JPWO2007123198A1 - 基板処理装置及び基板製造方法 - Google Patents

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Abstract

工程管理が容易で、構造をシンプルにすることができる基板処理装置(1)及び基板製造方法を提供する。基板(W)を処理液(F)に浸漬するように処理槽(2)に収容し、処理槽(2)内から吸入した処理液(F)を、ヒータ(6)で55℃まで加熱し、さらに、オゾンガスを混入してオゾンバブル処理液(FB)を生成し、このオゾンバブル処理液(FB)を、オゾンバブルジェット噴射部(9)で噴射することにより高速の水流の状態で、被膜(Wa)(被処理物)に供給した。

Description

本発明は、基板の表面のレジスト等の被処理物を除去する基板処理装置及び基板製造方法に関するものである。
従来、半導体基板等の表面に付着したレジスト等を除去する方法として、気体と温水との界面にオゾンガスを供給し、この界面に基板を繰り返し通過させる方法があった。
例えば、特許文献1には、基板の被処理面に上方からオゾンガスを噴射し、下方からバブリングによりオゾンガスを供給しつつ、基板の被処理面を気体と温水との界面に通過させる方法が開示されている。この方法では、噴射及びバブリングされたオゾンガスと、界面から蒸発した水蒸気とを、界面直上部で混ざり合わせ、液滴として基板表面に付着させ、このとき生成された高濃度の水酸基(ラジカル)により、基板表面のレジストを分解させている。
しかし、この方法は、基板を界面に何度も通過させるために、基板を上下移動させたり、温水の処理槽への給排水を繰り返す必要があるので、工程管理が煩雑となり、また、装置が複雑になるという問題があった。
特開2004−266000号公報
本発明の課題は、工程管理が容易で、構造をシンプルにすることができる基板処理装置及び基板製造方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、基板(W)の表面の被処理物(Wa)と前記処理液(F)とを接触させる処理部(2,30)と、前記処理液(F)を20℃以上に加熱する処理液加熱部(6)と、前記処理液加熱部(6)が加熱した前記処理液(F)に、オゾンガスを混入させてオゾンバブル処理液(FB)を生成するオゾンガス混入部(8)と、前記処理液(F)の状態で、毎分、前記処理部(2,30,30a)の容量の20%以上の供給量又は循環量に相当する前記オゾンバブル処理液(FB)を、前記処理部(2,30)内に噴出し、前記オゾンバブル処理液(FB)を水流にして、前記被処理物に供給するオゾンバブルジェット噴射部(9,221〜225,319)と、を備える基板処理装置である。
第2の発明は、第1の発明の基板処理装置において、前記オゾンバブルジェット噴射部(9,221〜225,319)は、前記オゾンガスの気泡が、0.1mm以上10mm以下になるように、前記オゾンバブル処理液(FB)を噴射すること、を特徴とする基板処理装置である。
第3の発明は、第1の発明の基板処理装置において、前記処理液(F)は、純水であること、を特徴とする基板処理装置である。
第4の発明は、第1の発明の基板処理装置において、前記オゾンバブルジェット噴射部(9,221〜225,319)は、前記処理部の容量の40%以上の供給量又は循環量に相当する前記オゾンバブル処理液(FB)を、前記処理部内(2,30)に噴出すること、を特徴とする基板処理装置である。
第5の発明は、第1の発明の基板処理装置において、前記処理部に、二酸化炭素ガスを供給する二酸化炭素ガス供給部(430,431)を備えること、を特徴とする基板処理装置である。
第6の発明は、基板(W)の表面の被処理物(Wa)と処理部(2,30)の前記処理液(FB)とを接触させる処理液接触工程と、前記処理液(F)を20℃以上に加熱する処理液加熱工程と、前記処理液加熱工程で加熱された前記処理液(F)に、オゾンガスを混入させてオゾンバブル処理液(F)を生成するオゾンガス混入工程と、前記処理液(F)の状態で、毎分、前記処理部(2,30,30a)の容量の20%以上の供給量又は循環量に相当する前記オゾンバブル処理液(FB)を、前記処理部(2,30)内に噴出し、前記オゾンバブル処理液(FB)を水流の状態で、前記被処理物(Wa)に供給するオゾンバブルジェット噴射工程と、を備える基板製造方法である。
第7の発明は、第6の発明の基板製造方法において、前記処理部(2,30)に、二酸化炭素ガスを供給する二酸化炭素ガス供給工程を備えること、を特徴とする基板製造方法である。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、オゾンバブル処理液を、水流にして被処理物に供給し、被処理物を酸化反応させて溶解、除去するため、基板を処理液中に浸漬させた状態のまま、被処理物を除去することができる。これにより、工程管理が容易にでき、その上、装置の構造をシンプルにすることができる。
(2)本発明は、オゾンガスの気泡(オゾンバブル)が直径0.1mm以上10mm以下になるように、オゾンバブル処理液を噴射するため、オゾンバブル処理液と被処理物とを効率よく反応させることができる。すなわち、オゾンバブルを直径0.1mm以上10mm以下にすることにより、微細なオゾンバブル(マイクロバブル)が処理槽内に停滞したり、大きなオゾンバブルが被処理物と反応せずに液面へと上昇することがない。
(3)本発明は、処理液が、純水であり無害であるので、環境に負荷をかけることなく、廃液処理することができ、また、処理コストを抑えることができる。
(4)本発明は、処理部に二酸化炭素ガスを供給するため、処理液のオゾン濃度を向上させることができるので、被処理物の除去時間をより短縮することができる。
本発明による基板処理装置の実施例1の断面図である。 比較例である基板処理装置を示す断面図である。 実施例1の基板処理装置及び比較例の基板処理装置のレジスト除去時間を示す表である。 実施例1の基板処理装置のオゾンバブル処理液の温度を変更した場合のレジスト除去時間を示す表である。 本発明による基板処理装置の実施例2の断面図及びオゾンバブルジェット噴射部の一部拡大図である。 本発明による基板処理装置の実施例3の断面図である。 本発明による基板処理装置の実施例4の断面図である。 実施例4の基板処理装置おいて、処理液の温度を14℃から30℃まで変化させた場合のレジストの除去時間を示す表である。 実施例4の基板処理装置おいて、処理液の温度を14℃から30℃まで変化させた場合のレジストの除去時間を示すグラフである。
符号の説明
1,100,200,300,400 基板処理装置
2 処理槽
3 カセット
4 フィルタ
5 ポンプ
6,106 ヒータ
7 オゾンガス生成装置
8 エジェクタ
9,221〜225 オゾンバブルジェット噴射部
11 回収管
16 接続管
221a,319a 噴射孔
319 オゾンバブルジェット噴出管
319a 噴射孔
430 二酸化炭素ガス供給装置
431 二酸化炭素ガス送出管
F 処理液
FB オゾンバブル処理液
W 基板
Wa 被膜
発明を実施するための形態
本発明は、工程管理が容易で、構造をシンプルにすることができる基板処理装置及び基板製造方法を提供するという目的を、基板を処理液に浸漬するように処理槽に収容し、処理槽内から吸入した処理液を、ヒータで加熱し、さらに、オゾンガスを混入してオゾンバブル処理液を生成し、このオゾンバブル処理液を、オゾンバブルジェット噴射部で噴射することにより高速の水流の状態で、被膜(被処理物)に供給することにより実現した。
次に、図面等を参照しながら、本発明を適用した基板処理装置の実施例1を説明する。
図1は、本実施例の基板処理装置1の断面図である。
本実施例の基板処理装置1は、オゾンガスと処理液Fとの混合液であるオゾンバブル処理液FBを用いて、処理槽2に収容した5枚の基板Wの片側表面に形成された被膜Wa(被処理物)を分解、除去するための装置である。
基板Wは、半導体素子の製造に用いられる直径が、例えば、6インチ(約150mm)程度のシリコンウエハであり、被膜Waは、有機物等を含有するフォトレジスト等(高ドーズのドーピングにより表面が変質したレジストを含む。)である。
なお、基板Wは、シリコンウエハに限定されず、例えば、液晶表示素子用ガラス基板、電気基板用のガラスエポキシ基板等であってもよく、この場合、被膜Waは、表面に付着した有機物等である。
図1に示すように、基板処理装置1は、処理槽2と、カセット3と、フィルタ4と、ポンプ5と、ヒータ6(処理液加熱部)と、オゾンガス生成装置7と、エジェクタ8(オゾンガス混入部)と、オゾンバブルジェット噴射部9と、分配プレート10とを備えている。また、処理槽2内の処理液Fを回収しフィルタ4まで送出する回収管11と、フィルタ4とポンプ5とを接続する接続管12と、ポンプ5とヒータ6とを接続する接続管13と、ヒータ6とエジェクタ8とを接続する接続管14と、オゾンガス生成装置7とエジェクタ8とを接続する接続管15と、エジェクタ8とオゾンバブルジェット噴射部9とを接続する接続管16とを備えている。
処理槽2は、5枚の基板Wを、処理液Fに浸漬するように収容するための容器である。処理槽2は、容量が、例えば、35L程度であり、処理中に、基板Wが常に浸漬するように、処理液Fが満たされている。なお、本実施例では、処理液Fとして、純水を用いている。処理槽2は、被膜Waを除去するために、被膜Waと処理液Fとを接触させた状態で基板Wを収容する。
図1に示す2点鎖線30内の領域は、5枚の基板Wの被膜Waが有効に処理される処理部であり、また、ハッチングで示された領域30aは、1枚の基板Wの被膜Waが有効に処理される処理部である。なお、本発明でいう処理部とは、被膜Waと処理液Fとが接触し、有効に処理が行われる領域をいう。従って、処理槽2内部の全体で、基板Wの被膜Waが有効に処理される場合は、処理槽2内部の全体が処理部である。
カセット3は、5枚の基板Wを処理槽2に保持するための部材である。カセット3は、被膜Waの表面が鉛直方向(矢印Z方向)と平行になるように、基板Wを並べて保持している。
フィルタ4は、後述するように、処理液Fに含まれ、処理工程において剥離して断片化した被膜Waを、ろ過するための部材である。
ポンプ5は、処理槽2内の処理液Fを回収管11から吸入し、オゾンバブル処理液FBをオゾンバブルジェット噴射部9から噴射するための圧力を供給する部材である。
ヒータ6は、ポンプ5から接続管13を通ってきた処理液Fを加熱するための加熱装置である。ヒータ6は、オゾンバブルジェット噴射部9から噴出され、被膜Waに達したときに、オゾンバブル処理液FBが30℃以上85℃以下になるように、処理液Fを加熱する(なお、本実施例では、例えば、55℃に加熱した。)。本実施例の処理液Fは、純水なので、加熱され温水となる。処理液FBをこの温度域に過熱する理由は、85℃よりも高い温度域であると処理液F中に気泡が発生してしまうためである。なお、30℃未満の反応プロセスについては、実施例4で説明する。
オゾンガス生成装置7は、処理液Fに混合するオゾンガスを生成するための装置である。オゾンガス生成装置7は、例えば、濃度165g/Nm程度のオゾンガスを生成する。
エジェクタ8は、ヒータ6が加熱した処理液Fに、オゾンガス生成装置7が生成したオゾンガスを混入し、オゾンバブル処理液FBを生成するための部材である。エジェクタ8は、例えば、15L/minの処理液Fに対して、4.5L/minのオゾンガスを混入する。エジェクタ8は、オゾンバブルジェット噴射部9がオゾンバブル処理液FBを噴出したときに、オゾンバブル(オゾンガスの気泡)の直径が0.1mm以上10mm以下になるように、オゾンバブル処理液FBを生成する。
オゾンバブルジェット噴射部9は、エジェクタ8によって生成されたオゾンバブル処理液FBを、処理槽2内に噴出するための部材である。オゾンバブルジェット噴射部9は、分配プレート10の下面に沿って、オゾンバブル処理液FBを噴射できるように、噴射口9aが水平方向(矢印H方向)を向くように、処理槽2内に配置されている。
本実施例では、オゾンバブルジェット噴射部9は、容量35Lの処理槽2に対して、処理液Fの状態で、15L/min(すなわち、処理槽2の容量の約43%の循環量)のオゾンバブル処理液FBを噴射する。これにより、オゾンバブル処理液FBは、高速の水流となり、基板Wの表面の被膜Waに供給される。
分配プレート10は、オゾンバブルジェット噴射部9から噴出されたオゾンバブル処理液FBを、複数の基板Wの間のスペースに均一に導くための部材である。分配プレート10は、基板Wの下側の範囲に、表面が水平方向になるように配置され、一定量のオゾンバブル処理液FBを通過させるためのスリットが設けられている。
以上説明した構成の基板処理装置1の動作について説明する。
最初に、5枚の基板Wが、処理液Fに浸漬するように、処理槽2に収容される(処理液接触工程)。処理槽2内の処理液Fは、ポンプ5の圧力により、回収管11から吸入され、フィルタ4、接続管12、ポンプ5、接続管13を通って、ヒータ6で所定温度(すなわち、被膜Waに達したときに、55℃となる温度)まで加熱され(処理液加熱工程)、接続管14を経てエジェクタ8まで到達する。エジェクタ8は、加熱された処理液F(温水)に、オゾンガス生成装置7で生成されたオゾンガスを混入し、オゾンバブル処理液FBを生成する(オゾンガス混入工程)。オゾンバブル処理液FBは、接続管16を通って、オゾンバブルジェット噴射部9まで送出され、オゾンバブルジェット噴射部9により噴出される(オゾンバブルジェット噴射工程)。
噴出されたオゾンバブル処理液FBは、分配プレート10によって基板Wの間のスペースに導かれ、その後、被膜Waの表面が鉛直方向に平行に向いているため停滞することなく上昇し、高速の水流の状態で被膜Waに供給される。これにより、被膜Waは、オゾンバブル処理液FBの酸化作用により、溶解、除去される。
ここで、本実施例の基板処理装置1が、被膜Waを除去するプロセスについて説明する。
オゾンバブル処理液FBは、オゾンガスが溶解したオゾン水となっており、その親水機能により、被膜Waの表面にオゾン水膜を形成すると考えられる。オゾンバブル処理液FBには、高濃度(濃度165g/Nm)のオゾンバブルが含まれており、このオゾンバブルがオゾン水膜に供給されることにより、被膜Waの表面に、強力な酸化作用を有するOHラジカルが形成される。そして、被膜Waは、OHラジカルによる酸化分解により低分子化され、オゾンバブル処理液FBに急速に溶解、除去され洗い流されると考えられる。オゾンバブル処理液FBは、高速の水流となっているので、被膜Waの表面を剥離し、常に新しい被膜Waの表面を露出させることができ、また、55℃に加熱されているので、これらのプロセスを加速させ、被膜Waの除去速度を向上することができる。
なお、オゾンバブル処理液FBは、オゾンバブルの直径が0.1mm以上10mm以下であるので、処理槽2内を適度な流速で流れ、被膜Waと効率よく反応することができる。すなわち、オゾンバブルが微細(マイクロバブル)であると、被膜Waと反応せずに処理液中に停滞してしまうし、一方、オゾンバブルが大きすぎると、被膜Waと反応せずに液面へと上昇してしまうが、基板処理装置1によるオゾンバブル処理液FBは、被膜Waと適切に反応することができる。
基板Wの間を上昇したオゾンバブル処理液FBは、オゾンバブルが液面から気中に開放され、オゾンバブルを含まない処理液Fとなり、回収管11から吸入される。そして、回収された処理液Fは、加熱処理、オゾンガスの混入処理がされ、再び、オゾンバブル処理液FBが生成される。気中に開放されたオゾンバブルは、回収装置(図示せず)により回収され、酸素に分解された後、大気中に排出される。
以上のように、基板処理装置1は、処理液Fを循環利用することにより、処理液Fの消費量を削減し、基板Wの製造コストを抑えることができる。また、処理液Fとして用いる純水は、通常、基板製造の他の工程でも使用するので、基板処理装置1で使用するために、特別に用意する必要がなく、利便性がよい。さらに、純水は、無害であるので、基板処理装置1は、環境に負荷をかけることなく、廃液処理することができるとともに、処理コストを抑えることができる。
なお、処理液Fを循環する工程で、断片状に剥離し、オゾンバブル処理液FBに洗い流された被膜Waは、フィルタ4によって捕集される。
以上説明したように、本実施例の基板処理装置1は、オゾンバブル処理液FBを高速の水流の状態で、被膜Wa(被処理物)に供給することにより、被膜Waの除去速度を向上することができる。
また、基板処理装置1が処理液Fとして用いる純水は、無害であるので、環境に負荷をかけることなく、廃液処理することができると同時に、処理コストを抑えることができる。
さらに、基板処理装置1は、処理液Fの界面に基板Wを通過させずに、つまり、基板Wを処理液Fに浸漬させた状態で、被膜Waを除去することができる。このため、基板処理装置1は、基板の昇降機構が不要であり、あるいは、処理液の供給工程と排水工程との繰り返しが不要なので、シンプルな構成にすることができ、かつ、工程管理を容易に行うことができる。
次に、基板処理装置1の被膜Waの除去時間に関する測定結果について説明する。
図2は、本実施例の基板処理装置1の比較例である基板処理装置100の断面図である。なお、基板処理装置100のうち、基板処理装置1と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図2に示すように、基板処理装置100は、処理槽2の基板Wよりも下側の範囲に、噴出管119が設けられている。噴出管119には、複数の噴出孔119aが設けられており、ここからオゾンガスのみが自然噴出する(すなわち、処理液Fは噴出しない。)。基板処理装置100による試験条件は、オゾンガスの噴出量15L/min、処理液Fの温度を55℃(処理槽2内でヒータ106により加熱)とし、処理液Fを循環せずに使用した。すなわち、基板処理装置1と基板処理装置100とでは、オゾンガスの噴出量、処理液Fの温度が同様であり、処理液Fを循環せずに用いることが異なる。
図3は、前述した条件において、本実施例の基板処理装置1及び比較例の基板処理装置100の厚み1μmのノボラック系レジスト(被膜Wa)の除去時間を示す表である。
図3に示すように、レジストの除去時間は、基板処理装置1では、20分であるのに対して、基板処理装置100では、60分であった。
これにより、オゾンガスのみを噴出するだけでは、レジストの除去がほとんど進行せず、オゾンバブル処理液FBを、高速の水流の状態で、被膜Waの表面に供給することの効果が確認できた。
なお、基板処理装置1において、オゾンガス供給量、オゾンガス濃度、処理液Fの温度を前述の条件とし、1分間に処理槽2の容量の100%の処理液Fを循環させた場合、レジストの除去時間は、10%程度しか短縮されなかった。すなわち、本実施例の基板処理装置1の形態では、1分間に処理槽2の容量の43%程度の処理液Fの循環量で、レジストの処理時間がほぼ上限のレベルになると考えられる。また、その半分以下である、20%よりも少ない循環量では、ほとんど効果がないものと考えられる。
次に、基板処理装置1において、前述した条件の他、オゾンバブル処理液FBの温度を、30℃及び75℃に変更してレジストの除去時間を測定した。
図4は、本実施例の基板処理装置1において、オゾンバブル処理液FBの温度を、30℃、55℃、75℃とした場合のレジストの除去時間を比較して示す表である。
図4に示すように、レジストの除去時間は、55℃で20分、75℃で15分であり、基板処理工程において、十分に実用的な処理時間であった。また、30℃で50分であったが、廃液による環境負荷、廃液の処理コスト面では、従来の処理方法(例えば、硫酸中にオゾンガスをバブリングする処理方法等)に対して、優位性を有する。
次に、本発明を適用した基板処理装置の実施例2について説明する。
本実施例の基板処理装置200は、オゾンバブル処理液FBを、基板Wの表面の被膜Waに対して、垂直に衝突させるようにした装置である。
図5は、本実施例の基板処理装置200を示す図であり、図5(a)は、装置全体の断面図、図5(b)は、オゾンバブルジェット噴射部221の一部拡大図(図5(a)に示す2点差線B内)である。
図5(a)に示すように、基板処理装置200は、エジェクタ8に接続される接続管216と、接続管216に接続されたオゾンバブルジェット噴射部221〜225等とを備えている。
接続管216は、接続管16よりも全長が長く、基板Wの下側の範囲にまで、延設されている。
オゾンバブルジェット噴射部221〜225は、図5(b)に示すように、基板Wの被膜Waに向けて複数の噴射孔221aを備えている。オゾンバブル処理液FBの循環量は、実施例1と同様である。
以上のような構成によっても、基板処理装置200は、オゾンバブル処理液FBによる酸化作用を利用して、基板Wの表面の被膜Waを、除去することができる。基板処理装置200は、オゾンバブル処理液FBを、被膜Waの表面に沿って流すのではなく、被膜Waの表面に対して垂直に噴出して衝突させることにより、被膜Waの除去速度を向上することができる。これは、より多くの量のオゾンバブル処理液FBと被膜Waとが接触することにより、つまり、オゾンガス及び処理液Fと被膜Waとが衝突し反応する頻度が多くなることにより、被膜Waの酸化反応が促進されるためであると考えられる。例えば、厚さ1μmのレジストであれば、約5分で、除去できることが確認済みである。
なお、従来のウェットプロセスによるレジスト除去時間は、硫酸と過酸化水素水とを用いた方法が約3分、硫酸とオゾンガスとを用いた方法が約10分であり、これらの方法と比較しても、基板処理装置200による方法は、十分な性能を備えているといえる。また、これら従来の方法は、処理液として硫酸を用いるため、廃液にともなう処理コスト及び環境への負荷、安全性等が従来から問題になってきた。対して、基板処理装置200による方法は、処理液として純水を用いるため、これらの問題が生じず、これらの方法に対して優位性を有する。
さらに、基板処理装置200は、オゾンバブル処理液FBを、被膜Waの表面に均一に衝突させることにより、被膜Waの除去速度の面内均一性を向上することができる。
以上説明したように、基板処理装置200は、被膜Waの除去速度を向上することができ、また、被膜Waの除去速度の面内均一性を向上することができる。
次に、本発明を適用した基板処理装置の実施例3について説明する。
図6は、本実施例の基板処理装置300を示す図である。
図6に示すように、基板処理装置300は、接続管16と、基板Wよりも下側の範囲に延在するオゾンバブルジェット噴射管319(オゾンバブルジェット噴射部)とが接続されている。オゾンバブルジェット噴射管319には、基板Wの間のスペースに対応して複数の噴出孔319aが設けられており、これらから被膜Waに向けてオゾンバブル処理液FBが噴出される。
以上のような構成によっても、本実施例の基板処理装置300は、オゾンバブル処理液FBを被膜Wa(被処理物)に供給し、実施例1と同様に、被膜Waを除去することができる。
次に、本発明を適用した基板処理装置の実施例4について説明する。
本実施例の基板処理装置400は、実施例3の基板処理装置300に、二酸化炭素ガス供給部を設け、基板Wの被膜Waが有効に処理される処理部に二酸化炭素ガスを供給する(二酸化炭素ガス供給工程)ようにしたものである。
図7は、本発明による実施例4の基板処理装置400の断面図である。
基板処理装置400は、二酸化炭素ガス供給装置430と、二酸化炭素ガス供給装置430に接続された二酸化炭素ガス送出管431とからなる二酸化炭素ガス供給部を備えている。二酸化炭素ガス送出管431は、放出孔431aが処理槽2内の下部に配置さている。これにより、放出孔431aから処理槽2の処理液Fに放出された二酸化炭素ガスは、処理槽2内を上昇しながら処理液Fに溶解され、処理槽2内の処理液Fの二酸化炭素濃度が向上する。
二酸化炭素の濃度が向上すると、オゾンが処理槽2内の処理液F内で分解して酸素に還元する割合が減少し、処理液Fのオゾン水濃度を高濃度に維持することができる。これにより、基板処理装置400は、後述する測定結果に示すように、レジストの除去速度を向上することができる。
次に、基板処理装置400の被膜Waの除去時間に関する測定結果について説明する。
図8は、実施例4の基板処理装置400において、処理液Fの温度を14℃から30℃まで変化させた場合のレジストの除去時間を示す表である。
図9は、実施例4の基板処理装置400において、処理液Fの温度を14℃から30℃まで変化させた場合のノボラック系レジスト(被膜Wa)の除去時間を示すグラフである。
なお、本実施例においては、カセット3に25枚の基板Wを収容して実験を行った。
図8、図9に示すように、この測定結果から、処理液Fの温度が20℃〜30℃の範囲において、レジストの除去時間は、24℃〜26℃の範囲を最短(20分)として、温度が高く及び低くなるに従って、段々と長くなる。20℃では40分、30℃では30分である。
また、本実施例の基板処理装置400において、上記実験と同一の条件であって、二酸化炭素ガスを処理槽2の処理液Fに放出しない場合(測定結果の図示は省略する。)、レジストの除去時間は、二酸化炭素ガスを放出した場合(図8、図9に示す測定結果)よりも、5分程度長くなることを実験により確認済みである。
以上説明したように、実施例4では、処理部に二酸化炭素ガスを供給することにより、ノボラック系レジスト(被膜Wa)の処理時間が短縮されることが確認できた。
また、この測定結果から、処理液Fが30℃よりも低温の温度域でも、レジストは、分解、除去が可能であることを確認できる。
すなわち、前述したように、二酸化炭素ガスを放出しない場合、レジストの除去時間は、二酸化炭素ガスを放出した場合よりも5分程度長くなる。つまり、レジストの除去時間は、処理液Fが30℃の場合35分程度であり、処理液Fが20℃の場合45分程度である。
レジストの除去時間が35分程度であることは、実施例1において説明したように、基板処理工程において、十分に実用的な処理時間である。また、レジストの除去時間が45分程度であることは、環境負荷、処理コスト面では、従来の処理方法(例えば、硫酸中にオゾンガスをバブリングする処理方法等)に対して、優位性を有する。
レジストの除去時間が処理液Fの温度20℃〜30℃の範囲において、24℃〜26℃の範囲が最短(20分)となる理由は、以下の2つが考えられる。
(1)処理液Fの温度を30℃よりも温度を低くするに従って、処理液F及びオゾンバブル処理液FB内でのオゾンの分解が抑制されたためである。図8に示すように、オゾンバブル処理液FBのオゾン水の濃度は、処理液Fの温度が低くなるに従って高くなっている。
(2)一方、20℃よりも低い温度域では、オゾンバブル処理液FBの温度低下から、OHラジカルによる酸化分解反応の速度が低下するため、レジストの除去の進行が遅滞するためと考えられる。
つまり、オゾンバブル処理液FBが24℃〜26℃の範囲に、レジストのオゾンバブル処理液FBのオゾンの濃度と、OHラジカルによる酸化分解反応とのバランスが適切になり、レジストの除去の効率が向上したと考えられる。
以上説明したように、実施例4では、処理液Fの温度を20℃〜30℃の範囲において、処理部に二酸化炭素ガスを供給しなくても、レジスト(被膜Wa)の除去時間を短縮できることを確認できた。また、処理部に二酸化炭素ガスを供給することにより、処理時間をさらに短縮できることが確認できた。
なお、処理液Fの温度が30℃の場合のレジストの除去時間は、実施例1では50分であり(図4参照)、本実施例では35(=30+5)分程度であり、本実施例の方が除去時間が短い。その理由は、本実施例では、噴出孔319aが基板Wの間のスペースに対応して配置されているので、オゾンバブル処理液Fが効率よくレジストの表面を通過することができたためであると考えられる。
以上のような構成によっても、本実施例の基板処理装置300は、オゾンバブル処理液FBを被膜Wa(被処理物)に供給し、実施例1と同様に、被膜Waを除去することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施例に限るものではない。また、実施例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施例に記載されたものに限定されるものではない。なお、以上説明した実施例及び後述する変形例は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形例)
各実施例において、基板処理装置は、処理液を循環させて利用した例を示したが、これに限定されない。例えば、処理槽内の処理液を排出し、これと同量のオゾンバブル処理液を処理槽内に供給してもよい。

Claims (7)

  1. 基板の表面の被処理物と処理液とを接触させる処理部と、
    前記処理液を20℃以上に加熱する処理液加熱部と、
    前記処理液加熱部が加熱した前記処理液に、オゾンガスを混入させてオゾンバブル処理液を生成するオゾンガス混入部と、
    前記処理液の状態で、毎分、前記処理部の容量の20%以上の供給量又は循環量に相当する前記オゾンバブル処理液を、前記処理部内に噴出し、前記オゾンバブル処理液を水流にして、前記被処理物に供給するオゾンバブルジェット噴射部と、
    を備える基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記オゾンバブルジェット噴射部は、前記オゾンガスの気泡の直径が0.1mm以上10mm以下になるように、前記オゾンバブル処理液を噴射すること、
    を特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記処理液は、純水であること、
    を特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記オゾンバブルジェット噴射部は、前記処理部の容量の40%以上の供給量又は循環量に相当する前記オゾンバブル処理液を、前記処理部内に噴出すること、
    を特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記処理部に、二酸化炭素ガスを供給する二酸化炭素ガス供給部を備えること、
    を特徴とする基板処理装置。
  6. 基板の表面の被処理物と処理部の処理液とを接触させる処理液接触工程と、
    前記処理液を20℃以上に加熱する処理液加熱工程と、
    前記処理液加熱工程で加熱された前記処理液に、オゾンガスを混入させてオゾンバブル処理液を生成するオゾンガス混入工程と、
    前記処理液の状態で、毎分、前記処理部の容量の20%以上の供給量又は循環量に相当する前記オゾンバブル処理液を、前記処理部内に噴出し、前記オゾンバブル処理液を水流にして、前記被処理物に供給するオゾンバブルジェット噴射工程と、
    を備える基板製造方法。
  7. 請求項6に記載の基板製造方法において、
    前記処理部に、二酸化炭素ガスを供給する二酸化炭素ガス供給工程を備えること、
    を特徴とする基板製造方法。
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