JP2002125930A - 内視鏡用処置具の製造方法および内視鏡用処置具 - Google Patents

内視鏡用処置具の製造方法および内視鏡用処置具

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JP2002125930A
JP2002125930A JP2000329039A JP2000329039A JP2002125930A JP 2002125930 A JP2002125930 A JP 2002125930A JP 2000329039 A JP2000329039 A JP 2000329039A JP 2000329039 A JP2000329039 A JP 2000329039A JP 2002125930 A JP2002125930 A JP 2002125930A
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一 吉野
Kikuo Iwasaka
喜久男 岩坂
Shinichi Matsuno
真一 松野
Yoshihiro Obata
佳寛 小幡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば細胞診ブラシのようにワイヤとワイヤ
先端に形成された処置部から構成され、内視鏡の処置具
挿通チャンネルに挿通されて前記内視鏡の処置具操作側
より前記ワイヤを進退させて処置を行う内視鏡用処置具
の製造方法および内視鏡用処置具であって、前記ワイヤ
を弾性的に補強して前記ワイヤの折れを防止するコイル
が、前記内視鏡の処置具操作側の先端部に形成された前
記ワイヤとの接合部で折れるおそれの無い内視鏡用処置
具を、より高い作業効率で製造することが可能な内視鏡
用処置具の製造方法および、この製造方法を用いて製造
された内視鏡用処置具を提供することである。 【解決手段】 前記コイルの処置具操作側先端部と前記
ワイヤの処置具操作側先端部とを加熱溶融後冷却して接
合することによって、上記課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば細胞診ブラシ
のようにワイヤとワイヤ先端に形成された処置部から構
成され、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通されて前
記内視鏡の処置具操作側より前記ワイヤを進退させて処
置を行う、内視鏡用処置具の製造方法および、この製造
方法を用いて製造された内視鏡用処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、内視鏡は診断のみにとどまらず、
様々な治療にも利用されている。このような内視鏡を用
いた治療においては、内視鏡の処置具挿通チャンネルに
挿通される内視鏡用処置具が用いられている。内視鏡処
置具の多くは、ワイヤとワイヤの一端に形成された処置
部から構成されており、前記処置部を内視鏡の先端から
突出させた状態で、前記ワイヤを進退させて前記処置部
を操作し、様々な処置を行うことができる。
【0003】このような内視鏡用処置具としては、体腔
内の組織を採集するために用いられる細胞診ブラシがあ
る。従来の細胞診ブラシの一例を図5および図6に示
す。図5に示すように、細胞診ブラシ11は内視鏡10
0の処置具挿通チャンネル101に挿通される処置具で
あり、前記処置具挿通チャンネルに進退自在に挿通され
るワイヤ12と、ワイヤ12の先端(図中左側)に固定
されるナイロン等の合成繊維製のブラシ部14(処置
部)とを有している。すなわち内視鏡が体腔内に挿置さ
れている状態で内視鏡100の処置具挿通口102にブ
ラシ部14を先頭に細胞診ブラシ11を挿入し、内視鏡
100の先端出口103よりブラシ部14を露出させて
ブラシ部14と前記体腔の内壁とを擦り合わせることに
より、体腔内の組織をブラシ部14に付着させることが
できる。ここで、細胞診ブラシ11を処置具挿通チャン
ネル101に挿置したまま内視鏡100を体腔より引き
抜き、内視鏡100の先端からブラシ部14を先頭に細
胞診ブラシ11を引き出し(すなわち、ブラシ部14は
処置具挿通チャンネル101内を通らずに細胞診ブラシ
11を引き出す)、ブラシ部14に付着した組織を採集
することができる。
【0004】ここで、ワイヤ12を弾性的に補強してス
ムーズに処置具挿通チャンネル101に挿通させるため
に、ブラシ部14の処置具操作側端面より処置具操作側
のワイヤ12はコイル13に覆われている。すなわち、
コイル13はその両端がワイヤ12に接合されている。
【0005】ここで、細胞診ブラシ11は内視鏡100
の先端からブラシ部14を先頭にして内視鏡100の先
端から引き出されるので、ワイヤ12およびコイル13
の処置具操作側先端は処置具挿通チャンネル101を通
過できる程度の太さとなっている。従来の細胞診ブラシ
においては、例えば図5に示すように、細胞診ブラシ1
1の処置具操作側でワイヤ12とコイル13の先端を揃
えた上で、はんだ付けによってコイル13の処置具先端
側の先端部をワイヤ12に接合している。
【0006】しかしながら、従来の細胞診ブラシははん
だ付けを用いて前記コイルを前記ワイヤに接合している
ため、はんだ付け前のフラックスによる母材洗浄および
はんだ付け後のフラックス除去を行わなければならなか
った。また、図5に示すように、はんだがコイル13の
隙間にしみこむため、接合による硬性部15が大きくな
り、この部分に曲げ応力が集中してコイル3が折れて破
損するおそれがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決し、処置具操作側の先端部に形成されたコイルとワ
イヤとの接合部で前記コイルが折れて破損するおそれの
無い内視鏡用処置具をより高い作業効率で製造すること
が可能な、内視鏡用処置具の製造方法および、この製造
方法を用いて製造された内視鏡用処置具を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の内視鏡用処置具の製造方法は、
前記コイルの処置具操作側先端部を加熱溶融して前記ワ
イヤと接合している。すなわち、前記コイルの処置具操
作側先端部を前記ワイヤに接合するために、はんだ付け
やロー付け等の手段を用いず、前記コイルの先端を加熱
溶融するだけでよく、フラックスによる母材洗浄の必要
がない。さらに、請求項1に記載の製造方法において
は、はんだやローがコイルの隙間にしみこむことがない
ので、接合による硬性部の大きさを極力小さくすること
ができ、従って前記コイルが折れて破損するおそれが無
い。
【0009】また、コイル先端を加熱溶融するのに、コ
イル先端をアーク柱に曝す(請求項2)、コイル先端に
レーザーを照射する(請求項3)といった、微小領域を
選択的かつ瞬間的に加熱する手段を用いることにより、
ブラシへ部の熱伝導を考慮することなく前記ワイヤの先
端を確実に加工することができる。
【0010】なお、コイル先端をアーク柱に曝してコイ
ル先端を加熱溶融する場合は、レーザが反射して作業者
に照射されるおそれが無いという点で、コイル先端にレ
ーザーを照射する場合よりも好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の製造方法に
より加工された細胞診ブラシの処置具操作側先端部の構
造を図2に示す。なお、本発明の実施の形態の細胞診ブ
ラシの、処置具操作側先端部以外の構造は、図5に示し
た従来例と同様であるので説明は省略する。細胞診ブラ
シ1の処置具操作側先端においては、コイル3の先端を
加熱溶融してワイヤ2の先端に接合している。コイル3
の先端を加熱するために、本発明の実施の形態において
はコイル3の先端をアーク柱に曝している。
【0012】すなわち、図3に示すように、まずワイヤ
2の処置具操作側先端部2aがコイル3の処置具操作側
先端部3aより数ミリ突出するように、ワイヤ2をコイ
ル3で覆う。次いで、図1に示すように、コイル3を第
1の電極201に接続し、またコイル3の処置具操作側
先端の近傍に第2の電極202を配置する。さらに、コ
イル3の処置具操作側先端部3aの加熱による酸化を防
止するため、コイル3の処置具操作側先端部3aおよび
第2の電極202の周囲はアルゴンガスで満たされてい
る。
【0013】ここで、第1の電極201と第2の電極2
02の間に所定の電力を供給することにより、ワイヤ2
の処置具操作側先端部2aと第2の電極202の間にア
ーク柱203が発生する。アーク柱の温度は5000K
以上と非常に高温であるため、ワイヤ2の処置具操作側
先端部2aとコイル3の処置具操作側先端部3aは溶融
して一体化し、接合部5が形成される。ここで、アーク
柱203は第1の電極201と電気的に接続されている
部分のうち、第2の電極202に最も近い部分と、第2
の電極202を結ぶ直線上に発生する。従って、ワイヤ
2の処置具操作側先端部2aを加熱するには、ワイヤ2
の処置具操作側先端部2aが第2の電極202に最も近
くなるようにするだけで良く、細かい位置決め作業が不
要である。次いで、第1の電極201と第2の電極20
2の間の電力の供給を停止して、アーク柱203を消滅
させることにより、接合部5はその凝固点まで冷却され
て硬化し、図2に示すように接合部5によってワイヤ2
とコイル3とが接合される。
【0014】なお、ワイヤ2の処置具操作側先端部2a
をアーク柱に曝す方法としては上記の方法に限らず、例
えば図4に示すように、ノズル部206aを有する第3
の電極206と、第3の電極206の近傍に設置された
第2の電極202に電力を供給して、アーク柱203a
をノズル206aより噴出させ、ワイヤ2の処置具操作
側先端部2aをノズル206aより噴出するアーク柱2
03aに曝してもよい。
【0015】さらに、ワイヤ2の処置具操作側先端部2
aとコイル3の処置具操作側先端部3aを加熱溶融させ
るためには、ワイヤ2の処置具操作側先端部2aをアー
ク柱に曝す方法に限らず、ワイヤ2の処置具操作側先端
部2aおよびコイル3の処置具操作側先端部3a付近の
微小領域を選択的に加熱できればよい。従って、例えば
ワイヤ2の処置具操作側先端部2aにレーザーを照射し
て加熱溶融させ、接合部5を形成してもよい。
【0016】以上のように、本発明の実施の形態を用い
て細胞診ブラシの処置具操作側先端でコイルとワイヤを
接合することにより、接合部5の大きさを極力小さくし
た細胞診ブラシを平易に製造することができる。さら
に、本発明の実施の形態によれば、はんだ付けの際のフ
ラックスによる母材洗浄も不要であるので作業工程を簡
素化できる。従って、本発明の実施の形態によればコイ
ル3が接合部5の位置で折れ曲がるおそれの無い内視鏡
用処置具の製造コストを低く抑えることができる。
【0017】なお、本発明に記載の内視鏡処置具の製造
方法が利用される内視鏡処置具は、処置具とワイヤにて
構成されるものであればよく、細胞診ブラシに限定され
るものではない。
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明の内視鏡用処置具
の製造方法によれば、コイルとワイヤとの接合部で前記
コイルが折れて破損するおそれのない内視鏡用処置具
を、より高い作業効率で製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の製造方法において、細胞
診ブラシのワイヤの処置具操作側先端部とコイルの処置
具操作側先端部をアーク柱に曝して溶融接合している状
態を示したものである。
【図2】本発明の実施の形態の製造方法によって作られ
た、細胞診ブラシの処置具操作側先端を示したものであ
る。
【図3】本発明の実施の形態の製造方法によって、細胞
診ブラシのワイヤの処置具操作側先端部とコイルの処置
具操作側先端部を溶融接合する前の細胞診ブラシの処置
具操作側先端を示したものである。
【図4】本発明の実施の形態の製造方法の別例におい
て、細胞診ブラシのワイヤの処置具操作側先端部とコイ
ルの処置具操作側先端部をアーク柱に曝してワイヤと溶
融接合している状態を示したものである。
【図5】内視鏡および内視鏡の処置具挿通チャンネルに
挿通される細胞診ブラシを示したものである。
【図6】従来の製造方法によって作られた細胞診ブラシ
を示したものである。
【符号の説明】
1 細胞診ブラシ 2 ワイヤ 2a ワイヤ処置具操作側先端部 3 コイル 3a コイル処置具操作側先端部 5 接合部 11 細胞診ブラシ 12 ワイヤ 13 コイル 14 ブラシ部 15 接合部 100 内視鏡 101 処置具挿通チャンネル 102 処置具挿通口 201 第1の電極 202 第2の電極 203 アーク柱 206 第3の電極 206a ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松野 真一 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 小幡 佳寛 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4C061 AA00 BB00 CC00 DD03 GG08 JJ06 JJ11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内視鏡の処置具挿通チャンネルに進退自
    在に挿通される金属製のワイヤと、 前記ワイヤの処置具側に固定された処置部と、 前記ワイヤの外周を覆うコイルと、 を有する内視鏡用処置具の製造方法であって、 前記コイルの処置具操作側先端部を加熱溶融して前記ワ
    イヤと接合することを特徴とする、内視鏡用処置具の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記コイルの処置具操作側先端部をアー
    ク柱に曝すことにより、加熱溶融することを特徴とす
    る、請求項1に記載の内視鏡用処置具の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記コイルの処置具操作側先端部にレー
    ザーを照射することにより、加熱溶融することを特徴と
    する、請求項1に記載の内視鏡用処置具の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    された内視鏡用処置具の製造方法を用いて製造された内
    視鏡用処置具。
  5. 【請求項5】 前記処置部がブラシ部であることを特徴
    とする、請求項4に記載の内視鏡用処置具。
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