JP2002128275A - 層単位ピッキング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、クランプされた商品層の中に商品
が取り残されたような場合でも、短い動作時間でピッキ
ング動作を継続して実施することが可能な層単位ピッキ
ング装置を実現する。 【解決手段】 本発明は、多層状に積み重ねられた商品
層を上層部から層単位でピッキングする層単位ピッキン
グ装置において、商品層の側面を対向方向から挾持して
層単位でクランプするクランプ手段と、クランプ手段に
クランプされた商品層の底面に形成される隙間内を往復
動して残留商品を押圧する拘束手段と、隙間の開始時に
残留商品を検出する残留検出手段とを備えてなり、残留
検出手段の検出結果に基づいて拘束手段により残留商品
をクランプされた商品層内に押圧して拘束する層単位ピ
ッキング装置を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は多層状に積み重ねら
れた商品層を、層単位でピッキングする層単位ピッキン
グ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】パレット上に複数段に積み付けられた商
品（物品）を層単位（段単位）に荷卸しする装置が、特
開平１０−３１６２４５号公報に記載されている。この
公報記載の装置を、図４の原理図に示す。図において、
ｃ１，ｃ２は押圧具、Ｌはパレット昇降装置、Ｐはパレ
ット、Ｗは商品である。図４の（ａ），（ｂ）で示すよ
うに多層状に積み付けられた商品Ｗの最上層を把持機構
の一対の押圧具ｃ１，ｃ２で両側から押圧して把持し、
パレットＰをパレット昇降装置Ｌにより下降させること
で把持した最上層と、上から２段目以下の商品層とを分
離させるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一般に、製造工場にお
ける工場出荷時に商品をパレット上に多層状に積み付け
るときは、荷崩れ防止のために商品と商品との間にホッ
トメルト等の接着剤を用いて商品同士を半固定状態に接
着することが行われる。この場合、接着剤によって商品
同士が強固に接着されているようなときは、上記のよう
に昇降装置ＬでパレットＰを降下させても把持した商品
層の一部の商品の接着剤が剥がれないことがある。この
ため、パレットＰを下降させたときに、図４（ｂ）の点
線の斜線で示すように一部の商品が下層側の商品層に取
り残されることがある。

【０００４】また、商品層内の商品の配列パターンが図
５に示すような場合は、一対の押圧具ｃ１，ｃ２の押圧
力がクランプした全ての商品Ｗに伝わらないことが多
い。したがって、この場合もパレットＰを降下（また
は、押圧具ｃ１，ｃ２側を上昇）しても、中心部で遊離
した商品Ｗが上記と同様に下層側に取り残される。この
結果、上記の何れの場合も、それ以降のピッキング動作
の継続が不可能になるという問題点がある。

【０００５】本発明は、上述の従来装置における問題点
を解決するためになされたもので、クランプされた商品
層の中に商品が取り残されたような場合が発生しても、
残留商品を拘束してピッキング動作を継続することが可
能な層単位のピッキング装置を実現することを目的とす
るものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、多層状に積み
重ねられた商品層を上層部から層単位でピッキングする
層単位ピッキング装置において、商品層の側面を対向方
向から挾持して層単位でクランプするクランプ手段と、
クランプ手段にクランプされた商品層の底面に形成され
る隙間内を往復動して残留商品を押圧する拘束手段と、
隙間の開始時に残留商品を検出する残留検出手段とを備
えてなり、残留検出手段の検出結果に基づいて拘束手段
により残留商品をクランプされた商品層内に押圧して拘
束する層単位ピッキング装置を構成したものである。ま
た、上記において、拘束手段を拘束板で構成し、この拘
束板の先端に残留検出手段を設けた層単位ピッキング装
置を構成したものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】実施の形態１．図１は本発明の実
施の形態１の構成を示す側面図、図２は実施の形態１の
平面図である。図１と図２において、１はピッキング装
置、２はピッキング装置１に設けられたクランプ機構で
ある。３はクランプ機構２の本体、４は本体３に取付ら
れた保持部である。図示されていないが保持部４にはア
クチュエータ等の駆動機構が内蔵されて、この駆動機構
が制御手段で制御されて保持部４が本体３に沿って上，
下動してその停止位置が設定される。５は保持部４に保
持された角枠型のフレーム、６は商品、７はフレーム５
内に設けられ押圧具、８と９は押圧具７を構成するアク
チュエータとその可動端の押圧片である（５〜９の一桁
数字は総称）。

【０００８】商品６は図２に示すように複数個が平面的
に並べられて、次に説明する商品層の輪郭形状がフレー
ム５の中に侵入できるような方形に形成されている。フ
レーム５の各辺部の内側には、類似構造の押圧具７が配
置されている。そして、普通は対向する一対または２対
の押圧具７のアクチュエータ８が図示されていない調整
手段により独立的に調整されて、可調整の押圧力で上記
の商品層の側面を対向方向から押圧してクランプするク
ランプ手段が構成される。

【０００９】１０はリフター、１１はパレットである。
６１，６２…はパレット１１上で層状に積み重ねられた
商品層で、リフター１０によりパレット１１と一体に昇
降される。パレット１１上の商品層６１，６２…は前述
のフレーム５との相対的な位置に関連して昇降範囲内の
停止位置が制御されて、クランプ機構２により単一また
は複数の層単位でピッキングされる。１２はやや薄い平
板状の拘束板、１３と１４は拘束板１２の走行機構と走
行レールである。また、１５は荷受け台、１６はローラ
フレーム、１７は駆動ローラである。荷受け台１５は前
後一対のローラフレーム１６と、その間に設けられた複
数の駆動ローラ１７により格子状に構成されている。

【００１０】１８はローラ走行機構、１９は走行レール
である。ローラ走行機構１８は、ローラフレーム１６を
走行レール１９上に載せて水平方向に往復動させる。２
０はリフター、２１は空パレットでリフター２０により
昇降される。２２は残留商品を検出する残留センサー、
２３は規制ストッパーである。残留センサー２２は透過
型で、例えば投，受光の一組の検出素子で構成する光セ
ンサーのような検出手段が用いられている。そして、一
方が拘束板１２の先端に設けられ、他方が本体３側に対
向配置されている。

【００１１】上述のように構成された実施の形態１の動
作を、図３（ａ）〜（ｄ）を併用して説明する。実施の
形態１では商品６を平面的に配列して層状に積み重ねら
れた商品層６１，６２…のうち、最上層から３層分の商
品層６１〜６３を一括して空パレット２１上にピッキン
グする場合を例示して説明する。商品層６１，６２…を
積み重ねたパレット１１がリフター１０上に移載される
と、リフター１０が駆動されて上昇動作を開始する。リ
フター１０の上昇動作で商品層６１，６２…の上層部が
フレーム５内に侵入する。上昇する商品層６１，６２…
が予め制御手段によって取り出したい高さと層数から演
算したレベルに達すると、リフター１０の上昇動作が停
止する。停止状態では図１に示すように、３層目の商品
層６３がフレーム５に対向する。

【００１２】ここで、フレーム５内の１対または２対の
押圧具７が作動して、商品層６３が挾持される。この結
果、フレーム５内で挾持された商品層６３を介して、３
層分の商品層６１〜６３がクランプ機構２に一体に保持
される。次に、リフター１０によりパレット１１の下降
を開始させると、図３（ａ）のようにフレーム５側の商
品層６３と下段側の商品層６４とを構成する大部分の商
品６の相互間の接着が剥がされて隙間Ｇが形成されるこ
とになる。このとき、前述のような強固に接着された商
品６や遊離した商品６が、商品層６４の表面に取り残さ
れる。残留センサー２２が隙間Ｇを通して、これらの取
り残し商品６を検出する。

【００１３】こうした残留センサー２２の検出結果に基
づいて、拘束板１２が隙間Ｇ内に前進してその先端が抜
け落ち商品６の下端部の側面に接触して商品層６３側に
押さえ付ける。そのまま、リフター１０を下降させて隙
間Ｇを広げてから、広げられた隙間Ｇ内に荷受け台１５
を前進させる。そして、荷受け台１５を左限に到達させ
て、拘束板１２を後退させる。この状態が、図３（ｂ）
に示されている。続いて、フレーム５を幾分下降させて
から、アクチュエータ８を戻して押圧片９による押圧を
解除する。この結果、クランプ機構２でクランプされた
商品層６１〜６３が、前進した荷受け台１５の上に載置
される〔図３（ｃ）〕。

【００１４】引き続いて、図３（ｄ）のようにフレーム
５をさらに上昇させてから、商品層６１〜６３を載置し
た荷受け台１５を待機位置に後退させる。後退する荷受
け台１５が待機位置に戻る途中で、荷受け台１５上の商
品層６１〜６３は規制規制ストッパー２３に規制されて
空パレット２１上に移し替えられる。その後、制御手段
によって予め設定されたリフター１０の上下動動作等が
ほぼ同様に繰り返されて、パレット１１上の残りの商品
層６４，６５が空パレット２１上にピッキングされるよ
うになっている。残留センサー２２による抜け落ち商品
の検出がないときは、拘束板１２の押圧動作が省略され
る。

【００１５】なお、上述の実施の形態ではフレームの各
辺に単一の押圧具を配置した場合を例示して説明した
が、各辺に複数の押圧具を併設するようにしてもよい。
また、荷受け台を駆動ローラで構成した場合について説
明したが、フリーローラや短冊状のスラット板で構成し
てもよい。さらに、フレームの上下動と押圧具のクラン
プ動作等をアクチュエータで駆動した場合で説明した
が、電動シリンダーや流体シリンダー等の制御可能な駆
動源を利用してもよい。さらに、透過形の残留センサー
は反射形でもよく、その他の構成部材等についても必ず
しも実施の形態に限定するものではない。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の層単位ピ
ッキング装置によれば、抜け落ち商品を検出する検出手
段を備え、クランプした商品層と下段側の商品層との間
に隙間を形成する時に残留センサが商品の抜け落ちてい
るのを検出すると、隙間へ拘束板が進入して抜け落ちた
商品の側面を先端で押さえ付けた後に、さらに隙間を広
げて荷受け台を進入させて商品を載置しながら移送する
ようにしたので、商品が取り残された場合でもピッキン
グの継続動作が可能になる。特に、本発明の請求項２に
よれば、残留センサーを拘束板の先端に設けるように構
成したので、残留商品の検出と拘束動作とを連続させて
速やかに実施でき動作時間を短縮きる利点がある。

【００１７】よって、本発明によれば、クランプされた
商品層の中に商品が取り残されたような場合でも、短い
動作時間でピッキング動作を継続して実施することが可
能な層単位ピッキング装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１の構成を示す側面図であ
る。

【図２】実施の形態１の平面図である。

【図３】実施の形態１の動作を示す説明図である。

【図４】従来技術における荷卸し装置の正面図である。

【図５】商品層の配置パターンを示す平面図である。

【符号の説明】

１ ピッキング装置 ２ クランプ機構 ３ 本体 ４ 保持部 ５ フレーム ６ 商品 ７ 押圧具 ８ アクチュエータ ９ 押圧片 １０ リフター １１ パレット １２ 拘束板 １３ 拘束板駆動機構 １４ 走行レール １５ 荷受け台 １６ ローラフレーム １７ 駆動ローラ １８ ローラ走行機構 １９ 走行レール ２０ リフター ２１ 空パレット ２２ 残留センサー ２３ 規制ストッパー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉永 陽一 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 衛藤 信一郎 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 石川 洋史 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 Ｆターム(参考） 3F030 AA04 AB04 BA02 BA05 BB01 BC03

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多層状に積み重ねられた商品層を上層部
   から層単位でピッキングする層単位ピッキング装置にお
   いて、 前記商品層の側面を対向方向から挾持して層単位でクラ
   ンプするクランプ手段と、該クランプ手段にクランプさ
   れた商品層の底面に形成される隙間内を往復動して残留
   商品を押圧する拘束手段と、前記隙間の開始時に残留商
   品を検出する残留検出手段とを備えてなり、該残留検出
   手段の検出結果に基づいて前記拘束手段により残留商品
   をクランプされた商品層内に押圧して拘束することを特
   徴とする層単位ピッキング装置。
2. 【請求項２】 前記拘束手段を拘束板で構成して、該拘
   束板の先端に残留検出手段を設けたことを特徴とする請
   求項１記載の層単位ピッキング装置。