JP2002130292A - 玉軸受 - Google Patents

玉軸受

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JP2002130292A
JP2002130292A JP2000316697A JP2000316697A JP2002130292A JP 2002130292 A JP2002130292 A JP 2002130292A JP 2000316697 A JP2000316697 A JP 2000316697A JP 2000316697 A JP2000316697 A JP 2000316697A JP 2002130292 A JP2002130292 A JP 2002130292A
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ball
ring
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race
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Seizo Miyazaki
晴三 宮崎
Toru Takamizawa
徹 高見沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軌道輪案内型の保持器を有する玉軸受におい
て、内外輪間の相対回転時の抵抗力の軽減、及び内外輪
間における潤滑不良の防止を図ることのできる玉軸受を
提供すること。 【解決手段】 内輪23と外輪25の2つの軌道輪間に
組み込まれる複数個の玉27相互の間隔を規制する玉軸
受21の保持器29において、内輪23及び外輪25と
略同心の環状をなす主部31に突設される摺接案内部3
7の径方向の突出長をA、摺接案内部37が摺接する軌
道輪の周面と摺接案内部37との間の隙間である案内隙
間の最大値をSmax、主部31の摺接案内部37の装備
対象ではない周面と対向する軌道輪周面との間の隙間を
Tとするとき、T>(Smax/2)+Aを満足するよう
に、主部31及び摺接案内部37の寸法を設定した構
成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内輪及び外輪の2
つの軌道輪間に装備する保持器のラジアル方向の位置決
めを、何れか一方の軌道輪に摺動自在に接触する摺接案
内部によって行う形式の玉軸受に関するもので、詳しく
は、内外輪間の相対回転時の抵抗力の軽減、及び内外輪
間における潤滑不良の防止を図るための改良に係るもの
である。
【0002】
【従来の技術】玉軸受は、外輪と内輪との間に組み込む
複数個の玉相互の間隔を規制する保持器のラジアル方向
の位置決め構造により、玉案内型と、軌道輪案内型に大
別することができる。
【0003】玉案内型は、保持器のポケット内に嵌合す
る玉と保持器との間における軌道輪半径方向への相対変
位量を、保持器と内外輪間の隙間Sよりも小さくなるよ
うに設定して、玉を介して、保持器のラジアル方向の位
置を規制するようにしたものである。
【0004】軌道輪案内型は、例えば、保持器の内周
に、軸受の内輪外周に摺動自在に接触する摺接案内部を
突設して、前記摺接案内部と内輪との当接によって保持
器のラジアル方向の位置を規制するようにしたもので、
前記摺接案内部を保持器の内周に装備するか外周に装備
するかによって、更に内輪案内型と外輪案内型に分けら
れる。
【0005】ところで、コンピュータの外部記憶装置と
して使用されるハードディスクドライブ装置(HDD)
や、ビデオテープレコーダ(VTR)等の機器は、小型
化が進み、このような小型の機器における回転軸の支承
には、玉の外径が数mm以下となるミニアチュア玉軸受
が使用される。
【0006】一般的に、前述した玉案内型は、玉の外径
が小さくなると、高精度の位置決めが困難になり、保持
器の振動による騒音を招き易くなり、ミニアチュア玉軸
受を使用する小型の精密機器では、保持器の振動による
騒音が機器の諸性能を低下させる要因となる恐れがあ
る。そこで、ミニアチュア玉軸受の場合は、保持器の位
置決めを軌道輪案内型にすることが一般的となってい
る。
【0007】図10〜図13は、このようなミニアチュ
ア玉軸受の従来例を示したものである。ここに示した玉
軸受1は、内輪案内型に分類される玉軸受で、特開平1
0−159855号公報に開示の玉軸受と実質的に同一
の構成である。
【0008】具体的には、前記玉軸受1は、内輪3と外
輪5の2つの軌道輪間に組み込まれる複数個の玉7相互
の間隔を規制する保持器9が、内輪3及び外輪5と略同
心の環状をなす主部11と、この主部11の軸線方向片
側に突設されて前記玉7が転動自在に嵌合するポケット
13を有した複数個の玉保持部15と、前記主部11の
内周に径方向に突出して設けられて内輪3の外周面に摺
動自在に接触することで保持器自体のラジアル方向の位
置決めを果たす摺接案内部17とを備えた構成である。
【0009】保持器9は、合成樹脂等による一体成形品
で、玉保持部15は、軌道輪の軸線方向に突出する一対
の弾性片15a,15bによってポケット13を形成す
る。ポケット13の内周面は、玉7の外径よりも僅かに
大きな曲率の球面で玉7を転動自在に保持している。ま
た、摺接案内部17は、略半円状の突起で、主部11の
内周に、周方向に等間隔で間欠的に装備されている。
【0010】以上の玉軸受1は、通常、内輪3と外輪5
の間に玉7と保持器9とを組み付けた後、内外輪間の隙
間の洗浄を行い、その後に、玉7の転動を円滑にするた
めのグリース等の適宜潤滑油を内外輪間の隙間に充填す
る。そして、必要に応じて、軌道輪にシール板19を装
備して、潤滑油の安易な漏洩を防止する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した内
輪案内型の玉軸受1では、内外輪間の相対回転時の抵抗
力の軽減等のために、摺接案内部17と内輪3との接触
面積の低減が有効であり、前述したように、摺接案内部
17を突起状とすることで、接触面積の低減が図られ
る。
【0012】しかし、摺接案内部17を突起状とした場
合、隣接する突起と内輪外周とで囲う開口が小さく、且
つ、充填した潤滑油からの離油量が多いときには、離油
の表面張力によって、隣接する突起と内輪外周とで囲う
開口に油膜が張って、この油膜が、内外輪間の相対回転
時の抵抗力の増大を招く。
【0013】このような隣接する突起と内輪外周とで囲
う開口での油膜形成を防止するには、摺接案内部17と
しての突起の突出長を増大して、隣接する突起と内輪外
周とで囲う開口面積の増大を図ることが有効になる。
【0014】しかし、摺接案内部17としての突起の突
出長を増大させると、その反面、主部11の外周と外輪
内周との間隔が狭くなり、主部11の内周と内輪外周と
の間における油膜の形成は防止できても、今度は、主部
11の内周と外輪内周との間の開口へ油膜が張って、そ
の油膜が内外輪間の相対回転時の抵抗力の増大を招く恐
れがある。
【0015】そこで、保持器9の主部11の内周側及び
外周側のいずれの開口にも油膜が形成されないような工
夫が、ミニアチュア玉軸受における今後の課題とされて
いる。
【0016】また、前述した構成の場合、玉7の前記ポ
ケット13内における軌道輪半径方向への移動許容量が
小さく、ポケット13の縁が玉7の表面に当接すると、
ポケット13の縁が玉7の表面に付着している潤滑油を
掻き取って、玉7の表面の潤滑油不足を招いたり、ある
いは玉7と内外輪の軌道面との間の潤滑油不足を招き、
結果的に、玉7の表面や内外輪の軌道面に潤滑油不足に
起因する損傷及び騒音を招くという問題が生じる。
【0017】したがって、保持器9のポケット13の縁
による潤滑油の掻き取り防止を図ることも、今後の課題
とされていた。
【0018】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることにあり、軌道輪案内型の保持器を有する玉軸受に
おいて、内外輪間の相対回転時の抵抗力の軽減、及び内
外輪間における潤滑不良の防止を図ることのできる玉軸
受を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、内
輪と外輪の2つの軌道輪間に組み込まれる複数個の玉相
互の間隔を規制する保持器が、内輪及び外輪と略同心の
環状をなす主部と、この主部の軸線方向片側に突設され
て前記玉が転動自在に嵌合するポケットを有した複数個
の玉保持部と、前記主部の外周又は内周に径方向に突出
して設けられて突出方向に対向する外輪の内周面又は内
輪の外周面に摺動自在に接触することで保持器自体のラ
ジアル方向の位置決めを果たす摺接案内部とを備える玉
軸受において、前記摺接案内部の径方向の突出長をA、
前記摺接案内部が摺接する軌道輪の周面と前記摺接案内
部との間の隙間である案内隙間の最大値をSmax、前記
主部の前記摺接案内部の装備対象ではない周面と対向す
る軌道輪周面との間の隙間をTとするとき、 T>(Smax/2)+A を満足するように、前記主部及び摺接案内部の寸法を設
定したことを特徴とする玉軸受により達成される。
【0020】保持器の主部の内周又は外周に突設する摺
接案内部を突起状とした場合、隣接する摺接案内部と主
部と軌道輪とで囲う開口部への油膜の形成に影響するパ
ラメータとしては、例えば、突起となる摺接案内部の間
隔、突起となる摺接案内部の突出長、摺接案内部の外郭
形状、軸受内に充填されるグリースの離油度や離油量、
基油の粘度、ちょう度、内部潤滑油(工程防錆油)の粘
度と量、などの多数のものがあり、これらの全てのパラ
メータを適正に設定するのは、膨大な実験と分析が必要
となり、経済的及び商品開発期間等の観点から、現実的
でない。
【0021】しかし、摺接案内部の径方向の突出長A、
案内隙間の最大値をSmaxとから、上記構成のように、
前記主部の前記摺接案内部の装備対象ではない周面と対
向する軌道輪周面との間の隙間Tを設定すれば、突出長
A及び隙間Tの僅か2つのパラメータの最適化だけで、
保持器の主部の内周側及び外周側のいずれに対しても、
離油の表面張力による油膜形成を防止することができ
る。
【0022】そして、内外輪間の相対回転時の抵抗力の
増大を招く油膜形成を簡単かつ効果的に防止すること
で、内外輪間の相対回転時の抵抗力の軽減を図ることが
でき、より円滑で省エネルギーな回転部支持を実現する
ことができる。
【0023】また、本発明の上記目的は、内輪と外輪の
2つの軌道輪間に組み込まれる複数個の玉相互の間隔を
規制する保持器が、内輪及び外輪と略同心の環状をなす
主部と、この主部の軸線方向片側に突設されて前記玉が
転動自在に嵌合するポケットを有した複数個の玉保持部
と、前記主部の外周又は内周に径方向に突出して設けら
れて突出方向に対向する外輪の内周面又は内輪の外周面
に摺動可能に接触することで保持器自体のラジアル方向
の位置決めを果たす摺接案内部とを備える玉軸受におい
て、前記摺接案内部が摺接する軌道輪の周面と前記摺接
案内部との間の隙間である案内隙間の最大値をSmax
前記玉の前記ポケット内における軌道輪半径方向への移
動許容量をmとするとき、 Smax<m を満足するように、前記主部及び摺接案内部の寸法を設
定したことを特徴とする玉軸受により達成される。
【0024】そして、上記構成によれば、保持器と玉と
の接触は、保持器のポケット内における略球面状の抱き
面で起こり、鋭角なポケットの縁が玉の表面に接触する
ことを防止することができる。
【0025】そのため、ポケットの縁が玉の表面に付着
している潤滑油を掻き取ることを防止でき、玉の表面の
潤滑油不足を防止すると同時に、玉と内外輪の軌道面と
の間の潤滑油不足を防止することができ、結果的に、玉
の表面や内外輪の軌道面の潤滑油不足に起因する損傷及
び騒音を防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る玉軸受の好適
な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図
6は本発明に係る玉軸受の第1の実施形態を示したもの
で、図1は本発明に係る玉軸受の第1の実施形態の正面
図、図2は図1のB−B線に沿う断面図、図3は図1の
玉軸受で使用している保持器の正面図、図4は図3のC
−C矢視断面図、図5は図3のD矢視断面図、図6は図
1に示した玉軸受の要部の拡大断面図である。
【0027】この第1の実施形態の玉軸受21は、コン
ピュータの外部記憶装置として使用されるハードディス
クドライブ装置(HDD)や、ビデオテープレコーダ
(VTR)等の精密情報機器等の回転軸の支承に使用さ
れるミニアチュア玉軸受である。
【0028】この実施形態の玉軸受21は、いわゆる内
輪案内型のもので、内輪23と外輪25の2つの軌道輪
間に組み込まれる複数個の玉27相互の軌道輪周方向の
間隔を規制する保持器29が、内輪23及び外輪25と
略同心の環状をなす主部31と、この主部31の軸線方
向片側に突設されて前記玉27が転動自在に嵌合するポ
ケット33を有した複数個の玉保持部35と、前記主部
31の内周に径方向に突出して設けられて突出方向に対
向する内輪23の外周面に摺動自在に接触することで保
持器自体のラジアル方向の位置決めを果たす摺接案内部
37とを備えた構成である。
【0029】保持器29は、合成樹脂等による一体成形
品で、玉保持部35は、軌道輪の軸線方向に突出する一
対の弾性片35a,35bによってポケット33を形成
している。ポケット33の内周面は、玉27の外径より
も僅かに大きな曲率の球面で玉27を転動自在に保持し
ている。また、摺接案内部37は、略台形状の突起で、
主部31の内周に、周方向に等間隔で間欠的に装備され
ている。
【0030】また、以上の玉軸受21は、通常、内輪2
3と外輪25の間に玉27と保持器29とを組み付けた
後、内外輪間の隙間の洗浄を行い、その後に、玉27の
転動を円滑にするためのグリース等の適宜潤滑油を内外
輪間の隙間に充填する。そして、必要に応じて、軌道輪
にシール板39を装備して、潤滑油の安易な漏洩を防止
する。
【0031】以上の玉軸受21では、図6に示すよう
に、前記摺接案内部37の径方向の突出長をA、前記摺
接案内部37が摺接する軌道輪の周面(即ち、内輪23
の外周面)と前記摺接案内部37との間の隙間である案
内隙間の最大値をSmax、前記主部31の前記摺接案内
部37の装備対象ではない周面と対向する軌道輪周面
(即ち、外輪25の内周面)との間の隙間をTとすると
き、 T>(Smax/2)+A …… (1) を満足するように、前記主部31及び摺接案内部37の
寸法を設定している。
【0032】更に、図6に示すように、本実施形態の玉
軸受21の場合、前記摺接案内部37が摺接する内輪2
3の外周面と前記摺接案内部37との間の隙間である案
内隙間の最大値をSmax、前記玉27の前記ポケット3
3内における軌道輪半径方向への移動許容量(遊び)を
mとするとき、 Smax<m ……(2) を満足するように、前記主部31及び摺接案内部37の
寸法を設定している。
【0033】保持器29の主部31の内周に突設する摺
接案内部37を本実施形態のように突起状とした場合、
隣接する摺接案内部37と主部31と軌道輪23,25
とで囲う開口部への油膜の形成に影響するパラメータと
しては、例えば、突起となる摺接案内部37の間隔、突
起となる摺接案内部37の突出長、摺接案内部37の外
郭形状、軸受内に充填されるグリースの離油度や離油
量、基油の粘度、ちょう度、内部潤滑油(工程防錆油)
の粘度と量、などの多数のものがあり、これらの全ての
パラメータを適正に設定するのは、膨大な実験と分析が
必要となり、経済的及び商品開発期間等の観点から、現
実的でない。
【0034】しかし、摺接案内部37の径方向の突出長
A、案内隙間の最大値Smaxとから、上記構成のよう
に、前記主部31の前記摺接案内部37の装備対象では
ない周面と対向する軌道輪周面との間の隙間Tを設定す
れば、突出長A及び隙間Tの僅か2つのパラメータの最
適化だけで、保持器29の主部31の内周側及び外周側
のいずれに対しても、離油の表面張力による油膜形成を
防止することができる。
【0035】そして、内外輪25間の相対回転時の抵抗
力の増大を招く油膜形成を簡単かつ効果的に防止するこ
とで、内外輪25間の相対回転時の抵抗力の軽減を図る
ことができ、より円滑で省エネルギーな回転部支持を実
現することができる。
【0036】また、本実施形態のように、前記摺接案内
部37が摺接する軌道輪の周面と前記摺接案内部37と
の間の隙間である案内隙間の最大値をSmax、前記玉2
7の前記ポケット33内における軌道輪半径方向への移
動許容量をmとするとき、前述の(2)式を満足するよ
うに、前記主部31及び摺接案内部37の寸法を設定し
ておけば、保持器29と玉27との接触は、保持器29
のポケット33内における略球面状の抱き面で起こり、
鋭角なポケット33の縁が玉27の表面に接触すること
を防止することができる。
【0037】そのため、ポケット33の縁が玉27の表
面に付着している潤滑油を掻き取ることを防止でき、玉
27の表面の潤滑油不足を防止すると同時に、玉27と
内外輪25の軌道面との間の潤滑油不足を防止すること
ができ、結果的に、玉27の表面や内外輪25の軌道面
の潤滑油不足に起因する損傷及び騒音を防止することが
できる。
【0038】なお、本発明の玉軸受において、摺接案内
部の突出形状やポケットの具体的形状は、上記の第1の
実施形態の形状に限らない。図7〜図9には、これらの
摺接案内部の突出形状やポケットの形態を改良した保持
器を示している。
【0039】図7に示した保持器41は、玉が嵌合する
ポケット43の内周面を略円筒状に設定すると共に、内
輪に接触させる摺接案内部45を、略円弧形の突起にし
たものである。図8に示した保持器51は、玉が嵌合す
るポケット53の内周面を略球状に設定すると共に、内
輪に接触させる摺接案内部55を、略円弧形の突起にし
たものである。
【0040】更に、本発明は、摺接案内部を保持器の主
部の外周に突設して、該摺接案内部の外輪内周への接触
により保持器のラジアル方向への位置決めを果たす外輪
案内型の玉軸受にも適用可能である。
【0041】また、保持器に装備する摺接案内部は、軌
道輪の周方向に間欠的に装備する突起に限らない。図9
に示す保持器61のように、内輪案内型の摺接案内部6
3を、周方向に連続した鍔状にしてもよい。
【0042】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、保持器
の摺接案内部の突出長Aと、前記摺接案内部の装備対象
ではない主部の周面と対向する軌道輪周面との間の隙間
Tの僅か2つのパラメータの最適化だけで、保持器の主
部の内周側及び外周側のいずれに対しても、離油の表面
張力による油膜形成を防止することができる。
【0043】そして、内外輪間の相対回転時の抵抗力の
増大を招く油膜形成を簡単かつ効果的に防止すること
で、内外輪間の相対回転時の抵抗力の軽減を図ることが
でき、より円滑で省エネルギーな回転部支持を実現する
ことができる。
【0044】また、請求項2に記載の発明によれば、保
持器と玉との接触は、保持器のポケット内における略球
面状の抱き面で起こり、鋭角なポケットの縁が玉の表面
に接触することを防止することができる。
【0045】そのため、ポケットの縁が玉の表面に付着
している潤滑油を掻き取ることを防止でき、玉の表面の
潤滑油不足を防止すると同時に、玉と内外輪の軌道面と
の間の潤滑油不足を防止することができ、結果的に、玉
の表面や内外輪の軌道面の潤滑油不足に起因する損傷及
び騒音を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る玉軸受の第1の実施形態の正面図
である。
【図2】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図3】図1の玉軸受で使用している保持器の正面図で
ある。
【図4】図3のC−C矢視断面図である。
【図5】図3のD矢視断面図である。
【図6】図1に示した玉軸受の要部の拡大断面図であ
る。
【図7】本発明で使用する保持器の第2の実施形態の一
部正面図である。
【図8】本発明で使用する保持器の第3の実施形態の一
部正面図である。
【図9】本発明で使用する保持器の第4の実施形態の一
部正面図である。
【図10】従来の玉軸受の正面図である。
【図11】図10のA−A線に沿う断面図である。
【図12】図10の玉軸受で使用している保持器の斜視
図である。
【図13】図12に示した保持器の平面図である。
【符号の説明】
21 玉軸受 23 内輪 25 外輪 27 玉 29 保持器 31 主部 33 ポケット 35 玉保持部 37 摺接案内部 39 シール板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と外輪の2つの軌道輪間に組み込ま
    れる複数個の玉相互の間隔を規制する保持器が、内輪及
    び外輪と略同心の環状をなす主部と、この主部の軸線方
    向片側に突設されて前記玉が転動自在に嵌合するポケッ
    トを有した複数個の玉保持部と、前記主部の外周又は内
    周に径方向に突出して設けられて突出方向に対向する外
    輪の内周面又は内輪の外周面に摺動自在に接触すること
    で保持器自体のラジアル方向の位置決めを果たす摺接案
    内部とを備える玉軸受において、 前記摺接案内部の径方向の突出長をA、前記摺接案内部
    が摺接する軌道輪の周面と前記摺接案内部との間の隙間
    である案内隙間の最大値をSmax、前記主部の前記摺接
    案内部の装備対象ではない周面と対向する軌道輪周面と
    の間の隙間をTとするとき、 T>(Smax/2)+A を満足するように、前記主部及び摺接案内部の寸法を設
    定したことを特徴とする玉軸受。
  2. 【請求項2】 内輪と外輪の2つの軌道輪間に組み込ま
    れる複数個の玉相互の間隔を規制する保持器が、内輪及
    び外輪と略同心の環状をなす主部と、この主部の軸線方
    向片側に突設されて前記玉が転動自在に嵌合するポケッ
    トを有した複数個の玉保持部と、前記主部の外周又は内
    周に径方向に突出して設けられて突出方向に対向する外
    輪の内周面又は内輪の外周面に摺動可能に接触すること
    で保持器自体のラジアル方向の位置決めを果たす摺接案
    内部とを備える玉軸受において、 前記摺接案内部が摺接する軌道輪の周面と前記摺接案内
    部との間の隙間である案内隙間の最大値をSmax、前記
    玉の前記ポケット内における軌道輪半径方向への移動許
    容量をmとするとき、 Smax<m を満足するように、前記主部及び摺接案内部の寸法を設
    定したことを特徴とする玉軸受。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019065603A1 (ja) * 2017-09-26 2019-04-04 Ntn株式会社 玉軸受用保持器及び玉軸受
CN112594279A (zh) * 2019-10-01 2021-04-02 株式会社捷太格特 滚动轴承
WO2022039057A1 (ja) * 2020-08-19 2022-02-24 Ntn株式会社 玉軸受

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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