JP2002139183A - 熱収縮性ポリスチレン系チューブ - Google Patents

熱収縮性ポリスチレン系チューブ

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】電池の絶縁性付与という有機溶剤の耐性に優れ
た熱収縮性ポリエチレン系チューブを提供。 【解決手段】共役ジエン系炭化水素重合体粒子又はアク
リルゴム粒子が分散された耐衝撃性ポリスチレン(A成
分)90〜50重量%と、オレフィン系炭化水素を主体
としたオレフィン系重合体(B成分)を10〜50重量
%の範囲で配合した混合物から成るチューブを、長さ方
向に1〜1.7倍、径方向に1.7〜4倍の延伸倍率で
チューブラー延伸してなり、該チューブの100℃熱水
中、30秒間での収縮率が長さ方向で40%以下、径方
向に40%以上であることを特徴とする熱収縮性ポリス
チレン系チューブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱収縮性ポリスチ
レン系チューブに係り、特にリチウムイオン2次電池等
の電池の外面被覆用として好適に使用できる耐有機溶剤
性に優れた熱収縮性ポリスチレン系チューブに関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】乾電池の亜鉛缶被覆用、ある
いはキャップシールや各種物品の収縮被覆用として用い
られる熱収縮性チューブとしては、ポリ塩化ビニル樹脂
(PVC)から製膜されるPVCチューブが広く使用さ
れている。このPVCチューブは優れた実用特性と低コ
ストという利点を有しているものの、廃棄後、焼却する
と環境に対する懸念があることから、近年、PVC以外
の樹脂材料が要望されるようになってきた。
【0003】このような樹脂材料の1つとして、収縮フ
ィルムの分野で実用化されているスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体が検討されている。
【0004】しかしながら、このスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体を製膜して得られる熱収縮性チューブ
は、有機溶剤等の薬品に侵されやすく、例えば2次電池
の電解液の主成分である炭酸プロピレンのような極性の
強い有機溶剤が付着した場合、付着部分より微細なクラ
ックが発生し易く、電池の絶縁性付与という熱収縮性チ
ューブ本来の役割を果たさなくなるという危険性があっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
消できる有機溶剤の耐性に優れた熱収縮性ポリスチレン
系チューブを見出したものであり、その要旨とするとこ
ろは、共役ジエン系炭化水素重合体粒子が分散された耐
衝撃性ポリスチレン(A成分)90〜50重量%と、オ
レフィン系炭化水素を主体としたオレフィン系重合体
(B成分)を10〜50重量%の範囲で配合した混合物
から成るチューブを、長さ方向に1〜1.7倍、径方向
に1.7〜4倍の延伸倍率でチューブラー延伸してな
り、該チューブの100℃熱水中、30秒間での収縮率
が長さ方向で40%以下、径方向に40%以上であるこ
とを特徴とする熱収縮性ポリスチレン系チューブにあ
る。また、本発明の要旨は、アクリルゴム粒子が分散さ
れた耐衝撃性ポリスチレン(A成分)90〜50重量%
と、オレフィン系炭化水素を主体としたオレフィン系重
合体(B成分)を10〜50重量%の範囲で配合した混
合物から成るチューブを、長さ方向に1〜1.7倍、径
方向に1.7〜4倍の延伸倍率でチューブラー延伸して
なり、該チューブの100℃熱水中、30秒間での収縮
率が長さ方向で40%以下、径方向に40%以上である
ことを特徴とする熱収縮性ポリスチレン系チューブにも
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で使用する混合重合体のスチレン系重合体(A成
分)としては、スチレン系重合体中に共役ジエン系炭化
水素重合体粒子又はアクリルゴム粒子が分散された耐衝
撃性ポリスチレンを使用する。耐衝撃性ポリスチレン
(以下、「HIPS」という)は、スチレン系重合体中
に共役ジエン系炭化水素重合体粒子又はアクリルゴム粒
子が分散したものであり、スチレン系重合体のもろさを
ゴム成分で改善したものである。スチレン系重合体とし
ては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、α−メチルスチレン等の単独重合体、及び
これらの成分からなる共重合体、さらにスチレン系炭化
水素以外の共重合可能なモノマーを含む共重合体等が挙
げられ、これらの混合物であってもよい。かかる共重合
可能なモノマーとしては、アクリロニトリル、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタ
クリル酸メチル、クロロエチルビニルエーテルなどが挙
げられる。
【0007】また、共役ジエン系炭化水素重合体粒子
は、常温でゴム弾性を示すものであればよく、例えばブ
タジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等の単独
重合体、それらの共重合体、共役ジエン系炭化水素以外
の共重合可能なモノマー、例えばスチレンモノマーを含
む共重合体等があり、熱可塑性エラストマーでもよい。
HIPSの重合形態としては、ラジカル重合、アニオン
重合等、通常の重合形態によればよい。
【0008】上述したように、スチレン系重合体として
はHIPSが総合的な物性とコスト性に優れており、H
IPSの中でもゴム粒子としてアクリルゴムを用いたも
の(例えば住友化学(株)製HIPS:スミブライトD
Jシリーズ)が特に良好である。ここに、アクリルゴム
とは、アクリル酸アルキルエステルを主体とした合成ゴ
ムを指称し、例えば、アクリル酸エチルとクロロエチル
ビニルエーテルとの共重合体、アクリル酸ブチルとアク
リロニトリルとの共重合体、アクリル酸エチルとアクリ
ロニトリルとの共重合体、メタクリル酸エチルとアクリ
ル酸2−エチルヘキシルとの共重合体などが挙げられ
る。その他、アクリル酸アルキルエステルと共重合しう
るモノマーとして、アクリル酸、メチルビニルケトン、
ブタジエンなどが用いられる。場合によっては、多官能
ビニルモノマーを併用することにより部分的に架橋構造
を形成することができる。
【0009】本発明のチューブでは、上記スチレン系重
合体(A成分)に他の成分として、オレフィン系重合体
(B成分)を配合する必要がある。このオレフィン系重
合体は特に限定されないが、コストを考えた場合、汎用
のオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が好ましい。さ
らに低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)等の結晶性の低いものがスチ
レン系重合体との相溶性が優れており、好適に使用でき
る。
【0010】また、高密度ポリエチレン(HDPE)
や、ポリプロピレン(PP)のように比較的結晶性の高
いオレフィン系重合体を用いる場合は、スチレン系炭化
水素とオレフィン系炭化水素とからなるブロック共重合
体及び/又はグラフト共重合体(C成分)を、スチレン
系重合体(A成分)に添加するオレフィン系重合体(B
成分)の量を基準として、3〜100重量%配合すれば
スチレン系重合体とオレフィン系重合体との相溶性が向
上し、それに伴ないチューブの引張り強度や耐冷熱衝撃
性等の機械的物性が向上する。
【0011】上記のブロック共重合体及び/又はグラフ
ト共重合体(C成分)の具体的樹脂としては、スチレン
系炭化水素10〜50重量%と共役ジエン系炭化水素9
0〜50重量%の共重合体中に存在する不飽和結合を完
全水添したブロック共重合体(以下、「SEBS」とい
う)が挙げられる。
【0012】さらに、ブタジエンゴム及び/又は優位量
のブタジエンと共重合能のある劣位量の単量体との共重
合体粒子にメタクリル酸エステルと芳香族ビニルを重合
させてなるグラフト重合体(以下、「MBS」という)
(D成分)を配合したものを用いることも可能である。
【0013】MBSにおける共重合体粒子にはブタジエ
ンゴムあるいは優位量のブタジエンとそれと共重合能の
ある劣位量の単量体、例えば、アクリロニトリル、(メ
タ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル等との共重合体
が挙げられ、単独又は2種以上の混合体で使用できる。
【0014】上記内容のMBSとしては市販のものが使
用できるが、以下の2点を選択の目安とすればよい。 (1)MBSのメタクリル酸エステルと芳香族ビニルの
量を基準として、メタクリル酸エステル(m)と芳香族
ビニル(s)の比率が、スチレン系共重合体の(メタ)
アクリル酸エステル(M)とスチレン系モノマー(S)
の比率に近いもの。
【0015】(2)MBSの共重合体粒子の損失弾性率
(E″)のピーク温度が低温のもの。但し、被覆される
対象物の使用目的・条件によって(1)、(2)のいず
れかを重視し適宜選択する。チューブの透明性を重視す
る場合は(1)を、耐衝撃性を重視する場合は(2)を
選択の目安とすればよい。
【0016】特に(2)において、例えば2次電池等の
使用温度範囲が−30〜20℃から+60〜70℃であ
るものに被覆使用する場合、MBSの共重合体粒子の
E″のピーク温度が−50℃以下のものが、耐冷熱衝撃
性に優れる。
【0017】また、MBSの添加量は使用目的や条件に
より適宜決定されるが、全混合物を基準として3〜25
重量%の範囲が好適である。MBSの添加量が3重量%
未満では十分な耐衝撃性が得られず、50重量%を越え
る場合は、例えば電池等に用いられる高速の自動被覆装
置に使用した場合、チューブの長さ方向の剛性がなく装
置への適性に劣り易くなる。
【0018】本発明のチューブには成形加工性やチュー
ブの物性を改良・調整する目的で、本発明の効果を阻害
しない範囲で、他の高分子材料あるいは耐衝撃性改良
剤、酸化防止剤、滑剤、無機フィラー、紫外線吸収剤、
光安定剤等の添加剤、改質剤を添加することも可能であ
る。また、樹脂の柔軟性調整用に可塑剤を適宜量使用で
きる。
【0019】本発明のチューブは、各種物品の収縮被
覆、収縮結束等に広く使用することができるが、被覆対
象物への被覆を容易にするためにチューブ内面の動摩擦
係数が0.4以下、特に0.3以下であることが好まし
い。チューブ内面の動摩擦係数が0.4よりも大きくな
ると被覆がやりにくくなる場合がある。
【0020】動摩擦係数を0.4以下とする方法として
は、上記低分子化合物の選定とともに滑剤の添加が好ま
しい。使用する滑剤としては、有機系、無機系のいずれ
の滑剤も使用でき、有機系の滑剤としてはパラフィン、
マイクロワックス、低分子量ポリエチレン等の炭化水素
系;高級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系;モノ脂肪
酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミ
ド系;脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アル
コールエステル等のエステル系;脂肪酸アルコール、多
価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール等の
アルコール系;金属石鹸系等が挙げられる。
【0021】また、無機系滑剤としては、カオリン、ク
レー、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カル
シウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシ
ウム、フッ化リチウム等の不活性微粒子が使用でき、添
加量は、動摩擦係数の低下度合いにより適宜決められ
る。
【0022】以上説明した各成分からなる組成物は、通
常の混練機で分散混合できるが、操作の容易さから押出
機、特に2軸押出機を用いるのが好ましい。また、ドラ
イブレンドして直接押出成形してもよい。
【0023】混合された組成物は、公知の方法に従っ
て、押出機によって環状ダイによりチューブ状に押出さ
れる。ついで、この未延伸チューブを長さ方向及び径方
向にチューブラー延伸する。延伸操作も公知の方法に従
って実施することができる。例えば、延伸は長さ方向及
び径方向に、同時でも別々でもよい。その際の延伸倍率
は要求される熱収縮特性により決められるが、一般に長
さ方向に1〜1.7倍、好ましくは1〜1.4倍とし、
径方向に1.7〜4倍、好ましくは1.8〜3.5倍の
範囲である。長さ方向の延伸が1.7倍を超えると仕上
がり性、乾電池挿入性が悪くなるので本発明では採用さ
れない。径方向の延伸が1.7倍未満では所定の径まで
収縮せず仕上がり性に劣り、一方4倍を越えると加熱収
縮時にチューブに割れが生じ易く、同様に本発明では採
用されない。延伸温度は組成物の特性、特にガラス転移
温度により異なるが、通常、75〜120℃の範囲とす
ればよい。 延伸温度は組成物の組成(A成分,B成分
その他の成分の配合割合)に応じて適宜選択することが
でき、HIPS(A成分)のガラス転移温度は通常90
〜100℃程度であり、HIPSの含有量が50〜90
重量%の範囲の組成物の場合、ガラス転移温度よりも1
0〜30℃程度高い温度が選ばれる。上記のようにして
得られるチューブの厚さは特に限定されないが、通常3
0〜150μmの範囲である。30μm未満では剛性
(腰)がなく、一方150μmを超えると所定の収縮特
性が得られにくい。
【0024】本発明チューブの熱収縮特性は、主に上記
延伸条件により決まるが、例えば乾電池や他の電池の内
缶の被覆のようなスリーブ被覆用としては、100℃熱
水中、30秒間での収縮率が長さ方向で40%以下、好
ましくは30%以下、径方向には40%以上、好ましく
は45%以下であることが必要である。径方向の収縮率
が40%未満のときはスリーブ端部が密着せず、立ち上
がった状態となり品質上問題を生じる。また、径方向の
収縮率が40%以上でも長さ方向の収縮率が40%を超
えるものでは被覆位置がずれてしまったり、また、カッ
ト長さを長くしなければならずコスト増の原因になると
いう問題がある。
【0025】本発明のチューブの好適な用途例として
は、リチウムイオン2次電池の負極缶の被覆が挙げられ
る。絶縁等の目的で、負極缶の外周面あるいは負極缶の
外周面から正極蓋にかけて熱収縮性チューブが被覆され
る。リチウムイオン2次電池の電解液には炭酸プロピレ
ン等の極性の強い有機溶剤が用いられるが、電池を繰り
返し使用していると正極蓋から電解液が少量漏れること
も予想され、その際、本発明のチューブは電解液に侵さ
れることなく絶縁の働きを果たすことができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を示すが、これらにより本発明
は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例中に示
す測定、評価の方法は以下の内容で行なった。
【0027】(1)耐有機溶剤性 折径30mm、カット長さ70mmのチューブを直径1
8mmのリチウムイオン2次電池に被覆後(試料10
個)、炭酸プロピレン(ナカライテスク(株)製)をチ
ューブ表面に適量を塗布し、60℃の恒温槽に5日間放
置後、各チューブの表面を観察した。チューブ表面にク
ラックや、孔あき等が生じなかったものを(○)、10
個中微細なクラックが1〜3個生じたものを(△)、1
0個全てにクラックや、孔あき等が生じたものを(×)
とした。
【0028】(2)耐冷熱衝撃性 タバイエスペック(株)製の冷熱衝撃試験機(TSC−
10)を用い、折径30mm、カット長さ70mmのチ
ューブを直径18mmのリチウムイオン2次電池に被覆
後、−30℃、60℃の各温度で2時間保持して、30
サイクルの耐冷熱衝撃試験を行なった。チューブに何ら
変化のないものを(○)、チューブに小さなクラック等
が発生したものを(△)、チューブに割れや、裂け等が
発生し、電池の被覆機能をなさないものを(×)とし
た。
【0029】(3)収縮率(%) 100℃熱水に30秒浸漬した後、長さ方向及び径方向
について、下記式にて算出した。
【0030】 収縮率(%)=[(L0 −L1 )/L0 ]×100 L0 :収縮前の寸法 L1 :収縮後の寸法
【0031】(4)仕上り性 日本自動精機(株)製の乾電池用自動機(SW−1)を
使い、折径23mm、カット長さ53mmのチューブを
単三乾電池に被覆後、加熱収縮させたとき、被覆の状態
に不都合が全くなかったものを(○)、被覆位置が若干
ずれたり、端部が僅かに、立上がった状態となったもの
を(△)、被覆位置がかなりずれて被覆されたり、端部
が密着せず完全に立上がった状態となったものを(×)
とした。
【0032】(5)動摩擦係数 JIS K−7125に準じ、下側試験片を25mm×
125mm、上側試験片を15mm×120mmの大き
さとし、すべり片を15mm×40mmのおさえ面積を
有する50gのものとして、上側試験片を引張ることに
より測定した。
【0033】(6)乾電池挿入性 上記(4)の乾電池用自動機(SW−1)を用い、上記
チューブへの乾電池挿入作業性を判断した。挿入性が良
く、全くトラブルのないものを(○)、チューブ10個
中、1〜5個の割合で挿入不良を起こしたものを
(△)、10個中、6個以上の挿入不良を起こしたもの
を(×)とした。
【0034】(7)総合評価 チューブをリチウムイオン2次電池用に使用した場合、
コスト面等を含め実用上の評価を総合的に評価したので
あり、良好なものを(○)、評価としては若干悪いが、
実用上問題ないものを(△)とした。
【0035】[実施例1]ポリブタジエン粒子の含有量
を10重量%として、スチレン100%を重合して得ら
れたHIPS(A成分)(スタイロン475S:旭化成
工業(株)製)と、高密度ポリエチレン(B成分)(以
下「HDPE」という)を表1に示した比率で配合した
混合物をチューブラ押出し法で、外径10.0mm、厚
さ0.20mmの未延伸チューブを得た。これを延伸温
度110℃で長さ方向に1.2倍、径方向に2.5倍チ
ューブラ延伸し、延伸チューブを得た。得られたチュー
ブを用いて表1に示した各項目を評価した。
【0036】
【表1】
【0037】表1に示す通り、HIPSに添加するHD
PEの重量比が10重量部以上の実験No.2乃至N
o.6は炭酸プロピレンに侵されることが少なく、HD
PEを無添加のNo.1は炭酸プロピレンに侵されてク
ラックが発生したり、小さな孔があいて有機溶剤性に劣
り、また、HDPEの配合比率が高すぎるNo.6は、
径方向の収縮率が40%に満たず、仕上り性に問題があ
り、実用上問題があることが分かる。
【0038】[実施例2](A成分)として、ポリブタ
ジエン3重量%を分散粒子とし、スチレンが50重量
%、メチルメタクリレート40重量%、ブチルアクリレ
ート10重量%からなる共重合体が連続相となったHI
PS(以下、「透明HIPS」という)、ゴム粒子とし
てアクリルゴムを用い、スチレン100%を重合して得
られたHIPS(以下、「アクリルゴムHIPS」とい
う)(スミブライトDJ−8000:住友化学工業
(株)製)を使用し、また、オレフィン系重合体(B成
分)として高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポ
リエチレン(LDPE)を使用した。
【0039】また、スチレン40重量%とブタジエン6
0重量%とからなり、完全水添したブロック共重合体
(SEBS C成分)(タフテックH1051:旭化成
工業(株)製)を用い、実施例1と同様にして延伸チュ
ーブを得て(収縮率は長さ方向で15%、径方向に50
%となる延伸条件)評価を行ない、結果を表2に示し
た。
【0040】
【表2】
【0041】表2に示す通り、LDPE、HDPEとい
ったオレフィン系重合体を20重量部添加した実験N
o.7乃至No.12は全てにおいて炭酸プロピレンに
侵されることはなく耐有機溶剤性に優れていることが分
かる。一方、オレフィン系重合体の量を基準に、それぞ
れ、25重量%、100重量%及び100重量%の配合
量に相当するSEBSを添加した実験No.9、11乃
至12はさらに耐冷熱衝撃性の向上が見られる。
【0042】[実施例3]ポリブタジエン3重量%を分
散粒子とし、スチレンが50重量%、メチルメタクリレ
ート40重量%、ブチルアクリレート10重量%からな
る共重合体が連続相となった透明HIPS(A成分)、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(B成分)(以下、「E
VA」という)(LV−440:三菱化学(株)製)、
衝撃改良剤MBS(D成分)(カネエースB−21:鐘
淵化学工業(株)製)、SEBS(C成分)(タフテッ
クH1051:旭化成工業(株)製)、酸化防止剤及
び、有機系滑剤(エルカ酸アミド)を表3に示した比率
で混合した混合物を用い、実施例1と同様にして延伸チ
ューブを得、評価した結果を表3に示した。
【0043】
【表3】
【0044】表3に示す通り、長さ方向収縮率40%以
下、径方向収縮率40%以上の実験No.13〜17は
仕上り性良好である。
【0045】また、動摩擦係数0.4以下である実験N
o.14〜17は電池挿入性に優れており、0.4を超
える実験No.13はやや劣ることが分かる。
【0046】[比較例1]実施例3の実験No.13で
使用したものと同一の樹脂組成物、即ち、透明HIPS
50重量部、EVA20重量部、MBS20重量部、S
EBS10重量部からなる混合物を原料とした。該原料
を使用して実施例1と同様にして外径10.0mm、厚
さ0.20mmの未延伸チューブを得た。次いで該チュ
ーブを表4に示す延伸倍率で延伸し、延伸チューブを得
た。評価結果を表4に示した。表4に示す通り、径方向
の延伸倍率が不足で1.6倍(実験No.18)の場合
は、製品チューブの径方向の収縮率が32%と低く、仕
上り性、乾電池挿入性が悪い。また、長さ方向の延伸倍
率が大きすぎて1.8倍(実験No.19)の場合は、
製品チューブの長さ方向の収縮率が44%と大きく、仕
上り性、乾電池挿入性が悪い。
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】上述したように、本発明のポリスチレン
系熱収縮性チューブにおいては、スチレン系炭化水素を
主体としたスチレン系重合体とオレフィン系炭化水素を
主体としたオレフィン系重合体を用いることによって、
スチレン系重合体により得られるチューブの弱点であ
る、有機溶剤等の耐薬品性が改良された非PVC系熱収
縮性チューブとなり、リチウムイオン2次電池の負極缶
の被覆用等としての利用性が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/00 C08L 53/00 53/00 F16L 11/06 F16L 11/06 H01M 2/02 F H01M 2/02 B29K 23:00 // B29K 23:00 25:00 25:00 B29L 23:00 B29L 23:00 F16L 11/12 N Fターム(参考) 3H111 AA02 BA13 BA15 BA34 CB02 CB14 DA19 DB10 DB25 EA04 4F071 AA15 AA18 AA19 AA20 AA22 AA28 AF43 AF61 AH19 BA01 BB06 BB07 BC05 4F210 AA03 AA13 AE01 AG08 RA03 RC02 RG02 RG05 4J002 BB022 BB032 BB062 BB112 BC021 BC031 BC041 FD01 FD04 FD05 FD17 GT00 5H011 AA03 CC02 CC09 CC14 DD01 DD23 KK00 KK03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共役ジエン系炭化水素重合体粒子が分散さ
    れた耐衝撃性ポリスチレン(A成分)90〜50重量%
    と、オレフィン系炭化水素を主体としたオレフィン系重
    合体(B成分)を10〜50重量%の範囲で配合した混
    合物から成るチューブを、長さ方向に1〜1.7倍、径
    方向に1.7〜4倍の延伸倍率でチューブラー延伸して
    なり、該チューブの100℃熱水中、30秒間での収縮
    率が長さ方向で40%以下、径方向に40%以上である
    ことを特徴とする熱収縮性ポリスチレン系チューブ。
  2. 【請求項2】アクリルゴム粒子が分散された耐衝撃性ポ
    リスチレン(A成分)90〜50重量%と、オレフィン
    系炭化水素を主体としたオレフィン系重合体(B成分)
    を10〜50重量%の範囲で配合した混合物から成るチ
    ューブを、長さ方向に1〜1.7倍、径方向に1.7〜
    4倍の延伸倍率でチューブラー延伸してなり、該チュー
    ブの100℃熱水中、30秒間での収縮率が長さ方向で
    40%以下、径方向に40%以上であることを特徴とす
    る熱収縮性ポリスチレン系チューブ。
  3. 【請求項3】オレフィン系重合体(B成分)100重量
    %に対してスチレン系炭化水素とオレフィン系炭化水素
    からなるブロック共重合体及び/又はグラフト共重合体
    (C成分)を3〜100重量%の範囲でさらに配合して
    なることを特徴とする請求項1又は2記載の熱収縮性ポ
    リスチレン系チューブ。
  4. 【請求項4】ブタジエンゴム及び/又は優位量のブタジ
    エンと共重合能のある劣位量の単量体との共重合体粒子
    にメタクリル酸エステルと芳香族ビニルを重合させてな
    るグラフト重合体(MBS)(D成分)を、全混合物を
    基準として、3〜25重量%さらに配合してなる請求項
    1〜3いずれか1項記載の熱収縮性ポリスチレン系チュ
    ーブ。
  5. 【請求項5】共役ジエン系炭化水素重合体粒子またはア
    クリルゴム粒子が分散された耐衝撃性ポリスチレン(A
    成分)90〜50重量%と、オレフィン系炭化水素を主
    体としたオレフィン系重合体(B成分)を10〜50重
    量%の範囲で配合した混合物を、押出機によって環状ダ
    イによりチューブ状に押出し、得られたチューブを、長
    さ方向に1〜1.7倍、径方向に1.7〜4倍の延伸倍
    率でチューブラー延伸することを特徴とする、100℃
    熱水中、30秒間での収縮率が長さ方向で40%以下、
    径方向に40%以上である熱収縮性ポリスチレン系チュ
    ーブの製造方法。
  6. 【請求項6】オレフィン系重合体(B成分)100重量
    %に対してスチレン系炭化水素とオレフィン系炭化水素
    からなるブロック共重合体及び/又はグラフト共重合体
    (C成分)を3〜100重量%の範囲でさらに配合して
    なることを特徴とする請求項5記載の熱収縮性ポリスチ
    レン系チューブの製造方法。
  7. 【請求項7】ブタジエンゴム及び/又は優位量のブタジ
    エンと共重合能のある劣位量の単量体との共重合体粒子
    にメタクリル酸エステルと芳香族ビニルを重合させてな
    るグラフト重合体(MBS)(D成分)を、全混合物を
    基準として、3〜25重量%さらに配合してなる請求項
    5又は6記載の熱収縮性ポリスチレン系チューブの製造
    方法。
  8. 【請求項8】請求項1乃至4記載の熱収縮性ポリスチレ
    ン系チューブを負極缶の外周面に収縮被覆してなるリチ
    ウムイオン2次電池。
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