JP2002129036A - 樹脂用難燃化剤、難燃化樹脂および樹脂の難燃化方法 - Google Patents

樹脂用難燃化剤、難燃化樹脂および樹脂の難燃化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】汚泥や廃棄プラスチックの有効利用を図り、か
つ、難燃化効果の優れる樹脂用難燃化剤、当該樹脂用難
燃化剤を添加した難燃化樹脂および樹脂の難燃化方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】汚泥乾燥物を難燃化剤として樹脂に添加す
る。例えば、汚泥成分として、アルミニウム、カルシウ
ム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタン、アンチモ
ン、塩素、フッ素、リンあるいは窒素の少なくとも1つ
を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、樹脂に難
燃性を付与する樹脂用難燃化剤、当該樹脂用難燃化剤を
含む難燃化樹脂、および樹脂の難燃化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】汚泥や廃棄プラスチックの排出量は年々
増加傾向にあるものの、主に埋め立てや焼却処分されて
おりそのほとんどが有効利用されていないのが現状であ
る。一方、軽量化や低価格化、良加工性等の観点から家
電製品をはじめとして種々の分野においてプラスチック
が多用されているが、安全性向上のためにはプラスチッ
クの難燃化対策は必須である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、汚泥
や廃棄プラスチックは、埋め立てや焼却処分されるのが
一般的であったが、埋め立て処分地の不足や焼却時のダ
イオキシン等の発生等の理由から、これらの処理方法に
代わる技術が望まれている。また、近年、上記のゴミ問
題を含めた地球環境問題がクローズアップされるように
なり、排出物の有効利用技術に関するニーズが世界的な
レベルで高まってきている。一方、プラスチック材料の
難燃化方法としては、プラスチック中に難燃化剤を添加
することが一般的であるが、比較的高価格な材料を添加
する必要があるため、より低価格で効果的な難燃化技術
が望まれている。
【0004】本発明は、上述した社会的背景と従来技術
の問題点に鑑み、汚泥や廃棄プラスチックの有効利用を
図り、かつ、難燃化効果の優れる樹脂用難燃化剤、当該
樹脂用難燃化剤を添加した難燃化樹脂および樹脂の難燃
化方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を克服するため鋭意研究を重ねた結果、汚泥乾燥物が各
種樹脂に対して難燃化効果に優れた樹脂用難燃化剤とし
て利用できることを見い出し本発明を完成させるに至っ
た。すなわち、本発明の樹脂用難燃化剤は、汚泥成分を
含む。また、本発明の難燃化樹脂は、樹脂成分と、汚泥
成分を含む樹脂用難燃化剤とを含有する。ここで、汚泥
成分とは、汚泥に含まれている成分をいう。
【0006】例えば、前記汚泥成分として、無機系汚泥
成分を含み、好適には、前記汚泥成分として、アルミニ
ウム、カルシウム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタ
ン、アンチモン、塩素あるいはフッ素の少なくとも1つ
を含む。本願明細書において、汚泥成分中に主に無機物
を含有するものを無機系汚泥と呼び、無機系汚泥成分と
は、当該無機系汚泥に含まれる成分をいう。
【0007】例えば、前記汚泥成分として、有機系汚泥
成分を含み、好適には、前記汚泥成分として、リンある
いは窒素の少なくとも1つを含む。本願明細書におい
て、汚泥成分中に主に有機物を含有するものを有機系汚
泥と呼び、有機系汚泥成分とは、当該有機系汚泥に含ま
れる成分をいう。
【0008】例えば、前記樹脂成分は、廃棄プラスチッ
クからの樹脂成分を含む。
【0009】上記の本発明の樹脂用難燃化剤によれば、
汚泥成分を含んでおり、汚泥には、種々の物質が含まれ
ており、例えば種々の金属等の無機物や、リンや窒素等
を含有する有機物が含まれている。従って、例えば生活
排水等から得られる有機系汚泥に含まれるリンや窒素に
より樹脂の難燃性を向上させることができる。一方、樹
脂成分に無機系汚泥を添加することにより、無機系汚泥
に含まれる酸化物や水酸化物あるいはハロゲン化物の状
態にある金属成分により、難燃性を向上させることがで
きる。また、樹脂成分として、廃棄プラスチックからの
樹脂成分を含むことにより、廃棄物の排出量の低減およ
び有効利用の観点から地球の環境保全に貢献する事がで
きる。
【0010】さらに、上記の目的を達成するため、本発
明の樹脂の難燃化方法は、樹脂成分に汚泥成分を含む樹
脂用難燃化剤を添加することにより難燃性を付与する。
【0011】例えば、前記樹脂成分は、廃棄プラスチッ
クからの樹脂成分を含む。
【0012】例えば、前記樹脂用難燃化剤として、無機
系汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤を添加し、好適には、
アルミニウム、カルシウム、鉄、シリコン、マグネシウ
ム、チタン、アンチモン、塩素あるいはフッ素の少なく
とも1つを含む無機系汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤を
添加する。
【0013】例えば、前記樹脂用難燃化剤として、有機
系汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤を添加し、好適には、
リンあるいは窒素の少なくとも1つを含む有機系汚泥成
分を含む樹脂用難燃化剤を添加する。
【0014】上記の本発明の樹脂の難燃化方法によれ
ば、廃棄物として排出されていた汚泥を有効利用するこ
とができ、コストの削減を図りつつ、樹脂の難燃化を図
ることができる。また、樹脂成分として、廃棄プラスチ
ックからの樹脂成分を使用することにより、廃棄物の排
出量の低減および有効利用の観点から地球の環境保全に
貢献する事ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の樹脂用難燃化
剤、難燃化樹脂および樹脂の難燃化方法の実施の形態に
ついて説明する。
【0016】上述したように、本発明の樹脂用難燃化剤
は、汚泥成分を含む。例えば、本発明の樹脂用難燃化剤
は、汚泥を乾燥させることにより得られる。
【0017】本発明における汚泥とは、各種産業排水あ
るいは生活排水を浄化等の各種処理を行う際に発生する
半液体状廃棄物をいう。上記の各種産業排水からの汚泥
としては、例えば半導体製造等の電気/電子、自動車、
製鉄等の金属、製紙、化学、製薬、土建等の各種産業排
水から得られるものを挙げることができる。
【0018】上記の汚泥中には、元々種々の元素が化合
物等の状態で含まれているが、排水処理の際には、硫酸
バンド(硫酸アルミニウム)、塩化第1鉄、塩化第2
鉄、PAC(ポリ塩化アルミニウム)等の無機凝集剤が
一般に使用されるため、さらに多くの種類の元素あるい
はその化合物が汚泥中に混入されることになる。
【0019】例えば、各種産業排水から得られる汚泥中
には、各種産業においてその汚泥成分は異なっているも
のの、例えば、アルミニウム、カルシウム、鉄、シリコ
ン、マグネシウム、チタン、アンチモン、リン、窒素、
塩素、フッ素の少なくとも1種類以上の元素が、酸化
物、水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩等のよう
な状態で含まれており、このような化合物は元来難燃剤
として使用されてきているものであり、これらが樹脂の
難燃化に大きく貢献することになる。
【0020】また、例えば、生活排水等から得られる汚
泥には、洗剤などの成分に起因するリンの他、窒素など
も含まれており、これらも樹脂の難燃化に大きく貢献す
ることになる。
【0021】ここで、本願明細書において、汚泥成分中
に主に無機物を含有するものを無機系汚泥と呼び、汚泥
成分中に主に有機物を含有するものを有機系汚泥と呼
ぶ。上記の生活排水より得られる汚泥は、主に有機系汚
泥に属し、上記の産業排水により得られる汚泥は、主に
無機系汚泥に属すると考えられる。
【0022】これらの汚泥成分中に含まれるアルミニウ
ム、カルシウム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタ
ン、アンチモン、リン、窒素、塩素、フッ素、およびこ
れらの化合物の含有量は特に限定しないが、通常、0.
01重量%以上が好ましく、1重量%以上がさらに好ま
しい。含有量が少ないと樹脂の難燃化効果が低くなるか
らである。
【0023】以上の汚泥は、単独で樹脂用難燃化剤とし
て使用しても良いが、2種類以上を混合して樹脂用難燃
化剤とすることもできる。
【0024】上述した汚泥を例えば乾燥させて樹脂に添
加することにより、本発明に係る樹脂成分と、汚泥成分
を含む樹脂用難燃化剤とを含有する難燃化樹脂となる。
【0025】例えば乾燥状態における汚泥成分の添加量
は、樹脂重量に対して0.01〜300重量%、好まし
くは、0.2〜100重量%、さらに好ましくは、1〜
50重量%である。添加量が少なすぎると樹脂の難燃化
効果が低くなり、一方、多すぎると樹脂本来の成形可能
性や耐衝撃性等の特性が損なわれることになるからであ
る。
【0026】上記の汚泥乾燥物の添加により難燃化可能
な樹脂としては、例えば、ポリスチレン(PS)、ハイ
インパクトポリスチレン(HIPS)、スチレン−アク
リロニトリル(SAN)樹脂、ABS(アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリアクリロニトリ
ル(PAN)樹脂、ナイロン樹脂、ポリオレフィン(ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン)樹脂、
ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンス
ルフィド、ポリアクリロニトリル−ブタジエン(ニトリ
ルゴム)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)、ポリスルホン、ポリアリルスルホン、ポリ
エーテルスルホン、ポリチオエーテルスルホン、ポリエ
ーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミ
ド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエーテル、ポリクロロ
メチルスチレン、セルロース、ポリビニルアルコール、
キチン、ポリ乳酸、ポリラクチド、ポリアクリル酸エス
テル、ポリメタクリル酸エステル、セルロイド、ポリエ
チレンオキサイド(PEO)、エポキシ樹脂、フェノー
ル−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、琥珀樹脂、テルペ
ン樹脂、各種液晶ポリマー等を挙げることができる。
【0027】本発明の樹脂用難燃化剤を添加する樹脂成
分として、上記した樹脂を単独で使用しても良いし、ま
た、上記した樹脂の2種以上を任意の割合で混合した混
合物を使用しても良い。なお、本願明細書においては、
混合物とは、ポリマーアロイのような2種類以上の樹脂
を含む多成分系材料の総称を意味し、混ぜ合わせただけ
の単純なタイプから、通常混ざらない樹脂同士を化学的
な処理をして分散させたタイプまで含めて呼んである。
また、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂のどちらであって
も良い。
【0028】上記の樹脂は、いずれもバージン品であっ
ても良く、もしくは、使用済みの廃材であっても良い。
廃材の有効利用の観点からすると、使用済み樹脂を原料
として使用する方がより好ましい。
【0029】さらに、本発明の難燃化樹脂には、所望に
応じ、樹脂に一般的に配合されるカーボンブラック等で
代表される樹脂用添加剤を混練、成形等の加工性が低下
しない範囲で添加することができる。上記の樹脂用添加
剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、酸化アンチ
モン、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、リン系難燃剤等の
難燃化剤、帯電防止剤、顔料や染料等の着色剤、フェノ
ール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防
止剤等の酸化防止剤、フタル酸エステル、脂肪酸系可塑
剤、リン酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等の可塑
剤、ホスファイト、エポキシ化合物、ポリオール、過塩
素酸塩、ゼオライト、ハイドロタルサイト等の熱安定
剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ガラス繊維、炭素繊
維等の強化繊維、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填
剤、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粉末等の
強化剤、紫外線吸収剤、相容化剤、表面処理剤、改質剤
等を挙げることができる。
【0030】本実施形態に係る樹脂用難燃化剤によれ
ば、生活排水等から得られる有機系汚泥に含まれるリン
や窒素により樹脂の難燃性を向上させることができる。
一方、樹脂に無機系汚泥を添加することにより、無機系
汚泥に含まれる酸化物や水酸化物あるいはハロゲン化物
の状態にある金属成分により、難燃性を向上させること
ができる。従って、従来は廃棄物として排出されていた
汚泥を有効に利用して難燃化効果の優れる樹脂用難燃化
剤を得ることができる。また、使用済みとなった例えば
発砲スチロールなどの樹脂にも本発明を適用することが
できるため、廃棄プラスチックの有効利用にも貢献でき
る。また、本発明は、難燃効果の優れる樹脂用難燃化
剤、当該樹脂用難燃化剤を添加した難燃性に優れる樹脂
を提供するばかりでなく、廃棄物の排出量の低減および
有効利用の観点から地球の環境保全に貢献する事ができ
る。
【0031】次に、本発明の樹脂用難燃化剤および難燃
化樹脂の製造方法(樹脂の難燃化方法)について説明す
る。まず、各種の工場の排水や家庭排水から得られる汚
泥の成分を分析し、使用に適した汚泥を少なくとも1種
類決定する。このとき、将来的に難燃剤や難燃化樹脂お
よび当該難燃化樹脂の成形体を土に返すことを考慮する
と、水銀や、砒素などの有害物質は、できるだけ含まな
い汚泥を使用することが好ましい。
【0032】そして、各種の産業排水からの汚泥は通常
水分が70%〜80%含んでいるため、樹脂と混合させ
るために、熱風乾燥やロータリーキルンの使用等による
加熱、減圧、冷凍、燃焼、天日等の方法により乾燥して
汚泥乾燥物を製造する。このとき、汚泥はあまり高い温
度で乾燥すると、炭化等により色が黒ずんでくるため、
できるだけ低い温度で乾燥させることが好ましい。例え
ば、樹脂の成形温度より低い温度で乾燥することが好ま
しく、さらに好ましくは樹脂の成形温度より20℃以上
低い温度で乾燥することが好ましい。これにより、当該
汚泥乾燥物が本発明に係る樹脂用難燃化剤として製造さ
れる。
【0033】次に、上記の汚泥乾燥物からなる樹脂用難
燃化剤を樹脂に添加して難燃化樹脂を製造するために、
必要に応じて汚泥乾燥物を粉砕や分級して、細かく、か
つ粒径分布が少ない粉状にする。
【0034】次に、上記の粉状の汚泥乾燥物からなる樹
脂用難燃化剤と所定の樹脂、および所望により他の樹脂
用添加物を所定量の割合で配合し、例えば、2本ロール
ミル、ニーダー、インターミックス、バンバリーミキサ
ー等の混合機を用いる通常の合成樹脂の配合方法により
製造する。これにより、当該汚泥乾燥物を樹脂用難燃化
剤として含有する難燃化樹脂が製造される。
【0035】そして、得られた難燃化樹脂の樹脂成形体
を製造する場合には、上記の方法により得られた難燃化
樹脂を、例えば、圧縮成形、トランスファー成形、射出
成形、カスチング、スラッシュ成形、真空成形、積層成
形、押出成形等の各種成形方法の中から、難燃化樹脂の
成分及び成形物の形状により適宜の方法を選択して樹脂
成形体を得ることができる。
【0036】上記の本実施形態に係る樹脂の難燃化方法
によれば、特に新たな製造工程を設ける必要なく廃棄物
として排出されていた汚泥を有効利用することができ、
コストの削減を図りつつ、樹脂の難燃化を図ることがで
きる。
【0037】本発明の樹脂用難燃化剤、難燃化樹脂およ
び樹脂の難燃化方法は、上記の実施形態の説明に限定さ
れない。例えば、上述したように樹脂用難燃化剤は、汚
泥乾燥物のみでなく、他の一般の樹脂用難燃化剤と組み
合わせて使用することもできるし、また、汚泥に含まれ
る成分を有効に樹脂用難燃化剤として使用できれば、汚
泥の乾燥の程度等は特に限定されるものではない。ま
た、上記の樹脂用難燃化剤により難燃化される樹脂であ
れば、特に樹脂の種類について限定はない。その他、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であ
る。
【0038】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、以下に述べるのは、あくまで本発明の一
実施態様であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、
汚泥成分の配合割合、樹脂の種類等を自由に変更するこ
とができる。
【0039】(樹脂用難燃化剤1の作製)半導体工場か
ら排出された汚泥(水分68%含有)を減圧乾燥機によ
り圧力1.33kPa(10Torr)、温度100℃
で4時間乾燥させて、灰色粉末状の樹脂用難燃化剤を得
た。この樹脂用難燃化剤としての粉末中には、分析の結
果、アルミニウムが22重量%、カルシウムが19重量
%、マグネシウムが1.0重量%、シリコンが8.0重
量%、フッ素が8.0重量%含まれていた。
【0040】(樹脂用難燃化剤2の作製)下水処理場か
らの混合生汚泥の脱水ケーキを減圧乾燥機により圧力
1.33kPa(10Torr)、温度100℃で4時
間乾燥させて、淡茶色粉末状の樹脂用難燃化剤を得た。
この樹脂用難燃化剤としての粉末中には、分析の結果、
アルミニウムが8.0重量%、リンが3.1重量%、シ
リコンが15.8重量%、窒素が3.2重量%、塩素が
5.3重量%含まれていた。
【0041】(樹脂用難燃化剤3の作製)化学工場から
排出された汚泥(水分62%含有)を減圧乾燥機により
圧力1.33kPa(10Torr)、温度100℃で
4時間乾燥させて、粉末状の樹脂用難燃化剤を得た。こ
の樹脂用難燃化剤としての粉末中には、分析の結果、ア
ルミニウムが12重量%、アンチモンが5.8重量%、
鉄が9.0重量%、チタンが4.0重量%含まれてい
た。
【0042】実施例1 樹脂用難燃化剤1をABS樹脂に20重量%混合し、2
50℃で10分間ヒートプレスを行うことでシート状の
樹脂板を得た。
【0043】実施例2 樹脂用難燃化剤3をHIPS(ハイ−インパクトポリス
チレン)樹脂に15重量%混合し、250℃で10分間
ヒートプレスを行うことでシート状の樹脂板を得た。
【0044】実施例3 樹脂用難燃化剤2と樹脂用難燃化剤3をフェノール樹脂
(プリント基板材)にそれぞれ10重量%内添してシー
ト状の樹脂板を得た。
【0045】実施例4 樹脂用難燃化剤1と樹脂用難燃化剤2をPC(ポリカー
ボネイト)樹脂にそれぞれ10重量%混合し、280℃
で10分間ヒートプレスを行うことでシート状の樹脂板
を得た。
【0046】実施例5 樹脂用難燃化剤3をPP(ポリプロピレン)樹脂に15
重量%混合し、250℃で10分間ヒートプレスを行う
ことでシート状の樹脂板を得た。
【0047】実施例6 樹脂用難燃化剤1を使用済みの発砲スチロール(PS:
ポリスチレン)樹脂に20重量%混合し、250℃で1
0分間ヒートプレスを行うことでシート状の樹脂板を得
た。
【0048】実施例7 樹脂用難燃化剤1〜3をガラスエポキシ樹脂(プリント
基板材)にそれぞれ8重量%内添してシート状の樹脂板
を得た。
【0049】比較例1〜7 比較例1〜7として、実施例1〜実施例7で使用したの
と同じ樹脂で、樹脂用難燃化剤を添加せず、その他はそ
れぞれ同じ条件で加工、成形してシート状の樹脂板を得
た。
【0050】以上のようにして、実施例1〜7および比
較例1〜7において得られた樹脂板の難燃性をUL規格
94(Underwriters Laboratories Subject 94) に基づ
いて評価したところ、表1に示す結果となった。なお、
UL規格では、難燃レベルの高い順に、5V、V−0、
V−1、V−2、HBとなっている。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように、樹脂に汚泥乾燥
物からなる樹脂用難燃化剤を添加することにより、添加
していない樹脂に比して難燃性のレベルが向上している
ことが確認された。なお、表には示してはいないが、汚
泥乾燥物に既存の例えば水酸化アルミニウム等の樹脂用
難燃化剤を加えるとさらに樹脂の難燃化の効果があるこ
とが確認された。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、従来は廃棄物として排
出されていた汚泥を有効に利用して難燃化効果の優れる
樹脂用難燃化剤、および難燃性に優れる難燃化樹脂を得
ることができる。また、本発明は、難燃化効果の優れる
樹脂および難燃性に優れる難燃化樹脂を提供するばかり
でなく、廃棄物の排出量の低減および有効利用の観点か
ら地球の環境保全に貢献する事ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 21/02 C09K 21/02 Fターム(参考) 4D059 AA03 BD40 CC10 4H028 AA05 AA07 AA08 AA10 AA11 AA12 AA42 AB04 BA06 4J002 AB011 AC061 AC071 AE051 BB001 BB031 BB121 BC031 BC061 BC111 BD031 BE021 BG021 BG101 BK001 BN141 BN151 CC031 CC181 CD001 CF061 CF071 CF161 CF181 CF191 CH021 CH051 CH071 CH091 CK021 CL001 CM041 CN011 CN031 DD076 DE076 DE126 DE136 DE146 DE236 DE246 DG046 DH006 DJ016 DM006 FD010 FD020 FD040 FD060 FD070 FD136

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤。
  2. 【請求項2】前記汚泥成分として、無機系汚泥成分を含
    む請求項1記載の樹脂用難燃化剤。
  3. 【請求項3】前記汚泥成分として、アルミニウム、カル
    シウム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタン、アンチ
    モン、塩素あるいはフッ素の少なくとも1つを含む請求
    項2記載の樹脂用難燃化剤。
  4. 【請求項4】前記汚泥成分として、有機系汚泥成分を含
    む請求項1記載の樹脂用難燃化剤。
  5. 【請求項5】前記汚泥成分として、リンあるいは窒素の
    少なくとも1つを含む請求項4記載の樹脂用難燃化剤。
  6. 【請求項6】樹脂成分と、汚泥成分を含む樹脂用難燃化
    剤とを含有する難燃化樹脂。
  7. 【請求項7】前記樹脂成分は、廃棄プラスチックからの
    樹脂成分を含む請求項6記載の難燃化樹脂。
  8. 【請求項8】前記樹脂用難燃化剤は、無機系汚泥成分を
    含む請求項6記載の難燃化樹脂。
  9. 【請求項9】前記樹脂用難燃化剤は、アルミニウム、カ
    ルシウム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタン、アン
    チモン、塩素あるいはフッ素の少なくとも1つを含む無
    機系汚泥成分を含む請求項8記載の難燃化樹脂。
  10. 【請求項10】前記樹脂用難燃化剤は、有機系汚泥成分
    を含む請求項6記載の難燃化樹脂。
  11. 【請求項11】前記樹脂用難燃化剤は、リンあるいは窒
    素の少なくとも1つを含む有機系汚泥成分を含む請求項
    10記載の難燃化樹脂。
  12. 【請求項12】樹脂成分に汚泥成分を含む樹脂用難燃化
    剤を添加することにより難燃性を付与する樹脂の難燃化
    方法。
  13. 【請求項13】前記樹脂成分は、廃棄プラスチックから
    の樹脂成分を含む請求項12記載の樹脂の難燃化方法。
  14. 【請求項14】前記樹脂用難燃化剤として、無機系汚泥
    成分を含む樹脂用難燃化剤を添加する請求項12記載の
    樹脂の難燃化方法。
  15. 【請求項15】前記樹脂用難燃化剤として、アルミニウ
    ム、カルシウム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタ
    ン、アンチモン、塩素あるいはフッ素の少なくとも1つ
    を含む無機系汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤を添加する
    請求項14記載の樹脂の難燃化方法。
  16. 【請求項16】前記樹脂用難燃化剤として、有機系汚泥
    成分を含む樹脂用難燃化剤を添加する請求項12記載の
    樹脂の難燃化方法。
  17. 【請求項17】前記樹脂用難燃化剤として、リンあるい
    は窒素の少なくとも1つを含む有機系汚泥成分を含む樹
    脂用難燃化剤を添加する請求項16記載の樹脂の難燃化
    方法。
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