JP4517494B2 - 樹脂用難燃化剤、難燃化樹脂および樹脂の難燃化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、樹脂に難燃性を付与する樹脂用難燃化剤、当該樹脂用難燃化剤を含む難燃化樹脂、および樹脂の難燃化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
汚泥や廃棄プラスチックの排出量は年々増加傾向にあるものの、主に埋め立てや焼却処分されておりそのほとんどが有効利用されていないのが現状である。
一方、軽量化や低価格化、良加工性等の観点から家電製品をはじめとして種々の分野においてプラスチックが多用されているが、安全性向上のためにはプラスチックの難燃化対策は必須である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、汚泥や廃棄プラスチックは、埋め立てや焼却処分されるのが一般的であったが、埋め立て処分地の不足や焼却時のダイオキシン等の発生等の理由から、これらの処理方法に代わる技術が望まれている。
また、近年、上記のゴミ問題を含めた地球環境問題がクローズアップされるようになり、排出物の有効利用技術に関するニーズが世界的なレベルで高まってきている。
一方、プラスチック材料の難燃化方法としては、プラスチック中に難燃化剤を添加することが一般的であるが、比較的高価格な材料を添加する必要があるため、より低価格で効果的な難燃化技術が望まれている。
【0004】
本発明は、上述した社会的背景と従来技術の問題点に鑑み、汚泥や廃棄プラスチックの有効利用を図り、かつ、難燃化効果の優れる樹脂用難燃化剤、当該樹脂用難燃化剤を添加した難燃化樹脂および樹脂の難燃化方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を克服するため鋭意研究を重ねた結果、汚泥乾燥物が各種樹脂に対して難燃化効果に優れた樹脂用難燃化剤として利用できることを見い出し本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の樹脂用難燃化剤は、汚泥成分を含む。
また、本発明の難燃化樹脂は、樹脂成分と、汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤とを含有する。
ここで、汚泥成分とは、汚泥に含まれている成分をいう。
【0006】
例えば、前記汚泥成分として、無機系汚泥成分を含み、好適には、前記汚泥成分として、アルミニウム、カルシウム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタン、アンチモン、塩素あるいはフッ素の少なくとも1つを含む。
本願明細書において、汚泥成分中に主に無機物を含有するものを無機系汚泥と呼び、無機系汚泥成分とは、当該無機系汚泥に含まれる成分をいう。
【0007】
例えば、前記汚泥成分として、有機系汚泥成分を含み、好適には、前記汚泥成分として、有機系のリン分および窒素分を含有する。本願明細書において、汚泥成分中に主に有機物を含有するものを有機系汚泥と呼び、有機系汚泥成分とは、当該有機系汚泥に含まれる成分をいう。
【0008】
例えば、前記樹脂成分は、廃棄プラスチックからの樹脂成分を含む。
【0009】
上記の本発明の樹脂用難燃化剤によれば、汚泥成分を含んでおり、汚泥には、種々の物質が含まれており、例えば種々の金属等の無機物や、リンや窒素等を含有する有機物が含まれている。
従って、例えば生活排水等から得られる有機系汚泥に含まれるリンや窒素により樹脂の難燃性を向上させることができる。
一方、樹脂成分に無機系汚泥を添加することにより、無機系汚泥に含まれる酸化物や水酸化物あるいはハロゲン化物の状態にある金属成分により、難燃性を向上させることができる。
また、樹脂成分として、廃棄プラスチックからの樹脂成分を含むことにより、廃棄物の排出量の低減および有効利用の観点から地球の環境保全に貢献する事ができる。
【0010】
さらに、上記の目的を達成するため、本発明の樹脂の難燃化方法は、樹脂成分に汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤を添加することにより難燃性を付与する。
【0011】
例えば、前記樹脂成分は、廃棄プラスチックからの樹脂成分を含む。
【0012】
例えば、前記樹脂用難燃化剤として、無機系汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤を添加し、好適には、アルミニウム、カルシウム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタン、アンチモン、塩素あるいはフッ素の少なくとも1つを含む無機系汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤を添加する。
【0013】
例えば、前記樹脂用難燃化剤として、有機系汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤を添加し、好適には、有機系のリン分および窒素分を含有する有機系汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤を添加する。
【0014】
上記の本発明の樹脂の難燃化方法によれば、廃棄物として排出されていた汚泥を有効利用することができ、コストの削減を図りつつ、樹脂の難燃化を図ることができる。
また、樹脂成分として、廃棄プラスチックからの樹脂成分を使用することにより、廃棄物の排出量の低減および有効利用の観点から地球の環境保全に貢献する事ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の樹脂用難燃化剤、難燃化樹脂および樹脂の難燃化方法の実施の形態について説明する。
【0016】
上述したように、本発明の樹脂用難燃化剤は、汚泥成分を含む。例えば、本発明の樹脂用難燃化剤は、汚泥を乾燥させることにより得られる。
【0017】
本発明における汚泥とは、各種産業排水あるいは生活排水を浄化等の各種処理を行う際に発生する半液体状廃棄物をいう。
上記の各種産業排水からの汚泥としては、例えば半導体製造等の電気/電子、自動車、製鉄等の金属、製紙、化学、製薬、土建等の各種産業排水から得られるものを挙げることができる。
【0018】
上記の汚泥中には、元々種々の元素が化合物等の状態で含まれているが、排水処理の際には、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)、塩化第1鉄、塩化第2鉄、PAC(ポリ塩化アルミニウム)等の無機凝集剤が一般に使用されるため、さらに多くの種類の元素あるいはその化合物が汚泥中に混入されることになる。
【0019】
例えば、各種産業排水から得られる汚泥中には、各種産業においてその汚泥成分は異なっているものの、例えば、アルミニウム、カルシウム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタン、アンチモン、リン、窒素、塩素、フッ素の少なくとも1種類以上の元素が、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩等のような状態で含まれており、このような化合物は元来難燃剤として使用されてきているものであり、これらが樹脂の難燃化に大きく貢献することになる。
【0020】
また、例えば、生活排水等から得られる汚泥には、洗剤などの成分に起因するリンの他、窒素なども含まれており、これらも樹脂の難燃化に大きく貢献することになる。
【0021】
ここで、本願明細書において、汚泥成分中に主に無機物を含有するものを無機系汚泥と呼び、汚泥成分中に主に有機物を含有するものを有機系汚泥と呼ぶ。
上記の生活排水より得られる汚泥は、主に有機系汚泥に属し、上記の産業排水により得られる汚泥は、主に無機系汚泥に属すると考えられる。
【0022】
これらの汚泥成分中に含まれるアルミニウム、カルシウム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタン、アンチモン、リン、窒素、塩素、フッ素、およびこれらの化合物の含有量は特に限定しないが、通常、0.01重量%以上が好ましく、1重量%以上がさらに好ましい。含有量が少ないと樹脂の難燃化効果が低くなるからである。
【0023】
以上の汚泥は、単独で樹脂用難燃化剤として使用しても良いが、2種類以上を混合して樹脂用難燃化剤とすることもできる。
【0024】
上述した汚泥を例えば乾燥させて樹脂に添加することにより、本発明に係る樹脂成分と、汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤とを含有する難燃化樹脂となる。
【0025】
例えば乾燥状態における汚泥成分の添加量は、樹脂重量に対して0.01〜300重量%、好ましくは、0.2〜100重量%、さらに好ましくは、1〜50重量%である。添加量が少なすぎると樹脂の難燃化効果が低くなり、一方、多すぎると樹脂本来の成形可能性や耐衝撃性等の特性が損なわれることになるからである。
【0026】
上記の汚泥乾燥物の添加により難燃化可能な樹脂としては、例えば、ポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル(SAN)樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ナイロン樹脂、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンスルフィド、ポリアクリロニトリル−ブタジエン(ニトリルゴム)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスルホン、ポリアリルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリチオエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエーテル、ポリクロロメチルスチレン、セルロース、ポリビニルアルコール、キチン、ポリ乳酸、ポリラクチド、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、セルロイド、ポリエチレンオキサイド(PEO)、エポキシ樹脂、フェノール−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、琥珀樹脂、テルペン樹脂、各種液晶ポリマー等を挙げることができる。
【0027】
本発明の樹脂用難燃化剤を添加する樹脂成分として、上記した樹脂を単独で使用しても良いし、また、上記した樹脂の2種以上を任意の割合で混合した混合物を使用しても良い。
なお、本願明細書においては、混合物とは、ポリマーアロイのような2種類以上の樹脂を含む多成分系材料の総称を意味し、混ぜ合わせただけの単純なタイプから、通常混ざらない樹脂同士を化学的な処理をして分散させたタイプまで含めて呼んである。
また、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂のどちらであっても良い。
【0028】
上記の樹脂は、いずれもバージン品であっても良く、もしくは、使用済みの廃材であっても良い。廃材の有効利用の観点からすると、使用済み樹脂を原料として使用する方がより好ましい。
【0029】
さらに、本発明の難燃化樹脂には、所望に応じ、樹脂に一般的に配合されるカーボンブラック等で代表される樹脂用添加剤を混練、成形等の加工性が低下しない範囲で添加することができる。
上記の樹脂用添加剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、リン系難燃剤等の難燃化剤、帯電防止剤、顔料や染料等の着色剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤、フタル酸エステル、脂肪酸系可塑剤、リン酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等の可塑剤、ホスファイト、エポキシ化合物、ポリオール、過塩素酸塩、ゼオライト、ハイドロタルサイト等の熱安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ガラス繊維、炭素繊維等の強化繊維、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粉末等の強化剤、紫外線吸収剤、相容化剤、表面処理剤、改質剤等を挙げることができる。
【0030】
本実施形態に係る樹脂用難燃化剤によれば、生活排水等から得られる有機系汚泥に含まれるリンや窒素により樹脂の難燃性を向上させることができる。
一方、樹脂に無機系汚泥を添加することにより、無機系汚泥に含まれる酸化物や水酸化物あるいはハロゲン化物の状態にある金属成分により、難燃性を向上させることができる。
従って、従来は廃棄物として排出されていた汚泥を有効に利用して難燃化効果の優れる樹脂用難燃化剤を得ることができる。また、使用済みとなった例えば発砲スチロールなどの樹脂にも本発明を適用することができるため、廃棄プラスチックの有効利用にも貢献できる。
また、本発明は、難燃効果の優れる樹脂用難燃化剤、当該樹脂用難燃化剤を添加した難燃性に優れる樹脂を提供するばかりでなく、廃棄物の排出量の低減および有効利用の観点から地球の環境保全に貢献する事ができる。
【0031】
次に、本発明の樹脂用難燃化剤および難燃化樹脂の製造方法(樹脂の難燃化方法)について説明する。
まず、各種の工場の排水や家庭排水から得られる汚泥の成分を分析し、使用に適した汚泥を少なくとも1種類決定する。このとき、将来的に難燃剤や難燃化樹脂および当該難燃化樹脂の成形体を土に返すことを考慮すると、水銀や、砒素などの有害物質は、できるだけ含まない汚泥を使用することが好ましい。
【0032】
そして、各種の産業排水からの汚泥は通常水分が70%〜80%含んでいるため、樹脂と混合させるために、熱風乾燥やロータリーキルンの使用等による加熱、減圧、冷凍、燃焼、天日等の方法により乾燥して汚泥乾燥物を製造する。
このとき、汚泥はあまり高い温度で乾燥すると、炭化等により色が黒ずんでくるため、できるだけ低い温度で乾燥させることが好ましい。例えば、樹脂の成形温度より低い温度で乾燥することが好ましく、さらに好ましくは樹脂の成形温度より20℃以上低い温度で乾燥することが好ましい。
これにより、当該汚泥乾燥物が本発明に係る樹脂用難燃化剤として製造される。
【0033】
次に、上記の汚泥乾燥物からなる樹脂用難燃化剤を樹脂に添加して難燃化樹脂を製造するために、必要に応じて汚泥乾燥物を粉砕や分級して、細かく、かつ粒径分布が少ない粉状にする。
【0034】
次に、上記の粉状の汚泥乾燥物からなる樹脂用難燃化剤と所定の樹脂、および所望により他の樹脂用添加物を所定量の割合で配合し、例えば、2本ロールミル、ニーダー、インターミックス、バンバリーミキサー等の混合機を用いる通常の合成樹脂の配合方法により製造する。
これにより、当該汚泥乾燥物を樹脂用難燃化剤として含有する難燃化樹脂が製造される。
【0035】
そして、得られた難燃化樹脂の樹脂成形体を製造する場合には、上記の方法により得られた難燃化樹脂を、例えば、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、カスチング、スラッシュ成形、真空成形、積層成形、押出成形等の各種成形方法の中から、難燃化樹脂の成分及び成形物の形状により適宜の方法を選択して樹脂成形体を得ることができる。
【0036】
上記の本実施形態に係る樹脂の難燃化方法によれば、特に新たな製造工程を設ける必要なく廃棄物として排出されていた汚泥を有効利用することができ、コストの削減を図りつつ、樹脂の難燃化を図ることができる。
【0037】
本発明の樹脂用難燃化剤、難燃化樹脂および樹脂の難燃化方法は、上記の実施形態の説明に限定されない。例えば、上述したように樹脂用難燃化剤は、汚泥乾燥物のみでなく、他の一般の樹脂用難燃化剤と組み合わせて使用することもできるし、また、汚泥に含まれる成分を有効に樹脂用難燃化剤として使用できれば、汚泥の乾燥の程度等は特に限定されるものではない。
また、上記の樹脂用難燃化剤により難燃化される樹脂であれば、特に樹脂の種類について限定はない。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0038】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下に述べるのは、あくまで本発明の一実施態様であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、汚泥成分の配合割合、樹脂の種類等を自由に変更することができる。
【0039】
(樹脂用難燃化剤1の作製)
半導体工場から排出された汚泥(水分68%含有)を減圧乾燥機により圧力1.33kPa(10Torr)、温度100℃で4時間乾燥させて、灰色粉末状の樹脂用難燃化剤を得た。この樹脂用難燃化剤としての粉末中には、分析の結果、アルミニウムが22重量%、カルシウムが19重量%、マグネシウムが1.0重量%、シリコンが8.0重量%、フッ素が8.0重量%含まれていた。
【0040】
(樹脂用難燃化剤2の作製)
下水処理場からの混合生汚泥の脱水ケーキを減圧乾燥機により圧力1.33kPa(10Torr)、温度100℃で4時間乾燥させて、淡茶色粉末状の樹脂用難燃化剤を得た。この樹脂用難燃化剤としての粉末中には、分析の結果、アルミニウムが8.0重量%、リンが3.1重量%、シリコンが15.8重量%、窒素が3.2重量%、塩素が5.3重量%含まれていた。
【0041】
(樹脂用難燃化剤3の作製)
化学工場から排出された汚泥(水分62%含有)を減圧乾燥機により圧力1.33kPa(10Torr)、温度100℃で4時間乾燥させて、粉末状の樹脂用難燃化剤を得た。この樹脂用難燃化剤としての粉末中には、分析の結果、アルミニウムが12重量%、アンチモンが5.8重量%、鉄が9.0重量%、チタンが4.0重量%含まれていた。
【0042】
実施例1
樹脂用難燃化剤1をABS樹脂に20重量%混合し、250℃で10分間ヒートプレスを行うことでシート状の樹脂板を得た。
【0043】
実施例2
樹脂用難燃化剤3をHIPS(ハイ−インパクトポリスチレン)樹脂に15重量%混合し、250℃で10分間ヒートプレスを行うことでシート状の樹脂板を得た。
【0044】
実施例3
樹脂用難燃化剤2と樹脂用難燃化剤3をフェノール樹脂(プリント基板材)にそれぞれ10重量%内添してシート状の樹脂板を得た。
【0045】
実施例4
樹脂用難燃化剤1と樹脂用難燃化剤2をPC(ポリカーボネイト)樹脂にそれぞれ10重量%混合し、280℃で10分間ヒートプレスを行うことでシート状の樹脂板を得た。
【0046】
実施例5
樹脂用難燃化剤3をPP(ポリプロピレン)樹脂に15重量%混合し、250℃で10分間ヒートプレスを行うことでシート状の樹脂板を得た。
【0047】
実施例6
樹脂用難燃化剤1を使用済みの発砲スチロール(PS:ポリスチレン)樹脂に20重量%混合し、250℃で10分間ヒートプレスを行うことでシート状の樹脂板を得た。
【0048】
実施例7
樹脂用難燃化剤1〜3をガラスエポキシ樹脂(プリント基板材)にそれぞれ8重量%内添してシート状の樹脂板を得た。
【0049】
比較例1〜7
比較例1〜7として、実施例1〜実施例7で使用したのと同じ樹脂で、樹脂用難燃化剤を添加せず、その他はそれぞれ同じ条件で加工、成形してシート状の樹脂板を得た。
【0050】
以上のようにして、実施例1〜7および比較例1〜7において得られた樹脂板の難燃性をUL規格94(Underwriters Laboratories Subject 94) に基づいて評価したところ、表1に示す結果となった。
なお、UL規格では、難燃レベルの高い順に、5V、V−0、V−1、V−2、HBとなっている。
【0051】
【表1】
【0052】
表1から明らかなように、樹脂に汚泥乾燥物からなる樹脂用難燃化剤を添加することにより、添加していない樹脂に比して難燃性のレベルが向上していることが確認された。
なお、表には示してはいないが、汚泥乾燥物に既存の例えば水酸化アルミニウム等の樹脂用難燃化剤を加えるとさらに樹脂の難燃化の効果があることが確認された。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、従来は廃棄物として排出されていた汚泥を有効に利用して難燃化効果の優れる樹脂用難燃化剤、および難燃性に優れる難燃化樹脂を得ることができる。
また、本発明は、難燃化効果の優れる樹脂および難燃性に優れる難燃化樹脂を提供するばかりでなく、廃棄物の排出量の低減および有効利用の観点から地球の環境保全に貢献する事ができる。
Claims (11)
- 産業排水または生活排水の浄化処理時に発生し、有機系のリン分および窒素分を含有する有機系汚泥成分を含む、
樹脂用難燃化剤。 - 前記有機系汚泥成分は、生活排水の浄化処理時に発生するものである、
請求項1記載の樹脂用難燃化剤。 - 前記産業排水の浄化処理時に発生し、アルミニウム、カルシウム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタン、アンチモン、塩素あるいはフッ素の少なくとも1つを含有する無機系汚泥成分をさらに含む、
請求項1記載の樹脂用難燃化剤。 - 樹脂成分と、
産業排水または生活排水の浄化処理時に発生し、有機系のリン分および窒素分を含有する有機系汚泥成分を、汚泥成分として含む樹脂用難燃化剤とを有し、
該汚泥成分が、その水分を除いた重量として、前記樹脂成分に対して0.01〜300重量%含有される、
難燃化樹脂。 - 前記樹脂成分は、廃棄プラスチックからの樹脂成分を含む
請求項4記載の難燃化樹脂。 - 前記有機系汚泥成分は、生活排水の浄化処理時に発生するものである、
請求項4または5記載の難燃化樹脂。 - 前記汚泥成分は、前記産業排水の浄化処理時に発生し、アルミニウム、カルシウム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタン、アンチモン、塩素あるいはフッ素の少なくとも1つを含有する無機系汚泥成分をさらに含む、
請求項4または5記載の難燃化樹脂。 - 樹脂成分に、産業排水または生活排水の浄化処理時に発生し、有機系のリン分および窒素分を含有する有機系汚泥成分を含む樹脂用難燃化剤を添加することにより難燃性を付与する、
樹脂の難燃化方法。 - 前記樹脂成分は、廃棄プラスチックからの樹脂成分を含む、
請求項8記載の樹脂の難燃化方法。 - 前記有機系汚泥成分は、生活排水の浄化処理時に発生するものである前記樹脂用難燃化剤を添加することにより難燃性を付与する、
請求項8または9記載の樹脂の難燃化方法。 - 前記産業排水の浄化処理時に発生し、アルミニウム、カルシウム、鉄、シリコン、マグネシウム、チタン、アンチモン、塩素あるいはフッ素の少なくとも1つを含有する無機系汚泥成分をさらに含む前記樹脂用難燃化剤を添加することにより難燃性を付与する、
請求項8または9記載の樹脂の難燃化方法。
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