JP2002128691A - セリシン含有素材、その製造方法およびその使用方法 - Google Patents
セリシン含有素材、その製造方法およびその使用方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 未分解セリシンを構成する成分の生理活性機
能を解明し、その機能成分を利用した新しい医療用材
料、化粧素材等を提供することを目的とする。 【解決手段】 家蚕が吐糸する繊維(繭糸等)から溶出
して得られる、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)による分子量
が約400,000のセリシンを主体とする細胞生育促
進剤。 【効果】 この細胞生育促進剤(物質)は、医療用とし
て創傷被覆材,血管内皮形成材,臓器形成素材に,バイ
オ用として細胞培養床素材に、また皮膚ケア用として化
粧用素材に使用されることで、細胞生育か促進され極め
て有用である。
能を解明し、その機能成分を利用した新しい医療用材
料、化粧素材等を提供することを目的とする。 【解決手段】 家蚕が吐糸する繊維(繭糸等)から溶出
して得られる、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)による分子量
が約400,000のセリシンを主体とする細胞生育促
進剤。 【効果】 この細胞生育促進剤(物質)は、医療用とし
て創傷被覆材,血管内皮形成材,臓器形成素材に,バイ
オ用として細胞培養床素材に、また皮膚ケア用として化
粧用素材に使用されることで、細胞生育か促進され極め
て有用である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家蚕セリシンを含
有してなる細胞育成促進剤に関し、詳しくは医療用材
料、細胞培養床素材および化粧用素材に関する。また、
本発明は、家蚕が吐糸する繊維(繭糸等)から細胞生育
機能を有するセリシンを取得する方法に関する。
有してなる細胞育成促進剤に関し、詳しくは医療用材
料、細胞培養床素材および化粧用素材に関する。また、
本発明は、家蚕が吐糸する繊維(繭糸等)から細胞生育
機能を有するセリシンを取得する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家蚕が吐糸する繊維、つまり繭糸等は、
フィブロインとセリシンの2種のタンパクから構成され
ており、セリシンはフィブロインをコーティングした状
態で存在している。繭は乾繭、煮繭、繰糸等の工程を経
た後、精練(脱セリシン)され、精練された絹糸(フィ
ブロイン繊維)は絹織物として利用されてきた。また、
絹糸は天然繊維の中で唯一の長繊維であり、結晶性に優
れ、強度が高く、古来より衣料のほかに手術糸としても
利用されてきた。近年絹タンパクは、その固有の機能に
着目して様々な用途に利用することが盛んになってい
る。
フィブロインとセリシンの2種のタンパクから構成され
ており、セリシンはフィブロインをコーティングした状
態で存在している。繭は乾繭、煮繭、繰糸等の工程を経
た後、精練(脱セリシン)され、精練された絹糸(フィ
ブロイン繊維)は絹織物として利用されてきた。また、
絹糸は天然繊維の中で唯一の長繊維であり、結晶性に優
れ、強度が高く、古来より衣料のほかに手術糸としても
利用されてきた。近年絹タンパクは、その固有の機能に
着目して様々な用途に利用することが盛んになってい
る。
【0003】絹タンパクを用いた新素材開発はフィブロ
インが先行したが、近年はフィブロインの成果に基づい
て、もう一方の絹タンパクであるセリシンについても研
究開発の対象になってきている。例えば、セリシン加水
分解物を基体表面に被覆して成る化粧用粉体(特開平1
0−226626号公報)、フィブロイン分散液及び/
又はセリシン水溶液を含浸させたセルロース繊維を含ん
でなる化粧料(特開平11−152206号公報)、セ
リシン加水分解物を有効成分とする皮膚炎症防止剤(特
開平10−245345号公報)、セリシン加水分解物
を有効成分とするコラーゲン産生促進剤および老化防止
用皮膚外用剤(特開平10−226653号公報)、セ
リシン加水分解物と酵母分解物を含有する皮膚外用剤
(特開平11−193210号公報)、家蚕の絹タンパ
ク(フィブロインおよび/またはセリシン)から作成さ
れたフィルムからなる細胞培養床(箕浦ら「Attachment
and growth of cultured fibroblast cells on Silk p
rotein matrices ,J.Biomedical Materials Res., Vol.
29, 1215-1221(1995))等が報告されている。
インが先行したが、近年はフィブロインの成果に基づい
て、もう一方の絹タンパクであるセリシンについても研
究開発の対象になってきている。例えば、セリシン加水
分解物を基体表面に被覆して成る化粧用粉体(特開平1
0−226626号公報)、フィブロイン分散液及び/
又はセリシン水溶液を含浸させたセルロース繊維を含ん
でなる化粧料(特開平11−152206号公報)、セ
リシン加水分解物を有効成分とする皮膚炎症防止剤(特
開平10−245345号公報)、セリシン加水分解物
を有効成分とするコラーゲン産生促進剤および老化防止
用皮膚外用剤(特開平10−226653号公報)、セ
リシン加水分解物と酵母分解物を含有する皮膚外用剤
(特開平11−193210号公報)、家蚕の絹タンパ
ク(フィブロインおよび/またはセリシン)から作成さ
れたフィルムからなる細胞培養床(箕浦ら「Attachment
and growth of cultured fibroblast cells on Silk p
rotein matrices ,J.Biomedical Materials Res., Vol.
29, 1215-1221(1995))等が報告されている。
【0004】一方、繭糸等からセリシンを得る方法とし
て、従来の精練廃液からセリシンを回収する方法では、
平均分子量50,000以下の低分子量のものしか得ら
れなかった(特開平1−168906公報、特開平4−
202435号公報等)。つまり、繭糸中のセリシンは
結晶化しているため、ほとんど水に溶けないが、アルカ
リ性の熱水中で分解することにより、除去されてきた。
最近になって、平均分子量100,000以上の高分子
量のセリシンを効率よく取得できるようになり(特開平
11−92564号公報、特開平11−131318号
公報等)、また、分子量の低下を抑えるようにして繭糸
等からセリシン等を溶出する方法も開発されてきている
(特開平11−228837号公報、特開2000−3
8514号公報等)。
て、従来の精練廃液からセリシンを回収する方法では、
平均分子量50,000以下の低分子量のものしか得ら
れなかった(特開平1−168906公報、特開平4−
202435号公報等)。つまり、繭糸中のセリシンは
結晶化しているため、ほとんど水に溶けないが、アルカ
リ性の熱水中で分解することにより、除去されてきた。
最近になって、平均分子量100,000以上の高分子
量のセリシンを効率よく取得できるようになり(特開平
11−92564号公報、特開平11−131318号
公報等)、また、分子量の低下を抑えるようにして繭糸
等からセリシン等を溶出する方法も開発されてきている
(特開平11−228837号公報、特開2000−3
8514号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】家蚕のセリシンは、古
くから分子量数万から数十万のタンパクの混合物である
と言われてきたが、巨大であるために会合や不溶化が起
き易く、取り扱いが困難であった。そのため、未分解状
態での分画・精製がどのようなタンパク成分から構成さ
れているかについては未解決のままであった。さらに、
生理活性などの機能が示唆されている従来の報告でも、
ほとんどは抽出段階で低分子化したものであった。我々
は最近、未分解セリシンを抽出と分画に成功したことか
ら、分画して得られたこれらの成分の利用研究が課題と
なっていた。本発明は、未分解セリシンを構成する成分
の生理活性機能を解明し、その機能成分を利用した新し
い医療用材料、化粧素材等を提供することを目的とす
る。
くから分子量数万から数十万のタンパクの混合物である
と言われてきたが、巨大であるために会合や不溶化が起
き易く、取り扱いが困難であった。そのため、未分解状
態での分画・精製がどのようなタンパク成分から構成さ
れているかについては未解決のままであった。さらに、
生理活性などの機能が示唆されている従来の報告でも、
ほとんどは抽出段階で低分子化したものであった。我々
は最近、未分解セリシンを抽出と分画に成功したことか
ら、分画して得られたこれらの成分の利用研究が課題と
なっていた。本発明は、未分解セリシンを構成する成分
の生理活性機能を解明し、その機能成分を利用した新し
い医療用材料、化粧素材等を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは、先ず、未分解セリシンを構成するセ
リシンの分子量と生理活性との関連について追跡したと
ころ、未分解セリシンを構成する成分の中で特定の分子
量を有するセリシンが、極めて高い細胞生育促進作用を
有するという知見を得た。本発明は、上記知見に基づい
てなされたものであり、以下の各構成からなる。
に、本発明者らは、先ず、未分解セリシンを構成するセ
リシンの分子量と生理活性との関連について追跡したと
ころ、未分解セリシンを構成する成分の中で特定の分子
量を有するセリシンが、極めて高い細胞生育促進作用を
有するという知見を得た。本発明は、上記知見に基づい
てなされたものであり、以下の各構成からなる。
【0007】すなわち、本発明は、(1)、が吐糸する
繊維(繭糸等)から溶出して得られる、ドデシル硫酸ナ
トリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−
PAGE)による分子量が約400,000のセリシン
を主体とする細胞生育促進剤に存する。
繊維(繭糸等)から溶出して得られる、ドデシル硫酸ナ
トリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−
PAGE)による分子量が約400,000のセリシン
を主体とする細胞生育促進剤に存する。
【0008】そして、(2)、家蚕が吐糸する繊維(繭
糸等)中のセリシンを、尿素水溶液で溶解せしめた後、
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(SDS−PAGE)による分子量が約400,0
00のセリシンを分離回収する方法に存する。
糸等)中のセリシンを、尿素水溶液で溶解せしめた後、
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(SDS−PAGE)による分子量が約400,0
00のセリシンを分離回収する方法に存する。
【0009】そしてまた、(3)、4M以上の尿素水溶
液で溶解せしめることを請求項2記載の分離回収する方
法に存する。
液で溶解せしめることを請求項2記載の分離回収する方
法に存する。
【0010】そしてまた、(4)、家蚕が吐糸する繊維
(繭糸等)を、中性塩水溶液で溶解せしめて得られる、
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(SDS−PAGE)による分子量が約400,0
00のセリシン、および絹フィブロインを含有する細胞
生育促進剤に存する。
(繭糸等)を、中性塩水溶液で溶解せしめて得られる、
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(SDS−PAGE)による分子量が約400,0
00のセリシン、および絹フィブロインを含有する細胞
生育促進剤に存する。
【0011】そしてまた、(5)、粉末状またはフィル
ム状の形態を有する細胞生育促進剤に存する。
ム状の形態を有する細胞生育促進剤に存する。
【0012】そしてまた、(6)、家蚕が吐糸する繊維
(繭糸等)を温和な条件で精練し、低分子量のセリシン
を除去することにより得られる、フィブロイン繊維表面
が実質的にドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(SDS−PAGE)による分子量が約
400,000のセリシン成分により被覆された状態の
繊維状素材からなる細胞生育促進剤に存する。
(繭糸等)を温和な条件で精練し、低分子量のセリシン
を除去することにより得られる、フィブロイン繊維表面
が実質的にドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(SDS−PAGE)による分子量が約
400,000のセリシン成分により被覆された状態の
繊維状素材からなる細胞生育促進剤に存する。
【0013】そしてまた、(7)、家蚕が吐糸する繊維
(繭糸等)を温和な条件で精練し、低分子量のセリシン
を除去することからなる、フィブロイン繊維表面が実質
的にドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS−PAGE)による分子量が約40
0,000のセリシンにより被覆された状態の繊維状素
材の製造方法に存する。
(繭糸等)を温和な条件で精練し、低分子量のセリシン
を除去することからなる、フィブロイン繊維表面が実質
的にドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS−PAGE)による分子量が約40
0,000のセリシンにより被覆された状態の繊維状素
材の製造方法に存する。
【0014】そしてまた、(8)、できる限り中性に近
い温和なph領域で煮沸精錬を行うこと繊維状素材の製
造方法に存する。
い温和なph領域で煮沸精錬を行うこと繊維状素材の製
造方法に存する。
【0015】そしてまた、(9)、蚕体内の中部糸腺お
よび前部糸腺の液状絹を水中に浸漬して得られる、実質
的にドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS−PAGE)による分子量が約40
0,000のセリシンを主体とする細胞生育促進剤に存
する。
よび前部糸腺の液状絹を水中に浸漬して得られる、実質
的にドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS−PAGE)による分子量が約40
0,000のセリシンを主体とする細胞生育促進剤に存
する。
【0016】そしてまた、(10)、上記に記載の細胞
生育促進剤を、皮膚ケア素材としての化粧素材、医療用
材料としての創傷被覆用素材,血管内皮形成,臓器形成
素材、およびバイオ材料としての細胞培養床素材に使用
する方法存する。
生育促進剤を、皮膚ケア素材としての化粧素材、医療用
材料としての創傷被覆用素材,血管内皮形成,臓器形成
素材、およびバイオ材料としての細胞培養床素材に使用
する方法存する。
【0017】
【発明の実施の形態】(1)未分解のセリシンを構成す
る各種セリシンの分離と同定 (a)未分解セリシンの取得 繭糸等から未分解のセリシンを取り出すための手段とし
て、従来の酸、アルカリ水溶液や酵素処理による溶出方
法を用いたのでは、加水分解により分子量が低下するた
めに、これらの溶出方法は採用することができない。
る各種セリシンの分離と同定 (a)未分解セリシンの取得 繭糸等から未分解のセリシンを取り出すための手段とし
て、従来の酸、アルカリ水溶液や酵素処理による溶出方
法を用いたのでは、加水分解により分子量が低下するた
めに、これらの溶出方法は採用することができない。
【0018】そこで、繭糸等をチオシアン酸リチウム等
の中性塩水溶液にフィブロインともども溶解し、フィブ
ロインとセリシンからなる絹タンパク溶液を作成する。
この中性塩水溶液による溶解方法によれば、加水分解に
よる分子量低下を抑制してほぼ未分解のセリシンを含有
する絹タンパク溶液を得ることができる。この未分解の
セリシンを含有する絹タンパク溶液を、ドデシル硫酸ナ
トリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−
PAGE)による分子量測定およびセリシンの分別に供
する。(以下、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動は、SDS−PAGEと省略す
る。)
の中性塩水溶液にフィブロインともども溶解し、フィブ
ロインとセリシンからなる絹タンパク溶液を作成する。
この中性塩水溶液による溶解方法によれば、加水分解に
よる分子量低下を抑制してほぼ未分解のセリシンを含有
する絹タンパク溶液を得ることができる。この未分解の
セリシンを含有する絹タンパク溶液を、ドデシル硫酸ナ
トリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−
PAGE)による分子量測定およびセリシンの分別に供
する。(以下、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動は、SDS−PAGEと省略す
る。)
【0019】上記中性塩水溶液による溶解方法において
使用する中性塩としては、チオシアン酸リチウム、臭化
リチウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等が挙げら
れるが、特にチオシアン酸リチウム、臭化リチウムが好
ましい。繭糸等は、中性塩の濃厚水溶液中に投入され、
溶解される。溶解においては、絹タンパクの分子量低下
をできる限り抑制するために、温和な条件を選定する。
中性塩は、50%飽和以上の濃度で使用され、加熱温度
は室温〜80℃の範囲にする。80℃を超えると絹タン
パクの分子量低下が起こるので、溶解時間や中性塩の種
類との兼ね合いもあるが、できるだけ低温であることが
好ましい。溶解時間は1〜20分の範囲で、中性塩の種
類、温度等の条件を考慮し、完全に溶解し、かつ分子量
低下が起こらないよう決定する。絹タンパクを溶解した
中性塩溶液は、透析に付して純粋な絹タンパク水溶液と
する。
使用する中性塩としては、チオシアン酸リチウム、臭化
リチウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等が挙げら
れるが、特にチオシアン酸リチウム、臭化リチウムが好
ましい。繭糸等は、中性塩の濃厚水溶液中に投入され、
溶解される。溶解においては、絹タンパクの分子量低下
をできる限り抑制するために、温和な条件を選定する。
中性塩は、50%飽和以上の濃度で使用され、加熱温度
は室温〜80℃の範囲にする。80℃を超えると絹タン
パクの分子量低下が起こるので、溶解時間や中性塩の種
類との兼ね合いもあるが、できるだけ低温であることが
好ましい。溶解時間は1〜20分の範囲で、中性塩の種
類、温度等の条件を考慮し、完全に溶解し、かつ分子量
低下が起こらないよう決定する。絹タンパクを溶解した
中性塩溶液は、透析に付して純粋な絹タンパク水溶液と
する。
【0020】(b)電気泳動法による分子量測定 絹タンパクは、電気泳動法によって、2成分のフィブロ
イン(HおよびL)および4成分のセリシン(a、b、
c、およびd)に分離される。すなわち、繭糸等を上記
中性塩水溶液に溶解し、5M(5mol/l)尿素液で
置換したものを、還元剤、例えば2−メルカプトエタノ
ール(ME)で処理し、分子間架橋結合(SS結合)を
切断する。これをSDS−PAGEに供して繭糸の構成
タンパク各成分の分子量を測定する。電気泳動法による
測定の結果、繭層セリシンの約45%を分子量約40
0,000のセリシンaが、約34%を約250,00
0のセリシンdが、約15.5%を約200,000の
セリシンbが、約5.3%を約35,000セリシンc
がそれぞれ占めることを突きとめた。
イン(HおよびL)および4成分のセリシン(a、b、
c、およびd)に分離される。すなわち、繭糸等を上記
中性塩水溶液に溶解し、5M(5mol/l)尿素液で
置換したものを、還元剤、例えば2−メルカプトエタノ
ール(ME)で処理し、分子間架橋結合(SS結合)を
切断する。これをSDS−PAGEに供して繭糸の構成
タンパク各成分の分子量を測定する。電気泳動法による
測定の結果、繭層セリシンの約45%を分子量約40
0,000のセリシンaが、約34%を約250,00
0のセリシンdが、約15.5%を約200,000の
セリシンbが、約5.3%を約35,000セリシンc
がそれぞれ占めることを突きとめた。
【0021】(2)セリシンa成分からなる素材の作
成;繭糸等を尿素水溶液中、大気圧下で加熱してセリシ
ンa成分を溶出する。尿素水溶液の濃度は4M以上、好
ましくは7M〜飽和で70〜100℃に3〜30分間好
ましくは5〜30分間保ち、セリシンを抽出する。尿素
水溶液の濃度は低いほど尿素量が少ないため、コストが
少なくてよい。しかし、尿素濃度が低いと特にセリシン
aの溶解が低下し抽出量が少なくなるため、抽出を早く
回収量を多くするには4M以上の尿素濃度にする方がよ
い。加熱温度が低いと抽出されにくく、高いとセリシン
が分解し分子量が下がる。抽出時間が短いと抽出されに
くく、長いとセリシンが分解しやすい。また、尿素水溶
液に1%以上の還元剤(ME等)を加えることで、セリ
シンの回収率は向上する。
成;繭糸等を尿素水溶液中、大気圧下で加熱してセリシ
ンa成分を溶出する。尿素水溶液の濃度は4M以上、好
ましくは7M〜飽和で70〜100℃に3〜30分間好
ましくは5〜30分間保ち、セリシンを抽出する。尿素
水溶液の濃度は低いほど尿素量が少ないため、コストが
少なくてよい。しかし、尿素濃度が低いと特にセリシン
aの溶解が低下し抽出量が少なくなるため、抽出を早く
回収量を多くするには4M以上の尿素濃度にする方がよ
い。加熱温度が低いと抽出されにくく、高いとセリシン
が分解し分子量が下がる。抽出時間が短いと抽出されに
くく、長いとセリシンが分解しやすい。また、尿素水溶
液に1%以上の還元剤(ME等)を加えることで、セリ
シンの回収率は向上する。
【0022】以上のようにして得たセリシン溶解液に、
容量にして3〜5倍量の有機溶媒(メタノール、エタノ
ール、アセトン等)を加え、未分解セリシンの沈澱を得
る。これを1%以上の還元剤(ME等)を含むチオシア
ン酸リチウム等の中性塩水溶液に溶解した後、エタノー
ル等の有機溶媒を順次加えて沈澱させ、SDS−PAG
Eで確認しつつ各種セリシンの分画を行う。
容量にして3〜5倍量の有機溶媒(メタノール、エタノ
ール、アセトン等)を加え、未分解セリシンの沈澱を得
る。これを1%以上の還元剤(ME等)を含むチオシア
ン酸リチウム等の中性塩水溶液に溶解した後、エタノー
ル等の有機溶媒を順次加えて沈澱させ、SDS−PAG
Eで確認しつつ各種セリシンの分画を行う。
【0023】沈澱物の溶解・沈澱の操作を繰り返すこと
により、セリシンa含有率が90%以上の絹タンパクを
得る。あるいは、繭糸等をチオシアン酸リチウム等の中
性塩水溶液に溶解して得たフィブロインを含む絹タンパ
ク溶液を還元剤(例えばME等)で処理し、次いでエタ
ノール等の有機溶媒による沈澱およびME含有チオシアン
酸リチウム水溶液による溶解を繰り返して絹タンパク成
分の分別を行うことにより、セリシンa含有率が90%
以上の絹タンパクを得る。
により、セリシンa含有率が90%以上の絹タンパクを
得る。あるいは、繭糸等をチオシアン酸リチウム等の中
性塩水溶液に溶解して得たフィブロインを含む絹タンパ
ク溶液を還元剤(例えばME等)で処理し、次いでエタ
ノール等の有機溶媒による沈澱およびME含有チオシアン
酸リチウム水溶液による溶解を繰り返して絹タンパク成
分の分別を行うことにより、セリシンa含有率が90%
以上の絹タンパクを得る。
【0024】溶解と沈澱を繰り返し行って精製されたセ
リシンaを、チオシアン酸リチウム等の中性塩水溶液に
溶解し、透析等で脱塩する。精製・脱塩されたセリシン
a水溶液を噴霧乾燥して粉末状素材を得る。また、精製
・脱塩されたセリシンa水溶液を平板上で乾燥してフィ
ルム状素材を得る。このフィルム状素材を粉砕して粉末
状素材としてもよい。以上のようにして得られたセリシ
ンa成分からなる粉末状またはフィルム状素材は、バイ
オ用として細胞培養床素材等に、医療用として創傷被覆
材、血管内皮形成材(人工血管)、臓器形成材医療素材
等に、また、皮膚ケア用として化粧素材等に、一部ある
いは全部として利用できる。平均粒子径が1〜1,00
0μm、好ましくは1〜100μmであれば、粉末は皮
膚等の動きに柔軟に対応でき、創傷被覆剤としても利用
できる。
リシンaを、チオシアン酸リチウム等の中性塩水溶液に
溶解し、透析等で脱塩する。精製・脱塩されたセリシン
a水溶液を噴霧乾燥して粉末状素材を得る。また、精製
・脱塩されたセリシンa水溶液を平板上で乾燥してフィ
ルム状素材を得る。このフィルム状素材を粉砕して粉末
状素材としてもよい。以上のようにして得られたセリシ
ンa成分からなる粉末状またはフィルム状素材は、バイ
オ用として細胞培養床素材等に、医療用として創傷被覆
材、血管内皮形成材(人工血管)、臓器形成材医療素材
等に、また、皮膚ケア用として化粧素材等に、一部ある
いは全部として利用できる。平均粒子径が1〜1,00
0μm、好ましくは1〜100μmであれば、粉末は皮
膚等の動きに柔軟に対応でき、創傷被覆剤としても利用
できる。
【0025】(3)セリシンaとフィブロインからなる
素材の作成;セリシンaを含有する素材を、特にフィル
ム状素材として使用する場合には、セリシンa成分のみ
からなる素材自体の強度が十分でないために、そのまま
創傷被覆材や人工血管等の医療素材等に用いるのは必ず
しも望ましくない。そこで、繭糸を構成するもう一方の
タンパク成分であり、生体適合性がよく、強度の優れた
絹糸の構成成分であるフィブロインをセリシンaと組み
合わせて用いることにより、創傷被覆材や人工血管等の
医療素材等により適した素材を得ることができる。
素材の作成;セリシンaを含有する素材を、特にフィル
ム状素材として使用する場合には、セリシンa成分のみ
からなる素材自体の強度が十分でないために、そのまま
創傷被覆材や人工血管等の医療素材等に用いるのは必ず
しも望ましくない。そこで、繭糸を構成するもう一方の
タンパク成分であり、生体適合性がよく、強度の優れた
絹糸の構成成分であるフィブロインをセリシンaと組み
合わせて用いることにより、創傷被覆材や人工血管等の
医療素材等により適した素材を得ることができる。
【0026】セリシンaとフィブロインを組み合わせて
用いる態様としては、絹糸をリチウム塩等の中性塩の水
溶液で溶解したフィブロイン水溶液と、セリシンaから
なる水溶液とを混合して得られるセリシンa−フィブロ
イン混合水溶液を用いることができる。中性塩水溶液と
してはチオシアン酸リチウムの5M以上の水溶液、好ま
しくは9M程度の飽和水溶液が効果的である。原料タン
パクに対し溶媒量が多いほど溶解しやすいが、精製・脱
塩等は非効率的になる。したがって、原料タンパクに対
し溶媒量を極力少なくした方が、絹タンパクを効率的に
回収できる。このようなことから原料に対する中性塩水
溶液の容量は原料重に対し7倍以上、好ましくは9〜5
0倍がよい。
用いる態様としては、絹糸をリチウム塩等の中性塩の水
溶液で溶解したフィブロイン水溶液と、セリシンaから
なる水溶液とを混合して得られるセリシンa−フィブロ
イン混合水溶液を用いることができる。中性塩水溶液と
してはチオシアン酸リチウムの5M以上の水溶液、好ま
しくは9M程度の飽和水溶液が効果的である。原料タン
パクに対し溶媒量が多いほど溶解しやすいが、精製・脱
塩等は非効率的になる。したがって、原料タンパクに対
し溶媒量を極力少なくした方が、絹タンパクを効率的に
回収できる。このようなことから原料に対する中性塩水
溶液の容量は原料重に対し7倍以上、好ましくは9〜5
0倍がよい。
【0027】溶液の脱塩は水に対する透析により行う。
透析は、透析外液がAgNO3 添加により沈澱を生じな
くなるまで行う。これによって、セリシンa−フィブロ
イン混合水溶液を得る。得られた混合水溶液を平板上で
乾燥させてフィルム状の素材とする。フィルムを作る場
合は、透析をできるだけすみやかに行うことが好まし
く、具体的には3日以内、好ましくは2日以内である。
透析に長い日数をかけると、絹タンパクがゲル化し、塊
状となるため、フィルム化が困難になる。
透析は、透析外液がAgNO3 添加により沈澱を生じな
くなるまで行う。これによって、セリシンa−フィブロ
イン混合水溶液を得る。得られた混合水溶液を平板上で
乾燥させてフィルム状の素材とする。フィルムを作る場
合は、透析をできるだけすみやかに行うことが好まし
く、具体的には3日以内、好ましくは2日以内である。
透析に長い日数をかけると、絹タンパクがゲル化し、塊
状となるため、フィルム化が困難になる。
【0028】絹タンパク水溶液を平板上、特にアクリル
等のプラスチック板上に流し、結晶化度が10%未満と
なるように、すみやかに乾燥してフィルム化する。たと
えば、60%RH(相対湿度)以下の室内で、送風しな
がら乾燥するのが好ましい。結晶化度10%以上のフィ
ルムは吸水性が低いため、創傷部に被覆した時、創傷部
の滲出液を充分に吸収できず、柔軟になれないため、む
しろ創部を傷つけてしまう。そのため、創傷被覆材には
適さない。
等のプラスチック板上に流し、結晶化度が10%未満と
なるように、すみやかに乾燥してフィルム化する。たと
えば、60%RH(相対湿度)以下の室内で、送風しな
がら乾燥するのが好ましい。結晶化度10%以上のフィ
ルムは吸水性が低いため、創傷部に被覆した時、創傷部
の滲出液を充分に吸収できず、柔軟になれないため、む
しろ創部を傷つけてしまう。そのため、創傷被覆材には
適さない。
【0029】粉末状の素材は、脱塩したセリシンa−フ
ィブロイン混合水溶液を噴霧乾燥させるか、または、混
合水溶液を凍結乾燥させるか、もしくはアルコール等に
より沈澱させ、乾燥後粉砕して得られる。また、フィル
ム状の素材を粉砕することによって得ることもできる。
粉末の形状はフイルムと異なるため、粉末の結晶化度は
0〜100%の範囲で創傷被覆材として利用できる。
ィブロイン混合水溶液を噴霧乾燥させるか、または、混
合水溶液を凍結乾燥させるか、もしくはアルコール等に
より沈澱させ、乾燥後粉砕して得られる。また、フィル
ム状の素材を粉砕することによって得ることもできる。
粉末の形状はフイルムと異なるため、粉末の結晶化度は
0〜100%の範囲で創傷被覆材として利用できる。
【0030】(4)セリシンa成分がフィブロイン繊維
表面に被覆された繊維状素材;繭糸等の原料を精練する
際に、水に溶解しやすいセリシンdとbは最初の段階で
除かれ、セリシンの40%程度が除かれた段階では、繭
糸の表面はほとんどセリシンaから構成されているか
ら、この段階で精練を終了して得られる生糸を原料とす
ることが好ましい。繭糸等の原料を煮沸精練する際は、
精練液のpHが中性から離れるほどセリシンは取得しや
すいが、この場合、分解して分子量が低下するので、未
分解のセリシンを取得するためには、できる限り中性に
近い温和なpH領域で精練を行うことが好ましい。
表面に被覆された繊維状素材;繭糸等の原料を精練する
際に、水に溶解しやすいセリシンdとbは最初の段階で
除かれ、セリシンの40%程度が除かれた段階では、繭
糸の表面はほとんどセリシンaから構成されているか
ら、この段階で精練を終了して得られる生糸を原料とす
ることが好ましい。繭糸等の原料を煮沸精練する際は、
精練液のpHが中性から離れるほどセリシンは取得しや
すいが、この場合、分解して分子量が低下するので、未
分解のセリシンを取得するためには、できる限り中性に
近い温和なpH領域で精練を行うことが好ましい。
【0031】水で精練する場合には、セリシンaを含む
原料を水中に浸漬して行う。この場合、水温は高い方が
効率的で、大気圧下で水を沸騰させることは効果的であ
る。分子量の低下を防ぐため、煮沸時間は数時間以内、
好ましくは1時間以内がよい。
原料を水中に浸漬して行う。この場合、水温は高い方が
効率的で、大気圧下で水を沸騰させることは効果的であ
る。分子量の低下を防ぐため、煮沸時間は数時間以内、
好ましくは1時間以内がよい。
【0032】セッケンを用いて精練する場合には、たと
えば濃度0.3%のマルセルセッケンなど、水溶液のp
Hが10以下となるようなセッケンを用いて1時間以
内、好ましくは30分以内の煮沸とする。セリシンaと
フィブロインからなる素材は、セリシンa含有率が5%
以上、好ましくは20%以上であることが好ましい。
えば濃度0.3%のマルセルセッケンなど、水溶液のp
Hが10以下となるようなセッケンを用いて1時間以
内、好ましくは30分以内の煮沸とする。セリシンaと
フィブロインからなる素材は、セリシンa含有率が5%
以上、好ましくは20%以上であることが好ましい。
【0033】繭糸等の原料を上記の方法により精練し
て、水に溶解しやすいセリシンd,b等を除去し、繭糸
の表面がセリシンaのみで覆われた状態の繊維状素材
を、そのままで、或いは織布、不織布等に加工し、手術
用の糸、創傷被覆材や人工血管等の医療用素材および化
粧用素材として用いることができる。
て、水に溶解しやすいセリシンd,b等を除去し、繭糸
の表面がセリシンaのみで覆われた状態の繊維状素材
を、そのままで、或いは織布、不織布等に加工し、手術
用の糸、創傷被覆材や人工血管等の医療用素材および化
粧用素材として用いることができる。
【0034】または、表面を主にセリシンaで覆われた
繊維状素材を上記(1)(a)と同様の方法により溶
解、脱塩し、絹タンパク水溶液を得る。これを平板上で
乾燥してフィルム状素材を得る。あるいは噴霧乾燥して
粉末状素材を得る。また、フィルム状素材を粉砕して粉
末状素材としてもよい。以上のようにして得られたセリ
シンaからなる粉末状またはフィルム状素材は、創傷被
覆材、人工血管等の医療素材として、また、皮膚ケア用
の化粧素材等の一部あるいは全部として利用できる。平
均粒子径が1〜1,000μm、好ましくは1〜100
μmであれば、粉末は皮膚等の動きに柔軟に対応でき、
創傷被覆剤としても利用できる。
繊維状素材を上記(1)(a)と同様の方法により溶
解、脱塩し、絹タンパク水溶液を得る。これを平板上で
乾燥してフィルム状素材を得る。あるいは噴霧乾燥して
粉末状素材を得る。また、フィルム状素材を粉砕して粉
末状素材としてもよい。以上のようにして得られたセリ
シンaからなる粉末状またはフィルム状素材は、創傷被
覆材、人工血管等の医療素材として、また、皮膚ケア用
の化粧素材等の一部あるいは全部として利用できる。平
均粒子径が1〜1,000μm、好ましくは1〜100
μmであれば、粉末は皮膚等の動きに柔軟に対応でき、
創傷被覆剤としても利用できる。
【0035】本発明でセリシンa(aが90%以上)お
よびセリシンaを含有する素材を取得するための原料と
しての繭糸等とは、家蚕の吐糸した繭糸セリシンを含有
する物質とする。繭糸セリシンを含有する物質としては
家蚕の繭層、繭糸、生糸、絹織編物等の未精練物、また
それらの不完全精練物およびセリシンを含有する繊維、
粉末、フィルム等があり、これらの中でセリシンaが含
有されている物すべてを原料として利用できる。また、
フィブロインを含まずセリシンのみを吐糸するセリシン
蚕の繭も原料にすることができる。
よびセリシンaを含有する素材を取得するための原料と
しての繭糸等とは、家蚕の吐糸した繭糸セリシンを含有
する物質とする。繭糸セリシンを含有する物質としては
家蚕の繭層、繭糸、生糸、絹織編物等の未精練物、また
それらの不完全精練物およびセリシンを含有する繊維、
粉末、フィルム等があり、これらの中でセリシンaが含
有されている物すべてを原料として利用できる。また、
フィブロインを含まずセリシンのみを吐糸するセリシン
蚕の繭も原料にすることができる。
【0036】(5)蚕体内の中部糸腺および前部糸腺液
状絹からのセリシンaおよびセリシンaを含有する素
材;吐糸直前の家蚕の絹糸腺を取り出し、水中で絹糸腺
を裂いて内容物である液状絹と絹糸腺細胞とを分ける。
絹糸腺は前部、中部、後部に分けらる。前部、中部絹糸
腺の液状絹は直径数mmの液状フィブロインの周りを液状
セリシンが0.1mm〜0.5mmの厚さで覆ってい
る。液状フィブロイン、液状セリシンともに水に溶解す
るので、前部、中部絹糸腺の液状絹を水中に浸漬してお
けば、セリシンとフィブロインの混合水溶液が得られ
る。セリシンの方が速く溶解する為、10〜30分間の
浸漬ではセリシンを多く含む水溶液が得られるが、浸漬
時間が長くなるとフィブロインの割合が多くなる。
状絹からのセリシンaおよびセリシンaを含有する素
材;吐糸直前の家蚕の絹糸腺を取り出し、水中で絹糸腺
を裂いて内容物である液状絹と絹糸腺細胞とを分ける。
絹糸腺は前部、中部、後部に分けらる。前部、中部絹糸
腺の液状絹は直径数mmの液状フィブロインの周りを液状
セリシンが0.1mm〜0.5mmの厚さで覆ってい
る。液状フィブロイン、液状セリシンともに水に溶解す
るので、前部、中部絹糸腺の液状絹を水中に浸漬してお
けば、セリシンとフィブロインの混合水溶液が得られ
る。セリシンの方が速く溶解する為、10〜30分間の
浸漬ではセリシンを多く含む水溶液が得られるが、浸漬
時間が長くなるとフィブロインの割合が多くなる。
【0037】この水溶液にスプレードライの方法を用い
れば、粉末が得られる。また、凍結乾燥、あるいはアル
コール等で沈澱した後に乾燥粉砕すると、粉末が得られ
る。また、平板上で乾燥すれば、フィルムが得られ、こ
のフィルムを粉砕すれば粉末が得られる。
れば、粉末が得られる。また、凍結乾燥、あるいはアル
コール等で沈澱した後に乾燥粉砕すると、粉末が得られ
る。また、平板上で乾燥すれば、フィルムが得られ、こ
のフィルムを粉砕すれば粉末が得られる。
【0038】
【発明の効果】本発明の、家蚕が吐糸する繊維(繭糸
等)から溶出して得られる、SDS−PAGEによる分
子量が約400,000のセリシンを主体とする細胞生
育促進剤(物質)は、繭糸等からほぼ未分解で溶出され
取得されたものであり、繭糸等を構成するセリシンが有
する細胞生育促進作用の実質的な有効成分である。ま
た、SDS−PAGEによる分子量が約400,000
のセリシンを主体とする細胞生育促進剤(物質)は液状
絹から得ることも出来る。
等)から溶出して得られる、SDS−PAGEによる分
子量が約400,000のセリシンを主体とする細胞生
育促進剤(物質)は、繭糸等からほぼ未分解で溶出され
取得されたものであり、繭糸等を構成するセリシンが有
する細胞生育促進作用の実質的な有効成分である。ま
た、SDS−PAGEによる分子量が約400,000
のセリシンを主体とする細胞生育促進剤(物質)は液状
絹から得ることも出来る。
【0039】この細胞生育促進剤(物質)は、細胞の生
育促進作用を有することから、医療用として創傷被覆
材,血管内皮形成材,臓器形成素材に,バイオ用として
細胞培養床素材に、また皮膚ケア用として化粧用素材
に、使用されると極めて有用である。以下、本発明の細
胞生育促進剤の上記用途に対する有用性を示すために、
それに関する実験(実施例)を行ったので述べることに
する。もっとも、本発明はこれら実施例に限定されるこ
とはない。
育促進作用を有することから、医療用として創傷被覆
材,血管内皮形成材,臓器形成素材に,バイオ用として
細胞培養床素材に、また皮膚ケア用として化粧用素材
に、使用されると極めて有用である。以下、本発明の細
胞生育促進剤の上記用途に対する有用性を示すために、
それに関する実験(実施例)を行ったので述べることに
する。もっとも、本発明はこれら実施例に限定されるこ
とはない。
【0040】(実施例1) 〔セリシンaの分画、精製〕光、熱、水等の処理を行っ
ていない吐糸後1ケ月以内の家蚕繭を原料とし、繭層を
約70%(重量%)LiSCN(pH7)水溶液に溶解
し、濃度約5%の絹タンパク溶液を得た。この絹タンパ
ク溶液の溶媒を5M尿素水溶液に置換したサンプル
(N)と、それに1%の2−メルカプトエタノール(M
E)を添加し、SS結合を切断したサンプル(R)のS
DS−PAGE(2−15%グラジェントゲル)を図1
に示す。
ていない吐糸後1ケ月以内の家蚕繭を原料とし、繭層を
約70%(重量%)LiSCN(pH7)水溶液に溶解
し、濃度約5%の絹タンパク溶液を得た。この絹タンパ
ク溶液の溶媒を5M尿素水溶液に置換したサンプル
(N)と、それに1%の2−メルカプトエタノール(M
E)を添加し、SS結合を切断したサンプル(R)のS
DS−PAGE(2−15%グラジェントゲル)を図1
に示す。
【0041】図1は、繭糸タンパクの電気泳動像であ
る。2−メルカプトエタノールで還元してある繭糸タン
パク(R)と還元していない繭糸タンパク(N)とす
る。セリシン(s)、フィブロイン(f)、マーカー
(M)とする。
る。2−メルカプトエタノールで還元してある繭糸タン
パク(R)と還元していない繭糸タンパク(N)とす
る。セリシン(s)、フィブロイン(f)、マーカー
(M)とする。
【0042】繭糸タンパクはフィブロインとセリシンか
ら成り、SS結合を切断することで、フィブロインは、
2成分〔H(フイブロインH鎖、及びフイブロインL
鎖)〕に、セリシンは主に4成分(a,b,cおよび
d)に分かれ、これらを絹タンパクの主成分とみなすこ
とができる。絹タンパクの各成分は図1のRの電気泳動
像の染色濃度から見積もった。その結果を表1に示す。
ら成り、SS結合を切断することで、フィブロインは、
2成分〔H(フイブロインH鎖、及びフイブロインL
鎖)〕に、セリシンは主に4成分(a,b,cおよび
d)に分かれ、これらを絹タンパクの主成分とみなすこ
とができる。絹タンパクの各成分は図1のRの電気泳動
像の染色濃度から見積もった。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】セリシンではaとd成分が特に多く、a,
b,dの3成分で、セリシンの約95%を占めるので、
これら3成分をセリシンの主要成分とした。次に、前述
の5%絹タンパク溶液をMEで還元したもの10mlにエ
チルアルコール82mlを11回に分けて、順次加え
た。1回ごとに生成した沈澱物を遠心分離して回収し
た。
b,dの3成分で、セリシンの約95%を占めるので、
これら3成分をセリシンの主要成分とした。次に、前述
の5%絹タンパク溶液をMEで還元したもの10mlにエ
チルアルコール82mlを11回に分けて、順次加え
た。1回ごとに生成した沈澱物を遠心分離して回収し
た。
【0045】各沈澱物の電気泳動像を図2に示す。図2
は、繭糸タンパク溶解液にエタノール添加による11分
画物の電気泳動像である。図2において、セリシンdは
第1,2沈澱物に、セリシンaは第2〜5沈澱物に、セ
リシンbは第2〜6沈澱物に、セリシンcは第10〜1
1沈澱物に存在していることが分かる。そこで、セリシ
ンの主要3成分をできるだけ高純度で得るため、第1,
3,4, 5の各沈澱物を別々に1%のMEを含む70%チ
オシアン酸リチウム水溶液(pH7)に再度溶解し、溶
解液にエタノールを順次加え再沈澱させた。
は、繭糸タンパク溶解液にエタノール添加による11分
画物の電気泳動像である。図2において、セリシンdは
第1,2沈澱物に、セリシンaは第2〜5沈澱物に、セ
リシンbは第2〜6沈澱物に、セリシンcは第10〜1
1沈澱物に存在していることが分かる。そこで、セリシ
ンの主要3成分をできるだけ高純度で得るため、第1,
3,4, 5の各沈澱物を別々に1%のMEを含む70%チ
オシアン酸リチウム水溶液(pH7)に再度溶解し、溶
解液にエタノールを順次加え再沈澱させた。
【0046】得られた沈澱物の内でセリシンd,a,b
のSDS−PAGEを図3に示す。図3は、分画、精製
したセリシンの主要3成分(s−d,s−a,s−b)
の電気泳動像である。セリシンd,aおよびbの純度は
高くなり、bが少し含まれていると思われるセリシンa
においても電気泳動像から見積もって純度は90%以上
であった。
のSDS−PAGEを図3に示す。図3は、分画、精製
したセリシンの主要3成分(s−d,s−a,s−b)
の電気泳動像である。セリシンd,aおよびbの純度は
高くなり、bが少し含まれていると思われるセリシンa
においても電気泳動像から見積もって純度は90%以上
であった。
【0047】(実施例2) 〔セリシン3成分の細胞生育促進作用〕セリシン3成分
について、正常なヒト皮膚由来の線維芽細胞を用いて、
細胞生育促進作用の有無を調べた。線維芽細胞は動物個
体内のほとんどすべての組織中に分散して存在し、組織
に外傷が加えられたり、臓器の実質細胞が失われた場
合、線維芽細胞が分裂増殖して欠落した部分を修復する
特徴を有する。分画精製されたセリシン3成分は70%
チオシアン酸リチウム水溶液に溶解し、これを水で透析
した。
について、正常なヒト皮膚由来の線維芽細胞を用いて、
細胞生育促進作用の有無を調べた。線維芽細胞は動物個
体内のほとんどすべての組織中に分散して存在し、組織
に外傷が加えられたり、臓器の実質細胞が失われた場
合、線維芽細胞が分裂増殖して欠落した部分を修復する
特徴を有する。分画精製されたセリシン3成分は70%
チオシアン酸リチウム水溶液に溶解し、これを水で透析
した。
【0048】透析はチオシアン酸イオンの濃度が0.0
1M以下になるまで行い、これをポリスチレンの細胞培
養容器(35mmφ)の底にコートした。コートは25
マイクログラム/cm2 の割合で行った。コートされた
容器は生理食塩水で洗浄後、70%エタノールで滅菌し
て、細胞培養容器とした。正常ヒト皮膚由来の線維芽細
胞は細胞培養液1mlに20,000個を懸濁させ、2
mlを細胞培養容器に接種した。5日間培養後の細胞数
をアラマーブルー色素法で測定した。結果を表2に示
す。表2ではセリシンaが線維芽細胞の成育を促進して
いることが分かる。セリシンdとセリシンbには細胞生
育促進作用は認められない。
1M以下になるまで行い、これをポリスチレンの細胞培
養容器(35mmφ)の底にコートした。コートは25
マイクログラム/cm2 の割合で行った。コートされた
容器は生理食塩水で洗浄後、70%エタノールで滅菌し
て、細胞培養容器とした。正常ヒト皮膚由来の線維芽細
胞は細胞培養液1mlに20,000個を懸濁させ、2
mlを細胞培養容器に接種した。5日間培養後の細胞数
をアラマーブルー色素法で測定した。結果を表2に示
す。表2ではセリシンaが線維芽細胞の成育を促進して
いることが分かる。セリシンdとセリシンbには細胞生
育促進作用は認められない。
【0049】
【表2】
【0050】(実施例3) 〔セリシンaを含有する素材の細胞生育促進作用〕家蚕
の繭層を8M尿素中で、80℃に10分間保ちセリシン
を抽出した。このセリシンの抽出液にアルコールを加
え、セリシンを沈澱させた。この沈澱物は図1のセリシ
ンd,a,b,cから成っている。このセリシン沈澱物
を飽和チオシアン酸リチウム水溶液に溶解し、脱塩後細
胞培養容器の底にコートし、ヒト正常皮膚細胞由来の線
維芽細胞の生育促進作用を検討した。この間の工程は実
施例2と同じ方法である。
の繭層を8M尿素中で、80℃に10分間保ちセリシン
を抽出した。このセリシンの抽出液にアルコールを加
え、セリシンを沈澱させた。この沈澱物は図1のセリシ
ンd,a,b,cから成っている。このセリシン沈澱物
を飽和チオシアン酸リチウム水溶液に溶解し、脱塩後細
胞培養容器の底にコートし、ヒト正常皮膚細胞由来の線
維芽細胞の生育促進作用を検討した。この間の工程は実
施例2と同じ方法である。
【0051】セリシンの各成分を含有する培養床で培養
したヒト正常皮膚由来の線維芽細胞生育促進作用につい
ては、結果を表3に示す。表3のように細胞生育促進作
用を持つセリシンaを含有していれば、その素材は細胞
生育促進作用を有する。表3の試料はセリシンの各成分
(セリシンd,a,bおよびc)を含有しているが、セ
リシンaを含有していれば、それ以外のものはフィブロ
インの成分であってもよい。また、セリシンa以外のも
のは分解していてもよい。セリシンaの確認は図1のよ
うにSDS−PAGEのバンドの有無で行う。
したヒト正常皮膚由来の線維芽細胞生育促進作用につい
ては、結果を表3に示す。表3のように細胞生育促進作
用を持つセリシンaを含有していれば、その素材は細胞
生育促進作用を有する。表3の試料はセリシンの各成分
(セリシンd,a,bおよびc)を含有しているが、セ
リシンaを含有していれば、それ以外のものはフィブロ
インの成分であってもよい。また、セリシンa以外のも
のは分解していてもよい。セリシンaの確認は図1のよ
うにSDS−PAGEのバンドの有無で行う。
【0052】
【表3】
【0053】(実施例4) 〔絹糸にセリシンaを含有する素材の製造〕繭糸はフィ
ブロイン繊維の表面をセリシンが覆った状態となってい
る。繭糸からセリシンdを除けば、セリシンの約70%
はセリシンaとなる。そこで、家蚕の繭層を繭層重の1
00倍量の水に浸漬し、煮沸した。煮沸時間を5,1
0,15,20,30,60分をとした時の繭層タンパ
クの電気泳動像を図4に示す。20分と30分後にはセ
リシンaとセリシンcのみフィブロイン繊維の表面に残
っているが、15分後ではセリシンbも若干残ってい
る。一方、セリシンaは繭糸表面から離れ難いが、60
分後には非常に少なくなっている。
ブロイン繊維の表面をセリシンが覆った状態となってい
る。繭糸からセリシンdを除けば、セリシンの約70%
はセリシンaとなる。そこで、家蚕の繭層を繭層重の1
00倍量の水に浸漬し、煮沸した。煮沸時間を5,1
0,15,20,30,60分をとした時の繭層タンパ
クの電気泳動像を図4に示す。20分と30分後にはセ
リシンaとセリシンcのみフィブロイン繊維の表面に残
っているが、15分後ではセリシンbも若干残ってい
る。一方、セリシンaは繭糸表面から離れ難いが、60
分後には非常に少なくなっている。
【0054】また、家蚕の繭層を繭層重の100倍量の
水に浸漬し、これに0.2gのマルセルセッケンを加え
煮沸した。煮沸時間を5,10,15,20,30,6
0分として繭層を処理し、処理時間と繭糸表面のセリシ
ン成分を電気泳動で調べた。その結果、原料の繭層には
セリシンの各成分が見られるが、20分と30分後にはセリ
シンaとセリシンcのみフィブロイン繊維の表面に残っ
ていた。60分後ではセリシンaは非常に少なくなって
いる。したがって、繭層を水またはセッケン水中で10
〜60分程度、好ましくは15〜40分程度煮沸すれ
ば、フィブロイン繊維表面のほとんどがセリシンaとす
ることができる。
水に浸漬し、これに0.2gのマルセルセッケンを加え
煮沸した。煮沸時間を5,10,15,20,30,6
0分として繭層を処理し、処理時間と繭糸表面のセリシ
ン成分を電気泳動で調べた。その結果、原料の繭層には
セリシンの各成分が見られるが、20分と30分後にはセリ
シンaとセリシンcのみフィブロイン繊維の表面に残っ
ていた。60分後ではセリシンaは非常に少なくなって
いる。したがって、繭層を水またはセッケン水中で10
〜60分程度、好ましくは15〜40分程度煮沸すれ
ば、フィブロイン繊維表面のほとんどがセリシンaとす
ることができる。
【0055】(実施例5) 〔セリシンの分解〕家蚕の繭層を80℃の8M尿素中に
5分浸漬してセリシンを抽出した。このセリシン抽出液
を100℃で5,10,15,20,30,60分の各
時間処理した。処理後の繭糸の電気泳動像を図5に示
す。セリシンa成分はdやb成分より分解速度が速い。
処理時間が20分間ではセリシンa成分は明確に確認で
きるが、30分の処理では非常に少なくなり、45分の
処理ではほとんど確認できない。図5は、抽出セリシン
の電気泳動像、家蚕の繭層を80℃の8M尿素中に5分
間浸漬してセリシンを抽出し、このセリシン抽出液を1
00℃で5,10,15,20,30,60分の各時間
処理した。
5分浸漬してセリシンを抽出した。このセリシン抽出液
を100℃で5,10,15,20,30,60分の各
時間処理した。処理後の繭糸の電気泳動像を図5に示
す。セリシンa成分はdやb成分より分解速度が速い。
処理時間が20分間ではセリシンa成分は明確に確認で
きるが、30分の処理では非常に少なくなり、45分の
処理ではほとんど確認できない。図5は、抽出セリシン
の電気泳動像、家蚕の繭層を80℃の8M尿素中に5分
間浸漬してセリシンを抽出し、このセリシン抽出液を1
00℃で5,10,15,20,30,60分の各時間
処理した。
【0056】(実施例6) 〔動物実験〕この実施例は、ヘアレス犬〔日本農産工業
(株)〕を用いて創傷被覆材としての効果をより詳しく
調べたものである。使用した創傷被覆材として、まず前
記実施例1で得たセリシンa成分90%以上の沈殿物
(a)、および前記実施例3で得たセリシン各成分を含
有する沈殿物(S)を使用した。これらの沈澱物は、よ
く水洗後に凍結乾燥して、粉砕した。粉末の平均粒子径
は10〜20μmである。
(株)〕を用いて創傷被覆材としての効果をより詳しく
調べたものである。使用した創傷被覆材として、まず前
記実施例1で得たセリシンa成分90%以上の沈殿物
(a)、および前記実施例3で得たセリシン各成分を含
有する沈殿物(S)を使用した。これらの沈澱物は、よ
く水洗後に凍結乾燥して、粉砕した。粉末の平均粒子径
は10〜20μmである。
【0057】また、前記実施例4において、家蚕繭層を
水中で15分煮沸して得たセリシンa成分含有絹糸(F
a)についても、動物実験に用いた。この場合は水洗
後、繊維長を0.5mm程度以下にに裁断した。そして
また、液状絹からセリシン含有フィルム(L−S)を次
のように作った。家蚕(日137×支137号)が吐糸
直前となったとき、蚕体をアルコールで消毒し、その絹
糸腺を摘出し、水で水洗後に、中部糸腺中区の液状絹を
取り出し、水中に浸漬した。浸漬20分以内の浸漬液を
プラスチック板上で室温で送風しながら乾燥し、厚さ3
0μmのフィルムを作った。このフィルムのセリシン含
有率は約70%で、水溶性を示す。
水中で15分煮沸して得たセリシンa成分含有絹糸(F
a)についても、動物実験に用いた。この場合は水洗
後、繊維長を0.5mm程度以下にに裁断した。そして
また、液状絹からセリシン含有フィルム(L−S)を次
のように作った。家蚕(日137×支137号)が吐糸
直前となったとき、蚕体をアルコールで消毒し、その絹
糸腺を摘出し、水で水洗後に、中部糸腺中区の液状絹を
取り出し、水中に浸漬した。浸漬20分以内の浸漬液を
プラスチック板上で室温で送風しながら乾燥し、厚さ3
0μmのフィルムを作った。このフィルムのセリシン含
有率は約70%で、水溶性を示す。
【0058】以上の他に、比較のため、厚さ40mμ
で、セリシンが1.7%、フィブロインが98.3%の
水溶性を示すフィルム(A−1)を創傷被覆材としてヘ
アレス犬で試験した。このフィルム(A−1)は、本発
明者が発明した特許第2990239号における、実施
例3の表4 に示すA−1のフィルムと同様のフィルム作
成工程を経て造られたフィルムである。また、絹糸を1
20℃の炭酸ソーダ水溶液に2時間浸漬し、水洗乾燥
後、粉砕して得たフィブロイン粉末(F−1.8)〔平
均粒子径1.8mμで水に水溶性を示す〕についても創
傷被覆材としてヘアレス犬で試験した。
で、セリシンが1.7%、フィブロインが98.3%の
水溶性を示すフィルム(A−1)を創傷被覆材としてヘ
アレス犬で試験した。このフィルム(A−1)は、本発
明者が発明した特許第2990239号における、実施
例3の表4 に示すA−1のフィルムと同様のフィルム作
成工程を経て造られたフィルムである。また、絹糸を1
20℃の炭酸ソーダ水溶液に2時間浸漬し、水洗乾燥
後、粉砕して得たフィブロイン粉末(F−1.8)〔平
均粒子径1.8mμで水に水溶性を示す〕についても創
傷被覆材としてヘアレス犬で試験した。
【0059】このフィブロイン粉末は、本発明者が発明
した特願平11−259149号における実施例3の表
4に示す(3)のフイブロイン粉末と同様の条件で造ら
れたフィブロイン粉末である。なお、創傷被覆材を使わ
ない場合を対照区とした。まず、ヘアレス犬の背部皮膚
に約1cm2 の大きさに表皮を含め真皮まで剥離し、こ
の創傷部をヒビデン消毒薬で消毒後、動物用抗生物質ベ
ンジルペニシリンプロカイン〔明治製菓(株)〕を滴下
し、各創傷被覆材で被覆した。さらに、吸収パッド付ポ
リウレタンフィルムOpSite〔スミスアンドネフュ
ー(株)〕で覆った。さらに、創傷被覆材の脱落を防ぐ
ためにイヌ用ジャッケットを装着した。
した特願平11−259149号における実施例3の表
4に示す(3)のフイブロイン粉末と同様の条件で造ら
れたフィブロイン粉末である。なお、創傷被覆材を使わ
ない場合を対照区とした。まず、ヘアレス犬の背部皮膚
に約1cm2 の大きさに表皮を含め真皮まで剥離し、こ
の創傷部をヒビデン消毒薬で消毒後、動物用抗生物質ベ
ンジルペニシリンプロカイン〔明治製菓(株)〕を滴下
し、各創傷被覆材で被覆した。さらに、吸収パッド付ポ
リウレタンフィルムOpSite〔スミスアンドネフュ
ー(株)〕で覆った。さらに、創傷被覆材の脱落を防ぐ
ためにイヌ用ジャッケットを装着した。
【0060】観察 試験開始後1週目および2週目に、試験部位の観察記録
を行った。その結果を表4に示す。ここで、「炎症部の
滲出液の程度」は、−−(無し)が治癒の度合いがよい
ことを示し、また「表皮の再生状態」は+++(非常に
ある)が治癒度の高いことを示すものである。いづれの
創傷被覆材も対照区より創傷の治癒を促進し、治癒効果
があった。セリシンa成分またはa成分を含有する創傷
被覆材(a、s、Fa)は比較として使ったアモルファ
スフィブロインフィルム(セリシン1.7%含有)A−
1と同等かそれ以上の治癒効果があった。被覆材SとA
−1の治癒効果は、表4で示すようにほとんどは同じで
あるが、SとA−1を比較すればSの方がA−1より治
癒効果はあった。
を行った。その結果を表4に示す。ここで、「炎症部の
滲出液の程度」は、−−(無し)が治癒の度合いがよい
ことを示し、また「表皮の再生状態」は+++(非常に
ある)が治癒度の高いことを示すものである。いづれの
創傷被覆材も対照区より創傷の治癒を促進し、治癒効果
があった。セリシンa成分またはa成分を含有する創傷
被覆材(a、s、Fa)は比較として使ったアモルファ
スフィブロインフィルム(セリシン1.7%含有)A−
1と同等かそれ以上の治癒効果があった。被覆材SとA
−1の治癒効果は、表4で示すようにほとんどは同じで
あるが、SとA−1を比較すればSの方がA−1より治
癒効果はあった。
【0061】
【表4】
【図1】図1は、繭糸タンパクの電気泳動像である。
【図2】図2は、各沈澱物の電気泳動像である。
【図3】図3は分画、精製したセリシンの主要3成分
(s−d,s−a,s−b)の電気泳動像である。
(s−d,s−a,s−b)の電気泳動像である。
【図4】図4は、繭層タンパクの電気泳動像である。
【図5】図5は、抽出セリシンの電気泳動像である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 9/70 A61K 35/64 4F071 35/64 A61L 27/00 Q 4H045 A61L 15/16 V 27/00 A61P 43/00 107 C07K 1/26 A61P 43/00 107 14/435 C07K 1/26 C08J 5/18 CEY 14/435 C08L 33:26 C08J 5/18 CEY A61K 37/02 // C08L 33:26 A61L 15/01 (71)出願人 597143731 高須 陽子 茨城県つくば市春日2ー21−2 (72)発明者 坪内 紘三 茨城県北相馬郡守谷町松前台6丁目15−8 (72)発明者 山田 弘生 茨城県つくば市二の宮4−8−3−4− 205 (72)発明者 高須 陽子 茨城県つくば市春日2−21−2 Fターム(参考) 4C076 AA29 AA71 BB31 CC26 4C081 AA01 AA12 AB13 AB31 CD111 CD33 DA02 DA11 4C083 AA071 AA072 CC02 DD17 DD44 EE12 FF01 4C084 AA02 BA05 BA44 CA49 MA32 MA43 MA63 NA14 ZB222 4C087 AA01 AA04 AA05 BB21 CA16 MA32 MA43 NA14 ZB22 4F071 AA35 BA02 BB02 BC01 4H045 AA20 AA30 CA51 EA15 EA28 EA34 GA31 HA07
Claims (10)
- 【請求項1】 家蚕が吐糸する繊維(繭糸等)から溶出
して得られる、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)による分子量
が約400,000のセリシンを主体とする細胞生育促
進剤。 - 【請求項2】 家蚕が吐糸する繊維(繭糸等)中のセリ
シンを、尿素水溶液で溶解せしめた後、ドデシル硫酸ナ
トリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−
PAGE)による分子量が約400,000のセリシン
を分離回収する方法。 - 【請求項3】 4M以上の尿素水溶液で溶解せしめるこ
とを請求項2記載の分離回収する方法。 - 【請求項4】 家蚕が吐糸する繊維(繭糸等)を、中性
塩水溶液で溶解せしめて得られる、ドデシル硫酸ナトリ
ウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PA
GE)による分子量が約400,000のセリシン、お
よび絹フィブロインを含有する細胞生育促進剤。 - 【請求項5】 粉末状またはフィルム状の形態を有する
請求項1,4記載の細胞生育促進剤。 - 【請求項6】 家蚕が吐糸する繊維(繭糸等)を温和な
条件で精練し、低分子量のセリシンを除去することによ
り得られる、フィブロイン繊維表面が実質的にドデシル
硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(S
DS−PAGE)による分子量が約400,000のセ
リシン成分により被覆された状態の繊維状素材からなる
細胞生育促進剤。 - 【請求項7】 家蚕が吐糸する繊維(繭糸等)を温和な
条件で精練し、低分子量のセリシン成分を除去すること
からなる、フィブロイン繊維表面が実質的にドデシル硫
酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SD
S−PAGE)による分子量が約400,000のセリ
シンにより被覆された状態の繊維状素材の製造方法。 - 【請求項8】 できる限り中性に近い温和なph領域で
煮沸精錬を行うことを特徴とする請求項6記載の繊維状
素材の製造方法。 - 【請求項9】 蚕体内の中部糸腺および前部糸腺の液状
絹を水中に浸漬して得られる、実質的にドデシル硫酸ナ
トリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−
PAGE)による分子量が約400,000のセリシン
を主体とする細胞生育促進剤。 - 【請求項10】 請求項1,4,5,6,又は9に記載
の細胞生育促進剤を、皮膚ケア素材としての化粧素材、
医療用材料としての創傷被覆用素材、血管内皮形成、臓
器形成素材およびバイオ材料としての細胞培養床素材に
使用する方法。
Priority Applications (6)
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---|---|---|---|
JP2000324034A JP2002128691A (ja) | 2000-10-24 | 2000-10-24 | セリシン含有素材、その製造方法およびその使用方法 |
US10/169,042 US6815427B2 (en) | 2000-10-24 | 2001-03-22 | Sericin-containing material, process for producing the same method of using the same |
EP01915676A EP1335018A1 (en) | 2000-10-24 | 2001-03-22 | Sericin-containing material, process for producing the same and method of using the same |
PCT/JP2001/002250 WO2002034885A1 (fr) | 2000-10-24 | 2001-03-22 | Produit contenant de la sericine, procedes de production et d'utilisation correspondants |
CN01805531A CN1406276A (zh) | 2000-10-24 | 2001-03-22 | 含有丝胶蛋白的材料,其生产和使用方法 |
KR1020027008220A KR20020079761A (ko) | 2000-10-24 | 2001-03-22 | 세리신 함유소재, 그 제조방법 및 그 사용방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000324034A JP2002128691A (ja) | 2000-10-24 | 2000-10-24 | セリシン含有素材、その製造方法およびその使用方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002128691A true JP2002128691A (ja) | 2002-05-09 |
Family
ID=18801625
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000324034A Pending JP2002128691A (ja) | 2000-10-24 | 2000-10-24 | セリシン含有素材、その製造方法およびその使用方法 |
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EP (1) | EP1335018A1 (ja) |
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KR (1) | KR20020079761A (ja) |
CN (1) | CN1406276A (ja) |
WO (1) | WO2002034885A1 (ja) |
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WO2008123128A1 (ja) | 2007-03-23 | 2008-10-16 | Seiren Kabushiki Kaisha | アディポネクチン産生促進剤 |
JP2010083829A (ja) * | 2008-10-01 | 2010-04-15 | Kinki Univ | 角膜保護剤および角膜障害改善剤 |
JP2014525265A (ja) * | 2011-08-26 | 2014-09-29 | アグリカルチュアル リサーチ ディベロプメント エージェンシー(パブリック オーガナイゼーション) | 絹ベースの生物活性オリゴペプチド組成物及びその製造方法 |
JP2014205621A (ja) * | 2013-04-10 | 2014-10-30 | 国立大学法人岩手大学 | セリシンの抽出・精製方法 |
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Families Citing this family (48)
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EP3351376B1 (en) * | 2002-06-24 | 2023-04-12 | Tufts University | Silk biomaterials and methods of use thereof |
KR100920961B1 (ko) * | 2002-06-25 | 2009-10-09 | 가부시키가이샤 시세이도 | 항노화제 |
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GB2435646A (en) | 2006-03-01 | 2007-09-05 | Spin Tec Engineering Gmbh | Apparatus and method of extraction of an arthropod gland |
WO2008106485A2 (en) | 2007-02-27 | 2008-09-04 | Trustees Of Tufts College | Tissue-engineered silk organs |
BRPI0813312A2 (pt) | 2007-05-29 | 2014-12-23 | Tufts College | Processo para formar rapidamente geleificação de fibroína de seda e métodos de controlar tempo de galeificação de fibroína de seda e de encapsular pelo menos um agente em fibroína de seda. |
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WO2009140588A1 (en) * | 2008-05-15 | 2009-11-19 | Trustees Of Tufts College | Silk polymer-based adenosine release: therapeutic potential for epilepsy |
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