JPH11312621A - 巻線装置 - Google Patents

巻線装置

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Publication number
JPH11312621A
JPH11312621A JP10336428A JP33642898A JPH11312621A JP H11312621 A JPH11312621 A JP H11312621A JP 10336428 A JP10336428 A JP 10336428A JP 33642898 A JP33642898 A JP 33642898A JP H11312621 A JPH11312621 A JP H11312621A
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JP
Japan
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winding
wire
wound
predetermined
wound portion
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Application number
JP10336428A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Miyazaki
寛 宮崎
Tetsuya Miura
徹也 三浦
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】巻線装置において、被巻線部での巻線位置に関
わらず、常に巻線進行側から所定の巻線位置を規定しな
がら素線を所定の巻線位置に整列させて巻線することを
可能とする。 【解決手段】被巻線部である巻枠1の1層目の所定の巻
線位置への素線2の誘導が、直前に巻き付けられた巻線
から素線2の径分だけ巻き進行側の位置に小箱12cを
移動させて行われる。この状態で素線供給リール4が巻
枠1の周囲を素線2を供給しながら公転すると、巻線と
箱体によって位置決めされた所定の巻線位置に素線2が
誘導されながら巻き付けられる。2層目では、所定の巻
線位置への素線2の誘導が、直前に巻き付けられた巻線
から素線2の径分だけ巻き進行側の位置に小箱36cを
移動させて行われる。3層目では中箱12bにより、4
層目では中箱36bによりと、各層で箱体と巻線とで素
線の両側で所定の巻線位置を規定するため、所定の巻線
位置への整列巻きを行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、素線を被巻線部に
巻線する巻線装置に係り、特に、被巻線部に素線を精密
に整列させて自動的に巻線するもの、例えば、磁気コア
に導線を精密に整列させて自動的に巻線する巻線装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、被巻線部である磁気コアに素線で
ある導線を巻線して形成されるコイルが知られている。
例えば、トランスの磁気コアに巻回されるコイル、電気
モータの磁気コアに巻回されるコイルなどがある。これ
らの電気機器の性能は、コイルの導線の密度(占積率)
が高いほど高くすることができる。すなわち、導線を整
列巻して導線間の隙間を小さくするほど小型高性能な機
器を得ることができる。
【0003】このような素線を整列させて自動的に巻線
する巻線装置として、特開昭64−43046号公報に
記載されているものがある。この公報の技術は一対のコ
イル線材案内部材が巻軸方向に個別に移動されるように
構成されており、素線が被巻線部に1回巻かれると、ま
ず、一方の案内部材が1ピッチ分だけ平行に移動され、
この案内部材に沿って素線が被巻線部の片側半分に巻き
付けられる。その後、他方の案内部材が1ピッチ分だけ
平行移動されて素線が被巻線部の残り半分に巻き付けら
れるものである。これにより、被巻線部の片側半分にコ
イル線材が巻線されている間、他方の半分においては素
線が片方の案内部材で巻線位置を規定されることになる
ため、素線は1巻き毎に整列された状態で被巻線部に巻
線されていく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報に記載された巻線装置でも、素線を整列された状態で
被巻線部に巻線するために依然として改良すべき点があ
った。
【0005】案内部材は巻線時に素線を素線径方向片側
の一方向のみで案内するように構成されたものであり、
そのため、素線を整列して巻き付けるためには巻線に被
巻線部の軸方向の力を掛ける必要がある。そのため、素
線供給部の位置が被巻線部の軸方向に対して所定の巻線
位置とずれている必要があり、巻線装置の構成に制限が
生じてしまう。
【0006】また、前記公報に記載された巻線装置で
は、素線の被巻線部への巻線作業のみを行うため、被巻
線部に対して巻線が被巻線部の径方向に浮き上がってし
まったり、また、被巻線部の1列目の巻線が終了して2
列目の巻線が開始する位置で素線の列替えが行われる
が、2列目の巻き始めに相当する素線の部分が1列目の
巻き始めの上に乗り上げてしまう。また、列替えが行わ
れる直前で巻き付けた素線が、列替え部分のために規定
の巻き付け位置からズレてしまい、そのズレが以降の列
に影響して最終列が1列前の素線に乗り上げてしまって
2層目以降にもズレが生じてしまい、巻線の整列性や巻
線の占積率が低下してしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題の少なくとも一
つを解決するため、請求項1記載の巻線装置は、素線を
供給する供給手段と、供給された前記素線を被巻線部の
所定の巻線位置に誘導する誘導手段と、前記素線を前記
所定の巻線位置に巻く巻き手段とを備え、前記素線を前
記被巻線部に巻線する巻線装置であって、前記誘導手段
が、前記被巻線部の任意の巻き層での前記所定の巻線位
置を前記被巻線部の軸方向に挟んだ巻き進行側で前記素
線の位置を規定する規定手段と、前記所定の巻線位置の
移動に同期して該規定手段を移動させる移動手段とを有
することを特徴とする。
【0008】上記課題の少なくとも一つを解決するた
め、請求項2記載の巻線装置は、素線を供給する供給手
段と、供給された前記素線を被巻線部の所定の巻線位置
に誘導する誘導手段と、前記素線を前記所定の巻線位置
に巻く巻き手段とを備え、前記素線を前記被巻線部に巻
線する巻線装置であって、前記誘導手段が前記所定の巻
線位置を前記被巻線部の軸方向に挟んで前記素線の略直
径の幅をもって対峙する規制部材を備え、対峙する前記
規制部材間を前記素線が通ることを特徴とする。
【0009】上記課題の少なくとも一つを解決するた
め、請求項3記載の巻線装置は、被巻線部の軸に平行な
ボビンに素線を巻き付けて保存するリールと、前記素線
を前記被巻線部分の所定の巻線位置に巻く巻き手段とを
備え、前記素線を被巻線部に巻線する巻線装置であっ
て、前記ボビンには前記巻き手段による前記被巻線部へ
の巻線方向と同方向に前記素線が巻き付けられているこ
とを特徴とする。
【0010】上記課題の少なくとも一つを解決するた
め、請求項4記載の巻線装置は、素線を供給する供給手
段と、前記供給手段に前記被巻線部分の周囲を公転させ
る公転手段とを備え、前記公転手段により前記供給手段
が前記被巻線部の周囲を公転することで、前記素線を被
巻線部に巻線する巻線装置であって、前記素線供給手段
の公転半径内に配置され、前記公転手段により前記素線
供給手段と異なる位相で回転させられる所定の手段を有
することを特徴とする。
【0011】上記課題の少なくとも一つを解決するた
め、請求項5記載の巻線装置は、請求項4記載の巻線装
置であって、前記所定の手段が前記被巻線部外周から巻
線を整える手段であることを特徴とする。
【0012】上記課題の少なくとも一つを解決するた
め、請求項6記載の巻線装置は、素線を供給する供給手
段と、供給された前記素線を被巻線部の所定の巻線位置
に誘導する誘導手段と、前記素線を前記所定の巻線位置
に巻く巻き手段とを備え、前記素線を前記被巻線部に巻
線する巻線装置であって、前記誘導手段が前記被巻線部
の径方向外周側より内周側に突出する突出部材であり、
該突出部材を、被巻線部の周方向に移動させる周方向移
動手段と、軸方向に移動させる移動手段とを備えること
を特徴とする。
【0013】上記課題の少なくとも一つを解決するた
め、請求項7記載の巻線装置は、請求項6記載の巻線装
置であって、前記被巻線部がその軸方向端部に径方向に
突出する突部を備え、該突部が前記被巻線部の軸方向に
移動可能であることを特徴とする。
【0014】上記課題の少なくとも一つを解決するた
め、請求項8記載の巻線装置は、被巻線部の軸に平行な
ボビンに素線を巻き付けて保存するリールと、前記素線
を前記被巻線部の所定の巻線位置に誘導する誘導手段
と、前記素線を前記被巻線部分の所定の巻線位置に巻く
巻き手段とを備え、前記素線を被巻線部に巻線する巻線
装置であって、前記ボビンには前記巻き手段による前記
被巻線部への巻線方向と同方向に前記素線が巻き付けら
れ、前記誘導手段が、前記被巻線部の任意の巻き層での
前記所定の巻線位置を前記被巻線部の軸方向に挟んだ巻
き進行側で前記素線の位置を規定する規定手段と、前記
所定の巻線位置の移動に同期して該規定手段を移動させ
る移動手段とを有することを特徴とする。
【0015】上記課題の少なくとも一つを解決するた
め、請求項9記載の巻線装置は、請求項1記載の巻線装
置であって、前記誘導手段が前記規定手段の脱着を可能
とする脱着手段を備え、前記移動手段が所定の巻線位置
の移動に同期して前記脱着手段を移動させ、前記巻き手
段が前記被巻線部(の両端のうち巻き進行方向と反対側
の端部)に軸回転力を伝達する回転伝達手段であること
を特徴とする。
【0016】上記課題の少なくとも一つを解決するた
め、請求項10記載の巻線装置は、請求項1記載の巻線
装置であって、前記規定手段が、その中心軸が前記被巻
線部と同軸に配置され、巻き進行側で前記被巻線部に被
さることが可能なカップ状の部材であることを特徴とす
る。
【0017】上記課題の少なくとも一つを解決するた
め、請求項11記載の巻線装置は、請求項1記載の巻線
装置であって、前記供給手段から前記被巻線部への前記
素線の供給経路上に配置され、前記素線を前記被巻線部
に供給する前に前記素線のうち前記供給手段から供給さ
れる前記素線の先端部に予め巻き始めリード部を形成す
る巻き始めリード部形成手段と、該巻き始めリード形成
手段により形成された巻き始めリード部を前記被巻線部
に取り付ける取付手段とを備えることを特徴とする。
【0018】上記課題の少なくとも一つを解決するた
め、請求項12記載の巻線装置は、請求項1記載の巻線
装置であって、前記被巻線部での前記素線の巻線終了位
置から巻き終わりリード部を成形するのに必要な所定の
長さと、前記被巻線部へ次の巻線の巻き始めリード部と
なる所定の長さとの和の長さの前記素線を前記供給手段
から引き出す引出し手段と、前記引出し手段により引き
出された前記素線のうち前記巻き終わりリード部を成形
するのに必要な所定の長さの位置で前記素線を切断する
切断手段を備えることを特徴とする。
【0019】上記課題の少なくとも一つを解決するた
め、請求項13記載の巻線装置は、請求項1記載の巻線
装置であって、前記被巻線部上で巻き上げられた巻線を
前記被巻線部の軸方向に移動可能な可動片と、その中心
軸が前記巻線の中心軸と平行に配置され、少なくとも可
動片の移動経路を除いて前記被巻線部に被さることが可
能なカップ状の保護部材と、前記可動片の前記空間への
移動に伴って前記保護部材を前記可動片と同じ方向に移
動させる保護部材移動手段とを備えることを特徴とす
る。
【0020】
【作用】上述の請求項1、8記載の手段によれば、任意
の層で、被巻線部の軸方向に対し、所定の巻線位置を素
線の巻き進行側では規定手段により規定し、逆側では既
に巻かれた巻線により規定すると共に、巻線位置の移動
に伴って規定手段が追従して移動し、任意の巻線位置で
規定手段による巻線位置の規定が行われる。
【0021】上述の請求項2記載の手段によれば、規制
部材が被巻線部の所定の巻線位置を挟んで略直径の幅を
もって対峙し、この対峙する規制部材間を素線が通るこ
とで素線を素線直径方向の両側から規制を加えながら所
定の巻線位置へ案内する。
【0022】上述の請求項3、8記載の手段によれば、
素線供給リールの素線供給のための自転の向きが公転の
向きと同じ向きであるため、素線供給リールによるスプ
リングバック(被巻線部への密着に必要な逆ぞり)を得
た素線が被巻線部に巻き付けられる。
【0023】上述の請求項4記載の手段によれば、素線
供給手段から所定の巻線位置の間の素線経路で、素線供
給手段の公転半径内に設けられた所定の手段が巻線位置
とは異なる位相で回転するため、巻線作業と異なる位置
で所定の作業が行われる。
【0024】上述の請求項5記載の手段によれば、素線
供給手段から所定の巻線位置の間の素線の経路で、素線
供給手段の公転半径内に設けられた巻線を整える手段が
巻線位置とは異なる位相で回転するため、巻線作業と異
なる位置で巻線を外周側から押圧することができる。
【0025】上述の請求項6記載の手段によれば、誘導
手段が被巻線部の外周に沿って移動しながら所定の巻線
位置を規定するため、被巻線手段の形状に合わせた所定
の巻線位置の規定が行われる。
【0026】上述の請求項7記載の手段によれば、被巻
線部の端部が被巻線部の軸方向に移動して、被巻線部の
端部においても所定の巻線位置を巻き進行側で規定す
る。
【0027】上述の請求項9記載の手段によれば、脱着
手段により、規定手段を容易に交換することが可能とな
り、巻線の形状を変更したときでも規定手段のみを交換
するだけで対応が可能となり、コストの抑制が図れる。
【0028】上述の請求項10記載の手段によれば、規
定手段をカップ状としたことで、規定手段の大きさが被
巻線部に被さることが可能な程度の大きさであればよい
ため、規定手段の小型化が図れる。
【0029】上述の請求項11記載の手段によれば、巻
き始めリード部形成手段により予め巻き始めリード部を
形成した後、取付手段により巻き始めリード部を被巻線
部に取り付けるため、素線の供給から巻線までが効率的
に行われる。
【0030】上述の請求項12記載の手段によれば、引
出し手段と切断手段により、巻き終わりリード部と、次
回の巻線を行う際の巻き始めリード部に必要な長さに素
線が切断されるため、巻線の最終的な仕上げと共に次回
の巻線作業の準備が両立可能となり、作業の効率化が図
れる。
【0031】上述の請求項13記載の手段によれば、巻
線作業終了後に保護部材で覆われた巻線を可動片が押す
ことで、素線の緩みを防いで形を崩さずに巻線を被巻線
部から外すことが可能となり、巻線作業と巻線の取り出
しまでが効率的に行われる
【0032】
【発明の実施の形態】〔第1の実施の形態〕以下、本発
明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1
は本発明の第1の実施の形態に係る巻線装置の側方概略
図を、図2は本発明の第1の実施の形態に係る巻線装置
の正面概略図、図3は図1における巻線整列機構の拡大
図、図4は図3のX−X線断面図、図5ないし図22は
巻線作業を示す図である。
【0033】まず、図1,2を用いて本実施の形態に係
る巻線装置の構成を説明する。本実施の形態では、素線
2に平角線を用いている。図1に示すように、巻線装置
は基台24を備え、基台24は上方に立脚する第1脚部
25を備える。第1脚部25の上方には第1頭部26が
設けられ、第1頭部26は内部が中空で、そこに後で詳
述する第1ボールネジ11や巻線整列機構が搭載されて
いる。また、第1頭部26には図1中右側に3本の第1
リニアガイド9a,9b,9cが設けてあり、第1リニ
アガイド9a,9b,9cには、管状のステータ7aが
図1中左右方向に移動可能に支持されている。ステータ
7aの外周には第1ベアリング8により回転可能に支持
されたロータ7bが取り付けてあり、ステータ7aと共
に第1モータ7を構成している。ステータ7aの内周空
間には巻枠1を固定する固定部38と、後で詳述する巻
線整列機構の第1部分30が搭載されている。第1頭部
26で、第1リニアガイド9a,9b,9cの中心とな
る位置(以下、この位置を第1中心軸と称す)には、第
1ボールネジ11が取り付けられており、第1ボールネ
ジ11の中間には第1モータ7が固定された取付け板2
7が直交するように配されている。取付け板27は図中
上下に伸びており、第1頭部26の上下に設けられた溝
から突出させた上端、下端がそれぞれ図中右側に屈曲し
て、ステータ7aに接続している。第1ボールネジ11
の一端(図中、左端)は、第1頭部26に設けられた第
2モータ10に接続されており、第2モータ10により
第1ボールネジ11が回転され、それにより取付け板2
7が、ひいては第1モータ7が図中左右方向に第1リニ
アガイド9a,9b,9cに沿って移動する。これによ
り、後で説明する素線供給リール4からの素線2の供給
位置と巻枠1における巻線位置とが、第1モータ7の径
方向に平行に配置している。
【0034】基台24には第1脚部25の他に、第2脚
部28が設けられている。第2脚部28と基台24との
間には、第1頭部26の後述する固定部38への巻枠1
の取り外しを可能とするために、第2リニアガイド21
a,21bが設けられ、第2脚部28を第1脚部25と
の間隔を可変としている。すなわち、第2脚部28の上
方には、内部が中空の第2頭部29が設けられ、その中
空部分に、前述した巻線整列機構の第1部分30と対を
なす第2部分31が搭載されている。この第2部分31
については、第1部分30と共に後に詳述する。第2部
分31の外周は円管状となっており、この円管状部分の
周囲には第2ベアリング18が配置されている。
【0035】ここで、第1モータ7のロータ7bには第
1アーム6aと第2アーム6bが設けられており、第1
アーム6aには素線供給リール4が、第2アーム6bに
は巻線整形機構39が、それぞれ取り付けられている。
素線供給リール4は、第1モータの中心軸に平行に回転
自在に取り付けられた巻枠5を備え、巻枠5には予め素
線2が整列して巻き付けてある。そのため、素線供給リ
ール4の素線2供給位置は規則的に移動していく。ま
た、素線2の供給のための素線供給リール4の自転方向
と公転方向とが同じであるように、図2に示すように素
線供給リール4が第1アーム6aに所定の設定トルクに
て回転自在に取り付けられている。巻線整形機構39は
第2アーム6bの他に、第2脚部28の第2ベアリング
18を挟んで第2頭部29の周囲を回転する第3アーム
32によって支持されている。第3アーム32と一体と
なって移動するように巻線整形機構39が構成されてい
る。巻線整形機構39は、略直方体状の巻枠1に巻かれ
た巻線3を外周から押圧するローラ14と、ローラ14
が第1モータ7の径方向に移動するための経路である第
3リニアガイド15と、リニアガイドに沿った移動を操
作する第1アクチュエータ16とから構成され、第2ア
ーム6bとは摺動する同期棒19でのみ連結支持されて
いるため、第2脚部28の移動に伴って第2アーム6b
との距離を可変とする。
【0036】次に、図3,4を用いて6層巻巻線用の巻
線整列機構を説明する。まず、始めに第1頭部26側に
ついて説明する。取付け板27を動かす第1ボールネジ
11は、第2モータ10と反対側の端部はフリーとなっ
ている。また、固定部38には3個の第3モータ34
a、34b、34cが内蔵されており、第3モータ34
a,34b,34cはそれぞれ図示しない3個の第3ボ
ールネジを回転する。さらに、第3ボールネジにはそれ
ぞれ、第1モータ7の径方向で素線2の2本分の径に相
当する厚みを持った大、中、小の第1箱体36a,36
b,36cが取り付けられており、第3ボールネジの回
転により図中左右方向に移動するように構成されてい
る。第1箱体36a,36b,36cの形状は巻枠1の
形状に合わせて略直方体となっている。なお、第1箱体
36a,36b,36cは図に示すように、小さい箱体
(以下、第1小箱と称す)36cが、中ぐらいの大きさ
の箱体(以下、第1中箱と称す)36bの内部に、ま
た、第1中箱36bは大きい箱体(以下、第1大箱と称
す)36aの内部に、移動可能な間隔を確保しながら、
互いに丁度納まるように形成、配置されている。なお、
第1中箱36bの底部には1個の、第1大箱36aの底
部には2個の貫通孔がそれぞれ設けられており、この貫
通孔を通して第3ボールネジが内部にある第1小箱36
cや第1中箱36bに取り付けてある。それにより、第
3ボールネジが回転することで第1箱体36a,36
b,36cの位置が操作される。また、第1箱体36
a,36b,36cの中心には前記の第3ボールネジ用
の孔とは別の貫通孔37a,37b,37cが設けられ
ており、この貫通孔37a,37b,37cを通して巻
枠1を巻線装置を載置する固定部38が第1頭部26に
連結されている。この固定部38への固定手段は特に限
定されるものではなく、ネジ留めでも、挟持する機構で
もよい。
【0037】次に、第2頭部29側の構成について説明
する。基本的には第1頭部26側とほぼ同じ構成になっ
ており、3個の第4モータ20a,20b,20cと、
3本の第4ボールネジ13a,13b,13cと、大、
中、小の3個の箱体12a,12b,12cから構成さ
れ(以下、各箱を第2大箱12a,第2中箱12b,第
2小箱12cと称す)、図4に示すように、第2大箱1
2a,第2中箱12b,第2小箱12cは、互いに丁度
納まる大きさに形成されている。ただし、第2頭部側で
は、第1頭部側のような巻枠1の固定が行われないた
め、第4ボールネジ13a,13b,13c用の貫通孔
とは別の貫通孔は第2大箱12a,第2中箱12b,第
2小箱12cには設けられていない。各箱体の大きさ
は、第1大箱36a>第2大箱12a>第1中箱36b
>第2中箱12b>第1小箱36c>第2小箱12cと
なっており、各箱体の第1モータ7の径方向の厚さは全
て素線2の2本分の径と同じになっている。また、各箱
体の半径は、大きさが一段階大きくなるに従って、素線
2の1本分の厚さだけ大きくなっている。例えば、第1
小箱36cの内径は第2小箱12cの内径より素線2の
1本分の厚さだけ大きく、第2中箱12bの内径は第1
小箱36cの内径より素線2の1本分の厚さだけ大きく
なっている。
【0038】次に、前記構成に係る巻線装置による巻線
方法について図1,図2,図5ないし図22を用いて説
明する。図1を見ると、第2脚部28が図中右端に移動
した状態で固定部38に巻枠1が装着され、素線2の先
端が固定部38側に固定される。その後、第1頭部26
の箱体群と第2頭部29の箱体群の間隔が所定の巻線範
囲となるまで、第2脚部28が図中左方向に移動し、移
動が完了すると巻線作業が開始される。第4モータ20
cによる第4ボールネジ13cの回転により、第2小箱
12cが第1層第1列の位置まで移動する(他の箱体の
移動も同様の操作によって行われるため、以下説明を省
略する)と、図5に示すように第1アーム6aの回転に
より素線供給リール4が巻枠1の周囲を公転し、かつ、
素線供給リール4が公転方向と同じ向きに自転して素線
2が巻枠1に巻き付けられる。アーム6aが1周して図
5に示す巻枠1上の位置で素線2の列変えが行われるた
め、第2モータ10により第1ボールネジ11が回転し
て第1モータ7、ひいては第1アーム6aが徐々に右方
向に移動し、それにより第2小箱12cも図中左に移動
して、巻進行側での所定の巻線位置が決定される。素線
2が1周巻き付けられると巻線3が巻枠1上に形成され
るため、2列目以降の巻線位置が第2小箱12cと直前
の巻線3により規定される。すなわち、素線2が巻枠1
に対して垂直に巻き付けられる時は第2個小箱12cの
移動を停止させ、第2小箱12cと巻線3により所定の
巻線位置を規定する。素線2が巻枠1に対して斜め巻き
の時は、図6に示すように第2小箱12cを徐々に移動
させることで、斜めの巻線3と共に斜めの所定の巻線位
置を規定することができる。この操作を繰り返して第2
小箱12cが図7に示すように右端まで移動する。第2
アーム6bに設けてある巻線整形機構39は巻線作業中
アキュムレータ17の制御により巻線3の外周から当接
する(この巻線整形機構39の当接操作を行う区間は巻
線の性能により任意に設定される)。そして、アキュム
レータ17の制御により巻線3への当接が解除される。
2層目の巻線作業が始まるときは、図8に示すように第
1小箱36cが右側に移動して2層1列目の所定の巻線
位置が規定される。そして、図9に示すように、第1層
目での第1小箱12cと同様に所定の巻線位置を巻進行
側で規定し、2列目以降では巻線3と共に素線2の両側
で所定の巻線位置を規定する。その後、第1小箱36c
が図10に示すように左端まで移動して2層目の巻線作
業が終了する。以下、3層目では図11ないし図13で
示すように第2中箱12bにより、4層目では図14な
いし図16に示すように第1中箱36bにより、5層目
では図17ないし図19で示すように第2大箱12aに
より、そして、最外層である6層目では図20ないし図
22で示すように第1大箱36aにより、1層目や2層
目と同じ作業により、それぞれ、所定の巻線位置の巻き
進行側を常に規定して、全ての巻線位置で所定の巻線位
置を規定している。
【0039】以上、説明した実施の形態によれば、巻枠
1の任意の巻層で所定の巻線位置を挟んだ箱体と箱体、
若しくは、箱体と巻線3で、素線2の所定の巻線位置を
規定することで、各層同じ条件で素線2の整列巻きが適
切に行われる。また、素線2が第1アーム6aの回転に
より、素線供給リール4が巻枠1の周囲を公転し、か
つ、素線供給リール4が公転方向と同じ向きに自転して
素線2を供給することで、巻枠1に巻線方向とは逆の巻
癖であるスプリングバックを持つ素線2が巻き付けられ
るため、巻枠1に対して素線2が巻枠1に対して隙間を
設けずに巻き付けられる。また、各層の巻線作業終了時
には巻線整形機構39により巻線3を外周から押圧する
ため、巻線3の径方向の形状が整えられる。更に、巻線
整形機構39は素線供給リール4と対向する位置に配置
されるため、巻枠1上の任意の位置において、巻線作業
と巻線整形作業が同時に行われることがない。また、巻
線機構を縦に配置した機構としたため、省スペース化が
図れる。 〔第2の実施の形態〕以下、本発明の第2の実施の形態
を図面23ないし29に基づいて説明する。図23は本
発明の第2の実施の形態に係る巻線装置の構成図、図2
4は図23に示す巻線装置のA視図、図25は素線案内
駆動部の側面図、図26は巻線装置における素線案内駆
動部の正面図、図27ないし図29は巻線作業を示す
図。
【0040】図23において、ドラム装着部41には軸
42にドラム43が所定の設定トルクにて回転可能に取
り付けられ、このドラム43には平角線の素線2が巻装
されている。ドラム装着部41の横には巻枠駆動部44
が設けられている。この巻枠駆動部44は図示しない巻
き取りモータを内部に収容してなるものであり、その側
面にはテーブル45が取り付けられ、このテーブル45
は巻き取りモータに連結されている。そして、図24に
示すように、テーブル45には側板47bを介して軸方
向断面が矩形状の巻枠1が取り付けてあり、また、巻枠
1の側板47bと反対側には側板47aが設けられてい
る。巻き取りモータが駆動するとテーブル45と一体的
に巻枠1,側板47a,47bが回転する。また、ドラ
ム43から引き出された素線2は巻枠1に掛け渡されて
おり、素線2の供給時にドラム43が回転する方向と逆
の方向にテーブル45が回転することで、形成された反
りの向きと反対に素線2が巻枠1に巻き取られる。ま
た、図23,24に示すように、ドラム装着部41と巻
枠駆動部44との間にはローラ装着部46が設けられて
いる。このローラ装着部46には素線ガイドローラ49
が設けられており、その設置位置により巻枠1の巻線作
業位置が決定される。
【0041】巻枠1の横には、図24に示すように素線
案内駆動部48が設けられている。素線案内駆動部48
は、規定ローラ50を所定の巻線位置の巻進行側に当接
させるために、規定ローラ50を巻枠1の径方向に動か
すための径方向駆動機構51と規定ローラ50を巻枠1
の軸方向に動かすための軸方向移動機構52とを備えて
いる。径方向駆動機構51は規定ローラ50を巻枠1に
当接するための第2アクチュエータ53を備え、巻線作
業時には規定ローラ50と巻枠1との距離が調節され
る。なお、規定ローラ50が巻枠1に当接している時
は、第2アクチュエータ53は、矩形状の巻枠1の回転
に伴う中心軸と側面との距離の変動を吸収可能に調整さ
れている。軸方向駆動機構52は規定ローラ50を巻線
2に当接するための第3アクチュエータ54を備え、規
定ローラ50と巻線2との距離が調節される。規定ロー
ラ50と接続する径方向駆動機構51を巻枠1の軸方向
に移動することで、規定ローラ50が巻枠1の軸方向で
の所定の巻線位置に案内される。なお、規定ローラ50
は巻枠1の軸方向における所定の巻線位置を規定するも
ので、図25,26に示すように、ローラ側面が巻枠1
もしくは巻線3の外周面に当接し、ローラ端面で素線2
を案内するものである。規定ローラ50の軸方向の厚さ
は、素線2の径よりも薄くなっている。
【0042】次に、上記構成の巻線装置による巻線方法
について説明する。テーブル45に巻枠1を固定し、巻
枠1にドラム43から供給された素線2の端部55を取
り付ける。そして、図27に示すように、1列目の位置
に素線2を案内するため、規定ローラ50が、ローラ側
面を巻枠1に1列目の巻進行側で当接させながら、巻線
位置の進行に伴って移動する。その後、巻枠1が回転し
て巻枠1の側面と回転軸との距離が変化するため、規定
ローラ50の当接が維持されるよう径方向駆動機構51
によりその変化を吸収し、かつ、追随する。その後、1
列目の巻線が終了する直前で、巻線作業での列変えのた
めに規定ローラ50は周方向に一旦退避したのち1列分
だけ次の巻進行方向へシフトする。以後、最終列までこ
の操作が繰り返される。最終列の巻線作業は、図28に
示すように側板47aがあるため、規定ローラ50が巻
線作業の障害となる。そのため、径方向移動機構51の
制御により、規定ローラ50を巻枠1から巻線作業の障
害とならない位置まで退避させる。この状態で最終列の
巻線が終了すると、規定ローラ50が2層1列目の所定
の巻線位置を規定する位置で巻枠1に当接して2層目の
巻線が開始される。2層目の巻線作業では、図29に示
すように1層目の巻線作業とは巻線作業進行方向が逆と
なるため、規定ローラ50の所定の巻線位置を規定する
ローラ端面が、1層目とは逆になり、また、軸方向駆動
機構52による規定ローラ50の移動方向も逆となる。
以後、1層目の巻線作業と同様の作業が繰り返され、各
層各列の巻線作業が巻線位置を規定されながら行われ
る。
【0043】以上、説明した実施の形態によれば、素線
2がドラム43により形成されたスプリングバックを利
用して、素線2が巻枠1に密着して巻線される。また、
巻線作業後には規定ロ−ラ50により巻線3が外周から
押圧されるため、巻線3の径方向の形状が整えられる。
また、規定ローラ50が巻軸の軸方向、系方向に自由に
移動できることから巻線を行う層に適当な位置に移動す
ることができ、各層同じ条件で素線2の整列巻きが適切
に行われる。さらに、第1の実施の形態に比べ、所定の
巻線位置の規定が規定ローラ50のみで行われるため、
装置の簡略化が図れ、また、巻層を変えて巻線作業が行
われる際も規定ローラ50の巻枠1の径方向の位置を変
えるだけで対応可能となる。 〔第3の実施の形態〕以下、本発明の第3の実施の形態
を図面に基づいて説明する。図30は側板駆動機構の構
成を示す図、図31,32は側板駆動機構により側板が
動かされた状態を示す図、図33ないし図35は巻線作
業を示す図である。
【0044】本実施の形態は、巻線供給部及び素線案内
駆動部が第2の実施の形態と同じ構成であることから、
この部分についての説明は省略し、第2の実施の形態に
ない構成である側板駆動機構の説明を行う。巻枠1は、
図30に示す側板駆動機構により可動する構成になって
いる。巻枠1を回転する巻き取りモータ56の図示しな
い出力軸には軸方向に垂直な断面が矩形状の中心軸57
が取り付けられている。中心軸57には複数の管が被さ
れており、各管は中心軸57の外周形状と同じ矩形状の
内周形状を有している。中心軸57には巻き取りモータ
56と反対の端部から、中心軸57と連結された側板4
7a、中心軸57に対して軸方向に相対移動可能で素線
2が巻線される巻枠1、巻枠1に隣接し、巻枠1の径よ
り若干小さい径を有する円柱状の第1管部58、そし
て、第1管部58に隣接し、巻枠1より若干大きい径を
有し、側面に中心軸57と連通する縦長の孔59を有す
る円柱状の第2管部60の順で中心軸57に嵌合してい
る。従って、これらの部材は中心軸57と一体になって
回転する。また、第1管部58には、側板47aと対を
なして巻枠1を挟む側板47bを含み、第1管部58よ
り長さが短く、第1管部58に対して軸方向に移動可能
な第1受動部61が嵌合している。同様に、第2管部6
0には、第2管部60より長さが短く、第2管部60に
対して軸方向に移動可能で、孔59を介して中心軸57
と接続する第2受動部62が嵌合している。第2管部6
0の外周にはベアリング63を介して第2受動部62、
さらに、中心軸57を支承する外筒部64が形成されて
いる。外筒部64には第4アクチュエータ67と第5ア
クチュエータ68の2つのアクチュエータが設けられて
いる。さらに、第1受動部61,第2受動部62には、
その外周面に周方向に伸びる溝65,66がそれぞれ形
成されており、第4アクチュエータ67,第5アクチュ
エータ68により可動されるアーム69,70が、それ
ぞれ溝65,66に係合する。なお、外筒部64には軸
方向に縦長の孔71が設けられており、この孔71を通
してアーム70が溝66と係合する。
【0045】図31,32を用いて駆動機構の動作につ
いて説明する。まず図31に示す動作を説明する。第5
アクチュエータ68が作動してアーム70を図中矢印方
向に動かすとアーム70が溝66に係合しているため第
2受動部62が連動し、さらに、第2受動部62は孔5
9を介して中心軸57と連結しているため、中心軸57
が図中矢印方向に動く。この時、巻枠1は第5アクチュ
エータ68と機械的に連結していないため軸方向に動か
ず、中心軸57の端部に連結された側板47aと巻枠1
とが離れる。なお、この第5アクチュエータ68が移動
する量は、後で述べるように図示しない規定ローラの厚
さに応じて決められる。次に図32に示す動作を説明す
る。第4アクチュエータ67が作動してアーム69を図
中矢印方向に動かすと、アーム69が溝65に係合して
いるため第1受動部61が連動して図中矢印方向に動
く。この時、第4アクチュエータ67と機械的に連結し
ていない部分には力が働かないため巻枠1は軸方向に動
かず、側板47bを含めて第1受動部61と巻枠1とが
離れる。なお、この第4アクチュエータ67が移動する
量は、第5アクチュエータ68の場合と同様に、後で述
べるように図示しない規定ローラの厚さに応じて決めら
れる。
【0046】次に、図33ないし図35を用いて、巻線
時における巻枠1,側板47a,47b及び規定ローラ
50の動きを説明する。巻枠1の軸方向端部以外の位置
への巻線作業時は図33に示すように第2の実施の形態
と同様の方法で巻線が行われる。すなわち、巻線位置の
巻進行側を規定ローラ50により規定しながら巻線が行
われるものである。図34に示すように側板47aに最
も近い位置での巻線作業時には、第4アクチュエータ6
7により側板47aが図中右側に、少なくとも規定ロー
ラ50の厚さ分だけ動かされ、側板47aと巻線3の軸
方向端部との間に巻線3の側板47a側端部に接するよ
うに規定ローラ50が挿入される。これにより、図示し
ない巻線供給部から供給された素線が巻枠1の側板47
a側の軸方向端部において規定ローラ50の側板47b
に面する端面に沿って所定の巻線位置に案内される。ま
た、図35に示すように側板47bに最も近い位置での
巻線作業時には、第5アクチュエータ68により側板4
7bが図中左側に、少なくとも規定ローラ50の厚さ分
だけ動かされ、側板47bと巻線3の軸方向端部間に巻
線3の側板47b側端部に接するように規定ローラ50
が挿入される。これにより、図示しない巻線供給部から
供給された素線が巻枠1の側板47b側の軸方向端部に
おいて規定ローラ50の側板47aに面する端面に沿っ
て所定の巻線位置に案内される。
【0047】以上、本実施の形態によれば、素線2に対
する規定ローラ50の剛性を大きくするために規定ロー
ラ50の軸方向の厚さが素線2の径より厚くなり、第2
の実施の形態の構成では規定ローラ50による巻枠1の
軸方向端部での素線2の案内が適切に行われなくなる場
合でも、側板47a,47bがそれぞれ軸方向に移動す
るため、規定ローラ50が所定の巻線位置の巻進行側に
位置することが可能となる。よって、素線2を所定の巻
線位置まで適切に案内することができる。 〔第4の実施の形態〕以下、本発明の第4の実施の形態
を図面に基づいて説明する。図36は巻線装置の側方断
面図を、図37は図36のC−C線矢印から見た横断面
図を、図38は図36のE−E線矢印から見た縦断面図
を、それぞれ示している。本実施の形態において、この
巻線装置は装置を上下に囲むケース73を備えており、
ケース73の下部側の中心には柱部74が立脚されてお
り、柱部74は被巻線部である磁気コア72を巻軸方向
が柱部74の立脚方向と平行にして着脱自在に装着する
コア装着部75と、コア装着部75に装着された磁気コ
ア72の所定の巻線位置に素線2を誘導する誘導手段7
7の一部とを備えている。誘導手段77の残る部分はケ
ース73の上部側に設けられている。
【0048】柱部74には柱部74を中心軸として回転
するアーム78が設けられている。アーム78には柱部
74側端部には下方にギア79が備えられ、もう一端に
は素線2をコア装着部75側に供給する供給手段である
素線供給リール76が、その中心軸が柱部74と平行に
なるように、素線供給リール76の回転を調整するモー
タ81を介して備えられている。モータ81はその回転
を調整することで素線供給リール76の回転を調整し、
供給する素線2の張力を調整するものである。一方、ケ
ース73の下部側上面にはモータ82が備えられ、この
モータ82が発生する回転力をギア83を介してギア7
9に伝えることによってアーム78が柱部74の回りを
回転するように構成されている。さらに、アーム78に
は素線ガイドローラ80が設けられ、素線供給リール7
6から供給される素線2を磁気コア72の高さに案内し
ている。上記のようなアーム78の構成により、素線2
が所定の張力に制御され、かつ、磁気コア72の高さに
案内されて、磁気コア72に巻き付けられるようになっ
ている。
【0049】誘導手段77は、柱部74に設けられた下
側部分84とケース73に設けられた上側部分85とか
らなる。下側部分84は素線2の下側から磁気コア72
における巻き付け面の所定の巻線位置に誘導する4つの
ガイド86ないし89からなる。上側部分85は、素線
2の上側から磁気コア72における巻き付け面の所定の
巻線位置に誘導する4つのガイド90ないし93からな
る。上側のガイド90から93と下側のガイド86から
89とがそれぞれ対峙するもの同志で対を構成し、合計
で4つの対が構成される。各ガイド86から93は3次
元の移動が可能になるように構成されている。
【0050】各ガイド86から93の動作はそれぞれ前
後、左右、上下、対角方向のいづれかの方向で他のガイ
ドと対称であるため、ここでは、ガイド87を代表とし
てその動作及び機構について説明する。ガイド87は図
36で示すようにアクチュエータ94に接続され、アク
チュエータ94によって図36中の左右方向の動作を行
うようになっている。また、図38よりアクチュエータ
94はアクチュエータ95に接続されて図38中の左右
方向の動作を行うように、更にアクチュエータ95はア
クチュエータ96に接続されて図38中の上下方向の動
作を行うようになっている。これらアクチュエータ9
4、アクチュエータ95、アクチュエータ96によって
ガイド87は3次元の移動が可能に構成される。その他
のガイドについても各アクチュエータによって3次元の
移動が可能に構成されている。なお、各アクチュエータ
は図示されない制御装置によってその動作を制御される
ように構成されている。
【0051】次に、ガイドの形状について説明する。形
状の種類としては2種類あり、各種4つのガイドがあ
り、同種のガイド同志はお互いに対称な形状となってい
る。ここでは各種を代表してガイド86とガイド18の
形状を図39から図43を用いて説明する。図39は図
36におけるコア装着部75に注目した図、図40は図
39のC−C線矢印から見た横断面図、図41は図39
のG−G線矢印から見た図、図42は図39のH−H線
矢印から見た縦断面図、図43は図39のD−D線矢印
から見た横断面図、図44は巻線作業終了後の図42に
相当する縦断面図をそれぞれ示す。
【0052】まず、ガイド86であるが、図39に示す
ように略L字状で、長辺部97に素線2が当接して所定
の巻線位置へと案内するようになっており、これが規制
部材に相当する。なお、短辺部98はアクチュエータ9
9から延びるアーム100が接続するためのものであ
る。図40に示すように磁気コア72の巻軸に垂直な方
向から見ても略L字状となっており、ここでは長辺部1
01、短辺部102共に規制部材に相当し、紙面上向き
の面で素線2を受け、長辺部101は磁気コア72のス
ロット内部側に、短辺部102は磁気コア72のコイル
エンド部にそれぞれ素線2を案内するように構成されて
いる。以下、ガイドの構造のうち規制部材に相当する部
分を爪部とする。各爪部は磁気コア72に当接可能で、
巻軸方向の厚さが素線2の直径より小さくなっている。
図41に示すようにコイルエンド部に垂直な方向から見
ると巻軸に垂直な部分を備え、素線2が当接してコイル
エンド部の所定の巻線位置へと案内するようになってい
る。
【0053】次に、ガイド88であるが、ガイド86と
相違する点のみを説明する。ガイド88がガイド86と
相違する点は、図40、図42に示すように爪部のうち
ティース104のコイルエンド側の所定の巻線位置へと
案内する部分を備えていない点である。これは図44に
示すように磁気コア72の紙面手前側のコイルエンド部
で素線2の径分の移動のため、斜め巻が行われるからで
ある。このように、爪部が斜め巻が行われる箇所を除い
て磁気コア72を巻軸周方向を囲むように設けられてい
る。また、各ガイドに共通する構成であるが、ガイドの
略L字状の折れ曲がり部分のうち凸面側等、各ガイドの
素線2と接する角部には、素線2のガイド間への挿入時
の素線2への傷防止と円滑な挿入を目的として、面取り
が施されている。
【0054】ここで、本実施の形態における被巻線部で
ある磁気コア72の構成について図48から図50を用
いて説明する。この磁気コア72は所謂分割コアであっ
て、図48に示すように電動機のステータ103を各々
が一つのティース104を含むように円周方向に分割し
たものである。磁気コア72は、図49に示すようにコ
イルエンド側から見た形状が略T字状に、また、図50
に示すように巻軸方向に垂直な方向のティース104の
断面形状は略長方形となっている。各コアは図49に示
すような略T字型の電磁鋼板を図49の紙面に直交する
方向に積層して形成される。このような分割コアの状態
で素線2を巻き付けることで、ステータ103が分割さ
れていないものに比べてスロット間への素線2の充填が
十分に行え、それにより占積率の向上を図ることができ
るものである。分割コアへの素線2の巻き付け終了後は
分割コアを円筒状に配列して接続することでステータ1
03を形成するようになっている。
【0055】次に、前記構成に係る巻線装置による巻線
方法について図39から図47を用いて説明する。ま
ず、各ガイドがコア装着部75の周りから装着の障害に
ならない範囲に避難した状態でコア装着部75に磁気コ
ア72が固定された後、素線供給リール76から素線ガ
イドローラ80を介して供給された素線2が磁気コア7
2の上方で適当な方法で拘束される。なお、磁気コア7
2はティース104に巻枠105を装着した状態で固定
され、また、巻枠105は巻線の列変えが行われるコイ
ルエンド側に巻線の巻崩れを防止する側板を備えていな
い。拘束された素線2は、磁気コア72の側板を備えな
いコイルエンド部側に引き下ろされて、巻枠105上の
第1列目の巻線位置で巻軸周方向に曲げられる。その
後、モータ82によりアーム78が回転されることによ
り素線供給リール76が磁気コア72の周囲を旋回し、
この旋回に伴って素線2が素線供給リール76から繰り
出されて巻枠105に巻線する。
【0056】第1列目の巻線時のガイド86から93の
それぞれの位置を説明する。巻軸半径方向には、ガイド
90から93が図43に示すように巻枠105の側板1
06外周に避難し、ガイド86から89が図40に示す
ように巻枠105の筒面に接するように移動される。一
方、巻軸方向には、ガイド90から93は側板106の
位置に避難し、ガイド86から89は各爪部が側板10
6と素線2の略直径の幅をもった位置に移動される。
【0057】このように各ガイドが磁気コア72の周囲
に配置されると、素線2がアーム78の回転によって側
板106とガイド86から89の各爪部との間に案内さ
れて磁気コア72表面上の所定の巻線位置に巻線され
る。アーム78が回転すると、まず、側板106とガイ
ド89の爪部との間に、次は、ガイド87の爪部との間
に、そして、ガイド86の爪部との間に、ガイド88の
爪部との間にというように素線2が案内されて巻枠10
5を挟んで磁気コア72上の所定の巻線位置に巻線され
る。このようにして側板106とガイド88の爪部との
間にまで案内されると1列目の巻線が終了する。爪部が
磁気コア72を巻軸周方向に囲んで設けられるため、磁
気コアの各面での所定の巻線位置に確実に案内される。
【0058】続いて、2列目である。1列目の巻線が側
板106とガイド88との空間まで案内されると、ガイ
ド89とガイド87が巻軸方向に側板106から離れる
向きに素線2の略直径分だけ移動する。また、ガイド9
3とガイド91が巻軸方向に側板106から離れる向き
に素線2の略直径分だけ移動し、かつ、爪部の厚さが素
線2の直径より薄いため巻軸半径方向には1列目に巻線
された素線2に接する距離まで移動する。これにより、
ガイド89の爪部とガイド93の爪部、ガイド87の爪
部とガイド91の爪部がそれぞれ素線2の略直径の幅を
以て2列目の巻線位置を空けて対峙する。その後、アー
ム78が回転することで、ガイド89の爪部とガイド9
3の爪部との空間、ガイド87の爪部とガイド91の爪
部との空間の順に素線2が案内され、巻線される。な
お、前述したようにガイド88、ガイド89、ガイド9
2、ガイド93には、磁気コア72のコイルエンド部側
に爪部を備えていないため、1列目から2列目の巻線の
列変えが容易に行われる。次に、ガイド86とガイド8
8がガイド87とガイド89と同様に移動し、ガイド9
0とガイド92がガイド91とガイド93と同様に移動
する。その後、アーム78が回転することで、ガイド8
6の爪部とガイド90の爪部との空間、ガイド88の爪
部とガイド92の爪部との空間の順に素線2が案内さ
れ、2列目の巻線が終了する。以下巻線作業がもう一方
の側板に達するまでこの作業を繰り返す図46に示すよ
うに第1層目の巻終わりとなる列の巻線時には、ガイド
86から89は、第1列目の巻線時のガイド90から9
3と同様に、巻軸半径方向には巻枠105の側板106
の外周に避難し、巻軸方向には各ガイドの爪部が側板1
06の位置に避難するように移動する。一方、ガイド9
0から93は、巻軸半径方向には巻枠105の表面に接
するように移動され、巻軸方向には側板106と素線2
の略直径の幅をもった位置に移動される。このように各
ガイドが磁気コア72の周囲に配置されると、アーム7
8の回転によって、素線2が、側板106とガイド90
から93の爪部との間の空間に案内されて磁気コア72
表面上の所定の巻線位置に巻線される。アーム78が回
転すると、まず、側板106とガイド93の爪部との間
に、次は、ガイド91の爪部との間、そして、ガイド9
0の爪部との間、ガイド92の爪部との間というように
素線2が案内されて巻枠105を介して磁気コア72表
面上の所定の巻線位置に巻線される。このようにしてガ
イド92との空間まで案内されると第1層目の巻線が終
了する。
【0059】第2層目の巻線について図47を用いて説
明する。ガイド90から93の爪部は第1層目の巻き終
わり位置から巻線の略半径分だけ近い方の側板106か
ら離れる向きに移動され、俵巻のコイルを製造すること
ができる。なお、ガイド86から89は第1層目の巻き
終わりと同様に側板106の外周に避難している。これ
により第1層目の巻き始めと同様に、ガイド90から9
3の爪部と側板106によって所定の巻線位置を挟んで
対峙する空間が形成される。アーム78の回転によって
この空間に巻線が挿入されて所定の巻線位置に巻線され
る。以下、ガイドの巻軸方向の移動の向きは下層である
第1層目の巻線時とは逆になる点と、巻軸方向の巻線位
置が下層である第1層目と素線2の半径分だけずれる点
を除いて第1層目と同様の作業を繰り返すことにより巻
線が進められる。
【0060】各層各列で上記作業を繰り返すことで最終
的に図45に示すような整列巻コイルに巻線することが
できる。
【0061】以上説明した第4の実施の形態では、それ
ぞれ、素線供給リール76が供給手段に、モータ82と
アーム78が巻き手段に、各ガイドと各アクチュエータ
が誘導手段に、各爪部と側板106が規制部材にそれぞ
れ対応する。爪部と爪部、爪部と側板とが所定の巻線位
置を挟んで素線2の略直径の幅をもって対峙し、これら
が対峙することで生じる空間を素線2が通ることで所定
の巻線位置に誘導されると共に、素線2に曲がりが生じ
ている場合でも前記空間を素線2が通ることで整列巻き
が可能となり、それによって、巻線の占積率が向上して
電動機の効率及び出力が向上する。また、巻き列の列変
えの行われる側に爪部を設けないことによって、巻き列
の列変えの際の斜め巻きを容易に行うことが可能とな
る。さらに、各ガイドが巻軸半径方向に退避可能な構成
であるため、磁気コアに巻枠105を装着した構成の場
合でも、退避しないガイドの爪部と側板106によっ
て、層の巻きはじめや巻きおわり部分においても所定の
巻線位置への巻線が可能となる。また、爪部の巻軸方向
の厚さが素線2の直径より薄いため、各層の巻きはじめ
の2列目や巻き終わりの2列目の部分でも所定の巻線位
置への巻線が可能となる。 〔第5の実施の形態〕以下、本発明の第5の実施の形態
を図面に基づいて説明する。図51は巻き始めリード部
の形状を示す図、図52(a)は本実施の形態に係る巻
線装置の巻き始めリード部成形開始時の各構成の配置を
示す図、(b)は(a)のA視図、図53(a)は本実
施の形態に係る巻枠の形状を示す図、(b)は(a)の
A視図、(c)は(a)のB視図、図54(a)は本実
施の形態に係る奇数層整列カップの形状を示す図、
(b)は(a)のA視図、図55(a)は本実施の形態
に係る偶数層整列カップの形状を示す図、(b)は
(a)のA視図、図56(a)は本実施の形態に係る主
軸の構成を示す図、(b)は(a)のA視図、図57は
本実施の形態に係る巻線装置の巻き始めリード部成形時
の各構成の配置を示す図、図58(a)は本実施の形態
に係る巻線装置の巻枠への巻き始めリード部取り付け時
の各構成の配置を示す図、(b)は(a)のA視図、図
59は図58(b)の巻線ユニットのB視図、図60は
1層目の巻き始めを示す図、図61は1層目の巻線作業
を示す図、図62は2層目の巻線作業を示す図、図63
は本実施の形態に係る巻線装置の巻線作業終了時の各構
成の配置を示す図、図64は本実施の形態に係る巻線装
置の巻線作業終了後の素線切断時の各構成の配置を示す
図、図65は本巻線装置により製造されるコイルの形状
を示す図である。
【0062】まず、図52(a),(b)を用いて本実
施の形態に係る巻線装置の各構成の配置を説明する。本
実施の形態では、素線2に断面矩形状の平角線を用いて
いる(以下、第6の実施の形態においても同様の素線を
用いて巻線を行うものとする)。図52(a)に示すよ
うに、本実施の形態に係る巻線装置は図中右側から、素
線2の供給を行う素線供給ユニット108と、モータ等
の電気機器に取り付けられたときに電気配線のリード端
子となり、図51に示す形状の巻き始めリード部115
を被巻線部への巻き付け前に素線2に形成するリード部
形成ユニット109と、巻枠119への素線2の巻き付
けを行う巻き付けユニット110とを備える。さらに、
ここでは図示しないが、巻線終了時に素線2をカッター
143により切断する切断ユニットを備える。
【0063】素線供給ユニット108は、素線2が巻き
付けて保存されている素線リール111と、2対の駆動
ローラからなる素線ガイド112を備え、素線リール1
11から繰り出された素線2を素線ガイド112の回転
によってリード部形成ユニット109や巻き付けユニッ
ト110側に案内する。なお、素線リール111は、巻
線時に素線2に張力を掛ける機構を備える図示しない軸
により支持されている。また、素線供給ユニット108
は図示しない駆動手段により図中左右方向、上下方向、
前後方向に移動することができる。リード部形成ユニッ
ト109は、素線2の供給路113を挟んで対向配置す
る1対の成形型114a,114bを備え、巻き始めリ
ード部115を素線2の先端に形成する。
【0064】次に、巻き付けユニット110について説
明する。まず、図52(a),(b)を用いて概要を説
明する。図に示すように、所定の間隔を空けて対向する
左主軸117lと右主軸117rを備える。図において
は、左主軸117lに軸向断面が略矩形の巻枠119が
取り付けられ、右主軸117rには素線の巻線位置を規
定する規定手段である1層目用整列カップ118が取り
付けられている。なお、後で詳述するように、巻枠11
9は右主軸117rにも取り付けられ、左主軸117l
と右主軸117rとで共通の雌型の着脱構造を備え、巻
枠119と整列カップ118とで共通の雄型の着脱構造
を備える。なお、両主軸117r,117lの中心軸上
に巻枠119と整列カップ118各々の中心軸が重なる
ように巻枠119と整列カップ118が両主軸117
r,117lに取り付けられる。また、両主軸117
r,117lは、その中心軸を回転中心として回転する
ように図示しない回転機構により、同位相、同速度の回
転を行う。次に、巻枠、整列カップ、主軸の構成を詳し
く説明する。
【0065】巻枠の構成について図53(a),
(b),(c)を用いて説明する。巻枠119は図65
に示すような外形が角形の整列集中巻き巻線127を製
造するためのもので、素線2が巻線される巻き付け面1
20を備える。巻き付け面120には、その軸方向の一
端に素線2の巻き付け開始の基準となる巻き付け開始基
準面121を備える鍔部122が形成されている。さら
に、巻き付け面120には、その軸方向両端の端面12
6r,126lに、それぞれ、主軸117r,117l
に取り付けるときの基準となる雄型位相決めピン123
r,123lと、主軸117r,117lと雄型の着脱
構造である雄型チャッキングテーパ124r、124l
を備える。雄型チャッキングテーパ124r、124l
は巻枠119の中心軸と同軸に配置され、図示しない主
軸に形成された保持機構により保持される。また、鍔部
122には、巻き始めリード部115が保持される保持
溝125が設けられており、巻線時の素線2の固定部と
なる。
【0066】次に、図54(a),(b),55
(a),(b)を用いて規定手段である整列カップの構
成について説明する。整列カップは第1ないし第3の実
施の形態における規定手段と同様に巻き進行側のみで素
線2の位置を規定するものであるが、各巻層で規定手段
である整列カップを交換して素線の案内を行う。即ち、
巻層の層数分だけ整列カップが用意されている。整列カ
ップの形状は大きく分けて、奇数層用と偶数層用の2種
類あり、まず、図54(a),(b)を用いて奇数層用
の整列カップの形状を説明する。奇数層用整列カップ1
28は巻枠119や整列集中巻き巻線127の外形に合
わせて内周が矩形のカップ状で、その底部129には、
巻枠119と同じ雄型位相決めピン130と雄型チャキ
ングテーパ131が設けられている。また、開口端の端
面132が最終的に素線2の巻線位置を規定する部分と
なる(以下、整列カップの開口端の端面を整列面と称
す)。また、奇数層用整列カップ128の内部の大きさ
については、深さが1層目用のものは雄型チャッキング
テーパ124r側から被さって整列面132が巻き付け
開始基準面121に接するように、内周が巻枠119の
巻き付け面120との間に素線2の厚み以上の隙間がで
きないで被さるように形成されている。そして、側面の
厚さは、素線2の厚みに応じて適当な厚さを持って巻線
位置規定時に素線2がずれないように形成される。3層
目以降の大きさは、深さが少なくとも1層目と同じに、
内周が3層目用は巻枠119に素線2が2層分だけ巻か
れたものが丁度被さる程度に、5層目用は巻枠119に
素線2が4層分だけ巻かれたものが丁度被さる程度にと
いうように規則性をもって形成されている。次に、図5
5(a),(b)を用いて偶数層用の整列カップ133
の形状を説明する。偶数層用整列カップ133の形状は
奇数層用整列カップ128とほぼ同じ形状で、その底部
137には雄型位相決めピン134と雄型チャキングテ
ーパ135を備えているが、位相決めピン134、雄型
チャッキングテーパ135の長さは奇数層用整列カップ
128のものに比べ巻枠122の鍔部122の厚さ分だ
け長く形成されている。また、雄型位相決めピン134
が設けられている側の側面には開口端の整列面135か
ら底部に向かって延びる溝136が設けられている。こ
の溝136は、少なくとも、巻枠119の端面126l
から端面126rまでの距離に相当する深さに、巻枠1
19の保持溝125が通れる程度の幅に形成されてい
る。また、偶数層用整列カップ133の大きさは、深さ
が奇数層用と同じで、内周が2層目用のものは巻枠11
9に素線2が1層分だけ巻かれたものが丁度被さる大き
さに、4層目用のものは巻枠119に素線2が3層分だ
け巻かれたものが丁度被さる大きさに、というように規
則性をもって形成されるている。
【0067】次に、図56(a),(b)を用いて主軸
の構成について説明する。主軸は、対向する1対の組か
ら形成されており、一方の主軸に巻枠119を取り付け
て回転することにより素線2の巻き付けが行われ、もう
一方の主軸に整列カップを取り付けて、巻枠119を取
り付けた主軸に向かって素線2の略幅分ずつ移動しなが
ら、巻枠119を取り付けた主軸の回転と同位相、同速
度の回転をすることで素線2の各列における巻線位置を
規定するものである。まず、右主軸117r、左主軸1
17lに共通する構成について説明する。両主軸117
r,117lは、図示しない動力装置の駆動力により図
中軸線Lを中心とする同位相、同速度の回転と、さら
に、図示しない動力装置の駆動力により図中矢印で示す
方向の移動が可能である。続いて、各主軸の構成につい
て説明する。右主軸117rは、その端面138rに巻
枠119の鍔部122がない側の端面126r、また
は、奇数層用整列カップ128が取り付けられるように
なっており、それぞれの雄型チャッキングテーパ124
r,131が挿入される雌型チャッキングテーパ139
rと、雄型位相決めピン123r,130が挿入されて
巻枠119、または、奇数用整列カップ128の取り付
け位置を決める雌型位相決めピン140rが設けられて
いる。左主軸117lは右主軸117rとほぼ同じ構成
であるが、巻枠119の保持溝125を含めて鍔部12
2が丁度挿入される深さと大きさの段部141が形成さ
れており、その段部の底部に雌型チャッキングテーパ1
39l、雌型位相決めピン140lが設けられている。
【0068】次に、前記構成に係る巻線装置による巻線
方法について図52(a),(b),57ないし64を
用いて説明する。図52(a),(b)に示すように、
素線素線供給ユニット108における素線ガイド112
が素線2の先端をリード部形成ユニット109側に誘導
する。リード部形成ユニット109の成形型104a,
104b間に巻き始めリード部115を形成するのに必
要な長さまで、素線2の先端が誘導されると、一旦素線
ガイド112の案内が停止する。そして、成形型114
a,114bが素線2をプレスするために、互いに近づ
く向きに移動する。そして、図57に示すように成形型
114a,114bは、素線2をプレスする。これによ
り素線2の先端に巻き始めリード部115が形成され
る。その後、成形型114a,114bは互いに離れる
向きに移動して素線2を開放し、さらに、素線供給ユニ
ット108の巻き付けユニット110側への移動に障害
にならない位置まで移動する。素線2に巻き始めリード
部115が形成されると、素線供給ユニット108は素
線ガイド112が停止した状態で図示しない駆動手段に
より巻き付けユニット110側に移動する。図58
(a),(b)に示すように、巻き始めリード部115
が巻枠119の保持溝125の位置にまで達すると、素
線供給ユニット108の移動が停止する。そして、図5
9に示すように左主軸117lが矢印aの向きに移動し
て、巻き始めリード部115が保持溝125に挿入され
る。
【0069】保持溝125に巻き始めリード部115が
挿入されると、図59に示すように1層目用整列カップ
140を取り付けた右主軸117rが矢印Xの向きに移
動する。そして、図60に示す巻き付け開始基準面12
1から軸方向に素線2の略幅分だけ離れた位置で停止
し、1列目の素線2の巻線位置を規定する。この状態で
右主軸117rと左主軸117lが同位相、同速度で回
転し始めて素線2の巻き付けが開始される。素線2の巻
き付け作業時は、図58(b)ないし図63に示すよう
に、素線ガイド112と巻枠119での素線2の巻き付
け開始点とを結ぶ線と、素線リール111の素線供給開
始点と素線ガイド112を結ぶ線とが略一直線状に並ぶ
ように供給ユニット108が図示しない駆動手段により
図中上下方向に移動する。また、図60に示す状態を図
に示す矢印Aの方向から見た状態が図58(a)である
が、ここで示す保持溝125の位置を回転の原点とする
と、右主軸117rは、右回りに原点から4分の3回転
する度に、図61に示すように素線2の幅分だけ左主軸
117lと間隔を広げていく。これにより、1列ずつ巻
線位置を規定しながら素線2の巻線が進行する。そし
て、1層目最終列での素線2の巻き付けが周の4分の3
まで終了すると、巻枠119の雄型チャッキングテーパ
124rを覆わない位置まで右主軸117rが軸方向に
移動する。そして、右主軸117rからは1層目用整列
カップ140が外され、右主軸117rは再び前進して
巻枠119の雄型チャッキングテーパ124rを保持す
る。その後、巻枠119が外されてから左主軸117l
は前進し、2層目用整列カップ142が2層目1列目の
位置となる1層目最終列の位置まで戻る。そして、図6
2に示すように、右主軸117rと左主軸117lは素
線2の巻枠119への巻き付けのために再び同位相、同
速度の回転を行い、右主軸117rは、さらに、素線2
の巻線位置を2層目用整列カップ142によって規定す
るために、原点から4分の3回転する毎に、軸方向で左
主軸117lとの間隔を狭める向きに素線2の略幅分ず
つ移動する。なお、この際には巻枠119に形成された
保持溝125は2層目用整列カップ142の側面に形成
された溝内を通る。以降、3層目、4層目と各層に対応
して、巻枠119と奇数層用整列カップ128、偶数層
用整列カップ133の両主軸117r、117lへの取
り付け、取り外しが行われながら、最終層まで巻線進行
側で整列カップによって巻線位置を規定した巻線が行わ
れる。
【0070】さて、図63に示すように最終層の最終列
の原点から4分の3周まで素線2の巻き付けが行われる
と、図64に示すように、コイルの巻き終わりリード部
と次に製造されるコイルの巻き始めリード部を形成する
のに必要な長さが確保される位置まで、素線供給ユニッ
ト108が移動する。そして、図示しない駆動装置によ
って、切断ユニットのカッター143がコイルの巻き終
わりリード部と次に製造されるコイルの巻き始めリード
部の境目の位置まで移動して素線2を切断する。その
後、巻枠119からコイルが取り外されてコイルが完成
する。一方、素線供給ユニット108は図52(a),
(b)に示す位置まで移動して、上述した手順で次のコ
イルの製造を行う。
【0071】以上、説明した実施の形態によれば、図5
2(a)に示すように供給ユニット108が図中左右、
上下、前後方向に移動可能であるため、まず、左右方向
に移動して素線2の巻枠119への巻き付け前に供給ユ
ニット108がリード部形成ユニット109に移動する
ことができる。これにより、リード部形成ユニット10
9での成形型114a,114bの所定のプレス位置
に、素線2が曲がることなく供給されるため、巻き始め
リード部115が正確に形成される。さらに、巻線終了
後には、巻き終わりリード部と次のコイルの巻き始めリ
ード部115が供給できる位置にまで移動するため、切
断ユニットのカッター143による切断により巻線作業
の終了工程と次の巻線製造の準備工程を同時に行うこと
ができる。左右方向に移動して素線2に形成された巻き
始めリード部115が、巻枠119の位置まで移動して
から図58(b)の図中前後方向、すなわち、図58
(a)中上下方向に移動することで、図58(a)に示
すように巻き始めリード部115が巻枠119の保持溝
125に自動的に挿入されることも可能である。さら
に、上下方向に移動して素線ガイド112と巻枠119
での素線2の巻き付け開始点とを結ぶ線と、素線リール
111の素線供給開始点と素線ガイド112を結ぶ線と
が略一直線状に並ぶため、巻き付け前の素線2の曲がり
が防止される。
【0072】また、規定手段をカップ状としたことで、
巻枠119上に作られた巻線を外周から覆いながら素線
2の巻線位置への案内が行われるため、巻線の素線の乱
れを防止しながら素線2の巻線位置への案内が的確に行
われる。
【0073】また、リード部形成ユニット109を備え
ることで、素線2の巻き付け開始時に素線2の先端に巻
き始めリード部115が自動的に形成され、さらにリー
ド部形成ユニット109が移動することで、巻き始めリ
ード部115の形成を行う時には素線2の位置まで移動
し、形成を行わないときは供給ユニット108の移動の
障害とならない位置に移動するため、素線2の供給の妨
げとならずに素線2の先端に巻き始めリード部115が
自動的に形成される。
【0074】また、巻枠119及び各層用の整列カップ
とそれらを軸方向に回転する主軸とが共通の雄型チャッ
キングテーパ124r,124l、131,134と雌
型チャッキングテーパ139r、139lにより接続さ
れる。それにより、巻枠119を右主軸117r、左主
軸117lの両方に取り付けられ、また、同じ雄型チャ
ッキングテーパ124r、124l,131,134を
備える整列カップであれば、右主軸117rにも左主軸
117lにも取り付けられる。また、巻線の形状が変更
されても、その形状に合わせた巻枠と整列カップを用意
するだけで様々な形状のコイルの製造が可能となる。
【0075】また、巻枠119及び整列カップには雄型
位相決めピン123r,123l,130,134が、
主軸119には雌型位相決めピン140r,140lが
設けられているため、雄型位相決めピン123r,12
3l,130,134に雌型位相決めピン140r,1
40lを嵌めることにより主軸に対する巻枠119及び
整列カップの周方向の位置が決められると共に巻枠11
9と整列カップが主軸に対して周方向にずれることなく
一体となって回転する。また、巻枠119の保持溝12
5に対して偶数層整列カップ133に溝136を設けた
ため、偶数層整列カップ133を設けた左主軸117
l、または、左主軸117l側への巻枠119の軸方向
の移動が支障なく行える。
【0076】さらに、巻枠119への素線2の供給時
に、右主軸117r、左主軸117lに対し交互に巻枠
119を取り付け、少なくとも巻枠119が取り付けら
れた主軸が回転するため、巻枠119に対して素線2の
多層の巻き付けが可能となる。巻枠119の巻き付け面
120の一端に保持溝125を設け、巻線開始時に保持
溝125を設けた側で巻枠119を一方の主軸に取り付
け、他方の主軸に整列カップを取り付けることで、整列
カップにより1層目の巻き進行側で素線2の巻き付け位
置を規定することができる。1層目の巻線終了後、整列
カップが取り付けられていた方の主軸に巻枠119を取
り付け、巻枠119が取り付けられていた方の主軸に2
層目用整列カップを取り付けることで、2層目も1層目
同様に巻き進行側で素線2の巻き付け位置が規定され
る。以降の層についても同様の手順を繰り返すことで、
全ての層について常に巻き進行側で素線2の巻き付け位
置を規定することができる。 〔第6の実施の形態〕以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図66(a)は本実施の形態に係
る巻枠の形状を示す図、(b)は(a)のA視図、
(c)は(a)のB視図、図67(a)は本実施の形態
に係る主軸の構成を示す図、(b)は(a)のA視図、
図68(a)は本実施の形態に係るコイルホルダーの形
状を示す図、(b)は(a)のA視図、(c)は(a)
のB視図、図69はアダプターの構成を示す図、図70
はコイル最終層巻き終わりを示す図、図71は右主軸へ
のコイルホルダーを取り付け作業を説明する図、図72
はコイルホルダーへコイルを被せる作業を説明する図、
図73はコイル終端の切断作業を説明する図、図74は
コイル取り出し作業を説明する図である。
【0077】本実施の形態は、巻枠及び左主軸の一部の
構成を除いて第5の実施の形態と同じであることから、
第5の実施の形態と異なる構成のみ説明する。図66
(a),(b),(c)に示すように、本実施の形態に
おける巻枠144は第5の実施の形態での巻枠119と
ほぼ同じ構成で、巻き付け面120と、巻き付け開始基
準面121を形成するための鍔部122と、雄型位相決
めピン123r,123lと、雄型チャッキングテーパ
124r,124lと、巻き始めリード部115が保持
される保持溝125とを備える。本実施の形態における
巻枠144が第5の実施の形態における巻枠119と異
なる点は、巻き付け面120の四隅に、後で説明するプ
ッシュアウト棒が通る逃がし部145が形成されてい
る。
【0078】次に、左主軸の構成について説明する。図
67(a),(b)に示すように、本実施の形態におけ
る左主軸146lは第5の実施の形態での左主軸117
lとほぼ同じ構成で、雌型チャッキングテーパ139
l、雌型位相決めピン140l及び段部141を備え
る。本実施の形態における左主軸146lが第5の実施
の形態における左主軸117lと異なる点は、左主軸1
17lの四隅に同位相で同速度で同じ長さだけ、軸方向
に突出するプッシュアウト棒147を備える。このプッ
シュアウト棒147は、後で説明するように、巻き上が
った巻線150を巻枠144から取り外すために、少な
くとも巻枠144の巻き付け面120の幅だけ右主軸1
17r側に突出する。
【0079】次に、本実施の形態において特有の構成で
あるコイルホルダー148の構成を図68(a),
(b),(c)を用いて説明する。コイルホルダー14
8は巻枠144の巻き付け面120上に巻き上がった巻
線150の外周を覆うことが可能なホールド面153を
内周に備える筒状の部材で、筒の一端は開口端149
で、また、もう一端は後で説明するアダプターと連結す
るための雄型チャッキング部151を備える。また、雄
型チャッキング部151には、巻枠144の雄型チャッ
キングテーパ124rが貫通可能な程度の大きさの貫通
孔152が設けられている。また、開口端149には巻
枠144の保持溝125が嵌まる第1溝154aと、巻
線150の終端155が嵌まる第2溝154bが形成さ
れている。
【0080】次に、コイルホルダー148を右主軸に取
り付けるために用いられるアダプターを説明する。図6
9に示すように、アダプター156は一端にコイルホル
ダー148の雄型チャッキング部151が嵌まる雌型チ
ャッキング部157を備え、もう一端にアダプター15
6と右主軸117rとを連結するために、雌型チャッキ
ングテーパ159が設けられている。さらに、雌型チャ
ッキング部157の奥に空間158が設けられており、
コイルホルダー148と連結したときに貫通孔152か
ら突出する雄型チャッキングテーパ124rが収納され
る。
【0081】次に、図70ないし74を用いて巻枠14
4からのコイル150を取り出し時における本巻線装置
の動きを説明する。図70に示すように、右主軸117
rに取り付けられた最終層用整列カップ160により素
線2の巻き付け位置を規定しながら、左主軸146に取
り付けられた巻枠144上に最終層の素線2の巻き付け
が終了すると、右主軸117rが図中右側の所定の位置
まで移動する。所定の位置まで移動すると、右主軸11
7rからは最終層用整列カップ160が外されて、コイ
ルホルダー148を取り付けたアダプター156が取り
付けられる。アダプター156へのコイルホルダー14
8の取り付けは、巻枠144の保持溝125及びコイル
150の終端155が第1溝154aと第2溝154b
に嵌まる位置に基づく。また、前記所定の位置は、右主
軸117rにアダプター156を介してコイルホルダー
148を取り付けるのに、左主軸146に取り付けられ
た巻枠144の雄型チャッキングテーパ124rが障害
とならない位置に基づいて設定される。コイルホルダー
148が取り付けられると、右主軸117rは左主軸1
46側に移動して、図72に示すようにコイルホルダー
148がコイル150に被さる。その際、第1溝153
に保持溝125が、第2溝154にコイル150の終端
155がそれぞれ嵌まる。そして、図73に示すよう
に、終端155の適当な位置で素線2が切断される。そ
の後、左主軸146から離れる向きの図中右向きの右主
軸117rの移動と同期して、左主軸146のプッシュ
アウト棒147が右向きに突出していく。それにより、
コイル150の側面がプッシュアウト棒147により押
されて、コイル150が巻枠144から外れて、コイル
ホルダー148内に取り出される。
【0082】以上、説明したように本実施の形態によれ
ば、最終層の素線2の巻き付けが行われた際、巻枠14
4を保持する側の主軸である左主軸146の巻枠144
の鍔部122の外周より内周側にプッシュアウト棒14
7が設けられ、プッシュアウト棒147を素線2の巻き
付け終了時に突出させることにより、巻枠144に巻き
付けられたコイル150が取り出される。また、プッシ
ュアウト棒147によるコイル150の取り出しに際し
て、右主軸117rに取り付けたコイルホルダー148
により巻枠144に巻き付いているコイル150の周囲
を覆い、プッシュアウト棒147の移動に同期して右主
軸117rが移動することでコイル150がコイルホル
ダー148内に取り出される。そのため、コイル終端の
切断に伴うスプリングバックによるコイル150のバラ
ケを防止しながら、巻枠144からコイル150が取り
出すことができる。 〔他の実施の形態〕本技術においては、相対的に巻線供
給部が被巻線部の周囲を回転するもので、被巻線部周上
の巻線が行われる部分の移動に伴って、巻き進行側で素
線の位置を規定する規定手段(第1の実施の形態では箱
体、第2,3実施の形態では規定ローラ、第4の実施の
形態ではガイドに相当)による規定の位置が追従する構
成であれば、巻線供給部、被巻線部のいずれが回転して
も構わず、両者が共に回転する構成であってもよい。
【0083】第1の実施の形態では、素線供給部が素線
を供給しながら被巻線部の周囲を回転することで巻線が
行われる構成であったが、巻線位置を規定する規定手段
に被巻線部の回転に同期した回転を行わせる(例えば、
巻枠固定定部と規定手段とを一体とする)ことで、素線
供給部を固定して被巻線部を回転させる構成であって
も、素線の巻進行側位置を規定手段により規定すると共
に、その逆の位置を巻線によって規定することができ
る。
【0084】第2,3の実施の形態では、素線供給部が
素線を供給しながら被巻線部の周囲を回転する構成であ
っても、巻線位置を規定する規定手段に被巻線部の回転
に同期した回転を行わせることで、素線の巻進行側位置
を規定手段により規定すると共に、その逆の位置を巻線
によって規定することができる。また、規定手段として
ローラを用いたが、ローラに限定されること無く、例え
ば所定の厚みを持って巻枠の外周において径方向に長手
方向が配置される棒状のものであってもよいし、また、
所定の厚みをもった板状のものであってもよい。
【0085】第4の実施の形態では、爪部により案内さ
れる巻線位置を、隣接する層毎に素線2の略半径分だけ
ずらすことで俵巻きのコイルを製造したが、層毎にずら
さないで巻線を行うことも可能である。
【0086】第4の実施の形態では、被巻線部である磁
気コアが固定されてその回りを供給手段である素線供給
リールが公転することで被巻線部への巻線が行われるよ
うな構成としたが、本発明ではこれに限らず供給手段が
固定されて被巻線部が自転することで被巻線部への巻線
が行われるような構成とすることも可能である。なお、
この際に誘導手段も被巻線部と一体となって回転するこ
とで上記実施の形態と同等の精度での巻線が可能とな
る。これによって、供給手段が回転しない分だけ装置の
大きさや装置の設置空間を小さくすることができる。
【0087】第5ないし第6の実施の形態で、左主軸側
から素線の巻き付けを始めていたが、巻枠の巻き付け開
始基準面を右主軸側にして巻枠を右主軸に取り付けるこ
とで、右主軸側から素線の巻き付けを始めることが可能
となる。
【0088】さらに、第1ないし第4の実施の形態にお
いては、素線としては電力ケーブルや繊維糸を、被巻線
部を電力ケーブルの巻き取り用巻枠への整列巻装置や繊
維糸の巻き取り用巻枠への整列巻装置として用いてもよ
い。その他、線状のものを整列して巻くものであれば、
上記の実施の形態に限定されない。
【0089】以上、本技術の他の実施の形態を説明した
が本技術はこうした実施の形態に何ら限定されるもので
はなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において、種
々なる態様で実施し得る事は勿論である。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような効果を奏す。
【0091】請求項1,8記載の手段によれば、任意の
層で、被巻線部の巻線位置を巻き進行側では規定手段に
より規定し、その反対側では既に被巻線部に巻き付けら
れた巻線により規定するため、両側から素線の位置決め
することができる。さらに、規定手段が巻線位置に追従
して移動するため、任意の巻線位置で、素線の両側から
位置決めが行われる。それによって、所定の巻線位置へ
の巻線が正確に行われる。
【0092】請求項2記載の手段によれば、誘導手段が
所定の巻線位置を挟んで素線の略直径の幅をもって対峙
する規制部材を備えるため、この規制部材間を素線が通
ることで径方向両側からの規制を受けながら所定の巻線
位置に誘導される。これによって、素線供給手段の被巻
線部に対する巻軸方向の位置に係わらず、所定の巻線位
置への巻線が正確に行われる。
【0093】請求項3,8記載の手段によれば、巻線の
ための素線供給リールの自転の向きと公転の向きとが同
じ向きであるため、被巻線部に巻線される時にはスプリ
ングバックを有した状態で巻線され、被巻線部に対する
巻線の密着性が簡単な構造で得られる。
【0094】請求項4記載の手段によれば、素線供給手
段から所定の巻線位置の間で、かつ、素線供給手段の公
転半径内に設けられた所定の手段による作業が、素線供
給とは異なる位相で実施されるため、常に被巻線部上の
任意の位置において巻線作業と異なる時期に他の作業が
行われる。それにより、互いの作業が障害となるものな
しに行われるため、互いの作業が正確に行われる。
【0095】請求項5記載の手段によれば、素線供給手
段から所定の巻線位置の間で、かつ、素線供給手段の公
転半径内に設けられた整形手段が、素線供給とは異なる
位相で整形作業を実施するため、常に被巻線部上の任意
の位置において巻線作業と異なる時期に整形作業が行わ
れる。それにより、巻線作業と整形作業が干渉すること
が防がれ、互いの作業が正確に行われる。
【0096】請求項6記載の手段によれば、誘導手段が
被巻線部の周囲に沿って自在に動けるため、被巻線部の
形状や巻線位置によらず、常に、巻線位置の規定を行う
ことが可能となる。
【0097】請求項7記載の手段によれば、被巻線部の
端部が被巻線部軸方向に移動可能であるため、被巻線部
端部における巻線作業が困難な場合には、被巻線部軸方
向に移動することで巻線作業を的確に行うことが可能と
なる。
【0098】請求項9記載の手段によれば、脱着手段に
より素線が巻き付けられるコイルの巻層に応じて規定手
段を交換することが可能であるため、規定手段を交換す
ることで各巻層毎の巻線方法に合わせることが可能とな
る。さらに、被巻線部の大きさに応じて規定手段を交換
することが可能であるため、巻線の形状が変更されたと
きでも規定手段のみ交換するだけで対応が可能となり、
コストの低減が図れる。
【0099】請求項10記載の手段によれば、規定手段
をカップ状としたことで、被巻線部に巻かれた巻線を外
周から覆って素線の案内が行うことが可能であるため、
既に巻き付けられた素線の乱れを防止しながら素線の巻
き付け位置への案内が的確に行うことが可能となる。
【0100】請求項11記載の手段によれば、巻き始め
リード部形成手段により予め巻き始めリード部を形成し
た後、取付手段により巻き始めリード部が被巻線部に取
り付けられるため、素線の供給から巻き付けまでが効率
的に行うことが可能となる。
【0101】請求項12記載の手段によれば、引出し手
段と切断手段により、巻き終りリード部と、次のコイル
の巻き始めリード部に必要な長さに素線が切断可能であ
るため、コイルの最終的な仕上げと共に次の巻き付け作
業の準備が両立可能となる。
【0102】請求項13記載の手段によれば、巻線作業
終了後に保護部材で巻線を覆い、巻枠を固定した状態で
覆われたコイルを可動片が押すことで、素線の緩みによ
る型崩れを防ぎながらコイルを被巻線部から外すことが
可能となり、巻線作業と被巻線部からのコイルの取り出
しまでが効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る巻線装置の側
方概略図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る巻線装置の正
面概略図。
【図3】図1における巻線整列機構の拡大図。
【図4】図3のX−X線断面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を示
す図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を示
す図。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を示
す図。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を示
す図。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を示
す図。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図19】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図20】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図21】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図22】本発明の第1の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図23】本発明の第2の実施の形態に係る巻線装置の
構成図。
【図24】図23に示す巻線装置のA視図。
【図25】図24に示す巻線装置の巻枠と規定ローラの
相関図。
【図26】図25の巻枠と規定ローラのX視図。
【図27】本発明の第2の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図28】本発明の第2の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図29】本発明の第2の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図30】側板駆動機構を示す図。
【図31】側板駆動機構により側板が動かされた状態を
示す図。
【図32】側板駆動機構により側板が動かされた状態を
示す図。
【図33】本発明の第3の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図34】本発明の第3の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図35】本発明の第3の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図36】本発明の第4の実施の形態に係る巻線装置の
側方断面図。
【図37】図36のC−C線断面図。
【図38】図36のE−E線断面図。
【図39】図36のコア装着部75に注目した図。
【図40】図39のC−C線矢印から見た断面図。
【図41】図39のG−G線矢印から見た図。
【図42】図39のH−H線矢印から見た断面図。
【図43】図39のD−D線矢印から見た断面図。
【図44】図42の巻線終了後の様子を示す図。
【図45】本発明の第4の実施の形態に係る巻線終了後
の巻線を示す図。
【図46】本発明の第4の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図47】本発明の第4の実施の形態に係る巻線作業を
示す図。
【図48】本発明の第4の実施の形態に係る分割コアを
集合させた電動機のステータの概略図。
【図49】本発明の第4の実施の形態に係る分割コアの
コイルエンド側から見た図。
【図50】本発明の第4の実施の形態に係る図46の分
割コアのX−X線矢印から見た断面図。
【図51】巻き始めリード部の形状を示す図。
【図52】(a)は本発明の第5の実施の形態に係る巻
線装置の巻き始めリード部成形開始時の各構成の配置を
示す図、(b)は(a)のA視図。
【図53】(a)は本発明の第5の実施の形態に係る巻
枠の形状を示す図、(b)は(a)のA視図、(c)は
(a)のB視図、
【図54】(a)は本発明の第5の実施の形態に係る奇
数層整列カップの形状を示す図、(b)は(a)のA視
図。
【図55】(a)は本発明の第5の実施の形態に係る偶
数層整列カップの形状を示す図、(b)は(a)のA視
図。
【図56】(a)は本発明の第5の実施の形態に係る主
軸の構成を示す図、(b)は(a)のA視図。
【図57】本発明の第5の実施の形態に係る巻線装置の
巻き始めリード部成形時の各構成の配置を示す図。
【図58】(a)は本発明の第5の実施の形態に係る巻
線装置の巻枠への巻き始めリード部取り付け時の各構成
の配置を示す図、(b)は(a)のA視図。
【図59】図58(b)の巻線ユニットのB視図。
【図60】本発明の第5の実施の形態に係る1層目の巻
き始めを示す図。
【図61】本発明の第5の実施の形態に係る1層目の巻
線作業を示す図。
【図62】本発明の第5の実施の形態に係る2層目の巻
線作業を示す図。
【図63】本発明の第5の実施の形態に係る巻線装置の
巻線作業終了時の各構成の配置を示す図。
【図64】本発明の第5の実施の形態に係る巻線装置の
巻線作業終了後の素線切断時の各構成の配置を示す図。
【図65】本発明の第5の実施の形態に係る巻線装置に
より製造されるコイルの形状を示す図。
【図66】(a)は本発明の第6の実施の形態に係る巻
枠の形状を示す図、(b)は(a)のA視図、(c)は
(a)のB視図。
【図67】(a)は本発明の第6の実施の形態に係る主
軸の構成を示す図、(b)は(a)のA視図。
【図68】(a)は本発明の第6の実施の形態に係るコ
イルホルダーの形状を示す図、(b)は(a)のA視
図、(c)は(a)のB視図。
【図69】本発明の第6の実施の形態に係るアダプター
の構成を示す図。
【図70】本発明の第6の実施の形態に係る巻線装置に
よるコイル最終層巻き終わりを示す図。
【図71】本発明の第6の実施の形態に係る巻線装置に
よる右主軸へのコイルホルダーを取り付け作業を説明す
る図。
【図72】本発明の第6の実施の形態に係る巻線装置に
よるコイルホルダーへコイルを被せる作業を説明する
図。
【図73】本発明の第6の実施の形態に係る巻線装置に
よるコイル終端の切断作業を説明する図。
【図74】本発明の第6の実施の形態に係る巻線装置に
よるコイル取り出し作業を説明する図。
【符号の説明】
1,105,119,122,144,150・・・巻
枠、2・・・素線、3・・・巻線、4・・・素線供給リ
ール、6a・・・第1アーム、6b・・・第2アーム、
7・・・第1モータ、9a,9b,9c・・・第1リニ
アガイド、10・・・第2モータ、11・・・第1ボー
ルネジ、12a・・・第2大箱、12b・・・中箱、1
2c・・・小箱、13a,13b,13c・・・第4ボ
ールネジ、14・・・ローラ、20a,20b,20c
・・・第4モータ、30・・・第1部分、31・・・第
2部分、34a,34b,34c・・・第3モ−タ、3
6a・・・第3大箱、36b・・・第3中箱、36c・
・・第3小箱、36b・・・第3中箱、36・・・第1
箱体、43・・・ドラム、44・・・巻枠駆動部、45
・・・テーブル、46・・・ローラ装着部、47a,4
7b,106b,106・・・側板、49・・・素線ガ
イドローラ、50・・・規定ローラ、51・・・径方向
駆動機構、52・・・軸方向駆動機構、53・・・第2
アクチュエータ、54・・・第3アクチュエータ、56
・・・巻き取りモータ、57中心軸、58・・・第1管
部、59・・・孔、60・・・第2管部、61・・・第
1受動部、62・・・第2受動部、67・・・第4アク
チュエータ、68・・・第5アクチュエータ、69,7
0・・・アーム、72・・・磁気コア、73・・・ケー
ス、77・・・誘導手段、78・・・アーム、82・・
・モータ、84・・・下側部分、85・・・上側部分、
86,87,88,89,90,91,92,93・・
・ガイド、97,101・・・長辺部(爪部)、98,
102・・・短辺部(爪部)、100・・・アーム、1
08・・・素線供給ユニット、109・・・巻き始めリ
ード部形成ユニット、110・・・巻き付けユニット、
115・・・巻き始めリード部、124r,124l,
131,134,135・・・雄型チャッキングテー
パ、139r,139l,159・・・雌型チャッキン
グテーパ、素線リール111、117r・・・右主軸、
117l,146・・・左主軸、118・・・整列カッ
プ、128・・・奇数層用整列カップ、133・・・偶
数層用整列カップ、140・・・1層目用整列カップ、
142,182・・・2層目用整列カップ、143・・
・カッター、147・・・プッシュアウト棒、148・
・・コイルホルダー

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素線を供給する供給手段と、供給された前
    記素線を被巻線部の所定の巻線位置に誘導する誘導手段
    と、前記素線を前記所定の巻線位置に巻く巻き手段とを
    備え、前記素線を前記被巻線部に巻線する巻線装置であ
    って、前記誘導手段が、前記被巻線部の任意の巻き層で
    の前記所定の巻線位置を前記被巻線部の軸方向に挟んだ
    巻き進行側で前記素線の位置を規定する規定手段と、前
    記所定の巻線位置の移動に同期して該規定手段を移動さ
    せる移動手段とを有することを特徴とする巻線装置。
  2. 【請求項2】素線を供給する供給手段と、供給された前
    記素線を被巻線部の所定の巻線位置に誘導する誘導手段
    と、前記素線を前記所定の巻線位置に巻く巻き手段とを
    備え、前記素線を前記被巻線部に巻線する巻線装置であ
    って、前記誘導手段が前記所定の巻線位置を前記被巻線
    部の軸方向に挟んで前記素線の略直径の幅をもって対峙
    する規制部材を備え、対峙する前記規制部材間を前記素
    線が通ることを特徴とする巻線装置。
  3. 【請求項3】被巻線部の軸に平行なボビンに素線を巻き
    付けて保存するリールと、前記素線を前記被巻線部分の
    所定の巻線位置に巻く巻き手段とを備え、前記素線を前
    記被巻線部に巻線する巻線装置であって、前記ボビンに
    は前記巻き手段による前記被巻線部への巻線方向と同方
    向に前記素線が巻き付けられていることを特徴とする巻
    線装置。
  4. 【請求項4】素線を供給する供給手段と、該供給手段に
    被巻線部分の周囲を公転させる公転手段とを備え、前記
    公転手段により前記供給手段が前記被巻線部の周囲を公
    転することで、前記素線を前記被巻線部に巻線する巻線
    装置であって、前記素線供給手段の公転半径内に配置さ
    れ、前記公転手段により前記素線供給手段と異なる位相
    で回転させられる所定の手段を有することを特徴とする
    巻線装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の巻線装置であって、前記所
    定の手段が前記被巻線部外周から巻線を整える手段であ
    ることを特徴とする巻線装置。
  6. 【請求項6】素線を供給する供給手段と、供給された前
    記素線を被巻線部の所定の巻線位置に誘導する誘導手段
    と、前記素線を前記所定の巻線位置に巻く巻き手段とを
    備え、前記素線を前記被巻線部に巻線する巻線装置であ
    って、前記誘導手段が前記被巻線部の径方向外周側より
    内周側に突出する突出部材であり、該突出部材を前記被
    巻線部の周方向に移動させる周方向移動手段と、軸方向
    に移動させる移動手段とを備えることを特徴とする巻線
    装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の巻線装置であって、前記被
    巻線部がその軸方向端部に径方向に突出する突部を備
    え、該突部が前記被巻線部の軸方向に移動可能であるこ
    とを特徴とする巻線装置。
  8. 【請求項8】被巻線部の軸に平行なボビンに素線を巻き
    付けて保存するリールと、前記素線を前記被巻線部の所
    定の巻線位置に誘導する誘導手段と、前記素線を前記被
    巻線部分の所定の巻線位置に巻く巻き手段とを備え、前
    記素線を前記被巻線部に巻線する巻線装置であって、前
    記ボビンには前記巻き手段による前記被巻線部への巻線
    方向と同方向に前記素線が巻き付けられ、前記誘導手段
    が、前記被巻線部の任意の巻き層での前記所定の巻線位
    置を前記被巻線部の軸方向に挟んだ巻き進行側で前記素
    線の位置を規定する規定手段と、前記所定の巻線位置の
    移動に同期して該規定手段を移動させる移動手段とを有
    することを特徴とする巻線装置。
  9. 【請求項9】請求項1記載の巻線装置であって、前記誘
    導手段が前記規定手段の脱着を可能とする脱着手段を備
    え、前記移動手段が所定の巻線位置の移動に同期して前
    記脱着手段を移動させ、前記巻き手段が、前記被巻線部
    の両端のうち巻き進行方向と反対側の端部を保持する保
    持手段と、前記端部に軸回転力を伝達する回転伝達手段
    とであることを特徴とする巻線装置。
  10. 【請求項10】請求項1記載の巻線装置であって、前記
    規定手段が、その中心軸が前記被巻線部と同軸に配置さ
    れ、巻き進行側で前記被巻線部に被さることが可能なカ
    ップ状の部材であることを特徴とする巻線装置。(連絡
    書9対応)
  11. 【請求項11】請求項1記載の巻線装置であって、前記
    供給手段から前記被巻線部への前記素線の供給経路上に
    配置され、前記素線を前記被巻線部に供給する前に前記
    素線のうち前記供給手段から供給される前記素線の先端
    部に予め巻き始めリード部を形成する巻き始めリード部
    形成手段と、該巻き始めリード形成手段により形成され
    た巻き始めリード部を前記被巻線部に取り付ける取付手
    段とを備えることを特徴とする巻線装置。
  12. 【請求項12】請求項1記載の巻線装置であって、前記
    被巻線部での前記素線の巻線終了位置から巻き終わりリ
    ード部を成形するのに必要な所定の長さと、前記被巻線
    部へ次の巻線の巻き始めリード部となる所定の長さとの
    和の長さの前記素線を前記供給手段から引き出す引出し
    手段と、前記引出し手段により引き出された前記素線の
    うち前記巻き終わりリード部を成形するのに必要な所定
    の長さの位置で前記素線を切断する切断手段を備えるこ
    とを特徴とする請求項1記載の巻線装置。
  13. 【請求項13】請求項1記載の巻線装置であって、前記
    被巻線部上で巻き上げられた巻線を前記被巻線部の軸方
    向に移動可能な可動片と、その中心軸が前記巻線の中心
    軸と平行に配置され、少なくとも可動片の移動経路を除
    いて前記被巻線部に被さることが可能なカップ状の保護
    部材と、前記可動片の前記空間への移動に伴って前記保
    護部材を前記可動片と同じ方向に移動させる保護部材移
    動手段とを備えることを特徴とする巻線装置。
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