JP2002124430A - 多層コイルの巻線方法及び巻線装置 - Google Patents

多層コイルの巻線方法及び巻線装置

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JP2002124430A
JP2002124430A JP2000318209A JP2000318209A JP2002124430A JP 2002124430 A JP2002124430 A JP 2002124430A JP 2000318209 A JP2000318209 A JP 2000318209A JP 2000318209 A JP2000318209 A JP 2000318209A JP 2002124430 A JP2002124430 A JP 2002124430A
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wire
jig
wheel
unit
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Keigo Shiobara
敬五 塩原
Shoichi Takahashi
正一 高橋
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ARK ENGINEERING KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】多層コイルの巻線方法及びその巻線装置を提供
する。 【解決手段】線材供給部から第一巻取り治具15に引取
った線条材を切断及びクランプする工程と、蓄線ホイー
ル18上に所要の蓄線を行う工程と、給線ホイール上に
立設されたフライヤ16によって線条材を第一巻取り治
具15に導入すると共に第二巻取り治具17に導入する
工程と、第一巻取り治具15と第二巻取り治具17の端
面間のギャップを線条材の二層幅よりもやや大きくした
上で、第一巻取り治具15と第二巻取り治具17の回転
速度よりも大きな同一方向の回転速度で給線ホイールと
蓄線ホイール18を回転させ多層に巻回する工程と、当
該巻回時に上記巻線装置に具備されている加熱部によっ
て加熱され融着層が溶融している巻層間を加圧して上記
巻回巻線を一体化させる巻層間融着工程と、上記加圧融
着によって一体化した巻線を巻線装置から排出する工程
から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、コイルの巻始め端
と巻終わり端が共にコイルの最外周層に位置するように
した多層コイルの巻線方法及び巻線装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品の小型化、薄型化に対す
る要求に伴い、多層空芯コイルの使用が増加している。
これに使用される多層空芯コイルは、できる限り小型で
あることが望ましく、相互の巻線間が十分絶縁されてい
ると共に設定されたスペース間に有効な巻線が施されて
いるものでなければならない。
【0003】一方、コイルの巻始め端と巻終わり端が共
にコイルの最外周層に位置するようにした多層コイルに
係る発明が、特公平8−15376号公報「自己融着電
線使用による多層空芯コイルの巻線方法及び巻き線装
置」、特開平11−297559号公報「巻線装置」と
して開示されている。そこで、先ず特公平8−1537
6号公報に係る発明の巻線方法の要旨について述べる
と、コイルの巻線部分を巻線工程上a部及びb部に分割
して巻装したものにおいて、コイルb部の巻線に必要な
適宜の長さの導線を蓄線した蓄線ローラに延長された導
線を、コイル型台の所定位置を巻き始め点として装架
し、この巻き始め点から線源側に延長された導線によ
り、コイル台を自転させて所定回数巻装し、コイルa部
を形成後、加熱融着中従動軸によりコイルa部を加圧整
形する工程、上記コイルa部巻装後のコイル型台を軸方
向に摺動させ、コイルaの巻き初め側端面と、巻き初め
側フランジとの間に、少なくとも線経よりも大きくした
間隙部を設け、コイル型台をコイルa部の巻装方向とは
逆方向に回転し、該間隙部に、上記蓄線中の導線を巻装
して、コイルb部を形成後、コイルb部を加熱し、コイ
ルa部と加熱融着で一体に固着する工程を結合するよう
にしたものである。更にまた、特開平11−29755
9号公報に係る発明の巻線装置の要旨についても述べる
と、巻芯の回りに配置されたフライヤと、このフライヤ
を前記巻芯の回りで公転させるフライヤ回転手段と、前
記巻芯を軸回りで回転させる巻芯回転手段と、前記フラ
イヤ先端から繰り出された線材を引き込んで蓄線として
おく蓄線手段とを備え、前記フライヤ先端から繰り出さ
れる線材の前記蓄線手段よりも手前の部分を前記フライ
ヤの公転により前記巻芯の回りに巻き付けるとともに、
前記蓄線手段から供給される線材を前記巻芯の回転によ
り前記巻芯の回りに巻き付けるようにしたものである。
【0004】ここで、上記特公平8−15376号公報
「自己融着電線使用による多層空芯コイルの巻線方法及
び巻き線装置」について検討すると、その巻線装置の構
成においては、蓄線部である蓄線巻取ローラは、巻線時
に巻線治具と共に回転する構成となっているので、上記
蓄線巻取ローラに線材を巻き取るためには、当該蓄線巻
取ローラと蓄線駆動モータとを蓄線駆動クラッチを介し
て連結する必要があるなど、巻線装置の構造が複雑化及
び大型化するといった欠点がある。
【0005】次に、上記特開平11−297559号公
報「巻線装置」に記載の発明についても検討すると、当
該装置についての発明は上記特公平8−15376号公
報に記載の装置に関する発明の問題点を解決するために
鑑み成されたものであるとされているが、基本的部分に
おいては先の特公平8−15376号公報に記されてい
る装置の技術的構成を踏襲したものと言わざるを得ない
ものと考えられる。そこで、未だ装置全体の構成が複雑
であると共に、当該装置によって所望の多層コイルを巻
取る場合には、フライヤの公転により巻治具外周への第
一段階の巻線を行い、次に、巻治具の一体回転により、
巻芯である巻治具先端部の外周への第二段階の巻線を行
うようにしたものであるから、工程が多段にわたり、巻
線装置によるコイルの生産能力に限界があった。
【0006】更に、上記発明に基づく巻線装置による巻
線方法によれば、先に巻回された第一層目の巻線は、第
一の巻治具と第二の巻治具とのギャップ間で巻回される
ものであるが、第二層目の巻回においては第二の巻治具
と先に巻回した第一層目とのギャップ間で巻線が巻回さ
れるものであり、第一層目の巻線と第二層目の巻線の間
には、第二層目の巻線に伴う摩擦によるストレスが加え
られ、コイルの致命的欠陥となる層間短絡を発生させる
不良品が多く、歩留を低下させるという欠点があった。
【0007】続いてまた、第一の巻治具と第二の巻治具
共に端面に溝部、切欠部を形成する構造であるため、当
該形成部から外側に引き出された端末線及びコイルの側
面に傷が生じやすいという欠点もある。また、第二層目
の巻回において第一層目との摩擦によるストレスが発生
するという欠点から、第一層目と第二層目の間隙を縮め
ることに限界があるため、薄型コイルの巻回には不向き
であるという欠点もある。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術の項に記載の欠点等に鑑み成されたものであり、そ
の目的とするところは、上記従来の巻回方法のように巻
線の巻回工程を第一段階、第二段階に分割することなく
一度の巻回工程で巻上げることができる他、巻線の巻回
横方向に三列以上の多列・巻回縦方向に多層に巻回でき
ると共に、巻線に伴う摩擦によるストレスがなく層間短
絡の発生率の低い、多層コイルの巻線方法及びその巻線
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る多層コイルの巻線方法は、第一回転ユ
ニット部と第二回転ユニット部間に配置された線条材案
内部が第一回転ユニット部側線条材案内部と第二回転ユ
ニット部側線条材案内部から成り、第一回転ユニット部
側線条材案内部が軸芯方向から外側に向かって、後述す
る第二巻取り治具との連結によって上記第二回転ユニッ
ト部に従動し同一回転する略円板状の第一巻取り治具、
更に外側に第一回転ユニット部からの軸回転が伝達され
ると共にフライヤが立設された給線ホイール、続いて外
側に、蓄線部に蓄線が成される一方、抵抗を制御付加し
て巻線の張力を調整すると共に、巻線の引出調整、巻線
の切断、巻線の保持を実施するための実施孔が穿設され
た蓄線ホイールの三層輪から構成され、他方、第二回転
ユニット部側線条材案内部が第二回転ユニット部からの
軸回転が伝達され、第二の巻取り治具が取着された巻線
装置によって、コイルの巻始め端と巻終わり端が共にコ
イルの最外周層に位置するようにした多層コイルを巻回
する方法であって、上記巻線装置の線材供給部から第一
巻取り治具に引取った線条材を上記実施孔を使用して切
断及び上記線条材の終端部をクランプする工程と、上記
蓄線ホイールのみを回転させ当該蓄線ホイール上に所要
の蓄線を行う工程と、上記給線ホイールを回転させ当該
給線ホイール上に立設されたフライヤによって上記線条
材を第一巻取り治具に導入すると共に次に第二巻取り治
具に導入する工程と、上記第一巻取り治具と第二巻取り
治具の端面間のギャップを、線条材の所要巻回数に当該
線条材の幅を乗じた長さよりもやや大きく確保すると共
に上記巻線装置のセパレータを上記ギャップ間に配置し
た上で、同期して回転する第一巻取り治具の回転速度を
第二巻取り治具の回転速度よりも大きな同一方向の回転
速度で、給線ホイールと蓄線ホイールを回転させ、当該
蓄線ホイール上に巻上げた線条材を第一巻取り治具に、
上記線材供給部からの線条材を第二巻取り治具にそれぞ
れ同時に多層に巻回する工程と、当該巻回時に上記巻線
装置に具備されている加熱部によって加熱され融着層が
溶融している上記セパレータ抜取り後の巻回列間を加圧
して上記巻回巻線を一体化させる融着工程と、上記加圧
融着によって一体化した巻線を巻線装置から排出する工
程から成ることを第一の要旨とするものである。
【0009】次に、本発明に係る多層コイルの巻線方法
は、第一回転ユニット部と第二回転ユニット部間に配置
された線条材案内部が第一回転ユニット部側線条材案内
部と第二回転ユニット部側線条材案内部から成り、第一
回転ユニット部側線条材案内部が軸芯方向から外側に向
かって、後述する第二巻取り治具との連結によって上記
第二回転ユニット部に従動し同一回転する略円板状の第
一巻取り治具、更に外側に第一回転ユニット部からの軸
回転が伝達されると共にフライヤが立設された給線ホイ
ール、続いて外側に、蓄線部に蓄線が成される一方、抵
抗を制御付加して巻線の張力を調整すると共に、巻線の
引出調整、巻線の切断、巻線の保持を実施するための実
施孔が穿設された蓄線ホイールの三層輪から構成され、
他方、第二回転ユニット部側線条材案内部が第二回転ユ
ニット部からの軸回転が伝達され、第二巻取り治具が取
着された巻線装置によって、コイルの巻始め端と巻終わ
り端が共にコイルの最外周層に位置するようにした多層
コイルを巻回する方法であって、上記巻線装置の線材供
給部から第一巻取り治具に引取った線条材を上記実施孔
を使用して切断及び上記線条材の終端部をクランプする
工程と、上記蓄線ホイールのみを回転させ当該蓄線ホイ
ール上に所要の蓄線を行う工程と、上記給線ホイールを
回転させ当該給線ホイール上に立設されたフライヤによ
って上記線条材を第一巻取り治具に導入すると共に次に
第二巻取り治具に導入する工程と、上記第一巻取り治具
と第二巻取り治具の端面間のギャップを、線条材の所要
巻回数に当該線条材の幅を乗じた長さよりもやや大きく
確保すると共にセパレータを上記ギャップ間に配置した
上で、同期して回転する第一巻取り治具と第二巻取り治
具との回転速度比を、上記巻線装置に具備された巻線制
御部により等倍乃至二倍の範囲で間欠的に切替えるよう
にし、上記巻線装置に設けられた線条材送り機構部によ
って線材供給部からの線条材を第二巻取り治具に多列、
多層に巻回する一方、第二巻取り治具の回転速度との相
対的速度が零乃至等倍速の範囲で変化することによっ
て、当該蓄線ホイール上に巻上げた線条材の第一巻取り
治具に対する巻回を間欠的に停止或いは実行させて、上
記蓄線ホイール上に巻上げた線条材を上記第一巻取り治
具に多層に巻回する工程と、当該巻回時に上記巻線装置
に具備されている加熱部によって加熱され融着層が溶融
している上記セパレータ抜取り後の巻回列間を加圧して
上記巻回巻線を一体化させる融着工程と、上記加圧融着
によって一体化した巻線を巻線装置から排出する工程か
ら成ることを第二の要旨とする。
【0010】また、本発明に係る巻線装置は、動力軸か
ら軸回転が伝達されると共に同軸芯上に向かい合う第一
回転ユニット部と第二回転ユニット部と、上記第一回転
ユニット部と第二回転ユニット部間に配置された線条材
案内部と、当該線条材案内部に線条材を供給する線条材
供給部と、第一回転ユニット部側に配置される給線ホイ
ールの制御を行う給線ホイール制御部及び巻線の保持・
切断を実施する巻線保持・切断部と、第二回転ユニット
部側に巻線の巻幅、第二回転ユニット部側の前後駆動軸
の出入れを制御する巻線巻幅・前後駆動軸出入れ制御部
及び巻線のストローク及び融着層が溶融している巻回列
間を加圧して巻線を一体化させる巻線ストローク調整・
加圧融着部と、巻線間隔を調整するセパレータの作動を
制御するセパレータ制御部と、各巻取り治具を加熱する
ための加熱部と、上記線条材案内部の回転と上記第一回
転ユニット部の回転との回転比を等倍乃至二倍の範囲で
間欠的に切替える巻線制御部と、線条材送り機構部とか
ら成り、自己融着電線による多層コイルの巻始め端と巻
終わり端が共に当該コイルの最外周層に位置するように
したコイルの巻線装置であって、上記線条材案内部が、
第一回転ユニット部側線条材案内部と第二回転ユニット
部側線条材案内部から成り、第一回転ユニット部側線条
材案内部が軸芯方向から外側に向かって、後述する第二
巻取り治具との連結によって上記第二回転ユニット部に
従動し同一回転する略円板状の第一巻取り治具、更に外
側に第一回転ユニット部からの軸回転が伝達されると共
にフライヤが立設された給線ホイール、続いて外側に、
蓄線部に蓄線が成される一方、抵抗を制御付加して巻線
の張力を調整すると共に、巻線の引出調整、巻線の切
断、巻線の保持を実施するための実施孔が穿設された蓄
線ホイールの三層輪から構成され、他方、第二回転ユニ
ット部側線条材案内部が、第二回転ユニット部からの軸
回転が伝達され、第二巻取り治具が取着されたものであ
ることを要旨とするものである。
【0011】ここで、本発明に係る多層コイルの巻線方
法においては、同期して回転する第一巻取り治具と第二
巻取り治具の回転に対して、同一方向二倍速で給線ホイ
ールと蓄線ホイールを回転させ、同巻数多層に巻回する
ことができる。
【0012】
【作用】本発明に係る巻線装置における線条材案内部
は、上記のように第一回転ユニット部側線条材案内部と
第二回転ユニット部側線条材案内部から成り、第一回転
ユニット部側線条材案内部が第二回転ユニット部側にお
いて軸芯方向から外側に向かって、第一巻取り治具、更
に外側にフライヤが立設された給線ホイール、続いて外
側に、蓄線部に蓄線が成される蓄線ホイールの三層輪か
ら構成され、他方、第二回転ユニット部側線条材案内部
は第二回転ユニット部からの軸回転が伝達され、第一回
転ユニット部側において軸着された第二巻取り治具が取
着されたものとして構成し、予め上記蓄線ホイールに線
条材を蓄線しておき、上記第一巻取り治具と第二巻き取
り治具を第二回転ユニット部からの軸回転によって、一
方上記給線ホイールと蓄線ホイールを上記第二回転ユニ
ット部と同一方向に回転する第一回転ユニット部からの
軸回転によって、各々線条材を巻回するようにしたもの
であるが、ここで第二回転ユニット部の軸回転速度に比
べ第一回転ユニット部の軸回転速度を大きくすると、そ
の相対的速度差によって上記蓄線ホイールに巻付いてい
た線条材が第一巻取り治具に、第二巻取り治具に巻回さ
れる巻線とは逆回転に巻回されるようになり、これによ
って所要の巻始め端と巻終わり端が共に当該コイルの最
外周層に位置するコイルが巻回できるよう作用する。
【0013】次に、本発明に係る巻線装置における線条
材案内部は、上記のようにして所要のコイルが巻回でき
るものであるが、特に第二回転ユニット部の軸回転速度
に比べ第一回転ユニット部の軸回転を二倍に設定するよ
うにすると、この際の相対的速度差は第二回転ユニット
部の軸回転速度と等しくなるため、この結果、第一巻取
り治具と第二巻取り治具には、それぞれ異なった方向に
同巻数の巻始め端と巻終わり端が共に当該コイルの最外
周層に位置するコイルが巻回されるように作用する。ま
た、上記巻線装置に具備された巻線制御部及び線条材送
り機構部による操作を含んだ方法によれば、当該巻線制
御部によって上記第二回転ユニット部の軸回転速度に比
べ第一回転ユニット部の軸回転を等倍乃至二倍の範囲で
間欠的に変化させることができる。これによれば、当初
第二回転ユニット部の軸回転速度に比べ第一回転ユニッ
ト部の軸回転を二倍に設定して、それぞれ第一巻取り治
具及び第二巻取り治具にそれぞれ一列一層半の巻回を
し、ここで第二回転ユニット部の軸回転速度に比べ第一
回転ユニット部の軸回転を等倍に戻し両者の相対的回転
速度を零に戻して、上記蓄線ホイールに巻付いていた線
条材の第一巻取り治具に対する巻回を停止し、この間も
第二巻取り治具においては連続して上記線条材送り機構
部により上記線材供給部からの線条材を巻回横方向に一
層目を巻上げ、折返して二層目を一層目とは逆方向の巻
回横方向に二層二列目まで巻回し、この時点で再度、第
二回転ユニット部の軸回転速度に比べ第一回転ユニット
部の軸回転を二倍に戻して、第一巻取り治具における巻
回を再度実行させ当該第一巻取り治具の一列一層半から
更に一列一層半の巻回によって一列三層の線条材を巻上
げる一方、第二巻取り治具においては連続して、一列一
層半の巻回によって多列三層の線条材を巻上げるよう作
用する。更に必要があれば、上記間欠的な巻回を繰り返
して、多列六層、多列九層というように、それぞれ異な
った方向に巻始め端と巻終わり端が共に当該コイルの最
外周層に位置するコイルが巻回されるように作用する。
【0014】続いて、本発明に係る多層コイルの巻線方
法は、蓄線ホイールのみを回転させ当該蓄線ホイール上
に所要の蓄線を行う工程と、上記給線ホイールを回転さ
せ当該給線ホイール上に立設されたフライヤによって上
記線条材を第一巻取り治具に導入すると共に次に第二巻
取り治具に導入する工程と、同期して回転する第一巻取
り治具と第二巻取り治具の回転速度よりも大きな同一方
向の回転速度で給線ホイールと蓄線ホイールを回転さ
せ、当該蓄線ホイール上に巻上げた線条材を第一巻取り
治具に、上記線材供給部からの線条材を第二巻取り治具
にそれぞれ同時に多層に巻回する工程とを含むものであ
るが、上記各回転方向は同じであると共に当該各回転は
一つの動力軸の回転から取得できるので、正逆転可能な
モータなどを要しないなど動力伝達機構を単純に構成す
ることができるので、装置全体をコンパクトに設計する
ことができるよう作用する。
【0015】更にまた、本発明に係る多層コイルの巻線
方法は、上記に記述のように各回転部の回転が常に同一
方向であるため上記従来の技術の項に記載されるよう
な、先ずコイルの一部を巻回し、次に軸回転を反転させ
残りのコイル部分を巻回するといったように二段階の巻
回工程によらないので、生産能力が飛躍的に向上できる
と共に、線条材の巻回に伴う線の捻れという支障も生じ
ないよう作用する。
【0016】そしてまた、本発明に係る多層コイルの巻
線方法では、第一巻取り治具と第二巻取り治具の端面間
のギャップを線条材の所要巻回数に当該線条材の幅を乗
じた長さよりもやや大きく確保し、線条材の巻回後に加
熱部によって加熱され融着層が溶融している巻層間を加
圧して上記巻回巻線を一体化させて巻層間融着させるよ
うにしたので、巻層間に巻回摩擦が加えられないため製
品に層間短絡が生じるといった支障もないよう作用す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、更に
本発明に係る好適な実施の形態を通して引き続き本発明
を詳説するものとする。
【0018】先ず、図1は本発明に係る巻線装置の概要
図である。図示のように、本発明の巻線装置1は、図示
しない駆動モータの動力軸から各々所望の軸回転が伝達
されるようになっている。そして、当該軸回転が伝達さ
れる第一回転ユニット部2と第二回転ユニット部3は共
に同軸芯上に向かい合っている。更に、上記第一回転ユ
ニット部2と第二回転ユニット部3間には線条材案内部
4が配置されている。続いて、当該線条材案内部4に線
条材を供給する線条材供給部5と、第一回転ユニット部
2側に配置される給線ホイール12の制御を行う給線ホ
イール制御部10及び巻線の保持・切断を実施する巻線
保持・切断部9と、第二回転ユニット部3側に巻線の巻
幅、第二回転ユニット部側の前後駆動軸の出入れを制御
する巻線巻幅・前後駆動軸出入れ制御部6及び巻線のス
トローク及び融着層が溶融している巻層間を加圧して巻
線を一体化させる巻線ストローク調整・加圧融着部7
と、巻線間隔を調整するセパレータの作動を制御するセ
パレータ制御部8と、各巻取り治具を加熱するための加
熱部(図示せず)と、上記線条材案内部4の回転と上記
第一回転ユニット部2の回転との回転比を等倍乃至二倍
の範囲で間欠的に切替える巻線制御部(図示せず)と、
線条材送り機構部(図示せず)とから成り、各作動部は
図中の制御パネル11によって操作されるものである。
ここで、上記本発明に係る巻線装置1は、自己融着電線
による多層コイルの巻始め端と巻終わり端が共に当該コ
イルの最外周層に位置するようにしたコイルの巻線装置
であることを要すものである。
【0019】次に、図2は線条材案内部の構成図であ
り、上記線条材案内部4は図示のように、第一回転ユニ
ット部側線条材案内部13と第二回転ユニット部側線条
材案内部14から構成されているものである。ここで、
図2における第一回転ユニット部側線条材案内部13と
第二回転ユニット部側線条材案内部14は端面間に僅か
なギャップをもって対向しているものであり、図2に示
された第一回転ユニット部側線条材案内部13と第二回
転ユニット部側線条材案内部14の各側面図、各断面図
は、上記ギャップからそれぞれの側面を描いたものであ
る。続いて、図示のように第一回転ユニット部側線条材
案内部13は第二回転ユニット部側において軸芯方向か
ら外側に向かって、第二巻取り治具17との連結によっ
て上記第一回転ユニット部2に従動し同一回転する略円
板状の第一巻取り治具15、更に外側に第一回転ユニッ
ト部2からの軸回転が伝達されると共にフライヤ16が
立設された給線ホイール12、続いて外側に、蓄線が成
される一方、抵抗を制御付加して巻線の張力を調整する
と共に、巻線の引出調整、巻線の切断、巻線の保持を実
施するための巻線引出調整孔19、巻線切断孔20、巻
線保持孔21が穿設された蓄線ホイール18の三層輪か
ら構成されている。他方、第二回転ユニット部側線条材
案内部14は第二回転ユニット部3からの軸回転が伝達
され、第一回転ユニット部側において軸着された第二巻
取り治具17が取着されたものである。
【0020】続いて、図3から図8は本発明に係る巻線
装置によって二列多層にコイルを巻回する際の巻線状態
を示した、第一回転ユニット部側線条材案内部と第二回
転ユニット部側線条材案内部における経時的側面図であ
る。ここで、各一組の側面図の上方は上記ギャップから
第一回転ユニット部側線条材案内部を図示した側面図で
あり、一方、下方はその時点での第二回転ユニット部側
線条材案内部を上記ギャップから図示した側面図であ
る。図3に図示の状態は線条材供給部5から線条材を引
取り、上記蓄線ホイール18の巻線引出調整孔19、巻
線切断孔20、巻線保持孔21を使用し、当該線条材の
切断、保持などを行い当該蓄線ホイール上に線条材のセ
ットを完了した巻取り初期位置を示したものである。こ
こで、上記線条材の引取り、切断、保持については各種
公知の技術による事ができるので、その説明は省略す
る。次に図4は、初期位置に続く次の段階の状態を示し
たものである。ここでは、上方の第一回転ユニット部側
線条材案内部を図示した側面図は、第一回転ユニット部
側線条材案内部13の三層輪の内、最外輪となる蓄線ホ
イール18のみを反時計方向に一回転させた時点の側面
図であり、蓄線ホーイル18上に所要の蓄線が成される
ようになるものである。続いて、図5は更に次ぎの段階
の側面図を示している。そして、この時点は上記図5の
状態から更に蓄線ホイール18が反時計方向に約100
度ほど回転したものであり、線条材供給部5から引取っ
た線条材の巻付き端が、上記給線ホイール12上に立設
されたフライヤ16に当接して巻付くようになるもので
ある。更にまた、図6は図5に続くものであり、ここで
は、給線ホイール12が蓄線ホイール18と同時に反時
計方向に約100度ほど回転し、給線ホイール12に立
設された上記フライヤ16によって線条材が第一巻取り
治具15に案内されると共に、その後線条材は図6の下
方の側面図に図示されるが如く第二巻取り治具17に案
内されるようになる。そして更に、図7はその後の巻線
の増加を示したものであり、図8は更にその後巻線が完
了した際の側面図である。ここで、第一回転ユニット部
2と第二回転ユニット部3の回転はタイミングベルトに
よって同期して同一方向に回転していると共に、第二回
転ユニット部3の回転数に対して第一回転ユニット部2
の回転数を二倍に設定し、当該各回転ユニット部から直
接回転が伝達される第二巻取り治具17の回転速度に対
して第一巻取り治具15の回転速度が二倍になるように
調整したものである。そして、第一巻取り治具15は給
線ホイール12からの線条材の供給を受け、一方、第二
巻取り治具17は線条材供給部5からの線条材の供給を
受けるようになる。ここで、蓄線ホイール18は上記給
線ホイール12に追動するようになるが、第一巻取り治
具15に線条材を供給するために蓄線ホイール18から
蓄線を解くため回転に差動が生じる。このため、第一巻
取り治具15に巻回される線条材に適切な張力を加える
ようにする。また、上記のように第一巻取り治具15と
第二巻取り治具17を回転すると、第二巻取り治具17
には当該第二巻取り治具17の回転方向に線条材が巻回
され、一方、第一巻取り治具15には当該第一巻取り治
具15の回転方向とは逆方向に線条材が巻回される結果
となる。最後に図8においては、上記のように第二巻取
り治具17の回転速度に対して第一巻取り治具15の回
転速度が二倍になるように調整したので、第一巻取り治
具15には相対的に上記回転速度の差、即ち、第二巻取
り治具17の回転速度に等しい逆回転による巻回が成さ
れるようになり、図示のように、それぞれ異なった方向
に同巻数の巻始め端と巻終わり端が共に当該コイルの最
外周層に位置するコイルを巻回できる。
【0021】更にまた、本発明に係る巻線装置によって
多列多層にコイルを巻回する際について説明するものと
する。この場合には巻線装置1に具備された巻線制御部
(図示せず)及び線条材送り機構部(図示せず)による
操作を使用する。ここで、上記巻線制御部は線条材案内
部4の回転と第一回転ユニット部2の回転比を等倍乃至
二倍の範囲で間欠的に制御できるもの、或いは、線条材
案内部4の回転と第一回転ユニット部2の回転比を等倍
または二倍に間欠的に切替えられるものであれば良く、
公知の例えばサボモータを採用することができる。ま
た、線条材送り機構部は公知の所謂トラバースを採用し
て上記線条材を巻回横方向に順次繰出し、所定巻回後タ
ーンして上層を逆方向に辿るものであれば良い。そこ
で、上記巻線制御部によって上記第二回転ユニット部3
の軸回転速度に比べ第一回転ユニット部2の軸回転を等
倍または二倍に間欠的に切替えられるものとする。当
初、第二回転ユニット部3の軸回転速度に比べ第一回転
ユニット部2の軸回転を二倍にして、それぞれ第一巻取
り治具15及び第二巻取り治具17にそれぞれ一列一層
半の巻回をし、ここで第二回転ユニット部3の軸回転速
度に比べ第一回転ユニット部2の軸回転を等倍に戻し両
者の相対的回転速度を零に戻して、上記蓄線ホイール1
8に巻付いていた線条材の第一巻取り治具15に対する
巻回を停止する。しかし、この間も第二巻取り治具17
においては、連続して上記線条材送り機構部により上記
線材供給部5からの線条材を巻回横方向に設定列数分を
一層目として巻上げ、続いて折返して二層目の設定列数
分として一層目とは逆方向の巻回横方向に二層二列目ま
で巻回する。次に、この時点で再度上記巻線制御部の制
御によって、第二回転ユニット部3の軸回転速度に比べ
第一回転ユニット部2の軸回転を二倍に戻して、第一巻
取り治具15における巻回を再度実行させ当該第一巻取
り治具15の一列一層半から更に一列一層半の巻回によ
って一列三層の線条材を巻上げる一方、第二巻取り治具
17においては連続して、一列一層半の巻回によって多
列三層の線条材を巻上げる。更に、上記間欠的な巻回を
繰り返して、多列六層、多列九層の異なった方向に巻始
め端と巻終わり端が共に当該コイルの最外周層に位置す
るコイルを巻回する。
【0022】
【本発明の効果】本発明は、上記に詳述したよう構成さ
れていることから、以下に記載されるような効果を奏
す。
【0023】本発明に係る多層コイルの巻線方法によれ
ば、各回転部の回転が常に同一方向であるため上記従来
の技術の項に記載されるような、先ずコイルの一部を巻
回し、次に軸回転を反転させ残りのコイル部分を巻回す
るといったように二段階の巻回工程によらず、一度の巻
回工程によって巻始め端と巻終わり端が共に当該コイル
の最外周層に位置する所要のコイルを巻回できるので、
生産能力を飛躍的に向上できると共に、線条材の巻回に
伴う線の捻れというような支障も生じないという効果が
ある。
【0024】また、本発明に係る巻線装置における線条
材案内部は、上記のようにして所要のコイルが巻回でき
るものであるが、特に第二回転ユニット部の軸回転速度
に比べ第一回転ユニット部の軸回転を二倍に設定するよ
うにすると、この際の相対的速度差は第二回転ユニット
部の軸回転速度と等しくなるため、この結果、第一巻取
り治具と第二巻取り治具には、それぞれ異なった方向に
同巻数の巻始め端と巻終わり端が共に当該コイルの最外
周層に位置するコイルが巻回され、一方、上記巻線装置
に具備された巻線制御部及び線条材送り機構部による操
作を含んだ方法によれば、当該巻線制御部によって上記
第二回転ユニット部の軸回転速度に比べ第一回転ユニッ
ト部の軸回転を等倍乃至二倍の範囲で間欠的に変化させ
ることができるものであり、これによれば、それぞれ異
なった方向に巻始め端と巻終わり端が共に当該コイルの
最外周層に位置する多列多層のコイルが容易に得られる
という効果もある。
【0025】更に、本発明に係る多層コイルの巻線方法
によれば、第一巻取り治具と第二巻取り治具の端面間の
ギャップを線条材の所要巻回数に当該線条材の幅を乗じ
た長さよりもやや大きく確保し、線条材の巻回後に加熱
部によって加熱され融着層が溶融している巻層間を加圧
して上記巻回巻線を一体化させて巻層間融着させるよう
にしたので、巻層間に巻回摩擦が加えられないため製品
に層間短絡が生じるといった支障がなく、製品歩留を向
上できるとう効果もある。
【0026】続いてまた、本発明に係る多層コイルの巻
線方法によれば、巻回第一層目と二層目間に巻回に伴う
摩擦によるストレスが生じないので、薄型コイルを巻回
する上で必須の要件となる層間圧縮を実施しても支障が
ないという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る巻線装置の概要図。
【図2】 線条材案内部の構成図。
【図3】 本発明に係る巻線装置の巻線状態を示した、
第一回転ユニット部側線条材案内部と第二回転ユニット
部側線条材案内部における経時的側面図。
【図4】 本発明に係る巻線装置の巻線状態を示した、
第一回転ユニット部側線条材案内部と第二回転ユニット
部側線条材案内部における経時的側面図。
【図5】 本発明に係る巻線装置の巻線状態を示した、
第一回転ユニット部側線条材案内部と第二回転ユニット
部側線条材案内部における経時的側面図。
【図6】 本発明に係る巻線装置の巻線状態を示した、
第一回転ユニット部側線条材案内部と第二回転ユニット
部側線条材案内部における経時的側面図。
【図7】 本発明に係る巻線装置の巻線状態を示した、
第一回転ユニット部側線条材案内部と第二回転ユニット
部側線条材案内部における経時的側面図。
【図8】 本発明に係る巻線装置の巻線状態を示した、
第一回転ユニット部側線条材案内部と第二回転ユニット
部側線条材案内部における経時的側面図。
【符号の説明】
1 本発明の巻線装置 2 第一回転ユニット部 3 第二回転ユニット部 4 線条材案内部 5 線条材供給部 6 巻線巻幅・前後駆動軸出入れ制御部 7 巻線ストローク調整・加圧融着部 8 セパレータ制御部 9 巻線保持・切断部 10 給線ホイール制御部 11 制御パネル 12 給線ホイール 13 第一回転ユニット部側線条材案内部 14 第二回転ユニット部側線条材案内部 15 第一巻取り治具 16 フライヤ 17 第二巻取り治具 18 蓄線ホイール 19 巻線引出調整孔 20 巻線切断孔 21 巻線保持孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一回転ユニット部と第二回転ユニット
    部間に配置された線条材案内部が第一回転ユニット部側
    線条材案内部と第二回転ユニット部側線条材案内部から
    成り、第一回転ユニット部側線条材案内部が軸芯方向か
    ら外側に向かって、後述する第二巻取り治具との連結に
    よって上記第二回転ユニット部に従動し同一回転する略
    円板状の第一巻取り治具、更に外側に第一回転ユニット
    部からの軸回転が伝達されると共にフライヤが立設され
    た給線ホイール、続いて外側に、蓄線部に蓄線が成され
    る一方、抵抗を制御付加して巻線の張力を調整すると共
    に、巻線の引出調整、巻線の切断、巻線の保持を実施す
    るための実施孔が穿設された蓄線ホイールの三層輪から
    構成され、他方、第二回転ユニット部側線条材案内部が
    第二回転ユニット部からの軸回転が伝達され、第二の巻
    取り治具が取着された巻線装置によって、コイルの巻始
    め端と巻終わり端が共にコイルの最外周層に位置するよ
    うにした多層コイルを巻回する方法であって、上記巻線
    装置の線材供給部から第一巻取り治具に引取った線条材
    を上記実施孔を使用して切断及び上記線条材の終端部を
    クランプする工程と、上記蓄線ホイールのみを回転させ
    当該蓄線ホイール上に所要の蓄線を行う工程と、上記給
    線ホイールを回転させ当該給線ホイール上に立設された
    フライヤによって上記線条材を第一巻取り治具に導入す
    ると共に次に第二巻取り治具に導入する工程と、上記第
    一巻取り治具と第二巻取り治具の端面間のギャップを、
    線条材の所要巻回数に当該線条材の幅を乗じた長さより
    もやや大きく確保すると共に上記巻線装置のセパレータ
    を上記ギャップ間に配置した上で、同期して回転する第
    一巻取り治具の回転速度を第二巻取り治具の回転速度よ
    りも大きな同一方向の回転速度で、給線ホイールと蓄線
    ホイールを回転させ、当該蓄線ホイール上に巻上げた線
    条材を第一巻取り治具に、上記線材供給部からの線条材
    を第二巻取り治具にそれぞれ同時に多層に巻回する工程
    と、当該巻回時に上記巻線装置に具備されている加熱部
    によって加熱され融着層が溶融している上記セパレータ
    抜取り後の巻回列間を加圧して上記巻回巻線を一体化さ
    せる融着工程と、上記加圧融着によって一体化した巻線
    を巻線装置から排出する工程から成ることを特徴とす
    る、多層コイルの巻線方法。
  2. 【請求項2】 第一回転ユニット部と第二回転ユニット
    部間に配置された線条材案内部が第一回転ユニット部側
    線条材案内部と第二回転ユニット部側線条材案内部から
    成り、第一回転ユニット部側線条材案内部が軸芯方向か
    ら外側に向かって、後述する第二巻取り治具との連結に
    よって上記第二回転ユニット部に従動し同一回転する略
    円板状の第一巻取り治具、更に外側に第一回転ユニット
    部からの軸回転が伝達されると共にフライヤが立設され
    た給線ホイール、続いて外側に、蓄線部に蓄線が成され
    る一方、抵抗を制御付加して巻線の張力を調整すると共
    に、巻線の引出調整、巻線の切断、巻線の保持を実施す
    るための実施孔が穿設された蓄線ホイールの三層輪から
    構成され、他方、第二回転ユニット部側線条材案内部が
    第二回転ユニット部からの軸回転が伝達され、第二巻取
    り治具が取着された巻線装置によって、コイルの巻始め
    端と巻終わり端が共にコイルの最外周層に位置するよう
    にした多層コイルを巻回する方法であって、上記巻線装
    置の線材供給部から第一巻取り治具に引取った線条材を
    上記実施孔を使用して切断及び上記線条材の終端部をク
    ランプする工程と、上記蓄線ホイールのみを回転させ当
    該蓄線ホイール上に所要の蓄線を行う工程と、上記給線
    ホイールを回転させ当該給線ホイール上に立設されたフ
    ライヤによって上記線条材を第一巻取り治具に導入する
    と共に次に第二巻取り治具に導入する工程と、上記第一
    巻取り治具と第二巻取り治具の端面間のギャップを、線
    条材の所要巻回数に当該線条材の幅を乗じた長さよりも
    やや大きく確保すると共にセパレータを上記ギャップ間
    に配置した上で、同期して回転する第一巻取り治具と第
    二巻取り治具との回転速度比を、上記巻線装置に具備さ
    れた巻線制御部により等倍乃至二倍の範囲で間欠的に切
    替えるようにし、上記巻線装置に設けられた線条材送り
    機構部によって線材供給部からの線条材を第二巻取り治
    具に多列、多層に巻回する一方、第二巻取り治具の回転
    速度との相対的速度が零乃至等倍速の範囲で変化するこ
    とによって、当該蓄線ホイール上に巻上げた線条材の第
    一巻取り治具に対する巻回を間欠的に停止或いは実行さ
    せて、上記蓄線ホイール上に巻上げた線条材を上記第一
    巻取り治具に多層に巻回する工程と、当該巻回時に上記
    巻線装置に具備されている加熱部によって加熱され融着
    層が溶融している上記セパレータ抜取り後の巻回列間を
    加圧して上記巻回巻線を一体化させる融着工程と、上記
    加圧融着によって一体化した巻線を巻線装置から排出す
    る工程から成ることを特徴とする、多層コイルの巻線方
    法。
  3. 【請求項3】 動力軸から軸回転が伝達されると共に同
    軸芯上に向かい合う第一回転ユニット部と第二回転ユニ
    ット部と、上記第一回転ユニット部と第二回転ユニット
    部間に配置された線条材案内部と、当該線条材案内部に
    線条材を供給する線条材供給部と、第一回転ユニット部
    側に配置される給線ホイールの制御を行う給線ホイール
    制御部及び巻線の保持・切断を実施する巻線保持・切断
    部と、第二回転ユニット部側に巻線の巻幅、第二回転ユ
    ニット部側の前後駆動軸の出入れを制御する巻線巻幅・
    前後駆動軸出入れ制御部及び巻線のストローク及び融着
    層が溶融している巻回列間を加圧して巻線を一体化させ
    る巻線ストローク調整・加圧融着部と、巻線間隔を調整
    するセパレータの作動を制御するセパレータ制御部と、
    各巻取り治具を加熱するための加熱部と、上記線条材案
    内部の回転と上記第一回転ユニット部の回転との回転比
    を等倍乃至二倍の範囲で間欠的に切替える巻線制御部
    と、線条材送り機構部とから成り、自己融着電線による
    多層コイルの巻始め端と巻終わり端が共に当該コイルの
    最外周層に位置するようにしたコイルの巻線装置であっ
    て、上記線条材案内部が、第一回転ユニット部側線条材
    案内部と第二回転ユニット部側線条材案内部から成り、
    第一回転ユニット部側線条材案内部が軸芯方向から外側
    に向かって、後述する第二巻取り治具との連結によって
    上記第二回転ユニット部に従動し同一回転する略円板状
    の第一巻取り治具、更に外側に第一回転ユニット部から
    の軸回転が伝達されると共にフライヤが立設された給線
    ホイール、続いて外側に、蓄線部に蓄線が成される一
    方、抵抗を制御付加して巻線の張力を調整すると共に、
    巻線の引出調整、巻線の切断、巻線の保持を実施するた
    めの実施孔が穿設された蓄線ホイールの三層輪から構成
    され、他方、第二回転ユニット部側線条材案内部が、第
    二回転ユニット部からの軸回転が伝達され、第二巻取り
    治具が取着されたものであることを特徴とする、巻線装
    置。
  4. 【請求項4】 同期して回転する第一巻取り治具と第二
    巻取り治具の回転に対して、同一方向二倍速で給線ホイ
    ールと蓄線ホイールを回転させ、同巻数多層に巻回する
    ことを特徴とする、請求項1記載の多層コイルの巻線方
    法。
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