JP2002127887A - 車両の姿勢制御装置 - Google Patents

車両の姿勢制御装置

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JP2002127887A
JP2002127887A JP2000323586A JP2000323586A JP2002127887A JP 2002127887 A JP2002127887 A JP 2002127887A JP 2000323586 A JP2000323586 A JP 2000323586A JP 2000323586 A JP2000323586 A JP 2000323586A JP 2002127887 A JP2002127887 A JP 2002127887A
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JP
Japan
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control
oversteer
vehicle
yaw rate
target yaw
Prior art date
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Application number
JP2000323586A
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English (en)
Inventor
Hirohisa Tanaka
博久 田中
Toshio Yasutake
俊雄 安武
Yoshihiro Watanabe
嘉寛 渡辺
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Mazda Motor Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/1755Brake regulation specially adapted to control the stability of the vehicle, e.g. taking into account yaw rate or transverse acceleration in a curve
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T2220/00Monitoring, detecting driver behaviour; Signalling thereof; Counteracting thereof
    • B60T2220/03Driver counter-steering; Avoidance of conflicts with ESP control

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両のヨーイング方向の姿勢を制御する場合
に、オーバーステア制御に改良を加えることにより、車
両の高い安定性を確保しつつも、運転者の感じる安定感
や操縦性を向上させる。 【解決手段】 オーバーステア傾向が、第1の設定基準
よりも強いときには第1オーバーステア制御の介入を行
うと共に、第1の設定基準以下で第2の設定基準よりも
強いときには制御量を低下させた第2オーバーステア制
御の介入を行い、第2の設定基準以下で第3の設定基準
よりも強いときには制御量を低下させた第3オーバース
テア制御の介入を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の旋回走行時
の姿勢を制御してアンダーステア傾向(ドリフトアウ
ト)やオーバーステア傾向(スピン)を回避・抑制する
ようにした姿勢制御装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の車両の姿勢制御装置
として、例えば特開平6―183288号や特開平7―
223520号の各公報に示されるように、車両の舵角
及び車速に基づいて目標ヨーレートを設定するととも
に、車両の実際のヨーレートをヨーレートセンサにより
検出し、この検出された実際のヨーレートが上記目標ヨ
ーレートに対し所定以上の偏差を持つと、車両のアンダ
ーステア傾向を抑制するアンダーステア制御又はオーバ
ーステア傾向を抑制するオーバーステア制御の各介入を
それぞれ行うようにしたものは知られている。
【0003】具体的には、実際のヨーレートに所定のし
きい値を加えた値よりも目標ヨーレートが大きい場合に
は、アンダーステア制御の介入を、また目標ヨーレート
に所定のしきい値を加えた値よりも実際のヨーレートが
大きい場合には、オーバーステア制御の介入をそれぞれ
行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ものでは、例えばしきい値が小さい場合には、オーバー
ステア制御が介入し過ぎる傾向がある。これにより、過
剰制御による車両の曲がり難さを招いてしまったり、制
御介入が不要であった場合の作動の強さが問題になった
りする。
【0005】これを解消するには、上記オーバーステア
制御の介入を決定するしきい値を大きくして、そのオー
バーステア制御の早期介入を抑制すればよいが、しかし
ながら、今度は車両のオーバーステア傾向が過度になら
なければ介入されず、さらに、強い制御が急激に介入さ
れることになる。このため、車両自体の安定性は確保さ
れるものの、オーバーステア制御が介入されるまでのオ
ーバーステア傾向が成長しつつあるときにおいて、運転
者は操縦性が悪いと感じたり、不安定感を覚えたりする
ようになる。
【0006】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、上記オーバーステア制御に改良を加え
ることにより、車両の高い安定性を確保しつつも、運転
者の感じる安定感や操縦性を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、オーバーステア傾向を抑制
する第1オーバーステア制御に加えて、この第1オーバ
ーステア制御よりも制御量を低下させた第2オーバース
テア制御を設けることとした。
【0008】具体的に、この請求項1の発明は、車両の
各輪のブレーキを独立に制御することによって、該車両
のヨーイング方向の姿勢を制御する制御手段を備えた車
両の姿勢制御装置を対象とし、上記制御手段は、上記車
両のオーバーステア傾向が第1の設定基準よりも強いと
きには、上記オーバーステア傾向を抑制する第1オーバ
ーステア制御の介入を行うと共に、上記車両のオーバー
ステア傾向が、上記第1の設定基準以下でかつ第2の設
定基準よりも強いときには、上記第1オーバーステア制
御よりも制御量を低下させた第2オーバーステア制御の
介入を行うように構成されていることを特定事項とする
ものである。
【0009】請求項1記載の発明によると、車両のオー
バーステア傾向が第1の設定基準よりも強いとき、すな
わち、比較的強いオーバーステア傾向にあるときには、
第1オーバーステア制御の介入が行われて、上記オーバ
ーステア傾向が抑制される。これにより、車両の高い安
定性が確保される。
【0010】そして、上記車両のオーバーステア傾向が
上記第1の設定基準以下で第2の設定基準よりも強いと
き、すなわち、比較的弱いオーバーステア傾向にあると
きには、上記第1オーバーステア制御よりも制御量を低
下させた第2オーバーステア制御の介入が行われる。従
って、第2オーバーステア制御の早期介入により、比較
的弱いオーバーステア傾向の抑制又はオーバーステアの
成長(オーバーステア傾向が強くなること)が抑制され
る。これにより、車両の安定性がより一層向上して運転
者が感じる安定感が向上すると共に、強いオーバーステ
ア傾向となることが抑制されて運転者が感じる操縦の容
易さが向上する。
【0011】このように第2オーバーステア制御を早期
に介入させても、この第2オーバーステア制御は制御量
を低下させた弱い制御であるため、過剰制御となること
なく、また、不要動作が強くなってしまうことも回避さ
れる。これにより、運転者の違和感が防止される。
【0012】また、上記第2オーバーステア制御が介入
してもオーバーステア傾向が成長して、オーバーステア
傾向が第1の設定基準よりも強くなれば、この第2オー
バーステア制御に代わって第1オーバーステア制御が介
入される。これにより、制御量が強い第1オーバーステ
ア制御が急激に介入されずに、弱い制御である第2オー
バーステア制御から強い制御である第1オーバーステア
制御へ連続的に制御が移行される。従って、運転者の違
和感が大幅に解消される。また、第1オーバーステア制
御の前に予め第2オーバーステア制御を介入させること
で、ブレーキ系の遊びがなくなっている(例えばディス
クロータにブレーキパッドが密着した状態になってい
る)ため、上記第1オーバーステア制御の応答性が向上
する。さらに、第2オーバーステア制御に引き続いて第
1オーバーステア制御が介入した場合は、オーバーステ
ア制御の介入しきい値を小さくしたこととほぼ同様の結
果となり、車両のより一層の安定性が確保される。
【0013】従って、このような第2オーバーステア制
御を、第1オーバーステア制御とは別に設けることによ
って、車両の高い安定性を確保しつつも、運転者の感じ
る安定感や操縦性が向上する。
【0014】この第2オーバーステア制御は、例えば請
求項2記載の如く、第1オーバーステア制御において供
給可能な最大ブレーキ圧よりも低い所定ブレーキ圧を上
限に、ブレーキ圧をオープン制御で供給するものとして
もよい。
【0015】すなわち、ブレーキ圧をオープン制御で供
給することで、制御の応答性が向上すると共に、上限の
ブレーキ圧を第1オーバーステア制御において供給可能
な最大ブレーキ圧よりも低い所定ブレーキ圧に設定する
ことで、第1オーバーステア制御よりも制御量が低下し
たオーバーステア傾向の抑制制御が実現する。これによ
り、運転者に制御介入を気付かれることなく、比較的弱
いオーバーステア傾向が適切に抑制される。
【0016】また、第2オーバーステア制御は、例えば
請求項3記載の如く、設定された目標ヨーレートと実際
のヨーレートとの偏差量に応じてブレーキ圧を供給する
ものとしてもよい。
【0017】すなわち、設定された目標ヨーレートと実
際のヨーレートとの偏差量に応じてフィードバック制御
でブレーキ圧を供給することで、オーバーステアの抑制
制御が過剰になることなく、最適な制御が実現する。
尚、このときの上限ブレーキ圧は、第1オーバーステア
制御におけるブレーキ圧よりも低い所定ブレーキ圧とし
てもよい。こうすれば、第1オーバーステア制御よりも
制御量が低下したオーバーステアの抑制制御が容易に実
現する。
【0018】請求項4記載の発明は、オーバーステア傾
向を抑制する第1オーバーステア制御に加えて、この第
1オーバーステア制御よりも制御量を低下させた第2及
び第3オーバーステア制御の2つを設けることとした。
【0019】具体的には、車両の各輪のブレーキを独立
に制御することによって、該車両のヨーイング方向の姿
勢を制御する制御手段を備えた車両の姿勢制御装置を対
象とし、上記制御手段を、上記車両のオーバーステア傾
向が第1の設定基準よりも強いときには、上記オーバー
ステア傾向を抑制する第1オーバーステア制御の介入を
行うと共に、上記車両のオーバーステア傾向が、上記第
1の設定基準以下でかつ第2の設定基準よりも強いとき
には、上記第1オーバーステア制御よりも制御量を低下
させた第2オーバーステア制御の介入を行い、上記車両
のオーバーステア傾向が、上記第2の設定基準以下でか
つ第3の設定基準よりも強いときには、上記第1オーバ
ーステア制御よりも制御量を低下させた第3オーバース
テア制御の介入を行うように構成することを特定事項と
するものである。
【0020】請求項4記載の発明によると、車両のオー
バーステア傾向が第1の設定基準よりも強いときには、
オーバーステア傾向を抑制する第1オーバーステア制御
の介入が行われて、比較的強い車両のオーバーステア傾
向が抑制される。
【0021】そして、上記車両のオーバーステア傾向が
上記第1の設定基準以下でかつ第2の設定基準よりも強
いとき(比較的弱いオーバーステア傾向のとき)には、
第1オーバーステア制御よりも制御量を低下させた第2
オーバーステア制御の介入が行われる。
【0022】さらに、上記車両のオーバーステア傾向が
上記第2の設定基準以下でかつ第3の設定基準よりも強
いとき(さらに弱いオーバーステア傾向のとき)には、
第1オーバーステア制御よりも制御量を低下させた第3
オーバーステア制御の介入が行われる。
【0023】これにより、車両が比較的弱いオーバース
テア傾向にあるときに、第2オーバーステア制御が早期
に介入されてオーバーステア傾向の抑制及びオーバース
テアの成長の抑制がなされる。これにより、運転者が感
じる安定感が向上すると共に、運転者が感じる操縦の容
易さが向上する。このとき、介入される第2オーバース
テア制御は第1オーバーステア制御に比べて制御量を低
下させた弱い制御であるため、制御が過剰になることが
なく、また、不要動作が強くなってしまうことも回避さ
れる。
【0024】また、上記車両がさらに弱いオーバーステ
ア傾向にあるときには、第3オーバーステア制御が早期
に介入されて、該オーバーステア傾向の抑制及びオーバ
ーステアの成長の抑制がなされる。これにより、運転者
が感じる安定性がより一層向上すると共に、運転者が感
じる操縦の容易さがより一層向上する。このときも、介
入される第3オーバーステア制御は第1オーバーステア
制御に比べて制御量を低下させた弱い制御であるため、
制御が過剰になることがなく、かつ不要動作が強くなっ
てしまうことが回避される。
【0025】そして、上記第3オーバーステア制御が介
入しても車両のオーバーステア傾向が強くなったときに
は、第2オーバーステア制御が上記第3オーバーステア
制御に代わって介入され、また、上記第2オーバーステ
ア制御が介入しても車両のオーバーステア傾向がさらに
強くなったときには、第1オーバーステア制御が上記第
2オーバーステア制御に代わって介入される。これによ
り、弱い制御である第3及び第2オーバーステア制御か
ら強い制御である第1オーバーステア制御へ連続的に移
行されて、運転者の違和感が大幅に解消される。さら
に、第3及び第2オーバーステア制御に続いて第1オー
バーステア制御が介入した場合は、制御の介入しきい値
を小さくしたこととを同様の結果となり、車両のより一
層の安定性が確保される。
【0026】従って、このような第2及び第3オーバー
ステア制御を、第1オーバーステア制御とは別に設ける
ことによって、車両の高い安定性を確保しつつも、運転
者の感じる安定感や操縦性がより一層向上する。
【0027】請求項4記載の発明においては、例えば請
求項5記載の如く、第3オーバーステア制御におけるブ
レーキ圧の供給率(単位時間当たりのブレーキ圧供給
量)を、第2オーバーステア制御におけるブレーキ圧の
供給率よりも低く設定してもよい。
【0028】これにより、極めて弱いオーバーステア傾
向で制御介入がなされる第3オーバーステア制御が、制
御過剰になってしまうことが防止され、運転者が気付き
難くくかつ適切なオーバーステア傾向の抑制制御が実現
する。
【0029】また、請求項6記載の如く、第2オーバー
ステア制御を、第1オーバーステア制御において供給可
能な最大ブレーキ圧よりも低い所定圧力を上限に、ブレ
ーキ圧をオープン制御で供給するものとしてもよい。
【0030】これにより、上記請求項2記載の発明と同
様の作用・効果が得られ、比較的弱いオーバーステア傾
向を抑制する第2オーバーステア制御が、運転者に違和
感を与えることなく適切に行われる。また、第2オーバ
ーステア制御から第1オーバーステア制御が続けて介入
したときの繋ぎが滑らかになる。
【0031】さらに、請求項7記載の如く、第3オーバ
ーステア制御を、設定された目標ヨーレートと実際のヨ
ーレートとの偏差量に応じてブレーキ圧を供給するもの
としてもよい。
【0032】これにより、上記請求項3記載の発明と同
様の作用・効果が得られ、極めて弱いオーバーステア傾
向を抑制する第3オーバーステア制御が、制御過剰にな
ることなく適切に行われる。
【0033】加えて、請求項8記載の如く、第2及び第
3オーバーステア制御における上限ブレーキ圧を、10
〜25(bar)に設定してもよい。ブレーキ圧の上限
をこのように設定することで、運転者がほとんど気付か
ない程度であるものの、車両の姿勢制御が適切に行われ
るような制御が実現する。尚、車両の姿勢制御の効果
と、運転者が制御の介入に気付くことによる違和感とを
比較考慮すると、上限のブレーキ圧としては15(ba
r)が最も好ましい。
【0034】ここで、請求項9記載の如く、制御手段
を、車両がアンダーステア傾向にあるときには、第2オ
ーバーステア制御の介入を禁止するように構成するのが
よい。
【0035】また、請求項10記載の如く、制御手段
を、車両がアンダーステア傾向にあるときには、第3オ
ーバーステア制御の介入を禁止するように構成するのが
よい。
【0036】すなわち、車両がスピンしながらドリフト
アウトするような、アンダーステア傾向にあると共にオ
ーバーステア傾向でもあるときには、第2及び第3オー
バーステア制御を介入させると、アンダーステア傾向を
助長することになってしまうため、請求項9又は請求項
10記載の如く、車両がアンダーステア傾向にあるとき
には、第2及び第3オーバーステア制御の介入は禁止す
るのがよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、オーバーステア傾
向を抑制する第1オーバーステア制御に加えて、第2オ
ーバーステア制御、又は第2及び第3オーバーステア制
御を備えることによって、比較的弱いオーバーステア傾
向にあるときにも、そのオーバーステア傾向の抑制及び
オーバーステアの成長の抑制がなされて、車両の高い安
定性確保しつつも、運転者が感じる安定性及び操縦性を
共に向上させることができる。
【0038】一方、第2及び第3オーバーステア制御は
制御量が低下している弱い制御であるため、制御が過剰
になることがなく、また、不要動作が強くなってしまう
ことを回避することができる。
【0039】また、第3オーバーステア制御が介入して
も、車両のオーバーステアが成長したときには、上記第
3オーバーステア制御に代わって第2オーバーステア制
御が介入され、また、上記第2オーバーステア制御が介
入しても、車両のオーバーステアが成長したときには、
上記第2オーバーステア制御に代わって第1オーバース
テア制御が介入される。これにより、強い制御である第
1オーバーステア制御が急激に介入されることなく、弱
い制御である第2及び第3オーバーステア制御から強い
制御の第1オーバーステア制御に連続的に移行するよう
になり、車両の安定性がより一層向上する一方、制御介
入による車両の姿勢変化がリニアになって運転者の違和
感が防止される。加えて、第1オーバーステア制御の前
に予め第2及び第3オーバーステア制御が介入されるこ
とで、第1オーバーステア制御の応答性を向上させるこ
とができる。
【0040】また、第3オーバーステア制御におけるブ
レーキ圧の供給率を、第2オーバーステア制御における
ブレーキ圧の供給率よりも低く設定することにより、極
めて弱いオーバーステア傾向で介入される第3オーバー
ステア制御が、過剰制御になることなく、適切な制御が
実現する。
【0041】さらに、第2オーバーステア制御を、ブレ
ーキ圧をオープン制御で供給しかつ上限のブレーキ圧を
第1オーバーステア制御における上限ブレーキ圧よりも
低い圧力に設定することで、制御の応答性を向上させる
ことができると共に、第1オーバーステア制御よりも弱
い制御量のオーバーステアの抑制制御を実現することが
できる。
【0042】これに対し、第3オーバーステア制御を、
ヨーレート偏差に応じてブレーキ圧を供給するフィード
バック制御とすることで、オーバーステアの抑制制御が
過剰になることなく、最適に介入することができる。
【0043】また、第2及び第3オーバーステア制御に
おける上限ブレーキ圧を、10〜25barに設定する
ことで、車両の姿勢を適切に制御可能であるものの、運
転者がほとんど気付かない程度に制御を行うことができ
る。
【0044】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態に係る
車両の姿勢制御装置の全体構成を示している。先ず、入
力側の各装置について説明すると、11は各車輪の車輪
速度を検出する車輪速センサ、12はステアリング(ハ
ンドル)の操舵角を検出する舵角センサ、13は車両に
発生しているヨーレートを検出するヨーレートセンサ、
14は車両の横方向の加速度を検出する横加速度センサ
(横Gセンサ)、15はスロットル開度を検出するスロ
ットル開度センサ、16は後述するアンチロックブレー
キシステムの制御をキャンセルするためのストップラン
プスイッチ、17はエンジン回転数を検出するエンジン
回転数センサであり、エンジン出力のフィードバック制
御を行うために検出するようにしている。また、18は
エンジン(パワートレイン)の運転状態を検出するため
にシフト位置を検出するシフト位置センサ(AT)であ
り、このシフト位置検出センサ18は、リバースの場合
には姿勢制御をキャンセルするキャンセルスイッチとし
ても用いるようにしている。さらに、19は第1液圧発
生源としてのマスターシリンダ(MC)の液圧を検出す
るMC液圧センサであり、このMC液圧センサ19の検
出結果に応じてブレーキ液圧を運転者のブレーキペダル
踏み力に対応した液圧に補正するようにしている。加え
て、110はリザーバ内のブレーキ液の存在を検出する
リザーバ液面レベルスイッチである。
【0045】次に、出力側の各装置について説明する
と、31は上記アンチロックブレーキシステム21が作
動していることを警報するアンチロックブレーキシステ
ムランプ、32は第2液圧発生源としての加圧ポンプに
備えられた加圧モータ、33,34はそれぞれ前輪及び
後輪用に設けられたディスクブレーキ等のブレーキ装置
に対してブレーキ液を供給・排出するフロントソレノイ
ドバルブ及びリアソレノイドバルブ、35はマスターシ
リンダ側と上記各車輪のブレーキ装置側との間を遮断・
開放するTSWソレノイドバルブ、36は上記マスター
シリンダと上記加圧ポンプとの間を遮断・開放するAS
Wソレノイドバルブ、37はエンジン出力の制御を行う
エンジンコントローラ、38は車両の姿勢制御が行われ
ていることを運転者に対し、音或いは表示によって警報
する警報手段としての警報装置である。
【0046】次に、上記入力側の各センサ、又はスイッ
チ11〜110の信号が入力され、上記出力側の各装置
31〜38に制御信号を出力する制御手段としてのEC
U2について説明する。
【0047】このECU2には、車輪が路面に対してロ
ックしそうなときに、その制動力を制御して車輪のロッ
クを抑制するアンチロックブレーキシステム21と、制
動時に後輪がロックしないように、後輪に付与される制
動力の配分を行う電子制動力配分装置22と、車両の走
行中に車輪が路面に対してスリップする現象を、各車輪
に対する駆動力或いは制動力を制御することによって抑
制するトラクションコントロールシステム23と、例え
ばドリフトアウトやスピンといったヨーイング方向の姿
勢を制御する車両安定性制御装置24とを備えている。
【0048】次に、上記各装置の信号の入出力について
説明すると、上記車輪速センサ11からの信号は車輪速
度演算部及び推定車体速演算部において車輪速度及び推
定車体速が演算され、また、上記ストップランプスイッ
チ16からの信号はストップランプ状態判断部に入力さ
れ、そこから上記アンチロックブレーキシステム21、
電子制動力配分装置22、トラクションコントロールシ
ステム23、及び車両安定性制御装置24にそれぞれ入
力されるようになっている。
【0049】また、上記エンジン回転数センサ17、ス
ロットル開度センサ15、及びシフト位置センサ18か
らの各信号は、それぞれエンジン回転数演算部、スロッ
トル開度情報取り込み部、及びシフト位置判断部に入力
され、そこから上記トラクションコントロールシステム
23、及び車両安定性制御装置24に入力されるように
なっている。
【0050】さらに、上記舵角センサ12、ヨーレート
センサ13、横Gセンサ14、及びMC液圧センサ19
の信号は、それぞれ舵角演算部、ヨーレート演算部、横
G演算部及びMC液圧演算部によって舵角、ヨーレー
ト、横加速度、及びMC液圧が演算されて、上記車両安
定性制御装置24に入力されるようになっている。
【0051】加えて、上記リザーバ液面レベルスイッチ
110の信号は液面レベル判断部を経て、上記トラクシ
ョンコントロールシステム23及び車両安定性制御装置
24にそれぞれ入力されるようになっている。
【0052】そして、上記アンチロックブレーキシステ
ム21は、各信号から制御量を演算し、アンチロックブ
レーキシステムランプ31及び加圧モータ32、並び
に、フロントソレノイドバルブ33及びリアソレノイド
バルブ34に信号を出力してこれらを制御するようにな
っている。
【0053】また、上記電子制動力配分装置22は、リ
アソレノイドバルブ34を制御するようになっている。
【0054】上記トラクションコントロールシステム2
3は、フロントソレノイドバルブ33、リアソレノイド
バルブ34、加圧モータ32、TSWソレノイドバルブ
35及びエンジンコントローラ37に対し信号を出力し
てこれらを制御するようになっている。
【0055】そして、上記車両安定性制御装置24は、
エンジンコントローラ37、フロント及びリアソレノイ
ドバルブ33,34、加圧モータ32、TSW及びAS
Wソレノイドバルブ35,36並びに警報装置38に対
し信号を出力してこれらを制御するようになっている。
【0056】(車両の姿勢制御)次に、上記車両安定性
制御装置24における車両の姿勢制御について説明す
る。この車両安定性制御装置24は、例えばドリフトア
ウトを回避・抑制する制御であるアンダーステア制御、
及び例えばスピンを回避・抑制する制御であるオーバー
ステア制御を行うものであって、上記アンダーステア制
御として、第1アンダーステア制御、第2アンダーステ
ア制御及びエンジン制御の3つを備えている一方、上記
オーバーステア制御として、第1〜第3オーバーステア
制御の3つを備えている。
【0057】上記第1アンダーステア制御は、基本的に
は制御目標ヨーレートTrψと実際のヨーレートψとの
偏差が所定の介入しきい値よりも大きいときに、旋回内
側の前輪(旋回内前輪)或いは旋回内側の後輪(旋回内
後輪)に対して制動力を付与する比較的強い制御(車両
の姿勢変化が比較的大きい制御)であるのに対し、エン
ジン制御は、基本的には制御目標ヨーレートTrψと実
際のヨーレートψとの偏差が所定の介入しきい値よりも
大きいときに、エンジン出力を低下させる制御である。
この2つの制御によって、車速の低下による遠心力の低
下と、各車輪に付与される制動力のアンバランスによる
車両モーメントとが生じ、ドリフトアウトを回避・抑制
することができるようになる。これに対し、第2アンダ
ーステア制御は、車両のハンドル舵角の変化に対して実
際のヨーレートが所定の変化をしないときに、旋回内側
前輪に対して上記第1アンダーステア制御に比べ弱い制
御量で制動力を付与する制御である。これにより、比較
的弱いアンダーステア傾向や、アンダーステアの成長、
及び運転者がアンダーステア傾向であると感じてしまう
ことを抑制することができるようになる。
【0058】一方、第1オーバーステア制御は、基本的
には制御目標ヨーレートTrψと実際のヨーレートψと
の偏差が所定の介入しきい値よりも小さいときに、旋回
外側の前輪(旋回外前輪)に制動力を付与する比較的強
い制御である。このような制御によって、車両前部が旋
回外方向となるモーメントが生じ、スピンが回避・抑制
できるようになる。これに対し、第2オーバーステア制
御は、その制御介入しきい値が第1オーバーステア制御
の制御介入しきい値よりも小さくされている制御であ
り、第3オーバーステア制御は、その制御介入しきい値
が上記第2オーバーステア制御の制御介入しきい値より
も小さくされている制御である。そして、上記第2及び
第3オーバーステア制御は共に、上記第1オーバーステ
ア制御よりも弱い制御(車両の姿勢変化が小さい制御)
とされているが、第2オーバーステア制御は所定のブレ
ーキ圧を上限にしたオープン制御でブレーキ圧を供給す
る制御であるのに対し、第3オーバーステア制御は制御
目標ヨーレートTrψと実際のヨーレートψとの偏差に
応じてブレーキ圧を供給するフィードバック制御であ
る。
【0059】この車両安定性制御装置24による姿勢制
御について、さらに詳しく、図2に示すフローチャート
に従って説明する。先ず、ステップS11においては、
上述した各種センサ等11〜110からの信号の読み込
みを行う。
【0060】次いで、ステップS12において、舵角に
基づく第1目標ヨーレートψ(θ)、及び横加速度に基
づく第2目標ヨーレートψ(G)をそれぞれ演算する。
【0061】この第1目標ヨーレートψ(θ)は、具体
的には、車輪速センサ11の信号に基づき推定車体速演
算部において演算される推定車体速Vと、舵角センサ1
2によって検出され舵角演算部において演算される舵角
θとを用い、式(1)によって算出する。
【0062】 ψ(θ)=V×θ/{(1+K×V2)×L}……(1) ここで、Kはスタビリティファクタであり、このKは高
μ(摩擦係数)路の旋回から求めた定数である。また、
Lはホイールベースである。
【0063】一方、上記第2目標ヨーレートψ(G)
は、上記推定車体速度V、及び上記横Gセンサ14の信
号に基づき横G演算部において演算される横加速度Gy
を用いて式(2)により演算する。
【0064】ψ(G)=Gy/V……(2) そして、ステップS13において、上記第2目標ヨーレ
ートψ(G)の絶対値が第1目標ヨーレートψ(θ)の
絶対値よりも小さいか否かを判定する。この判定は上記
第1及び第2目標ヨーレートψ(θ,G)のうちのいず
れを制御目標ヨーレートTrψとして設定するかを判定
するステップであり、上記第1及び第2目標ヨーレート
ψ(θ,G)のうちの絶対値の小さい方を制御目標ヨー
レートTrψとして設定し、車両の姿勢制御を行うよう
にしている。
【0065】そして、このステップS13においてNO
の場合はステップS14に進む一方、YESの場合はス
テップS15に進む。
【0066】上記ステップS14では、第1目標ヨーレ
ートψ(θ)を制御目標ヨーレートTrψとし、この制
御目標ヨーレートTrψと、ヨーレートセンサ13によ
って検出されヨーレート演算部において演算された実ヨ
ーレートψとの偏差Δψ(θ)を算出する。
【0067】一方、上記ステップS15では、第2目標
ヨーレートψ(G)を制御目標ヨーレートTrψとす
る。このとき、制御目標ヨーレートTrψは、式(3)
によって舵角成分を考慮した補正を行うようにする。す
なわち、 Trψ=ψ(G)+a×k1……(3) とする。ここで、a=ψ(θ)−ψ(G)であり、k1
は変数である。
【0068】そして、この補正した制御目標ヨーレート
Trψと実ヨーレートψとの偏差Δψ(θ,G)を算出
する。
【0069】このように、横加速度に基づく第2目標ヨ
ーレートψ(G)を制御目標ヨーレートTrψとした場
合に舵角成分の補正を行うことによって、運転者が意図
してアンダーステア傾向としている場合(駆動アンダー
ステア)には、姿勢制御の介入を抑制することができる
ようになる。
【0070】すなわち、例えば車両がアンダーステア傾
向にあるときは、舵角を一定にして駆動力を上げるよう
な運転者が意図的に行っている駆動アンダーステアと、
運転者の操舵に対し車両の挙動が追従しないという運転
者の意図しないアンダーステアの2種類がある。ここ
で、例えば横加速度に基づく第2目標ヨーレートψ
(G)を制御目標ヨーレートTrψとする場合では、車
両に生じる横加速度は上記2種類のアンダーステア傾向
のいずれの場合も同じであるため、上記駆動アンダース
テアであっても姿勢制御が行われるようになってしま
う。そこで、第2目標ヨーレートψ(G)を制御目標ヨ
ーレートとするときは舵角成分を補正することによっ
て、運転者がハンドルが切り込んでいるときにのみ姿勢
制御が行われるようになり、駆動アンダーステアでは姿
勢制御を行わず、運転者が意図しないアンダーステア傾
向の場合にのみ姿勢制御を行うようにすることができ
る。
【0071】そして、上式において、k1の値として
は、例えば図3に示すように、横加速度に対し変化する
特性を有する値とする。すなわち、横加速度が小さい
(氷面等、路面が低μの領域)或いは横加速度が大きい
(高μの領域)では小さな値とし、舵角成分の補正割合
を小さくする。
【0072】これは、例えば低μ領域でk1の値を大き
くすれば、次のような不都合が生じるためである。すな
わち、低μ領域では舵が効きにくいため、運転者は、通
常、舵角が比較的大きくなるハンドル操作を行う。この
ような場合に、k1の値を大きくして舵角成分の補正割
合を大きくすれば制御目標ヨーレートTrψと実ヨーレ
ートψとの偏差が大きくなって、姿勢制御の制御量、例
えば制動量が大きくなってしまう。その結果、姿勢制御
を行った後の車両挙動が逆方向に大きくなりすぎてしま
い、その逆方向の挙動を立て直すことが困難になる虞れ
があるためである。
【0073】また、高μ領域において、k1の値を小さ
くするのは、例えば高μ領域はタイヤのグリップ力が十
分に得られている状態であることから、k1の値を大き
くして舵角成分を大きくすると、姿勢制御の開始が早す
ぎるようになってしまうためである。つまり、このよう
な高μ領域では、舵角成分の補正割合を大きくしなくて
も適正な制御介入が実現するため、高μ領域ではk1の
値を小さくするようにする。
【0074】一方、横加速度が中程度(中μ領域)は、
路面が圧雪状態の場合の路面μに該当し、横滑りが発生
する可能性が高いため、k1の値を大きくすることによ
って舵角成分の補正割合を大きくし、姿勢制御が早期に
行われるようにする。
【0075】このように、上記k1の値を横加速度によ
って変化させることによって、適切なタイミングでの姿
勢制御の介入が実現するようになる。
【0076】そして、上記ステップS14又はステップ
S15で、制御目標ヨーレートTrψと実ヨーレートψ
との偏差Δψ(θ,G)が算出されれば、ステップS1
6に進み、このステップS16において、第1オーバー
ステア制御を行うか否かのしきい値(第1の介入しきい
値:THOS)、アンダーステアを抑制するエンジン制
御を行うか否かのしきい値(THEUS)、第1アンダ
ーステア制御を行うか否かのしきい値(THUS)、第
2オーバーステア制御を行うか否かの第2しきい値(第
2の介入しきい値:THOSII)及び第3オーバーステ
ア制御を行うか否かのしきい値(第3の介入しきい値:
THOSIII)をそれぞれ設定する。尚、THUS>T
HEUSとなっている。また、THOSII,THOSII
Iは、THOSII<THOSかつTHOSIII<THOS
IIを満たすように適宜設定すればよく、例えばTHOS
IIは、THOSの約10%ダウンとし、THOSIII
は、THOSの約20%ダウンとしてもよい。また、T
HOSIIを、THOSの約20%ダウンとし、THOS
IIIを、THOSの約30%ダウンとしてもよい。
【0077】こうしてステップS16において、各しき
い値が設定されれば、ステップS17に進む。
【0078】(第2アンダーステア制御)上記ステップ
S17〜ステップS110は、第2アンダーステア制御
に係るステップとなっていて、先ず、ステップS17に
おいて、直進状態からの切り込み操舵でありかつ上記制
御目標ヨーレートTrψと実ヨーレートψとの偏差Δψ
が第3の介入しきい値THOSIIIよりも小さい(Δψ
<THOSIII)か否かを判定する。つまり、第2アン
ダーステア制御は、直進状態からの切り込み操舵時の、
横Gの成長が小さく横Gの検出が困難な操舵初期におけ
る弱いアンダーステア傾向や、運転者がアンダーステア
傾向であると感じてしまう状態を抑制することを目的と
しており、このため、直進状態からの切り込み操舵であ
るか否かを判定している。
【0079】また、ヨーレート偏差Δψが第3の介入し
きい値THOSIII以上のオーバーステア傾向にあると
きには、先ず、オーバーステア傾向を抑制する必要があ
ると共に、アンダーステア傾向を抑制する第2アンダー
ステア制御を介入させるとオーバーステア傾向を助長さ
せる虞があることから、第2アンダーステア制御を介入
させないために、ヨーレート偏差Δψ(θ,G)が第3
の介入しきい値THOSIIIよりも小さいか否かを判定
している。
【0080】そして、上記ステップS17において、直
進状態からの切り込み操舵でありかつΔψ<THOSII
Iであるときには、ステップS18に進む一方、上記直
進状態からの切り込み操舵でない、又はΔψ≧THOS
IIIのときには、第2アンダーステア制御を行うことな
くステップS111(図2B参照)に進む。
【0081】上記ステップS18においては、[{第1
目標ヨーレートψ(θ)の変化率}−{実ヨーレートψ
の変化率}]の値が正に増大しているか(第1目標ヨー
レートψ(θ)の変化に対して実ヨーレートψが所定の
変化をせずに(追従して変化せずに)、両者ψ(θ),
ψが互いに離れつつあるか)否かを判定する。これは、
ハンドル操舵の変化に対して、実際のヨーレートが追従
して変化しないような運転者がアンダーステア傾向であ
ると感じてしまう状態であるか否かを判定するものであ
ると共に、このまま第1目標ヨーレートψ(θ)と実ヨ
ーレートψとが、互いに離れると強いアンダーステア傾
向となってしまう状態(アンダーステアの初期状態)に
あるか否かを判定するものである。そして、YESのと
きはステップS19に進む一方、NOのときはステップ
S111に進む。
【0082】上記ステップS19は、第2アンダーステ
ア制御の介入ステップであり、上限のブレーキ圧を30
barに設定して、ブレーキ圧ゲインKmaxでブレーキ
圧を旋回内前輪に対して供給する。ここで、ブレーキ圧
ゲインKmaxは、最大のゲイン(最大のブレーキ圧供給
率(単位時間当たりのブレーキ圧供給量))である。但
し、ゲインKmaxでブレーキ圧を供給しているときに、
スリップが大きくなったとき又は切り込み操舵が終了さ
れたときには、ブレーキ圧の供給を中止する。
【0083】そして、ステップS110では、増大傾向
にあった[{第1目標ヨーレートψ(θ)の変化率}−
{実ヨーレートψの変化率}]が、減少傾向に切り換わ
れば、ブレーキ圧を減圧させる。尚、[{第1目標ヨー
レートψ(θ)の変化率}−{実ヨーレートψの変化
率}]が減少傾向にならないときには、ブレーキ圧を減
圧せずに保持する。このような制御により、ブレーキ圧
の時間に対する供給パターンは台形となる。
【0084】このようにして、第1アンダーステア制御
とは別に、アンダーステアの初期状態において第2アン
ダーステア制御を介入させることで、車両が強いアンダ
ーステア傾向となることが抑制されて、運転者が感じる
安定感を向上させることができる。これと共に、運転者
がアンダーステア傾向であると感じてしまう状態におい
て第2アンダーステア制御を介入させることで、運転者
の意図した方向に車両が姿勢変化するため、運転者が感
じる操縦性を向上させることができる。
【0085】また、第2アンダーステア制御は、上限の
ブレーキ圧が30barという比較的低い圧力に設定さ
れていると共に、[{第1目標ヨーレートψ(θ)の変
化率}−{実ヨーレートψの変化率}]が減少傾向にな
れば制御を中止するため、第2アンダーステア制御の介
入によって運転者の操舵に応じて車両の姿勢が僅かに変
化するものの、その姿勢変化は大きくはない。このよう
な弱い制御である第2アンダーステア制御が介入する
と、運転者は操舵に対して車両の挙動が追従したと感じ
るようになって、制御が介入したとは感じ難い。その結
果、運転者の違和感を防止しつつ、走り感の向上を図る
ことができる。
【0086】さらに、直進状態からのハンドル切り込み
時のような、操舵に対して十分なヨーレート変化が得ら
れない場合に、第2アンダーステア制御が介入されるた
め、旋回路の入口付近において必要なヨーレート変化が
得られるようになる。その結果、旋回路の出口付近にお
いて小さな旋回Rを取らざるを得ない状況が回避され
る。すなわち、目標旋回軌跡に対するトレース性の向上
を図ることができる。
【0087】また、第2アンダーステア制御は、旋回内
前輪のブレーキを制御するものであるため、アンダース
テア傾向の抑制に効果的であって、アンダーステア傾向
の抑制を確実かつ迅速に行うことができる。
【0088】このように、第2アンダーステア制御は、
横Gの成長が小さくかつ横Gセンサ14による横Gの検
出が困難であるために、横Gに基づく第2目標ヨーレー
トψ(G)によって第1アンダーステア制御の介入を行
うのが困難な旋回初期において特に有効な制御であり、
制御量を低下させた第2アンダーステア制御を、ハンド
ル舵角(第1目標ヨーレートψ(θ))と実ヨーレート
ψとに基づいて比較的早期に介入させることにより、ア
ンダーステア傾向の抑制が遅れてしまうことを防止する
ことができると共に、強い制御である第1アンダーステ
ア制御が急激に介入されることを回避することができ
る。しかも、第2アンダーステア制御は、制御量が低下
されていると共に、運転者の意図する方向に車両の姿勢
を変更させるため、第2アンダーステア制御を早期介入
させても、制御介入に運転者がほとんど気付かない。従
って、車両の高い安定性を確保しかつ運転者の違和感を
防止しつつも、運転者の感じる安定感及び操縦性の向上
が図られる。
【0089】(エンジン制御)上記第2アンダーステア
制御の各ステップの後のステップS111〜ステップS
118は、アンダーステア傾向を抑制するエンジン制御
に係るステップである。
【0090】先ず、ステップS111において、上記T
HEUSが、第1目標ヨーレートψ(θ)と実ヨーレー
トψとの偏差Δψ(θ)よりも大きいか否かを判定す
る。すなわち、エンジン制御を行うか否かを判定する。
【0091】このエンジン制御を行うか否かの判定で
は、上記ステップS13において目標ヨーレートとして
第2目標ヨーレートψ(G)を選択した場合であって
も、第1目標ヨーレートψ(θ)の値を基準として判定
を行う。
【0092】これは、次の理由によるものである。すな
わち、舵角信号は位相が速いため、第1目標ヨーレート
ψ(θ)を制御目標ヨーレートTrψとして姿勢制御を
行えば、通常、その姿勢制御は早期に開始されるように
なる。本実施形態においては、第1及び第2目標ヨーレ
ートの2つを用いることによって、姿勢制御(第1アン
ダーステア制御)の早期介入を防止するようにしている
が、エンジン出力を低下させてもブレーキを制御する場
合に比べて運転者が気づかない場合が多いことから、エ
ンジン制御に限っては早期に開始しても弊害が少ない。
【0093】また、先ず車両の減速をすることがアンダ
ーステア傾向の回避に有効であり、このためにエンジン
出力を早期に低下させて車両の減速をすれば、効果的な
アンダーステア回避を行うことができるようになる。
【0094】また、横加速度とヨーレートとは略比例関
係にあるため、横加速度に基づく第2目標ヨーレートの
値ψ(G)は、実ヨーレートψの値との差が小さく、ま
た、上記実ヨーレートψの値は、アンダーステア傾向の
場合は不安定になることから、第2目標ヨーレートψ
(G)を制御目標ヨーレートTrψとすれば適正な制御
介入が困難となってしまう。以上の理由から、エンジン
制御の開始判定は、上記第1目標ヨーレートψ(θ)を
制御目標ヨーレートTrψとしている。
【0095】そして、上記ステップS111において、
YESの場合はステップS112に進む一方、NOの場
合はステップS113に進み、第1オーバーステア制御
開始の判定を行う。
【0096】上記ステップS112においては、ヨーレ
ート加速度が所定値以下であるか否かを判定する。これ
は、制御の誤介入防止を目的とするものであり、実際に
車両が所定量以上の姿勢変化を生じているか否かを判定
するようにしている。そして、YESであればステップ
S114に進む一方、NOであればステップS117に
進み、エンジン制御を禁止して上記ステップS113に
進む。
【0097】上記ステップS114においては、車両が
オーバーステア中であるか否かを判定する。これは、車
両が旋回方向に回転しながら旋回路外方に移動するオー
バーステア傾向とアンダーステア傾向とが同時に起きて
いる状態が考えられるためであり、このような場合は、
先ず、オーバーステア傾向を回避して車両の姿勢を直す
必要がある。そこで、YESであればステップS117
に進みエンジン制御を禁止してステップS113に進む
一方、NOであればステップS115に進む。
【0098】上記ステップS115においては、ブレー
キが非操作か否かを判定する。これは、運転者がブレー
キ操作を行っている場合には駆動力は発生しておらず、
エンジン制御を行っても効果が少ないばかりか、もしエ
ンジン制御を行えば、次にアクセルを踏み込んだときに
加速できなくなるため、不要なエンジン制御を行わない
ようにするためである。そして、YESであればステッ
プS116に進み、エンジン制御を行うべくエンジン抑
制制御量を算出する。そして、ステップS118に進
み、エンジンコントローラ37に信号を出力してエンジ
ン制御を実行、すなわちエンジン出力を低減させる。一
方、上記ステップS115においてNOの場合はステッ
プS117に進みエンジン制御を禁止する。上記ステッ
プS118が終了すれば、ステップS113に進む。
【0099】(第1オーバーステア制御)上記ステップ
S113,ステップS119〜ステップS121は、第
1オーバーステア制御に係るステップであって、上記ス
テップS113においては、第1オーバーステア制御を
行うか否かを判定する。この第1オーバーステア制御の
判定は、ステップS14又はステップS15において算
出したヨーレート偏差Δψ(θ,G)が、第1の介入し
きい値THOSよりも大きいか否かを判定することによ
って行う。すなわち、ヨーレート偏差Δψ(θ,G)に
よって表されるオーバーステア傾向が、上記第1の介入
しきい値THOSで表される第1の設定基準よりも強い
か否かによって判定する。YESの場合はステップS1
19に進み、オーバーステア傾向を回避すべく外前輪、
すなわち、ヨーレートの回転方向に対して外側の前輪に
付与する制動量を、上記ヨーレート偏差Δψ(θ,G)
に応じて設定する。
【0100】制動量が設定されれば、ステップS120
に進み制動力制御を実行する。これは、加圧モータ3
2、フロント及びリアソレノイドバルブ33,34、T
SW及びASWソレノイドバルブ35,36をそれぞれ
制御することによって行う(図7の下図参照)。次い
で、ステップS121に進み、第1オーバーステア制御
の終了判定を行いリターンする。
【0101】(第2及び第3オーバーステア制御)上記
ステップS113においてNOと判定された場合は、ス
テップS122が進むが、このステップS122〜ステ
ップS127は、第2及び第3オーバーステア制御に係
るステップである。
【0102】上記ステップS122においては、第2オ
ーバーステア制御を行うか否かを判定する。この第2オ
ーバーステア制御の判定は、上記ステップS14又はス
テップS15において設定したヨーレート偏差Δψ
(θ,G)が、第2の介入しきい値THOSII<Δψで
あるか否かを判定することによって行う。すなわち、上
記ヨーレート偏差Δψ(θ,G)によって表されるオー
バーステア傾向が、上記第2の介入しきい値THOSII
で表される第2の設定基準よりも強いか否かによって判
定する。THOSII<ΔψのYESのときは、ステップ
S123に進む一方、THOSII≧ΔψのNOのとき
は、ステップS124に進む。
【0103】上記ステップS123は、比較的弱いオー
バーステア傾向を抑制する第2オーバーステア制御の介
入ステップであって、ブレーキ圧P2(15bar)を
上限として、ゲインKmaxでブレーキ圧を、旋回外前輪
に対して一気に供給する(図7の下図参照)。そして、
ブレーキ圧の供給中にヨーレート偏差Δψが小さくなっ
たときはブレーキ圧の供給を中止してブレーキ圧を減圧
に転じる。従って、ヨーレート偏差Δψが大きくなって
いるときは、上限のブレーキ圧P2までブレーキ圧が供
給される。
【0104】次のステップS126では、第2オーバー
ステア制御の終了判定を行う。つまり、このステップS
126においては、Δψが収束したか否か(Δψが小さ
くなったか)を判定する。この第2オーバーステア制御
を介入させることによって、Δψが小さくなったとき
(YESのとき)には、ステップS127に進み、制御
を徐々に終了させてリターンする。一方、Δψが収束し
ていないのNOのときは、ステップS127に進むこと
なくリターンして、第2オーバーステア制御を継続させ
る。
【0105】一方、上記ステップS122において、T
HOSII≧ΔψのNOでステップS124に進んだ場合
は、このステップS124において、第3オーバーステ
ア制御を行うか否かを判定する。この第3オーバーステ
ア制御介入の判定は、THOSIII<Δψか否かを判定
することにより行う。すなわち、上記ヨーレート偏差Δ
ψ(θ,G)によって表されるオーバーステア傾向が、
上記第3の介入しきい値THOSで表される第3の設定
基準よりも強いか否かによって判定する。THOSIII
<ΔψのYESのときは、ステップS125に進む一
方、THOSIII≧ΔψのNOのときは、ステップS1
28(図2C参照)に進む。
【0106】上記ステップS125の第3オーバーステ
ア制御の介入ステップにおいては、先ず、上限ブレーキ
圧(油圧)P1(5bar)まで、ブレーキ圧ゲインK
maxでブレーキ圧を、旋回外前輪に対して一気に供給す
る。その後、ゲインK1(K1<Kmax)でΔψに応じて
ブレーキ圧を供給するフィードバック制御を行う。この
ときの上限のブレーキ圧はP2(15bar)に設定さ
れている(図7の下図参照)。このように第3オーバー
ステア制御においては、ブレーキ圧ゲインK1でブレー
キ圧を供給するため、第2オーバーステア制御における
ブレーキ圧の供給率(ゲインKmax)よりも低いブレー
キ圧の供給率になっている。
【0107】このステップS125においてブレーキ圧
の供給を行った後は、上記ステップS126で終了判定
を行い、Δψが収束しているのYESのときはステップ
S127に進み、制御を徐々に終了させる一方、Δψが
収束していないのNOのときはステップS127に進む
ことなくリターンして、第3オーバーステア制御を継続
させる。
【0108】このように、比較的弱いオーバーステア傾
向にあるとき(THOSII,THOSIII<Δψのと
き)に、第2又は第3オーバーステア制御が介入される
ことで、比較的弱いオーバーステア傾向及びオーバース
テアの成長が共に抑制されて、運転者が感じる安定感を
向上させることができると共に、運転者が感じる操縦の
容易さを向上させることができる。
【0109】一方、介入される第2又は第3オーバース
テア制御は、上限のブレーキ圧が低く設定されて制御量
が低下されている弱い制御であるため、制御が過剰にな
ることがなく、また、不要動作が強くなってしまうこと
を回避することができる。
【0110】また、上記第3オーバーステア制御が介入
しても、車両のオーバーステアが成長した(強くなっ
た)ときには(THOSII<Δψ)、第2オーバーステ
ア制御が上記第3オーバーステア制御に代わって介入さ
れ、また、上記第2オーバーステア制御が介入しても、
車両のオーバーステアが成長したときには(THOS<
Δψ)、第1オーバーステア制御が、記第2オーバース
テア制御に代わって介入される。これにより、強い制御
である第1オーバーステア制御が急激に介入されること
なく、弱い制御である第2及び第3オーバーステア制御
から強い制御である第1オーバーステア制御に連続的に
移行される。従って、運転者の違和感を大幅に解消する
ことができる。これと共に、第1オーバーステア制御の
前に予め第2又は第3オーバーステア制御が介入される
ことで、ブレーキ系の遊びが無くなっている(例えばデ
ィスクロータにブレーキパッドが密着した状態になって
いる)ため、上記第1オーバーステア制御の応答性を向
上させることができる。さらに、第3及び第2オーバー
ステア制御に続いて第1オーバーステア制御が介入した
場合は、制御開始のしきい値を小さくしたこととを同様
の結果となり、車両の姿勢の変化が連続的になると共
に、車両のより一層の安定性を確保することができる。
【0111】また、第2オーバーステア制御は、ブレー
キ圧を最大のゲインKmaxでオープン制御により供給す
るようにされているため、制御の応答性が向上する。ま
た、上限のブレーキ圧P2が第1オーバーステア制御に
おけるブレーキ圧(ブレーキ系が供給可能なブレーキ
圧)よりも低い圧力(15bar)に設定されているた
め、第1オーバーステア制御よりも制御量が低下したオ
ーバーステア制御が実現する。
【0112】一方、第3オーバーステア制御は、ブレー
キ圧をヨーレート偏差Δψに応じたフィードバック制御
で供給するようにされているため、オーバーステア傾向
の抑制が過剰になることなく、最適な制御を実現するこ
とができる。これにより、走り感を損なうことがない。
【0113】また、第2及び第3オーバーステア制御に
おける上限ブレーキ圧P2を15barとすることによ
って、車両のヨーイング方向の姿勢が僅かに変化するも
のの、運転者がほとんど気付かない程度に制御を行うこ
とが可能になる。尚、上限ブレーキ圧は、10〜25b
arの範囲で設定してもよいが、車両の姿勢制御の効果
と、運転者が気付くことによる違和感とを比較考慮する
と、15barが最も好ましい。また、第2オーバース
テア制御における上限のブレーキ圧は、路面μに応じて
変更してもよい。例えば低μ路においては、上記上限の
ブレーキ圧を15barとするのに対し、高μ路におい
ては、上限のブレーキ圧を50barとするようにして
もよい。
【0114】このように、第1オーバーステア制御に加
えて、第2及び第3オーバーステア制御を設けること
で、車両の高い安定性を確保しつつも、運転者の感じる
安定感及び操縦の容易さを向上させることができる。
【0115】(第1アンダーステア制御)ステップS1
28〜ステップS134は第1アンダーステア制御に係
るステップであって、上記ステップS124においてN
Oと判定されてステップS128に進んだときは、この
ステップS128において第1アンダーステア制御を開
始するか否かを判定する。そして、上記ステップS12
8において開始するYESであればステップS129に
進む一方、開始しないNOであればリターンする。
【0116】上記ステップS129においては、そのア
ンダーステア傾向が小さいか(弱いか)否かを判定す
る。小さい場合はステップS130に進む一方、大きい
場合はステップS131に進む。
【0117】上記ステップS130においては内前輪の
制動量を演算する。一方、ステップS131においては
内後輪の制動量を演算する。これはアンダーステア傾向
が弱いときは、前輪にはグリップ力がある状態と考えら
れ、また、前輪に制動力を付与することは後輪に制動力
を付与する場合に比べて、より制動効率が良い、すなわ
ち車両をより効率的に減速できるためである。このた
め、アンダーステア傾向が弱い場合には内前輪に制動を
行うことによって、確実かつ迅速なアンダーステア制御
を行うことが可能になる。
【0118】一方、アンダーステア傾向強い場合は、前
輪のグリップ力がないものと考えられることから、内後
輪に対し制動力を付与する。
【0119】このように制動量が演算されれば、ステッ
プS132に進み、制動力制御を実行する。
【0120】そして、ステップS133においては、第
1アンダーステア制御の終了判定を行う。これは、上記
ヨーレート偏差Δψ(θ,G)がしきい値THUSより
も小さくなったか否かを判定することによって行う。そ
して、YESの場合はステップS134に進み制御を終
了させてリターンする。一方、NOの場合は制御を終了
することなくリターンする。
【0121】(第1アンダーステア制御開始判定)次
に、上記ステップS128におけるアンダーステア傾向
を抑制する第1アンダーステア制御開始の判定につい
て、図4に示すフローチャートに従って説明する。この
制御開始判定では、上記ヨーレート偏差Δψ(θ,G)
がしきい値THUSを越えたか否かのみで判定を行うの
ではなく、その他の条件が成立することによって、制御
を開始するようにしている。
【0122】先ず、ステップS21において、ヨーレー
ト偏差Δψ(θ,G)が第1アンダーステア制御の介入
しきい値THUSよりも大きいか否かを判定する。YE
Sの場合はステップS22に進む一方、NOの場合はス
テップS23に進む。
【0123】上記ステップS22においては、実ヨーレ
ートψの加速度が所定値以下か否かを判定する。これは
上記ステップS112(図2参照)と同様に制御の誤介
入防止を目的とするものである。
【0124】そして、上記ステップS23においては、
ハンドル操舵速度が切り増し方向に所定値以上であるか
否かを判定する。YESであればステップS25に進む
一方、NOであればステップS27に進み、非制御とし
てリターンする。そして、上記ステップS25において
は、図5に示すように、第1目標ヨーレートψ(θ)の
値が実ヨーレートψの値の2倍よりも大きく、かつ、第
1目標ヨーレートψ(θ)−実ヨーレートψの値Δψ
(θ)が所定値以上であるか否かを判定する。また、ス
テップS25がNOであればステップS26に進み、実
ヨーレートψの加速度が所定値以下であり、かつ、Δψ
(θ)が所定値以上であるか否かを判定する。NOであ
ればステップS27に進み、制御を非制御としてリター
ンする。
【0125】上記ステップS25は、第1目標ヨーレー
トψ(θ)と実ヨーレートψとの偏差が大きいか否か、
上記ステップS26は、第1目標ヨーレートψ(θ)と
実ヨーレートψとの偏差の広がりの速度が速いか否かを
それぞれ判定しており、上記ステップS25又はステッ
プS26において、YESであればステップS24に進
み、ブレーキ制御を開始する。
【0126】すなわち、ヨーレート偏差Δψ(θ,G)
が、しきい値THUSよりも大きいか否かのみで姿勢制
御を開始するのでは、駆動アンダーステアのように運転
者が意図してアンダーステア傾向としている場合にも制
御が開始されるため、ハンドルを切り込み操作している
にも拘わらず、それに追従してヨーレートの増加がな
く、運転者の意志通りに車両が挙動せずにアンダーステ
ア傾向となっているときにのみ制御が行われるようにす
る。
【0127】(オーバーステア制御開始判定)次に、オ
ーバーステア制御開始判定について説明する。第1〜第
3オーバーステア制御の開始判定は、上述したように、
制御目標ヨーレートとして、第1及び第2目標ヨーレー
トψ(θ,G)のうちの絶対値の小さい方を制御目標ヨ
ーレートTrψとし、この制御目標ヨーレートTrψと
実ヨーレートψとの偏差Δψ(θ,G)が、オーバース
テア制御の介入しきい値(第1〜第3の介入しきい値)
THOS,THOSII,THOSIIIよりも大きいか否
かによって行うようにしている。
【0128】例えば、図7に示すように、第2目標ヨー
レートψ(G)の絶対値が、第1目標ヨーレートψ
(θ)の絶対値よりも小さいときは、上記第2目標ヨー
レートψ(G)を制御目標ヨーレートTrψとする(同
図のT1参照)。ここで、制御目標ヨーレートTrψ
(同図の破線参照)が第2目標ヨーレートψ(G)(同
図の実線参照)に比べて大きくなっているのは、制御目
標ヨーレートTrψに対して舵角成分を考慮した補正を
行っているためである(式(3)参照)。
【0129】そして、ヨーレート偏差Δψが第3の介入
しきい値THOSIIIよりも大きくなれば、第3オーバ
ーステア制御を介入させる。この第3オーバーステア制
御は、上述したように、上限ブレーキ圧P1(5ba
r)まで、ブレーキ圧ゲインKmaxでブレーキ圧を一気
に供給する。そしてその後、ゲインK1(K1<Kmax)
でΔψに応じてブレーキ圧を供給するフィードバック制
御を行う(図2のステップS125及び図7の下図参
照)。また、ヨーレート偏差Δψが第2の介入しきい値
THOSIIよりも大きくなれば、第2オーバーステア制
御を介入させる。この第2オーバーステア制御は、上述
したように、上限のブレーキ圧P2(15bar)ま
で、ゲインKmaxでブレーキ圧を一気に供給するオープ
ン制御を行う(図2のステップS123及び図7の下図
参照)。さらに、ヨーレート偏差Δψが第1の介入しき
い値THOSよりも大きくなれば、第1オーバーステア
制御を介入させる。
【0130】また、例えば、オーバーステア傾向を回避
しようと運転者がカウンターステアを行った場合には、
第1目標ヨーレートψ(θ)の値が、上記第2目標ヨー
レートψ(G)よりも小さくなる場合がある。このとき
は、制御目標ヨーレートTrψを第2目標ヨーレートψ
(G)から第1目標ヨーレートψ(θ)に変更する(同
図のT2参照)。
【0131】このようにカウンターステアを行った場合
には、第1目標ヨーレートψ(θ)の変化に伴い実ヨー
レートψの値が第2目標ヨーレートψ(G)の値よりも
小さくなる。ここで、例えば、第2目標ヨーレートψ
(G)を制御目標ヨーレートTrψとしたままであれ
ば、オーバーステア制御からアンダーステア制御に変更
されてしまう。このようにアンダーステア制御となって
しまえば、車両のヨーイング方向の姿勢としては未だオ
ーバーステア傾向であり、かつ、運転者がカウンタース
テアとしているにも拘わらず、そのカウンターステアの
効果が生じないような、つまりオーバーステア傾向を助
長する制御となってしまう。ところが、第1及び第2目
標ヨーレートψ(θ,G)のうちの小さい方を制御目標
ヨーレートTrψとすれば、カウンターステアを行った
場合でもオーバーステア制御(第1オーバーステア制
御)が継続して行われ、上記の不都合が解消される。
【0132】また、上記第1目標ヨーレートψ(θ)の
値が中立点を通過し、この第1目標ヨーレートψ(θ)
の値と第2目標ヨーレートψ(G)の値との符号が異な
るときには、制御目標ヨーレートTrψの値を所定値で
一定にし(同図のT3参照)、その後、上記第1及び第
2目標ヨーレートψ(θ,G)の値が同符号となれば、
上記第1及び第2目標ヨーレートψ(θ,G)のうちの
絶対値の小さい方、図7では上記第2目標ヨーレートψ
(G)の値を制御目標ヨーレートTrψに設定する(同
図のT4参照)。
【0133】このように、制御目標ヨーレートTrψの
値を一定値で保持するようにするのは、舵角が中立点を
越えるような状態遷移のときに制御ゲインが大きくなっ
てしまうことを回避するためである。また、例えば第1
目標ヨーレートψ(θ)の値をそのまま制御目標ヨーレ
ートTrψとすれば、制御量が大きくなってしまい、車
両が逆方向にスピンしてしまう虞れがあるためである。
このように、車両が逆方向にスピンするようになると、
その逆方向スピンの回避が困難となることから、上記第
1及び第2目標ヨーレートψ(θ,G)の値が異符号と
なるときには、制御目標ヨーレートTrψを所定値で保
持する。
【0134】尚、上記所定値を例えば中立点としてしま
うと、その後、車両がヨーイング方向の姿勢変化を起こ
さなくなってしまうため、上記所定値は中立点にオフセ
ットした値としている。
【0135】(カウンターの収束制御)上述したよう
に、オーバーステア傾向の場合には、運転者がカウンタ
ーステアを行う場合があり、このような場合であっても
適正にオーバーステア傾向を回避する制御を行うように
しているが、姿勢制御によるブレーキ制御を行うことに
よって、ハンドルの操舵以上に車両の姿勢変化が大きく
なる。その結果、例えば運転者がカウンターステアを行
った後のハンドルの戻しの遅れ等に起因して逆方向のオ
ーバーステア傾向となる場合がある。その結果、車両の
ヨーイング方向の姿勢が収束しなくなる虞れがある。
【0136】このような逆方向のオーバーステア傾向を
防止するために、旋回内前輪に制動力を付与する制御を
行う。すなわち、図8は、カウンターステア後の収束制
御のフローチャートを示しており、この制御では、先
ず、ステップS31において、オーバーステア制御中又
は制御後所定時間以内であるか否かを判定する。YES
であればステップS32に進み、NOであればリターン
する。
【0137】上記ステップS32においては、カウンタ
ーステアを行ったか否かのカウンター判定を行う。これ
は、例えば実ヨーレートψの値と舵角に基づく第1目標
ヨーレートψ(θ)の値との大小が反転した、或いは、
舵角速度が反転したことを用いて判定すればよい。そし
てYESであればステップS33に進む一方、NOであ
ればリターンする。
【0138】上記ステップS33においては、カウンタ
ー量が大きいか否かを判定する。これは、例えばカウン
ターステアを行う前のオーバーステア傾向が大きいか
(強いか)否か、或いはカウンターステアを行っている
ときのハンドルの舵角速度が大きいか否か等に基づき判
定すればよい。そして、YESであればステップS34
に進み、NOであればリターンする。
【0139】上記ステップS34においては舵角速度が
反転したか否かを判定する。これは、カウンターステア
を行った後に、ハンドルの切り戻し操作を行っているか
否かを判定する。そして、YESであればステップS3
5に進み、NOであればリターンする。
【0140】上記ステップS35においては、実ヨーレ
ートψが舵角の変化に追従して変化しいるか否かを判定
する。すなわち、実ヨーレートψが舵角の変化に追従す
れば、ヨーレート姿勢が収束方向に向かっていると考え
られることから、旋回内側の前輪に対する制動力の付与
は行わないようにする。また、制動力を付与していたと
しても、実ヨーレートが舵角の変化に追従して変化した
ら、その制動力付与は中止するようにしてもよい。
【0141】そして、NOであればステップS36に進
み、旋回内側の前輪に制動力を付与する一方、YESで
あればリターンする。
【0142】このような制御によって、カウンターステ
アを行った後の、車両が逆方向のオーバーステアとなる
ことを回避することができるようになる。
【0143】(第1アンダーステア制御のしきい値の設
定)次に、ステップS16(図2A参照)における第1
アンダーステア制御のしきい値THUSの設定について
説明する。このしきい値THUSは、基本しきい値を決
定し、この基本しきい値を補正することによって設定す
るようにしている。
【0144】先ず、図9に示すように、ステップS41
において、基本しきい値を設定する。この基本しきい値
は、所定の定数とすればよい。
【0145】次いで、ステップS42において、ハンド
ルの切り戻し時であればその操舵速度が大きいほどしき
い値を高め制御の介入を抑える、つまり制御が介入し難
くする。これは、アンダーステア傾向であるにも拘わら
ずハンドルを切り戻すことから、運転者が意図して操作
をしているものと考えられるためであり、このような運
転者が意図して運転を行っている場合は、制御の介入は
抑えて運転者の操作に任せるようにするためである。こ
れによって、制御の介入と運転者の操作とが干渉し合う
ことを回避することができるようになる。
【0146】そして、ステップS43において、実ヨー
レートの変動(実ヨーレートの変化)が大きいほどしき
い値を高めて制御介入を抑えるようにする。これは、実
ヨーレートが増加傾向にあれば、アンダーステア傾向は
回避されるためである。逆に、このようなときに制御を
早期に介入させると、さらに大きなヨーレート変化とな
り、オーバーステア傾向になってしまう場合がある。そ
こで、このような場合での制御の誤介入を回避するた
め、しきい値を高めるようにする。
【0147】ステップS44においては、ハンドルが中
立位置付近にあるときはしきい値を高めて制御介入を抑
えるようにする。これは、アンダーステアは、通常、ハ
ンドルが切られているときに発生するものであり、ハン
ドルの中立付近のような場合にはアンダーステア傾向を
抑制する制御を行う必要はなく、このようなアンダース
テアとなり難い状態での誤介入を回避するためである。
【0148】ステップS45においては、横加速度が小
さいとき(低μ領域のとき)ほどしきい値を低くし制御
介入を早めるようにする。これは、例えば雪道等の低μ
時にはアンダーステア傾向となり易いことから、このよ
うな場合には姿勢制御が早期に開始されるようにするた
めである。
【0149】ステップS46においては、旋回中に第2
目標ヨーレートψ(G)が所定値以上低下したら、しき
い値を低下させ制御介入を早めるようにする。これは、
例えば路面が部分的に凍結しているような、路面μが急
激に小さくなって車両が横滑りを起こす場合に制御介入
を早めることを目的としている。すなわち、路面μが急
変した場合、運転者はハンドルを操作できない、或いは
ハンドルを操作するまでに長時間を要するようになる。
ここで、例えば第1目標ヨーレートψ(θ)のみを用い
て姿勢制御を行う場合であれば、この第1目標ヨーレー
トψ(θ)が変動しないため、姿勢制御を開始すること
ができなくなってしまう。これに対し、本実施形態で
は、横加速度に基づく第2目標ヨーレートψ(G)をも
用いて姿勢制御を行うため、このような路面μの変動に
も、的確な制御を早期に行うことができるようになる。
【0150】このようにして第1アンダーステア制御の
しきい値THUSが設定される。
【0151】(第1オーバーステア制御のしきい値の設
定)次に、ステップS16(図2参照)における第1オ
ーバーステア制御のしきい値(第1の介入しきい値)T
HOSの設定について説明する。この第1の介入しきい
値THOSも、基本しきい値を決定し、この基本しきい
値を補正することによって設定するようにしている。
【0152】先ず、図10に示すように、ステップS5
1において、基本しきい値を設定する。この基本しきい
値は、図11に示すように、車速Vが低いほど基本しき
い値を大きな値に設定する。そして、極低速時は、さら
に基本しきい値を高い値に設定する。
【0153】そして、ステップS52においては、図1
2に示すように、横加速度が高いほどしきい値を高める
補正をし、かつ、その補正量は車速が高いほど大きくす
る。これは、例えば横加速度が低い、すなわち低μ領域
では、オーバーステア傾向になり易くなるため、しきい
値を低くして制御介入を早期に行うようにするためであ
る。また、横加速度が高く(高μ領域)、かつ、高速走
行の場合には、姿勢変化も速いため、例えばしきい値を
低くすると姿勢制御の誤介入が生じ易くなるためであ
る。さらに、高μ領域を高車速で走行できるような運転
者は、車両が多少姿勢変化を起こしても十分に対応でき
る運転者であると考えられるため、姿勢制御と運転者の
操作との干渉を防止すべく、高横加速度、かつ高速領域
ではしきい値を高くする。
【0154】ステップS53においては、ハンドル舵角
が小さいほどしきい値を高めて制御介入を抑えるように
する。これは、例えばハンドル舵角が小さい場合であっ
ても、特に雪道等では外乱等によって車両の向きと舵角
の向きが逆になる場合がある。このような場合は、姿勢
制御を行わずとも車両は自然に安定走行になるため、制
御介入を抑えるようにする。
【0155】ステップS54においては、ハンドル切り
戻し時でハンドル操舵速度が小さいときほど、しきい値
を高めて制御介入を抑える。これは、運転者がハンドル
をゆっくりと戻していることから、制御介入を行わなく
ても、運転者が自らの操作で十分にオーバーステア傾向
を回避できると考えられるためである。そこで、制御介
入を抑えるべくしきい値を高める。
【0156】そして、ステップS55においては、ヨー
レートのオーバーシュート時にはしきい値を高めて制御
介入を抑える。このヨーレートのオーバーシュート時と
は、図13に示すように、ハンドルを切った状態から中
立点まで戻した場合、車両としては不安定な状態ではな
いにも拘わらず、実ヨーレートψがオーバーシュートす
る場合があり、このような場合にはオーバーステア傾向
であるとの判定がされてしまう。そこで、制御介入を抑
えるためしきい値を高めるようにする。
【0157】ステップS56においては、ヨーレートの
変動が大きい場合は、しきい値を高めて制御介入を抑え
る。これは、制御の誤介入を防止する目的である。
【0158】ステップS57においては、前輪が駆動輪
とされた前輪駆動車のタックイン、又はカウンターステ
アを判定した場合には、しきい値を下げて制御介入を早
めるようにする。ここで、タックインの判定としては、
例えば舵角が切り込んだ状態で一定で、シフト段が2速
又は3速といった低速段で、かつアクセルペダルが戻さ
れてスロットル開度が小さくなったという条件を満たせ
ばタックインであると判定すればよい。一方、カウンタ
ーステアの判定としては、ハンドル舵角から判定する。
【0159】そして、ステップS58においては、上記
各ステップにおいて基本しきい値を高める補正を行え
ば、その値が大きくなりすぎてしまう虞れがあるから、
上限値を定めるようにする。このようにして第1オーバ
ーステア制御のしきい値である第1の介入しきい値TH
OSが設定される。
【0160】(第1オーバーステア制御の終了判定)次
に、第1オーバーステア制御の終了判定について(図2
BのステップS121参照)、図14に示すフローチャ
ートに従って説明する。これは、車両の姿勢が安定にな
った状態で姿勢制御を終了させつつ、運転者の操作と姿
勢制御との干渉を回避することを目的とする制御であ
る。
【0161】先ず、ステップS61において、ハンドル
が直進状態で安定したか否か、つまり、舵角が略中立位
置で安定しているか否かを判定する。NOであればステ
ップS62に進む。
【0162】上記ステップS62においては、ハンドル
が切り増し(切り込み)操作されたか否かを判定する。
NOであればステップS63に進む。
【0163】上記ステップS63においては、第2目標
ヨーレートψ(G)と、実ヨーレートψとの偏差が所定
値以下で安定しているか否かを判定する。すなわち、両
者の値が十分に小さく、かつほぼ一致しているか否かを
判定する。NOであればステップS65に進む。
【0164】そして、上記ステップS61〜ステップS
63においてYESの場合には、ステップS64に進み
制御を終了してリターンする。これは、ステップS61
の判定では、運転者が冷静にハンドル操作をしていると
考えられるため、姿勢制御を行う必要がない、また、姿
勢制御を行えば、運転者の操作と姿勢制御とが干渉する
虞れがあるためである。また、ステップS62の判定で
は、オーバーステア傾向を助長する方向に運転者がハン
ドル操作を行うことから、運転者が意図してオーバース
テア傾向にして旋回を行う、或いは車両が意図的にスピ
ンさせて例えば事故回避を行おうとしていること等が考
えられるためである。このような場合には速やかに姿勢
制御を終了させることによって、姿勢制御と運転者の操
作との干渉を防止することができるようになる。さら
に、ステップS63の判定では、第2目標ヨーレートψ
(G)と実ヨーレートψとが略一致して安定した状態で
あるから、車両の姿勢が安定した状態となっており、姿
勢制御を行う必要がないため、制御を終了させるように
する。
【0165】そして、上記ステップS65においては、
姿勢制御における制動量から推定される推定ブレーキ液
圧がマスターシリンダの圧力と略等しいか否かを判定す
る。すなわち、実質的に制動力の制御が行われておら
ず、姿勢制御を終了してもよいと考えられる状態である
かを判定する。YESであればステップS66に進む一
方、NOであればステップS69に進む。
【0166】上記ステップS66においては、スリップ
角βが小さいか否かを判定する。すなわち、横滑りが生
じていないか否かを判定する。YESであればステップ
S67に進む一方、NOであれば制御を終了することな
くリターンする。
【0167】上記ステップS67においては、第2目標
ヨーレートψ(G)の値、第1目標ヨーレートψ(θ)
の値、及び実ヨーレートψの値が全て所定値以下になっ
ているか否かを判定する。すなわち、3つの値が所定値
よりも小さくて近似している状態であるかを判定する。
この判定は、車両が略直進状態であって、しかも、ハン
ドル操作もされていない状態であり、姿勢制御は必要の
ない状態であるか否かを判定しており、上記ステップS
63の条件が成立し難い場合もあることから、上記ステ
ップS63の条件よりも緩い条件であっても姿勢制御を
終了させるようにする判定である。そして、YESであ
ればステップS68に進み、上記条件が成立した状態が
所定時間T1だけ経過したかを否かを判定する。すなわ
ち、偶然に上記の条件が成立する場合も考えられること
から、所定時間が経過するか否かを判定する。YESで
あればステップS612に進み、姿勢制御を終了してリ
ターンする。NOであればリターンする。
【0168】そして、上記ステップS69においては、
スリップ角βが小さいか否かを判定する。YESであれ
ばステップS610に進む。
【0169】上記ステップS610においては、第2目
標ヨーレートψ(G)、第1目標ヨーレートψ(θ)、
及び実ヨーレートψのうちの2つが所定値以下で、残り
の1つも所定値よりも大きく離れた値ではないか否かを
判定する。これは、上記ステップS67での条件よりも
緩い条件となっている。そして、YESであればステッ
プS611に進み、上記ステップS610の条件が成立
した状態で所定時間T2だけ経過したか否かを判定す
る。ここで、所定時間T2は、上記ステップS67の条
件よりも緩い条件であるため、上記ステップS68にお
ける所定時間T1よりも大きい値とする。そして、YE
Sであれば制御を終了してリターンする。
【0170】一方、上記ステップS67、ステップS6
9、ステップS610及びステップS611においてN
Oの場合は制御を継続してリターンする。
【0171】このような、車両が安定した走行状態とな
るまで制御を継続させることによって、例えば制御目標
ヨーレートTrψと実ヨーレートψとの偏差にのみ基づ
いて制御の終了を判定している場合に起こりうる、姿勢
制御が早期に終了してしまうことを防止することができ
るようになる。
【0172】また、このような姿勢制御の終了判定を行
うことは、例えば障害物回避を行うような、一度姿勢制
御が行われた後に、続けて姿勢制御が必要となる場合等
に有効であり、制御の終了・開始が短時間に繰り返すこ
とで姿勢制御の終了に伴う姿勢変化を招く虞れや、運転
操作の安定性が不安定になってしまうこと等が防止され
る。
【0173】一方、運転者が制御を必要としない状況に
おいては、姿勢制御を早期に終了させることによって、
姿勢制御と運転者の操作とが互いに干渉することを回避
することができるようになる。
【0174】(ブレーキ液圧制御)次に、上記第1オー
バーステア制御及び第1アンダーステア制御におけるブ
レーキ液圧(油圧)制御について、図15に示すフロー
チャートに従って説明する。このブレーキ液圧制御は、
圧力のフィードバック制御を行うのではなく、所定の加
圧(昇圧)速度でもってブレーキ液を加圧する第1フェ
ーズを行い、このブレーキ液の加圧によって制動力が付
与されて車両の姿勢に変化が現れれば、ブレーキ液圧の
調圧を行う第2フェーズ(調圧ステート)に移行するよ
うにしている。
【0175】先ず、ステップS71において、挙動制御
(第1オーバーステア制御及び第1アンダーステア制
御)が開始されたか否かを判定する。次いで、ステップ
S72においては、オーバーステア制御であるか否かを
判定する。YES(オーバーステア)であればステップ
S73に進み、NO(アンダーステア)であればステッ
プS74に進む。
【0176】ステップS73においては、ブレーキ液圧
を機械限度の加圧速度(油圧MAX)で加圧する。すな
わち、加圧ポンプ32を機械限度で作動させ、かつ、A
SWソレノイドバルブ36、及び制動力を付与する車輪
に対する供給経路に設けられたフロント又はリアソレノ
イドバルブ33,34を全開の状態にして加圧を行う。
【0177】そして、ステップS77においては、スリ
ップ率が所定値以上であるか否かを判定する。ここで、
スリップ率は、車輪速センサ11の検出信号から得られ
る推定車体速と車輪速度とに基づき算出すればよい。こ
の判定は、これ以上のブレーキ液の加圧が継続される
と、ブレーキ液圧が過大となってしまうことから、この
過大なブレーキ液圧を防止する目的で行われる。そし
て、NOであればステップS78に進む。
【0178】上記ステップS78においてはスリップ角
βの変化加速度のピークが通過したか否かを判定する。
YESであればステップS79に進み、NOであればス
テップS710に進む。
【0179】ステップS79においては、ヨーレート偏
差Δψ(θ,G)の変化率(変化速度)、或いはヨーレ
ート偏差Δψ(θ,G)の変化加速度のいずれかが減少
傾向、すなわち収束方向となっているか否かを判定す
る。
【0180】ステップS710においては、スリップ角
のピークが通過していなくても、スリップ角βの変化
率、或いはスリップ角βの変化加速度のいずれかが減少
傾向、すなわち収束方向となっているか否かを判定す
る。
【0181】上記ステップS78〜ステップS710
は、ブレーキ液圧を加圧することよる制動力の付与によ
って車両の姿勢が変化したか否か、つまり、姿勢制御の
効果が現れたか否かを判定している。
【0182】そして、上記ステップS77、ステップS
79又はステップS710においてYESであればステ
ップS711に進み、ブレーキ液圧の加圧時間が所定時
間T4経過したか否かを判定する。この所定時間T4
は、姿勢制御の開始しきい値や加圧ポンプ32等のブレ
ーキ液圧制御系の特性等を考慮して設定すればよい。つ
まり、上記ブレーキ液圧系の特性等から、必要なブレー
キ液圧に昇圧するまでに最低限必要と考えられる時間と
して設定すればよい。そして、YESであればステップ
S712に進み、第2フェーズとしての調圧ステート、
すなわち、状態に応じてブレーキ液圧を保持或いは加減
圧させるステートに移行する。NOであればリターンし
て、加圧を継続する。
【0183】これに対し、アンダーステア制御であると
してステップS74に進んだ場合には、先ず、このステ
ップS74において、機械限度の加圧速度でもってブレ
ーキ液圧の加圧をする。そして、ステップS75に進
み、この加圧時間が所定時間T3経過したか否かを判定
する。YESであれば、ステップS76に進み、NOで
あれば加圧時間が所定時間T3経過するまで、機械限度
の加圧速度での加圧を継続する。一方、ステップS76
においては、例えば上記機械限度の加圧速度×0.8の
速度でブレーキ液圧の加圧をする。
【0184】これは、アンダーステア傾向のときはタイ
ヤのグリップ力がないため、車輪をロックさせることを
回避するためである。つまり、先ず、ブレーキ液圧を機
械限度の加圧速度で加圧することにより、例えばディス
クローターにブレーキパッドを密着させるような姿勢制
御に対するブレーキ液圧の遅れを取り戻した後に、加圧
速度を少し低くして加圧を継続する。これにより、過大
なブレーキ液圧が付与されて、車輪がロックすることが
回避される。
【0185】そして、ステップS713においては、ス
リップ率が所定値以上であるか否かを判定する。NOで
あればステップS714に進み、ハンドルの切り込み操
作に実ヨーレートψが追従して変化しているか否かを判
定する。NOであれば、姿勢制御の効果が現れていない
ため、リターンして加圧を継続する。
【0186】一方、上記ステップS713又はステップ
S714において、YESの場合には、ステップS71
5に進み、加圧時間が所定時間T5経過したか否かを判
定する。YESであればステップS716に進み、調圧
ステートに移行する。NOであれば、加圧を継続すべく
リターンする。
【0187】このようにフィードバック制御を行わない
ブレーキ液圧の制御を行うことによって、ブレーキ液圧
の制御系システムを簡易に構成することができる。
【0188】しかも、先ず、機械限度の加圧速度で、又
は機械限度よりも減速した加圧速度でブレーキ液の加圧
を行う(第1フェーズ)ことにより、制動力がより早期
に付与されて迅速な姿勢制御を実現することができるよ
うになる。それと共に、車両の姿勢が収束方向となれ
ば、ブレーキ液圧の調圧制御に移行する(第2フェー
ズ)ことによって、制御量が過大とならずに正確な姿勢
制御を実現することができるようになる。
【0189】特に、本実施形態のように第1オーバース
テア制御及び第1アンダーステア制御の介入をできるだ
け遅らせるようにしている場合には、このようなブレー
キ液圧の制御をしても運転者等が違和感を感じることは
少なく、また、迅速な姿勢制御が可能となる点で極めて
効果的なブレーキ液圧の制御となる。
【0190】(警報装置の制御)次に、警報装置38の
制御について、図16に示すフローチャートに従って説
明する。この警報装置38は、その作動開始を姿勢制御
(挙動制御)の開始よりも遅延させ、かつ、その作動終
了を挙動制御の終了よりも遅延させるようにしている。
【0191】先ず、ステップS81において、フラグF
が1か否かを判定する。これは、このフラグFは後述す
るように、車両の挙動制御が行われているときに1とす
るものである。そして、YESであればステップS87
に進む一方、NOの場合は、警報装置の作動開始の制御
を行うべくステップS82に進む。
【0192】上記ステップS82においては、挙動制御
中であるか否かを判定する。YESであればステップS
83に進み、NOであればリターンする。
【0193】上記ステップS83では、推定ブレーキ液
圧が所定値以上であるか否かを判定する。そして、YE
SであればステップS84に進む。一方、NOであれば
ステップS85に進む。
【0194】上記ステップS85においては、挙動制御
が開始されてから所定時間経過したか否かを判定する。
YESであればステップS84に進む一方、NOであれ
ばリターンする。
【0195】上記ステップS84においては、フラグF
を1としてステップS86に進み、警報装置を作動させ
て(警報ON)リターンする。
【0196】このように、例えば推定ブレーキ圧が所定
値以上となるまで、或いは挙動制御が所定時間以上作動
するまで、警報装置の作動開始を挙動制御の制御開始よ
りも遅延させることによって、運転者が挙動制御に気が
つかないのに警報がされるといった運転者の違和感、或
いは、その違和感に起因する操作ミスを防止することが
できるようになる。
【0197】そして、上記ステップS82〜ステップS
86は、警報装置38の作動開始に関する制御である
が、ステップS81においてYESの場合に行われる制
御は、警報装置38の作動終了に関する制御である。
【0198】すなわち、先ず上記ステップS87におい
て、車両が直進で安定した状態であるか否かを判定す
る。NOの場合はステップS88に進む。
【0199】上記ステップS88においては、挙動制御
が終了してから所定時間が経過したか否かを判定する。
NOの場合はステップS89に進む。
【0200】上記ステップS89においては、ブレーキ
液圧(制動圧)がマスターシリンダ圧力に略等しいか否
か、すなわち、例えば運転者がブレーキペダルを踏んで
いないときはブレーキ液圧が大気圧であるか否か、一
方、運転者がブレーキペダルを踏んでいるときはブレー
キ液圧がそのブレーキペダルの踏み量に対応するマスタ
ーシリンダの圧力であるか否かを判定する。NOの場合
はリターンする。
【0201】そして、上記ステップS83、ステップS
88、及びステップS89においてYESの場合はステ
ップS810に進み、フラグFを0とし、ステップS8
11において警報装置38の作動を終了させてリターン
する。
【0202】このように、警報装置38の作動を挙動制
御の終了から所定時間経過後に終了することによって、
例えば障害物回避のような挙動制御が断続的に行われる
場合には、警報の終了・開始が繰り返することなく、連
続して行われるようになる。このため、運転者の違和感
を防止することができるようになる。
【0203】また、車両が直進状態で安定する、或いは
ブレーキ液圧がマスターシリンダ圧力に略一致するよう
な、挙動制御が終了してから車両の走行環境が変化する
まで警報装置38の作動を継続させることにより、上述
警報の終了・開始が繰り返されることを防止することが
できるようになる。その結果、運転者が違和感を感じな
いような適正な警報が実現する。
【0204】(他の実施形態)尚、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を
包含するものである。すなわち、上記実施形態では、第
1アンダーステア制御のしきい値THUSの設定におい
て(図9参照)、旋回中に第2目標ヨーレートψ(G)
が所定値よりも低下すれば、しきい値を低下させるよう
にしているが(同図のステップS46参照)、しきい値
THUSを補正するのではなく、上記条件に該当する場
合は第1アンダーステア制御自体を強制的に介入させ
て、その制御を開始するようにしてもよい。
【0205】また、上記実施形態では、第1オーバース
テア制御のしきい値THOSの設定において(図10参
照)、タックインの場合にはしきい値を低くしているが
(同図のステップS57参照)、タックインの場合に
は、第1オーバーステア制御自体を強制的に介入させ
て、その制御を開始するようにしてもよい。すなわち、
図2に示すステップS19において、ヨーレート偏差Δ
ψ(θ,G)がしきい値を越えたか又はタックインかを
判定するようにしてもよい。
【0206】さらに、上記実施形態においては、カウン
ターステアの場合には、第1の介入しきい値THOSを
低くしているが(同図のステップS57参照)、上記タ
ックインの場合と同様に、カウンターステアの場合に
は、第1オーバーステア制御自体を強制的に介入させ
て、その制御を開始するようにしてもよい。
【0207】加えて、オーバーステア傾向のときに運転
者がカウンターステアを行った場合のように(図7参
照)、第1目標ヨーレートψ(θ)が第2目標ヨーレー
トψ(G)よりも小さくなった場合に、上記実施形態で
は、第1目標ヨーレートψ(θ)が第2目標ヨーレート
ψ(G)よりも小さくなった時点で、制御目標ヨーレー
トTrψを第2から第1目標ヨーレートに変更するよう
にしているが、これに限らず、例えば次のような制御を
行ってもよい。
【0208】すなわち、第2目標ヨーレートψ(G)か
ら第1目標ヨーレートψ(θ)に制御目標ヨーレートT
rψが変更された場合には、ブレーキ圧等が急激に変化
する虞れもある。このため、舵角が反転したこと等に基
づき第1目標ヨーレートψ(θ)が第2目標ヨーレート
ψ(G)よりもその絶対値が小さくなると予測した場合
には、制御目標ヨーレートTrψが急激に変化しないよ
うに、制御量を緩和するようにしてもよい。つまり、制
御目標ヨーレートTrψを第2目標ヨーレートψ(G)
から第1目標ヨーレートψ(θ)に切り換えたときの制
御動作を緩和する緩和手段を設けるのである。
【0209】この緩和手段としては、例えば、あらかじ
めブレーキ圧の上限値を設定しておき、制御目標ヨーレ
ートTrψが第2目標ヨーレートψ(G)から第1目標
ヨーレートψ(θ)に変更された場合でも、その上限値
以上のブレーキ圧が生じないようにすることや、或い
は、第1目標ヨーレートψ(θ)が第2目標ヨーレート
ψ(G)よりも小さくなると予測した場合には、制御目
標ヨーレートTrψの補正式として、第1目標ヨーレー
トψ(θ)の一階微分の値を第2目標ヨーレートψ
(G)の値に加算して、制御目標ヨーレートTrψを設
定することが挙げられる。こうすると、制御目標ヨーレ
ートTrψの切換時の制御動作が緩和されて、その切換
えに伴うショックを低減することができる。
【0210】また、上記実施形態においては、第1及び
第2目標ヨーレートψ(θ,G)の値のうち、その絶対
値が小さい方を制御目標ヨーレートTrψとして設定し
ているが、例えば悪路走行中等のようなヨーレート変動
が極めて大きい場合には、第2目標ヨーレートψ(G)
の絶対値の方が第1目標ヨーレートψ(θ)の絶対値よ
りも小さい場合でも、上記第1目標ヨーレートψ(θ)
を制御目標ヨーレートTrψとして設定するようにして
もよい。すなわち、ヨーレート変動が極めて大きい場合
は、横加速度の変動が大きくなってしまい、第2目標ヨ
ーレートψ(G)の値が制御目標ヨーレートTrψの値
として適さない虞れがある。このため、安定した値とな
る舵角に基づく第1目標ヨーレートψ(θ)を制御目標
ヨーレートTrψとしてもよい。
【0211】また、ヨーレート変動が極めて大きい場合
は、制御目標ヨーレートTrψの補正式として上記式
(3)に代えて以下の式を用いるようにしてもよい。
【0212】 Trψ=(1−k2)×ψ(G)+k2×ψ(θ)……(4) つまり、第2目標ヨーレートψ(G)に対し第1及び第
2目標ヨーレートψ(θ),ψ(G)間の差に応じた補
正値を加えた目標ヨーレートを制御目標ヨーレートTr
ψにする。ここで、k2の値を大きくすれば、第1目標
ヨーレートψ(θ)の補正割合が大きくなり、ヨーレー
ト変動が極めて大きい場合であっても、適切な姿勢制御
を行うことができるようになる。
【0213】加えて、上記実施形態では、警報装置38
の作動開始条件として、推定ブレーキ液圧が所定値以上
としているが(図16のステップS83)、この条件に
加えて、例えばエンジン出力の低減量が所定値以上とな
れば、警報装置38を作動させるようにしてもよい。
【0214】さらに、上記実施形態では、オーバーステ
ア制御として、第1オーバーステア制御に加えて、第2
及び第3オーバーステア制御の2つを備えているが、上
記第1オーバーステア制御と、第2及び第3オーバース
テア制御の内のいずれか一方のみとを備えるようにして
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の姿勢制御装置を示すブロック図である。
【図2A】姿勢制御のフローチャートの一部である。
【図2B】姿勢制御のフローチャートの一部である。
【図2C】姿勢制御のフローチャートの一部である。
【図3】横加速度に対する補正係数kの特性を表す図で
ある。
【図4】第1アンダーステア制御の開始判定を示すフロ
ーチャート図である。
【図5】第1アンダーステア制御開始条件を示す実ヨー
レートと第1目標ヨーレートとの関係を示す説明図であ
る。
【図6】図5とは異なる第1アンダーステア制御開始条
件を示す実ヨーレートと第1目標ヨーレートとの関係を
示す説明図である。
【図7】上図は、第1目標ヨーレート、第2目標ヨーレ
ート、制御目標ヨーレート及び実ヨーレートの変動の一
例を示す説明図であり、下図は、第1〜第3オーバース
テア制御におけるブレーキ圧供給の一例を示す説明図で
ある。
【図8】カウンターステア後の収束制御を示すフローチ
ャート図である。
【図9】第1アンダーステア制御のしきい値を設定する
フローチャート図である。
【図10】第1オーバーステア制御のしきい値を設定す
るフローチャート図である。
【図11】第1オーバーステア制御の基本しきい値と車
速との関係を示す図である。
【図12】第1オーバーステア制御のしきい値に対する
横加速度及び車速に応じた補正量を示す図である。
【図13】実ヨーレートのオーバーシュート状態を示す
図である。
【図14】第1オーバーステア制御の終了判定を示すフ
ローチャート図である。
【図15】姿勢制御(第1オーバー及びアンダーステア
制御)におけるブレーキ圧制御を示すフローチャート図
である。
【図16】警報装置の制御を示すフローチャート図であ
る。
【符号の説明】
2 ECU(制御手段) 11 車輪速センサ 12 舵角センサ 13 ヨーレートセンサ 14 横Gセンサ 32 加圧モータ 33 フロントソレノイドバルブ 34 リアソレノイドバルブ 35 TSWソレノイドバルブ 36 ASWソレノイドバルブ 38 警報装置
フロントページの続き (72)発明者 安武 俊雄 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 渡辺 嘉寛 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3D046 BB21 BB23 BB28 CC02 GG02 HH00 HH02 HH05 HH07 HH08 HH11 HH16 HH17 HH25 HH36 JJ03 LL23 LL37 MM34

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の各輪のブレーキを独立に制御する
    ことによって、該車両のヨーイング方向の姿勢を制御す
    る制御手段を備えた車両の姿勢制御装置であって、 上記制御手段は、上記車両のオーバーステア傾向が第1
    の設定基準よりも強いときには、上記オーバーステア傾
    向を抑制する第1オーバーステア制御の介入を行うと共
    に、 上記車両のオーバーステア傾向が、上記第1の設定基準
    以下でかつ第2の設定基準よりも強いときには、上記第
    1オーバーステア制御よりも制御量を低下させた第2オ
    ーバーステア制御の介入を行うように構成されているこ
    とを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 第2オーバーステア制御は、第1オーバーステア制御に
    おいて供給可能な最大ブレーキ圧よりも低い所定ブレー
    キ圧を上限に、ブレーキ圧をオープン制御で供給するも
    のであることを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 第2オーバーステア制御は、設定された目標ヨーレート
    と実際のヨーレートとの偏差量に応じてブレーキ圧を供
    給するものであることを特徴とする車両の姿勢制御装
    置。
  4. 【請求項4】 車両の各輪のブレーキを独立に制御する
    ことによって、該車両のヨーイング方向の姿勢を制御す
    る制御手段を備えた車両の姿勢制御装置であって、 上記制御手段は、上記車両のオーバーステア傾向が第1
    の設定基準よりも強いときには、上記オーバーステア傾
    向を抑制する第1オーバーステア制御の介入を行うと共
    に、 上記車両のオーバーステア傾向が、上記第1の設定基準
    以下でかつ第2の設定基準よりも強いときには、上記第
    1オーバーステア制御よりも制御量を低下させた第2オ
    ーバーステア制御の介入を行い、 上記車両のオーバーステア傾向が、上記第2の設定基準
    以下でかつ第3の設定基準よりも強いときには、上記第
    1オーバーステア制御よりも制御量を低下させた第3オ
    ーバーステア制御の介入を行うように構成されているこ
    とを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 第3オーバーステア制御におけるブレーキ圧の供給率
    は、第2オーバーステア制御におけるブレーキ圧の供給
    率よりも低く設定されていることを特徴とする車両の姿
    勢制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、 第2オーバーステア制御は、第1オーバーステア制御に
    おいて供給可能な最大ブレーキ圧よりも低い所定圧力を
    上限に、ブレーキ圧をオープン制御で供給するものであ
    ることを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項4において、 第3オーバーステア制御は、設定された目標ヨーレート
    と実際のヨーレートとの偏差量に応じてブレーキ圧を供
    給するものであることを特徴とする車両の姿勢制御装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項4において、 第2及び第3オーバーステア制御における上限のブレー
    キ圧は、10〜25barに設定されていることを特徴
    とする車両の姿勢制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1又は請求項4において、 制御手段は、車両がアンダーステア傾向にあるときに
    は、第2オーバーステア制御の介入を禁止するように構
    成されていることを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項4において、 制御手段は、車両がアンダーステア傾向にあるときに
    は、第3オーバーステア制御の介入を禁止するように構
    成されていることを特徴とする車両の姿勢制御装置。
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