JP2002128725A - 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の製造方法 - Google Patents
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の製造方法Info
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】2−ナフトールと二酸化炭素とを反応させて溶
媒を使用することなく、高収率で6−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸を製造する方法を提供する。 【解決手段】2−ナフトールのセシウム塩又はルビジウ
ム塩と、二酸化炭素とを、二酸化炭素が超臨界状態また
は亜臨界状態になる条件下で反応させる6−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸の製造方法。
媒を使用することなく、高収率で6−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸を製造する方法を提供する。 【解決手段】2−ナフトールのセシウム塩又はルビジウ
ム塩と、二酸化炭素とを、二酸化炭素が超臨界状態また
は亜臨界状態になる条件下で反応させる6−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、6−ヒドロキシ−
2−ナフトエ酸の製造方法に関する。
2−ナフトエ酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸は液晶
高分子の原料モノマーとして工業的に用いられている。
従来、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸は、2−ナフト
ールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ塩を二酸
化炭素と反応させて製造する方法が開示されている。
高分子の原料モノマーとして工業的に用いられている。
従来、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸は、2−ナフト
ールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ塩を二酸
化炭素と反応させて製造する方法が開示されている。
【0003】特開2000−72709号公報には、芳
香族ヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩と二酸化炭素を
無溶媒下において100℃以下の温度で反応させて芳香
族ヒドロキシカルボン酸を製造する方法が開示されてい
るが、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の収率は低かっ
た。
香族ヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩と二酸化炭素を
無溶媒下において100℃以下の温度で反応させて芳香
族ヒドロキシカルボン酸を製造する方法が開示されてい
るが、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の収率は低かっ
た。
【0004】米国特許第5075496号明細書には、
2−ナフトールのセシウム塩又はルビジウム塩と二酸化
炭素を圧力20〜100psi(0.1〜0.7MP
a)、温度255〜280℃の条件下で反応させ、6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を合成する方法が開示され
ているが、高沸点の炭化水素溶媒を使用する必要がある
うえに収率は低かった。溶媒が必要であるのでそのリサ
イクルプロセスが必要となること、溶媒有機物の劣化に
より生成する不純物の分離プロセスが必要になるなど、
プロセスが複雑化する問題点があった。
2−ナフトールのセシウム塩又はルビジウム塩と二酸化
炭素を圧力20〜100psi(0.1〜0.7MP
a)、温度255〜280℃の条件下で反応させ、6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を合成する方法が開示され
ているが、高沸点の炭化水素溶媒を使用する必要がある
うえに収率は低かった。溶媒が必要であるのでそのリサ
イクルプロセスが必要となること、溶媒有機物の劣化に
より生成する不純物の分離プロセスが必要になるなど、
プロセスが複雑化する問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、2−
ナフトールと二酸化炭素とを反応させて溶媒を使用する
ことなく、高収率で6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を
製造する方法を提供することにある。
ナフトールと二酸化炭素とを反応させて溶媒を使用する
ことなく、高収率で6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を
製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、2
−ナフトールのセシウム塩又はルビジウム塩と、二酸化
炭素とを、二酸化炭素が超臨界状態または亜臨界状態に
なる条件下で反応させる6−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸の製造方法である。
−ナフトールのセシウム塩又はルビジウム塩と、二酸化
炭素とを、二酸化炭素が超臨界状態または亜臨界状態に
なる条件下で反応させる6−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において出発原料として、2−ナフトール
のセシウム塩又はルビジウム塩が用いられるが、セシウ
ム塩の方が収率が高くなるので好ましい。セシウムとル
ビジウムを複合化して用いることも可能である。その調
製方法は限定されないが、例えば、2−ナフトールと水
酸化セシウム又は水酸化ルビジウムを水に溶かして混合
した後、水留去、乾燥して調製する方法が挙げられる。
この際、乾燥により十分水を取り除くことが好ましい。
する。本発明において出発原料として、2−ナフトール
のセシウム塩又はルビジウム塩が用いられるが、セシウ
ム塩の方が収率が高くなるので好ましい。セシウムとル
ビジウムを複合化して用いることも可能である。その調
製方法は限定されないが、例えば、2−ナフトールと水
酸化セシウム又は水酸化ルビジウムを水に溶かして混合
した後、水留去、乾燥して調製する方法が挙げられる。
この際、乾燥により十分水を取り除くことが好ましい。
【0008】本発明の製造方法においては、2−ナフト
ールのアルカリ金属塩以外のアルカリ金属塩およびアル
カリ土類金属塩のいずれか一種以上の存在下に反応を行
うことが好ましい。特にアルカリ金属無機塩およびアル
カリ土類金属無機塩のいずれか一種以上の存在下に反応
を行なうことが好ましい。アルカリ金属無機塩およびア
ルカリ土類金属無機塩としては、炭酸塩が好ましい。か
かるアルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ土類金属の炭
酸塩としては、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、R
b2CO3、Cs2CO3、MgCO3、CaCO3、SrC
O3、BaCO3が挙げられるが、高い収率が得られるの
でNa2CO3、K2CO3が好ましい。2−ナフトールの
アルカリ金属塩以外のアルカリ金属塩およびアルカリ土
類金属塩は、単独でも、混合物でも使用できる。またこ
れらは、2−ナフトールのセシウム塩又はルビジウム塩
を調製する前でも後でも、添加することができる。
ールのアルカリ金属塩以外のアルカリ金属塩およびアル
カリ土類金属塩のいずれか一種以上の存在下に反応を行
うことが好ましい。特にアルカリ金属無機塩およびアル
カリ土類金属無機塩のいずれか一種以上の存在下に反応
を行なうことが好ましい。アルカリ金属無機塩およびア
ルカリ土類金属無機塩としては、炭酸塩が好ましい。か
かるアルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ土類金属の炭
酸塩としては、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、R
b2CO3、Cs2CO3、MgCO3、CaCO3、SrC
O3、BaCO3が挙げられるが、高い収率が得られるの
でNa2CO3、K2CO3が好ましい。2−ナフトールの
アルカリ金属塩以外のアルカリ金属塩およびアルカリ土
類金属塩は、単独でも、混合物でも使用できる。またこ
れらは、2−ナフトールのセシウム塩又はルビジウム塩
を調製する前でも後でも、添加することができる。
【0009】2−ナフトールのアルカリ金属塩以外のア
ルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の一種以上の添
加量は、2−ナフトールセシウム塩またはルビジウム塩
に対して0.03〜10倍モルの範囲が好ましい。より
好ましくは0.1〜5倍モルであり、さらに好ましくは
0.5〜3倍モルである。
ルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の一種以上の添
加量は、2−ナフトールセシウム塩またはルビジウム塩
に対して0.03〜10倍モルの範囲が好ましい。より
好ましくは0.1〜5倍モルであり、さらに好ましくは
0.5〜3倍モルである。
【0010】本発明においては、二酸化炭素が超臨界状
態または亜臨界状態になる条件下で反応させることを特
徴とする。物質には、固有の気体、液体、固体の3態が
あり、さらに、その物質固有の臨界温度以上かつその物
質固有の臨界圧力以上になると、圧力をかけても凝縮
(液化)しない流体相がある。物質がこの流体相となっ
た状態を超臨界状態といい、超臨界状態にある物質を超
臨界流体という。二酸化炭素は臨界温度が31℃、臨界
圧力が7.4MPaなので、31℃以上および7.4M
Pa以上の状態を超臨界状態という。
態または亜臨界状態になる条件下で反応させることを特
徴とする。物質には、固有の気体、液体、固体の3態が
あり、さらに、その物質固有の臨界温度以上かつその物
質固有の臨界圧力以上になると、圧力をかけても凝縮
(液化)しない流体相がある。物質がこの流体相となっ
た状態を超臨界状態といい、超臨界状態にある物質を超
臨界流体という。二酸化炭素は臨界温度が31℃、臨界
圧力が7.4MPaなので、31℃以上および7.4M
Pa以上の状態を超臨界状態という。
【0011】また、本発明の製造方法における亜臨界状
態とは、物質が、温度がその上記臨界温度(℃)の0.
4倍以上で、かつ圧力がその臨界圧力(MPa)の0.
4倍以上である温度・圧力条件下にある状態であり、か
つ超臨界状態にはない状態と定義する。すなわち、本発
明の製造方法で使用する亜臨界状態の二酸化炭素とは、
温度が12℃以上で、かつ圧力が3.0MPa以上であ
る温度・圧力範囲から、温度が31℃以上で、かつ圧力
が7.4MPa以上である温度・圧力範囲を除いた温度
・圧力範囲にある二酸化炭素である。このような亜臨界
状態にある物質を亜臨界流体という。
態とは、物質が、温度がその上記臨界温度(℃)の0.
4倍以上で、かつ圧力がその臨界圧力(MPa)の0.
4倍以上である温度・圧力条件下にある状態であり、か
つ超臨界状態にはない状態と定義する。すなわち、本発
明の製造方法で使用する亜臨界状態の二酸化炭素とは、
温度が12℃以上で、かつ圧力が3.0MPa以上であ
る温度・圧力範囲から、温度が31℃以上で、かつ圧力
が7.4MPa以上である温度・圧力範囲を除いた温度
・圧力範囲にある二酸化炭素である。このような亜臨界
状態にある物質を亜臨界流体という。
【0012】本発明の製造方法においては、反応温度を
12℃以上で実施することができるが、温度が低すぎる
と収率が低く、温度が高すぎると副反応が起こりやすく
なるため、180〜300℃の温度範囲で実施すること
が好ましい。より好ましくは200〜280℃であり、
さらに好ましくは220〜250℃である。
12℃以上で実施することができるが、温度が低すぎる
と収率が低く、温度が高すぎると副反応が起こりやすく
なるため、180〜300℃の温度範囲で実施すること
が好ましい。より好ましくは200〜280℃であり、
さらに好ましくは220〜250℃である。
【0013】本発明における圧力は、3MPa以上で実
施することができる。反応圧力が高くなると反応装置の
耐圧を増すためにコストがかかるので、反応圧力は25
MPa以下であることが好ましい。より好ましくは4〜
15MPaであり、さらに好ましくは6〜10MPaで
ある。
施することができる。反応圧力が高くなると反応装置の
耐圧を増すためにコストがかかるので、反応圧力は25
MPa以下であることが好ましい。より好ましくは4〜
15MPaであり、さらに好ましくは6〜10MPaで
ある。
【0014】本発明における反応時間は、工業的実施の
ためには30分〜50時間の範囲が好ましく、より好ま
しくは3時間〜30時間である。
ためには30分〜50時間の範囲が好ましく、より好ま
しくは3時間〜30時間である。
【0015】本発明の製造方法における反応終了後の反
応混合物には、未反応の原料や、副生成物が含まれるこ
ともある。また、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸は一
般にアルカリ塩として存在する。各種の用途に必要な純
度まで、目的とする6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を
分離して使用されるが、その方法は特に限定されず、酸
の添加や抽出、蒸留等の一般的な方法が適用できる。
応混合物には、未反応の原料や、副生成物が含まれるこ
ともある。また、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸は一
般にアルカリ塩として存在する。各種の用途に必要な純
度まで、目的とする6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を
分離して使用されるが、その方法は特に限定されず、酸
の添加や抽出、蒸留等の一般的な方法が適用できる。
【0016】すなわち、本発明の製造方法によれば、2
−ナフトールと二酸化炭素から溶媒(反応媒体)を使用
することなく50モル%を超える高収率で6−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸を製造することができるのである。
−ナフトールと二酸化炭素から溶媒(反応媒体)を使用
することなく50モル%を超える高収率で6−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸を製造することができるのである。
【0017】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。実施例における生成物の量は、リン酸緩衝液・メタ
ノール(体積比13:87)混合液に溶解した反応物に
ついて、高速液体クロマトグラフィーSPD−10A
(株式会社島津製作所製)を用いて検出した各物質の面
積をもとに、各物質の215nmにおける吸光度を考慮
した面積百分率法を用いて求めた。すなわち、(収率)
(モル%)={(生成した6-ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸のモル数)/(原料として使用した2−ナフトール
のモル数)}×100であり、(転化率)(モル%)=
{(消費された2−ナフトールのモル数)/(原料とし
て使用した2−ナフトールのモル数)}×100であ
る。
説明するが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。実施例における生成物の量は、リン酸緩衝液・メタ
ノール(体積比13:87)混合液に溶解した反応物に
ついて、高速液体クロマトグラフィーSPD−10A
(株式会社島津製作所製)を用いて検出した各物質の面
積をもとに、各物質の215nmにおける吸光度を考慮
した面積百分率法を用いて求めた。すなわち、(収率)
(モル%)={(生成した6-ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸のモル数)/(原料として使用した2−ナフトール
のモル数)}×100であり、(転化率)(モル%)=
{(消費された2−ナフトールのモル数)/(原料とし
て使用した2−ナフトールのモル数)}×100であ
る。
【0018】実施例1 2−ナフトール3.0g(和光純薬工業製、特級)と水
酸化セシウム1水和物4.52g(キシダ化学製、特
級)と炭酸カリウム2.87g(キシダ化学製、特級)
とを水40mlに溶かして混合した。この時のモル比
(2−ナフトール/K2CO3)は1.0であった。これ
をエバポレーターで水留去、170℃で真空乾燥して反
応無水物を調製した後、内容積200mlのオートクレ
ーブに仕込んだ。二酸化炭素を導入した後、昇温して2
30℃で24時間反応を行った。反応中の圧力は7.5
MPaであった。反応終了後オートクレーブから取り出
した反応生成物をリン酸緩衝液・メタノール混合液に溶
解後、上記の方法により定量したところ、収率は58モ
ル%で、転化率は85モル%であった。
酸化セシウム1水和物4.52g(キシダ化学製、特
級)と炭酸カリウム2.87g(キシダ化学製、特級)
とを水40mlに溶かして混合した。この時のモル比
(2−ナフトール/K2CO3)は1.0であった。これ
をエバポレーターで水留去、170℃で真空乾燥して反
応無水物を調製した後、内容積200mlのオートクレ
ーブに仕込んだ。二酸化炭素を導入した後、昇温して2
30℃で24時間反応を行った。反応中の圧力は7.5
MPaであった。反応終了後オートクレーブから取り出
した反応生成物をリン酸緩衝液・メタノール混合液に溶
解後、上記の方法により定量したところ、収率は58モ
ル%で、転化率は85モル%であった。
【0019】実施例2 2−ナフトール2.0gと水酸化セシウム1水和物3.
01gと炭酸カリウム3.83gとを水40mlに溶か
して混合した。この時のモル比(2−ナフトール/K2
CO3)は0.5であった。これをエバポレーターで水
留去、170℃で真空乾燥して反応無水物を調製した
後、内容積200mlのオートクレーブに仕込んだ。二
酸化炭素を導入した後、昇温して230℃で15時間反
応を行った。反応中の圧力は7.5MPaであった。反
応終了後オートクレーブから取り出した反応生成物をリ
ン酸緩衝液・メタノール混合液に溶解後、上記の方法に
より定量したところ、収率は56モル%で、転化率は9
3モル%であった。
01gと炭酸カリウム3.83gとを水40mlに溶か
して混合した。この時のモル比(2−ナフトール/K2
CO3)は0.5であった。これをエバポレーターで水
留去、170℃で真空乾燥して反応無水物を調製した
後、内容積200mlのオートクレーブに仕込んだ。二
酸化炭素を導入した後、昇温して230℃で15時間反
応を行った。反応中の圧力は7.5MPaであった。反
応終了後オートクレーブから取り出した反応生成物をリ
ン酸緩衝液・メタノール混合液に溶解後、上記の方法に
より定量したところ、収率は56モル%で、転化率は9
3モル%であった。
【0020】実施例3 2−ナフトール2.0gと水酸化セシウム1水和物3.
01gと炭酸ナトリウム1.47g(キシダ化学製、特
級)を水40mlに溶かして混合した。この時のモル比
(2−ナフトール/Na2CO3)は1.0であった。こ
れをエバポレーターで水留去、170℃で真空乾燥して
反応無水物を調製した後、内容積200mlのオートク
レーブに仕込んだ。二酸化炭素を導入した後、昇温して
230℃で24時間反応を行った。反応中の圧力は7.
5MPaであった。反応終了後オートクレーブから取り
出した反応生成物をリン酸緩衝液・メタノール混合液に
溶解後、上記の方法により定量したところ、収率は55
モル%で、転化率は93モル%であった。
01gと炭酸ナトリウム1.47g(キシダ化学製、特
級)を水40mlに溶かして混合した。この時のモル比
(2−ナフトール/Na2CO3)は1.0であった。こ
れをエバポレーターで水留去、170℃で真空乾燥して
反応無水物を調製した後、内容積200mlのオートク
レーブに仕込んだ。二酸化炭素を導入した後、昇温して
230℃で24時間反応を行った。反応中の圧力は7.
5MPaであった。反応終了後オートクレーブから取り
出した反応生成物をリン酸緩衝液・メタノール混合液に
溶解後、上記の方法により定量したところ、収率は55
モル%で、転化率は93モル%であった。
【0021】比較例1 2−ナフトール1.0g、水酸化セシウム1水和物1.
37g、炭酸セシウム0.23g、ケロシン30g(関
東化学製、沸点210℃以上の留分)を内容積200m
lのオートクレーブに仕込んだ。この時のモル比(2−
ナフトール/Cs2CO3)は10であった。これを窒素
気流下、250℃で3時間加熱して水留去した。二酸化
炭素を導入した後、昇温して265℃で6時間反応を行
った。反応中の圧力は0.3MPaであった。反応終了
後オートクレーブから取り出した反応生成物をリン酸緩
衝液・メタノール混合液に溶解後、上記の方法により定
量したところ、収率は38モル%で、転化率は47モル
%であった。
37g、炭酸セシウム0.23g、ケロシン30g(関
東化学製、沸点210℃以上の留分)を内容積200m
lのオートクレーブに仕込んだ。この時のモル比(2−
ナフトール/Cs2CO3)は10であった。これを窒素
気流下、250℃で3時間加熱して水留去した。二酸化
炭素を導入した後、昇温して265℃で6時間反応を行
った。反応中の圧力は0.3MPaであった。反応終了
後オートクレーブから取り出した反応生成物をリン酸緩
衝液・メタノール混合液に溶解後、上記の方法により定
量したところ、収率は38モル%で、転化率は47モル
%であった。
【0022】比較例2 2−ナフトール2.0gと水酸化セシウム1水和物3.
01gと炭酸カリウム3.83gを水40mlに溶かし
て混合した。この時のモル比(2−ナフトール/K2C
O3)は0.5であった。これをエバポレーターで水留
去、170℃で真空乾燥して反応無水物を調製した後、
内容積200mlのオートクレーブに仕込んだ。二酸化
炭素を導入した後、昇温して230℃で15時間反応を
行った。反応中の圧力は1.2MPaであった。反応終
了後オートクレーブから取り出した反応生成物をリン酸
緩衝液・メタノール混合液に溶解後、上記の方法により
定量したところ、収率は45モル%で、転化率は69モ
ル%であった。
01gと炭酸カリウム3.83gを水40mlに溶かし
て混合した。この時のモル比(2−ナフトール/K2C
O3)は0.5であった。これをエバポレーターで水留
去、170℃で真空乾燥して反応無水物を調製した後、
内容積200mlのオートクレーブに仕込んだ。二酸化
炭素を導入した後、昇温して230℃で15時間反応を
行った。反応中の圧力は1.2MPaであった。反応終
了後オートクレーブから取り出した反応生成物をリン酸
緩衝液・メタノール混合液に溶解後、上記の方法により
定量したところ、収率は45モル%で、転化率は69モ
ル%であった。
【0023】比較例3 2−ナフトール3.0gと水酸化カリウム1.49g
(関東化学製、特級)と炭酸カリウム4.52gを水4
0mlに溶かして混合した。この時のモル比(2−ナフ
トール/K2CO3)は0.6であった。これをエバポレ
ーターで水留去、170℃で真空乾燥して反応無水物を
調製した後、内容積200mlのオートクレーブに仕込
んだ。二酸化炭素を導入した後、昇温して230℃で6
時間反応を行った。反応中の圧力は7.5MPaであっ
た。反応終了後オートクレーブから取り出した反応生成
物をリン酸緩衝液・メタノール混合液に溶解後、上記の
方法により定量したところ、収率は7モル%で、転化率
は89モル%であった。
(関東化学製、特級)と炭酸カリウム4.52gを水4
0mlに溶かして混合した。この時のモル比(2−ナフ
トール/K2CO3)は0.6であった。これをエバポレ
ーターで水留去、170℃で真空乾燥して反応無水物を
調製した後、内容積200mlのオートクレーブに仕込
んだ。二酸化炭素を導入した後、昇温して230℃で6
時間反応を行った。反応中の圧力は7.5MPaであっ
た。反応終了後オートクレーブから取り出した反応生成
物をリン酸緩衝液・メタノール混合液に溶解後、上記の
方法により定量したところ、収率は7モル%で、転化率
は89モル%であった。
【0024】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、2−ナフト
ールと二酸化炭素から溶媒(反応媒体)を使用すること
なく、高収率で6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を製造
することができる。ここで得られた6−ヒドロキシ−2
−ナフトエ酸は、分離・精製することにより、液晶ポリ
マーの原料モノマーとして用いることが可能となり、本
発明は工業的に極めて有用である。
ールと二酸化炭素から溶媒(反応媒体)を使用すること
なく、高収率で6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を製造
することができる。ここで得られた6−ヒドロキシ−2
−ナフトエ酸は、分離・精製することにより、液晶ポリ
マーの原料モノマーとして用いることが可能となり、本
発明は工業的に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 文郷 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC46 BA02 BA32 BC10 BE10 BE41 BJ50 BN30 BS30 4H039 CA65 CF90
Claims (3)
- 【請求項1】2−ナフトールのセシウム塩またはルビジ
ウム塩と、二酸化炭素とを、二酸化炭素が超臨界状態ま
たは亜臨界状態になる条件下で反応させることを特徴と
する6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の製造方法。 - 【請求項2】アルカリ金属無機塩またはアルカリ土類金
属無機塩の存在下に反応させる請求項1記載の6−ヒド
ロキシ−2−ナフトエ酸の製造方法。 - 【請求項3】180〜300℃の温度範囲で反応させる
請求項1または2に記載の6−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000318966A JP2002128725A (ja) | 2000-10-19 | 2000-10-19 | 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の製造方法 |
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JP2000318966A JP2002128725A (ja) | 2000-10-19 | 2000-10-19 | 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009173563A (ja) * | 2008-01-22 | 2009-08-06 | Chiba Inst Of Technology | 芳香族ヒドロキシカルボン酸の製造方法 |
-
2000
- 2000-10-19 JP JP2000318966A patent/JP2002128725A/ja active Pending
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