JP2002134419A - 排気ガス処理方法及び排気ガス処理装置 - Google Patents

排気ガス処理方法及び排気ガス処理装置

Info

Publication number
JP2002134419A
JP2002134419A JP2000324167A JP2000324167A JP2002134419A JP 2002134419 A JP2002134419 A JP 2002134419A JP 2000324167 A JP2000324167 A JP 2000324167A JP 2000324167 A JP2000324167 A JP 2000324167A JP 2002134419 A JP2002134419 A JP 2002134419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
pipe
cleaning liquid
gas
abatement tower
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000324167A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Kikuchi
泰彦 菊池
Kazunori Watanabe
和則 渡辺
Seiichi Terajima
誠一 寺嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP2000324167A priority Critical patent/JP2002134419A/ja
Publication of JP2002134419A publication Critical patent/JP2002134419A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ガス配管や排気ガス処理装置内の壁面へ
の固体状物質の堆積を抑制する排気ガス処理方法及び排
気ガス処理装置を提供する。 【解決手段】 排気ガス配管に接続された排気ガス導入
管を経由して、排気ガスを排気ガス導入口から除害塔内
に導入し、該除害塔内で前記排気ガスと洗浄液とを気液
接触させて排気ガスの除害処理を行う排気ガス処理方法
において、前記排気ガス導入管内における排気ガスの速
度を前記排気ガス配管内における速度よりも高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガス処理方法
及び排気ガス処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程におけるシリコン薄膜の
気相成長工程では、原料ガスとしてモノシラン(SiH
4)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、トリクロロシラ
ン(SiHCl3)、四塩化珪素(SiCl4)等の珪素
化合物、キャリアガスとしてH 2ガスが通常使用され
る。前記原料ガスは、気相反応してシリコン薄膜を形成
すると伴に、水素化珪素(Sin2n+2)、ジクロロシ
ラン、トリクロロシラン、塩化水素(HCl)等を生成
する。そして、前記気相成長工程から排出されるH2
ス、HClガス、珪素化合物等を含む排気ガスは、湿式
除害装置(以下、スクラバーという)を用いて無害化(除
害)された後、大気中に放出される。
【0003】例えば、図5(a)に示す従来のスクラバ
ー20は、洗浄液を噴射ノズル21から高圧ジェット噴
射し、排気ガス導入管22から除害塔23へ導入される
珪素化合物を含む排気ガスと気液接触させることにより
洗浄液と反応させて、HClガスや珪素化合物等を除去
している(特開昭63−59337号公報)。除害され
た排気ガスは、液受溜24の上部を通ってミスト除去装
置25に入り、邪魔板層26を通過し、排気ガス中のミ
ストが分離された後、大気中へ放出される。液受溜24
の洗浄液は循環ポンプ27により噴射ノズル21に供給
された後、再び噴射されて排気ガスと気液接触する。こ
の際、珪素化合物と洗浄液との反応により、粒子状の固
形物であるシリコン酸化物(SiO2)、シリコン水酸
化物(SiH(OH)3)等が生じ、噴射ノズル21、
排気ガス導入管22、邪魔板層26等にこれら固形物が
堆積して、配管等を閉塞させる。特に図5(b)に示す
ように、排気ガス導入管22における排気ガス出口28
に反応生成物である固体物質が堆積しやすい。
【0004】そこで、特開昭63−59337号公報記
載のスクラバー20では、図5(b)に拡大して示すよ
うに、洗浄ノズル29から洗浄液を噴射して排気ガス出
口28に堆積した堆積物を除去する。また、洗浄装置3
0から洗浄液を噴射して邪魔板層26に付着した堆積物
を除去している。排気ガス出口に堆積した堆積物を除去
する手段としては、棒などで堆積物を掻き出す方法も知
られている(特開平9−186093号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、珪素化
合物は水蒸気とも反応するため、例えば排気ガス導入管
22に水蒸気成分が逆流すると、洗浄液が供給されない
配管途中に堆積物が生成して、配管を閉塞させることが
ある。また、排気ガス中に水素などの質量の軽い成分が
多く含まれると、除害塔23の上部へも排気ガスが流
れ、そこで排気ガス中の珪素化合物と水とが反応して固
体物質が生成し、除害塔23の上部の洗浄液が供給され
ない箇所に堆積物が蓄積される。すると、堆積物を除去
するために定期的にスクラバー20を停止して、スクラ
バー20や半導体製造装置までの配管を掃除する必要が
ある。
【0006】本発明の課題は、排気ガス配管や排気ガス
処理装置内の壁への固体状物質の堆積を抑制する排気ガ
ス処理方法及び排気ガス処理装置を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の排気ガス処理方法は、排気ガス配管に接続
された排気ガス導入管を経由して、排気ガスを排気ガス
導入口から除害塔内に導入し、該除害塔内で前記排気ガ
スと洗浄液とを気液接触させて排気ガスの除害処理を行
う排気ガス処理方法において、前記排気ガス導入管内に
おける排気ガスの速度を前記排気ガス配管内における速
度よりも高めることを特徴としている。
【0008】本発明の排気ガス処理方法によれば、排気
ガス導入管内における排気ガスの速度を排気ガス配管内
における速度よりも高めるため、除害塔内に拡散して水
分を含んでいる排気ガスが排気ガス導入管内及び排気ガ
ス配管内へ逆流することが抑制されるので、排気ガス中
の珪素化合物と水分とが反応して生成する固形反応生成
物の排気ガス導入管及び排気ガス配管への堆積を抑制す
ることができる。また、排気ガス導入管内における排気
ガスの速度を高めることにより排気ガスの除害塔内への
導入速度が高まるので、排気ガスと除害塔内の洗浄液と
の接触頻度が高まり、排気ガス中の珪素化合物と洗浄液
との反応性を高めることができる。すると、固形反応生
成物の大きさが小さくなり、除害塔内の壁面への反応生
成物の堆積や、循環ポンプあるいは充填材の目詰まりを
抑制できる。従って、排気ガスの除害処理を長期間連続
して行うことができる。
【0009】本発明の排気ガス処理方法において、前記
排気ガス導入管内における排気ガスの速度は、2.7m
/秒より速いことが好ましく、より好ましくは5m/秒
以上15m/秒以下である。本発明の排気ガス処理方法
によると、前記排気ガスが珪素化合物を含んでいる場
合、前記排気ガスと洗浄液とが気液接触して生成する珪
素含有粒子の直径が1mm以下になる。
【0010】本発明の排気ガス処理方法において、前記
排気ガス導入口から前記除害塔内に導入された排気ガス
を取り囲んで、不活性ガスを排気ガスの流れ方向と同一
方向に流すとともに、不活性ガスの周囲に洗浄液を供給
すると、除害塔内に導入された直後に排気ガスが除害塔
内の水分と接触することを防止できるので、排気ガス導
入管内への固形反応生成物の堆積を抑制できる。
【0011】本発明の排気ガス処理方法において、前記
除害塔の内壁面に刻みを付けることにより、前記除害塔
の内壁表面全体に洗浄液を流すと、除害塔に、例えば、
PVC(polyvinyl chloride:ポリ塩化ビニル)、FR
P(fiber-reinforced plastics:繊維強化プラスチッ
ク)等の撥水性の材料が用いられても、洗浄液が刻みに
沿って流れて除害塔の内壁表面全体に絶え間なく流れる
ので、固形反応生成物が内壁表面に付着すると同時に洗
浄液で洗い流すことができ、除害塔内の内壁表面全体へ
の反応生成物の堆積を抑制できる。また、洗浄液が刻み
に沿って除害塔の内壁表面全体に流れることにより、大
量の洗浄液を用いて内壁表面全体にくまなく噴射する必
要がないので、洗浄液の量を節約できる。
【0012】前記洗浄液を複数の噴射口を有する噴射管
から噴射する場合、噴射管から噴射された洗浄液の一部
で噴射管自体を洗浄すると、噴射管への反応生成物の堆
積を抑制できる。
【0013】本発明の排気ガス処理装置は、排気ガス配
管に接続された排気ガス導入管を経由して、排気ガスを
排気ガス導入口から除害塔内に導入し、該除害塔内で前
記排気ガスと洗浄液とを気液接触させて排気ガスの除害
処理を行う排気ガス処理装置において、前記排気ガス導
入管を取り囲んで不活性ガスを除害塔内に導入する不活
性ガス導入管と、前記不活性ガス導入管のガス出口の周
囲で該ガス出口を取り囲む庇板と、前記不活性ガス導入
管の周囲に洗浄液を供給する噴射管とを備え、前記排気
ガス導入管の内径は前記排気ガス配管の内径よりも狭い
ことを特徴としている。
【0014】本発明の排気ガス処理装置において、前記
除害塔内の内壁面に刻みを付けることが好ましい。前記
噴射管は、噴射した洗浄液が前記除害塔の内壁表面を洗
浄する第1の噴射口と、噴射した洗浄液が噴射管自体を
洗浄する第2の噴射口とを有してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、本発明に係
る排気ガス処理装置について説明する。図1は、本発明
に係る排気ガス処理装置(以下、スクラバーという)1
の概略構成を示す縦断面図、図2は、図1の矢印A−A
線に沿った除害塔2の断面図、図3は、除害塔2に導入
された排気ガスの流れを模式的に示す図、図4は、図1
の除害塔2の上部を拡大して示す部分縦断面図であり、
庇板の下側に固形物が堆積している様子を示す。本発明
のスクラバー1は、シリコン薄膜の気相成長工程あるい
はトリクロロシラン等の珪素化合物を製造する製造工程
等から排出される排気ガスに含まれる珪素化合物を、洗
浄液との気液接触により除去した後、除害された排気ガ
スを大気中に放出する装置である。本実施の形態におい
ては、シリコン薄膜の気相成長工程から排出される排気
ガスを除害処理する場合について説明する。
【0016】シリコン薄膜の気相成長工程においては、
原料ガスとしてモノシラン、ジクロロシラン、トリクロ
ロシラン、四塩化珪素等の珪素化合物、キャリアガスと
してH2ガス、ドーパントガスとしてジボラン(B
26)、ホスフィン(PH3)等が通常用いられる。また、
上記工程に用いられる反応装置の内部を清浄にする為、
HClガスが用いられる。そして、原料ガスの反応生成
物である四塩化珪素、トリクロロシラン、ジクロロシラ
ンや、未反応の上記原料ガス、H2ガス、ドーパントガ
ス、HClガス等を含む排気ガスがスクラバー1へ導入
される。
【0017】スクラバー1は、除害塔2、排気ガス導入
管3、不活性ガス導入管4、庇板5、洗浄液噴射管6、
充填材7、高圧ジェット流供給管8、処理ガス排出部
9、液受溜10、循環ポンプ11、水位計12、開閉弁
13、排水管14等を備えている。除害塔2は、PVC
により形成されている。除害塔2の内壁表面の全体に
は、洗浄液の下方向への流れに対して垂直に、例えばキ
ズ状の刻みが紙ヤスリ等で細かなピッチの凹凸状に付さ
れている。この結果、PVCは撥水性であるが、除害塔
2の側壁では、洗浄液が刻みを伝いながら側壁全体に流
れることができる。排気ガス導入管3は除害塔2の上端
に備えられ、シリコン薄膜の気相成長工程から排出され
た排気ガスを流す排気ガス配管15と接続されており、
この排気ガスを排気ガス導入口3aから除害塔2内へ図
1の下方向に導入する。排気ガス導入管3及び排気ガス
配管15は円筒形状を有し、排気ガス導入管3の内径は
排気ガス配管15の内径の1/12〜2/3である。つまり、
排気ガス導入管3の内径は、排気ガス配管15の内径よ
りも小さく形成され、排気ガスの除害塔2への導入速度
を高めている。
【0018】排気ガス導入管3内における排気ガスの速
度は、2.7m/秒より速くなるように排気ガス導入管
3の内径が設計されている。これは、排気ガスの導入速
度が2.7m/秒より遅いと、除害塔2内に拡散して水
分を含んだ排気ガスが排気ガス導入管3や排気ガス配管
15へ逆流して堆積物を生じ、これらを閉塞させるため
である。本実施の形態では、5m/秒以上15m/秒以
下の速度で排気ガスを除害塔2内へ導入する。すると、
排気ガスと洗浄液とが気液接触して生成する珪素含有粒
子の直径が1mm以下になる。ただし、排気ガスの逆流
をより効果的に抑制するためには排気ガスの導入速度は
速い方が良いが、排気ガスの速度を15m/秒より高く
すると、除害塔2がPVCにより形成されているため、
静電気が発生しやすくなってしまう。
【0019】不活性ガス導入管4は、排気ガス導入管3
の周囲を取り囲むように設置され、窒素(N2)、ヘリウ
ム(He)、アルゴン(Ar)等の乾燥した不活性ガス
をガス導入口4a(図3)から除害塔2へ導入する。不活
性ガスは、ガス導入口4a付近で排気ガスを取り囲んで
流れる。これにより、除害塔2内に導入された直後に排
気ガスが除害塔2内の水分と反応して、シリコン酸化物
あるいはシリコン水酸化物等の固形反応生成物が排気ガ
ス導入管3の内壁に堆積することを防止する。
【0020】庇板5は、不活性ガス導入管4の下部の周
囲に取り付けられ、図1、図2に示すように下方向に広
がり、排気ガス導入口3aを取り囲む庇状又は傘状の形
状を有している。これは、除害塔2内に導入された直後
の排気ガスが洗浄液に接触することを防止するととも
に、排気ガスの流れを規制して、図3に示すように、排
気ガス導入管3から導入された排気ガスが渦を形成して
上昇した後、再び排気ガス導入管3のガス出口である排
気ガス導入口3aや不活性ガス導入管4のガス導入口4
a付近へ流れることを抑制するためである。これによ
り、排気ガス導入口3aや不活性ガス導入管4のガス導
入口4aに固形の反応生成物が堆積することを抑制す
る。排気ガスの流れの規制は、不活性ガス導入管4内に
流す不活性ガスの流速を速くする(例えば、窒素を毎秒
10mの速度で流す)ことによっても達成することがで
きる。
【0021】図3は導入された排気ガスの流れを模式的
に示す図であり、図3の点線の矢印は庇板5がない場合
の排気ガスの流れを示し、実線の矢印は、本実施の形態
における排気ガスの流れを示す。庇板5により、排気ガ
スが排気ガス導入口3aや不活性ガス導入管4のガス導
入口4a付近へ流れることをほぼ防いでいるが、排気ガ
スの一部は庇板5と不活性ガス導入管4との間に流れて
いるのがわかる。このため、図4に示すように庇板5の
下側に固形物が堆積するが、後述の高圧ジェット流供給
管8から噴射される高圧ジェット流状の水により固形物
は除去できる。
【0022】洗浄液噴射管6は、庇板5の上方であっ
て、不活性ガス導入管4の周囲に位置している。洗浄液
は、HCl等の酸成分を含む水溶液でも良いし、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ成分を含む水
溶液でも良い。あるいは水道水でも良い。洗浄液噴射管
6には、除害塔の下方向及び側壁に対して洗浄液を噴射
する第1の噴射口6aと、除害塔の上壁に対して洗浄液
を噴射する第2の噴射口6bがそれぞれ複数形成され、
洗浄液噴射管6は、除害塔2内に拡散した排気ガスに対
して洗浄液を噴射するとともに、除害塔2の上壁と側壁
に洗浄液が流れるように洗浄液を噴射する。除害塔2の
上壁及び側壁を含む内壁面に付着した固形の反応生成物
は、特にその直径が1mm以下の場合、内壁面を流れる
洗浄液により容易に洗い流される。
【0023】洗浄液噴射管6から噴射された洗浄液は、
排気ガス導入管3から導入された排気ガスと充填材7の
表面で効率的に気液接触する。第2の噴射口6bから除
害塔2の上壁方向へ噴射された洗浄液の一部は、洗浄液
噴射管6上へ落ちるため、洗浄液噴射管6自体も洗浄さ
れる。これは、洗浄液噴射管6へシリコン水酸化物等の
固体状物質が堆積することを防止する。高圧ジェット流
供給管8は、庇板5の下方に設けられ、図4に示すよう
な庇板5の下側に堆積するシリコン水酸化物等の固体状
物質に対して、高圧ジェット流の水を噴射して堆積物を
除去する。
【0024】処理ガス排出部9は除害塔2の横に並列に
設置され、液受溜10を介して除害塔2に接続されてい
る。排気ガスと洗浄液とが気液接触することにより、珪
素化合物とHClガス成分が除去されて大気中に放出可
能な濃度まで除害された排気ガスは、処理ガス排出部9
を通り、大気中へ放出される。
【0025】液受溜10は除害塔2と処理ガス排出部9
の下部に設置され、洗浄液噴射管6及び高圧ジェット流
供給管8から噴射された洗浄液等を受ける。液受溜10
の洗浄液は、循環ポンプ11で汲み上げられて洗浄液噴
射管6へ供給され、再び洗浄液として噴射されて排気ガ
スと気液接触する。水位計12は、液受溜10の水位を
検出するためのもので、液受溜10の液面が設定された
水位より低下すると水位計12に連動する開閉弁13が
開き、洗浄液が補給される。また、水位が上昇し過ぎる
と強制的に排水管14から排水される。
【0026】次に、上記スクラバー1における排気ガス
処理方法について説明する。まず、シリコン薄膜の気相
成長工程から排出される珪素化合物、HClガス、H2
ガス等を含む排気ガスは、排気ガス配管15内を毎秒
0.1m〜1.3mの速度で流れるが、排気ガス導入管
3内に流れ込んだ時に加速され、排気ガス導入管3の内
部を毎秒5m〜15mの速度で流れる。そして、排気ガ
スは速度が毎秒5m〜15mの状態で、排気ガス導入口
3aから除害塔2の内部へ下方向に導入される。この
時、この排気ガスはH2ガスを99%程度含むので質量
が軽く、図3に示すように、除害塔2に導入されると排
気ガスの一部は除害塔2の上部へ流れる。
【0027】不活性ガス導入管4からは、排気ガスの導
入される方向と同一の方向へ排気ガスを取り囲んで窒素
ガスが毎秒1mの速度で導入される。窒素ガスの導入及
び庇板5による排気ガスの流れ方向の規制にもかかわら
ず、庇板5の不活性ガス導入管4側に堆積物が付着した
時は、高圧ジェット流供給管8から高圧ジェット流状の
水を堆積物に対して噴射して堆積物を除去する。
【0028】除害塔2の内部では、洗浄液噴射管6が除
害塔2の上下方向に対して洗浄液を噴射しており、この
洗浄液と導入された排気ガスとが気液接触する。噴射さ
れた洗浄液は、除害塔2の上壁全体や側壁全体に付され
た刻みを伝いながら、除害塔2内の内壁面全体を絶え間
なく流れる。上壁方向へ噴射された洗浄液の一部は、洗
浄液噴射管6自体に付着した固形物も洗い流す。毎秒5
m〜15mの速度で除害塔2内に導入された排気ガスと
洗浄液噴射管6から噴射された洗浄液とが気液接触する
と、排気ガス中の珪素化合物と洗浄液とが反応してシリ
コン酸化物、シリコン水酸化物等の固形物とHClとが
生成し、排気ガスから珪素化合物が除去される。その際
に生成する珪素含有粒子は、直径1mm以下である。こ
の粒子の直径が1mm以下の場合、洗浄液で容易に洗い
流すことができるので、除害塔2の内壁面への堆積を抑
制できる。また粒径が小さいので、洗浄液噴射管6や充
填材7あるいは循環ポンプ11の目詰まりを抑制するこ
とができる。
【0029】排気ガスは、さらに除害塔2の下方向へ流
れ、充填材7を通る。この時排気ガスは、洗浄液噴射管
6から噴射された洗浄液と効率的に気液接触する。この
排気ガスは、シリコン薄膜の気相成長工程から排出され
るHClガス、及び、除害塔2の内部における珪素化合
物と洗浄液との反応により生成したHClガスを含んで
いる。排気ガスと洗浄液との気液接触により、排気ガス
中のHClガスが洗浄液に溶解して、排気ガスは除害さ
れる。
【0030】そして、HClガス成分が放出基準値以下
の濃度に除害処理された排気ガスは液受溜10の上部を
通り、処理ガス排出部9から大気中へ放出される。気液
接触した洗浄液及び高圧ジェット流供給管8から噴射さ
れた水は液受溜10で回収された後、循環ポンプ11に
より再び洗浄液噴射管6へ供給され、洗浄液として噴射
される。
【0031】上記のようにして除害塔2内の内壁表面全
体及び各部への反応生成物の堆積を抑制することで、排
気ガスの除害処理を長期間連続的に行うことができ、本
実施の形態の場合、スクラバー1の清掃は半年以上不要
となる。
【0032】なお、上記実施の形態では、除害塔2へ導
入される排気ガスがシリコン薄膜の気相成長工程から排
出される排気ガスである場合について説明したが、これ
に限らず、前述のトリクロロシラン等の珪素化合物を製
造する製造工程から排出される排気ガスについても本発
明は適用できる。また、不活性ガスとして窒素ガスを例
に挙げたが、アルゴンガス等他の不活性ガスを用いても
良い。また、洗浄液噴射管6は棒状の形状を例示した
が、これに限らず、例えば不活性ガス導入管を取り囲む
リング状であってもよい。さらに、洗浄液噴射管6の本
数は複数であってもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明による代表的なものによって得ら
れる効果を説明すれば、排気ガス導入管内における排気
ガスの速度を排気ガス配管内における速度よりも高める
ため、排気ガスの速度は排気ガス配管内の排気速度より
も除害塔内への導入速度が高くなり、排気ガス導入管及
び排気ガス配管への水分の逆流を抑制し、排気ガスと洗
浄液とが気液接触して生成する固形反応生成物の排気ガ
ス導入管及び排気ガス配管への堆積を抑制できる。ま
た、排気ガスの除害塔内への導入速度が高まるので、排
気ガスと除害塔内の洗浄液との接触頻度が高まり、排気
ガス中の珪素化合物と洗浄液との反応性を高めることが
できる。その結果、反応生成物の大きさを小さくでき、
除害塔内の壁面への反応生成物の堆積や、洗浄液噴射
管、循環ポンプあるいは充填材の目詰まりを抑制でき
る。従って、排気ガスの除害処理を長期間連続して行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気ガス処理装置の概略構成を示
す縦断面図である。
【図2】図1の矢印A−A線に沿った除害塔の断面図で
ある。
【図3】除害塔に導入された排気ガスの流れを模式的に
示す図である。
【図4】図1の除害塔の上部を拡大して示す部分縦断面
図であり、庇板に反応生成物が堆積している様子を示
す。
【図5】従来の排気ガス処理装置を示すもので、(a)
は排気ガス処理装置の概略構成を示す縦断面図、(b)
は排気ガス導入部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 排気ガス処理装置(スクラバー) 2 除害塔 3 排気ガス導入管 3a 排気ガス導入口 4 不活性ガス導入管 5 庇板 6 洗浄液噴射管 6a 第1の噴射口 6b 第2の噴射口 8 高圧ジェット流供給管 9 処理ガス排出部 10 液受溜 11 循環ポンプ 15 排気ガス配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/46 53/68 (72)発明者 寺嶋 誠一 群馬県安中市磯部二丁目13番1号 信越半 導体株式会社磯部工場内 Fターム(参考) 4D002 AA19 AA26 AC10 BA02 CA01 CA07 DA02 DA03 DA12 DA35 DA70 GA01 GB20 HA06 5F045 AB02 AC03 AC05 AC15 AC19 BB15 EG06 EG07 EG10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガス配管に接続された排気ガス導入
    管を経由して、排気ガスを排気ガス導入口から除害塔内
    に導入し、該除害塔内で前記排気ガスと洗浄液とを気液
    接触させて排気ガスの除害処理を行う排気ガス処理方法
    において、 前記排気ガス導入管内における排気ガスの速度を前記排
    気ガス配管内における速度よりも高めることを特徴とす
    る排気ガス処理方法。
  2. 【請求項2】 前記排気ガス導入管内における排気ガス
    の速度は、2.7m/秒より速いことを特徴とする請求
    項1記載の排気ガス処理方法。
  3. 【請求項3】 前記排気ガス導入管内における排気ガス
    の速度は、5m/秒以上15m/秒以下であることを特
    徴とする請求項1記載の排気ガス処理方法。
  4. 【請求項4】 前記排気ガスは珪素化合物を含み、前記
    排気ガスと洗浄液とが気液接触して生成する珪素含有粒
    子の直径が、1mm以下となるようにすることを特徴と
    する請求項3に記載の排気ガス処理方法。
  5. 【請求項5】 前記排気ガス導入口から前記除害塔内に
    導入された排気ガスを取り囲んで、不活性ガスを排気ガ
    スの流れ方向と同一方向に流すとともに、該不活性ガス
    の周囲に洗浄液を供給することを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれかに記載の排気ガス処理方法。
  6. 【請求項6】 前記除害塔の内壁面に刻みを付けること
    により、前記除害塔の内壁表面全体に洗浄液を流すこと
    を特徴とする請求項1記載の排気ガス処理方法。
  7. 【請求項7】 前記洗浄液は複数の噴射口を有する噴射
    管から噴射され、該噴射管から噴射された洗浄液の一部
    は、前記噴射管自体を洗浄することを特徴とする請求項
    1、4、5のいずれかに記載の排気ガス処理方法。
  8. 【請求項8】 排気ガス配管に接続された排気ガス導入
    管を経由して、排気ガスを排気ガス導入口から除害塔内
    に導入し、該除害塔内で前記排気ガスと洗浄液とを気液
    接触させて排気ガスの除害処理を行う排気ガス処理装置
    において、 前記排気ガス導入管を取り囲んで不活性ガスを除害塔内
    に導入する不活性ガス導入管と、 前記不活性ガス導入管のガス出口の周囲で該ガス出口を
    取り囲む庇板と、 前記不活性ガス導入管の周囲に洗浄液を供給する噴射管
    と、を備え、 前記排気ガス導入管の内径は前記排気ガス配管の内径よ
    りも狭いことを特徴とする排気ガス処理装置。
  9. 【請求項9】 前記除害塔内の内壁面に、刻みを付けた
    ことを特徴とする請求項8記載の排気ガス処理装置。
  10. 【請求項10】 前記噴射管は、噴射した洗浄液が前記
    除害塔の内壁表面を洗浄する第1の噴射口と、噴射した
    洗浄液が噴射管自体を洗浄する第2の噴射口とを有する
    ことを特徴とする請求項8記載の排気ガス処理装置。
JP2000324167A 2000-10-24 2000-10-24 排気ガス処理方法及び排気ガス処理装置 Pending JP2002134419A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000324167A JP2002134419A (ja) 2000-10-24 2000-10-24 排気ガス処理方法及び排気ガス処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000324167A JP2002134419A (ja) 2000-10-24 2000-10-24 排気ガス処理方法及び排気ガス処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002134419A true JP2002134419A (ja) 2002-05-10

Family

ID=18801741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000324167A Pending JP2002134419A (ja) 2000-10-24 2000-10-24 排気ガス処理方法及び排気ガス処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002134419A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006167664A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Rohm Co Ltd 排ガスの水洗浄装置
JP2011168430A (ja) * 2010-02-17 2011-09-01 Mitsubishi Materials Corp ポリマー処理装置および処理方法
KR101176517B1 (ko) 2011-03-17 2012-08-23 신도이앤씨 (주) 반응액 분사 장치를 개량한 규소화합물 함유 배가스 정화 장치
KR101972934B1 (ko) * 2018-07-31 2019-04-26 장영선 반도체 또는 실리콘 제조 공정에서 생성되는 모노실란에 의한 배관 막힘 및 화재를 방지하는 장치
WO2020261518A1 (ja) * 2019-06-27 2020-12-30 カンケンテクノ株式会社 排ガス除害ユニット
JP7331685B2 (ja) 2019-12-23 2023-08-23 株式会社レゾナック スクラバー

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006167664A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Rohm Co Ltd 排ガスの水洗浄装置
JP4518556B2 (ja) * 2004-12-17 2010-08-04 ローム株式会社 排ガスの水洗浄装置
JP2011168430A (ja) * 2010-02-17 2011-09-01 Mitsubishi Materials Corp ポリマー処理装置および処理方法
KR101176517B1 (ko) 2011-03-17 2012-08-23 신도이앤씨 (주) 반응액 분사 장치를 개량한 규소화합물 함유 배가스 정화 장치
KR101972934B1 (ko) * 2018-07-31 2019-04-26 장영선 반도체 또는 실리콘 제조 공정에서 생성되는 모노실란에 의한 배관 막힘 및 화재를 방지하는 장치
WO2020261518A1 (ja) * 2019-06-27 2020-12-30 カンケンテクノ株式会社 排ガス除害ユニット
JP7331685B2 (ja) 2019-12-23 2023-08-23 株式会社レゾナック スクラバー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3476126B2 (ja) 排ガス洗浄装置
JP6718566B1 (ja) 排ガス除害ユニット
PL183592B1 (pl) Urządzenie płuczące do oczyszczania gazów spalinowych
JPH10199819A (ja) 単結晶エピタキシャル層を蒸着する方法及びその装置
JP2001502604A (ja) 半導体製造排気の酸化処理のための排気流処理システム
JP2002134419A (ja) 排気ガス処理方法及び排気ガス処理装置
JP2000279736A (ja) 尿素ダスト及びアンモニアを含有する流体の処理装置、それを用いた処理方法及びそれを付設した尿素製造装置
EP1027918A1 (en) Method and apparatus for processing exhaust gas of semiconductor fabrication
JP3215081B2 (ja) 半導体製造排ガスの除害装置及び除害方法
JP7128078B2 (ja) 除害装置、除害装置の配管部の交換方法及び除害装置の配管の洗浄方法
KR0164529B1 (ko) 배출가스 처리장치 및 방법
JPH0763583B2 (ja) 半導体排ガス除害方法とその装置
JP2000024447A (ja) 排ガス処理装置
JP2005087958A (ja) 排ガス導入構造および該構造を用いた排ガス処理装置
JPS6359337A (ja) 排ガス処理方法とその装置
JPH0677669B2 (ja) 排ガス処理方法とその装置
US20040216610A1 (en) Gas processing system comprising a water curtain for preventing solids deposition of interior walls thereof
JP3257539B2 (ja) 排気ダクト内の反応生成物除去装置
JP2608124B2 (ja) 排ガス処理装置
KR100496206B1 (ko) 폐가스 처리장치 및 방법
JP4182940B2 (ja) エピタキシャルウェーハ製造装置向け排ガススクラバー装置
KR102611042B1 (ko) 고착분말의 탈리와 배출기능을 겸비하는 반도체 폐가스 처리장치
JP4828722B2 (ja) 除害装置
JP4518556B2 (ja) 排ガスの水洗浄装置
JP4128860B2 (ja) アンモニア含有排水の浄化方法および装置