JP2014110329A - 角線の巻線装置および巻線方法 - Google Patents

角線の巻線装置および巻線方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014110329A
JP2014110329A JP2012264263A JP2012264263A JP2014110329A JP 2014110329 A JP2014110329 A JP 2014110329A JP 2012264263 A JP2012264263 A JP 2012264263A JP 2012264263 A JP2012264263 A JP 2012264263A JP 2014110329 A JP2014110329 A JP 2014110329A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
bobbin
wire
guide
axial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012264263A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6024424B2 (ja
Inventor
Ryuichi Kanbe
隆一 神戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012264263A priority Critical patent/JP6024424B2/ja
Publication of JP2014110329A publication Critical patent/JP2014110329A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6024424B2 publication Critical patent/JP6024424B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coil Winding Methods And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】角線を用いた多層巻線において、エッジ部の損傷を防止し、層間の乗り移りをスムーズに行って高品質な巻線が可能な巻線装置および巻線方法を実現する。
【解決手段】角線Wをボビン12周りに弦巻線状に多層巻線するために、回転および軸方向動可能に設けた主軸11と一体回転するボビン12を一対の保持部材6、7で位置決め保持する巻き取り部1と、巻き取り部1を軸方向に往復動作させる巻き取り部駆動機構2と、主軸11の回転に伴いボビン12の巻き取り方向に角線Wを供給する線材供給装置Bを設ける。各保持部材6、7は、ボビン12の軸方向端部にガイド部材6a、7aを配置し、巻線Cの層間に生じる隙間に突出位置可能なガイド部6b、6c、7b、7cを設けて、巻線Cの軸方向端部を保持しながら巻線方向に案内させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載装置や電子機器用の各種コイルを製作するための巻線装置、詳しくは、角線を多層に整列巻きする巻線装置および巻線方法に関する。
矩形断面の角線を多層に巻いた巻線は、丸線に比べて占積率が高く、小型化・高効率化が可能であることから、車載装置のモータやアクチュエータ、その他電子機器用のコイルとして有効である。角線をボビンに隙間なく巻き付けるための巻線装置として、例えば特許文献1には、線材の線源側を保持する第1の保持手段と、端部側を保持する第2の保持手段と、これら保持部材を、線材の向きを維持しながらボビン(またはボビンレス巻線冶具)に対して相対移動させる駆動手段と、線材の側面を保持するガイド部材を設けた装置が提案されている。これにより、線材の巻き付け位置を規制しながら巻線を行ない、線材の側面同士が密着するように巻き付けることができる。
国際公開第2004/021377号パンフレット
ところで、多層整列巻線では、ボビン軸方向の両端部において次の層への乗り移る際の整列性が課題であり、特に、エッジ部を有する角線では、乗り移り時に角線の変形やエッジ部の損傷が生じやすい。図10Aは、円形断面の丸線と矩形断面の角線をボビンに巻き付けたコイルを比較した図であり、丸線の場合は、隣接する丸線間に谷部が形成されるため、次の層の丸線がこの谷部に収まるように、平行整列巻きされる。この時、図10Bのように、平行整列巻きと乗り越し(斜め巻き)を交互に繰り返し、1回転(360度)の間に2度の乗り越しを行なうが、丸線は表面が曲面で線同士が点接触となることから、乗り上がりが滑らかで、引っ掛かり等は生じにくい。
ところが、こしの強い角線では、線材に無理な屈曲で変形が生じたり、乗り上がりでエッジ部に傷がついたりするおそれがあり、同様の巻線方法を採用することは難しい。特許文献1の巻線装置は、層内で隣り合う線材の隙間をなくし、巻き付け位置を安定化することを目的にしており、次の層への乗り移り時に発生するエッジ部の傷その他の対策については何ら講じられていない。
そこで、本発明の目的は、角線を用いて多層整列状に巻線するために、エッジ部の損傷を防止しながら、層間の乗り移りをスムーズに行うことができ、高品質な巻線を実現可能にする角線の巻線装置および巻線方法を提供することにある。
本発明の請求項1に記載の発明は、角線をボビン周りに弦巻線状に多層巻線するための巻線装置であって、
回転および軸方向動可能に設けた主軸と、
該主軸と一体回転するボビンを一対の保持部材にて位置決め保持する巻き取り部と、
該巻き取り部を軸方向に往復動作させる巻き取り部駆動機構と、
上記主軸の回転に伴い上記ボビンの巻き取り方向に角線を供給する線材供給装置を備え、
上記巻き取り部の各保持部材は、上記ボビンの軸方向端部に配置したガイド部材に、巻線の層間に生じる隙間に突出位置可能なガイド部を設けて、上記ボビン周りに巻き取られる巻線の軸方向端部を保持するとともに巻線方向に案内することを特徴とする。
本発明の請求項2の発明において、上記ガイド部は、上記ボビン周りに巻き取られる巻線の層間に生じる隙間形状に対応する螺旋状凸部からなる。
本発明の請求項3の発明において、上記線材供給装置は、上記ボビンの巻き取り位置に角線を案内する線材ガイドと、該線材ガイドの案内方向を上記巻き取り部の往復動作に追従して可変可能に支持するフローティング機構を備える。
本発明の請求項4の発明において、上記保持部材は、上記ガイド部材を巻線の各層に対応して複数設け、かつ巻線の最内層と最外層を除く層に対応する上記ガイド部材を、軸方向に往復動可能な筒状体の先端に上記ガイド部を形成した可動ガイド部材とする。
本発明の請求項5の発明において、上記可動ガイド部材は、上記筒状体の基端側を、上記主軸周りに回転可能に設けた回転フランジに取り付け、回転フランジの回転動作を軸方向動作に変換する送りねじ機構によって駆動される。
本発明の請求項6の発明において、上記巻き取り部は、上記一対の保持部材を支持する一対のスライド部材を有し、上記巻き取り部駆動機構は、上記スライド部材をスライド可能に支持するレール部材と、上記主軸の回転に連動して回転するリードカムを有して、該リードカムと従動するローラフォロアを上記スライド部材と連結することにより、上記巻き取り部を往復動させる。
本発明の請求項7の発明は、上記巻線装置を用いた巻線方法であり、上記主軸の回転に伴い上記線材供給装置から引き出される角線を、上記ボビン周りに弦巻線状に巻き取りつつ、上記巻き取り部駆動機構によって上記ボビンを軸方向に駆動して一端側から他端側まで巻き、該他端側において上記ボビンの駆動方向と巻線方向を反転させることを繰り返して多層巻線し、かつ軸方向端部において層間に生じる隙間には、上記保持部材の上記ガイド部を突出位置させて、軸方向端部を保持しながら層間の乗り移りを行い、巻線方向に案内することを特徴とする。
本発明によれば、ボビンを有する巻き取り部側を可動として、巻き取り部駆動機構によって軸方向に往復動させる構成とする一方、線材供給装置側を固定としたので、線材を安定して供給しながら、ボビン周りに角線を弦巻線状に巻くことで、角線に無理な変形が加わらずに、多層整列状に巻線することが可能になる。ボビンの軸方向両端部における層間の乗り移り部では、弦巻線状の巻線方向を反転させるために、層間に隙間が生じるが、ボビンを保持する保持部材にガイド部を設けて、この隙間を埋めるように突出配置させる。これにより、角線の乗り移りを容易にし、段差への乗り上げや隙間への落ち込み等によるエッジ部の損傷を防止できる。したがって、角線を用いた高占積率で高品質な多層巻線を実現することができる。
本発明による角線の巻線装置および巻線方法の概略を説明するための基本構成図および巻き取り部の一部拡大図である。 第1実施形態の巻線装置の主要部である巻き取り装置の全体側面図およびその一部である巻き取り部駆動機構の正面図である。 第1実施形態の巻線装置の全体構成図である。 第1実施形態の巻き取り部の詳細構成を示す拡大斜視図である。 第1実施形態の巻き取り部の詳細構成を示す要部断面図である。 第1実施形態の巻線装置における巻線方法を説明するための模式的な図である。 巻き取り部のボビンへの巻線方法を説明するための模式的な図である。 第1実施形態の巻き取り部に用いられる固定ガイド部材の全体斜視図である。 第1実施形態の巻き取り部に用いられる可動ガイド部材の全体斜視図である。 第1実施形態の巻き取り部における巻線方法を説明するための模式的な図である。 第1実施形態の巻き取り部を用いた2層巻き状態の巻線形状を示す斜視図である。 円形断面の丸線と矩形断面の角線をボビンに巻き付けたコイルを比較して示す模式的な図である。 従来の巻線方法を説明するための模式的な図である。
図1は、本発明を適用した角線の巻線装置の概略構成を示しており、巻き取り装置Aは、回転および軸方向動可能な主軸11に取り付けられる巻き取り部1と、巻き取り部1を軸方向に往復動作させる巻き取り部駆動機構2を備える。巻き取り部1は、主軸11と一体回転するボビン12を有し、角線Wをボビン12周りに弦巻線状に多層巻線する(ここでは4層)。巻き取り部1に角線Wを供給する線材供給装置Bは、ボビン12の回転に伴い巻き取り方向に引き出される角線Wを案内する線材ガイド34を有し、線材ガイド34はフローティング機構35により巻線方向に倣って首振り可能に支持される。
巻き取り部1は、ボビン12の軸方向端部を一対の保持部材6、7にて位置決め保持する。ボビン12への巻線方向は、軸方向端部で反転され、これにより巻線Cの層間に隙間が生じる。保持部材6、7は、それぞれガイド部材6a、7aに設けた複数のガイド部6b、6c、7b、7cが、巻線Cの層間に生じる隙間に突出位置可能となっており、必要に応じて可動式として乗り移り前に所定位置に配置することにより、巻き取りを妨げることなく整列巻線することができる。図示する例では、ボビン12の左端側では第2層、第4層に形成される隙間にガイド部6b、6cが位置し、右端側では第1層、第3層に形成される隙間にガイド部7b、7cが位置している。
以下に、角線の巻線装置を具体化した第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3において、本実施形態の巻線装置は、角線Wが巻線される巻き取り部1およびその駆動機構2を備える巻き取り装置Aと、巻き取り装置Aに角線Wを供給する線材供給装置Bからなる。線材供給装置Bは、巻き取り部1の側方に配置した支持台B1上に送り出し機構3を備え、図示しない線材供給部から繰り出される角線Wを、上下方向に複数のローラが配置された第1矯正部31と水平方向に複数のローラが配置された第2矯正部32、張力調整部33を順に通過させ、ガイドローラ(線材ガイド)34に案内させて巻き取り装置Aに送る。巻き取り装置Aと線材供給装置Bの支持台B1は、基台T上に固定されている。
図2において、巻き取り装置Aは、主軸となるロータリスプライン軸11の回転に伴い角線Wを巻き取る巻き取り部1と、巻き取り部1をその回転と連動させて軸方向に進退動させる巻き取り部駆動機構2からなる。巻き取り部1は、角線Wが巻回される筒状ボビン12と、筒状ボビン12を位置決め保持するクランプシャフト13を有し、クランプシャフト13は、一対の軸受部14内に回転自在に保持されている。ロータリスプライン軸11は直線運動と回転運動を同時に行う機構を備え、モータMにより一方向に連続回転して、先端側に設けたクランプシャフト13を一体回転させるとともに、巻き取り部駆動機構2によって巻き取り部1全体を軸方向に往復動作(トラバース)可能としている。クランプシャフト13は、ボビン12の両端に、詳細を後述する一対の保持部材6、7を有し、それぞれ独立に駆動される回転フランジ65、66、75、76を設けている。
巻き取り装置Aは、基台T上に設けた一対のレール部材41と、レール部材41間に架け渡される一対のスライド部材42を有している。各スライド部材42には、上端部にクランプシャフト13を保持する軸受部14を設けた支持脚43が立設され、巻き取り部1は、スライド部材42とともにレール部材41上をスライド可能である。このように巻き取り装置A側を可動式とすることで、線材供給装置B側を、角線Wを略一定位置へ供給する固定式として送り出し機構を簡素化できる。
好適には、図3に示すように、張力調整部33およびガイドローラ34が設置される基板35aを、支持台B1に対してフローティング支持させるフローティング機構35を設ける。ここでは、基板35aの下面中央に設けた凹状部材35bを、支持台B1上に設けた凸状部材35cに遊嵌させ、角線Wの巻き付け方向に倣うように、角線Wを支持する基板35を首振り可能とする。巻き取り装置Aは、巻き取り部1が回転する力で角線Wを引き出しながら巻線するが、この線材供給装置Bのフローティング機構35により、角線Wが屈曲することなく繰り出され、常にテンションが付与された状態で安定的に角線Wを送り続けることができる。
巻き取り部駆動機構2は、ロータリスプライン軸11と同期して回転する駆動軸21と、駆動軸21の回転を巻き取り動作に合わせて減速する減速機22と、回転動作を直線動作に変換して巻き取り部1に伝達する駆動部23からなる。駆動軸21は、基台C上に支持される軸受部24内に回転自在に保持され、ロータリスプライン軸11と駆動軸21の一端側にそれぞれ設けたプーリ15、25間にベルトを架け渡すことにより、回転力が伝達される。
駆動部23は、減速機22を介して駆動軸21により回転駆動されるカムシャフト51と、外周にカム溝52を有するリードカム53と、カム溝52内に保持されるローラフォロア54からなる。ローラフォロア54は、一対のスライド部材42の一方(図2の左方)の下面に固定されており、リードカム53の回転によって、カム溝52と噛み合うローラフォロア54位置が軸方向(図2の左右方向)に移動すると、スライド部材42と一体の巻き取り部1が追従して移動する。カム溝52は一定の傾斜角度でリードカム53外周面を取り巻く無端の溝で、ローラフォロア54は、カム溝52に案内されて軸方向に一定速度で往復動する。したがって、ボビン12への角線Wの巻数に合わせて、ボビン12の両端位置で巻き取り部1の移動方向が反転するように、減速機22の減速比を設定すればよい。
図4、5に拡大して示す巻き取り部1は、ボビン12の筒内にクランプシャフト13を挿通し、クランプシャフト13の外周に設けた一対の保持部材6、7にて、ボビン12の軸方向の両端を挟み込んでいる。一対の保持部材6、7は、クランプシャフト13の外周に装着されてボビン12の両端面に当接する筒状の内側固定ガイド部材61、71を有し、その径方向外方に、筒状の外側固定ガイド部材62、72がそれぞれ同心配置される。外側固定ガイド部材62、72は、図5中に点線で示す巻線Cの両端面を支持する。内側固定ガイド部材61、71と外側固定ガイド部材62、72の間には、内側可動ガイド部材63、73と外側可動ガイド部材64、74がそれぞれ挿通位置している。
内側可動ガイド部材63、73と外側可動ガイド部材64、74は、軸方向に進退動可能に設けられて、巻き取り時に巻線Cの両端面を位置決め保持する。内側可動ガイド部材63、73は、後端部がクランプシャフト13の外周に装着した回転フランジ65、75に固定されており、回転フランジ65、75の内周側に設けたねじ部65a、75aの送りねじ機構によりその回転量に応じて移動可能となっている。同様に、外側可動ガイド部材64、74は、後端部がクランプシャフト13の外周に装着した回転フランジ66、76に固定されており、回転フランジ66、76の内周側に設けたねじ部66a、76aの送りねじ機構によりその回転量に応じて移動可能となっている。
図6、7は、本発明の巻き取り部1による巻線方法を説明するもので、ボビン12はトラバース方式で駆動され、軸方向に移動しながら回転することにより、固定式のガイドローラ34に支持される角線Wを引き出し、第1層を弦巻線状に整列巻き(リード巻き)する。ボビン12の軸方向の一端側から他端側まで巻き終わると、第2層は巻き方向を反転させて、再び弦巻線状に整列巻き(逆リード巻き)する。これにより、角線Wを屈曲させることなく、1ターン(1回転360度)毎に交差させながら(乗り移り部C1)、第1層上に第2層を積層可能となる。図2に示したように、ガイドローラ34が固定される基板35はフローティング支持されており、巻線Cの巻線方向に追従して首振りすることで、安定した角線Wの引き出しを可能にする。
この時、図示するように、角線Wの巻線方向が軸直方向に対して傾斜するために、ボビン12の端部において、巻線Cとの間に隙間Gが生じる。第1層の最終ターンに重ねて第2層の1ターンを巻き始める際、この隙間Gに角線Wが落ち込むと、第1層から第2層への乗り移り部C1において巻線Cに段差が形成され、または緩みが生じやすくなる。そこで、本発明では、この隙間に沿った形状の螺旋状凸部(以下、擬似山という)をガイド部として、ボビン12の両端部に配置した固定ガイド部材61、71、可動ガイド部材63、73、64、74に設け、乗り移り時に落ち込みや乗り上げによる角線Wの屈曲が生じないように案内しながら、多層巻きする。この詳細を次に説明する。
図8Aに示すように、内側固定ガイド部材61、71は厚肉の筒状体で、筒穴にクランプシャフト13が挿通固定されて一体回転するようになっている(図5参照)。内側固定ガイド部材61、71の先端側(図の上面)には、ガイド部となる擬似山61a、71aが突出形成される。擬似山61a、71aは、内側固定ガイド部材61、71外周縁に沿う略C字状の螺旋状凸部であり、螺旋形状(突出高さ、螺旋角度)は角線Wの大きさや巻線Cの巻き取り角度に応じて予め設定される。
図8Bに示すように、内側可動ガイド部材63、73は薄肉の筒状体で、先端側に擬似山63a、73aが突出形成され、他端側の複数個所(ここでは4箇所)に脚部63b、73bを突出形成している。同様に、外側可動ガイド部材64、74は薄肉の筒状体で、先端側に擬似山64a、74aが突出形成され、他端側の複数個所(ここでは4箇所)に脚部64b、74bを突出形成している。内側可動ガイド部材63、73の脚部63b、73bは、端部がL字状に内側に突出する形状で、その対向する2脚に長穴63c、73cが形成されている。外側可動ガイド部材64、74の脚部64b、74bは、端部がL字状に外側に突出する形状で、その対向する2脚に長穴64c、74cが形成されている。
内側可動ガイド部材63、73の擬似山63a、73aと外側可動ガイド部材64、74の擬似山64a、74aは、それぞれ各ガイド部材63、73、64、74の外周縁に沿う略C字状の螺旋状凸部であり、螺旋形状(突出高さ、螺旋角度)は角線Wの大きさや巻線Cの巻き取り角度に応じて設定されている。図5において、内側可動ガイド部材63、73と外側可動ガイド部材64、74は、長穴63c、73cと長穴64c、74cが連通するように同心配置される。長穴63c、73cと長穴64c、74cには、クランプシャフト13の外周に装着された軸状部材67、77が挿通されて、軸方向の移動範囲を規制するとともに、回転方向に位置決めされている。
内側可動ガイド部材63の回転フランジ65と外側可動ガイド部材64の回転フランジ66は、駆動部68によってそれぞれ独立に回転方向および回転量が制御される。同様に、内側可動ガイド部材73の回転フランジ75と外側可動ガイド部材74の回転フランジ76は、駆動部78によってそれぞれ独立に回転方向および回転量が制御される。これら駆動部68、78は、例えばシリンダ式アクチュエータ等を備え、図示しない制御装置によりロータリスプライン軸11のモータMとともに制御される。具体的には、クランプシャフト13の回転と軸方向動による角線Wの巻き取りと連動して、ボビン12の端部における層の乗り移り前に、対応する可動ガイド部材63、64、73、74を所定位置まで前進させ、巻き終わり後に後退させるように、制御することができる。
図9により、上記構成の巻線装置を用いて、巻き取り部1のボビン12に角線Wを巻き、4層構造の巻線Cを形成する場合の可動ガイド部材63、64、73、74の駆動方法を説明する。図9Aには、内側固定ガイド部材61、71について、ボビン12の両端より内側に突出した状態の擬似山61a、71aのみ示している。同様に、可動ガイド部材63、73、64、74についても、内側に突出した状態の擬似山63a、73a、64a、74aを示している。図中、角線Wの番号と矢印は、巻き数と巻き方向を示し、ここでは、各層9ターンで反転しながら巻き取り部1を軸方向に2往復させるものとする。
図9Aにおいて、角線Wの第1層はボビン12の右端側から左端側へ巻き取られる。ボビン12の右端側には、内側固定ガイド部材71の擬似山71aが巻き取り方向へ螺旋状に突出位置しており、角線Wは、擬似山61aを有しない図の上方位置から、擬似山61aに沿ってターン間に隙間を有しないように弦巻線状に巻かれる。ボビン12の左端側には、内側固定ガイド部材61の擬似山61aが位置し、9ターン目で左端側に達すると螺旋状に突出する擬似山61aがボビン12左端に生じる第1層の隙間を埋める。ここで、駆動部68によって内側可動ガイド部材63を右方に移動させ(図中、矢印)、第2層の巻線方向に螺旋状に突出する擬似山63aに沿って、第2層を右端側から左端側へ巻く。
図9Bは、この方法で2層巻きした巻線Cの乗り移り部の状態を示している(図9Aの左端側)。図示するように、第1層の9ターン目から第2層の1ターン目に乗り移るために、第2層の内周に生じる隙間に合わせて、内側固定ガイド部材61の擬似山61aを配置する。これにより、拡径する第2層の角線Wが落ち込むことなく、スムーズに乗り越しできる。さらに、第1層から第2層へ巻線Cの傾斜方向を逆向きにするために、第1層の外周に生じる隙間に合わせて、内側可動ガイド部材63の擬似山63aを配置することで、第2層の角線Wを案内して巻き方向を整えることができる。
同様に、図9Aにおいて、第2層から第3層への乗り移り部では、内側可動ガイド部材73の擬似山73a、内側可動ガイド部材74の擬似山74aを、駆動部78によって順に可動する。さらに、第3層から第4層への乗り移り部において、外側可動ガイド部材64の擬似山64aを、駆動部68によって可動させて第4層の9ターンまで巻線することで、同様の効果が得られる。
なお、角線Wの落ち込みや乗り上げによる段差の防止には、少なくとも乗り移り部に疑似山が形成されていればよい。このため、本実施形態では、装置構成を簡便にするため、最外層の第4層は案内用の擬似山を設けていないが、図示される隙間に対向する部位に擬似山を設けた可動式のガイド部材とすることもできる。
上記実施形態では、巻線Cを4層巻き構造としたが、ターン数、積層数は任意に設定することができる。
本発明の巻線装置および巻線方法によれば、角線の巻き取り部を往復動作させながら、角線を巻き取り方向に安定して供給し、変形や損傷を生じることなく多層整列巻線できるので、小型化、高性能化が可能である。このような多層巻線は、車載用または家電用その他の各種用途に使用される電子機器、制御機器、電源装置、駆動装置用のコイルとして、好適に利用することができる。
A 巻き取り装置
B 線材供給装置
C 巻線
W 角線
1 巻き取り部
11 ロータリスプライン軸(主軸)
12 ボビン
2 巻き取り部駆動機構
34 ガイドローラ(線材ガイド)
41 レール部材
42 スライド部材
35 フローティング機構
6、7 保持部材
61、62、71、72 固定ガイド部材
61a、62a、71a、72a 擬似山(ガイド部)
63a、64a、73a、74a 擬似山(ガイド部)
65、66、75、76 回転フランジ

Claims (7)

  1. 角線(W)をボビン(12)周りに弦巻線状に多層巻線するための巻線装置であって、
    回転および軸方向動可能に設けた主軸(11)と、
    該主軸と一体回転するボビンを一対の保持部材(6、7)にて位置決め保持する巻き取り部(1)と、
    該巻き取り部を軸方向に往復動作させる巻き取り部駆動機構(2)と、
    上記主軸の回転に伴い上記ボビンの巻き取り方向に角線を供給する線材供給装置(B)を備え、
    上記巻き取り部の各保持部材は、上記ボビンの軸方向端部に配置したガイド部材(61〜64、71〜74)に、巻線(C)の層間に生じる隙間に突出位置可能なガイド部(61a〜63a、71a〜73a)を設けて、上記ボビン周りに巻き取られる巻線の軸方向端部を保持するとともに巻線方向に案内することを特徴とする角線の巻線装置。
  2. 上記ガイド部は、上記ボビン周りに巻き取られる巻線の層間に生じる隙間形状に対応する螺旋状凸部からなる請求項1記載の角線の巻線装置。
  3. 上記線材供給装置は、上記ボビンの巻き取り位置に角線を案内する線材ガイド(34)と、該線材ガイドの案内方向を上記巻き取り部の往復動作に追従して可変可能に支持するフローティング機構(35)を備える請求項1または2記載の角線の巻線装置。
  4. 上記保持部材は、上記ガイド部材を巻線の各層に対応して複数設け、かつ巻線の最内層と最外層を除く層に対応する上記ガイド部材を、軸方向に往復動可能な筒状体の先端に上記ガイド部を形成した可動ガイド部材(62〜63、72〜73)とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の角線の巻線装置。
  5. 上記可動ガイド部材は、上記筒状体の基端側を、上記主軸周りに回転可能に設けた回転フランジ(65〜66、75〜76)に取り付け、回転フランジの回転動作を軸方向動作に変換する送りねじ機構によって駆動される請求項4記載の角線の巻線装置。
  6. 上記巻き取り部は、上記一対の保持部材を支持する一対のスライド部材(42)を有し、上記巻き取り部駆動機構は、上記スライド部材をスライド可能に支持するレール部材(41)と、上記主軸の回転に連動して回転するリードカム(53)を有して、該リードカムと従動するローラフォロア(54)を上記スライド部材と連結することにより、上記巻き取り部を往復動させる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の角線の巻線装置。
  7. 請求項1記載の角線の巻線装置を用いた巻線方法であって、上記主軸の回転に伴い上記線材供給装置から引き出される角線を、上記ボビン周りに弦巻線状に巻き取りつつ、上記巻き取り部駆動機構によって上記ボビンを軸方向に駆動して一端側から他端側まで巻き、該他端側において上記ボビンの駆動方向と巻線方向を反転させることを繰り返して多層巻線し、かつ軸方向端部において層間に生じる隙間には、上記保持部材の上記ガイド部を突出位置させて、軸方向端部を保持しながら層間の乗り移りを行い、巻線方向を案内することを特徴とする巻線方法。
JP2012264263A 2012-12-03 2012-12-03 角線の巻線装置および巻線方法 Active JP6024424B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012264263A JP6024424B2 (ja) 2012-12-03 2012-12-03 角線の巻線装置および巻線方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012264263A JP6024424B2 (ja) 2012-12-03 2012-12-03 角線の巻線装置および巻線方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014110329A true JP2014110329A (ja) 2014-06-12
JP6024424B2 JP6024424B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=51030796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012264263A Active JP6024424B2 (ja) 2012-12-03 2012-12-03 角線の巻線装置および巻線方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6024424B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104538174A (zh) * 2014-12-30 2015-04-22 深圳市有钢机电设备有限公司 绕线机及绕线方法
CN105336495A (zh) * 2015-11-12 2016-02-17 国网山东商河县供电公司 油浸式变压器辅助绕线装置
JP2021082678A (ja) * 2019-11-18 2021-05-27 Nittoku株式会社 巻線機及び巻線方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5052555A (ja) * 1973-09-10 1975-05-10
JPH11312621A (ja) * 1998-02-24 1999-11-09 Toyota Motor Corp 巻線装置
JP2000014094A (ja) * 1998-06-19 2000-01-14 Toyota Motor Corp コイル成形装置および方法
JP2003217960A (ja) * 2002-01-24 2003-07-31 Sumitomo Wiring Syst Ltd コイル用巻線機及びコイル製造方法
WO2004021377A1 (ja) * 2002-08-28 2004-03-11 Tanaka Seiki Co., Ltd. 矩形断面線材の巻線装置
JP2005203551A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Suncall Corp 巻線装置
JP2009246177A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Daihen Corp 巻線装置及び巻線方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5052555A (ja) * 1973-09-10 1975-05-10
JPH11312621A (ja) * 1998-02-24 1999-11-09 Toyota Motor Corp 巻線装置
JP2000014094A (ja) * 1998-06-19 2000-01-14 Toyota Motor Corp コイル成形装置および方法
JP2003217960A (ja) * 2002-01-24 2003-07-31 Sumitomo Wiring Syst Ltd コイル用巻線機及びコイル製造方法
WO2004021377A1 (ja) * 2002-08-28 2004-03-11 Tanaka Seiki Co., Ltd. 矩形断面線材の巻線装置
JP2005203551A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Suncall Corp 巻線装置
JP2009246177A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Daihen Corp 巻線装置及び巻線方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104538174A (zh) * 2014-12-30 2015-04-22 深圳市有钢机电设备有限公司 绕线机及绕线方法
CN105336495A (zh) * 2015-11-12 2016-02-17 国网山东商河县供电公司 油浸式变压器辅助绕线装置
JP2021082678A (ja) * 2019-11-18 2021-05-27 Nittoku株式会社 巻線機及び巻線方法
WO2021100303A1 (ja) * 2019-11-18 2021-05-27 Nittoku株式会社 巻線機及び巻線方法
CN113785371A (zh) * 2019-11-18 2021-12-10 日特有限公司 绕线机和绕线方法
JP7418186B2 (ja) 2019-11-18 2024-01-19 Nittoku株式会社 巻線機及び巻線方法
US11901777B2 (en) 2019-11-18 2024-02-13 Nittoku Co., Ltd. Winding device and wire winding method

Also Published As

Publication number Publication date
JP6024424B2 (ja) 2016-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101485443B1 (ko) 필라멘트 와인딩 장치
CN101378212B (zh) 绕线装置
CN101765960B (zh) 卷绕设备
ES2303503T3 (es) Aparato para bobinar y metodo de bobinado.
CN1206676C (zh) 线圈缠绕器和绕线方法
KR970006456B1 (ko) 타이어 벨트 보강층을 감는 방법
KR101462979B1 (ko) 필라멘트 와인딩 장치
JP5278662B2 (ja) フィラメントワインディング装置
JP6024424B2 (ja) 角線の巻線装置および巻線方法
JP2007165757A (ja) 二元捲きコイル、もしくは二元捲きコイルの捲線装置、および捲線方法
JP5643324B2 (ja) フィラメントワインディング装置
CN102024559A (zh) 角线的绕线装置以及扁立线圈的绕线方法
JPWO2012043342A1 (ja) フィラメントワインディング装置
JP5796724B2 (ja) フィラメントワインディング装置
US20090261194A1 (en) Winding apparatus and winding method
JP2015071485A (ja) 巻取装置及び巻取方法
JP2022528427A (ja) ステータコイルの巻線装置
JP4409495B2 (ja) 線材巻き取り装置のトラバーサ
JP7274832B2 (ja) 巻線装置
JP4304320B2 (ja) コアにワイヤを巻き付ける機械
JP3157008U (ja) 電子部品保持済キャリアテープ巻回体
JP3585438B2 (ja) 巻線装置および巻線方法
JP2008198955A (ja) 巻線方法及び巻線装置
JP2005206302A (ja) 巻取り装置
JP7184412B1 (ja) ワイヤー駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150226

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20150227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160926

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6024424

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250