JP2002127164A - 異物の少ないプラスチック基板の製造方法 - Google Patents

異物の少ないプラスチック基板の製造方法

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JP2002127164A
JP2002127164A JP2000322091A JP2000322091A JP2002127164A JP 2002127164 A JP2002127164 A JP 2002127164A JP 2000322091 A JP2000322091 A JP 2000322091A JP 2000322091 A JP2000322091 A JP 2000322091A JP 2002127164 A JP2002127164 A JP 2002127164A
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plastic sheet
plastic
bis
static electricity
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JP2000322091A
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Satoshi Ezaki
聡 江崎
Seiichiro Hayakawa
誠一郎 早川
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異物の混入や付着の大幅に少ないプラスチッ
ク基板の製造方法の提供。 【解決手段】 1.プラスチックを成形型を用いて成形
し、次いで脱型してプラスチックシートを得る方法にお
いて、プラスチックシートを成形型から脱型する際に、
プラスチックシート表面の静電気を除去することを特徴
とするプラスチックシートの製造方法。 2.プラスチックを成形型を用いて成形し、次いで脱型
してプラスチックシートを得る方法において、成形型表
面の静電気を成形前に予め除去することを特徴とするプ
ラスチックシートの製造方法。 3.重合性組成物を成形型に注入し、重合硬化させた
後、成形型から脱型し、プラスチックシートを得る方法
において、プラスチックシートを成形型から脱型する際
に、プラスチックシート表面の静電気を除去することを
特徴とするプラスチックシートの製造方法。 4.重合性組成物を成形型に注入し、重合硬化させた
後、成形型から脱型し、プラスチックシートを得る方法
において、成形型表面の静電気を成形前に予め除去する
ことを特徴とするプラスチックの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異物の少ないプラ
スチック基板の製造方法に関する。詳しくは、プラスチ
ックの成形の際、成形型又はプラスチックシート表面の
静電気を除去することにより異物の混入や付着の少ない
プラスチック基板を製造する方法に関する。本発明によ
り得られる基板は、有機EL表示パネル用、タッチパネ
ル用等の表示用、光ディスク等の記憶、記録用、太陽電
池パネル用、等の光学部材、特に低複屈折光学部材、殊
に液晶表示パネル用に好適である。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている液晶用表示パネル
(セルと呼ばれることがある)は、ガラス板を基板とす
るものであるが、このようなパネルではガラスの低密度
化と機械的強度の向上に関して限界があるため、現在要
望されている軽量薄型化に対応できない。また生産性の
向上に関しても成形性、加工性の観点から問題点が指摘
されており、プラスチックを基板として用いたパネルに
注目が集まっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
の代わりにプラスチックを基板として用いた場合、従来
用いられているプラスチック基板については、基板を製
造する際のハンドリング工程等において、主としてその
絶縁性が原因で、異物が混入したり付着したりしやす
く、光学部材として用いる場合、その異物が欠陥の直接
的な原因となっていた。特に混入した異物は、基板を洗
浄すること等の手段では除去することができず、製品歩
留まりを大きく低下させていた。
【0004】特に液晶表示パネル用の基板に異物が付着
していたり、混入していたりすると、主として下記のよ
うな不都合を来す惧れがある。 (1)異物が有色の場合、これが直接表示欠陥となる。 (2)基板に異物が混入していると、この部分の光学的
等方性が損なわれ、光学歪みの原因となる。 (3)基板に異物が混入していると、この部分の機械強
度が損なわれ、破損の原因となる。 (4)基板に異物が混入していると、これがガスバリア
不良の原因となり、液晶層の故障を招く。 (5)異物が混入した基板に更に種々の膜を成膜する場
合、その異物の存在する部分の近傍で、膜の剥離が起き
やすくなる。成膜した膜が導電膜の場合は、その部分で
断線等が生じやすくなる。 (6)異物が付着及び/又は混入した部分が、突起とな
っている場合は、この部分のセルギャップが確保できな
くなり、表示不良の原因となる。従って液晶表示パネル
を作成する場合は、上記問題を解決する付着及び/又は
混入している異物の少ないプラスチック基板が不可欠と
なっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み、基板製造時の異物の付着や混入の原因等につ
いて詳細に検討を行った。その結果、主として下記の工
程において異物の付着や混入が起きやすく、且つその付
着や混入を防止することが難しいことが判明した。 (1)成形型組み立て(準備)時 (2)成形型からの硬化物脱型時 これらの中、(1)は主として異物の混入、(2)は主
として異物の付着の原因となる。本発明者らは、上記工
程における異物の付着及び混入を防止する手法を鋭意検
討した結果、成形型やプラスチック基板の表面に存在す
る静電気を一定量以下まで除去することにより、異物の
付着や混入を大幅に抑制できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、 1.プラスチックを成形型を用いて成形し、次いで脱型
してプラスチックシートを得る方法において、プラスチ
ックシートを成形型から脱型する際に、プラスチックシ
ート表面の静電気を除去することを特徴とするプラスチ
ックシートの製造方法 2.プラスチックを成形型を用いて成形し、次いで脱型
してプラスチックシートを得る方法において、成形型表
面の静電気を成形前に予め除去することを特徴とするプ
ラスチックシートの製造方法 3.重合性組成物を成形型に注入し、重合硬化させた
後、成形型から脱型し、プラスチックシートを得る方法
において、プラスチックシートを成形型から脱型する際
に、プラスチックシート表面の静電気を除去することを
特徴とするプラスチックシートの製造方法 4.重合性組成物を成形型に注入し、重合硬化させた
後、成形型から脱型し、プラスチックシートを得る方法
において、成形型表面の静電気を成形前に予め除去する
ことを特徴とするプラスチックの製造方法、にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のプラスチックシートの製造方法は、プラスチッ
クを成形型を用いて成形し、次いで脱型してプラスチッ
クシートを得る方法において、プラスチックシートを成
形型から脱型する際に、プラスチックシート表面の静電
気を除去する及び/又は成形型表面の静電気を成形前に
予め除去すること、好ましくは、重合性組成物を成形型
に注入し、重合硬化させた後、成形型から脱型する際
に、プラスチックシート表面の静電気を除去する及び/
又は成形型表面の静電気を成形前に予め除去することを
特徴とするものである。
【0008】本発明の対象となるプラスチックシートに
ついては、特に限定されるものではなく、その材料とし
ては種々のプラスチックが使用できるが、エポキシ系樹
脂、アクリル系樹脂、等の熱硬化性又は光硬化性プラス
チックが好ましく、後述する特定の重合性組成物を重合
硬化させて得られるものが特に好ましく、また効果も大
きい。以下、この特定の光硬化性組成物、これを重合硬
化させて得られるプラスチックシート(以下、光硬化性
樹脂層又は光硬化樹脂シートということがある)及びそ
のシートを用いるプラスチック積層体について述べる。
【0009】(光硬化性組成物)本発明に用いられる光
硬化性組成物とは、成分A、B及びCを含有してなるも
のである。ここで、「含有してなる」とは、挙示成分
A、B及びCの外に、本発明の趣旨を損なわない限り、
少量の補助成分を含有してもよいことを意味する。な
お、「(メタ)アクリル」及び「(メタ)アクリレー
ト」とは、アクリルないしメタクリル及びアクリレート
ないしメタクリレートをそれぞれ総称するものである。
【0010】<成分A:含脂環骨格ビス(メタ)アクリ
レート>成分Aは、式(I)で表される脂環式炭化水素
骨格を有するビス(メタ)アクリレート(含脂環骨格ビ
ス(メタ)アクリレート又はビス(メタ)アクリレート
と略記することがある)である。
【0011】
【化3】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立して、水素原子
又はメチル基を示し、mは1又は2を示し、nは0又は
1を示し、p及びqは、それぞれ独立して、0、1又は
2を示す)
【0012】式(I)の含脂環骨格ビス(メタ)アクリ
レートの具体例としては、例えばビス(ヒドロキシ)ト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジアクリレー
ト、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=アクリレー
トメタクリレート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキ
シ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]ペンタデカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキ
シ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]ペンタデカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロ
キシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .0 2,7 .0
9,13]ペンタデカン=アクリレートメタクリレート及び
これらの混合物、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=ジアクリレート、ビス
(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.
2,6 ]デカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ
メチル)トリシクロ[5.2.1.02, 6 ]デカン=ア
クリレートメタクリレート及びこれらの混合物、ビス
(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン=ジアクリレー
ト、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.
1.13, 6 .02,7 .09,13]ペンタデカン=ジメタク
リレート、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ
[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン
=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合物、ビ
ス(ヒドロキシエチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシエチ
ル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタ
クリレート、ビス(ヒドロキシエチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=アクリレートメタクリ
レート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシエチル)
ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13
ペンタデカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシエチ
ル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]ペンタデカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロ
キシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.1 3,6 .0
2,7 .09,13]ペンタデカン=アクリレートメタクリレ
ート及びこれらの混合物、等が挙げられる。
【0013】これらの中、ビス(ヒドロキシメチル)ト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジアクリレー
ト、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.0 2,6 ]デカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロ
キシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン
=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合物が好
ましい。
【0014】なお、これらのトリシクロデカン化合物及
びペンタシクロデカン化合物は、群内及び/又は群間で
二種以上併用してもよい。本発明の光硬化性組成物中の
ビス(メタ)アクリレートの割合は、成分Aと成分Bと
の合計(以下、全アクリレート成分ということがある)
100重量部に対して70〜99重量部、好ましくは8
0〜98重量部、より好ましくは88〜97重量部、特
に好ましくは92〜96重量部である。
【0015】ビス(メタ)アクリレートの製造方法につ
いては、特に限定されるものではなく、一般的なエステ
ル合成法(日本化学全編,新実験化学講座,14,有機
化合物の合成と反応(II)(丸善,1977年刊)等に
準拠して行うことができるが、代表的な製造方法として
は、(i)式(1)で表される含脂環骨格ジオール(以
下、式(1)のジオール又はジオールと略記することが
ある)と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応による
方法(特開昭62−225508号公報)、
【0016】
【化4】 (式中、mは1又は2であり、nは0又は1である)
【0017】なお、式(1)の化合物の具体例として
は、例えばビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.
2.1.02,6 ]デカン、ビス(ヒドロキシメチル)ペ
ンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペ
ンタデカン等を挙げることができる。これらの中、ビス
(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンは、「TCDア
ルコールDM(セラニーズ社商品名)」として市販され
ている。
【0018】(ii)ジオールと(メタ)アクリル酸エス
テルとのエステル交換反応による方法、(iii)ジオー
ルと(メタ)アクリル酸ハライドとの反応による方法、
等が挙げられる。これらの中、(i)及び(ii)の方法
が実用的であり、好ましい。
【0019】(i)のジオールと(メタ)アクリル酸と
のエステル化反応は、ジオール1モルに対して、通常
2.0〜2.6モルの(メタ)アクリル酸を用い、触媒
として、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、フッ化硼素、P
−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カチオン
型イオン交換樹脂等を用い、通常トルエン、ベンゼン、
へプタン、ヘキサン等の溶媒の存在下、反応により生成
する水を留去しながら行う。また、(ii)のジオールと
(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応は、
ジオール1モルに対して、一般的には(メタ)アクリル
酸メチルを通常2.0〜10.0モルを用い、触媒とし
て、例えば、硫酸、P−トルエンスルホン酸、テトラブ
チルチタネート、テトライソプロピルチタネート、カリ
ウムブトキシド等を用い、通常トルエン、ベンゼン、ヘ
プタン、ヘキサン等の溶媒の存在下、反応により生成す
るメタノールを留去しながら行う。
【0020】反応は、重合禁止剤として、例えば、ハイ
ドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェ
ノチアジン、銅塩等を用いることができる。これらの反
応においては、反応の進行状況を高速液体クロマトグラ
フ、ガスクロマトグラフ等により分析し、反応が100
%完結する前段階で停止して、反応混合物から未反応の
ジオール、(メタ)アクリル酸、触媒、重合禁止剤、溶
媒、等を除去することにより、ビス(メタ)アクリレー
トとモノ(メタ)アクリレートとの混合物を得ることが
できる。そして、その混合割合が適当なものについて
は、本発明の光硬化性組成物の成分(A)と成分(B)
との混合物原料として、そのまま用いることができるの
で、便利であり、好ましい。
【0021】<成分B:含脂環骨格モノ(メタ)アクリ
レート>成分Bは、式(II)で表される脂環式炭化水素
骨格を有するモノ(メタ)アクリレート(含脂環骨格モ
ノ(メタ)アクリレート又はモノ(メタ)アクリレート
と略記することがある)である。
【0022】
【化5】 (式中、R3 は水素原子又はメチル基を示し、mは1又
は2を示し、nは0又は1を示し、r及びsは、それぞ
れ独立して、0、1又は2を示す)
【0023】式(II)の含脂環骨格モノ(メタ)アクリ
レートの具体例としては、例えばビス(ヒドロキシ)ト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノアクリレ
ート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=モノメタクリレート及びこれらの混合
物、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン=モノアクリレー
ト、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン=モノメタクリレ
ート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシメチル)ト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノアクリレ
ート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン=モノメタクリレート及びこれらの
混合物、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.
5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン=モノ
アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ
[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン
=モノメタクリレート及びこれらの混合物、ビス(ヒド
ロキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン=モノアクリレート、ビス(ヒドロキシエチル)トリ
シクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノメタクリレ
ート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシエチル)ペ
ンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペ
ンタデカン=モノアクリレート、ビス(ヒドロキシエチ
ル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7 .0
9,13]ペンタデカン=モノメタクリレート及びこれらの
混合物、等が挙げられる。
【0024】これらの中、ビス(ヒドロキシメチル)ト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノアクリレ
ート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン=モノメタクリレート及びこれらの
混合物、が好ましい。これらのトリシクロデカン化合物
及びペンタシクロデカン化合物は、群内及び/又は群間
で二種以上併用してもよい。
【0025】本発明の光硬化性組成物中のモノ(メタ)
アクリレートの割合は、全アクリレート成分100重量
部に対して1〜30重量部、好ましくは2〜20重量
部、より好ましくは3〜12重量部、特に好ましくは4
〜8重量部である。モノ(メタ)アクリレートの割合が
少なすぎると、硬化樹脂の機械強度改良効果が得られな
くなるし、逆に多すぎると硬化樹脂の耐熱性が低下す
る。
【0026】かかるモノ(メタ)アクリレートについて
は、式(I)のビス(メタ)アクリレートの合成法の例
えば(i)又は(iii)の方法において、ジオール1モ
ルに対する(メタ)アクリル酸の量を半分の1〜1.3
モルにするとか、(メタ)アクリル酸ハライドの量を半
分の1モルにするとかにして、半エステルが生成する条
件で反応を行うことにより合成することができる。
【0027】しかしながら、前記の式(I)のビス(メ
タ)アクリレートを例えば(i)の方法により合成する
際に、前述したように、反応を途中で停止することによ
り、モノ(メタ)アクリレートの所望量を含むビス(メ
タ)アクリレートの混合物が得られ、これを本発明の光
硬化性組成物の原料としてそのまま使用することができ
るので、通常は、モノ(メタ)アクリレートを別途合成
するには及ばない。
【0028】<成分C:少なくとも二官能性のメルカプ
ト化合物>本発明の光硬化性組成物に用いられるメルカ
プト化合物は、少なくとも二官能性の、好ましくは三官
能性以上のメルカプト化合物(以下、多官能メルカプト
化合物ということがある)である。少なくとも二官能性
のメルカプト化合物の具体例としては、例えば一般式
(III)、(IV)及び(V)でそれぞれ表される化合物
並びに2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−メルカプト
プロポキシフェニル)プロパン、1,10−デカンジチ
オール、ジメルカプトトリエチレンジスルフィド、又は
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテルのようなジグ
リシジル化合物と硫化水素との反応により合成されるジ
メルカプト化合物、等が挙げられる。
【0029】
【化6】 (式中、R4 はメチレン基又はエチレン基を示し、R5
はエーテル酸素を含んでいても良い炭素数2〜15の炭
化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示す)
【0030】式(III)において、R5 はエーテル酸素
を含んでいても良い炭素数2〜15の炭化水素残基であ
るが、その具体例としては、例えばペンタエリスリトー
ル残基、ジペンタエリスリトール残基、トリメチロール
プロパン残基、エチレングリコール残基、ジエチレング
リコール残基、トリエチレングリコール残基、ブタンジ
オール残基、等が挙げられる。
【0031】式(III)のメルカプト化合物は、2〜6
価のチオグリコール酸エステル又はチオプロピオン酸エ
ステルであるが、その具体例としては、例えば、ペンタ
エリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネー
ト)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレ
ート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロ
ピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグ
リコレート)、エチレングリコールビス(β−チオプロ
ピオネート)、エチレングリコールビス(チオグリコレ
ート)、ジエチレングリコールビス(β−チオプロピオ
ネート)、ジエチレングリコールビス(チオグリコレー
ト)、トリエチレングリコールビス(β−チオプロピオ
ネート)、トリエチレングリコール(チオグリコレー
ト)、ブタンジオールビス(β−チオプロピオネー
ト)、ブタンジオールビス(チオグリコレート)、ジペ
ンタエリスリトールヘキサキス(β−チオプロピオネー
ト)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(チオグリコ
レート)等が挙げられる。
【0032】
【化7】 (式中、XはHS−(CH2 b −CO−(OCH2
2 d −(CH2 c−を示す。但し、b及びcは、
それぞれ独立して、1〜8の整数を示し、dは0、1又
は2を示す)
【0033】式(IV)の化合物は、β−チオール基含有
イソシアネートである。式(IV)の化合物の具体例とし
ては、例えば、トリス[2−(β−チオプロピオニルオ
キシ)エチル]イソシアヌレート、トリス(2−チオグ
リコニルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス[2
−(β−チオグリコニルオキシエトキシ)エチル]イソ
シアヌレート、トリス(2−チオグリコニルオキシエト
キシ)エチル)イソシアヌレート、トリス[3−(β−
チオプロピオニルオキシ)プロピル]イソシアヌレー
ト、トリス(3−チオグリコニルオキシプロピル)イソ
シアヌレート等が挙げられる。
【0034】
【化8】 (式中、R6 及びR7 は、それぞれ独立して、アルキレ
ン基を示し、e及びfは、それぞれ独立して、0又は1
を示し、gは1又は2を示す)
【0035】式(V)の化合物はチオール基含有炭化水
素である。式(V)の化合物の具体例としては、例えば
ベンゼンジメルカプタン、キシリレンジメルカプタン、
4,4’−ジメルカプトジフェニルスルフィド、等が挙
げられる。これらの少なくとも二官能性のメルカプト化
合物の中、式(III)、(IV)及び(V)でそれぞれ表
される化合物が好ましく、これらの化合物の中、三官能
性以上のメルカプト化合物がより好ましく、四官能性の
メルカプト化合物が特に好ましい。本発明の光硬化性組
成物中の少なくとも二官能性のメルカプト化合物の配合
割合は、全アクリレート成分100重量部に対して1〜
10重量部、好ましくは4〜8の重量部である。
【0036】メルカプト化合物の割合が少なすぎると、
硬化樹脂の複屈折が増大するし、逆に多すぎると硬化樹
脂の耐熱性が低下する。本発明の光硬化性組成物の中か
ら、前記成分Bの含脂環骨格モノ(メタ)アクリレート
を除いた組成物でも、低複屈折性と高耐熱性の二つの課
題だけであれば解決することが可能である。即ち、前記
成分Aの含脂環骨格ビス(メタ)アクリレートと前記成
分Cの多官能メルカプト化合物よりなる組成物を光重合
硬化させることにより、低複屈折且つ高耐熱性を有する
樹脂が得られる。多官能メルカプト化合物を配合する理
由は、メルカプト化合物中のチオール基が連鎖移動剤
として作用し、重合硬化を穏やかに均一に進行させるこ
とにより、硬化物中の複屈折を大幅に低減する。また
分子内に二個以上のチオール基を有する多官能性のメル
カプト化合物を用いることにより、前記成分Aのビス
(メタ)アクリレート化合物から形成される三次元網目
構造にメルカプタン化合物が入り込む際、耐熱性を損な
うことなく上記複屈折の問題を解決することができる。
【0037】しかしながら、成分Aも成分Cも多官能性
であり、得られる硬化物は高度に架橋された高分子構造
を有するため、耐衝撃性等の機械強度に劣る問題があ
る。この問題は前記成分Bの含脂環骨格モノ(メタ)ア
クリレートを特定の割合配合することにより解決され
る。即ち、高度に架橋された高分子の中に、単官能であ
り、架橋には寄与しない成分Bが入り込むことにより、
架橋密度が適度に制御される。その結果、耐衝撃性等の
機械強度が向上すると共に、成形時の製品割れ等生産歩
留まりの問題を解決することができる。
【0038】重要なのは成分Bを配合した際に、硬化物
の複屈折を増大させたり、耐熱性の低下や吸水率の悪化
を引き起こさないことであるが、本発明における成分B
は、成分Aと同様な脂環骨格を有する(メタ)アクリレ
ートであるため両者の重合速度はほぼ等しく、また相分
離を起こさないため全く複屈折は変化しない。耐熱性や
吸水率に関しても、成分AとBからそれぞれ得られる硬
化物は同様な特性を持つため、性能悪化を引き起こすこ
となく液晶表示用の低複屈折光学部材として十分な性能
を維持している。
【0039】<ラジカル重合開始剤>本発明の光硬化性
組成物の共重合に用いられるラジカル重合開始剤(以
下、光重合開始剤又は光開始剤ということがある)につ
いては、紫外線等の活性エネルギー線によりラジカルを
発生するものであれば、特に限定されるものではない。
その具体例としては、例えば一般式(VI)で表される化
合物、アセトフェノン系光開始剤及びベンゾフェノン系
光開始剤を挙げることができる。
【0040】
【化9】 (式中、R8 はメチル基、メトキシ基又は塩素原子を示
し、nは2又は3の数を示し、Rはフェニル基又はメト
キシ基を示す)
【0041】そして、式(VI)の化合物の具体例として
は、例えば2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジ
フェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2,
6−ジクロルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシ
ド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシド等のアシルホスフィンオキシド及びアシルホ
スフィン酸エステル類、を挙げることができる。
【0042】また、アセトフェノン系化合物の具体例と
しては、例えば1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、4−ジフェノキシジクロロアセトフ
ェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプ
ロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパ
ン−1−オン、等を挙げることができる。
【0043】また、ベンゾフェノン系化合物の具体例と
しては、例えばベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メ
チル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾ
フェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフ
ェノン、ジフェノキシベンゾフェノン、等を挙げること
ができる。これらの中、2,4,6−トリメチルベンゾ
イルジフェニルホスフィンオキシド、トリメチルベンゾ
イルフェニルホスフィン酸メチルエステル、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン及
び、ジフェノキシベンゾフェノンが好ましく、2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシ
ド、ベンゾフェノンが特に好ましい。
【0044】これらの光重合開始剤は二種以上を併用し
ても良い。なお、光重合開始剤の添加量は、モノマー1
00重量部に対し0.01〜1重量部、好ましくは0.
02〜0.3重量部である。光重合開始剤の添加量が多
すぎると、重合が急激に進行し複屈折の増大をもたらす
だけでなく色相も悪化する。また、少なすぎると組成物
を十分に硬化させることができなくなる。
【0045】(補助成分)本発明による低複屈折材料は
成分A、B及びCを含んでなる組成物を重合硬化させて
なるものであり、この組成物が少量の補助成分を含んで
も良いことは前記したところである。従って本発明の低
複屈折板用樹脂は、その硬化前の組成物100重量部に
対し30重量部程度までの量でラジカル重合可能な他の
単量体を混合して共重合させて製造することも可能であ
る。その際に用いる他の単量体としては、例えばメチル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メタ
クリロイルオキシメチルテトラシクロデカン、メタクリ
ロイルオキシメチルテトラシクロドデセン、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキセンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジアクリレ
ート、ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノ
ールAアクリレートメタクリレート及びこれらの混合
物、ビスフェノールAビス[(オキシエチル)エーテ
ル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビス[(オキ
シエチル)エーテル]=ジメタクリレート、ビスフェノ
ールAビス[(オキシエチル)エーテル]=アクリレー
トメタクリレート及びこれらの混合物、テトラブロモビ
スフェノールAビス[(オキシエチル)エーテル]=ジ
アクリレート、テトラブロモビスフェノールAビス
[(オキシエチル)エーテル]=ジメタクリレート、テ
トラブロモビスフェノールAビス[(オキシエチル)エ
ーテル]=アクリレートメタクリレート及びこれらの混
合物、ビスフェノールAビス[(ジオキシエチル)エー
テル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビス[(ジ
オキシエチル)エーテル]=ジメタクリレート、ビスフ
ェノールAビス[(ジオキシエチル)エーテル]=アク
リレートメタクリレート及びこれらの混合物、ビスフェ
ノールAビス[(ポリオキシエチル)エーテル]=ジア
クリレート、ビスフェノールAビス[(ポリオキシエチ
ル)エーテル]=ジメタクリレート、ビスフェノールA
ビス[(ポリオキシエチル)エーテル]=アクリレート
メタクリレート、2,2’−ビス[4−(β−メタクリ
ロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル]プロパン、
1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘ
キサン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリレート化合物、スチレン、クロ
ルスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン等
の核及び/又は側鎖置換及び非置換スチレン等が挙げら
れる。
【0046】これらの他の単量体の中でもメタクリロイ
ルオキシメチルシクロドデカン、2,2−ビス[4−
(β−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロ
パン、2,2−ビス[4−(β−メタクリロイルオキシ
エトキシ)シクロヘキシル]プロパン、1,4−ビス
(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、及び
これらの混合物が特に好ましい。
【0047】補助成分としては、その他にも、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、染顔料、充填剤等がある。なお、所
望により添加しても良い紫外線吸収剤については、特に
限定されるものではないが、ベンゾフェノン系のもの
と、トリアゾール系のものが好ましく、これらは単独で
使用してもよく、また二種以上を併用してもよい。
【0048】その具体例としては、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメ
トキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、2
−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
ターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリーブチル−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾ
トリアゾール系化合物を挙げることができる。
【0049】これらの紫外線吸収剤の割合は、ジエチレ
ン性不飽和単量体100重量部に対して、0.01〜
0.2重量部、好ましくは0.03〜0.1重量部であ
る。紫外線吸収剤の配合割合が、多すぎると、硬化物が
充分に硬化しないか、もしくは、得られた硬化物の内部
均質性が悪くなる。また、少なすぎると、所望の紫外線
カット性が得られなくなる。
【0050】(低複屈折光学部材の製造) <光硬化性組成物の成形型への注入及びその硬化>本発
明の光硬化性組成物を硬化させるには、ラジカル重合開
始剤の存在下に活性エネルギー線を照射することにより
共重合させることが必要である。本発明の光硬化性組成
物は常温で液状状態であるため、少なくとも片側が活性
エネルギー線を透過する素材によって形成される成形型
内に該組成物を注入し、しかる後に活性エネルギー線を
照射する。本発明は、その注入前の成形型内壁面上に存
在する静電気を一定量以下に除去することを特徴とす
る。これにより、該組成物を硬化させた硬化物に混入す
る異物の量を飛躍的に減少させることができる。
【0051】成形型は少なくとも片方が活性エネルギー
線を透過する二枚の平板と、板の四辺に配置されるスペ
ーサー及び固定治具で構成される。平板の素材として
は、内表面が平滑な金属、ガラス、プラスチック、セラ
ミックス等が用いられるが、前述したように少なくとも
片方の平板としては、ガラス板又は透明プラスチック板
が好ましく用いられる。スペーサーとしては、成形する
硬化物の厚みと等しい厚みを有し、固定治具の固定力
や、組成物の硬化過程における発熱等でその形状を容易
に変化させない素材のものが好ましく、例えばプラスチ
ック、金属等が挙げられる。成形型の固定治具として
は、例えばクリップ、テープ等が挙げられる。
【0052】本発明では、成形型を組み立てる際、その
平板の静電気を除去(以下「除電」という)するが、そ
の方法としては、平板表面に存在する電荷の反対符号の
電荷を持つイオンを含む気体を、その表面にブローする
方法が好ましく用いられる。平板表面に存在する電荷
は、公知の市販の静電気測定センサーで容易にリアルタ
イムで測定できるもので、このセンサーでモニターしな
がら除電を行うとよい。イオンのブローは、コロナ放電
機能及び送風機能を備えた装置を用いて行うことができ
る。コロナ放電によれば、プラスの高電圧を印加した場
合には主として水蒸気が分解して水素イオン(プラスイ
オン)が発生し、逆にマイナスの高電圧を印加した場合
には主として窒素分子が分解して窒素イオン(マイナス
イオン)が発生するので、平板表面がプラス或いはマイ
ナスのどちらの電荷を帯びていても、その除電を行うこ
とが可能となる。
【0053】本発明では、その除電により、成形型平板
表面の帯電圧が±1kV、好ましくは±0.5kV、よ
り好ましくは±0.1kVになるようにする。残存する
帯電圧がこれよりも大きいと、異物が成形型表面に付着
しやすくなり、成形する光硬化樹脂シート内に異物が混
入しやすくなるため好ましくない。成形型を形成する二
枚の平板表面を除電した後、その除電した表面が内面と
なるようにスペーサーを介して重ね合わせ、固定治具を
用いて全体を固定し、成形型を組み立てる。成形型の組
み立ては、高度に空気が清浄されたクリーンルーム又は
クリーンブース等の中で行うとよい。そのクリーン度は
通常クラス1万以下、好ましくはクラス千以下、より好
ましくはクラス百以下である。また、その組み立ては、
自動で行うか、もしくは静電靴、静電衣、静電手袋等静
電気を防止する衣料等を着用した作業者が行うのが好ま
しい。次に、組み立てられた成形型に本発明の光硬化性
組成物を注入し、その注入口を閉じた後、活性エネルギ
ー線を照射する。
【0054】活性エネルギー線については、ラジカル重
合開始剤に作用してラジカルを発生させるものであれば
特に限定されるものではなく、例えば電子線、紫外線、
等を用いることができる。これらの中、モノマー及び重
合開始剤の種類、量を参酌して、200〜400nmの
紫外線を好ましくは0.1〜200jの範囲で照射する
のが好ましい。
【0055】照射が極端に少ない場合は重合が不完全な
ため硬化物の耐熱性、機械特性が十分に発現されず、逆
に極端に過剰な場合は硬化物の黄変等の光による劣化を
生じるので好ましくない。そして、活性エネルギー線の
照射については、一段で行ってもよいが、表面性状の良
好なシートを得るためには、複数段で、少なくとも二段
で行うことが好ましい。
【0056】照射を二段で行う場合、その第一段階では
活性エネルギー線の硬化所要量の15%以下、好ましく
は10%以下、特に好ましくは7%以下を照射して、キ
ャビティ内の光硬化性樹脂を自己保形性を有するよう
に、即ちスペーサーを取外しても樹脂が漏洩しないよう
にゲル化させる。なお、本明細書において活性エネルギ
ー線の硬化所要量とは、キャビティ内の樹脂組成物のエ
チレン性炭素−炭素二重結合の80%を消失させるのに
要する照射量を指すものとする。なお、活性エネルギー
線の照射によるエチレン性炭素−炭素二重結合の消失の
割合は、下記式により算出される。
【0057】消失量=(1−K/M)×100(%) M=AM /BMM :活性エネルギー線照射前の赤外吸収における二重
結合のピーク面積 BM :活性エネルギー線照射前の赤外吸収におけるC−
H結合のピーク面積 K=AK /BKK :活性エネルギー線照射後の赤外吸収における二重
結合のピーク面積 BK :活性エネルギー線照射後の赤外吸収におけるC−
H結合のピーク面積 なお、二重結合のピークは1658.5〜1591cm
-1に出現し、C−H結合のピークは3210〜280
9.8cm-1に出現する。
【0058】この第一段階における活性エネルギー線照
射量が硬化所要量の15%を超えると、硬化収縮が起
り、キャビティ内の樹脂が面板から剥離して、生成する
樹脂シート表面に欠陥を生じ易い。また、ゲル化した樹
脂がスペーサーに強固に付着して、スペーサーが取外し
難くなるという問題もある。好ましくは照射量が硬化所
要量の10%以下の段階で面板間の間隔を一定に保持す
る手段を解放する。逆に活性エネルギー線照射量が少な
すぎると、ゲル化が不十分で、成形型の面板の緊締を解
放したときに、キャビティ内の樹脂が成形型の隙間から
漏れる事故が起こり易い。また、ゲル化した樹脂と面板
との付着力が弱く、成形型の面板の緊締を解放したとき
の衝撃で樹脂が面板から剥離するという事故が起ること
もある。
【0059】そして、第二段階において、モノマーの9
5〜100%が反応するように照射を行い、重合を完結
させる。活性エネルギー線を照射する雰囲気は、通常の
大気中、又は不活性ガス雰囲気中のいずれでもよい。ま
た、照射時の温度は、通常、第1段:常温〜100℃、
第2段:常温〜300℃であり、照射時間は、通常、第
1段:1秒〜1分、第2段:10秒〜10分である。
【0060】活性エネルギー線用の光源としては、ケミ
カルランプ、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水
銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられる。硬化
を速やかに完了させる目的で、熱重合を併用してもよ
い。即ち、光照射と同時に組成物並びに型全体を30〜
300℃の範囲で加熱する。この場合は重合をよりよく
完結するためにラジカル重合開始剤を添加してもよい
が、過剰な使用は複屈折の増大と色相の悪化をもたら
す。熱重合開始剤の具体例としては、ベンゾイルパーオ
キシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−
ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等が挙
げられ、使用量はモノマー100重量部に対して1重量
部以下が好ましい。
【0061】硬化反応終了後、硬化物を成形型から脱型
するが、本発明では、その脱型時に硬化物表面に主とし
て引き剥がし操作によって生じる静電気を一定量以下に
除去することを特徴とする。これにより、該硬化物表面
に付着する異物の量を飛躍的に減少させることができ
る。成形型からの脱型は、まず成形型を構成する二枚の
平板間にあるスペーサーを除去し、しかる後にへら等を
平板間の隙間に挿入し、梃子の原理を利用して、平板の
一枚を剥離する。次にもう一枚の平板に付着している硬
化物を、その平板から引き剥がす。その際、硬化物と平
板との隙間に圧縮空気等を吹き付けると、剥離がしやす
くなり好ましい。
【0062】本発明では、上記の一連の脱型操作におい
て、硬化物表面が露出する際に、その硬化物表面の静電
気を除去(以下「除電」という)するが、その方法とし
ては、前記の成形型表面の除電と同様、平板表面に存在
する電荷の反対符号の電荷を持つイオンを含む気体を、
その表面にブローする方法が好ましく用いられる。平板
表面に存在する電荷は、公知の市販の静電気測定センサ
ーで容易にリアルタイムで測定できるもので、このセン
サーでモニターしながら除電を行うとよい。イオンのブ
ローは、コロナ放電機能及び送風機能を備えた装置を用
いて行うことができる。コロナ放電によれば、プラスの
高電圧を印加した場合には主として水蒸気が分解して水
素イオン(プラスイオン)が発生し、逆にマイナスの高
電圧を印加した場合には主として窒素分子が分解して窒
素イオン(マイナスイオン)が発生するので、平板表面
がプラス或いはマイナスのどちらの電荷を帯びていて
も、その除電を行うことが可能となる。
【0063】本発明では、その除電により、成形型平板
表面の帯電圧が±1kV、好ましくは±0.5kV、よ
り好ましくは±0.1kVになるようにする。残存する
帯電圧がこれよりも大きいと、異物が硬化物表面に付着
しやすくなるため好ましくない。硬化物の脱型は、高度
に空気が清浄されたクリーンルーム又はクリーンブース
等の中で行うとよい。そのクリーン度は通常クラス1万
以下、好ましくはクラス千以下である。また、その脱型
は、自動で行うか、もしくは静電靴、静電衣、静電手袋
等静電気を防止する衣料等を着用した作業者が行うのが
好ましい。
【0064】更に本発明において光照射によるラジカル
重合を行った後、硬化物を加熱することにより重合反応
の完結及び重合時に発生する内部歪を低減することも可
能である。加熱温度は、硬化物の組成やガラス転移温度
に合わせて適宜選択されるが、過剰な加熱は硬化物の色
相悪化をもたらすため、ガラス転移温度付近かそれ以下
の温度が望ましい。上述の本発明により提供される低複
屈折光学部材は、複屈折が10nm以下、好ましくは5
nm以下、更に好ましくは2nm以下、特に好ましくは
1nm以下のものである。
【0065】<ガスバリア膜>本発明によって得られる
硬化物の表面には、種々の方法により、ガスバリア膜を
形成することができ、ガスバリア付き光学部材として利
用することができる。ガスバリア膜としては公知のもの
が使用できる。例えば、無機酸化物膜、或いは、ポリビ
ニルアルコール、エチレンービニルアルコール共重合
体、塩化ビニリデン等のガスバリア性樹脂層が挙げられ
るが、好ましくは無機酸化物膜である。無機酸化物と
は、金属、非金属、亜金属の酸化物であり、具体例とし
ては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、
酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸
化銀、酸化金、酸化クロム、酸化珪素、酸化コバルト、
酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化鉄、酸化
銅、酸化ニッケル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ビ
スマス、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリブ
デン、酸化バナジウム、酸化バリウム等が挙げられる
が、酸化珪素が特に好ましい。なお、無機酸化物には、
微量の金属、非金属、亜金属単体やそれらの水酸化物、
また、可撓性を向上させるために適宜炭素又はフッ素が
含まれていてもよい。
【0066】ガスバリア膜を形成する方法としては、樹
脂等をコートする方法、無機酸化物よりなる蒸着膜を形
成する方法が挙げられる。蒸着膜を形成する方法として
は、真空蒸着法、真空スパッタ法、イオンプレーティン
グ法、CVD法等、従来公知の方法が使用できる。以上
のガスバリア膜の厚さは特に制限はなく、ガスバリア膜
の構成成分の種類によっても異なるが、例えば、酸化珪
素の場合には、酸素ガスバリア性及び水蒸気ガスバリア
性、更には経済性を考慮すると、膜の厚さは5〜50n
mが好ましい。更に高度な酸素ガスバリア性や水蒸気バ
リア性を得るためには膜の厚さを厚くすればよいが、5
0nm以上では成膜する際生じる膜応力からクラックが
入りやすくなる。また、膜の厚さが5nm未満ではガス
バリア性が不十分である。
【0067】<硬化被膜>本発明における硬化被膜は光
硬化性樹脂シート上に導電膜を積層する際に、導電膜と
基板との密着性を向上し、更にガスバリア膜を保護する
ための樹脂膜である。この膜はアクリレート系の光硬化
性モノマーとイソシアネート基含有化合物、好ましくは
イソシアネート基含有アクリレート化合物を含んでなる
光硬化性組成物を重合硬化して得られる。ここで、「含
んでなる」とは、アクリレート系の光硬化性モノマーと
イソシアネート基含有化合物以外に活性エネルギー線の
照射による重合硬化を阻害しないポリマー等を全組成物
100重量部中50重量部以下の範囲で併用してもよい
ことを意味する。
【0068】アクリレート系の光硬化性モノマーとして
は、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリ
レート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、
ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、ビス(オキシメ
チル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカンジアク
リレート、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカンジメタクリレート、ビス(オキシメ
チル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]ペンタデカンジアクリレート、ビス(オキシメチ
ル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]ペンタデカンジメタクリレート、2,2−ビス
(4−(アクリルオキシジエトキシ)フェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(メタクリルオキシジエトキ
シ)フェニル)プロパン、トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン−3,8−ジイルジメチルジアクリレー
ト、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−3,8
−ジイルジメチルジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシト
リアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ
メタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレ
ート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロ
ールメタンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタク
リレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジトリメ
チロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレートトリアクリレート、トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート等が
挙げられる。
【0069】イソシアネート基含有化合物の例として
は、アクリルイソシアネート、メチルイソシアネート、
イソプロピルイソシアネート、t−ブチルイソシアネー
ト、シクロヘキシルイソシアネート、m−イソプロペニ
ル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、オクタ
デシルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシア
ネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシ
アネート、3−イソプロペニルイソシアネート、ジメチ
ル(m−イソプロペニル)ベンジルイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、1,2−ジイソシアネート
エタン、1,3−ジイソシアネートプロパン、1,2−
ジイソシアネートプロパン、1,4−ジイソシアネート
ブタン、1,5−ジイソシアネートブタン、1,5−ジ
イソシアネートペンタン、1,6−ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ビス(3−イソシアネートプロピル)エ
ーテル、ビス(3−イソシアネートプロピル)スルフィ
ド、ビス(6−イソシアネートヘキシル)スルフィド、
1,7−ジイソシアネートヘプタン、1,5−ジイソシ
アネート−2,2−ジメチルペンタン、2,6−ジイソ
シアネート−3−メトキシヘキサン、1,8−ジイソシ
アネートオクタン、1,5−ジイソシアネート−2,
2,4−トリメチルペンタン、1,9−ジイソシアネー
トノナン、1,10−ジイソシアネートデカン、1,1
1−ジイソシアネートウンデカン、1,12−ジイソシ
アネートドデカン、1,4−シクロヘキサンジイソシア
ネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、2,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、3,3’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、リジンイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフチレン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシア
ネートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアネー
トメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート等が挙げられる。
【0070】イソシアネート基含有アクリレートとして
は、公知のジイソシアネートと公知のヒドロキシアクリ
レート、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシ
ブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルジアクリレ
ート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリ
レート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を
反応させて得られる化合物等が挙げられるが、好ましく
は、5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチ
ル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンと2−ヒ
ドロキシエチルアクリレートの付加体、2−(5−イソ
シアネート−1,3,3−トリメチル−シクロヘキシル
メチルカルバモイルオキシ)−エチルアクリレート、2
−(3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチ
ル−シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−エチルアク
リレート、2−(4’−イソシアネート−4−ジフェニ
ルメタンカルバモイルオキシ)−エチルアクリレート、
2−(5−イソシアネート−1−カルバモイルオキシ)
−エチルアクリレート、4−(5−イソシアネート−
1,3,3−トリメチル−シクロヘキシルメチルカルバ
モイルオキシ)−ブチルアクリレート、4−(3−イソ
シアネートメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘ
キシルカルバモイルオキシ)−ブチルアクリレート、4
−(4’−イソシアネート−4−ジフェニルメタンカル
バモイルオキシ)−ブチルアクリレート、4−(5−イ
ソシアネート−1−カルバモイルオキシ)−ブチルアク
リレート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネ
ート等が挙げられる。
【0071】これらの光硬化性組成物はアクリレート系
の光硬化性モノマー50〜99重量部に対して、イソシ
アネート基含有化合物を1〜50重量部、より好ましく
は5〜30重量部、更に好ましくは10〜20重量部配
合することにより、硬化被膜としての物性バランスが得
られる。イソシアネート基含有化合物が無くても光硬化
性樹脂シートと硬化被膜の密着性は得られるが、イソシ
アネート基を添加することにより、更にガスバリア膜及
び透明導電膜との密着性が得られるようになる。即ち、
これらの無機膜上の水酸基とイソシアネート基が反応す
ることにより強固な結合が形成され、導電膜側のアンカ
ー能及びガスバリア膜側の保護層としての両性能が発現
する。イソシアネート基含有化合物の量が少なすぎると
ガスバリア膜側の密着性が低下し、多すぎると耐薬品性
が低下する。
【0072】また、その他併用できるポリマー等とし
て、幾つかを例示すると次の通りである。ポリメチルア
クリレート、ポリブチルアクリレート、ポリエチレング
リコール、ポリヒドロキシエチルアクリレート。また、
これら活性エネルギー線硬化性組成物には公知の添加
剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング
剤、熱重合禁止剤、シランカップリング剤等が配合され
ていてもよい。上記組成物は通常揮発性溶媒により希釈
して塗布されることが好ましい。溶媒及び希釈度は特に
限定されないが、使用に当って被塗布物の表面性状を損
なわないことが要求される。更には、組成物の安定性、
基材に対する濡れ性、揮発性等も考慮して溶媒は決めら
れるべきである。また、溶媒は一種のみならず、二種以
上の混合物として用いることも可能である。溶媒として
は、アルコール、エステル、エーテル、ケトン、ハロゲ
ン化炭化水素、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水
素、及び、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
【0073】これらの光硬化性組成物は、紫外線等の活
性エネルギー線によりラジカルを発生する光重合開始剤
を添加する公知のラジカル重合により硬化させる。その
際に用いる重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノ
ン、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾイルイソプロピ
ルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベ
ンゾイルフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
好ましい光開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾ
イル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオ
キシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホ
スフィンオキシドである。これら光重合開始剤は二種以
上を併用してもよい。
【0074】光重合開始剤の添加量は、光硬化性組成物
100重量部に対し、1〜30重量部、好ましくは2〜
20重量部である。光開始剤の添加量が多すぎると、重
合が急激に進行し、複屈折の増大をもたらすだけでな
く、色相も悪化する。また、少なすぎると組成物を十分
に硬化させることができなくなる。硬化被膜を形成する
には、スピンコート法もしくはディップコート法が好ま
しく用いられる。コート後、活性エネルギー線を照射し
て硬化させればよいが、この時、塗布してから硬化させ
る前に予備加熱を行ってもよい。光硬化性組成物が溶剤
で希釈されている場合にも、この予備加熱の工程におい
て溶剤を除去しなければならない。硬化被膜の膜厚は、
特に限定されるものではないが、接着強度の保持や硬度
等の点から、通常0.1〜50μm、好ましくは0.3
〜10μmである。硬化被膜の膜厚はスピンコート時の
回転速度もしくはディップコート時の引き上げ速度或い
は溶剤の希釈度でコントロールすることができる。
【0075】照射する活性エネルギー線の量は光重合開
始剤がラジカルを発生する範囲であれば任意であるが、
200〜400nmの紫外線を0.1〜100J/cm
2 、好ましくは1〜30J/cm2 の範囲で照射する。
使用するランプの具体例としては、メタルハライドラン
プ、高圧水銀灯ランプ等が挙げられる。 (導電膜)本発明によって得られる硬化物の表面には種
々の手法により各種透明導電膜を好ましく形成すること
ができ、透明電極付光学部材として利用することができ
る。硬化物の表面に形成できる透明導電膜には特に制限
はないが、例えば、この導電膜を形成する導電物質とし
て、酸化インジウム、酸化スズ、金、銀、銅、ニッケル
等が挙げられ、これらは単独又は二種以上を混合して使
用することができる。このうち、通常は酸化インジウム
99〜90%と酸化スズ1〜10%との混合物よりなる
インジウムスズオキサイド(以下「ITO」という)が
透明性と導電性のバランスの面から好ましい。透明導電
膜を形成する方法は、従来から公知の真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、化学蒸着法等
を用いて行うことができる。このうち、スパッタリング
法が密着性の点から好ましい。以上の透明導電膜の厚さ
は、500〜2000Åの範囲が透明性、導電性のバラ
ンスの面から好ましい。
【0076】(積層体の構成)本発明のプラスチック積
層体は片面もしくは両面にガスバリア膜を付した光硬化
性樹脂シート基板の片面もしくは両面に硬化被膜、更に
片面もしくは両面に導電膜を積層したものである。 (積層体の性質)本発明のプラスチック積層体は、55
0nmの光の波長での光線透過率が80%以上であるこ
とが好ましい。光線透過率が80%未満であると画面が
暗くなるため液晶表示パネルとして使用でき難い。ま
た、プラスチック積層体の複屈折率としては、20nm
以下、特に10nm以下であることが好ましく、さらに
は5nm以下、殊に2nm以下、特には1nm以下であ
ることが好ましい。20nmよりも大きいと表示パネル
とした場合、表示画面の色ムラが生じる傾向がある。
【0077】本発明のプラスチック積層体の応用例とし
ては、例えば、液晶表示装置用基板として使用する場
合、通常、二枚のプラスチック積層体によって液晶を挟
んだ構成をとる。即ち、プラスチック積層体の導電膜上
に、必要に応じて絶縁膜、更に、その上に配向膜が設け
られた基板により液晶層を挟持した構造をとる。また、
液晶層を挟持した基板の外側には偏光板が設けられる。
また、エレクトロルミネッセンス表示素子においては、
通常、本発明のプラスチック積層体上に、発光体層、絶
縁層及び背面電極を順次形成し、更に全体をガスバリア
層で被覆した構造の物が例示される。この場合、発光体
層には硫化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化亜鉛等が、
絶縁層には酸化イットリウム、酸化タリウム、窒化シリ
コン等が、背面電極にはアルミニウム等が用いられる。
【0078】本発明により得られる低複屈折光学部材
は、透明性はもとより高耐熱性と高機械強度を併せ持
ち、液晶、有機EL、タッチパネル等のディスプレイ基
板、光ディスク基板、太陽電池基板、各種レンズ、プリ
ズム、光学フィルター、光ファイバーや光導波路などの
光通信材料等の多くの光学用途に用いることができる。
【0079】
【実施例】以下に本発明の内容及び効果を実施例により
更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、以下の実施例に限定されるものではない。また実
施例及び比較例で得られたプラスチックシート及びプラ
スチック積層体は以下の方法で評価した。 (1)光線透過率:500nmにおける光線透過率を
0.5mm厚の試験片で測定した。 (2)複屈折:複屈折測定装置(オーク社製)を用いて
25℃で測定した。 (3)異物の数:目視により、100cm2当りに存在
する長径50μm以上の異物の個数を数え、m2当りの
数に換算した。
【0080】(4)ガスバリア測定:0.5mm厚の試
験片でオキシトラン社製酸素モコン測定器にて23℃、
湿度80%の条件下で酸素透過率を測定した。 (5)抵抗値:三菱油化製ロレスタを用いて測定した。 また除電操作は、下記の方法で行った。(除電操作)除
電対象物の帯電圧量を、静電気センサー(キーエンス社
製;形式SK)を用いてモニターしながら、コロナ放電
装置を備えた除電ブロアーによって、その帯電圧の反対
符号のイオンを含む空気を除電対象物の表面に当て、目
標の帯電圧になるまで静電気除去を行う。
【0081】実施例1 (プラスチックシートの製造)ビス(ヒドロキシメチ
ル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタ
クリレート94部、ビス(ヒドロキシメチル)トリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカン=モノメタクリレート
6部のアクリレート組成物に、ペンタエリスリトールテ
トラキス(β−チオプロピオネート)6部、光開始剤と
して2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキシド(BASF社製「ルシリンTPO」)
0.1部、ベンゾフェノン0.1部を均一に撹拌混合し
た後、脱泡して組成物を得た。この組成物をスペーサー
として厚さ0.5mmのシリコン板を用いた光学研磨ガ
ラスの型(除電操作済み;帯電圧0.1kV以下)に注
液し、ガラス面より距離40cmで上下にある出力80
W/cmのメタルハライドランプの間にて、5分間紫外
線を照射した。紫外線照射後除電を行いながら脱型し
(硬化物表面の帯電圧0.1kV以下)、160℃で1
時間加熱して硬化物を得た。この硬化物の諸物性は表1
の通りであった。
【0082】実施例2 脱型時の除電を行わない以外は、実施例1と同様に行い
硬化物を得た。この硬化物の諸物性は表1の通りであっ
た。 実施例3 成形型組み立て時の除電を行わない以外は、実施例1と
同様に行い硬化物を得た。この硬化物の諸物性は表1の
通りであった。
【0083】比較例1 除電を一切行わない以外は、実施例1と同様に行い硬化
物を得た。この硬化物の諸物性は表1の通りであった。 比較例2 除電を、その除電後の帯電圧が2kVになるまで除電を
行う以外は、実施例1と同様に行い硬化物を得た。この
硬化物の諸物性は表1の通りであった。
【0084】参考実施例 (プラスチック積層体の製造)実施例1で得られた0.
5mm厚の硬化物上に、スパッタ装置(徳田製作所;形
式CFS−4ES)にてSiO2を200Å成膜した。
得られたプラスチック積層体の酸素透過率は0.5cc
/m2・24時・atmであった。
【0085】(導電膜の成膜)上記で得られたプラスチ
ック積層体のSiO2面上に、スパッタ装置(徳田製作
所;形式CFS−4ES)にてITOを1500Å成膜
した。得られた導電性シートの表面抵抗値は30Ω/□
であった。
【0086】
【表1】
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、異物の混入や付着の大
幅に少ないプラスチック基板を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/20 C08F 220/20 4J100 C08J 5/18 CEY C08J 5/18 CEY //(C08F 220/20 (C08F 220/20 220:28) 220:28) B29K 33:00 B29K 33:00 B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 33:06 C08L 33:06 Fターム(参考) 4F071 AA33X AF55 AG13 AH12 AH19 BB12 BC01 4F100 AA17B AA17C AA20B AA20C AA33E AK25A AL05A AR00B AR00C AR00D AR00E BA03 BA04 BA05 BA06 BA10B BA10C BA10D BA10E EH66B EH66C EH66E GB41 JD02B JD02C JG01E JK12D 4F202 AA43L AG01 CA01 CB01 CM00 CM90 4F204 AA43L AG01 EA03 EB01 EK17 EK18 EK24 EK27 EW50 4J011 GB07 GB08 4J100 AL08Q AL62P BA03Q BC07P BC07Q CA04 CA23 DA63 FA04 FA17 FA18 JA32

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックを成形型を用いて成形し、
    次いで脱型してプラスチックシートを得る方法におい
    て、プラスチックシートを成形型から脱型する際に、プ
    ラスチックシート表面の静電気を除去することを特徴と
    するプラスチックシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 プラスチックを成形型を用いて成形し、
    次いで脱型してプラスチックシートを得る方法におい
    て、成形型表面の静電気を成形前に予め除去することを
    特徴とするプラスチックシートの製造方法。
  3. 【請求項3】 プラスチックを成形型を用いて成形し、
    次いで脱型してプラスチックシートを得る方法におい
    て、プラスチックシートを成形型から脱型する際に、プ
    ラスチックシート表面の静電気を除去する請求項2に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 重合性組成物を成形型に注入し、重合硬
    化させた後、成形型から脱型し、プラスチックシートを
    得る方法において、プラスチックシートを成形型から脱
    型する際に、プラスチックシート表面の静電気を除去す
    ることを特徴とするプラスチックシートの製造方法。
  5. 【請求項5】 重合性組成物を成形型に注入し、重合硬
    化させた後、成形型から脱型し、プラスチックシートを
    得る方法において、成形型表面の静電気を成形前に予め
    除去することを特徴とするプラスチックシートの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 重合性組成物を成形型に注入し、重合硬
    化させた後、成形型から脱型し、プラスチックシートを
    得る方法において、プラスチックシートを成形型から脱
    型する際に、プラスチックシート表面の静電気を除去す
    る請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 静電気除去後にプラスチック表面に残存
    する帯電圧の量が±1kV以内である請求項1、3、4
    及び6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 静電気除去後に成形型表面に残存する帯
    電圧の量が±1kVである請求項2又は5に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 重合性組成物が分子内に二個以上の重合
    性官能基を有する重合性単量体を含むものである請求項
    4ないし6のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 重合性組成物が下記成分A、B及びC
    を含有してなるもの(但し、各成分の割合は成分Aと成
    分Bとの合計を100重量部として表す)である請求項
    9に記載の方法。 成分A:一般式(I)で表される含脂環骨格ビス(メ
    タ)アクリレート:70〜99重量部 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立して、水素原子
    又はメチル基を示し、mは1又は2を示し、nは0又は
    1を示し、p及びqは、それぞれ独立して、0、1又は
    2を示す) 成分B:一般式(II)で表される含脂環骨格モノ(メ
    タ)アクリレート:1〜30重量部 【化2】 (式中、R3 は水素原子又はメチル基を示し、mは1又
    は2を示し、nは0又は1を示し、r及びsは、それぞ
    れ独立して、0、1又は2を示す) 成分C:少なくとも二官能性のメルカプト化合物:1〜
    10重量部
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の方法により得られたものであって、それに付着及び/
    又は混入している長径が50μm以上の異物が10個/
    2以下であるプラスチックシート。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の方法により得られたもの又は請求項11に記載のもの
    であって、その厚みが0.05〜3mmであるプラスチ
    ックシート。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の方法により得られたプラスチックシート又は請求項1
    1若しくは12に記載のプラスチックシートの少なくと
    も片面にガスバリア層を設けてなるプラスチック積層
    体。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の方法により得られたプラスチックシート、請求項11
    若しくは12に記載のプラスチックシート又は請求項1
    3に記載のプラスチック積層体の少なくとも片面に更に
    厚さ10μm以下の硬化被膜を設けてなるプラスチック
    積層体。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の方法により得られたプラスチックシート、請求項11
    若しくは12に記載のプラスチックシート又は請求項1
    3若しくは14に記載のプラスチック積層体の少なくと
    も片面に導電膜を設けてなるプラスチック積層体。
  16. 【請求項16】 液晶表示パネル用である、請求項1な
    いし10のいずれかに記載の方法により得られたプラス
    チックシート、請求項11若しくは12のプラスチック
    シート又は請求項13ないし15のいずれかに記載のプ
    ラスチック積層体。
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