JP2002021135A - 集合住宅における排水構造 - Google Patents

集合住宅における排水構造

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JP2002021135A
JP2002021135A JP2000208909A JP2000208909A JP2002021135A JP 2002021135 A JP2002021135 A JP 2002021135A JP 2000208909 A JP2000208909 A JP 2000208909A JP 2000208909 A JP2000208909 A JP 2000208909A JP 2002021135 A JP2002021135 A JP 2002021135A
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drain
drainage
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horizontal
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Yoshihiro Sumimoto
良広 住本
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EGG PURAMINGU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共有スペース内における排水横主管の占有ス
ペースを小さくすることにより、住宅の共有スペースを
小さく設定することができ、また、床スラブ面と仕上げ
床面の間隔を変更することなく便所等の排水設備を任意
の位置へ増設或いは移設することができる集合住宅にお
ける排水構造の提供。 【解決手段】 集合住宅の複数階を縦方向に貫通すると
ともに上端部が外部に連通された排水縦管と、排水縦管
の側部から横方向に延出され床スラブと仕上げ床板の間
に位置する排水横主管と、排水横主管の側部から横方向
に延出され床スラブと仕上げ床板の間に位置する排水横
枝管とからなり、排水横枝管の上流側端部は仕上げ床板
上に配置された衛生器具の排水口に接続され、排水横主
管は各住戸毎に少なくとも1本配置されこれら排水横主
管はそれぞれ衛生器具が配置された部屋の仕上げ床板の
下で伸びており、排水横主管は、上部の曲率半径が下部
の曲率半径よりも大きくなった断面卵形の管とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集合住宅における
排水構造に関し、より詳しくは、メーターボックスやパ
イプシャフト等の住宅共有スペース内における排水横主
管の占有スペースを小さくすることにより、住宅の共有
スペースを小さく設定することができ、また、配管部品
点数及び配管作業工数を減らすことができるとともに、
床スラブ面と仕上げ床面の間隔を変更することなく便
所、バスルーム等の排水を行う設備を任意の位置へ増設
或いは移設することができる集合住宅における排水構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アパートやマンション等のいわゆ
る集合住宅における排水構造は、以下のようなものであ
った。図20及び図22は、その例を示す斜視図であ
る。これらの図では、床スラブの上方に配置される仕上
げ床板の図示を省略している。なお、図20に示す部屋
のレイアウトと図22に示す部屋のレイアウトは若干異
なっているが、図20は斜視図として理解するのが容易
なレイアウトを示すものであり、図22は平面図として
理解するのが容易なレイアウトを示すものである。
【0003】図20及び図22に示す排水構造は、集合
住宅の複数階を縦方向に貫通する排水縦管(40)と、
この排水縦管(40)から各階で横方向に分岐配設され
る排水横主管(41)と、この排水横主管(41)から
各種衛生器具(43)毎に個別に分岐配設される排水横
枝管(42)とからなる。排水横枝管(42)の先端部
は、衛生器具(43)の排水口に接続されている。図示
例では、(43a)が大便器、(43b)がバスタブ、
(43c)が洗面台、(43d)が防水パン、(43
e)が流し台となっている。
【0004】排水横主管(41)及び排水横枝管(4
2)は全て断面円形の管である。断面円形の管に大量の
汚水が流入すると、管内部に十分な通気空間を形成する
ことができず、その結果、管内部に大きな気圧変動が生
じて排水トラップの破封が生じる。このため、従来の排
水縦管(40)には、各階毎に2つの排水受け口が筒状
に突出して設けられており、これら排水受け口は、互い
に略直角をなすように設けられている。一方の排水受け
口には、多量の汚水を一時に排出する大便器(43a)
の排水を行う排水横枝管(42)が接続され、他方の排
水受け口には、比較的汚水排出量が少ない他の衛生器具
(43)からの汚水をまとめて排水する排水横主管(4
1)が接続される。大便器(43a)以外の排水を行う
排水横主管(41)は、電気メーターを収納し且つ排水
縦管やガス管等の管を通すために住戸外のメーターボッ
クス或いはパイプシャフト内すなわち共有スペース(9
0)内に配置されている。
【0005】大便器(43a)以外の排水を行う排水横
主管(41)は、通常、メーターボックス或いはパイプ
シャフトの長手方向に沿って配置される。また、この排
水横主管(41)の側部には、大便器(43a)以外の
各衛生器具(43)から伸びる排水横枝管(42)がそ
れぞれ個別に接続される。一方、大便器(43a)から
の排水用に設けられる排水横枝管(42)は、前記メー
ターボックス或いはパイプシャフト内の排水横主管(4
1)と略直角をなす状態で排水受け口から延出される。
この大便器(43a)用の排水横枝管(42)の先端部
は、大便器(43a)の排水口に接続される。
【0006】このように、各種衛生器具(43)のうち
大便器(43a)は一度に大量の汚水を排出するため、
従来の排水構造では、他の衛生器具用の排水横主管(4
1)とは別に大便器(43a)用の排水系統を設ける必
要がある。従って、各階において排水縦管(40)に2
個の排水受け口が必要とされ、これら排水受け口に各々
排水横主管(41),排水横枝管(42)が接続されて
いる。
【0007】なお、集合住宅においては、排水横主管
(41)、排水横枝管(42)は全て、鉄筋コンクリー
トからなる床スラブとその上方に設けられた仕上げ床板
の間に配設される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の技術には、以下のような課題が存在した。すな
わち、近年は入居後に間取りを変更したいという要望が
出ることが多く、この場合には、便所、バスルーム、洗
面所、キッチン等の水を排出する部屋の位置が変更され
るのが通常である。しかしながら、従来の排水構造で
は、これら排水を行う部屋の位置変更に制限があった。
上記した従来の排水構造では、図20及び図22に示す
ように排水横枝管(42)に屈曲部(50)が設けられ
ることが多く、この場合、屈曲部(50)から先の部分
(51)と、新たに設けようとする排水横枝管(42)
(図21及び図23参照)とが交錯する。排水横枝管
(42)は床スラブと仕上げ床板の間に設けられてお
り、この床スラブ(48)と仕上げ床板の間隔は、これ
らの管をようやく配置できる程度の高さに設定されてい
るのが普通である。従って、床スラブと仕上げ床板の間
隔に、新たに管を交錯させるだけの余裕はない。
【0009】このような排水構造において、管を交錯さ
せるためには、新たに設ける管を下流側から見て交錯箇
所の手前で上方へ立ち上げた後、横方向へ屈曲させて管
同士が干渉しないようにするしかない。つまり、新たに
設ける管を、既設の排水横枝管(42)よりも上方の位
置に設けるしかない。このような処置を施した場合、仕
上げ床面下で管の交錯が起こる部屋とそうでない部屋と
の間で、仕上げ床面の高さに違いが生じ、その境界部分
で大きな段差が形成されることになる。大きな段差がで
きるとそこに居住者がつまづくことがあるので危険であ
る。また、仕上げ床面を高くすることによって天井面と
の間隔が小さくなるので、圧迫感を感じる部屋となって
しまう。
【0010】また、排水縦管(40)及び排水横主管
(41)は、上記したように、集合住宅における共有ス
ペース(90)内に配置されるが、この場合、上記した
ように、排水縦管(40)には少なくとも2つの排水受
け口が必要とされる。また、排水横主管(41)の長さ
は、通常、1m前後必要とされる。その結果、共有スペ
ース(90)を大きく設定しなければならず、その分、
住戸スペース(91)が狭くなってしまうという問題が
あった。
【0011】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、メーターボックスやパイプシャフト等の住宅
共有スペース内における排水横主管の占有スペースを小
さくすることにより、住宅共有スペースを小さく設定す
ることができ、また、配管部品点数及び配管作業工数を
減らすことができるとともに、床スラブ面と仕上げ床面
の間隔を変更することなく便所、バスルーム等の排水を
行う設備を任意の位置へ増設或いは移設することができ
る集合住宅における排水構造を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
マンション等の集合住宅における排水構造であって、該
集合住宅の複数階を縦方向に貫通するとともに上端部が
外部に連通された排水縦管と、この排水縦管の側部から
横方向に延出され前記集合住宅の床スラブと該床スラブ
の上方に配置される仕上げ床板の間に位置する排水横主
管と、この排水横主管の側部から横方向に延出され前記
床スラブと該床スラブの上方に配置される仕上げ床板の
間に位置する排水横枝管とからなり、前記排水横枝管の
上流側端部は前記仕上げ床板上に配置された各種衛生器
具の排水口に接続され、前記排水横主管は各住戸毎に少
なくとも1本配置されこれら排水横主管はそれぞれ前記
衛生器具が配置された部屋の仕上げ床板の下で伸びてお
り、これら排水横枝管又は排水横主管のうち、少なくと
も排水横主管は、上部の曲率半径が下部の曲率半径より
も大きくなった断面卵形の管とされていることを特徴と
する集合住宅における排水構造である。この発明を提供
することにより、上記課題を悉く解決する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、図面
を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る集合住宅
における排水構造を示す斜視図である。この図では、床
スラブの上方に設けられる仕上げ床板の図示を省略して
いる。図7は、本発明に係る集合住宅における排水構造
を示す平面図である。図1に示す部屋のレイアウトと、
図7に示す部屋のレイアウトは若干異なるが、図1は斜
視図として理解し易いように作成したレイアウトであ
り、図7は平面図として理解し易いように作成したレイ
アウトであって、互いに同一の技術思想を表現したもの
である。以下、これらの図面に基づいて、本発明に係る
排水構造を説明する。
【0014】本発明に係る排水構造は、マンション、ア
パート等の集合住宅における排水構造であって、排水縦
管(1)と、排水横主管(2)と、排水横枝管(3)と
からなるものである。なお、本発明における衛生器具
(24)の種類は特に限定されるものではなく、例え
ば、図1及び図7に例示する大便器(25)、バスタブ
(32)、洗面台(33)、洗濯機等が設置される防水
パン(34)、流し台(35)等を挙げることができ
る。また、図示例では、大便器(25)は便所(19)
内に設置され、バスタブ(32)はバスルーム(17)
内に設置され、洗面台(33)は洗面所(21)内に設
置され、防水パン(34)は洗濯室(図示せず)内に設
置され、流し台(35)はキッチン内に設置されてい
る。以下、この排水構造について詳説する。
【0015】排水縦管(1)は、集合住宅の複数階を縦
方向に貫通するものであり、上端部が外部に連通されて
いる。集合住宅の上端部を外部に連通するのは、必要に
応じて管内に外気を導入し且つ管内の空気を外部へ排出
するためである。図示例では、排水縦管(1)は、複数
本の断面円形状管(4)を縦方向に連結することにより
構成されている。複数本の断面円形状管(4)は、各階
において内部連通状態で連結されており、その連結した
ものが排水縦管(1)として集合住宅の最上階から最下
階まで伸びている。排水縦管(1)の上端部は、最上階
に配設された伸頂通気縦管(図示せず)、及び屋上に配
設された通気ガラリ(図示せず)を介して集合住宅外部
と連通している。従って、排水縦管(1)は、該排水縦
管(1)に接続されている排水横主管(2)及び排水横
枝管(3)内の気圧変動を抑制するために、必要に応じ
てそれら管内の空気を集合住宅外部へ排出し、或いはそ
れら管内に外気を導入することができる。この排水縦管
(1)は、通常、集合住宅の共有スペース(70)であ
るメーターボックスやパイプシャフト内を通るように設
けられる。
【0016】排水横主管(2)は、排水縦管(1)の側
部から横方向に延出されるとともに、集合住宅の床スラ
ブ(7)と該床スラブ(7)の上方に配置される仕上げ
床板(18)の間に位置されるものである。この排水横
主管(2)は、排水横枝管(3)から流入した汚水を排
水縦管(1)へ流すことができる。排水横主管(2)
は、上部の曲率半径が下部の曲率半径よりも大きくなっ
た断面卵形の管とされている。このような形状の管を採
用することにより、汚水の水深を十分に確保して、同一
断面積の断面円形管よりも汚水の流速を速めることがで
きる。従って、断面円形の管よりも小さな排水勾配(例
えば1/200勾配に設定することが可能)でも効率よ
く十分な排水を行うことができ、管内に汚物が蓄積され
てしまうこともない。また、その優れた排水性により、
管内上部に通気空間が確保されるので、別途、通気管を
設けなくても排水トラップの破封が生じない。
【0017】この排水横主管(2)の下流側端部は、排
水縦管(1)に接続されている。排水横主管(2)と排
水縦管(1)の接続構造は特に限定されるものではない
が、例えば以下の構造を採用することが可能である。そ
の一例を図2に示す。図2に示す例では、排水横主管
(2)の下流側端部は、一端側接続部(8)(図3参
照)が断面卵形状とされ他端側接続部(9)が断面円形
状とされ中途部(10)がこれら接続部(8),(9)
同士を繋ぐように形成された相異断面管継手(11)の
一端側接続部(8)に接続されている。相異断面管継手
(11)の他端側接続部(9)は、排水縦管(1)から
側方へ延出された断面円形状管(12)に接続されてい
る。
【0018】相異断面管継手(11)は、一端側接続部
(8)が断面卵形状とされ他端側接続部(9)が断面円
形状とされているので、断面卵形状の排水横主管(2)
と断面円形状管(12)とを確実に接続することができ
る。相異断面管継手(11)の材質は、特に限定される
ものではないが、機械的強度を有する合成ゴム等の可撓
性材料から構成することができ、この場合、各接続部内
に排水横主管(2)と断面円形状管(12)を内嵌した
後、各接続部の外周面を締め付けバンド(図示せず)で
締め付けて、排水横主管(2)及び断面円形状管(1
2)との密着性を高めることができる。
【0019】断面円形状管(12)は、中央分岐接続部
(13)(図3参照)、一端側接続部(14)、及び他
端側接続部(15)がそれぞれ断面円形状とされたT字
形管継手(16)の中央分岐接続部(13)に接続され
ている。T字形管継手(16)の一端側接続部(14)
及び他端側接続部(15)にはそれぞれ、断面円形状管
(4)が接続されている。
【0020】排水横主管(2)と排水縦管(1)の接続
構造の他の例を図4に示す。この例では、排水横主管
(2)の下流側端部は、中央分岐接続部(13)が断面
卵形状とされ一端側接続部(14)及び他端側接続部
(15)がそれぞれ断面円形状とされたT字形管継手
(16)の中央分岐接続部(13)に接続されている。
排水縦管(1)を構成する断面円形状管(4)は、この
T字形管継手(16)の一端側接続部(14)及び他端
側接続部(15)のそれぞれに接続されている。
【0021】図1及び図7に示す符号(31)は、本排
水構造が適用される集合住宅の1住戸の範囲(住戸スペ
ース)を示している。排水横主管(2)は、各住戸毎に
少なくとも1本配置されている。各排水横主管(2)は
それぞれ、衛生器具(24)が設置された部屋の仕上げ
床板(18)の下で伸びている。
【0022】図1に示す例では、1本の排水縦管(1)
が住戸を縦方向に貫通するように設けられている。この
排水縦管(1)の側部から、1本の排水横主管(2)が
延出されている。この排水横主管(2)は、図1に示す
例では順次、便所(19)(図2参照)、バスルーム
(17)、洗面所(21)、洗濯室(図示せず)、及び
キッチン(図示せず)の各仕上げ床板(18)の下を通
っている。そして、この排水横主管(2)の側部から、
衛生器具(24)毎に設けられた排水横枝管(3)が延
出されている。図7に示す例では、排水横主管(2)は
順次、洗濯室(93)、洗面所(21)、バスルーム
(17)、キッチン(92)の各仕上げ床板(図示せ
ず)の下を通っている。このように、排水横主管(2)
が、衛生器具(24)が設置された部屋の仕上げ床板
(18)の下を通っていることにより、衛生器具(2
4)と排水横主管(2)とを最短距離で結ぶことができ
る。つまり、排水横主管(2)の側部から延出される排
水横枝管(3)を直線的に配置することが可能になる。
【0023】このような構成とすることにより、以下の
ような利点が生じる。例えば、図1及び図2に示す間取
りを図5及び図6に示す間取りに変更する場合、大便器
(25)(図6参照)がバスルーム(17)を越えた位
置に別途設けられることになる。このとき、バスルーム
(17)を越えた位置において、排水横主管(2)の側
部から排水横枝管(3)を他の排水横枝管(3)と略平
行となるように延出配置し、この新たに設けた排水横枝
管(3)の先端部に大便器(25)を接続する。このよ
うな配管を行えば、排水横枝管(3)同士が交錯するこ
とがないので、仕上げ床板(18)の高さすなわち仕上
げ床板(18)と床スラブ(7)の間隔を変更する必要
がない。また、排水横枝管(3)に従来のような屈曲部
(図20乃至図23の符号(50))を設ける必要がな
いので、仕上げ床板(18)の下にシンプルな配管を行
うことができ、部品点数が少なくなりしかも施工性がよ
い。また、断面卵形の排水横主管(2)は、前記したよ
うに、少ない排水勾配で配管することができる。従っ
て、仕上げ床板(18)の下の配管スペースの高さが小
さくても、そのスペース内で排水横主管(2)を長い距
離に渡って配管することが可能となる。従って、図示例
のように1本の排水横主管(2)を、住戸の長手方向の
両端間略全体に配管することができる。
【0024】以上述べた利点は、図7に示す間取りを図
8に示す間取りに変更する場合にも生じる。この例で
は、キッチン(92)を越えた位置に大便器(25)が
別途設けられる。なお、図1及び図7に示す例では1つ
の住戸に1本の排水横主管(2)を配置しているが、本
発明においては、住戸の大きさや排水場所の数及び位置
に応じて1つの住戸に複数本配置することも可能であ
る。この場合、排水縦管(1)も複数本配設され、各排
水縦管(1)から1本ずつ排水横主管(2)が延出され
る。
【0025】排水横枝管(3)は、床スラブ(7)と、
床スラブ(7)の上方に配置される仕上げ床板(18)
の間に位置し、排水横主管(2)の側部から横方向に延
出されるものである。この排水横枝管(3)の上流側端
部は、仕上げ床板(18)上に配置された各種衛生器具
(24)の排水口(図示せず)に接続されており、この
衛生器具(24)から排出される汚水を受けて排水横主
管(2)へ流すことができる。この排水横枝管(3)の
断面形状は、特に限定されるものではないが、図示例で
は断面円形状となっている。本発明における排水横枝管
(3)の断面形状はこれに限定されず、例えば、上部の
曲率半径が下部の曲率半径よりも大きくなった断面卵形
の管としてもよい。
【0026】また、排水横枝管(3)と排水横主管
(2)の接続構造は、特に限定されるものではないが、
例えば、図9に例示する構造を採用することができる。
図9に示す例では、排水横主管(2)の側部に開口部
(26)が形成されており、この開口部(26)の周縁
近傍に延出管継手(60)が取り付けられている。この
延出管継手(60)は、図9乃至図12に例示するよう
に、開口部(26)の周縁近傍の形状に沿った形をなす
板状部(27)と、この板状部(27)の中央部に形成
された開口部に接続された突出管部(61)とから構成
されている。この延出管継手(60)の突出管部(6
1)に、接続用スリーブ(62)(図9参照)等を介し
て排水横枝管(3)の下流側端部が接続されている。接
続用スリーブ(62)と突出管部(61)、接続用スリ
ーブ(62)と排水横枝管(3)はそれぞれ、接着剤に
よって水密的に接着することができる。なお、板状部
(27)と突出管部(61)は、工場にて予め一体的に
形成されていてもよいし、工事現場で接着剤を用いて一
体化されてもよい。
【0027】突出管部(61)は、図13に示すように
板状部(27)に対して直角に突出されていてもよい
し、図14に示すように板状部(27)の上流側に対す
る角度(θ)が鋭角となるように該板状部(27)から
突出される基部(63)と、この基部(63)の先端側
に設けられ板状部(27)に対して直角をなす向きへ伸
びる接続部(64)とから構成することもできる。接続
部(64)は、接続用スリーブ(62)を介して排水横
枝管(3)と接続される。基部(63)が板状部(2
7)の上流側に対してなす角度(θ)は、鋭角であるな
らば特に限定されないが、例えば、45°或いは60°
に設定することができる。
【0028】このように、基部(63)が板状部(2
7)の上流側に対してなす角度(θ)を鋭角に設定する
と、排水横枝管(3)から排水横主管(2)へ排出され
る汚水の流れの向きが、排水横主管(2)の軸線方向に
近くなる。従って、排水横枝管(3)から出た汚水は、
排水横主管(2)内にスムースに流入することができ
る。これに対し、図13に示す如く突出管部(61)を
板状部(27)に対して直角に突出させた場合は、排水
横枝管(3)から出た汚水が排水横主管(2)内面へ直
角に衝突し、衝突した汚水の約半分が排水横主管(2)
内を上流側へ流れようとするので、スムースな排水を行
えない可能性がある。
【0029】なお、排水横枝管(3)と排水横主管
(2)の接続構造は、図9に示す構造に限定されず、以
下の構成を採ることも可能である。例えば、本出願人に
よる先の出願(特願2000−19396号)における
排水管継手(71)(図16参照)と排水管継手差込ソ
ケット(72)(図17、図18参照)を用いた接続構
造(図19参照)を採用することができる。排水管継手
(71)は、排水管継手差込ソケット(72)に嵌合保
持される基部(73)と、この基部(73)の中心線上
又は偏心線上に位置設定され且つ横方向に延出される延
出管部(74)とからなるものである。
【0030】排水管継手差込ソケット(72)は、排水
横主管(2)の側面開口部(26)周縁に密に嵌合可能
なリング状の嵌合溝部(76)を有する固定部(77)
と、この固定部(77)から筒状に延出される継手保持
部(78)とからなり、これら各部は機械的強度を有す
る可撓性材料で形成されてなるものである。図示例で
は、排水管継手差込ソケット(72)の継手保持部(7
8)の外周部は、該継手保持部(78)を内側へ締め付
ける締め付け具(79)を装着可能とされており、この
締め付け具(79)の締め付けによって排水管継手(7
1)を排水管継手差込ソケット(72)に密着固定する
ことができる。また、図示例では、排水管継手差込ソケ
ット(72)の固定部(77)を締め付け具(81)の
締め付けにより排水横主管(2)と密着させているが、
必ずしもこのような構成とする必要はなく、例えば接着
剤を用いて密着させてもよい。
【0031】排水管継手差込ソケット(72)の固定部
(77)を排水横主管(2)の側面開口部(26)周縁
部に固定し、排水管継手(71)の基部(73)を排水
管継手差込ソケット(72)の継手保持部(78)に嵌
合保持させ、延出管部(74)の先端側にスリーブ(8
0)等を介して排水横枝管(3)を接続することによ
り、排水横枝管(3)と排水横主管(2)を確実に接続
することができる。
【0032】排水横枝管(3)の上流側端部と衛生器具
(24)の排水口の接続構造は、特に限定されるもので
はないが、例えば図15に示すような構造を採用するこ
とが可能である。図15に示す例では、エルボ形管継手
(28)の一端側接続部を排水横枝管(3)の上流側端
部に接続するとともに、このエルボ形管継手(28)の
他端側接続部を上方に向け、この他端側接続部に断面円
形状管(29)を接続する。この断面円形状管(29)
の上端部は、仕上げ床板(18)に設けた貫通孔(図示
せず)を通じて衛生器具(24)の排水口に接続されて
いる。
【0033】本発明に係る排水構造の作用について説明
する。本発明に係る排水構造によれば、居住者から間取
りの変更の要望があった場合、以下のような順序を経て
容易且つ速やかに間取りを変更することができる。例え
ば、図1及び図2に示す間取りを図5及び図6に示す間
取りに変更する場合、つまり、便所(19)を、排水縦
管(1)側から見てバスルーム(17)を越えた位置へ
増設する場合、まず、排水横主管(2)の側部におい
て、新たに大便器(25)を設置する場所との距離が最
短となる位置に、排水横枝管(3)の下流側端部を接続
するための開口部(26)(図9参照)を形成する。次
いで、この開口部(26)の周縁部近傍に前記した延出
管継手(60)の板状部(27)を接着剤等を用いて取
り付ける。そして、この板状部(27)から突出される
突出管部(61)に、接続用スリーブ(62)等を介し
て排水横枝管(3)の下流側端部を接続する。
【0034】これにより、排水横主管(2)の側部か
ら、新たに設ける大便器(25)の方へ向かって排水横
枝管(3)が延出される。次に、この排水横枝管(3)
の上流側端部に接着剤等を用いてエルボ形管継手(2
8)の一端側接続部を接続するとともに、このエルボ形
管継手(28)の他端側接続部を上方へ向ける。そし
て、この他端側接続部に、断面円形状管(29)の下端
部を接着剤等を用いて接続する。次いで、この断面円形
状管(29)の上端部を、仕上げ床板(18)に形成し
た貫通孔を通じて衛生器具(24)の排水口に接続す
る。これにより、間取り変更のための配管作業を終了す
る。なお、図7に示す間取りを図8に示す間取りに変更
する場合にも、同様の手順を経て間取り変更を行うこと
ができる。
【0035】本発明に係る排水構造によれば、大便器
(25)からの排水とその他の衛生器具(24)からの
汚水を1本の排水横主管(2)に流入させ、この1本の
排水横主管(2)を排水縦管(1)に接続するので、排
水縦管(1)からの分岐が1つになる。従って、メータ
ーボックスやパイプシャフト等の共有スペース(70)
内における排水横主管(2)の占有スペースを小さくす
ることができる。これにより、集合住宅の共有スペース
(70)を小さく設定することができ、もって、住戸ス
ペース(31)を大きく設定することが可能となる。ま
た、排水縦管(1)からの分岐数を1つにすることによ
り、配管部品点数及び配管作業工数を減らすことができ
る。また、排水横主管(2)は断面卵形の管であるか
ら、排水勾配を小さく設定しても十分に排水を行うこと
ができる。これにより、1本の排水横主管(2)を住戸
の端から端まで配設することができ、しかも、床スラブ
(7)面と仕上げ床(18)面の間隔を小さく設定する
ことができる。また、排水横枝管(3)同士がその全長
にわたって略平行となるように排水横枝管(3)を配管
することができるので、新たに配置する排水横枝管
(3)と、既設の排水横枝管(3)とが交錯しない。従
って、仕上げ床(18)面と床スラブ(7)面の間隔を
変更することなく、便所、バスルーム等の排水を行う設
備を任意の位置へ増設或いは移設することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、マンション等の集合住
宅において、メーターボックスやパイプシャフト等の共
有スペース内における排水横主管の占有スペースを小さ
くすることができる。これにより、集合住宅の共有スペ
ースを小さくし、もって、各住戸スペースを大きく設定
することが可能となる。また、配管部品点数及び配管作
業工数を減らすことができるとともに、床スラブ面と仕
上げ床面の間隔を変更することなく、便所、バスルーム
等の排水を行う設備を任意の位置へ増設或いは移設する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る集合住宅における排水構造の一例
を示す斜視図である。
【図2】図1に示す排水構造の縦断面図である。
【図3】本発明における排水縦管と排水横主管の接続構
造の一例を示す側面図である。
【図4】本発明における排水縦管と排水横主管の接続構
造の他の例を示す側面図である。
【図5】図1に示す排水構造の間取り変更後の状態を示
す斜視図である。
【図6】図5に示す排水構造の縦断面図である。
【図7】本発明に係る集合住宅における排水構造の他の
例を示す平面図である。
【図8】図7に示す排水構造の間取り変更後の状態を示
す平面図である。
【図9】本発明における排水横主管と排水横枝管の接続
構造の一例を示す斜視図である。
【図10】本発明で使用される延出管継手の構造を示す
正面図である。
【図11】図10に示す延出管継手の側面図である。
【図12】図10に示す延出管継手の裏面図である。
【図13】本発明における排水横主管と排水横枝管の接
続構造の一例を示す平面図である。
【図14】本発明における排水横主管と排水横枝管の接
続構造の他の例を示す平面図である。
【図15】本発明における排水横枝管の配管状態を示す
図である。
【図16】本発明で使用される排水管継手の構造を示す
斜視図であり、(a)は、延出管部を差し込む前の状態
を示す図、(b)は、延出管部を差し込んだ状態を示す
図である。
【図17】本発明で使用される排水管継手差込ソケット
の構造を示す側面図である。
【図18】図17に示す排水管継手差込ソケットの正面
図である。
【図19】図16に示す排水管継手及び図17に示す排
水管継手差込ソケットを用いた排水横主管と排水横枝管
の接続構造を示す斜視図である。
【図20】従来の集合住宅における排水構造の一例を示
す斜視図である。
【図21】図20に示す排水構造の間取り変更後の状態
を示す斜視図である。
【図22】従来の集合住宅における排水構造の他の例を
示す平面図である。
【図23】図22に示す排水構造の間取り変更後の状態
を示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・・・排水縦管 2・・・・・排水横主管 3・・・・・排水横枝管 7・・・・・床スラブ 18・・・・・仕上げ床板 24・・・・・衛生器具

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンション等の集合住宅における排水構
    造であって、該集合住宅の複数階を縦方向に貫通すると
    ともに上端部が外部に連通された排水縦管と、この排水
    縦管の側部から横方向に延出され前記集合住宅の床スラ
    ブと該床スラブの上方に配置される仕上げ床板の間に位
    置する排水横主管と、この排水横主管の側部から横方向
    に延出され前記床スラブと該床スラブの上方に配置され
    る仕上げ床板の間に位置する排水横枝管とからなり、前
    記排水横枝管の上流側端部は前記仕上げ床板上に配置さ
    れた各種衛生器具の排水口に接続され、前記排水横主管
    は各住戸毎に少なくとも1本配置されこれら排水横主管
    はそれぞれ前記衛生器具が配置された部屋の仕上げ床板
    の下で伸びており、これら排水横枝管又は排水横主管の
    うち、少なくとも排水横主管は、上部の曲率半径が下部
    の曲率半径よりも大きくなった断面卵形の管とされてい
    ることを特徴とする集合住宅における排水構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003082725A (ja) * 2001-09-12 2003-03-19 Sekisui Chem Co Ltd 排水配管構造、サドル継手
JP2007239256A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Sumitomo Fudosan Kk 建物用排水システム

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