JP4128860B2 - アンモニア含有排水の浄化方法および装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明はアンモニア含有排水の浄化方法および装置に関し、さらに詳しくは半導体製造設備等から排出される排水中のアンモニアを好適に除去することができるアンモニア含有排水の浄化方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体設備等から排出される排水には、アンモニアや過酸化水素等が含まれている。この排水中のアンモニアを除去する方法としては、アンモニアストリッピング法を用いたアンモニア処理装置が知られている(例えば、特許文献1等)。
図4は、従来のアンモニア処理装置の説明図である。図4において、アンモニア処理装置は、排水供給管20から供給されたアンモニア含有排水を貯留するpH調整槽21と、pH調整剤槽21にアルカリ剤を配管32により供給するアルカリ剤供給装置4と、アルカリ剤の添加によりpHが調整された排水を散布する放散塔1と、該放散塔1内の配管2の端部に逆T字管として設けられた前記排水を散布する散布口5を備えた液分散器2Aと、該分散口5から散布された、散布液と気液接触して前記排水中からアンモニアを放散させて搬送する蒸気および空気を供給する蒸気供給管30および空気供給管31と、上記気液接触を行わせるための充填物が充填された充填層3と、該放散塔1の塔頂から搬送されたアンモニアを触媒に接触させて分解除去する触媒反応器10とを有する。
【0003】
このような構成において、半導体製造設備等から排出されたアンモニア含有排水は、排水供給管20からpH調整槽21に供給され、pH調整槽21で水酸化ナトリウム等のpH調整剤によりpHが調整された後、熱交換器23により加熱された後、ポンプ22により配管2から放散塔1に供給される。放散塔1に供給された排水は、液分散器2Aの分散口5から充填層3に放散される。放散された散布液は充填層3内を落下しながら、放散塔1の下部に設けられた蒸気配管30および空気供給管31により供給される蒸気および空気と気液接触を行い、排水中のアンモニアを放散する。放散されたアンモニアガスは、蒸気および空気とともに放散塔1の塔頂から排出され、アンモニアガス配管8により加熱器9を経て触媒反応器10に供給され、ここでN2 とH2 Oに分解除去され、処理ガスとして大気中に排出される。一方、アンモニアを放散した排水は、放散塔1下部の液溜め4に貯留された後、ポンプ6により熱交換器23を経て処理水として系外に排出される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−172384号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のアンモニア処理装置において、アンモニア含有排水は、図5に示すように、放散塔1内に設けられた充填層3の表面から離れた上部に設置された液分散器2の分散口5から噴射されるため、噴射された分散液が、分散口5の直下にある充填層3の表面に衝突し、 充填層3内に充填された充填物7に叩き付けられる。この衝突により分散液はしぶきとなって細かいミストを形成し、該ミストが、充填層3の下部から吹き込まれる蒸気や空気の流れに同伴し、アンモニアガスとともに放散塔1の塔頂から後流の機器に搬送されることになる。搬送されたミストは、加熱器等で加熱されると水分が蒸発し、pH調整剤として添加されたナトリウムがNa2 CO3 等のNa塩を形成して析出する。これらの析出物は触媒反応器10内の触媒の開口部に堆積して閉塞させるため、アンモニア含有ガスの流れが阻害され、アンモニア分解性能が低下するという問題を生じる。
【0006】
ミストを除去する手段としては従来より液分散器2の上部にワイヤメッシュタイプのデミスタを設置する方法が知られているが、このデミスタは、慣性衝突でミストを捕集するため、1〜2μm以下の細かい粒径のミストを捕集することができない。またデミスタを設置すると放散塔内の圧力損失が増加し、空気ブロワの吐出圧力を大きくする必要があるため、空気ブロワの装置容量および動力が大きくなり、また、デミスタの閉塞防止のために洗浄装置を設置したり、 定期的に監視等が必要となり、設備費、運転費が増加することになる。
【0007】
本発明の課題は、上記技術の問題点を解決し、アンモニア含有排水を容易に浄化することができるアンモニア含有排水の浄化方法および装置を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、液分散器の分散口を放散塔の充填層の表面に接触させるか、または埋没させてアンモニア含有排水を放散させることにより、上記課題を達成できることを見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち、本願で特許請求される発明は以下の通りである。
【0009】
(1)アンモニアを含む排水を、充填層を有する放散塔内の液分散器の分散口から散布することにより該排水中のアンモニアを放散、除去する方法において、該放散塔内にアンモニアを含む排水を供給する際、前記液分散器の分散口を前記充填層に接触または埋没させて前記アンモニア含有排水を放散させることを特徴とするアンモニア含有排水の浄化方法。
(2)アルカリ成分が添加されたアンモニア含有排水を分散ノズルから散布する液分散器と、該液分散器から散布された散布液と気液接触して前記排水中のアンモニアを放散、搬送する蒸気および空気を供給する手段と、上記気液接触を行わせるための充填物が充填された充填層とを備えた放散塔、および該放散塔から搬送されるアンモニアを分解除去する触媒反応器を有するアンモニア含有排水の浄化装置において、前記液分散器の分散口を前記充填層に接触または埋没させて前記アンモニア含有排水を放散させるようにしたことを特徴とするアンモニア含有排水の浄化装置。
【0010】
【作用】
分散液のミスト発生の主な原因は、液分散器より噴射された分散液がその直下にある充填物に衝突して液しぶきを発生させることにある。 従来の場合には液分散器の分散口と充填層の間に空間が存在するため、液しぶきが広範囲に飛散してミストを形成しやすい。
そこで、本発明では、液分散器の分散口と充填物との間に形成される空間をゼロにすることにより、すなわち分散口を充填層の表面に接触させ、または埋没させて排水を放散させることにより、分散口から噴射される液の衝突力を失わせることができ、排水は液しぶきを発生させることがなく充填物を伝わって流れ落ちることができる。特に液分散器の分散口を充填層内に埋設させることにより、液しぶきが万が一に発生しても分散口の上部にも充填物が存在するため、液しぶきが充填物に衝突して捕集され、ミストの発生を完全に防ぐことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施例であるアンモニア含有排水の浄化装置の説明図である。図1において、従来の図4の装置と異なる点は、配管2の端部の逆T字管からなる液分散器2Aに設けられた分散口5を充填層3に埋没させて設置し、pHが調整されたアンモニア含有排水を充填層3内の充填物に直接給液して充填層3内を放散、落下させるようにした点である。
図2には、図1における液分散器2Aの分散口5が充填物7に埋没している状態を示した。
【0012】
このように液分散器2の分散口5を充填層3の充填物7の中に埋設させることにより、液分散器2から給液される液が充填層3内の充填物に対して衝突して液しぶきを発生させることなく、染み出るように充填層内を流れ落とることができる。従って、従来技術のように分散液が充填物を叩きつけられる際に発生する細かいミストの発生がなく、充填層3の下部から吹き込まれる蒸気や空気にミストが同伴することがないため、後流機器において液中のNaCO3 等のNa塩が析出するのを防止できる。またこの析出による触媒開口部の閉塞等の不具合を発生させることもない。
本発明の効果を確認するために、図1の本発明の浄化装置と図4の従来の装置を同一の条件で稼働させて放散塔1の塔頂から排出されるアンモニア含有ガス中のミストの濃度の測定を行った。その結果を表1に示したが、本発明の装置の場合には、ミスト濃度を大幅に低減させることができることが確認された。
【0013】
【表1】
【0014】
図3は、本発明の他の実施例の説明図であり、図2における液分散器2Aを省略し、排水の供給配管2に設けられた枝管の端部を分散口5Aとして充填物7に埋没させた例である。分散口5Aには必要により分散板等を設けてもよい。この場合、図2の場合と異なり、液分散器2Aがない構造であるため、放散塔1の壁のハンドホール等から充填物を充填する作業性が向上し、 また分散口5Aを充填層内に埋設するのが容易になる。なお、液の分散性は図2の構造の場合より低下するが、充填層内での液の拡散は、一般的に液が供給された場所から放散塔の内径相当の距離があれば十分拡散するので、充填層3の高さを、アンモニア放散性能に必要な充填層高さに放散塔内径相当の高さ分を見込んだ高さとすることにより、分散性の低下を解消することができる。
【0015】
【発明の効果】
請求項1または2記載の発明によれば、例えば液分散器の分散口を充填層の表面に接触または埋没させて排水を放散させるという比較的容易な構造で充填層から発生するミストを効果的に低減できるため、アンモニア含有排水を容易に浄化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例を示すアンモニア含有排水の浄化装置の説明図。
【図2】図1の液分散器に設けられた分散口の設置状態説明図。
【図3】本発明の他の実施形態である給液口の設置状態説明図。
【図4】図4は従来技術によるアンモニア処理装置の説明図。
【図5】従来技術の液分散器と充填層との位置関係の説明図。
【符号の説明】
1…放散塔、2…配管、2A…液分散器、3…充填層、4…液溜め、5、5A…分散口、6…ポンプ、7…充填物、8…アンモニアガス配管、9…加熱器、10…触媒反応器、20…排水供給管、21…pH調整槽、22…ポンプ、23…熱交換器、24…アルカリ剤供給装置、30…蒸気供給管、31…空気供給管、32…配管。
Claims (2)
- アンモニアを含む排水を、充填層を有する放散塔内の液分散器の分散口から散布することにより該排水中のアンモニアを放散、除去する方法において、該放散塔内にアンモニアを含む排水を供給する際、前記液分散器の分散口を前記充填層に接触または埋没させて前記アンモニア含有排水を放散させることを特徴とするアンモニア含有排水の浄化方法。
- アルカリ成分が添加されたアンモニア含有排水を分散ノズルから散布する液分散器と、該液分散器から散布された散布液と気液接触して前記排水中のアンモニアを放散、搬送する蒸気および空気を供給する手段と、上記気液接触を行わせるための充填物が充填された充填層とを備えた放散塔、および該放散塔から搬送されるアンモニアを分解除去する触媒反応器を有するアンモニア含有排水の浄化装置において、前記液分散器の分散口を前記充填層に接触または埋没させて前記アンモニア含有排水を放散させるようにしたことを特徴とするアンモニア含有排水の浄化装置。
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