JP2002135063A - プリディストーション歪み補償回路 - Google Patents

プリディストーション歪み補償回路

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低周波側の3次相互変調歪みによって電力増
幅器において発生する高周波側の3次相互変調歪みの振
幅および位相が変化し、高周波側の3次相互変調歪みに
よって電力増幅器において発生する低周波側の3次相互
変調歪みの振幅および位相が変化してしまうというよう
な現象が起こっても十分な歪み抑圧量が得られるような
プリディストーション歪み補償回路を提供する。 【解決手段】 高周波側と低周波側の歪み信号をそれぞ
れ個別に発生させて抽出し、それぞれの振幅および位相
をベクトル調整回路によって独立に操作しながら入力信
号に重畳し、電力増幅器の入力とすることによって電力
増幅器によって発生する歪みを補償する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、増幅器が発生する
相互変調歪みに対応した相互変調歪みを入力信号に重畳
し、増幅器の入力とすることによって、増幅器が発生す
る相互変調歪みを相殺するプリディストーション歪み補
償回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図28は、従来のプリディストーション
歪み補償回路の一例を示すブロック図である。図29
は、従来のプリディストーション歪み補償回路の歪み補
償の原理を説明するブロック図である。図30は、従来
のプリディストーション歪み補償回路の歪み補償の原理
を説明するベクトル図である。入力端子2801に入力
された信号は電力分配回路2803により2つの経路に
分配される。第一の経路では、分配された入力信号が遅
延回路2804を経由した後に電力合成回路2807に
入力される。第二の経路では、分配された入力信号が歪
み発生回路2805を経由し、歪み信号のみが抽出され
る。この抽出された歪み信号はベクトル調整回路280
6を経由した後に電力合成回路2807に入力される。
また、遅延回路2804の遅延時間を変化させて第一の
経路と第二の経路の遅延時間に差をつけることによっ
て、高周波側の歪み信号と低周波側の歪み信号の位相関
係を自由に操作することができる。このように入力信号
を2つの経路に分けて、ベクトル調整回路2806によ
って入力信号に対する歪み信号の振幅および位相を調整
し、なおかつ遅延回路2804の遅延時間を変化させて
高周波側の歪み信号と低周波側の歪み信号の位相関係を
調整しながら歪み信号を入力信号に重畳し、出力端子2
802から出力する。その後、出力端子2802に接続
される電力増幅器に入力信号と歪み信号が重畳された信
号が入力される。
【0003】図29において、入力信号を入力する入力
端子2901と、出力信号を出力する出力端子290
2、プリディストーション歪み補償を行うプリディスト
ーション補償回路と、電力の増幅器を行う電力増幅器が
示されている。ここで、図30に示すように、プリディ
ストーション歪み補償回路2903および電力増幅器2
904における入力信号および高周波側歪み信号と低周
波側の歪み信号の関係をベクトル的に考える。なお、入
力信号は、振幅の大きさが同じで周波数の異なる2つの
連続波であるとする。電力増幅器2904によって発生
する高周波側と低周波側の歪み信号に対して、同振幅か
つ逆位相の高周波側と低周波側の歪み信号をプリディス
トーション歪み補償回路2903によって発生させて電
力増幅器2904の入力とすれば、電力増幅器2904
において発生する歪み信号を相殺することができる。た
だし、ここでいう歪み信号の振幅とは、入力信号の振幅
で規格化されたものであり、歪み信号の位相とは、入力
した2つの信号の位相が同じ状態のときの、入力信号に
対する位相回転量である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プリデ
ィストーション歪み補償回路2903によって発生させ
た歪み信号を電力増幅器2904に入力したときに、高
周波側に入力した歪み信号の影響によって電力増幅器2
904において低周波側に発生する歪み信号の振幅およ
び位相が変化し、低周波側に入力した歪み信号の影響に
よって電力増幅器2904において高周波側に発生する
歪み信号の振幅および位相が変化するため、歪み補償効
果が劣化してしまう。
【0005】以下に、詳細について述べる。電力増幅器
の出力電力は、投入された直流電力以上になることはな
い。よって、電力増幅器の入出力電力特性は必ず飽和
し、この飽和状態に近くなるほど電力利得が低下する。
さらに、電力増幅器の出力電力の位相も、入力電力に応
じて変化する。このような非線形特性によって、周波数
が異なる2つの信号が電力増幅器に入力されたときに
は、電力増幅器は相互変調歪みを発生し、スペクトラム
が広がってしまう。
【0006】いま、式(1)のように表される、周波数
の異なる2つの信号からなる入力電圧VINが電力増幅器
に入力されたとする。
【数1】 ここで、ω1、ω2は入力信号の角周波数で、V1は角周波
数がω1である信号の電圧の振幅、φ1は角周波数がω1
である信号の電圧の位相、V2は角周波数がω2である信
号の電圧の振幅、φ2は角周波数がω2である信号の電圧
の位相でありω1<ω2であるとする。このとき、電力増
幅器の出力電圧VOUTは、3次の非線形までを考慮すると
式(2)のように表される。
【0007】
【数2】 ここで、a、b、cは比例定数である。式(2)におい
て、低周波側の3次の相互変調歪みの電圧は角周波数が
2ω1−ω2であり、振幅は(3/4)cV1 2V2であり、位相
は2φ1−φ2である。一方、高周波側の3次の相互変調
歪みの電圧は角周波数が2ω2−ω1であり、振幅は(3
/4)cV1V2 2であり、位相は2φ2−φ1である。実際の
電力増幅器では、3次の相互変調歪みの振幅および位相
が低周波側と高周波側とで異なり、(3/4)cV1 2V2
(3/4)cV1V2 2であり、2φ1−φ2≠2φ2−φ1であ
る。
【0008】また、3次の相互変調歪みは上記だけでは
なく、角周波数がω1の成分と角周波数がω2−ω1の差
の成分とのミキシング、角周波数がω2の成分と角周波
数がω2−ω1の差の成分とのミキシングや、角周波数が
2ω1の2倍波成分とω2の成分とのミキシング、角周波
数が2ω2の2倍波成分とω1の成分とのミキシングなど
の要因によっても3次相互変調歪みが電力増幅器におい
て発生する。さらに、電力増幅器の動作級がAB級のよ
うにより非線形動作をさせた場合には5次の非線形の影
響も無視できなくなってくるので、5次の非線形から発
生する3次相互変調歪みも存在する。これらの要因によ
って発生する3次相互変調歪みも低周波側と高周波側と
で振幅および位相がそれぞれ異なる。
【0009】ここで、プリディストーション歪み補償回
路によって3次相互変調歪みを発生させ、入力信号に重
畳して電力増幅器に入力すると、角周波数が2ω2−ω1
である高周波側に入力した3次相互変調歪み成分と差の
周波数の3倍の成分3(ω2−ω1)とのミキシングによっ
て、電力増幅器の低周波側に発生する角周波数が2ω 1
−ω2である3次相互変調歪みの振幅および位相が変化
する。また、角周波数が2ω1−ω2である低周波側に入
力した3次相互変調歪み成分と差の周波数の3倍の成分
3(ω2−ω1)とのミキシングによって、電力増幅器の高
周波側に発生する角周波数が2ω2−ω1である3次相互
変調歪みの振幅および位相が変化するという現象が起こ
る。
【0010】従来の技術においては、プリディストーシ
ョン歪み補償回路によって相互変調歪みを低周波側の
み、高周波側のみに発生させて、それぞれ独立に歪み信
号の振幅および位相を操作することが出来なかった。こ
のため、プリディストーション歪み補償回路によって発
生させた3次相互変調歪みを電力増幅器に入力しても十
分な歪み抑圧量が得られることができなかった。
【0011】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、上記のように、低周波側の3次相互変調歪み
によって電力増幅器において発生する高周波側の3次相
互変調歪みの振幅および位相が変化し、高周波側の3次
相互変調歪みによって電力増幅器において発生する低周
波側の3次相互変調歪みの振幅および位相が変化してし
まうというような現象が起こっても十分な歪み抑圧量が
得られるようなプリディストーション歪み補償回路を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のプリディストーション歪み補償回路
は、入力信号を分配する電力分配手段と、前記電力分配
手段によって分配された入力信号の伝播遅延時間を調整
する信号の伝播時間遅延手段と、前記電力分配手段によ
って分配された入力信号より高周波の歪み信号を抽出す
る高周波側歪み信号抽出手段と、前記高周波側歪み信号
抽出手段によって抽出された高周波の歪み信号の振幅お
よび位相を調整する高周波側歪み信号の振幅および位相
調整手段と、前記電力分配手段によって分配された入力
信号より低周波の歪み信号を抽出する低周波側歪み信号
抽出手段と、前記低周波側歪み信号抽出手段によって抽
出された低周波の歪み信号の振幅および位相を調整する
低周波側歪み信号の振幅および位相調整手段と、伝播遅
延時間が調整された入力信号と、振幅および位相が調整
された高周波の歪み信号と、振幅および位相が調整され
た低周波の歪み信号とを合成する電力合成手段とを備え
ることを特徴とするものである。
【0013】請求項1記載のプリディストーション歪み
補償回路によれば、入力信号より高周波側に発生する歪
み信号を抽出する高周波側歪み信号抽出手段によって歪
み信号を高周波側にのみ発生させ、入力信号より低周波
側に発生する歪み信号を抽出する低周波側歪み信号抽出
手段によって歪み信号を低周波側にのみ発生させ、それ
ぞれ振幅および位相をベクトル調整回路によって独立に
操作することができる。したがって、低周波側の3次相
互変調歪みによって電力増幅器において発生する高周波
側の3次相互変調歪みの振幅および位相が変化し、高周
波側の3次相互変調歪みによって電力増幅器において発
生する低周波側の3次相互変調歪みの振幅および位相が
変化しても大きな歪み補償効果が得られる。
【0014】請求項2記載のプリディストーション歪み
補償回路は、入力信号を分配する電力分配回路と、前記
電力分配回路によって分配された入力信号の伝播時間を
調整する遅延回路と、前記電力分配回路によって分配さ
れた入力信号の振幅の周波数特性を変化させる第1の振
幅周波数特性調整回路と、前記電力分配回路によって分
配された入力信号の振幅の周波数特性を変化させる第2
の振幅周波数特性調整回路と、前記第1の振幅周波数特
性調整回路が出力する信号に第1の歪み信号を発生させ
る第1の歪み発生回路と、前記第2の振幅周波数特性調
整回路が出力する信号に第2の歪み信号を発生させる第
2の歪み発生回路と、前記第1の歪み発生回路が出力す
る第1の歪み信号の振幅および位相を変化させる第1の
ベクトル調整回路と、前記第2の歪み発生回路が出力す
る第2の歪み信号の振幅および位相を変化させる第2の
ベクトル調整回路と、振幅および位相を変化させた第1
の歪み信号と、振幅および位相を変化させた第2の歪み
信号と、伝播時間が調整された入力信号とを合成する電
力合成回路とを備えることを特徴とするものである。
【0015】請求項2記載のプリディストーション歪み
補償回路によれば、歪み発生回路の前に設けられた振幅
周波数特性調整回路によって、周波数の異なる2つの入
力信号の高周波側の振幅を低周波側の振幅よりも小さく
なるようにすれば、歪み発生回路によって、低周波側に
3次の相互変調歪みが発生する。また、周波数の異なる
2つの入力信号の低周波側の振幅を高周波側の振幅より
も小さくなるようにすれば、歪み発生回路によって、高
周波側に3次の相互変調歪みが発生する。このようにす
れば、高周波側、低周波側の歪み信号を周波数で分離し
て抽出することが可能となり、それぞれの振幅および位
相をベクトル調整回路において独立に操作することがで
きる。したがって、低周波側の3次相互変調歪みによっ
て電力増幅器において発生する高周波側の3次相互変調
歪みの振幅および位相が変化し、高周波側の3次相互変
調歪みによって電力増幅器において発生する低周波側の
3次相互変調歪みの振幅および位相が変化しても大きな
歪み補償効果が得られる。
【0016】請求項3記載のプリディストーション歪み
補償回路は、入力信号を分配する電力分配回路と、前記
電力分配回路によって分配された入力信号の伝播時間を
調整する遅延回路と、前記電力分配回路によって分配さ
れた入力信号に歪み信号を発生させる歪み発生回路と、
前記歪み発生回路が出力する歪み信号の振幅の周波数特
性を変化させる第1の振幅周波数特性調整回路と、前記
歪み発生回路が出力する歪み信号の振幅の周波数特性を
変化させる第2の振幅周波数特性調整回路と、前記第1
の振幅周波数特性調整回路が出力する振幅の周波数特性
が変化した歪み信号の振幅および位相を変化させる第1
のベクトル調整回路と、前記第2の振幅周波数特性調整
回路が出力する振幅の周波数特性が変化した歪み信号の
振幅および位相を変化させる第2のベクトル調整回路
と、前記第1のベクトル調整回路が出力する信号と、前
記第2のベクトル調整回路が出力する信号と、前記遅延
回路が出力する信号とを合成する電力合成回路とを備え
ることを特徴とするものである。
【0017】請求項3記載のプリディス−ション歪み補
償回路によれば、第1および第2の振幅周波数特性調整
回路の前に設けられた歪み発生回路によって、入力信号
より高周波の高周波側歪み信号と入力信号より低周波の
低周波側歪み信号が発生する。第1および第2振幅周波
数特性調整回路により、高周波側歪み信号の振幅を低周
波側歪み信号の振幅より小さくし、または低周波側歪み
信号の振幅を高周波側歪み信号の振幅より小さくすれ
ば、高周波側、低周波側の歪み信号を周波数で分離して
抽出することが可能となり、それぞれの振幅および位相
をベクトル調整回路によって独立に操作することができ
る。したがって、低周波側の3次相互変調歪みによって
電力増幅器において発生する高周波側の3次相互変調歪
みの振幅および位相が変化し、高周波側の3次相互変調
歪みによって電力増幅器において発生する低周波側の3
次相互変調歪みの振幅および位相が変化しても大きな歪
み補償効果が得られる。
【0018】請求項4記載のプリディストーション歪み
補償回路は、入力信号を分配する第1の電力分配回路
と、前記第1の電力分配回路に接続された第2の電力分
配回路と、前記第1の電力分配回路に接続された第3の
電力分配回路と、前記第2の電力分配回路に接続された
第4の電力分配回路と、前記第2の電力分配回路に接続
された第1の遅延回路と、前記第1の遅延回路に接続さ
れた、入力信号の振幅および位相を変化させる第1のベ
クトル調整回路と、前記第4の電力分配回路に接続され
た第2の遅延回路と、前記第4の電力分配回路に接続さ
れた第3の遅延回路と、前記第3の遅延回路に接続され
た、入力信号の振幅および位相を変化させる第2のベク
トル調整回路と、前記第3の電力分配回路に接続され、
かつ前記第1のベクトル調整回路に接続された第1の電
力合成回路と、前記第3の電力分配回路に接続され、か
つ前記第2のベクトル調整回路に接続された第2の電力
合成回路と、前記第1の電力合成回路に接続された、第
1の歪み信号を発生させる第1の歪み発生回路と、前記
第1の歪み発生回路に接続された、第1の歪み信号の振
幅および位相を変化させる第3のベクトル調整回路と、
前記第2の電力合成回路に接続された、第2の歪み信号
を発生させる第2の歪み発生回路と、前記第2の歪み発
生回路に接続された、第2の歪み信号の振幅および位相
を変化させる第4のベクトル調整回路と、前記第3のベ
クトル調整回路が出力する信号と、前記第4のベクトル
調整回路が出力する信号と、前記第2の遅延回路が出力
する入力信号とを、合成する第3の電力合成回路とを備
えることを特徴とするものである。
【0019】請求項4記載のプリディストーション歪み
補償回路によれば、歪み発生回路の前段において、入力
した周波数の異なる2つの入力信号のみを出力する経路
から入力信号を電力分配回路によって取り出し、遅延回
路によって低周波側と高周波側の入力信号の位相関係を
調整し、ベクトル調整回路によって入力信号の高周波側
の信号のみ同振幅、逆位相となるように調整して振幅周
波数特性調整回路によって、周波数の異なる2つの入力
信号の高周波側の振幅を低周波側の振幅よりも小さくな
るようにすれば、歪み発生回路によって低周波側に3次
の相互変調歪みが発生する。また、歪み発生回路の前段
において、入力した周波数の異なる2つの入力信号のみ
を出力する経路から入力信号を電力分配回路によって取
り出し、遅延回路によって低周波側と高周波側の入力信
号の位相関係を調整し、周波数の異なるベクトル調整回
路によって入力信号の低周波側の信号のみ同振幅、逆位
相となるように調整して振幅周波数特性調整回路によっ
て、周波数の異なる2つの入力信号の低周波側の振幅を
高周波側の振幅よりも小さくなるようにすれば、歪み発
生回路によって、高周波側に3次の相互変調歪みが発生
する。このようにすれば、高周波側、低周波側の歪み信
号を周波数で分離して抽出することが可能となり、それ
ぞれの振幅および位相をベクトル調整回路によって独立
に操作することができる。したがって、低周波側の3次
相互変調歪みによって電力増幅器において発生する高周
波側の3次相互変調歪みの振幅および位相が変化し、高
周波側の3次相互変調歪みによって電力増幅器において
発生する低周波側の3次相互変調歪みの振幅および位相
が変化しても大きな歪み補償効果が得られる。
【0020】請求項5記載のプリディストーション歪み
補償回路は、入力信号を分配する第1の電力分配回路
と、前記第1の電力分配回路に接続された第1の遅延回
路と、前記第1の電力分配回路に接続された第2の電力
分配回路と、前記第2の電力分配回路に接続された、第
1の歪み信号を発生させる第1の非線形素子を含む回路
と、前記第2の電力分配回路に接続された、第2の歪み
信号を発生させる第2の非線形素子を含む回路と、前記
第1の遅延回路に接続された第3の電力分配回路と、前
記第3の電力分配回路に接続された第4の電力分配回路
と、前記第3の電力分配回路に接続された、入力信号の
振幅および位相を変化させる第1のベクトル調整回路
と、前記第4の電力分配回路に接続された第2の遅延回
路と、前記第4の電力分配回路に接続された、入力信号
の振幅および位相を変化させる第2のベクトル調整回路
と、前記第1のベクトル調整回路に接続され、かつ前記
第1の非線形素子を含む回路に接続された第1の電力合
成回路と、前記第2のベクトル調整回路に接続され、か
つ前記第2の非線形素子を含む回路に接続された第2の
電力合成回路と、前記第1の電力合成回路に接続され
た、前記第1の歪み信号の振幅の周波数特性を変化させ
る第1の振幅周波数特性調整回路と、前記第1の振幅周
波数特性調整回路に接続された、振幅の周波数特性が変
化した前記第1の歪み信号の振幅および位相を変化させ
る第3のベクトル調整回路と、前記第2の電力合成回路
に接続された、前記第2の歪み信号の振幅の周波数特性
を変化させる第2の振幅周波数特性調整回路と、前記第
2の振幅周波数特性調整回路に接続された、振幅の周波
数特性が変化した前記第2の歪み信号の振幅および位相
を変化させる第4のベクトル調整回路と、前記第3のベ
クトル調整回路から出力する信号と、前記第4のベクト
ル調整回路から出力信号と、前記第2の遅延回路から出
力する信号とを合成する第3の電力合成回路とを備えた
ことを特徴とするものである。
【0021】請求項5記載のプリディストーション歪み
補償回路において、非線形素子を含む回路の出力信号は
増幅された周波数の異なる2つの入力信号と相互変調歪
みからなる。この出力信号から相互変調歪みのみを抽出
するために、入力した周波数の異なる2つの入力信号の
みを出力する経路から入力信号を電力分配回路によって
取り出し、ベクトル調整回路によって同振幅、逆位相と
なるように調整して前記の非線形素子を含む回路の出力
信号に合成する。このようにして相互変調歪みを取り出
した後、高周波側の歪み信号の振幅が低周波側の歪み信
号の振幅よりも減衰し、十分小さくなるように振幅周波
数特性調整回路によって調整し、低周波側の歪み信号を
抽出する。また、低周波側の歪み信号の振幅が高周波側
の歪み信号の振幅よりも減衰し、十分小さくなるように
振幅周波数特性調整回路によって調整し、高周波側の歪
み信号を抽出すれば、低周波側と高周波側の歪み信号の
振幅および位相をそれぞれ独立に操作することが可能と
なる。したがって、低周波側の3次相互変調歪みによっ
て電力増幅器において発生する高周波側の3次相互変調
歪みの振幅および位相が変化し、高周波側の3次相互変
調歪みによって電力増幅器において発生する低周波側の
3次相互変調歪みの振幅および位相が変化しても大きな
歪み補償効果が得られる。
【0022】請求項6記載のプリディストーション歪み
補償回路は、入力信号を分配する第1の電力分配回路
と、前記第1の電力分配回路に接続された第1の遅延回
路と、前記第1の電力分配回路に接続された、歪み信号
を発生させる歪み発生回路と、前記歪み発生回路に接続
された第2の遅延回路と、前記歪み発生回路に接続され
た、前記歪み信号の振幅および位相を変化させる第1の
ベクトル調整回路と、前記第2の遅延回路に接続され、
かつ前記第1のベクトル調整回路に接続された第1の電
力合成回路と、前記歪み発生回路に接続された第3の遅
延回路と、前記歪み発生回路に接続された、前記歪み信
号の振幅および位相を変化させる第2のベクトル調整回
路と、前記第3の遅延回路に接続され、かつ前記第2の
ベクトル調整回路に接続された第2の電力合成回路と、
前記第1の電力合成回路が出力する信号の振幅および位
相を変化させる第3のベクトル調整回路と、前記第2の
電力合成回路が出力する信号の振幅および位相を変化さ
せる第4のベクトル調整回路と、前記第3のベクトル調
整回路が出力する信号と、前記第4のベクトル調整回路
が出力する信号と、前記第1の遅延回路が出力する入力
信号とを合成する第3の電力合成回路とを備えることを
特徴とするものである。
【0023】請求項6記載のプリディストーション歪み
補償回路によれば、高周波側、低周波側の歪み信号を周
波数で分離して抽出し、それぞれの振幅および位相をベ
クトル調整回路によって独立に操作することがかのうで
ある。したがって、低周波側の3次相互変調歪みによっ
て電力増幅器において発生する高周波側の3次相互変調
歪みの振幅および位相が変化し、注入した高周波側の3
次相互変調歪みによって電力増幅器において発生する低
周波側の3次相互変調歪みの振幅および位相が変化して
も大きな歪み補償効果が得られる。
【0024】請求項7記載のプリディストーション歪み
補償回路は、請求項2、3、4、6のいずれか1つに記
載のプリディストーション歪み補償回路において、前記
歪み発生回路が、入力された信号を分配する電力分配回
路と、前記電力分配回路に接続された遅延回路と、前記
電力分配回路に接続された、歪み信号を発生させる非線
形素子を含む回路と、前記遅延回路に接続された、入力
された信号の振幅および位相を変化させるベクトル調整
回路と、前記ベクトル調整回路が出力する信号と、前記
非線形素子を含む回路が出力する歪み信号とを合成する
電力合成手段とを備えることを特徴とするものである。
【0025】請求項7記載のプリディストーション歪み
補償回路によれば、入力信号と、同振幅、逆位相で非線
形素子を含む回路から構成された歪み発生回路の出力信
号とを合成することによって、相互変調歪みだけを抽出
することが可能となる。
【0026】請求項8記載のプリディストーション歪み
補償回路は、請求項2、3、4、6のいずれか1つに記
載のプリディストーション歪み補償回路において、前記
歪み発生回路が、飽和増幅器により構成されたことを特
徴とするものである。
【0027】請求項8記載のプリディストーション歪み
補償回路によれば、飽和増幅器の出力信号と同程度の歪
み信号が飽和増幅器の出力として得られるので、この出
力信号の振幅が入力信号よりも十分減衰するように調整
すれば、歪み発生回路を簡易に構成することが可能とな
り、回路を小型化することが可能となる。
【0028】請求項9に記載のプリディストーション歪
み補償回路は、請求項5または7に記載のプリディスト
ーション歪み補償回路において、非線形素子を含む回路
がトランジスタから構成されていることを特徴とするも
のである。
【0029】請求項10に記載のプリディストーション
歪み補償回路は、請求項5または7に記載のプリディス
トーション歪み補償回路において、非線形素子を含む回
路が、ダイオードから構成されていることを特徴として
いる。
【0030】請求項11に記載のプリディストーション
歪み補償回路は、請求項2ないし6のいずれかに1つに
記載のプリディストーション歪み補償回路において、遅
延回路が同軸線路であることを特徴とするものである。
【0031】請求項12に記載のプリディストーション
歪み補償回路、請求項2ないし6のいずれかに1つに記
載のプリディストーション歪み補償回路において、遅延
回路がマイクロストリップ線路であることを特徴とする
ものである。
【0032】請求項13に記載のプリディストーション
歪み補償回路、請求項2ないし6のいずれか1つに記載
のプリディストーション歪み補償回路において、遅延回
路が遅延フィルタであることを特徴とするものである。
【0033】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1について説明する。図1は実施の形態1における
プリディストーション歪み補償回路の基本回路構成を示
すブロック図である。入力端子101は電力分配手段1
03の入力端子に接続されている。電力分配手段103
の一方の出力端子は入力信号の伝播遅延時間を調整する
信号の伝播時間遅延手段104に接続され、もう一方の
出力端子は電力分配手段106に接続されている。電力
分配手段106の一方の出力端子は入力信号より高周波
の歪み信号を抽出する高周波側歪み信号抽出手段107
に接続されており、もう一方の出力端子は入力信号より
低周波の歪み信号を抽出する低周波側歪み信号抽出手段
109に接続されている。高周波側歪み信号抽出手段1
07の出力端子には高周波側歪み信号抽出手段によって
抽出された高周波の歪み信号の振幅および位相を調整す
る高周波側歪み信号の振幅および位相調整手段108が
接続されている。低周波側歪み信号抽出手段109の出
力端子には低周波側歪み信号抽出手段によって抽出され
た低周波の歪み信号の振幅および位相を調整する低周波
側歪み信号の振幅および位相調整手段110が接続され
ている。電力合成手段111の入力端子には、高周波側
歪み信号の振幅および位相調整手段108の出力端子と
低周波側の歪み信号の振幅および位相調整手段110の
出力端子がそれぞれ接続されている。電力合成回路10
5の入力端子には信号の伝播時間遅延手段104の出力
端子と電力合成回路111の出力端子が接続されてお
り、信号の伝播時間遅延手段104が出力する信号と、
電力合成回路111が出力する信号とを合成する。電力
合成回路105の出力端子は出力端子102に接続され
ている。なお、図1には、電力分配手段と電力合成手段
がそれぞれ2つある例が図示されているが、1つであっ
てもよい。その場合、電力分配手段は、入力信号を信号
の伝播時間遅延手段104と、高周波側歪み信号抽出手
段107と、低周波側歪み信号抽出手段109とに分配
する。また、同様に電力合成手段は、高周波側歪み信号
の振幅および位相調整手段108が出力する信号と、低
周波側歪み信号の振幅および位相調整手段110が出力
する信号と、信号の伝播時間遅延手段104が出力する
信号とを合成する。
【0034】本発明の実施の形態1の具体例について説
明する。図2は、実施の形態1におけるプリディストー
ション歪み補償回路の回路構成の具体例を示すブロック
図である。図3、4は、図2中の各点における信号スペ
クトラムを示す説明図である。図2においては、図1の
構成要素は以下のように置き換えられている。信号の伝
搬時間遅延手段104は同軸ケーブル204に置き換え
られている。高周波側歪み信号抽出手段107はハイパ
スフィルタ207と歪み発生回路208に置き換えられ
ている。低周波側歪み信号抽出手段109はローパスフ
ィルタ210と歪み発生回路211に置き換えられてい
る。高周波側歪み信号の振幅および位相調整手段108
はベクトル調整回路209に置き換えられている。低周
波側歪み信号の振幅および位相調整手段110はベクト
ル調整回路212に置き換えられている。
【0035】図2のプリディストーション歪み補償回路
において、図3(a)のような振幅の大きさが等しく、
周波数の異なる2つの連続波からなる信号を入力端子2
01に入力するとする。この入力信号は、電力分配回路
203によって2つに分配される。電力分配回路203
の一方の出力は同軸ケーブル204を介して電力合成回
路205に入力され、もう一方の出力は電力分配回路2
06に入力され、ハイパスフィルタ207とローパスフ
ィルタ210に分配される。ここで、ハイパスフィルタ
207によって、図3(b)に示すように、低周波側の
入力信号の振幅が高周波側の入力信号の振幅に比べて減
衰する。この図3(b)に示すような信号が歪み発生回
路208に入力され、図3(c)に示すような低周波側
歪み信号に比べて振幅が十分大きな高周波側歪み信号が
発生する。この図3(c)に示すような信号は、ベクト
ル調整回路209によりその振幅と位相が変化し、変化
した信号が電力合成回路213に入力される。また、ロ
ーパスフィルタ210によって、図4(a)に示すよう
に高周波側の入力信号の振幅が低周波側の入力信号の振
幅に比べて減衰する。この図4(d)に示すような信号
が歪み発生回路211に入力され、図4(b)に示すよ
うに高周波側歪み信号に比べて振幅が十分大きな低周波
側歪み信号が発生する。この図4(b)に示すような信
号は、ベクトル調整回路212によりその振幅と位相が
変化し、変化した信号が電力合成回路213に入力され
る。このようにして、高周波側歪み信号と低周波側歪み
信号をそれぞれ独立に変化させることが可能となり、電
力合成回路205によって入力信号と歪み信号が重畳さ
れ、図4(c)のような出力信号が出力端子202から
出力される。
【0036】(歪み発生回路)ここで、歪み発生回路2
08と211について説明する。図5は、歪み発生回路
の回路構成を示すブロック図である。図6、7は、図5
の各点における信号スペクトラムを示す説明図である。
図5の歪み発生回路において、入力端子501は、電力
分配回路503に接続されている。電力分配回路503
の一方の出力端子は同軸ケーブル504に接続され、も
う一方の出力端子は非線形素子を含む回路507に接続
されている。同軸ケーブル504はベクトル調整回路5
05にも接続されている。電力合成回路506の一方の
入力端子はベクトル調整回路505に接続され、もう一
方の入力端子は非線形素子を含む回路507に接続され
ている。電力合成回路506の出力端子は出力端子50
2に接続されている。
【0037】図5の歪み発生回路において、図6(a)
に示すような高周波側入力信号と、高周波側入力信号よ
りも振幅の大きさが小さい低周波側入力信号とを入力端
子501に入力した場合には、一方は電力分配回路50
3を介して非線形素子を含む回路507に入力され、も
う一方は電力分配回路503、同軸ケーブル504、ベ
クトル調整回路505を介して電力合成回路506に入
力される。非線形素子を含む回路507は、図6(b)
に示すような高周波側出力信号と、高周波側出力信号よ
りも振幅の大きさが小さい低周波側出力信号と、高周波
側歪み信号と、高周波側歪み信号よりも振幅の大きさが
小さい低周波側歪み信号を出力する。この非線形素子を
含む回路507の出力と、電力分配回路503、同軸ケ
ーブル504、ベクトル調整回路505を経由してきた
入力信号(図6(a))とは、同振幅かつ逆位相で電力
合成回路506において合成される。電力合成回路50
6は、図7(a)に示すような抑圧された低周波側出力
信号と、抑圧された高周波側出力信号と、高周波側歪み
信号よりも振幅の大きさが小さい低周波側歪み信号と、
高周波側歪み信号を出力端子502に出力する。
【0038】同様に、図7(b)に示すような低周波側
入力信号と、低周波側入力信号よりも振幅の大きさが小
さい高周波側入力信号を入力端子501に入力した場合
には、一方は電力分配回路503を介して非線形素子を
含む回路507に入力され、もう一方は電力分配回路5
03、同軸ケーブル504、ベクトル調整回路505を
介して電力合成回路506に入力される。非線形素子を
含む回路507は、図7(c)に示すような低周波側出
力信号と、低周波側出力信号よりも振幅の大きさが小さ
い高周波側出力信号と、低周波側歪み信号と、低周波側
歪み信号よりも振幅の大きさが小さい高周波側歪み信号
が出力される。この非線形素子を含む回路507の出力
と、電力分配回路503、同軸ケーブル504、ベクト
ル調整回路505を経由してきた入力信号(図6
(a))とは、同振幅かつ逆位相で電力合成回路506
において合成される。電力合成回路506は、図7
(d)に示すように抑圧された低周波側出力信号と、抑
圧された高周波側出力信号と、低周波側歪み信号と、低
周波側歪み信号よりも振幅の大きさが小さい高周波側歪
み信号が出力端子502を出力する。
【0039】なお、非線形素子を含む回路507に使用
する非線形素子としては、ダイオードやトランジスタな
どがある。図11は、ダイオードを使用した非線形素子
を含む回路の構成例を示す回路図である。図11におい
て、a、b、c、d、eは接続点を表している。図11
の回路図において、接続点aには入力端子1101とコ
ンデンサ1104が接続されている。接続点bにはコン
デンサ1104と抵抗1105とダイオード1106の
入力端子とコンデンサ1109が接続されている。接続
点cには電源端子1103と一方の端子が接地されたコ
ンデンサ1108が接続されている。接続点dにはダイ
オード1106の出力端子と一方が接地された抵抗11
07が接続されている。接続点eには出力端子1102
とコンデンサ1109が接続されている。
【0040】また、図12は、トランジスタを使用した
非線形素子を含む回路の構成例を示す回路図である。図
12において、a、b、c、d、e、f、g、h、i、
j、kは接続点を表している。図12の回路図におい
て、接続点aには入力端子1201とコンデンサ120
5が接続されている。接続点bにはコンデンサ1205
と整合回路1206が接続されている。接続点cにはト
ランジスタ1209のゲート端子が接続されている。接
続点eには整合回路1206と抵抗1207が接続され
ている。接続点fには電源端子1203と一方が接地さ
れたコンデンサ1208が接続されている。接続点dは
トランジスタ1209のソース端子が接続され、さらに
接地されている。接続点gにはトランジスタ1209の
ドレイン端子と整合回路1210が接続されている。接
続点hには整合回路1210と4分の1波長線路121
1が接続されている。接続点iには電源端子1204と
4分の1波長線路1211と一方が接地されたコンデン
サ1212が接続されている。接続点jには整合回路1
210とコンデンサ1213が接続されている。接続点
kには出力端子1202とコンデンサ1213が接続さ
れている。
【0041】また、歪み発生回路208と211を簡略
化するための別の構成例を説明する。図8は、歪み発生
回路の別の回路構成を示すブロック図である。図9、1
0は、図8の各点における信号スペクトラムを示す説明
図である。図8の歪み発生回路において、飽和増幅器8
03の入力端子は入力端子801に、飽和増幅器803
の出力端子は出力端子802に接続されている。ここ
で、飽和増幅器とは、出力信号として、増幅された入力
信号、および増幅された入力信号と同程度の振幅の大き
さを持つ歪み信号を出力する増幅器のことである。
【0042】図8の歪み発生回路において、図9(a)
に示すような高周波側入力信号と、高周波側入力信号よ
りも振幅の大きさが小さい低周波側入力信号を入力端子
801に入力した場合には、飽和増幅器803は、図9
(b)に示すような低周波側出力信号と、高周波側出力
信号と、高周波側歪み信号よりも振幅の大きさが小さい
低周波側歪み信号と、高周波側歪み信号を出力する。そ
れから出力端子802は、飽和増幅器803が出力する
信号をそのまま出力する。
【0043】同様に、図9(c)に示すような低周波側
入力信号と、低周波側入力信号よりも振幅の大きさが小
さい高周波側入力信号を入力端子801に入力した場合
には、飽和増幅器803は、図9(d)に示すような低
周波側出力信号と、高周波側出力信号と、低周波側歪み
信号よりも振幅の大きさが小さい高周波側歪み信号と、
低周波側歪み信号を出力する。それから、出力端子80
2は、飽和増幅器803が出力する信号をそのまま出力
する。このようにすれば、図9(b)と図9(d)に示
すように、入力信号と同程度の振幅の大きさを持つ歪み
信号が得られる。
【0044】ここで、図2における歪み発生回路208
と歪み発生回路211として、図8に示す歪み発生回路
を用いたとする。このとき、飽和増幅器803の出力信
号および歪み信号は、ベクトル調整回路209、212
によってその振幅と位相が変えられ、電力合成回路21
3によって合成されて図10(b)に示すような出力信
号および歪み信号となる。この出力信号および歪み信号
は、電力合成回路205に入力される。また、以前に記
載されているように、図10(a)に示すような同軸ケ
ーブル204を経由してきた入力信号が、電力合成回路
205に入力される。ここで、図10(b)に示すよう
な出力信号および歪み信号と、図10(a)に示すよう
な入力信号とを電力合成回路205において合成する際
に、あらかじめベクトル調整回路209とベクトル調整
回路212は、図10(b)に示した飽和増幅器803
の出力信号が図10(a)に示した入力信号よりも十分
に減衰するようにし、なおかつ入力信号に対する歪み信
号の振幅の大きさを適切に調整する。この調整により、
電力合成回路205における合成の結果、図10(c)
に示すような入力信号と歪み信号を出力する。このよう
にして、歪み発生回路によって出力信号を抑圧する過程
が省略されるので、回路構成が簡略化される。なお、飽
和増幅器803には、C級増幅器やリミッタアンプなど
を使用すればよい。
【0045】また、上記の例では遅延回路として同軸ケ
ーブル204と同軸ケーブル504を使用しているが、
同軸ケーブル以外の同軸線路を使用してもよく、プリン
ト回路基板上に設計されたマイクロストリップ線路や一
定の遅延時間を持つ遅延フィルタなどを使用しても同様
の効果が得られ、回路を小型化することが可能となる。
【0046】(ベクトル調整回路)次に、ベクトル調整
回路209、212、505について説明する。ベクト
ル調整回路209とベクトル調整回路212とベクトル
調整回路505としては、例えば可変減衰器と可変位相
器がある。図13は、可変減衰器の構成例を示す回路図
である。図13において、a、b、c、d、e、f、
g、h、iは接続点を表している。接続点aには入力端
子1301と90°ハイブリッドカップラ1304が接
続されている。接続点bには90°ハイブリッドカップ
ラ1304とダイオード1305の入力端子が接続され
ている。接続点cにはダイオード1305の出力端子と
抵抗1307が接続されている。接続点dは抵抗130
7が接続され、さらに接地されている。接続点eには電
源端子1303が接続されている。接続点fには90°
ハイブリッドカップラ1304とダイオード1306の
入力端子が接続されている。接続点gにはダイオード1
306の出力端子と抵抗1308が接続されている。接
続点hは抵抗1308が接続され、さらに接地されてい
る。接続点iには90°ハイブリッドカップラ1304
と出力端子1302が接続されている。ここで、接続点
bと接続点eと接続点fは共通端子となっている。
【0047】図14は、可変位相器の構成例を示す回路
図である。図14において、a、b、c、d、e、f、
g、h、iは接続点を表している。接続点aには入力端
子1401と90°ハイブリッドカップラ1404に接
続されている。接続点bには90°ハイブリッドカップ
ラ1404とダイオード1405の入力端子が接続され
ている。接続点cにはダイオード1405の出力端子と
コンデンサ1407が接続されている。接続点dはコン
デンサ1407が接続され、さらに接地されている。接
続点eには電源端子1403が接続されている。接続点
fには90°ハイブリッドカップラ1404とダイオー
ド1406の入力端子が接続されている。接続点gには
ダイオード1406の出力端子とコンデンサ1408が
接続されている。接続点hはコンデンサ1408が接続
され、さらに接地されている。接続点iには90°ハイ
ブリッドカップラ1404と出力端子1402が接続さ
れている。ここで、接続点bと接続点eと接続点fは共
通端子となっている。なお、可変減衰器と可変位相器を
複数縦続接続して使用することも可能である。
【0048】なお、この実施の形態1では低周波側、高
周波側の3次相互変調歪みの調整について述べたが、5
次相互変調歪みと7次相互変調歪みの低周波側、高周波
側の振幅と位相の調整についても同様の効果が得られ、
ある帯域幅を持った変調波入力信号によって発生する歪
みに対しても、歪み補償効果が得られる。
【0049】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
ついて説明する。なお、プリディストーション歪み補償
回路の基本回路構成を示すブロック図は実施の形態1と
同様である。図15は、実施の形態2におけるプリディ
ストーション歪み補償回路の回路構成の具体例を示すブ
ロック図である。図16、17は、図15中の各点にお
ける信号のスペクトラムを示す説明図である。実施の形
態1と異なるのは、図1の高周波側歪み信号抽出手段1
07の構成において、歪み発生回路1507とハイパス
フィルタ1508の位置が入れ替わっている点と、低周
波側歪み信号抽出手段109の構成において、歪み発生
回路1510とローパスフィルタ1511の位置が入れ
替わっている点である。実施の形態1と同一の構成につ
いては重複を避けるために説明を省略する。
【0050】図15のプリディストーション歪み補償回
路において、図16(a)のような振幅の大きさが等し
く、周波数の異なる2つの連続波からなる信号を入力端
子1501に入力するとする。この入力信号は、電力分
配回路1503によって2つに分配される。その後、電
力分配回路1503の一方の出力は同軸ケーブル150
4を介して電力合成回路1505に入力され、もう一方
は電力分配回路1506に入力される。電力分配回路1
506の出力は、歪み発生回路1507と歪み発生回路
1510のそれぞれに入力され、歪み発生回路1507
と歪み発生回路1510の出力端子には図16(b)に
示すような出力信号と歪み信号が出力される。その後、
歪み発生回路1507の出力信号と歪み信号はハイパス
フィルタ1508によって図17(a)に示すように低
周波側歪み信号と低周波側出力信号と高周波側出力信号
は減衰され、高周波側歪み信号が抽出される。ベクトル
調整回路1509は、ハイパスフィルタ1508によっ
て抽出された信号の振幅および位相を変化させ、電力合
成回路1513に入力する。このとき、低周波側歪み信
号も存在するが、高周波側歪み信号の振幅に比べて十分
に減衰しているので、無視することができる。また、歪
み発生回路1510の出力信号と歪み信号はローパスフ
ィルタ1511によって図17(b)に示すように高周
波側歪み信号と低周波側出力信号と高周波側出力信号は
減衰され、低周波側歪み信号が抽出される。ベクトル調
整回路1512は、ローパスフィルタ1511によって
抽出された信号の振幅および位相を変化させ、電力合成
回路1513に入力する。このとき、高周波側歪み信号
も存在するが、低周波側歪み信号の振幅に比べて十分に
減衰しているので、無視することができる。このように
して、高周波側歪み信号と低周波側歪み信号をそれぞれ
独立に変化させることが可能となり、電力合成回路15
05において入力信号と歪み信号が重畳され、出力端子
1502から図17(c)に示すような信号が出力され
る。
【0051】なお、歪み発生回路1507、1510の
構成例は図5に示されているとおりであり、これらの動
作は、実施の形態1において説明されている。さらに、
歪み発生回路1507、1510を簡略化するための構
成例は図8に示されているとおりであり、これらの動作
は実施の形態1において説明されている。さらに、ベク
トル調整回路1509、ベクトル調整回路1512の構
成例は、図13、14に示されているとおりであり、こ
れらの動作は実施の形態1において説明されている。し
たがって、これらの実施の形態1において説明されてい
る動作については、重複を避けるために説明を省略す
る。
【0052】また、実施の形態2において、歪み発生回
路1507、1510を2つ使用しているが、歪み発生
回路を1つのみ使用し、電力分配回路1506と、ハイ
パスフィルター1508またはローパスフィルター15
11との間に配置するのではなく、電力分配回路150
3と電力分配回路1506との間に配置してもよい。
【0053】さらに、実施の形態2において、遅延回路
として同軸ケーブル1504を使用しているが、プリン
ト回路基板上に設計されたマイクロストリップ線路や一
定の遅延時間を持つ遅延フィルタなどを用いても同様の
効果が得られ、回路を小型化することが可能となる。
【0054】さらに、実施の形態2において、低周波
側、高周波側の3次相互変調歪みの調整について述べた
が、5次相互変調歪みと7次相互変調歪みの低周波側、
高周波側の振幅と位相の調整についても同様の効果が得
られ、ある帯域幅を持った変調波入力信号によって発生
する歪みに対しても、歪み補償効果が得られる。
【0055】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
ついて説明する。図18は、実施の形態3におけるプリ
ディストーション歪み補償回路の回路構成の具体例を示
すブロック図である。入力端子1801は電力分配回路
1803の入力端子に接続されている。電力分配回路1
803の一方の出力端子が電力分配回路1804の入力
端子に接続され、もう一方の出力端子が電力分配回路1
812の入力端子に接続されている。電力分配回路18
04の一方の出力端子は電力分配回路1805の入力端
子に接続されており、もう一方の出力端子は同軸ケーブ
ル1808に接続されている。同軸ケーブル1808は
ベクトル調整回路1809に接続されている。電力分配
回路1805の一方の出力端子には同軸ケーブル180
6が接続され、もう一方の出力端子には同軸ケーブル1
810が接続されている。同軸ケーブル1810にはベ
クトル調整回路1811が接続されている。電力合成回
路1813の一方の入力端子にはベクトル調整回路18
09が接続され、もう一方の入力端子には電力分配回路
1812が接続されている。電力合成回路1814の一
方の入力端子にはベクトル調整回路1811が接続さ
れ、もう一方の入力端子には電力分配回路1812が接
続されている。電力合成回路1813の出力端子には歪
み発生回路1815が接続されている。歪み発生回路1
815にはベクトル調整回路1816が接続されてい
る。電力合成回路1814の出力端子には歪み発生回路
1817が接続されている。歪み発生回路1817には
ベクトル調整回路1818が接続されている。電力合成
回路1819の一方の入力端子にはベクトル調整回路1
816が接続され、もう一方の入力端子にはベクトル調
整回路1818が接続されている。電力合成回路180
7の一方の入力端子には同軸ケーブル1806が接続さ
れ、もう一方の入力端子には電力合成回路1819が接
続され、出力端子には出力端子1802が接続されてい
る。
【0056】以下、実施の形態3におけるプリディスト
ーション歪み補償回路の動作について説明する。図19
は実施の形態3における入力信号のベクトル図である。
図18において、図3(a)のような振幅の大きさが等
しく、周波数の異なる2つの連続波からなる信号を入力
端子1801に入力するとする。この入力信号は、電力
分配回路1803によって2つに分配される。電力分配
回路1803の一方の出力は、電力分配回路1804に
入力され、もう一方の出力は電力分配回路1812に入
力される。電力分配回路1804に入力された信号は、
さらに電力分配回路1805と同軸ケーブル1808に
分配される。電力分配回路1812に入力された信号も
さらに電力合成回路1813と電力合成回路1814に
分配される。このとき、電力合成回路1813と電力合
成回路1814に入力される信号は図19(a)に示す
ように高周波側と低周波側の振幅の大きさが等しく、位
相も同じであるとする。同軸ケーブル1808に分配さ
れた入力信号は、ベクトル調整回路1809を経由して
電力合成回路1813に入力される。このとき、図19
(b)に示すように、同軸ケーブル1808によって高
周波側の入力信号が低周波側の入力信号よりも位相が遅
れ、図19(a)に示す低周波側入力信号に対して位相
差が180度になるようにベクトル調整回路1809で
調整すれば、図19(c)に示すように高周波側の入力
信号の振幅は低周波側の入力信号よりも大きくなり、図
3(b)と同様の信号スペクトラムが得られる。この信
号を歪み発生回路1815に入力すれば、図3(c)に
示すような高周波側歪み信号が発生する。この高周波側
歪み信号は、ベクトル調整回路1816によってその振
幅と位相が変化し、変化した信号が電力合成回路181
9に入力される。このとき、低周波側歪み信号も発生す
るが、高周波側歪み信号に比べて振幅は十分小さいの
で、無視することができる。
【0057】また、電力分配回路1805に入力された
入力信号は同軸ケーブル1806と同軸ケーブル181
0に分配される。同軸ケーブル1810に分配された入
力信号は、ベクトル調整回路1811を経由して電力合
成回路1814に入力される。このとき、図19(d)
に示すように、同軸ケーブル1810によって高周波側
の入力信号が低周波側の入力信号よりも位相が遅れ、図
19(a)に示す高周波側入力信号に対して位相差が1
80度になるようにベクトル調整回路1811で調整す
れば、図19(e)に示すように低周波側の入力信号の
振幅は高周波側の入力信号よりも大きくなり、図4
(a)と同様の信号スペクトラムが得られる。この信号
を歪み発生回路1817に入力すれば、図4(b)に示
すような低周波側歪み信号が発生する。この低周波側歪
み信号は、ベクトル調整回路1818によってその振幅
と位相が変化し、変化した信号が電力合成回路1819
に入力される。このとき、高周波側歪み信号も発生する
が、低周波側歪み信号に比べて振幅は十分小さいので、
無視することができる。このようにして、高周波側歪み
信号と低周波側歪み信号をそれぞれ独立に変化させるこ
とが可能となり、電力合成回路1807において入力信
号と歪み信号が重畳され、出力端子1802から図4
(c)に示すような信号が出力される。
【0058】ここで、歪み発生回路1815、1817
の構成例を図5に示されているとおりであり、これらの
動作は、実施の形態1において説明されている。さら
に、歪み発生回路1815、1817を簡略化するため
の構成例を図8に示されているとおりであり、これらの
動作は実施の形態1において説明されている。さらに、
ベクトル調整回路1809、ベクトル調整回路181
1、ベクトル調整回路1816、ベクトル調整回路18
18の構成例は、図13、14に示されているとおりで
あり、これらの動作は実施の形態1において説明されて
いる。したがって、これらの実施の形態1において説明
されている動作については、重複を避けるために説明を
省略する。
【0059】また、実施の形態3において、遅延回路と
して同軸ケーブル1806と同軸ケーブル1808と同
軸ケーブル1810を使用しているが、プリント回路基
板上に設計されたマイクロストリップ線路や一定の遅延
時間を持つ遅延フィルタなどを用いても同様の効果が得
られ、回路を小型化することが可能となる。
【0060】また、ここでは低周波側、高周波側の3次
相互変調歪みの調整について述べたが、5次相互変調歪
みと7次相互変調歪みの低周波側、高周波側の振幅と位
相の調整についても同様の効果が得られ、ある帯域幅を
持った変調波入力信号によって発生する歪みに対して
も、歪み補償効果が得られる。
【0061】(実施の形態4)本発明の実施の形態4に
ついて説明する。図20は、実施の形態4におけるプリ
ディストーション歪み補償回路の回路構成の具体例を示
すブロック図である。入力端子2001は電力分配回路
2003の入力端子に接続されている。電力分配回路2
003の一方の出力端子が同軸ケーブル2004に接続
され、もう一方の出力端子が電力分配回路2011に接
続されている。同軸ケーブル2004は電力分配回路2
005に接続されている。電力分配回路2011の一方
の出力端子には非線形素子を含む回路2012に接続さ
れ、もう一方の出力端子には非線形素子を含む回路20
13に接続されている。電力分配回路2005の一方の
出力端子には電力分配回路2006が接続され、もう一
方の出力端子にはベクトル調整回路2009が接続され
ている。電力分配回路2006の一方の出力端子には同
軸ケーブル2007が接続され、もう一方の出力端子に
はベクトル調整回路2010が接続されている。電力合
成回路2014の一方の入力端子にはベクトル調整回路
2009が接続されており、もう一方の入力端子には非
線形素子を含む回路2012が接続されている。電力合
成回路2015の一方の入力端子にはベクトル調整回路
2010が接続されており、もう一方の入力端子には非
線形素子を含む回路2013が接続されている。電力合
成回路2014はハイパスフィルタ2016に接続され
ている。ハイパスフィルタ2016はベクトル調整回路
2018に接続されている。電力合成回路2015はロ
ーパスフィルタ2017に接続されている。ローパスフ
ィルタ2017はベクトル調整回路2019に接続され
ている。電力合成回路2020の一方の入力端子にはベ
クトル調整回路2018が接続され、もう一方の入力端
子にはベクトル調整回路2019が接続されている。電
力合成回路2008の一方の入力端子には同軸ケーブル
2007が接続され、もう一方の入力端子には電力合成
回路2020が接続され、出力端子には出力端子200
2が接続されている。
【0062】以下、実施の形態4におけるプリディスト
ーション歪み補償回路の動作について説明する。図2
1、22は信号のスペクトラムを示す説明図である。図
20において、図21(a)のような振幅の大きさが等
しく、周波数の異なる2つの連続波からなる信号を入力
端子2001に入力するとする。この入力信号は、電力
分配回路2003によって2つに分配される。電力分配
回路1803の一方の出力は、同軸ケーブル2004に
入力され、もう一方の出力は電力分配回路2011に入
力される。同軸ケーブル2004を経由した入力信号は
電力分配回路2005に入力された後、電力分配回路2
005の一方の出力は、電力分配回路2006に分配さ
れ、もう一方の出力は、ベクトル調整回路2009に分
配されて電力合成回路2014に入力される。また、電
力分配回路2006に入力された信号は、2つに分配さ
れる。電力分配回路2006の一方の出力は同軸ケーブ
ル2007に分配され、もう一方の出力はベクトル調整
回路2010に分配されて電力合成回路2015に入力
される。また、電力分配回路2011に入力された信号
は、2つに分配される。電力分配回路2011の一方の
出力は、非線形素子を含む回路2012に分配される。
もう一方の出力は非線形素子を含む回路2013に分配
される。ここで、非線形素子を含む回路2012は、図
21(b)に示すような出力信号と歪み信号を出力し、
この出力信号と歪み信号が電力合成回路2014に入力
される。このとき、図21(a)に示すような電力分配
回路2005から分配された入力信号を、非線形素子を
含む回路2012の出力信号に対して同振幅かつ逆位相
になるようにベクトル調整回路2009によって調整す
れば、電力合成回路2014の出力端子から図21
(c)のような歪み信号が出力される。また、同様に非
線形素子を含む回路2013は、図21(b)に示すよ
うな出力信号と歪み信号を出力し、この出力信号と歪み
信号が電力合成回路2015に入力される。このとき、
図21(a)に示すような電力分配回路2006から分
配された入力信号を、非線形素子を含む回路2013の
出力信号に対して同振幅かつ逆位相になるようにベクト
ル調整回路2010によって調整すれば、電力合成回路
2015の出力端子から図21(c)のような歪み信号
が出力される。
【0063】電力合成回路2014の出力端子から出力
された歪み信号は、ハイパスフィルタ2016によって
図22(a)に示すような高周波側の歪み信号が取り出
される。この高周波側の歪み信号は、ベクトル調整回路
2018によってその振幅および位相が変化し、変化し
た信号が電力合成回路2020に入力される。ここで、
低周波側の歪み信号も存在するが、高周波側歪み信号の
振幅に比べて十分に減衰しているので、無視することが
できる。電力合成回路2015の出力端子から出力され
た歪み信号は、ローパスフィルタ2017によって図2
2(b)のように低周波側の歪み信号が取り出される。
この低周波側の歪み信号は、ベクトル調整回路2019
によってその振幅および位相が変化し、変化した信号が
電力合成回路2020に入力される。ここで、高周波側
の歪み信号も存在するが、高周波側歪み信号の振幅に比
べて十分に減衰しているので、無視することができる。
このようにして、高周波側歪み信号と低周波側歪み信号
をそれぞれ独立に変化させることが可能となり、電力合
成回路2008において入力信号と歪み信号が重畳さ
れ、出力端子2002から図22(c)に示すような信
号が出力される。
【0064】なお、非線形素子を含む回路2012と非
線形素子を含む回路2013に使用する非線形素子とし
ては、ダイオードやトランジスタなどがある。ダイオー
ドを使用した非線形素子を含む回路の構成例は図11
に、トランジスタを使用した非線形素子を含む回路の構
成例は図12に示されているとおりである。これらの動
作は実施の形態1において説明されている。さらに、ベ
クトル調整回路2009、ベクトル調整回路2010、
ベクトル調整回路2018、ベクトル調整回路2019
の構成例は図11に示されているとおりである。これら
の動作は実施の形態1において説明されている。したが
って、これらの実施の形態1において説明されている動
作については、重複を避けるために、説明を省略する。
【0065】また、実施の形態4において、遅延回路と
して同軸ケーブル2004と同軸ケーブル2007を使
用しているが、プリント回路基板上に設計されたマイク
ロストリップ線路や一定の遅延時間を持つ遅延フィルタ
などを用いても同様の効果が得られ、回路を小型化する
ことが可能となる。
【0066】さらに、実施の形態4において、低周波
側、高周波側の3次相互変調歪みの調整について述べた
が、5次相互変調歪みと7次相互変調歪みの低周波側、
高周波側の振幅と位相の調整についても同様の効果が得
られ、ある帯域幅を持った変調波入力信号によって発生
する歪みに対しても、歪み補償効果が得られる。
【0067】(実施の形態5)本発明の実施の形態5に
ついて説明する。図23は、実施の形態5におけるプリ
ディストーション歪み補償回路の回路構成の具体例を示
すブロック図である。入力端子2301は電力分配回路
2303の入力端子に接続されている。電力分配回路2
303の一方の出力端子には同軸ケーブル2304に接
続され、もう一方の出力端子には歪み発生回路2306
が接続されている。歪み発生回路2306には電力分配
回路2307が接続されている。電力分配回路2307
の一方の出力端子には電力分配回路2308が接続さ
れ、もう一方の出力端子には電力分配回路2313に接
続されている。電力分配回路2308の一方の出力端子
には同軸ケーブル2309が接続され、もう一方の出力
端子にはベクトル調整回路2310が接続されている。
電力合成回路2311の一方の入力端子には同軸ケーブ
ル2309が接続され、もう一方の入力端子にはベクト
ル調整回路2310が接続され、出力端子にはベクトル
調整回路2312が接続されている。電力分配回路23
13の一方の出力端子には同軸ケーブル2314が接続
され、もう一方の出力端子にはベクトル調整回路231
5が接続されている。電力合成回路2316の一方の入
力端子には同軸ケーブル2314が接続され、もう一方
の入力端子にはベクトル調整回路2315が接続され、
出力端子にはベクトル調整回路2317が接続されてい
る。電力合成回路2318の一方の入力端子にはベクト
ル調整回路2312が接続され、もう一方の入力端子に
はベクトル調整回路2317が接続され、出力端子には
増幅器2319が接続されている。電力合成回路230
5の一方の入力端子には同軸ケーブル2304が接続さ
れ、もう一方の入力端子には増幅器2319が接続さ
れ、出力端子には出力端子2302が接続されている。
【0068】以下、実施の形態5におけるプリディスト
ーション歪み補償回路の動作について説明する。図2
4、25は信号のスペクトラムを示す説明図である。図
26、27は歪み信号のベクトル図である。図23にお
いて、図24(a)のような振幅の大きさが等しく、周
波数の異なる2つの連続波からなる信号を入力端子23
01に入力するとする。この入力信号は、電力分配回路
2303によって2つに分配される。電力分配回路23
03の一方の出力は、同軸ケーブル2304に入力され
た後、電力合成回路2305に入力される。電力分配回
路2303のもう一方の出力は、歪み発生回路2306
に入力され、歪み発生回路2306によって、図24
(b)に示すような歪み信号が抽出される。この抽出さ
れた歪み信号は図26(a)のようなベクトル図で示さ
れる。この抽出された歪み信号は、電力分配回路230
7に入力された後、電力分配回路2308と電力分配回
路2313に入力される。電力分配回路2308に入力
された歪み信号はさらに2つに分配され、一方は同軸ケ
ーブル2309に入力された後、電力合成回路2311
に入力され、もう一方はベクトル調整回路2310に入
力された後、電力合成回路2311に入力される。この
とき、同軸ケーブル2309に入力された歪み信号は同
軸ケーブル2309の伝播遅延時間分だけ位相が回転
し、図26(b)のようになる。また、電力合成回路2
311に入力される歪み信号のうち、高周波側の歪み信
号と、同軸ケーブル2309によって位相回転が生じた
歪み信号のうち、高周波側の歪み信号との位相差が18
0度となるようにベクトル調整回路2310によって図
26(c)のように歪み信号の振幅と位相を変化させ
る。その結果、図26(d)に示すように高周波側の歪
み信号は相殺されて低周波側の歪み信号のみが電力合成
回路2311の出力端子に出力される。このようにして
抽出された低周波側の歪み信号は図25(a)のように
なるので、ベクトル調整回路2312によって振幅と位
相が変化し、変化した信号は電力合成回路1818に入
力される。
【0069】また、電力分配回路2313に入力された
歪み信号はさらに2つに分配され、一方は同軸ケーブル
2314に入力された後、電力合成回路2316に入力
され、もう一方はベクトル調整回路2315に入力され
た後、電力合成回路2316に入力される。このとき、
同軸ケーブル2314に入力された歪み信号は同軸ケー
ブル2314の伝播遅延時間分だけ位相が回転し、図2
7(a)のようになる。また、電力合成回路2316に
入力される歪み信号のうち、低周波側の歪み信号と、同
軸ケーブル2314によって位相回転が生じた歪み信号
のうち、低周波側の歪み信号の位相差が180度となる
ようにベクトル調整回路2315によって図27(b)
のように歪み信号の振幅と位相を変化させる。その結
果、図27(c)に示すように低周波側の歪み信号は相
殺されて高周波側の歪み信号のみが電力合成回路231
6の出力端子に出力される。このようにして抽出された
高周波側の歪み信号は、図25(b)のようになるの
で、ベクトル調整回路2312によって振幅と位相が変
化し、変化した信号は電力合成回路2318に入力され
る。このようにして電力合成回路2318によって合成
された低周波側歪み信号と高周波側歪み信号は増幅器2
319によって振幅が増幅され、電力合成回路2305
に入力される。このようにして高周波側歪み信号と低周
波側歪み信号をそれぞれ独立に変化させることが可能と
なり、電力合成回路2305において入力信号と歪み信
号が重畳され、出力端子2302から図25(c)に示
すような信号が出力される。
【0070】ここで、歪み発生回路2306の構成例を
図5に示されているとおりであり、これらの動作は、実
施の形態1において説明されている。さらに、歪み発生
回路2306を簡略化するための構成例を図8に示され
ているとおりであり、これらの動作は実施の形態1にお
いて説明されている。さらに、また、ベクトル調整回路
2310、ベクトル調整回路2312、ベクトル調整回
路2315、ベクトル調整回路2317の構成例は、図
13、14に示されているとおりであり、これらの動作
は実施の形態1において説明されている。したがって、
これらの実施の形態1において説明されている動作につ
いては、重複を避けるために説明を省略する。
【0071】また、実施の形態5において、遅延回路と
して同軸ケーブル2304と同軸ケーブル2309と同
軸ケーブル2314を使用しているが、プリント回路基
板上に設計されたマイクロストリップ線路や一定の遅延
時間を持つ遅延フィルタなどを用いても同様の効果が得
られ、回路を小型化することが可能となる。
【0072】さらに、実施の形態5において、低周波
側、高周波側の3次相互変調歪みの調整について述べた
が、5次相互変調歪みと7次相互変調歪みの低周波側、
高周波側の振幅と位相の調整についても同様の効果が得
られ、ある帯域幅を持った変調波入力信号によって発生
する歪みに対しても、歪み補償効果が得られる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプリディ
ストーション歪み補償回路は、高周波側と低周波側の歪
み信号それぞれ個別に発生させて抽出し、それぞれの振
幅および位相を独立に操作しながら入力信号に重畳し、
電力増幅器の入力とすることによって電力増幅器の歪み
補償が可能となる。また、プリディストーション歪み補
償回路によって発生する高周波側の歪み信号と低周波側
の歪み信号の位相関係を電力増幅器の高周波側の歪み信
号と低周波側の歪み信号の位相関係と一致させるために
遅延時間を調整することが不要となる。さらに、歪み発
生回路に使用する非線形素子の歪み特性を電力増幅器の
歪み特性と類似のものとする必要がないので、歪み発生
回路の設計を容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1におけるプリディストーション
歪み補償回路の基本回路構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1におけるプリディストーション
歪み補償回路の回路構成の具体例を示すブロック図であ
る。
【図3】 信号スペクトラムを示す説明図である。
【図4】 信号スペクトラムを示す説明図である。
【図5】 歪み発生回路の回路構成を示すブロック図で
ある。
【図6】 信号スペクトラムを示す説明図である。
【図7】 信号スペクトラムを示す説明図である。
【図8】 歪み発生回路の別の回路構成を示すブロック
図である。
【図9】 信号スペクトラムを示す説明図である。
【図10】 信号スペクトラムを示す説明図である。
【図11】 ダイオードを使用した非線形素子を含む回
路の構成例を示す回路図である。
【図12】 トランジスタを使用した非線形素子を含む
回路の構成例を示す回路図である。
【図13】 可変減衰器の構成例を示す回路図である。
【図14】 可変位相器の構成例を示す回路図である。
【図15】 実施の形態2におけるプリディストーショ
ン歪み補償回路の回路構成の具体例を示すブロック図で
ある。
【図16】 信号のスペクトラムを示す説明図である。
【図17】 信号のスペクトラムを示す説明図である。
【図18】 実施の形態3におけるプリディストーショ
ン歪み補償回路の回路構成の具体例を示すブロック図で
ある。
【図19】 入力信号のベクトル図である。
【図20】 実施の形態4におけるプリディストーショ
ン歪み補償回路の回路構成の具体例を示すブロック図で
ある。
【図21】 信号のスペクトラムを示す説明図である。
【図22】 信号のスペクトラムを示す説明図である。
【図23】 実施の形態5におけるプリディストーショ
ン歪み補償回路の回路構成の具体例を示すブロック図で
ある。
【図24】 信号のスペクトラムを示す説明図である。
【図25】 信号のスペクトラムを示す説明図である。
【図26】 歪み信号のベクトル図である。
【図27】 歪み信号のベクトル図である。
【図28】 従来のプリディストーション歪み補償回路
の一例を示すブロック図である。
【図29】 従来のプリディストーション歪み補償回路
の歪み補償の原理を説明するブロック図である。
【図30】 従来のプリディストーション歪み補償回路
の歪み補償の原理を説明するベクトル図である。
【符号の説明】
101…入力端子 102…出力端子 103、106…電力分配手段 104…信号の伝播時間遅延手段 105、111…電力合成手段 107…高周波側歪み信号抽出手段 108…高周波側歪み信号の振幅および位相調整手段 109…低周波側歪み信号抽出手段 110…低周波側歪み信号の振幅および位相調整手段 201…入力端子 202…出力端子 203、206…電力分配回路 204…同軸ケーブル 205、213…電力合成回路 208、211…歪み発生回路 207…ハイパスフィルター 210…ローパスフィルター 209、212…ベクトル調整回路 501…入力端子 502…出力端子 503…電力分配回路 504…同軸ケーブル 505…ベクトル調整回路 506…電力合成回路 507…非線形素子を含む回路 801…入力端子 802…出力端子 803…飽和増幅器 1101…入力端子 1102…出力端子 1103…電源端子 1104、1108、1109…コンデンサ 1105、1107…抵抗 1106…ダイオード 901…入力端子 1202…出力端子 1203、1204…電源端子 1205、1208、1212、1213…コンデンサ 1206、1210…整合回路 1207…抵抗 1209…トランジスタ 1211…4分の1波長線路 1301…入力端子 1302…出力端子 1303…電源端子 1304…90°ハイブリッドカップラ 1305、1306…ダイオード 1307、1308…抵抗 1401…入力端子 1402…出力端子 1403…電源端子 1404…90°ハイブリッドカップラ 1405、1406…ダイオード 1407、1408…コンデンサ 1501…入力端子 1502…出力端子 1503、1506…電力分配回路 1504…同軸ケーブル 1505、1513…電力合成回路 1507、1510…歪み発生回路 1508…ハイパスフィルター 1511…ローパスフィルター 1509、1512…ベクトル調整回路 1801…入力端子 1802…出力端子 1803、1804、1805、1812…電力分配回
路 1806、1808、1810…同軸ケーブル 1807、1813、1814、1819…電力合成回
路 1809、1811、1816、1818…ベクトル調
整回路 1815、1817…歪み発生回路 2001…入力端子 2002…出力端子 2003、2005、2006、2011…電力分配回
路 2004、2007…同軸ケーブル 2008、2014、2015、2020…電力合成回
路 2009、2010、2018、2019…ベクトル調
整回路 2012、2013…非線形素子を含む回路 2016…ハイパスフィルタ 2017…ローパスフィルタ 2301…入力端子 2302…出力端子 2303、2307、2308、2313…電力分配回
路 2304、2309、2314…同軸ケーブル 2305、2311、2316、2318…電力合成回
路 2306…歪み発生回路 2310、2312、2315、2317…ベクトル調
整回路 2319…増幅器 2801…入力端子 2802…出力端子 2803…電力分配回路 2804…遅延回路 2805…歪み発生回路 2806…ベクトル調整回路 2807…電力合成回路 2901…入力端子 2902…出力端子 2903…プリディストーション歪み補償回路 2904…電力増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松吉 俊満 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 石田 薫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5J090 AA01 AA04 AA41 CA21 FA01 FA19 GN02 GN05 HA09 HA19 HA25 HA29 HN17 HN18 KA00 KA15 KA16 KA23 KA29 KA41 KA42 KA46 KA68 TA01 TA03 5J091 AA01 AA04 AA41 CA21 FA01 FA19 HA09 HA19 HA25 HA29 KA00 KA15 KA16 KA23 KA29 KA41 KA42 KA46 KA68 TA01 TA03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を分配する電力分配手段と、 前記電力分配手段によって分配された入力信号の伝播遅
    延時間を調整する信号の伝播時間遅延手段と、 前記電力分配手段によって分配された入力信号より高周
    波の歪み信号を抽出する高周波側歪み信号抽出手段と、 前記高周波側歪み信号抽出手段によって抽出された高周
    波の歪み信号の振幅および位相を調整する高周波側歪み
    信号の振幅および位相調整手段と、 前記電力分配手段によって分配された入力信号より低周
    波の歪み信号を抽出する低周波側歪み信号抽出手段と、 前記低周波側歪み信号抽出手段によって抽出された低周
    波の歪み信号の振幅および位相を調整する低周波側歪み
    信号の振幅および位相調整手段と、 伝播遅延時間が調整された入力信号と、振幅および位相
    が調整された高周波の歪み信号と、振幅および位相が調
    整された低周波の歪み信号とを合成する電力合成手段と
    を備えることを特徴とするプリディストーション歪み補
    償回路。
  2. 【請求項2】 入力信号を分配する電力分配回路と、 前記電力分配回路によって分配された入力信号の伝播時
    間を調整する遅延回路と、 前記電力分配回路によって分配された入力信号の振幅の
    周波数特性を変化させる第1の振幅周波数特性調整回路
    と、 前記電力分配回路によって分配された入力信号の振幅の
    周波数特性を変化させる第2の振幅周波数特性調整回路
    と、 前記第1の振幅周波数特性調整回路が出力する信号に第
    1の歪み信号を発生させる第1の歪み発生回路と、 前記第2の振幅周波数特性調整回路が出力する信号に第
    2の歪み信号を発生させる第2の歪み発生回路と、 前記第1の歪み発生回路が出力する第1の歪み信号の振
    幅および位相を変化させる第1のベクトル調整回路と、 前記第2の歪み発生回路が出力する第2の歪み信号の振
    幅および位相を変化させる第2のベクトル調整回路と、 振幅および位相を変化させた第1の歪み信号と、振幅お
    よび位相を変化させた第2の歪み信号と、伝播時間が調
    整された入力信号とを合成する電力合成回路とを備える
    ことを特徴とするプリディストーション歪み補償回路。
  3. 【請求項3】 入力信号を分配する電力分配回路と、 前記電力分配回路によって分配された入力信号の伝播時
    間を調整する遅延回路と、 前記電力分配回路によって分配された入力信号に歪み信
    号を発生させる歪み発生回路と、 前記歪み発生回路が出力する歪み信号の振幅の周波数特
    性を変化させる第1の振幅周波数特性調整回路と、 前記歪み発生回路が出力する歪み信号の振幅の周波数特
    性を変化させる第2の振幅周波数特性調整回路と、 前記第1の振幅周波数特性調整回路が出力する振幅の周
    波数特性が変化した歪み信号の振幅および位相を変化さ
    せる第1のベクトル調整回路と、 前記第2の振幅周波数特性調整回路が出力する振幅の周
    波数特性が変化した歪み信号の振幅および位相を変化さ
    せる第2のベクトル調整回路と、 前記第1のベクトル調整回路が出力する信号と、前記第
    2のベクトル調整回路が出力する信号と、前記遅延回路
    が出力する信号とを合成する電力合成回路とを備えるこ
    とを特徴とするプリディストーション歪み補償回路。
  4. 【請求項4】 入力信号を分配する第1の電力分配回路
    と、 前記第1の電力分配回路に接続された第2の電力分配回
    路と、 前記第1の電力分配回路に接続された第3の電力分配回
    路と、 前記第2の電力分配回路に接続された第4の電力分配回
    路と、 前記第2の電力分配回路に接続された第1の遅延回路
    と、 前記第1の遅延回路に接続された、入力信号の振幅およ
    び位相を変化させる第1のベクトル調整回路と、 前記第4の電力分配回路に接続された第2の遅延回路
    と、 前記第4の電力分配回路に接続された第3の遅延回路
    と、 前記第3の遅延回路に接続された、入力信号の振幅およ
    び位相を変化させる第2のベクトル調整回路と、 前記第3の電力分配回路に接続され、かつ前記第1のベ
    クトル調整回路に接続された第1の電力合成回路と、 前記第3の電力分配回路に接続され、かつ前記第2のベ
    クトル調整回路に接続された第2の電力合成回路と、 前記第1の電力合成回路に接続された、第1の歪み信号
    を発生させる第1の歪み発生回路と、 前記第1の歪み発生回路に接続された、第1の歪み信号
    の振幅および位相を変化させる第3のベクトル調整回路
    と、 前記第2の電力合成回路に接続された、第2の歪み信号
    を発生させる第2の歪み発生回路と、 前記第2の歪み発生回路に接続された、第2の歪み信号
    の振幅および位相を変化させる第4のベクトル調整回路
    と、 前記第3のベクトル調整回路が出力する信号と、前記第
    4のベクトル調整回路が出力する信号と、前記第2の遅
    延回路が出力する入力信号とを、合成する第3の電力合
    成回路と、を備えることを特徴とするプリディストーシ
    ョン歪み補償回路。
  5. 【請求項5】 入力信号を分配する第1の電力分配回路
    と、 前記第1の電力分配回路に接続された第1の遅延回路
    と、 前記第1の電力分配回路に接続された第2の電力分配回
    路と、 前記第2の電力分配回路に接続された、第1の歪み信号
    を発生させる第1の非線形素子を含む回路と、 前記第2の電力分配回路に接続された、第2の歪み信号
    を発生させる第2の非線形素子を含む回路と、 前記第1の遅延回路に接続された第3の電力分配回路
    と、 前記第3の電力分配回路に接続された第4の電力分配回
    路と、 前記第3の電力分配回路に接続された、入力信号の振幅
    および位相を変化させる第1のベクトル調整回路と、 前記第4の電力分配回路に接続された第2の遅延回路
    と、 前記第4の電力分配回路に接続された、入力信号の振幅
    および位相を変化させる第2のベクトル調整回路と、 前記第1のベクトル調整回路に接続され、かつ前記第1
    の非線形素子を含む回路に接続された第1の電力合成回
    路と、 前記第2のベクトル調整回路に接続され、かつ前記第2
    の非線形素子を含む回路に接続された第2の電力合成回
    路と、 前記第1の電力合成回路に接続された、前記第1の歪み
    信号の振幅の周波数特性を変化させる第1の振幅周波数
    特性調整回路と、 前記第1の振幅周波数特性調整回路に接続された、振幅
    の周波数特性が変化した前記第1の歪み信号の振幅およ
    び位相を変化させる第3のベクトル調整回路と、 前記第2の電力合成回路に接続された、前記第2の歪み
    信号の振幅の周波数特性を変化させる第2の振幅周波数
    特性調整回路と、 前記第2の振幅周波数特性調整回路に接続された、振幅
    の周波数特性が変化した前記第2の歪み信号の振幅およ
    び位相を変化させる第4のベクトル調整回路と、 前記第3のベクトル調整回路から出力する信号と、前記
    第4のベクトル調整回路から出力信号と、前記第2の遅
    延回路から出力する信号とを合成する第3の電力合成回
    路とを備えたことを特徴とするプリディストーション補
    償回路。
  6. 【請求項6】 入力信号を分配する第1の電力分配回路
    と、 前記第1の電力分配回路に接続された第1の遅延回路
    と、 前記第1の電力分配回路に接続された、歪み信号を発生
    させる歪み発生回路と、 前記歪み発生回路に接続された第2の遅延回路と、 前記歪み発生回路に接続された、前記歪み信号の振幅お
    よび位相を変化させる第1のベクトル調整回路と、 前記第2の遅延回路に接続され、かつ前記第1のベクト
    ル調整回路に接続された第1の電力合成回路と、 前記歪み発生回路に接続された第3の遅延回路と、 前記歪み発生回路に接続された、前記歪み信号の振幅お
    よび位相を変化させる第2のベクトル調整回路と、 前記第3の遅延回路に接続され、かつ前記第2のベクト
    ル調整回路に接続された第2の電力合成回路と、 前記第1の電力合成回路が出力する信号の振幅および位
    相を変化させる第3のベクトル調整回路と、 前記第2の電力合成回路が出力する信号の振幅および位
    相を変化させる第4のベクトル調整回路と、 前記第3のベクトル調整回路が出力する信号と、前記第
    4のベクトル調整回路が出力する信号と、前記第1の遅
    延回路が出力する入力信号とを合成する第3の電力合成
    回路とを備えることを特徴とするプリディストーション
    歪み補償回路。
  7. 【請求項7】 前記歪み発生回路が、 入力された信号を分配する電力分配回路と、 前記電力分配回路に接続された遅延回路と、 前記電力分配回路に接続された、歪み信号を発生させる
    非線形素子を含む回路と、 前記遅延回路に接続された、入力された信号の振幅およ
    び位相を変化させるベクトル調整回路と、 前記ベクトル調整回路が出力する信号と、前記非線形素
    子を含む回路が出力する歪み信号とを合成する電力合成
    手段とを備えることを特徴とする請求項2、3、4、6
    のいずれか1つに記載のプリディストーション歪み補償
    回路。
  8. 【請求項8】 前記歪み発生回路が、飽和増幅器により
    構成されたことを特徴とする請求項2、3、4、6のい
    ずれか1つに記載のプリディストーション歪み補償回
    路。
  9. 【請求項9】 前記非線形素子を含む回路が、トランジ
    スタから構成されていることを特徴とする請求項5また
    は7に記載のプリディストーション歪み補償回路。
  10. 【請求項10】 前記非線形素子を含む回路が、ダイオ
    ードから構成されていることを特徴とする請求項5また
    は7に記載のプリディストーション歪み補償回路。
  11. 【請求項11】 前記遅延回路が、同軸線路であること
    を特徴とする請求項2ないし6のいずれか1つに記載の
    プリディストーション歪み補償回路。
  12. 【請求項12】 前記遅延回路がマイクロストリップ線
    路であることを特徴とする請求項2ないし6のいずれか
    1つに記載のプリディストーション歪み補償回路。
  13. 【請求項13】 前記遅延回路が遅延フィルタであるこ
    とを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1つに記載
    のプリディストーション歪み補償回路。
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