JP2002126450A - 空気の清浄化方法とその装置 - Google Patents

空気の清浄化方法とその装置

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JP2002126450A JP2000323749A JP2000323749A JP2002126450A JP 2002126450 A JP2002126450 A JP 2002126450A JP 2000323749 A JP2000323749 A JP 2000323749A JP 2000323749 A JP2000323749 A JP 2000323749A JP 2002126450 A JP2002126450 A JP 2002126450A
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基典 柳
Senri Kojima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理空気中に含まれる難溶解性の有機化合
物を水に溶かして空気を清浄化する。 【解決手段】 オゾンガス雰囲気AO3内で過酸化水素
22を含む水滴Dに、被処理空気DArを接触させ、
水滴D内に含む過酸化水素H22とオゾンガスO 3との
反応によりOHラジカルを生成させ、生成したOHラジ
カルを空気中の有機物OMに作用させ、被処理空気DA
r中の有機物OMを主として有機酸OAに分解し、生成
した有機酸OAを処理水W中に溶解させて被処理空気D
Ar中から除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機物を含む空気
を清浄化する方法および空気清浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造、液晶ディスプレイ製造工
場、その他有機溶剤を使用する工場においては、洗浄の
処理に各種の薬品や有機溶剤が使用される。その結果、
これらの工場においては、有機物の薬品ベーパが発生し
て周囲の空気を汚染するという問題がある。
【0003】従来より、空気中に発生した薬品ベーパの
処理方法として、充填物が詰まった槽内部で薬品ベーパ
を含む空気を水に接触させる事により、空気中の薬品を
水に溶かし込んで空気中より除去する方法が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、薬品中
には水に溶解しない有機化合物があり、これら不溶性の
有機物は、水に溶け込まないまま空気中に排出されて大
気を汚染しているのが実状である。
【0005】本発明の目的は、被処理空気中に含まれる
難溶解性の有機化合物を水に溶かして空気を清浄化する
方法とその方法を実施する装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による空気の清浄
化方法は上記目的を達成するために、酸化分解処理を有
する空気の清浄化方法であって、酸化分解処理は、オゾ
ンガス雰囲気内で過酸化水素を含む水滴に被処理空気を
接触させ、被処理空気中の有機物を主として有機酸に分
解し、生成した有機酸を水中に溶解させて被処理空気中
から除去する処理であるとしたものである。
【0007】本発明によれば、被処理空気中に含まれる
難溶解性の有機化合物を水に溶かして空気を清浄化する
空気の清浄化方法が得られる。
【0008】また他の手段は、酸化分解処理は、オゾン
ガス雰囲気内に塩基を添加しつつ雰囲気を中性またはア
ルカリ性領域に保持しつつ行なう処理であるとしたもの
である。
【0009】本発明によれば、被処理空気中に含まれる
難溶解性の有機化合物を水に溶かして空気を清浄化する
空気の清浄化方法が得られる。
【0010】また、他の手段は、酸化分解処理は、水滴
内に含む過酸化水素をオゾンガス雰囲気に接触させてO
Hラジカルを生成させ、生成したOHラジカルを空気中
の有機物に作用させて酸化分解させる処理であるとした
ものである。
【0011】本発明によれば、被処理空気中に含まれる
難溶解性の有機化合物を水に溶かして空気を清浄化する
空気の清浄化方法が得られる。
【0012】また、他の手段は、酸化分解処理は、生成
したOHラジカルを空気中の有機物に作用させ、有機物
の大部分を有機酸に分解して水中に溶解させるとしたも
のである。
【0013】本発明によれば、被処理空気中に含まれる
難溶解性の有機化合物を水に溶かして空気を清浄化する
空気の清浄化方法が得られる。
【0014】また、他の手段は酸化分解処理に水分裂処
理と、気液分離処理とを併用して被処理空気の清浄化を
行なう空気の清浄化方法であって、水分裂処理は、過酸
化水素と、塩基とを含む処理水を水滴に分裂させる処理
であり、気液分離処理は、水分裂処理によって発生した
水滴を分離して空気中から除去し、被処理空気を清浄化
して外部に排出する処理であるとしたものである。
【0015】本発明によれば、被処理空気中に含まれる
難溶解性の有機化合物を水に溶かして空気を清浄化する
空気の清浄化方法が得られる。
【0016】また他の手段は、本発明による空気清浄化
装置においては、気液混合槽を有する空気清浄化装置で
あって、気液混合槽は、過酸化水素と塩基とを含む水滴
で満たされたオゾン雰囲気を形成し、外部から導入した
空気を水滴に接触させて空気中に含まれる有機物を有機
酸として水中に取込ませる条件を形成するとしたもので
ある。
【0017】本発明によれば、被処理空気中に含まれる
難溶解性の有機化合物を水に溶かして空気を清浄化する
空気の清浄化装置が得られる。
【0018】また他の手段は、気液混合槽はノズルを有
し、ノズルはオゾン雰囲気を形成する気液混合槽内に過
酸化水素と塩基を含む処理水を水滴として気液混合槽内
に噴出するとしたものである。
【0019】本発明によれば、被処理空気中に含まれる
難溶解性の有機化合物を水に溶かして空気を清浄化する
空気の清浄化装置が得られる。
【0020】難水溶性の有機物、例えば、フタル酸−2
−エチルヘキシル(DOP)は、水に溶解しないが、オ
ゾンと接触させることにより水中に溶解させることがで
きる。
【0021】図1は、酸化分解処理にO3のみを用いた
場合、O3とH22とを用いた場合、O3とH22とKO
Hとを用いた場合について、それぞれの場合における酸
化反応時間とTOCとの関係を示している。もっともD
OPは水に溶解しないので、そのままでは、DOPを含
む水の全有機炭素量(TOC)を測定しようとしてもT
OC計で測定することができない。
【0022】しかし、酸化剤を水中に添加することによ
り、TOC濃度の測定が可能となる。図1に明らかなよ
うに酸化剤としてO3を添加したときには、TOC濃度
の高まりがみられるが、オゾン(O3)に比べて、O3
22を添加したときにはTOCの検出率がより高ま
り、O3/H22/KOHを添加したときには、さらに
TOCの検出率が高まった。
【0023】その理由は、DOPがオゾンにより酸化分
解し、イオン状の有機物になったため、水に溶解するよ
うになったものと考えられる。図2は、有機物の酸化分
解処理にO3/H22/KOHを用いた場合について、
酸化分解処理開始前と、酸化分解処理実行中(反応開始
後30分)と、イオン交換処理開始後とにおける水中の
TOC濃度の変化を示したものである。
【0024】図2から明らかなように、DOPは酸化さ
れて水中に溶け込んでいること、DOPが水中でイオン
交換樹脂を用いて除去できることを示している。この事
実により、DOPがイオン状になっていることが裏付け
られる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明は、酸化分解処理を有する
空気の清浄化方法であって、酸化分解処理は、オゾンガ
ス雰囲気内で過酸化水素を含む水滴に被処理空気を接触
させ、被処理空気中の有機物を主として有機酸に分解
し、生成した有機酸を水中に溶解させて被処理空気中か
ら除去する処理であるとしたものであり、被処理空気中
に含まれる難溶解性の有機化合物を水に溶かして空気を
清浄化するという作用を有する。また、酸化分解処理
は、オゾンガス雰囲気内に塩基を添加しつつ雰囲気を中
性またはアルカリ性領域に保持しつつ行なう処理である
としたものであり、有機物の酸化分解処理を促進すると
いう作用を有する。
【0026】また、酸化分解処理は、水滴内に含む過酸
化水素をオゾンガス雰囲気に接触させてOHラジカルを
生成させ、生成したOHラジカルを空気中の有機物に作
用させて酸化分解させる処理であるとしたものであり、
OHラジカルにより酸化分解反応を起こすという作用を
有する。
【0027】また、酸化分解処理に水分裂処理と、気液
分離処理とを併用して被処理空気の清浄化を行なう空気
の清浄化方法であって、水分裂処理は、過酸化水素と塩
基とを含む処理水を水滴に分裂させる処理であり、気液
分離処理は、水分裂処理によって発生した水滴を分離し
て空気中から除去し、被処理空気を清浄化して外部に排
出する処理であるとしたものであり、有機物除去性能を
さらに高めるという作用を有する。
【0028】以下に本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0029】
【実施例】(実施例1)本発明は、酸化分解処理を行な
って、空気中に含まれた有機物を除去する空気の清浄化
方法およびその方法に用いる装置である。本発明におい
て、酸化分解処理は、オゾンガス雰囲気内で過酸化水素
を含む水滴に空気を接触させ、空気中の有機物を水中に
溶解させる処理であり、この処理の結果、有機物は空気
中から除去される。
【0030】なお、酸化分解処理に際しては、オゾンガ
ス雰囲気内に塩基を添加しつつ雰囲気を中性またはアル
カリ性領域に保持しつつ行なう。また、酸化分解処理に
おいて添加された過剰の過酸化水素及びオゾンガスは、
活性炭を用いた接触分解処理によって水中から除去する
ことができる。
【0031】酸化分解処理によって、過酸化水素とオゾ
ンガスとの反応生成物を空気中の有機物に作用させる
と、有機物は酸化分解して有機酸(酢酸、蟻酸など)が
生成する。有機酸は水に溶解し、水中の有機酸はイオン
交換処理によって除去することができる。
【0032】図3において、本発明に用いる空気清浄化
装置は、気液混合槽1を有している。気液混合槽1は、
過酸化水素(H22)と塩基(OH)とを含む処理水W
の水滴Dで満たされたオゾン雰囲気AO3を形成し、外
部から導入した被処理空気DArを水滴Dに接触させて
被処理空気DAr中に含まれる有機物OMを有機酸OA
として水中に取込ませる条件を形成する空間である。
【0033】そして、気液混合槽1は、過酸化水素と塩
基を含む処理水Wを水滴Dとして気液混合槽1内に噴出
するノズル2を備え、過酸化水素と塩基を含む処理水W
は、配管を通じてノズル2に供給される。
【0034】なお、オゾンO3は、気液混合槽1の底に
貯められた処理水Wを通し、バブリングによって気液混
合槽1内に供給される。
【0035】本発明において、気液混合槽1内に形成さ
れた高濃度オゾンの雰囲気AO3中にノズル2から処理
水Wを噴霧すると、O3とH22との反応によって、O
Hラジカル[・OH]が生成する。この条件が整ったとこ
ろで、被処理空気DArを気液混合槽1内へ導入する。
【0036】生成した[・OH]は、被処理空気DAr中
の有機物OMを酸化分解して有機酸OAを生成させ、有
機酸OAは水に溶解する。有機物OMは酸化分解の結
果、一部はCO2、H2Oにまで分解するものもあるが、
本発明においては有機物OMの全てを一挙にCO2にま
で分解反応を進行させることなく、反応をCH3COO-
のような有機酸OAの段階に留める点が最大の特徴であ
る。被処理空気DArは、過酸化水素(H22)と塩基
(OH)とを含む処理水Wの水滴Dで満たされたオゾン
雰囲気AO3で空気中に含まれた有機物OMが除去さ
れ、清浄空気CArとなって気液混合槽1内から外部に
送り出される。
【0037】図4は、酸化分解処理に、水分裂処理と、
気液分離処理とを併用して被処理空気DArの清浄化を
さらに積極的に行なう例である。水分裂処理は、過酸化
水素(H22)と塩基(OH)とを含む処理水Wにエネ
ルギーを付与して気液混合槽1内で微細水滴に分裂させ
る処理であり、気液分離処理は、水分裂処理後、微細水
滴を遠心力分離して空気中から微細水滴を除去し、被処
理空気DArを清浄空気CArにして外部に排出する処
理である。気液分離処理は、気液混合槽1内で行ない、
気液分離処理にはサイクロンセパレータ10を用いてい
る。なお、サイクロンセパレータ10から送出される清
浄空気CArを外部へ排出するに際しては、残留オゾン
分解装置13を通して外部へ排出すればより安全であ
る。
【0038】図4において、気液混合槽1内にはモータ
11にて回転駆動される回転羽根12が設置されてい
る。ノズル2から、過酸化水素(H22)と塩基(O
H)とを含む処理水Wを噴出し、また、気液混合槽1の
底に貯められた処理水Wを通し、バブリングによって、
3を気液混合槽1内に供給し、外部から導入した被処
理空気DArの酸化分解処理を行なう点は、図3の例と
同じであるが、図4においては、ノズル2から噴出され
た処理水Wは、回転羽根12に叩打されて微細水滴に分
裂し気液接触反応が促進される。
【0039】ついで微細水滴を含む空気は、気液混合槽
1からサイクロンセパレータ10に圧送され、空気流の
旋回によって生じた遠心力作用で空気中の水分が除去さ
れ、さらに、空気中にたとえオゾンが残留することがあ
っても残留オゾン分解装置13にて完全に除去され、オ
ゾンを含まない清浄空気CArとなって外部に排出され
る。排出された空気は、負イオンを多量に含む多湿の清
浄空気である。この実施形態において、水分裂処理には
回転羽根を用いて噴出された処理水に機械的エネルギー
を付与して微細水滴に分裂させる例を示したが、微細水
滴に分裂させる為に付与するエネルギーは、機械的エネ
ルギーに限らず電磁エネルギーであってもよい。
【0040】一方、反応に使用されなかった処理水中の
オゾンや過酸化水素水などの酸化剤は、活性炭を用いて
分解除去し、有機酸はイオン交換樹脂を用いて処理水W
中から除去することができる。本発明において、有機物
の全てが一挙にCO2になるまで分解を進行させること
なく反応を有機酸の段階に留めるのは、有機物の酸化分
解・除去効率を高めるためである。
【0041】すなわち、水中に溶け込ませたTOCを完
全にCO2とH2Oにまで分解させるには、多くのエネル
ギーが必要であるが、有機物の分解を有機酸までに止め
ることによって水中に溶け込ませることができ、水中の
有機酸はイオン交換樹脂に接触させることによって水中
から取り除くことができ、酸化分解処理とイオン交換処
理との2段階処理によって、有機物の分解に要するエネ
ルギーの消費を大幅に軽減できる。
【0042】図5に市水又は排水処理水を用いて空気中
に含まれた有機性ガスを処理する例を具体的に説明す
る。市水又は排水処理水Wは、タンク4からポンプ5で
汲み出され、配管3を通して気液混合槽1内に供給され
るが、その途中の配管3内に過酸化水素(H22)と、
塩基として例えば水酸化ナトリウム(NaOH)が添加
され、H22とNaOHとを含む処理水Wがノズル2か
ら気液混合槽1内に噴射され、水滴Dとなって、気液混
合槽1内に落下する。
【0043】一方、気液混合槽1内には、予め定量の処
理水Wが充填され、水中を通してオゾン(O3)がバブ
リングされ、気液混合槽1内は高濃度オゾン雰囲気AO
3が満たされている。
【0044】気液混合槽1内の高濃度オゾン雰囲気AO
3中に、被処理空気DArとして、有機性ガスを含んだ
空気を導入する。気液混合槽1内に導入された空気中の
有機性ガス(有機物)OMは、図3に示したようにO3
とH22との反応によって、生成した[・OH]に接触
し、有機物OMが酸化分解されて有機酸OAが生成さ
れ、生成した有機酸OAは、処理水W中に溶解し、気液
混合槽1の底に貯められ、有機物OMが除去された空気
は、清浄空気CArとして、気液混合槽1の外部に送出
される。
【0045】一方、気液混合槽1内に貯められた処理水
Wは、ポンプ6で吸引され、配管7を経由して接触分解
槽8内に送入され、接触分解槽8内に充填された活性炭
による接触分解反応によって、水中に残存する余剰のO
3とH22は分解され、水中に残る有機酸OAは中和さ
れ、さらに生物処理によって最終的にCO2とH2Oまで
分解されて放流される。
【0046】(実施例2)図6は、純水を処理水Wとし
て用い、空気中に含まれた有機性ガスを処理する例であ
る。この実施例においては、気液混合槽1に接続された
処理水供給用の配管3と処理水送出用の配管7とが循環
管路を形成し、気液混合槽1の送出側配管7にポンプ6
と、接触分解槽8と、イオン交換樹脂反応槽9とが順に
接続され、処理水供給用の配管3を通して、気液混合槽
1へ供給する処理水W中にH22とNaOHが添加され
る。
【0047】本実施例においても、実施例1と同様にH
22と塩基(たとえばNaOH)とを含む処理水Wがノ
ズル2から気液混合槽1内に噴射され、処理水Wは水滴
Dとなって気液混合槽1内に落下する。一方、気液混合
槽内には予め定量の水が充填され、水中を通してオゾン
(O3)がバブリングされる。オゾン(O3)は、気液混
合槽1内に吹込む被処理空気DAr内に添加してもよ
い。
【0048】気液混合槽1内に形成された高濃度オゾン
雰囲気AO3中に有機性ガスを含んだ被処理空気DAr
が導入されると、前実施例と同様に、被処理空気Ar中
の有機性ガス(有機物)OMは、[・OH]によって酸化
分解され、有機酸OAが生成され、生成した有機酸OA
は水中に溶解する。有機物OMが除去された空気は、清
浄空気CArとして、気液混合槽1の外部に送出され、
有機酸OAは、気液混合槽1内の処理水W中に貯められ
る。
【0049】この実施例においては、気液混合槽1内に
貯められた処理水Wは、ポンプ6で配管7内に吸引さ
れ、まず、接触分解槽8内に送り込まれ、水中に残存す
る余剰のO3とH22を分解した後に、処理水Wはイオ
ン交換樹脂反応槽9内に送り込まれる。
【0050】イオン交換反応槽9内では、槽内に充填さ
れたイオン交換樹脂と有機酸間でイオン交換が行われ、
有機酸イオンがイオン交換樹脂に捕捉され、有機酸から
分離したH+と、イオン交換樹脂から分離したOH-が結
合して水が生じ、処理水Wとともに配管3内に戻され、
再び気液混合槽1に供給されて循環を繰り返す。
【0051】この実施形態によれば、気液混合槽1内で
被処理空気DAr中に含まれる有機物OMを酸化分解さ
せて処理水W中に有機酸OAとして取込み、水中に取込
まれた有機酸OAは、イオン交換処理により水中から除
去して空気の清浄化に用いた処理水Wを繰り返し利用す
ることができる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明による空気の清浄化
方法によるときには、酸化分解処理として、オゾンガス
雰囲気内に過酸化水素を含む水滴に空気を接触させ、空
気中の有機物を主として有機酸に分解し、有機酸を水中
に溶解させて空気中から除去するため、空気中に不溶性
の有機物が含まれていても容易にこれを水中に溶解させ
て空気中から除去することができ、水中に取込んだ有機
物の分解に要するエネルギーの消費を大幅に軽減でき
る。また、酸化分解処理に水分裂処理と、気液分離処理
とを併用し、さらに被処理空気中の残留オゾンを除去す
ることによって、被処理空気をより清浄化して外部に送
出することができる。
【0053】また、酸化分解処理は、オゾンガス雰囲気
内に塩基を添加しつつ雰囲気を中性またはアルカリ性に
保持しつつ行なうことにより、円滑に進行させることが
できる。
【0054】また、酸化分解処理に用いられたオゾンや
過酸化水素は、酸化分解処理によって除去し、さらにイ
オン交換処理を施すことによって、純水に再生し、繰返
し酸化分解処理に用いることができる。
【0055】また、本発明による空気清浄化装置によれ
ば、外部から導入した空気を水滴に接触させて空気中に
含まれる有機物を有機酸として水中に取込ませる条件を
形成する気液混合槽を用いることによって実現でき、上
記条件は、オゾン雰囲気を形成する気液混合槽内に過酸
化水素と塩基を含む処理水を水滴として気液混合槽内に
噴出するノズルを用いて容易に実現できる効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化反応時間とTOC値との関係を示す図。
【図2】酸化分解処理と、イオン交換処理前後の水中に
おけるTOC値の変化を示す図。
【図3】本発明の基本的構成を示す図。
【図4】被処理空気を清浄化する具体的な一例を示す
図。
【図5】実施例1の構成を示す図。
【図6】実施例2の構成を示す図。
【符号の説明】
1 気液混合槽 2 ノズル 3,7 配管 4 タンク 5,6 ポンプ 8 接触分解槽 9 イオン交換樹脂反応槽 10 サイクロンセパレータ 11 モータ 12 回転羽根 13 残留オゾン分解装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳 基典 神奈川県厚木市岡田二丁目9番8号 野村 マイクロ・サイエンス株式会社内 (72)発明者 小島 泉里 神奈川県厚木市岡田二丁目9番8号 野村 マイクロ・サイエンス株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA40 AB03 BA02 CA01 CA13 DA35 DA51 DA52 EA03 GA03 GB09 4D020 AA08 BA01 BA08 BA23 BA30 BB03 CB25 CB35 CC21 CD01 CD10 DA01 DB08 4D032 AC01 AC07 BA03 BA05 BA06 BB18 BB19 CA01 CA10 DA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化分解処理を有する空気の清浄化方法
    であって、酸化分解処理は、オゾンガス雰囲気内で過酸
    化水素を含む水滴に被処理空気を接触させ、被処理空気
    中の有機物を主として有機酸に分解し、生成した有機酸
    を水中に溶解させて被処理空気中から除去する処理であ
    ることを特徴とする空気の清浄化方法。
  2. 【請求項2】 酸化分解処理は、オゾンガス雰囲気内に
    塩基を添加しつつ雰囲気を中性またはアルカリ性領域に
    保持しつつ行なう処理であることを特徴とする請求項1
    に記載の空気の清浄化方法。
  3. 【請求項3】 酸化分解処理は、水滴内に含む過酸化水
    素をオゾンガス雰囲気に接触させてOHラジカルを生成
    させ、生成したOHラジカルを空気中の有機物に作用さ
    せて酸化分解させる処理であることを特徴とする請求項
    1に記載の空気の清浄化方法。
  4. 【請求項4】 酸化分解処理に水分裂処理と、気液分離
    処理とを併用して被処理空気の清浄化を行なう空気の清
    浄化方法であって、水分裂処理は、過酸化水素と、塩基
    とを含む処理水を水滴に分裂させる処理であり、気液分
    離処理は、水分裂処理によって発生した水滴を分離して
    空気中から除去し、被処理空気を清浄化して外部に排出
    する処理であることを特徴とする請求項1に記載の空気
    の清浄化方法。
  5. 【請求項5】 酸化分解処理は、生成したOHラジカル
    を空気中の有機物に作用させ、有機物の大部分を有機酸
    に分解して水中に溶解させる手段を有することを特徴と
    する請求項3に記載の空気の清浄化方法。
  6. 【請求項6】 気液混合槽を有する空気清浄化装置であ
    って、気液混合槽は、過酸化水素と塩基とを含む水滴で
    満たされたオゾン雰囲気を形成し、外部から導入した空
    気を水滴に接触させて空気中に含まれる有機物を有機酸
    として水中に取込ませる条件を形成するものであること
    を特徴とする空気清浄化装置。
  7. 【請求項7】 気液混合槽はノズルを有し、ノズルはオ
    ゾン雰囲気を形成する気液混合槽内に過酸化水素と塩基
    を含む処理水を水滴として気液混合槽内に噴出するもの
    であることを特徴とする請求項6に記載の空気清浄化装
    置。
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