴とする高密度多層配
    線基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の微量塗布される物質
    が、導電性ペースト、絶縁材料、めっき触媒含有樹脂の
    いずれかであることを特徴とする高密度多層配線基板の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のめっき触媒含有樹脂
    に含まれるめっき触媒が、化学銅めっき用の触媒である
    ことを特徴とする高密度多層配線基板の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項8記載のビア配線のための穴の
    内部に嵌入構造となる構造体を形成する工程(4)が、
    請求項8記載の絶縁材料の所望の部分のみを選択的に除
    去してビア配線のための穴を形成する工程(3)と実質
    的に同時に行われることを特徴とする高密度多層配線基
    板の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項8記載の絶縁材料の所望の部分
    のみを選択的に除去してビア配線のための穴を形成する
    工程(3)が、所定のパターンを有するマスクを通した
    フォトリソグラフィを用いた工程であることを特徴とす
    る高密度多層配線基板の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項8記載の絶縁材料が感光性樹脂
    であり、所定のパターンを有するマスクを通して露光し
    た後に現像することにより、所望の部分の樹脂のみを選
    択的に除去可能であることを特徴とする高密度多層配線
    基板の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項14および15記載の所定のパ
    ターンを有するマスクが、ビア配線のためのパターンと
    嵌入構造となる構造体のためのパターンとの両方を含む
    ものであることを特徴とする高密度多層配線基板の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 請求項8記載の絶縁材料の所望の部分
    のみを選択的に除去してビア配線のための穴を形成する
    工程(3)が、ドリル加工及び/またはレーザー加工を
    用いた工程であることを特徴とする高密度多層配線基板
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010018790A1 (ja) * 2008-08-12 2010-02-18 Fcm株式会社 マルチ導通部を有する多層積層回路基板

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010018790A1 (ja) * 2008-08-12 2010-02-18 Fcm株式会社 マルチ導通部を有する多層積層回路基板
JP2010045155A (ja) * 2008-08-12 2010-02-25 Fcm Kk 多層積層回路基板

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