JP2002129616A - 建物内排水管システム - Google Patents

建物内排水管システム

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JP2002129616A
JP2002129616A JP2000325973A JP2000325973A JP2002129616A JP 2002129616 A JP2002129616 A JP 2002129616A JP 2000325973 A JP2000325973 A JP 2000325973A JP 2000325973 A JP2000325973 A JP 2000325973A JP 2002129616 A JP2002129616 A JP 2002129616A
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Japan
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drainage
branch pipe
pipe
horizontal branch
drain
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Yoshio Umihoko
義雄 海鉾
Toshiro Kaneda
季郎 金田
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Nishihara Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nishihara Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ループ通気管を必要とせずに、配管内部の空
気層を確実に確保することができて排水流速が速くな
り、しかも、配管勾配を小さくでき、その配管設置スペ
ースの高さを低くすることができ、居住スペースが広く
とれる建物内排水管システムを得ることにある。 【解決手段】 合流排水立管1に対して断面卵形状の合
流排水横枝管30を接続し、この合流排水横枝管30の
管外周面に設けられた排水合流接続部40に各種衛生器
具の器具排水管である排水横枝管5A〜9Aを接続する
ように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物内の排水管シ
ステムに関し、特に、各種衛生器具からの合流排水に好
適な建物内排水管システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の建物内排水管システムにおいて、
例えば集合住宅では、排水配管をコンクリートスラブ下
(下階天井内)の配管設置スペースに配管し、その排水
配管をスラブ貫通穴より立ち上げて衛生器具の排水接続
口に接続する床下配管方式が主であった。しかるに近
年、コンクリートスラブ上と仕上げ床との間に配管設置
スペースを設けて配管する床上配管方式が主流となって
きた。この床上配管方式は、排水管の改修工事などの際
に下階に影響を与えることがないというメリットがあ
る。
【0003】図6は第1従来例に係る建物内排水管シス
テムの配管構成を示す平面図である。同図において、1
A,1B,1Cは建物内の複数箇所に立設された複数本
(図示では3本)の排水立管、2A,2B,2Cはそれ
らの排水立管1A,1B,1Cに設けられた排水立管継
手、5は大便器であり、この大便器5の器具排水管であ
る排水横枝管5Aは最寄りの排水立管1Aに排水立管継
手2Aを介して接続されている。6は浴槽であり、この
浴槽6の器具排水管である排水横枝管6Aは最寄りの排
水立管1Bに排水立管継手2Bを介して接続されてい
る。このように浴槽6の排水横枝管6Aが接続された前
記排水立管1Bには、洗面器7の排水横枝管7Aと洗濯
機パン8の排水横枝管8Aが、合流排水横枝管継手8B
および合流排水横枝管8Cならびに合流排水立管継手2
Bを介して接続されている。9は流し台であり、この流
し台9の器具排水管である排水横枝管9Aは、最寄りの
排水立管1Cに排水立管継手2Cを介して接続されてい
る。
【0004】すなわち、図6に示す第1従来例の建物内
排水管システムでは、建物内に複数本の排水立管1A〜
1Cを立設し、各種衛生器具(大便器5、浴槽6,洗面
器7、洗濯機パン8、流し台9)の排水を、それぞれの
系統の排水横枝管5A、6A、7A、8A,8C、9A
によって、最寄りの排水立管1A、1B、1Cに対し個
々に導く配管方式としており、このような配管方式で
は、複数本の排水立管1A〜1Cを立てることによる配
管スペースの無駄やコストの面で大きな問題点となって
いた。
【0005】そこで、上記問題点を解決するために、複
数の各種衛生器具の器具排水管を1本の合流排水横枝管
に合流させて1本の排水立管に接続する建物内排水管シ
ステムも開発されており、その従来例を図7および図8
に示す。
【0006】図7は第2従来例の建物内排水管システム
を示す平面図であり、図6と同一または相当部分には同
一符号を付して説明する。図7において、1は例えば集
合住宅などの建物に配管された合流排水立管、2はその
合流排水立管1に設けられた合流排水立管継手、3はそ
の合流排水立管継手2を介して前記合流排水立管1に接
続された合流排水横枝管であり、この合流排水横枝管3
は断面円形の中空管からなっている。その合流排水横枝
管3には、大便器5,浴槽6,洗面器7,洗濯機パン
8,流し台9などの各種衛生器具の器具排水管である排
水横枝管5A,6A,7A,8A,9Aが合流排水横枝
管継手4を介して接続されている。10は通気立管、1
1はその通気立管10と前記合流排水横枝管3とを接続
するループ通気管である。
【0007】図8は図7の建物内排水管システムの配管
施工部を示す概略的な断面図であり、図6および図7と
同一または相当部分には同一符号を付して説明する。図
8において、12は例えば集合住宅などの建物に設けら
れているパイプシャフトであり、このパイプシャフト1
2内に前記合流排水立管1と通気立管10が配管されて
いる。13は住戸内の床側(下階側)コンクリートスラ
ブ、14は仕上げ床、15はその仕上げ床14と前記床
側コンクリートスラブ13との間に設けられた床側配管
スペースであり、この床側配管スペース15に前記合流
排水横枝管3が配管されている。ここで、前記合流排水
横枝管3は、各種衛生器具5〜9からの排水を合流排水
立管1に向って自然流下させるために、合流排水立管継
手2側に漸次下降傾斜する勾配をつけて前記床側配管ス
ペース15に配管されている。
【0008】16は住戸内の天井側(上階側)コンクリ
ートスラブ、17は仕上げ天井であり、この仕上げ天井
17と前記天井側コンクリートスラブ16との間には天
井内配管スペース18が設けられ、この天井内配管スペ
ース18内に前記ループ通気管11が配管されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の建物内排水管シ
ステムは以上のように構成されているので、以下に述べ
るような幾多の課題があった。一般に排水を排水横枝管
内で自然流下により搬送させるには、上流側から下流側
に向かって所定の下り勾配を設ける必要がある。このた
め、排水横枝管の合流排水立管までの管路が長いほど図
8に示す床側配管設置スペース15の高さをより高くす
る必要がある。
【0010】図7,図8の第2従来例では、図6の第1
従来例と比較すると、合流排水横枝管3の上流側から合
流排水立管1までの距離が遙かに長いため、所定の配管
勾配を設けるに見合った高さの床側配管設置スペース1
5が必要となる。さらに、前記合流排水横枝管3の管径
は、それに流入してくる排水量を考慮すると、第1従来
例の各排水横枝管の管径に比べて大幅に大きくなるた
め、合流排水横枝管3を収めるのに見合った高さも床側
配管設置スペース15に加味しなければならない。この
ため、居住スペースの高さが必然的に制限されてしまう
という課題があった。また、居住スペースの高さの確保
が必須である場合には、上下階のコンクリートスラブ1
6,13間の高さを、前記合流排水横枝管3の配管勾配
に見合った床側配管設置スペース15の高さ分、高くす
る必要があり、この場合、大幅なコスト増になるという
課題があった。
【0011】一方、排水横枝管内の排水を上流から下流
へ自然流下させるには、前述の管径に見合った下り勾配
を設けることのほかに、衛生器具から合流排水立管との
接続部までの間の排水管で、その管内下部に排水流域
(排水層)が、かつ、管内上部には通気流域(空気層)
が、お互いに管内の流れに支障を来さない状態で形成さ
れるようにする必要がある。しかし、排水管の曲がり部
では排水層・空気層の流れが乱れやすくなる。特に、他
の衛生器具からの排水の合流部においては、流れが乱れ
るだけでなく、排水量が増大することによる一時的な排
水管の満流状態も生じやすく空気層の流れが阻害されや
すくなる。
【0012】排水横枝管内において、空気層の流れが阻
害されると、空気層が異常正圧状態である部分では、最
寄りの衛生器具のトラップ内封水を押し出して衛生器具
の排水口から吹き出させてトラップを破封させる跳ね出
し現象が起こる。また、空気層が異常負圧状態である部
分では、最寄りの衛生器具のトラップ内封水を吸引して
トラップを破封させる吸引現象が生じそれぞれ大きな問
題となる。
【0013】第1従来例に示す排水システムの場合にお
いては、排水横枝管の合流排水立管までの排水経路が短
く、また、その経路途中での他の排水との合流部はない
かあっても1箇所程度しかないため、空気層の流れが阻
害されにくい。このため、前述のような問題は生じな
い。
【0014】しかし、第2従来例に示す排水システムの
場合、排水横枝管の合流排水立管1までの排水経路が長
く、また、その経路途中での他の排水との合流部が多数
あるため、流れが阻害されやすく、特に同時に複数の衛
生器具が使用されたとき前述の問題が生じやすい。ルー
プ通気管11は、この空気層が異常正圧状態のとき、管
内から空気を必要量逃がす作用をし、異常負圧状態の時
は、管内へ不足分の空気量を流入する作用をすることに
よって、前述の問題点の解消に役立っている。しかし、
その反面、ループ通気管11は天井内配管スペース18
が必要となるため、居住スペースの高さがさらに大きく
制限されてしまい問題となっていた。また、ループ通気
管11の通気立管10までの接続配管を行うには、床側
配管設置スペース15から天井内配管スペース18まで
のループ通気管11の立ち上げスペースが必須となるこ
とも課題となっていた。そして、ループ通気管11を配
管することによる大幅なコスト増も余儀なくされるとい
う大きな課題もあった。
【0015】ところで近年、合流排水立管継手の内部形
状を工夫して、排水横枝管からの流入排水の流れが上階
からの排水立管内の排水の流れを阻害しないようにした
特殊排水継手が開発され、これを使用することにより、
通気立管を設置せずとも合流排水立管内の排水を最下階
まで搬送可能とした「特殊排水継手方式」の排水システ
ムが開発されている。そして、特に、最近の集合住宅の
排水システムでは、「特殊排水継手方式」の排水システ
ムが使用される場合が増加している。この場合、ループ
通気管を設けても、その接続先の通気立管がないため、
ループ通気方式は使用できず、その結果、第2従来例に
示す排水システムを使用できない。このため、合流排水
立管継手の排水横枝管の接続口数を多数設けて1本の合
流排水横枝管に合流させる衛生器具数を減らし、かつ、
各衛生器具をなるべく合流排水立管の近くに配置して排
水経路を短くすることにより、排水管内の空気層の流れ
が阻害される問題の解消を図っている。しかし、合流排
水立管継手の排水横枝管の接続口数は多いものでも3つ
程度であり、大便器は瞬間的な排水量が多いので、その
接続口数の内の1つは大便器排水用に占有される。一般
的な集合住宅の1戸当たりの衛生器具数を考えると、第
2従来例の排水システムほどではないが、1本の排水横
枝管に接続する衛生器具数が2個以上になってしまう。
これでは管内空気層を十分に確保できるとはいえず、ま
た、各種衛生器具の設置位置が制限されるために、部屋
のレイアウトが大幅に制限されるなど大きな課題があっ
た。
【0016】なお、図7,8に示す前記第2従来例の建
物内排水管システムにあっては、上述のように合流排水
横枝管3の管径が大きくなるほど配管スペースの高さ
を、より一層高くする必要があるため、通常、合流排水
横枝管3は、その系統の排水負荷に見合った管径のもの
を配管する。このため、更新時に衛生器具を増設しよう
とする場合、合流排水横枝管3の最大負荷を超えてしま
うことがある。このとき、衛生器具の増設時には、合流
排水横枝管の管径を見直して新たに配管し直す必要が生
じ、改修時のコスト増になるという課題があった。
【0017】さらには、改修時の衛生器具移設時におい
て、排水管の勾配の問題や通気の問題を考慮すると、移
設後の衛生器具の排水接続口に接続する器具排水管は、
なるべく短い距離で合流排水横枝管に接続する必要があ
る。このため、合流排水横枝管の途中を切断し、その切
断間に合流排水横枝管継手を入れて合流口を作り、該合
流口に器具排水管を接続するという配管改修施工が必要
となり、かかる配管改修施工は、工期がかかってコスト
増になるという課題があった。
【0018】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、ループ通気管を必要とせずに、配
管内部の空気層を確実に確保することができ、しかも、
配管勾配を小さくでき、その配管設置スペースの高さを
低くすることができ、居住スペースが広くとれる建物内
排水管システムを得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る建物内排水管システムは、建物内の合流排水立管に対
して断面卵形状の合流排水横枝管を接続し、この合流排
水横枝管の管外周面に設けられた排水合流接続部に各種
衛生器具の器具排水管である排水横枝管を接続したこと
を特徴とするものである。
【0020】請求項2記載の発明に係る建物内排水管シ
ステムの排水合流接続部は、合流排水横枝管の管外周面
に設けた開口へ、一端に前記開口と液密に接続可能な合
流排水横枝管接続部を有し、他端に排水横枝管を接続す
る排水横枝管接続部を有する合流排水横枝管継手を接続
して構成されたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による建
物内排水管システムの配管構成を示す平面図であり、図
6〜図8と同一または相当部分には同一符号を付して重
複説明を省略する。また、図2は図1中の合流排水横枝
管と排水横枝管(器具排水管)との接続部分を示す拡大
図、図3は図2のA−A線断面図である。図1〜図3に
おいて、30は図8中の床側配管スペース15に一点鎖
線で示すように配管される1本の合流排水横枝管であ
り、この合流排水横枝管30は後述する排水合流接続部
40を有しており、この排水合流接続部40に各種衛生
器具(大便器5,浴槽6,洗面器7,洗濯機パン8,流
し台9)からの排水横枝管5A〜9Aが接続されてい
る。
【0022】ここで、前記合流排水横枝管30および排
水合流接続部40のそれぞれについて、以下に詳述す
る。まず、合流排水横枝管30は、図3に示すように、
上部管径が下部管径よりも大きな断面卵形状のいわゆる
卵形管からなっており、その管外周面には管径が大きな
管上部寄りに正面円形状の開口31が設けられ、この開
口31には合流排水横枝管継手41が接続される。
【0023】合流排水横枝管継手41は、一端に前記開
口31と液密に接続可能な合流排水横枝管接続部42を
有し、他端に排水横枝管接続部43を有するもので、前
記合流排水横枝管接続部42近傍の管外周には、前記合
流排水横枝管30における前記開口31の周囲外周面に
当接させる座部44が一体形成されている。なお、前記
合流排水横枝管継手41は、合流排水横枝管接続部42
に比べて排水横枝管接続部43側が大径となった段付円
形管からなっている。
【0024】以上において、合流排水横枝管30に設け
られた開口31と、一端に合流排水横枝管接続部42を
有して他端に排水横枝管接続部43を有する合流排水横
枝管継手41は、各種衛生器具5〜9の器具排水管であ
る排水横枝管5A〜9Aからの排水を合流排水横枝管3
0に合流させるための排水合流接続部40を構成するも
のである。
【0025】20は前記合流排水横枝管30の開口31
の周囲において該合流排水横枝管30と前記合流排水横
枝管継手41の座部44との間に介在させるシール部材
であり、このシール部材20としては、主にゴム等の弾
性部材が用いられるが、液密にシール可能なものであれ
ばよく、その材質は特定されるものでない。21は前記
座部44を前記合流排水横枝管30の外周面に締め付け
る締付けバンドである。
【0026】次に、上記実施の形態1による建物内排水
管システムの配管概要について説明する。図1に示すよ
うに、建物内の合流排水立管1に合流排水立管継手2を
介して接続された合流排水横枝管30の開口31に合流
排水横枝管継手41の一端である合流排水横枝管接続部
42を差し込む。その差し込みにより、合流排水横枝管
30の外周面における開口31の周囲と合流排水横枝管
継手41の座部44との間のシール部材20を介して前
記座部44を合流排水横枝管30の外面に当接させる。
この状態において、前記座部44が合流排水横枝管30
に締付けバンド21で締付け固定することにより、その
合流排水横枝管30に合流排水横枝管継手41が液密状
態に接続され、その合流排水横枝管継手41の排水横枝
管接続部43に各種衛生器具5〜9からの排水横枝管5
A〜9Aが接続される。
【0027】以上のように配管された建物内排水管シス
テムにおいて、衛生器具を移設する場合の手順を以下に
説明する。 まず、移設する衛生器具、例えば図1中に実線で示
す洗濯機パン8および該洗濯機パン8の排水横枝管8A
を順次撤去する。 次いで、その排水横枝管8Aが接続されていた合流
排水横枝管30の開口(排水合流接続口)31に蓋をす
る。 また、前記合流排水横枝管30の外周面における衛
生器具(洗濯機パン)8の移設予定位置(図1中に破線
で示す排水横枝管8A’の被接続位置)にホルソー等の
穴開け治具で新規開口31を設ける。 その後、前記新規開口31に合流排水横枝管継手4
1の合流排水横枝管接続部42を液密に差し込み接続
し、その合流排水横枝管継手41の座部44を合流排水
横枝管30の外面に締付けバンド21で締付け固定す
る。 次いで、図1中に破線で示すように、合流排水横枝
管継手41の排水横枝管接続部43から衛生器具移設予
定位置まで排水横枝管8A’を配管する。 その後、衛生器具の一つである前記洗濯機パン8を
移設設置し、その洗濯機パン8の排水接続口に前記排水
横枝管8A’を接続する。
【0028】次に、衛生器具を新規増設する場合の手順
を以下に説明する。 まず、衛生器具の増設予定位置付近における合流排
水横枝管30の外周面にホルソー等の穴開け治具で開口
31を新規に設ける。 その開口31に合流排水横枝管継手41の合流排水
横枝管接続部42を液密に差し込み接続し、その合流排
水横枝管継手41の座部44を合流排水横枝管30の外
面に締付けバンド21で締付け固定する。 次いで、合流排水横枝管継手41の排水横枝管接続
部43から衛生器具増設予定位置まで新規の排水横枝管
を配管する。 その後、衛生器具を増設設置し、その衛生器具の排
水接続口に前記新規の排水横枝管を接続する。
【0029】以上説明した実施の形態1によれば、建物
内の合流排水立管1に接続する合流排水横枝管30を上
部管径が下部管径よりも大きな断面卵形状とし、その合
流排水横枝管30の外周面に複数の開口31を設け、こ
の開口31に各種衛生器具の器具排水管である排水横枝
管5A〜9Aを接続するように構成したので、断面卵形
状の合流排水横枝管30は、上部管径よりも管径が小さ
な下部管内では、同一の配管勾配で、かつ、同一サイズ
の円形管からなる合流排水横枝管30の管内に比べ、必
然的に排水流速が速くなる。よって、配管勾配を小さく
(図8参照)しても、同一サイズの円形管からなる合流
排水横枝管30の管内の排水流速とほぼ同じ流速にする
ことができ、このため、前記合流排水横枝管30の配管
設置スペースの高さを低くすることができるという効果
がある。
【0030】また、上記実施の形態1によれば、断面卵
形状をなす前記合流排水横枝管30の上部管内は、下部
管径よりも管径が大きいため、同一サイズの円形管から
なる合流排水横枝管に比べて空気層が多くとれ、空気層
が阻害されて異常正圧状態や異常負圧状態になることが
ないため、従来のようにループ通気管を別途に配管する
必要がなく、この結果、天井内配管設置スペースの高さ
を低くすることができ、居住スペースが広くとれるとい
う効果がある。さらには、上述のように、ループ通気管
を必要とせず、その配管施工を省くことができるため、
大幅なコスト低減を図ることができるという効果があ
る。
【0031】さらに、上記実施の形態1によれば、衛生
器具の移設時および新規増設時において、合流排水横枝
管30を途中で切断したり取り外したりすることなく、
衛生器具の移設および新規増設を簡単に行うことがで
き、このため、その施工工期の短縮およびコスト低減が
図れ、しかも、排水搬送能力の低下を招くことがないな
どの効果がある。
【0032】さらに、断面卵形状の合流排水横枝管30
は、排水搬送能力が一般の円形管に比べて高く、排水負
荷に余裕があるため、改修等により衛生器具を新設した
場合、その器具排水を合流させても、排水能力が低下す
る恐れがなく、合流排水横枝管30の管径の見直し、お
よびそれに伴う合流排水横枝管30の全面更新の必要が
ないという効果がある。
【0033】実施の形態2.図4はこの発明の実施の形
態2による建物内排水管システムの合流排水横枝管を示
す断面図であり、図1から図3と同一部分には同一符号
を付して重複説明を省略する。図4において、45は合
流排水横枝管30と合流排水横枝管継手41との肉盛溶
接部である。すなわち、この実施の形態2では、上記実
施の形態1における合流排水横枝管継手41の座部44
を不要化し、その合流排水横枝管継手41の合流排水横
枝管接続部42を合流排水横枝管30の開口31に差し
込み接続した状態で、その両者の管接続部外周を肉盛溶
接したものである。
【0034】このような実施の形態2によれば、合流排
水横枝管30が、例えば鋼,銅,ステンレス鋼のような
溶接接続可能な金属製材質の場合や、硬質塩化ビニルや
ポリプロピレン等の溶接接続可能な樹脂製材質の場合、
上記実施の形態1における合流排水横枝管継手41の座
部44および締付けバンド21を不要化でき、このた
め、合流排水横枝管継手41の構成が簡素化し、かつ締
付けバンド21の不要化による部品点数の減少が図れる
と共に、上記実施の形態1の場合と同様の効果が得られ
る。
【0035】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形
態3による建物内排水管システムの合流排水横枝管を示
す断面図であり、図1から図4と同一部分には同一符号
を付して重複説明を省略する。この実施の形態3では、
合流排水横枝管継手41を上記実施の形態1の場合と同
一の構造とし、その合流排水横枝管継手41の合流排水
横枝管接続部42の外周面および座部44の内側面に接
着剤を塗布し、この状態で前記合流排水横枝管継手41
の合流排水横枝管接続部42を合流排水横枝管30の開
口31に差し込み接続し、かつその合流排水横枝管30
の外面に前記座部44を接着させるようにしたものであ
る。したがって、合流排水立管1と合流排水横枝管30
が、例えば硬質塩化ビニル等の接着剤による接続が可能
な樹脂製材質の場合、この実施の形態3の形態とするこ
とにより、上記実施の形態1における締付けバンド21
を不要化できるという効果がある。
【0036】なお、上記各実施の形態において、合流排
水横枝管継手41の排水横枝管接続部43は、排水横枝
管5A〜9Aとの接続を接着剤による差込接続用の接続
口形状としたが、ゴムリング等でシールして接続する差
込接続用の接続口形状や、一般のメカニカル継手に代表
されるメカニカル接続用の接続口形状、ビクトリック継
手に代表されるビクトリック接続用の接続口形状、溶接
接合用の接続口形状であってもよく、いずれの場合も同
様の効果が得られる。
【0037】また、上記各実施の形態による建物内排水
管システムは、「特殊排水継手」方式の排水システムに
適用することも可能であり、この場合、ループ通気管が
必要でないため、各種衛生器具を1本の合流排水横枝管
30に合流接続する合流排水方式を採用できる。これに
より、衛生器具のレイアウトの制限が低減され、部屋の
レイアウトの自由度が大幅に改善され、十分な排水搬送
能力を確保できるなど大きなメリットがある。
【0038】さらに、上記各実施の形態による本発明の
建物内排水管システムは、集合住宅の住戸内に限定され
るものではなく、また、床上配管の場合のみに特定され
るものでもない。例えば、事務所ビル等のパブリック系
便所廻りの排水横枝管は床下配管であり、複数の衛生器
具の排水をまとめて排水立管に搬送する合流排水方式を
採用している。通気に関しては、合流排水横枝管内の空
気層の確保が困難なため、ループ通気管を使用したルー
プ通気方式を採用している。
【0039】この例に本発明の建物内排水管システムを
採用した場合、ループ通気管が不要となり、これによ
り、コスト面の大幅なメリットがある。また、天井内配
管設置スペースのうち、ループ通気管が占有していた部
分に空間ができるため、その空間を利用して、空調ダク
トや空調冷温水配管および電気配線などを敷設すること
ができ、その敷設時の制約が少なくなるというメリット
がある。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、建物内の合流排水立管に対して断面卵形状の合流排
水横枝管を接続し、この合流排水横枝管の管外周面に設
けられた排水合流接続部に各種衛生器具の器具排水管で
ある排水横枝管を接続するように構成したので、断面卵
形状の合流排水横枝管の管径が大きな側の管部を上側に
して、その合流排水横枝管の管外周面に設けられた排水
合流接続部に各種衛生器具の器具排水管である排水横枝
管を接続した配管状態において、前記合流排水横枝管
は、上部管径よりも管径が小さな下部管内では、同一の
配管勾配で、かつ、同一サイズの円形管からなる合流排
水横枝管の管内に比べ、必然的に排水流速が速くなる。
よって、配管勾配を小さくしても、同一サイズの円形管
からなる合流排水横枝管の管内の排水流速とほぼ同じ流
速にすることができ、このため、前記合流排水横枝管の
配管設置高さスペースを低くすることができるという効
果がある。
【0041】この発明によれば、断面卵形状の合流排水
横枝管において、下部管径よりも管径が大きな上部管内
では、同一サイズの円形管からなる合流排水横枝管に比
べて空気層が多くとれ、空気層が阻害されて異常正圧状
態や異常負圧状態になることがないため、従来のように
ループ通気管を別途に配管する必要がなく、この結果、
天井内配管設置高さスペースを低くすることができ、居
住スペースが広くとれるという効果がある。さらには、
上述のように、ループ通気管を必要とせず、その配管施
工を省くことができるため、大幅なコスト低減を図るこ
とができるという効果がある。
【0042】この発明によれば、衛生器具の移設時およ
び新規増設時において、合流排水横枝管を切断や取り外
しを行うことなく、衛生器具の移設および新規増設を簡
単に行うことができ、このため、その施工工期の短縮お
よびコスト低減が図れ、しかも、排水搬送能力の低下を
招くことがないなどの効果がある。
【0043】この発明によれば、断面卵形状の合流排水
横枝管は、排水搬送能力が一般の円形管に比べて高く、
排水負荷に余裕があるため、改修等により衛生器具を新
設した場合、その器具排水を合流させても、排水能力が
低下する恐れがなく、合流排水横枝管の管径の見直し、
およびそれに伴う合流排水横枝管の全面更新の必要がな
いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による建物内排水管シ
ステムの配管構成を示す平面図である。
【図2】図1中の合流排水横枝管と排水横枝管(器具排
水管)との接続部分を示す拡大図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】この発明の実施の形態2による建物内排水管シ
ステムの合流排水横枝管を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態3による建物内排水管シ
ステムの合流排水横枝管を示す断面図である。
【図6】第1従来例に係る建物内排水管システムの配管
構成を示す平面図である。
【図7】第2従来例に係る建物内排水管システムの配管
構成を示す平面図である。
【図8】図7の建物内排水管システムの配管施工部を示
す概略的な断面図である。
【符号の説明】
1 合流排水立管 2 合流排水立管継手 5 大便器(衛生器具) 6 浴槽(衛生器具) 7 洗面器(衛生器具) 8 洗濯機パン(衛生器具) 9 流し台(衛生器具) 5A〜9A 排水横枝管 20 シール部材 21 締付けバンド 30 合流排水横枝管 31 開口 40 排水合流接続部 41 合流排水横枝管継手 42 合流排水横枝管接続部 43 排水横枝管接続部 44 座部 45 肉盛溶接部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物内の合流排水立管と、該合流排水立
    管に接続する合流排水横枝管と、衛生器具の排水を搬送
    する排水横枝管とを備える建物内排水管システムにおい
    て、 前記合流排水横枝管は管外周面に前記排水横枝管を接続
    する排水合流接続部を有し、かつ前記合流排水横枝管の
    管断面は卵形状であることを特徴とする建物内排水管シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 排水合流接続部は、合流排水横枝管の管
    外周面に設けた開口へ、一端に前記開口と液密に接続可
    能な合流排水横枝管接続部を有し、他端に排水横枝管を
    接続する排水横枝管接続部を有する合流排水横枝管継手
    を接続して構成することを特徴とする請求項1記載の建
    物内排水管システム。
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