JP2002137336A - 離型フィルム - Google Patents

離型フィルム

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JP2002137336A
JP2002137336A JP2000338838A JP2000338838A JP2002137336A JP 2002137336 A JP2002137336 A JP 2002137336A JP 2000338838 A JP2000338838 A JP 2000338838A JP 2000338838 A JP2000338838 A JP 2000338838A JP 2002137336 A JP2002137336 A JP 2002137336A
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英幸 山内
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亘 合田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性と色相検査性が極めて良好な離型フィ
ルムを提供する。 【解決手段】 少なくとも2層以上の積層構造からなる
ポリエステルフィルムであって、少なくとも片面の最表
層に粒子を含有し、該最表層の厚さtと該粒子の平均粒
径dの関係が 0.2≦t/d≦5 の範囲にあり、表面抵抗率が1×1010Ω未満であるこ
とを特徴とする離型フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルフィ
ルムからなる離型フィルムに関し、更に詳しくは、製品
検査の容易な偏光板に好適に用いられる離型フィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、偏光板は、反射防止フィルターや
メガネ等に使用されてきたが、近年、時計や電卓用の小
型汎用品の液晶表示体、更にはOA用、液晶テレビ、あ
るいは車載用の高付加価値商品への用途が拡大され、商
品の信頼性がなお一層、要求されるようになってきた。
【0003】偏光板は、通常、図1に示す如く偏光フィ
ルム1、表面保護フィルム2、粘着剤層3、および離型
フィルム4で構成されている。偏光フィルム1は、沃素
や二色性染料などの偏光素子をポリビニルアルコール系
フィルムのような親水性フィルムに吸着配向させた偏光
軸と吸着軸とを有する偏光子を、上下からセルロース系
フィルムで被覆するか、あるいは、アクリル系樹脂をコ
ーティングしてしてなるものである。表面保護フィルム
2には、ポリエステルフィルムのような透湿性が少な
く、伸び等の変形が少ない透明なプラスチックフィルム
が使用されている。また、表面保護フィルム2と偏光フ
ィルム1は、通常、接着剤(図示省略)で被着されてお
り、その接着剤は表面保護フィルム2とは強固に接着す
るが、偏光フィルム1とは経日でも容易に剥離し得るも
のが使用されている。また、粘着剤層3は、偏光フィル
ム1を、たとえば液晶セル(図示省略)に粘着するため
の感圧型粘着剤等からなり、そして離型フィルム4は、
ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムからな
る。
【0004】かかる偏光板の製造に際しては、予め原料
である偏光フィルム1の光の透過率や偏光度、あるいは
ヘイズ等の光学特性を検査し使用してはいるものの、偏
光板への製造過程での偏光フィルムへの機械的応力等に
より欠陥が生じる可能性があるため、通常、最終製品
を、内部に光源を有しその上部に偏光フィルムを配設し
偏光のみを取り出せるようにした装置を用い、クロスニ
コル法により検品を行なっている。
【0005】従来から、偏光板には、その離型フィルム
4としてポリエステルフィルム等のプラスチックフィル
ムが用いられている。しかしながら、そのプラスチック
フィルムは、配向性を有し複屈折性を有していることか
ら、クロスニコル法で偏光板の検査を行なう場合には、
その複屈折の影響により色相変化及び光の透過現象が生
じ、偏光フィルムや位相差フィルムの残存応力による色
相変化を正確に検査し難いとの不都合を有していた。ま
た、易滑性を付与するために通常フィルム中に無機粒子
などを添加するが、表面に粗大突起等が形成された場合
には、色相検査を正確に行い難いとの不都合も有してい
た。
【0006】これら検品時の不都合さを解決するため
に、プラスチックフィルムの面内分子配向をバランスさ
せた離型フィルムの提案(特開平6−3664号公報)
がなされている。しかしながら、この提案では、フィル
ムの配向をバランスさせることは難しく、特に、フィル
ム幅方向で均一に配向をバランスさせることが困難であ
るために、限られた部分にしか使用できない等の問題が
ある。また別に、二軸配向ポリエステルフィルムのレタ
ーデーション値を規定した離型フィルムの提案(特開平
11−70629号公報)もなされているが、レターデ
ーションの規定だけではラミネート時に皺が入る等の問
題がある。更に、多層積層法により積層されたフィルム
の極限粘度と添加する粒子の粒径と添加量を規定する提
案(特開平10−86304号公報)もなされている。
しかしながら、この提案では、表面の突起高さを均一に
することが困難であり、粗大突起などにより、色相変化
を正確に行い難いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その課題は、耐薬品性、耐擦
傷性、取扱性に優れ、クロスニコル状態の2枚の偏光板
の間で光学的評価を伴う液晶表示板の検査で消光状態を
保つことができ、その結果、検査を容易にすることがで
き、かつ、液晶表示板へのゴミの付着防止に優れる等の
特性を有する、とくに偏光板に好適な離型フィルムを提
供することにある。
【0008】また、偏光板または位走査板の保護の役目
を果たした後に不要物として剥離除去される際、剥離帯
電を抑制する効果があり、剥離帯電により液晶表示板と
接続されている回路の破損等を防止することが可能な離
型フィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の離型フィルムは、少なくとも2層以上の積
層構造からなるポリエステルフィルムであって、少なく
とも片面の最表層に粒子を含有し、該最表層の厚さtと
該粒子の平均粒径dの関係が 0.2≦t/d≦5 の範囲にあり、表面抵抗率が1×1010Ω未満であるこ
とを特徴とするものからなる。
【0010】また、上記離型フィルムにおいては、最表
層の厚さtと粒子の平均粒径dの関係が 0.2≦t/d≦5 を満足する粒径の粒子個数が3000〜1000万個/
mm2 の範囲にあることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、望まし
い実施の形態とともに詳細に説明する。本発明の離型フ
ィルムは、少なくとも2層以上の積層構造である必要が
ある。2層以上であれば3層でも4層でもかまわない
が、特に2層あるいは3層の積層構造の場合、本発明の
効果を得るのに有効である。
【0012】本発明の離型フィルムの少なくとも片面の
最表層の厚さtと該最表層に含有する粒子の平均粒径d
の関係は、 0.2≦t/d≦5 の範囲にある必要がある。t/dが上記範囲から外れた
場合、耐擦傷性、取扱性が不良になる。
【0013】最表層に含有される粒子としては、架橋ポ
リビニルベンゼン、コロイダルシリカ、凝集シリカ、炭
酸カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等
が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。これら粒子の中から選ばれた1種類の粒子を用いて
も、2種類以上の粒子を併用してもかまわない。特に限
定されないが、含有する粒子の平均粒径は0.01〜2
μm、含有量は0.1〜20重量%の場合本発明の効果
を得るのに特に有効である。
【0014】本発明の離型フィルムは、基本的にポリエ
ステルフィルムで構成される。本発明の離型フィルムに
用いられるポリエステルフィルムを構成するポリエステ
ルとは、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸
とジオールを主たる構成成分とするポリエステルであ
る。ここで、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4ーナフタ
レンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,6ーナフタレンジカルボン酸、4,4′ージフェニ
ルジカルボン酸、4,4′ージフェニルエーテルジカル
ボン酸、4,4′ージフェニルスルホンジカルボン酸等
を挙げることができる。また、脂肪族ジカルボン酸とし
ては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、
ドデカンジオン酸等を挙げることができる。中でも好ま
しいジカルボン酸は、テレフタル酸とイソフタル酸であ
る。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上
併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオ
キシ酸等を一部共重合してもよい。
【0015】また、ジオール成分としては、例えば、エ
チレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3
ープロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2
−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシエトキシフェニル)プロパン等を挙げることができ
る。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。
これらのジオール成分は、1種のみ用いてもよく、2種
以上併用してもよい。
【0016】本発明のポリエステルフィルムに用いられ
る好まししいポリエステルとしては、ポリエチレンテレ
フタレート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフ
タレートとの共重合体、ポリブチレンテレフタレートお
よびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびそ
の共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレー
トおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレー
トおよびその共重合体等を挙げることができる。
【0017】本発明におけるポリエステルフィルムを構
成するポリエステルは、従来公知の方法で製造すること
ができる。例えば、酸成分をジオール成分と直接エステ
ル化反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱し
て余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させることに
よって製造する方法や、酸成分としてジアルキルエステ
ルを用い、これとジオール成分とでエステル交換反応さ
せた後、上記と同様に重縮合させることによって製造す
る方法等がある。この際、必要に応じて、反応触媒とし
て従来公知のアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガ
ン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタ
ン化合物を用いることもできる。
【0018】本発明におけるポリエステルには、必要に
応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、顔料、脂肪酸エステル、ワックス等の
有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤等を配合す
ることができる。
【0019】本発明のポリエステルフィルムに用いられ
るポリエステルの固有粘度は、通常好ましくは0.5以
上、より好ましくは0.6以上である。固有粘度が0.
5未満であると製膜安定性が低下し、特に薄いフィルム
のキャストが困難となる。
【0020】本発明の離型フィルムの表面抵抗率は1×
1010Ω未満でなければならない。表面抵抗率がこの値
を超える場合は、静電気が発生しやすくなり、ゴミの付
着が多くなる。表面抵抗率は、好ましくは5×109Ω
未満、さらに好ましくは1×109Ω未満である。
【0021】本発明に於いて、表面抵抗率を上記範囲に
するには、下記のような方法を採用することができる。
即ち、(1)フィルムにクロム蒸着などの導電性材料を
蒸着する方法、(2)フィルムに帯電防止剤を練り込む
方法、(3)フィルムに帯電防止剤含有塗布層を設ける
方法などを採用することができる。この中では、(2)
または(3)の方法が推奨される。
【0022】帯電防止剤としては、例えば、第4級アン
モニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜3級アミノ基など
のカチオン性基を有する各種のカチオン性帯電防止剤、
スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩
基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオ
ン性帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系な
どの両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン
系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性帯電防
止剤などの各種界面活性剤型帯電防止剤、さらには、上
記のような帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防
止剤などが挙げられる。
【0023】また、本発明における、上記積層構造から
なるポリエステルフィルムにおいては、最表層の厚さt
と粒子の平均粒径dの関係が 0.2≦t/d≦5 を満足する粒径の粒子個数が3000〜1000万個/
mm2 の範囲にあることが好ましく、これによってより
望ましい耐擦傷性、取扱性を確保できる。
【0024】次に、本発明におけるポリエステルフィル
ムの製造方法について説明する。前記ポリエステルに粒
子を含有せしめる方法としては、重合前、重合中、重合
後のいずれかに添加してもよいが、ポリエステルのジオ
ール成分であるエチレングリコールなどに、スラリーの
形で混合、分散せしめて添加する方法、ベント式の二軸
混練押出機を用いられる。
【0025】帯電防止剤についても粒子と同様の方法で
前記帯電防止剤を含有せしめる。粒子、帯電防止剤の含
有量を調節する方法としては、上記のような方法で得ら
れた高濃度の粒子マスターペレットを製膜、押出時に希
釈する方法を用いると本発明の効果が一層大きくなるの
で好ましい。
【0026】次に、これらポリエステルを十分乾燥した
後、2台以上の押出機、2層以上のマニホールド、合流
ブロックを用いて260〜330℃の温度で、粒子を含
有するポリエステルが少なくとも片側の最表層になるよ
うに積層し、スリット状口金からシート状に溶融押出
し、静電印加などの方式によりキャスティングドラムに
密着させ冷却固化せしめて未延伸フィルムを得る。
【0027】次に、この未延伸フィルムを樹脂組成物の
ガラス転移温度以上で長手方向または横方向の一方向に
延伸する方法、長手方向に延伸した後、横方向に延伸す
る方法、横方向に延伸した後、縦方向に延伸する方法、
あるいは、長手方向、横方向を同時に延伸する方法、ま
た、長手方向の延伸、幅方向の延伸を複数回数組み合わ
せて行う方法等により延伸フィルムを得る。この延伸フ
ィルムには熱処理を行う。帯電防止剤含有塗布層を設け
る場合は、上記方法により延伸フィルムを得た後に、オ
フラインでコーティングする方法や長手方向に延伸した
後、横方向に延伸する逐次二軸延伸法において、長手方
向に延伸した直後に最表層側にコロナ放電処理を行い、
帯電防止剤をコーティングするインラインコーティング
方式を用いることができる。
【0028】長手方向の延伸は、通常用いられるロール
を用いて行われるが、予熱、延伸ロールは、セラミッ
ク、テフロン(登録商標)、シリコンなどの非粘着性の
材質のロールを用いることが、フィルム表面の平滑性が
良好となるので好ましい。延伸温度は80〜160℃、
好ましくは85〜150℃で、1〜7倍延伸する方法を
用いる。なお、延伸は1段でも、2段以上の段階延伸で
もかまわない。延伸倍率がこの範囲を外れると、延伸む
らや破れ等が発生し良好な特性のフィルムが得られな
い。
【0029】幅方向の延伸は、公知のテンターを用い
て、90〜160℃の温度で3〜8倍延伸することが好
ましい。延伸温度、延伸倍率がこの範囲より外れると延
伸むらや破れ等が発生し良好な特性のフィルムが得られ
ない。
【0030】また、一旦、二軸延伸したフィルムを少な
くとも一方向、特に幅方向に更に延伸してもよい。
【0031】次に、この延伸フィルムを熱処理する。熱
処理条件としては、定長下で延伸温度〜融点−20℃の
範囲で0.5〜30秒間行う。
【0032】本発明のポリエステルフィルムの少なくと
も片面には、離型性付与処理が施されていることが好ま
しい。離型性付与処理方法は、特に限定されないが、シ
リコーンコーティング処理が好ましい。この中、特に硬
化シリコーン樹脂塗膜を形成する処理が好ましい。この
硬化シリコーン樹脂塗膜は、硬化性シリコーン樹脂を含
む塗液をポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布
し、乾燥、硬化させることにより形成することができ
る。硬化性シリコーン樹脂としては、例えば、縮合反応
系のもの、付加反応系のもの、紫外線もしくは電子線硬
化系のものなどいずれかの反応系の樹脂を用いることが
できる。これらは一種または二種以上用いることができ
る。
【0033】[特性の測定方法] (1)積層厚さ(t) 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フィル
ム中の粒子の内で最も高濃度の粒子に起因する元素とポ
リエステルの炭素元素の濃度比(M+/C+)を粒子濃度
とし、表面から深さ3000nmまでの厚さ方向の分析
を行う。表層では表面という界面のために粒子濃度は低
く、表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。本
発明のフィルムの場合は、一旦極大値となった粒子濃度
がまた減少し始める。この濃度分布曲線の粒子濃度が極
大値の1/2となる深さ(この深さは極大値となる深さ
よりも深い)を求め、これを積層厚さとした。測定条件
は次の通り。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) ATOMIKA製 A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧 :12kV 1次イオン電流 :200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9Torr E−GUN :0.5kV−3.0A なお、最表層に含有される粒子が有機粒子の場合はSI
MSでの測定が難しいので、表面からエッチングしなが
ら、Χ線光電子分析、赤外分析等により上記同様の深さ
方向分析を行い積層厚さを求めることができる。
【0034】(2)平均粒径(d)、粒子個数 フィルムからポリマーをプラズマ灰化処理法で除去し、
粒子を露出させる。処理条件はポリマーは灰化されるが
粒子はダメージを受けない条件を選択する。その粒子を
走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像をイメ
ージアナライザーで処理する。SEMの倍率は、およそ
2000〜100000倍、また、1回の測定視野が1
辺がおよそ10〜50μmから適宜選択する。観察箇所
を変えて粒子個数5000個以上で粒径とその体積分率
から、次式で平均粒径(d)を得た。 d=Σdi・Nvi ここでdiは粒径、Nviはその粒径の粒子の体積分率
である。粒子個数は、積層厚さと平均粒径の関係を満足
するものについて、体積分率から求め、1mm 2当たり
に換算する。また、上記プラズマ灰化処理法では粒子が
ダメージを受ける場合は、フィルム断面を透過型電子顕
微鏡(TEM)を用い、3000〜100000倍で観
察する。TEMの切片厚さは約1000オングストロー
ムとし、場所を変えて100視野以上測定し、上記の式
から平均粒径(d)を求めた。
【0035】(3)表面抵抗率(Ω) KAWAGUCHI ELECTRIC WORKS「RESISTIVITY CHAMBRE P-60
1」を使用し、23℃/65%RHの雰囲気下で試料を設
置し、500Vの電圧を印加し、1分間充電後(電圧印
加時間1分)の表面抵抗(Ω)を測定した。ここで使用
した電極の型は、主電源の外径50mm、対電極の内径
70mmの同心円電極である。測定した表面抵抗(Ω)
に10を乗じた値を表面抵抗率(Ω)とした。
【0036】(4)ガラス転移点(Tg)、融点(T
m) セイコー電子(株)製示差走査熱量計RDC220型を
用いて、フィルム試料5mgを採取し、室温より昇温速
度20℃/分で昇温した時の吸熱ピークの温度より融点
(Tm)を求めた。また、ガラス転移温度(Tg)はフ
ィルム試料を280℃まで昇温し、280℃で5分間保
持した後、液体窒素で急冷し、再度室温より昇温速度2
0℃/分で昇温して測定した。
【0037】(5)色相検査性 沃素をポリビニルアルコールに吸着配向せしめ上下より
トリアセチルセルロースで被覆した厚み200μmの偏
光フィルム上面に、10μmの粘着剤を塗布した厚み4
0μmのポリエステル保護フィルムよりなる表面保護フ
ィルムを貼着し、また偏光フィルムの下面には25μm
厚みの粘着剤を塗布した厚み65μmの本発明の離型フ
ィルムとして貼着し、図1に示す構造の偏光板を作成し
た。得られた偏光板を内部に光源を有しその上部に偏光
フィルムを配設し偏光のみをとりだせるようにした装置
上に剥離フィルム側から光が透過するように偏光板を配
置し、偏光フィルムの色相変化を検査した。判定基準は
次のとおりである。 ・色相変化及び光の透過がなく、正確な検査が可能:○ ・色むら、光抜けを生じ、正確な検査が困難 :×
【0038】(6)加工性 A4サイズに切り出した上記200μmの偏光フィルム
と10μmの粘着剤を塗布した本発明の保護フィルムを
張力をかけながら、70℃に加熱されたシリコンゴムロ
ールで圧力をかけながら貼り合わせた。判定基準は次の
とおりである。 ・貼り合わせが良好に行えて、保護フィルムにしわや気
泡がない:○ ・貼り合わせ不良、または保護フィルムにしわや気泡が
発生 :×
【0039】
【実施例】実施例1〜3 公知の方法により得られたポリエチレンテレフタレート
のペレットに粒径0.35μmのポリジビニルベンゼン
共重合体(81%ジビニルベンゼン、19%エチル−ビ
ニルベンゼン)粒子をベント式二軸混練押出機を用いて
ペレット中の粒子含有量が3重量%となるように混合し
た。この粒子含有ペレットを180℃で5時間真空乾燥
しポリマーAとした。また、重合時にドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム(DBS)を6重量%添加された
ポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃で5
時間乾燥しポリマーBとした。粒子を含有しないポリエ
チレンテレフタレートのペレットを180℃で5時間乾
燥したものをポリマーCとした。ポリマーAとDBS量
が1重量%になるようにポリマーBとをブレンドし押出
機Aに、ポリマーCを押出機Bに供給し285℃で溶融
させ、それぞれを高精度濾過後、押出機Aのポリマーが
表層になるように、合流部が矩形の3層合流ブロックで
合流積層して、スリット幅1.0mmのフィッシュテー
ル型口金よりシート状に押出し、静電印加キャスト法に
より25℃のキャスティングドラムに巻き付けて冷却固
化し厚さ約400μmの未延伸フィルムを得た。この未
延伸フィルムを95℃に加熱されたロールで長さ方向に
3.3倍に延伸した後、該延伸フィルムをステンター式
延伸機に送り込み、95℃で幅方向に3.70倍に延伸
し、220℃で熱処理をし、厚さ40μmの延伸フィル
ムを得た。この延伸積層フィルムの積層構成、t/dは
表1に示す通りであり、評価結果は表2に示すとおり、
加工性は良好であり、色相変化の評価も良好であった。
【0040】実施例4 実施例1において、ポリマーAに添加する粒子を粒径
0.8μmのコロイダルシリカにした以外は同様にして
厚さ40μmの延伸フィルムを得た。この延伸積層フィ
ルムの積層構成、t/dは表1に示す通りであり、評価
結果は表2に示すとおり、加工性は良好であり、色相変
化の評価も良好であった。
【0041】実施例5 実施例1において、ポリマーAに添加する粒子を粒径
0.8μmの炭酸カルシウムにした以外は同様にして厚
さ40μmの延伸フィルムを得た。この延伸積層フィル
ムの積層構成、t/dは表1に示す通りであり、評価結
果は表2に示すとおり、加工性は良好であり、色相変化
の評価も良好であった。
【0042】実施例6 実施例1において、ポリマーAに添加する粒子を粒径
1.0μmの凝集シリカにした以外は同様にして厚さ4
0μmの延伸フィルムを得た。この延伸積層フィルムの
積層構成、t/dは表1に示す通りであり、評価結果は
表2に示すとおり、加工性は良好であり、色相変化の評
価も良好であった。
【0043】比較例1 実施例6において、ポリマーBを添加せずに粒径と積層
厚みの関係t/dが10になるように積層した以外は同
様にして厚さ40μmの延伸フィルムを得た。この延伸
積層フィルムの評価結果は表2に示すとおり、加工性が
不良であり、色相変化の評価では、色むら、光抜けを生
じ、正確な検査が困難であった。
【0044】比較例2、3 実施例1において、ポリマーBを添加せずにポリマーA
に添加する粒子を粒径0.05μm、0.5μm粒径の
酸化チタンをそれぞれ20重量%、3重量%添加し、積
層厚みの関係t/dが10になるように積層した以外は
同様にして厚さ40μmの延伸フィルムを得た。この延
伸積層フィルムの評価結果は表2に示すとおり、加工性
が不良であり、色相変化の評価では、色むら、光抜けを
生じ、正確な検査が困難であった。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも2層以上の
積層構造からなるポリエステルフィルムにおいて、少な
くとも片面の最表層に粒子を含有し、該最表層の厚さと
該粒子の平均粒径の関係を特定の関係に規定し、帯電防
止性を付与することにより、加工性が良好で色相検査性
が良好な離型フィルムが得られる。この離型フィルム
は、特に偏光板に用いて好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏光板の代表的な構成を示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1 偏光フィルム 2 表面保護フィルム 3 粘着剤層 4 離型フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 基之 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4F100 AK41A AK41B BA02 DE01B GB41 JA20B JG04 JL14 YY00B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2層以上の積層構造からなる
    ポリエステルフィルムであって、少なくとも片面の最表
    層に粒子を含有し、該最表層の厚さtと該粒子の平均粒
    径dの関係が 0.2≦t/d≦5 の範囲にあり、表面抵抗率が1×1010Ω未満であるこ
    とを特徴とする離型フィルム。
  2. 【請求項2】 最表層の厚さtと粒子の平均粒径dの関
    係が 0.2≦t/d≦5 を満足する粒径の粒子個数が3000〜1000万個/
    mm2 の範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載
    の離型フィルム。
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