JP7251735B2 - トイレユニット設置方法及びトイレユニット設置構造 - Google Patents
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Description
便器等の排水器具では、排水時の排水管内の圧力変動により排水トラップの封水が吸引されて空になる所謂誘導サイホン現象を防止する必要がある。このような誘導サイホン現象を防止するためには、排水器具から排水される排水経路を大気開放された通気立て管に接続する通気方式を採用する必要がある。例えば、このような通気方式としては、複数の排水器具が接続された床上側の排水管の最遠端に位置する排水器具の下流側直近と通気立て管とをループ通気管で接続するループ通気方式(例えば、特許文献1を参照。)や、排水立て管における排水管の接続部よりも上流側と通気立て管とを結合通気管で接続する結合通気方式(例えば、特許文献2を参照。)が知られている。
前記排水立て管に接続されて当該排水立て管から床下側に延出する排水横枝管を、床を貫通する床貫通管を介して前記床上排水管に接続し、
前記通気立て管に接続された通気用枝管を、前記排水横枝管の上側部分に接続する点にある。
床上に敷設された床上排水管と、
当該床上排水管に複数の便器が接続されてなる床上排水式トイレユニットと、
を備えたトイレユニット設置構造であって、
前記排水立て管に接続されて当該排水立て管から床下側に延出する排水横枝管と、
床を貫通して、前記排水横枝管と前記床上排水管とを接続する床貫通管と、
前記排水横枝管の上側部分と前記通気立て管とを接続する通気用枝管と、を備えた点にある。
更に、このような通気用枝管は、排水立て管から床下側に延出する排水横枝管とその排水立て管に隣接配置された通気立て管とを接続するものとなることから、比較的短い長さの配管を床下側に設ける形態で簡単に施工することができる。よって、このように施工した通気用枝管が床上側のトイレ内空間に悪影響を及ぼすことなく、設置コストを安価にできる。
従って、本発明により、建物の設置対象階において、床上に敷設された床上排水管に複数の便器が接続されてなる床上排水式トイレユニットを設置するにあたって、排水器具から排水される排水経路を大気開放された通気立て管に接続して誘導サイホン現象を適切に防止しながら、床上側での通気管の設置スペースを最小限にしてコスト削減及びトイレ内空間プランの自由度の向上を実現できる技術を提供することができる。
前記通気用枝管を、前記通気立て管において前記既存接続部に接続する点にある。
図1に示す本実施形態のトイレユニット設置構造100(以下「本実施構造100」と呼ぶ場合がある。)は、排水立て管10と通気立て管20とが複数階に亘って設けられた建物の設置対象階1に設置されたトイレ設備の構造であって、本実施形態のトイレユニット設置方法(以下「本実施方法」と呼ぶ場合がある。)を採用した改修工事により、改修前のトイレ設備70(図2参照)を撤去して新たな床上排水式トイレユニット50を設置した構造として構成されている。
更に、本実施構造100には、排水立て管10の接続部10aに接続されて当該接続部10aから床下空間1b側に延出する排水横枝管56と、床3に形成された貫通穴3aに挿通される状態で当該床3を貫通して、排水横枝管56と床上排水管52とを接続する床貫通管55と、が設けられている。即ち、本実施方法では、排水横枝管56が床貫通管55を介して床上排水管52に接続される。
このようにして、各便器51からの排水を、床上排水管52、床貫通管55、及び排水横枝管56を順に通流させて、排水立て管10へ排出する形態の排水経路が構築される。
よって、通気用枝管60全体がパイプシャフト2内若しくはその近傍に設けられることになって、当該通気用枝管60の設置コストや設置スペースが一層軽減される。
即ち、図2に示すように、改修前のトイレ設備70では、各便器71は床3を貫通して床下空間1bに設けられた床下排水管72に接続されている。そして、この床下排水管72は、床下空間1bからパイプシャフト2内に挿入されて、当該パイプシャフト2内の床3の下側において、排水立て管10の接続部10aに接続されている。
また、この改修前のトイレ設備70には、誘導サイホン現象を防止するための通気管として、ループ通気管80が設けられている。このループ通気管80は、床下空間1bに配置された床下排水管72において最上流に位置する便器71の接続部の下流側に一端側が接続され、その接続部から立ち上げられて床3を貫通して壁内空間1cを通り、天井空間1aからパイプシャフト2内に挿入されて、当該パイプシャフト2内の床3の上側において、通気立て管20の接続部20aに接続されている。
そして、図1に示す改修後の本実施構造100では、改修前のトイレ設備70(図2参照)で利用していた排水立て管10の接続部10aを、新たに施工した排水横枝管56の接続部として有効利用し、改修前のトイレ設備70(図2参照)で利用していた通気立て管20の接続部20aを、新たに施工した通気用枝管60の接続部として有効利用している。
尚、本実験において、便器51は、1回の排水量が6Lと節水型でフラッシュバルブ及びタンク併用式(フラッシュタンク(登録商標)式)のTOTO社製のパブリックコンパクト便器を利用した。また、排水器具からの排水経路を大気開放された通気立て管に接続する通気方式として、本実施構造100のように通気立て管に接続された通気用枝管を排水横枝管の上側部分の接続部に接続する通気方式(以下「排水横枝管通気方式」と呼ぶ。)を採用した例を実施例とし、排水立て管から分岐して立ち上げた通気管を隣接する通気立て管に接続する通気方式(一般的に「結合通気方式」と呼ばれる。)を採用した例を比較例とする。
また、上記実施例及び上記比較例の夫々において、上記夫々の通気方式を採用した階の数を接続箇所数として4箇所、3箇所、1箇所と夫々変化させたときの許容流量値を図3に示す。
図3に示す実験結果からも判るように、本実施構造100と同じ排水横枝管通気方式を採用した実施例では、従来の結合通気方式を採用した比較例以上の許容流量値を達成していることから、充分な誘導サイホン現象の防止効果が期待できるといえる。
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
1b 床下空間
2 パイプシャフト
3 床
10 排水立て管
10a 接続部(既存接続部)
20 通気立て管
20a 接続部(既存接続部)
50 床上排水式トイレユニット
51 便器
52 床上排水管
55 床貫通管
56 排水横枝管
60 通気用枝管
70 改修前のトイレ設備
80 ループ通気管
100 トイレユニット設置構造
Claims (4)
- 排水立て管と通気立て管とが複数階に亘って設けられた建物の設置対象階において、床上に敷設された床上排水管に複数の便器が接続されてなる床上排水式トイレユニットを設置するトイレユニット設置方法であって、
前記排水立て管に接続されて当該排水立て管から床下側に延出する排水横枝管を、床を貫通する床貫通管を介して前記床上排水管に接続し、
前記通気立て管に接続された通気用枝管を、前記排水横枝管の上側部分に接続するトイレユニット設置方法。 - 前記通気立て管が、改修前のトイレ設備のループ通気管が接続されていた既存接続部を有し、
前記通気用枝管を、前記通気立て管において前記既存接続部に接続する請求項1に記載のトイレユニット設置方法。 - 前記通気用枝管を、前記排水立て管及び前記通気立て管が設けられたパイプシャフト内において、前記排水横枝管の上側部分及び前記通気立て管に接続する請求項1又は2に記載のトイレユニット設置方法。
- 排水立て管と通気立て管とが複数階に亘って設けられた建物の設置対象階に設置され、
床上に敷設された床上排水管と、
当該床上排水管に複数の便器が接続されてなる床上排水式トイレユニットと、
を備えたトイレユニット設置構造であって、
前記排水立て管に接続されて当該排水立て管から床下側に延出する排水横枝管と、
床を貫通して、前記排水横枝管と前記床上排水管とを接続する床貫通管と、
前記排水横枝管の上側部分と前記通気立て管とを接続する通気用枝管と、を備えたトイレユニット設置構造。
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JP2019140157A JP7251735B2 (ja) | 2019-07-30 | 2019-07-30 | トイレユニット設置方法及びトイレユニット設置構造 |
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