JP2002137966A - 圧電磁器および圧電素子 - Google Patents
圧電磁器および圧電素子Info
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Abstract
し、さらには共振周波数の温度係数が小さいニオブ酸ア
ルカリ系の圧電磁器を提供する。 【解決手段】NaNbO3型結晶粒子からなり、Aサイ
トを占めるNaの一部がMnで置換され、Bサイトを占
めるNbの一部がTiで置換されているもので、金属元
素として少なくとNa、Nb、MnおよびTiを含有
し、これらの金属元素のモル比による組成式を(1−
x)NaNbO3+xMnTiO3と表した時、xが1.
4≦x≦8を満足することが望ましい。
Description
電素子に関し、特に、圧電共振子および発振子に好適に
用いられる圧電磁器および圧電素子に関するものであ
る。
ラミック材料として、ニオブ酸アルカリ系の圧電磁器が
注目されている。
いて、ニオブ酸ナトリウム(NaNbO3)は、ぺロブ
スカイト(ABO3)型に分類される酸化物であるが、
例えば、Japan Journal of Appl
ied Physics, p.3221, vol.
31, 1992に記載されているように、それ自身で
は、−133℃付近よりも低い温度下でのみ強誘電性を
示し、圧電共振子および発振子用材料の一般的な使用温
度である−20〜80℃の範囲においては圧電性を示さ
ず、圧電材料としての利用ができない。
atter,p6833,vol.6、1994.に
は、Naの一部をMnで置換したニオブ酸ナトリウム
(NaNbO3)が開示されており、その組成では圧電
特性を示さないことが開示されている。
bO3やSr0.5NbO3などの副成分を含有させると、
圧電性を示すようになることが、例えば、特開平9−1
65262号公報の中に記載されている。このようなN
aNbO3系の圧電セラミックスは、比誘電率が低く、
電気機械結合係数が高く、かつ、機械的品質係数が比較
的高いという特徴を有している。
公報に開示されるように、KxNayLizNbO3系セラ
ミックスは、比誘電率が低く、高い電気機械結合係数を
有すると同時に、低い機械的品質係数を有する圧電磁器
であり、圧電共振子や発振子用材料としての利用が考え
られている。
NaNbO3を主成分とする圧電磁器は、電気機械結合
係数が高く、比誘電率が100から200程度と低く、
高い比誘電率と高い電気機械結合係数が同時に要求され
るフィルタ用材料などの用途には不向きであるという問
題があった。
ミックスは、高い比誘電率と良好な電気機械結合係数が
得られるものの、共振周波数の温度係数が大きいという
問題があった。
械結合係数を有する圧電磁器および圧電素子を提供する
ことを目的とし、さらには、共振周波数の温度係数の絶
対値が小さいニオブ酸アルカリ系の圧電磁器および圧電
素子を提供することを目的とする。
aNbO3型結晶粒子からなり、Aサイトを占めるNa
の一部がMnで置換され、Bサイトを占めるNbの一部
がTiで置換されていることを特徴とする。
aの一部をMnで置換しても圧電性を示さないことが知
られているが、本発明では、NaNbO3型結晶粒子か
らなり、Aサイトを占めるNaの一部がMnで置換さ
れ、Bサイトを占めるNbの一部がTiで置換されてい
るので、比誘電率が高く、良好な電気機械結合係数を有
する等、優れた圧電特性を示すことができる。
を占めるNbがTiで、それぞれ1.4原子%以上置換
されていることが望ましい。NaのMnによる置換量、
NbのTiにより置換量を1.4原子%以上とすること
により、室温における結晶相を変化させることができ、
圧電特性を飛躍的に向上できる。
くともNa、Nb、MnおよびTiを含有し、これらの
金属元素のモル比による組成式を(1−x)NaNbO
3+xMnTiO3と表した時、xが0.014≦x≦
0.08の条件を満足するものである。
0以上と高く、良好な電気機械結合係数を示し、キュリ
ー温度が250℃以上と高い圧電磁器を得ることが可能
となる。
ともNa、Nb、MnおよびTiを含有し、これらの金
属元素のモル比による組成式を(1−x)NaNbO3
+xMnTiO3と表した時、xが0.014≦x≦
0.08の条件を満足する主成分と、組成式がKNbO
3で表される副成分を含有し、前記副成分を全量中0.
5〜15モル%含有することが望ましい。これにより、
電気機械結合係数をより高くできるととともに、共振周
波数の温度係数の絶対値を小さくすることが可能とな
る。
される副成分を含有し、前記副成分を全量中0.5〜1
0モル%含有しても良い。これにより、キュリー温度を
向上することが可能となり、半田付けリフローなどで高
温に晒された場合においても、特性の安定性を高めるこ
とが可能となる。
磁器の両面に電極を形成してなるものである。
高く、良好な電気機械結合係数を示し、さらにキュリー
温度が高く、共振周波数の温度係数を小さくできるとい
う特徴を有するため、圧電共振子や発振子用材料として
の優れた特性を発揮できる。
3型結晶粒子からなり、Aサイトを占めるNaの一部が
Mnで置換され、Bサイトを占めるNbの一部がTiで
置換されているものであり、Aサイトを占めるNaが、
Mnで1.4原子%以上置換されていることが望まし
い。
粒子からなるもので、添加量が増加した場合にはMnの
一部が粒界に存在する場合もあるが、Mnは殆どNaN
bO 3内に固溶し、Naの一部と置換される。本発明の
圧電磁器は粒界は殆ど存在しない。また、後述するKは
Aサイトを占めるNaの一部を置換している。Liは、
殆どNaの一部と置換されているが、Tiの一部と置換
される場合もある。
て少なくとNa、Nb、MnおよびTiを含有し、これ
らの金属元素のモル比による組成式を(1−x)NaN
bO 3+xMnTiO3と表した時、xが0.014≦x
≦0.08の条件を満足するものである。言い換えれ
ば、NaNbO3に対し、副成分としてMnTiO3をモ
ル比で全量中1.4〜8モル%の範囲で含有することを
特徴とする。
0.08としたのは、xが0.014未満では、比誘電
率が低く、良好な電気機械的結合係数が得られないから
である。一方、xが0.08を越える場合には、キュリ
ー温度が250℃以下まで低下するからである。
び電気機械的結合係数を高くし、キュリー温度を高くす
るという点から、0.02〜0.05であることが望ま
しい。
0以上と高く、良好な電気機械結合係数を示し、キュリ
ー温度を300℃以上とすることができる。
ともNa、Nb、MnおよびTiを含有し、これらの金
属元素のモル比による組成式を(1−x)NaNbO3
+xMnTiO3と表した時、xが0.014≦x≦
0.08の条件を満足する主成分と、KNbO3で表さ
れる副成分を含有するとともに、該副成分を全量中0.
5〜15モル%の範囲で含有することが望ましい。これ
により、KNbO3を含有することにより電気機械結合
係数を高くできると同時に、共振周波数の温度係数の絶
対値を小さくすることが可能となる。
ル%の範囲としたのは、含有量が0.5モル%未満で
は、電気機械結合係数と共振周波数の温度特性の向上効
果が小さく、一方、含有量が15モル%を越えると、キ
ュリー温度が低下する傾向にあるからである。
びキュリー温度を高くし、共振周波数の温度係数の絶対
値を小さくするという点から、全量2〜10モル%含有
することが望ましい。
と、副成分としてLiNbO3を含有し、LiNbO3を
全量中0.5〜10モル%の範囲で含有することが望ま
しい。
のキュリー温度を向上することが可能となり、半田付け
リフローなどで高温に晒された場合においても、特性の
安定性を高めることが可能となる。
0モル%の範囲としたのは、含有量が0.5モル%未満
では、キュリー温度向上効果が小さく、一方、含有量が
10モル%を越えると、絶縁性が低下し、分極処理が困
難となる傾向にあるからである。
上効果が大きく、絶縁性を大きくし、分極処理が容易と
いう点から、全量中2〜4モル%含有することが望まし
い。
O3とLiNbO3とを含有し、KNbO3を全量0.5
〜15mol%、LiNbO3を全量中0.5〜10m
ol%の範囲で含有することが望ましい。
して製造することができる。まず、Nb2O5、K2C
O3、Na2CO3、Li2CO3、MnCO3、TiO2の
原料を用いて、予め所望の組成になるよう秤量し、これ
をZrO2ボールを用いて湿式混合する。この混合粉体
を900〜1050℃の温度で仮焼成し、所望の組成の
合成粉体を得る。
燥させ、この混合粉末に有機バインダーを加え、金型プ
レス、静水圧プレス等により所望の形状に成形した後、
これを大気中、1080〜1250℃の温度で2〜3時
間焼成して磁器を得ることができる。
は、磁器の焼結性を向上させ、緻密な磁器を得るという
観点から、0.3〜0.8μmの範囲であることが望ま
しい。さらに、使用する各原料粉末は酸化物だけでな
く、炭酸塩、酢酸塩または有機金属などの化合物のいず
れであっても、焼成などの熱処理プロセスによって酸化
物になるものであれば何ら差し支えない。
ルの成分が混入する場合がある。また、不純物として
は、Zr、Rb等が混入する場合がある。さらに、Na
NbO 3の一部を、第1遷移金属、Ta、希土類元素等
で置換しても良い。特にTaで置換することにより、共
振周波数の温度特性を向上することができる。
2CO3、Li2CO3、MnCO3、TiO2の原料粉末を
混合した後、この混合粉体を1000℃で3時間仮焼
し、金属元素のモル比による組成式(1−x)NaNb
O3+xMnTiO3のxが、表1、2に示す値となるよ
うな仮焼粉体、およびxが表2で示す値でKNbO 3、
LiNbO3で表される副成分を表2に示す量となるよ
うな仮焼粉体を作製した。この混合仮焼粉体をZrO2
ボールを用いたボールミルで0.5μmとなるまで粉砕
した。
ンダーを混合して造粒し、得られた粉末を150MPa
の圧力で直径20mm、厚さ1.5mmの円板に成形し
た後、この成形体を大気中において950〜1150℃
で2時間焼成して円板状の磁器を得た。得られた磁器板
の粉末X線回折パターンを測定した結果、本発明に係る
試料は、いずれもニオブ酸アルカリ系に特有なペロブス
カイト型の結晶構造を有しており、発光分光分析(EP
NA)により結晶粒子の元素分析を行ったところ、N
a、Mn、Nb、Tiが検出されており、これらが固溶
していることを確認した。得られた磁器を0.5mmの
厚みになるまで研磨して磁器板を得た。
成して圧電磁器板を得た。そして、この圧電磁器板に対
し、150〜200℃のシリコンオイル中で3〜4kV
/mmの直流電界を30分間印加して分極処理を行っ
た。
振・反共振周波数、共振抵抗をインピーダンスアナライ
ザを用いて測定し、比誘電率、電気機械結合係数を求め
た。静電容量の温度変化を測定し、キュリー温度を求め
た。
80℃の温度範囲で共振周波数を測定し、−20〜80
℃におけるfrの変化量(Δfr)、20℃での共振周
波数をfr(20)を用いて、式:frTC=Δfr/
{fr(20)×100}×106(ppm/℃)か
ら、共振周波数の温度係数frTCを求め、これらの結
果を表2に記載した。
電率が800以上と高く、また、電気機械結合係数は1
5%以上であり、キュリー温度が250℃以上であるこ
とがわかる。特に、試料No.3〜5は、電気機械結合
係数が20%以上であると同時に、300℃以上のキュ
リー温度を示すことがわかる。一方、試料No.1では
比誘電率が小さいことが判る。
本発明の試料No.10〜16では、電気機械結合係数
が向上することがわかる。特に、本発明の試料No.1
1〜15は、電気機械結合係数が30以上で、共振周波
数の温度係数の絶対値が68ppm/℃以下と小さく温
度特性に優れることがわかる。さらに、磁器の比誘電率
が1000以上と高く、キュリー温度が275℃以上で
あることがわかる。
試料No.19〜23は、添加効果によってキュリー温
度が向上することがわかる。特に、本発明の試料No.
20〜23は、キュリー温度が320℃以上と高く、電
気機械結合係数が30%以上と優れると同時に、共振周
波数の温度係数の絶対値も、50ppm/℃以下と小さ
く優れた圧電磁器であることがわかる。
結晶粒子からなり、Aサイトを占めるNaの一部がMn
で置換され、Bサイトを占めるNbの一部がTiで置換
されているので、比誘電率が高く、良好な電気機械結合
係数を示し、キュリー温度を高くできる。特に、金属元
素のモル比による組成式を(1−x)NaNbO3+x
MnTiO3と表した時、xが0.014≦x≦0.0
8の条件を満足すると、比誘電率が800以上と高く、
良好な電気機械結合係数を示し、キュリー温度を250
℃以上とすることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】NaNbO3型結晶粒子からなり、Aサイ
トを占めるNaの一部がMnで置換され、Bサイトを占
めるNbの一部がTiで置換されていることを特徴とす
る圧電磁器。 - 【請求項2】Aサイトを占めるNaがMnで、Bサイト
を占めるNbがTiで、それぞれ1.4原子%以上置換
されていることを特徴とする請求項1記載の圧電磁器。 - 【請求項3】金属元素として少なくともNa、Nb、M
nおよびTiを含有し、これらの金属元素のモル比によ
る組成式を (1−x)NaNbO3+xMnTiO3 と表した時、xが0.014≦x≦0.08の条件を満
足することを特徴とする請求項1または2記載の圧電磁
器。 - 【請求項4】金属元素として少なくともNa、Nb、M
nおよびTiを含有し、これらの金属元素のモル比によ
る組成式を (1−x)NaNbO3+xMnTiO3 と表した時、xが0.014≦x≦0.08の条件を満
足する主成分と、KNbO3で表される副成分とを含有
するとともに、該副成分を全量中0.5〜15モル%含
有することを特徴とする請求項1または2記載の圧電磁
器。 - 【請求項5】金属元素として少なくともNa、Nb、M
nおよびTiを含有し、これらの金属元素のモル比によ
る組成式を (1−x)NaNbO3+xMnTiO3 と表した時、xが0.014≦x≦0.08の条件を満
足する主成分と、LiNbO3で表される副成分とを含
有するとともに、該副成分を全量中0.5〜10モル%
含有することを特徴とする請求項1または2記載の圧電
磁器。 - 【請求項6】請求項1乃至5のうちいずれかに記載の圧
電磁器の両面に電極を形成してなることを特徴とする圧
電素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000332653A JP4467168B2 (ja) | 2000-10-31 | 2000-10-31 | 圧電磁器および圧電素子 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005021461A1 (ja) * | 2003-08-28 | 2005-03-10 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | ペロブスカイト固溶体組成物およびこのものから得られる圧電セラミックス |
WO2024070625A1 (ja) * | 2022-09-30 | 2024-04-04 | 日本特殊陶業株式会社 | 無鉛圧電組成物、及び圧電素子 |
-
2000
- 2000-10-31 JP JP2000332653A patent/JP4467168B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2005021461A1 (ja) * | 2003-08-28 | 2005-03-10 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | ペロブスカイト固溶体組成物およびこのものから得られる圧電セラミックス |
WO2024070625A1 (ja) * | 2022-09-30 | 2024-04-04 | 日本特殊陶業株式会社 | 無鉛圧電組成物、及び圧電素子 |
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