JP2015071485A - 巻取装置及び巻取方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】線材のボビンへの多層整列巻き時にボビンの軸方向全体に亘って線材間の隙間を制御できる巻取装置及び巻取方法を提供する。【解決手段】本発明は、円筒状の胴部及びその両側の鍔部を有するボビンを軸方向に往復移動及び軸中心に回転可能に保持し、このボビンに線材を多層整列巻きする巻取装置であって、ボビンの軸と平行に配設され、この軸方向に往復移動する軸部と、この軸部の先端に配設され、巻き取られる際の線材を付勢するローラ部とを備える2対の付勢ローラユニットを備え、2対の付勢ローラユニットのうちの一方の対が、ボビンの一方の鍔部側へ線材を押圧する押圧ローラユニット及びボビンの一方の鍔部側へ線材を牽引する牽引ローラユニットから構成され、2対の付勢ローラユニットのうちの他方の対が、ボビンの他方の鍔部側へ線材を押圧する押圧ローラユニット及びボビンの他方の鍔部側へ線材を牽引する牽引ローラユニットから構成されている。【選択図】図2A

Description

本発明は、巻取装置及び巻取方法に関する。
線材の製造工程において、ボビンに線材を巻き取る装置が一般に用いられる。このような巻取装置は、回転するボビンの胴部に軸方向一端側から他端側へと線材を整列して巻き取り、ボビンの鍔部に接する位置で線材を上層に層上がりさせ、その後層上がりした位置から反転して軸方向に線材を整列して巻き取りを行う。これを繰り返すことにより、ボビンに線材が多層整列巻きされる。
上記巻取装置では、線材と線材との間隔を小さくすることが製造効率上望ましい。しかし、上述した上層への層上がり部分(鍔部付近)では、線材がS字状に巻き付いた状態(S字巻き)となり、隣接する線材との間に隙間が発生し、線材の重なりやうねり等の巻き乱れが発生しやすい。そのため、図6に示すようなボビンに巻き取る際に線材Yを付勢する機構を備えた巻取装置が考案されている(特許第5061391号公報参照)。この従来の巻取装置は、小径ローラ部92と大径ローラ部91とを有するローラユニット90を備え、このローラユニット90によってボビンの軸方向の一端側から他端側への巻き取り時に線材を一端側へ押圧することで線材間の隙間を減少させる。
特許第5061391号公報
上記従来の巻取装置が有するローラユニットは、図6に示すように例えば一方の鍔部X2から他方の鍔部X3側へ線材Yを巻き取る場合、一方の鍔部X2付近の線材を付勢して整列させることができるが、他方の鍔部X3付近の領域Lではローラユニット90の軸部93や大径ローラ部91があるので線材を付勢することができない。そのため、この領域Lにおいて線材の巻き乱れが生じるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、線材のボビンへの多層整列巻き時にボビンの軸方向全体に亘って線材間の隙間を制御できる巻取装置及び巻取方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、円筒状の胴部及びその両側の鍔部を有するボビンを軸方向に往復移動及び軸中心に回転可能に保持し、このボビンに線材を多層整列巻きする巻取装置であって、上記ボビンの軸と平行に配設され、この軸方向に往復移動する軸部と、この軸部の先端に配設され、巻き取られる際の線材を付勢するローラ部とを備える2対の付勢ローラユニットを備え、上記2対の付勢ローラユニットのうちの一方の対が、ボビンの一方の鍔部側へ線材を押圧する第一押圧ローラユニット、及びボビンの一方の鍔部側へ線材を牽引する第一牽引ローラユニットから構成され、上記2対の付勢ローラユニットのうちの他方の対が、ボビンの他方の鍔部側へ線材を押圧する第二押圧ローラユニット、及びボビンの他方の鍔部側へ線材を牽引する第二牽引ローラユニットから構成されている巻取装置である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、円筒状の胴部及びその両側の鍔部を有するボビンを軸方向に往復移動及び軸中心に回転しつつ、このボビンに線材を多層整列巻きする巻取方法であって、一方の鍔部側から他方の鍔部側に線材を巻き付ける前半に、上記一方の鍔部側に線材を押圧する工程と、一方の鍔部側から他方の鍔部側に線材を巻き付ける後半に、上記一方の鍔部側に線材を牽引する工程と、他方の鍔部側から一方の鍔部側に線材を巻き付ける前半に、上記他方の鍔部側に線材を押圧する工程と、他方の鍔部側から一方の鍔部側に線材を巻き付ける後半に、上記他方の鍔部側に線材を牽引する工程とを備える巻取方法である。
本発明による線材の巻取装置及び巻取方法は、線材のボビンへの多層整列巻き時にボビンの軸方向全体に亘って線材間の隙間を制御できる。
本発明の一実施形態に係る巻取装置の概略図である。 図1の巻取装置の線材整列機構を示す模式的平面図である。 図1の巻取装置の線材整列機構を示す模式的側面図である。 図2A及び図2Bの押圧ローラユニットを示す模式的平面図である。 図2A及び図2Bの牽引ローラユニットを示す模式的平面図である。 図2A及び図2Bの押圧ローラユニット及び牽引ローラユニットが付勢位置にある状態を示す模式的側面図である。 第1の線材押圧工程における線材の付勢状態を示す概略図である。 第1の線材牽引工程における線材の付勢状態を示す概略図である。 第2の線材押圧工程における線材の付勢状態を示す概略図である。 第2の線材牽引工程における線材の付勢状態を示す概略図である。 従来の巻取装置によるボビンへの線材の巻き付け状態を示す平面図である。
[本発明の実施形態の説明]
上記課題を解決するためになされた発明は、円筒状の胴部及びその両側の鍔部を有するボビンを軸方向に往復移動及び軸中心に回転可能に保持し、このボビンに線材を多層整列巻きする巻取装置であって、上記ボビンの軸と平行に配設され、この軸方向に往復移動する軸部と、この軸部の先端に配設され、巻き取られる際の線材を付勢するローラ部とを備える2対の付勢ローラユニットを備え、上記2対の付勢ローラユニットのうちの一方の対が、ボビンの一方の鍔部側へ線材を押圧する第一押圧ローラユニット、及びボビンの一方の鍔部側へ線材を牽引する第一牽引ローラユニットから構成され、上記2対の付勢ローラユニットのうちの他方の対が、ボビンの他方の鍔部側へ線材を押圧する第二押圧ローラユニット、及びボビンの他方の鍔部側へ線材を牽引する第二牽引ローラユニットから構成されている巻取装置である。
当該巻取装置は、上記構成により、ボビンの軸方向全体に亘って線材間の隙間を低減した状態で線材を多層整列巻きすることができる。つまり、当該巻取装置は、ボビンの一方の鍔部側へ線材を牽引する第一牽引ローラユニットと、ボビンの他方の鍔部側へ線材を牽引する第二牽引ローラユニットとを有するため、ボビンの鍔部付近で鍔部に近接するように線材を巻き取る際に、上記牽引ローラユニットによって線材を整列して線材間の隙間を制御することができる。また、当該巻取装置は、それぞれ鍔部側へ線材を押圧する1対の押圧ローラユニットを備えているため、従来の巻取装置と同様にボビンの鍔部から遠ざかるように線材を巻き取る際にも線材間の隙間を制御することができる。そのため、当該巻取装置は、ボビンの軸方向全体に亘って線材間の隙間を低減しながら線材を多層整列巻きすることができる。
上記第一押圧ローラユニット及び第二押圧ローラユニットが、軸部の先端に同軸に配設され、その先端面が線材の側面に当接する大径ローラ部と、この大径ローラ部の先端側に同軸に配設され、その周面が線材の外周に当接する小径ローラ部とを備え、上記第一牽引ローラユニット及び第二牽引ローラユニットが、軸部の先端に同軸に配設され、その周面が線材の外周に当接する小径ローラ部と、この小径ローラ部の先端側に同軸に配設され、その後端面が線材の側面に当接する大径ローラ部とを備えると良い。このように押圧ローラユニット及び牽引ローラユニットがそれぞれ大径ローラ部及び小径ローラ部を有することで、大径ローラ部と小径ローラ部との段差部で線材を確実に押圧又は牽引できるため、線材間の隙間をより確実に低減することができる。
上記第一牽引ローラユニット及び第二牽引ローラユニットの大径ローラ部の幅としては、線材の平均幅の2倍以下が好ましい。上記大径ローラ部の幅を上記上限以下とすることで、牽引ローラによって線材を付勢できる位置を鍔部に近接させることができる。その結果、当該巻取装置の巻取効率を高めることができる。
当該巻取装置は、上記第一押圧ローラユニット及び上記第二牽引ローラユニットがボビンに離接可能に付設された第一アーム部と、上記第二押圧ローラユニット及び上記第一牽引ローラユニットがボビンに離接可能に付設された第二アーム部とを備え、上記第二アーム部が、上記第一アーム部のボビンの軸方向の一方側に設けられているとよい。このように第一アーム部及び第二アーム部に各ローラユニットを付設することで、当該巻取装置の部品点数を低減することができる。また、当該巻取装置の機構が簡略化されるため、制御を容易にすることができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、円筒状の胴部及びその両側の鍔部を有するボビンを軸方向に往復移動及び軸中心に回転しつつ、このボビンに線材を多層整列巻きする巻取方法であって、一方の鍔部側から他方の鍔部側に線材を巻き付ける前半に、上記一方の鍔部側に線材を押圧する工程と、一方の鍔部側から他方の鍔部側に線材を巻き付ける後半に、上記一方の鍔部側に線材を牽引する工程と、他方の鍔部側から一方の鍔部側に線材を巻き付ける前半に、上記他方の鍔部側に線材を押圧する工程と、他方の鍔部側から一方の鍔部側に線材を巻き付ける後半に、上記他方の鍔部側に線材を牽引する工程とを備える巻取方法である。
当該巻取方法は、ボビンの一方の鍔部側へ線材を牽引する工程と、ボビンの他方の鍔部側へ線材を牽引する工程とを備えるため、ボビンの胴部の鍔部付近で鍔部に近接するように線材を巻き取る際に、牽引によって線材を整列して線材間の隙間を低減することができる。また、当該巻取方法は、一方及び他方の部側へ線材を押圧する工程を備えているため、従来の巻取方法と同様にボビンの胴部の鍔部から遠ざかるように線材を巻き取る際にも線材間の隙間を低減することができる。そのため、当該巻取方法は、ボビンの軸方向全体に亘って線材間の隙間を低減しながら線材を多層整列巻きすることができる。
なお、線材の「側面」とは、線材の周面のうち、ボビンの軸方向と法線との成す角度が45°以内となる面を意味する。線材の「外周」とは、線材の周面のうち、ボビンの半径方向と法線との成す角度が45°以内となる面を意味する。また、線材の「幅」とは、ボビンの軸方向の線材の寸法を意味し、線材の「厚さ」とはボビンの半径方向の線材の寸法を意味する。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る線材の巻取装置及び巻取方法を以下に図面を参照しつつ説明する。
<巻取装置>
図1の巻取装置は、円筒状の胴部X1及びその両側の鍔部X2、X3を有するボビンXを軸方向に往復移動及び軸中心に回転可能に保持し、このボビンXにアームガイドZを介して供給される線材Yを多層整列巻きする装置である。当該巻取装置は、ボビンXを軸方向に往復移動させると共にボビンXを回転させ線材Yを巻き取るトラバーサ1と、上記ボビンXに巻き取られる線材Yを付勢する線材整列機構2とを備えている。
当該巻取装置に用いる線材Yは、平角線であっても丸線であっても良いが、平角線を用いることで当該巻取装置の効果がより発揮される。線材Yの種類としては特に限定されるものではないが、例えば銅等の金属導体からなる単芯線に絶縁塗料を焼き付け塗布したエナメル線等の被覆電線が好適に用いられる。また、線材Yの厚さや幅は特に限定されるものではないが、例えば平均厚さが0.5mm以上5mm以下、平均幅が1mm以上10mm以下のものを好適に巻き取ることができる。
(トラバーサ)
トラバーサ1は、台座となるトラバーサ支持台10、ボビンXを軸方向に往復移動させるトラバーサ移動部11及びボビンXが着脱可能に取り付けられるボビン支持部12を備える。
ボビン支持台10は、トラバーサ1の最下部に位置し、その上にトラバーサ移動部11及びボビン支持部12が載置される基台である。
トラバーサ移動部11は、スクリューシャフト11a、移動台11b及び位置制御モータ11cを有している。
スクリューシャフト11aは、螺旋状の溝(ネジ溝)が刻まれたシャフトであり、一端が移動台11bに螺合され、他端が位置制御モータ11cの軸に接合されている。
移動台11bは、上記スクリューシャフト11aと螺合するネジ穴を有し、スクリューシャフト11aの回転に応じてスクリューシャフト11aの軸方向に移動するようにトラバーサ支持台10上に配設されている。
位置制御モータ11cは、スクリューシャフト11aを回転させるモータである。位置制御モータ11cは、正逆回転可能であり、またそれぞれの回転方向において回転速度を変えることができる。この位置制御モータ11cによりスクリューシャフト11aを回転させることで、移動台11bがスクリューシャフト11aの軸方向に移動する。また、位置制御モータ11cの回転方向を変えることで移動台11bの往復移動させることができる。
ボビン支持部12は、ボビン取り付け用のスピンドル12a、このスピンドル12aを回転自在に支持する軸受材12b、及びギア12dを介して上記スピンドル12aを回転させる回転用モータ12cを備える。
スピンドル12aは、回転用モータ12cの回転動力をボビンXに伝える円柱状部材であり、ボビンXの胴部内部に軸方向が一致するようボビンXを着脱可能に装着できる。スピンドル12aは、上記スクリューシャフト11aと軸方向が一致するよう配設される。
軸受材12bは、上記スピンドル12aを回転自在に支持する軸受である。このスピンドル12aと軸受材12bとによってボビンXを回転させることができる。
回転用モータ12cは、移動台11b上に配設され、ギア12dを介して上記スピンドル12aと接続されている。回転用モータ12cがスピンドル12aを回転させることで、線材YがボビンXに巻き取られる。回転用モータ12cは回転速度を変えることができるため、線材YのボビンXの巻取速度を制御することができる。
トラバーサ1は以上のように構成されているので、位置制御モータ11cを用いて移動台11bを往復移動させることで、ボビンXを往復移動させることができる。また、ボビンXをスピンドル12aに装着し、回転用モータ12cを用いてボビンXを回転することができる。従って位置を固定したアームガイドZからボビンXの軸方向に対して垂直方向に供給される線材YをボビンXの回転と軸方向の往復移動によりボビンXに多層に巻き取ることができる。このようなトラバーサ1としては、公知のものを利用できる。
(線材整列機構)
線材整列機構2は、図2A及び図2Bに示すように、2対の付勢ローラユニットを備え、各付勢ローラユニットは、ボビンXの軸と平行に配設され、この軸方向に往復移動する軸部と、この軸部の先端に配設され、巻き取られる際の線材をY付勢するローラ部とを備える。
2対の付勢ローラユニットのうち一方の対は、ボビンXの一方の鍔部X3側へ線材Yを押圧する第一押圧ローラユニット30a、及びボビンXの一方の鍔部X3側へ線材Yを牽引する第二牽引ローラユニット40aから構成され、一方の鍔部X3から他方の鍔部X2への線材Yの巻取時に線材Yを一方の鍔部X3側へ付勢するための付勢ローラユニットである。また、2対の付勢ローラユニットのうち他方の対は、ボビンXの他方の鍔部X2側へ線材Yを押圧する第二押圧ローラユニット30b、及びボビンXの他方の鍔部X2側へ線材Yを牽引する第一牽引ローラユニット40bから構成され、他方の鍔部X2から一方の鍔部X3への線材Yの巻取時に線材Yを他方の鍔部X2側へ付勢するための付勢ローラユニットである。
各付勢ローラユニットは、ボビンXに対して切離可能かつボビンXの軸方向に往復移動可能に設けられている。つまり、各付勢ローラユニットは、フレーム21に往復移動機構及び切離機構を介して設置される。具体的には、線材整列機構2は、支持台であるフレーム21、このフレーム21にボビンXの軸方向に移動可能に設置される移動台22、この移動台22から突設した板部に回転軸の軸方向が移動台22の移動方向と一致するよう配設された1対のアクチュエータ23a、23b、この1対のアクチュエータ23a、23bの回転軸に接続された1対のアーム24a、24b及びこの1対のアーム24a、24bに軸支されたローラ支持体25a、25bを備える。上記各付勢ローラユニットは、この1対のアーム及びローラ支持体から構成されるアーム部に付設されている。
フレーム21は、上記移動台22をボビンXの軸方向(図中左右方向)に往復移動自在に支持する。上記フレーム21の両端には移動台22の移動を制限するストッパー板が設けられている。
移動台22は、上記付勢ローラユニットをボビンXの軸方向に往復移動させる。この移動台22の移動機構としては、トラバーサ移動部11と同様のもの(シャフトと回転モータとを用いたもの)を用いることができる。
1対のアクチュエータ23a、23bは、移動台22の上面に移動方向に対して対向するよう配置された1対の板部にそれぞれ配設されている。このアクチュエータ23a、23bは、回転軸の軸方向が移動台22の移動方向(ボビンXの軸方向)と一致するよう配設されており、1対のアーム24a、24bをそれぞれボビンXの軸方向に垂直な面内で移動可能としている。
1対のアーム24a、24bは、それぞれ一端が上記アクチュエータ23a、23bに接続され、他端にローラ支持体25a、25bが、ボビンXの軸方向に垂直な面内で移動可能なようにアーム接続軸28によって接続されている。
1対のローラ支持体25a、25bは、略角柱状体であり、上述のようにそれぞれ1対のアーム24a、24bに回転可能に接続されている。一方のローラ支持体25aには、第一押圧ローラユニット30a及び第二牽引ローラユニット40aが付設されている。また、他方のローラ支持体25bには、第二押圧ローラユニット30b及び第一牽引ローラユニット40bが付設されている。
具体的には、第一押圧ローラユニット30a及び第二牽引ローラユニット40aが、その回転軸がボビンXの軸方向と平行となり、かつこれらのローラユニットのローラ部が1対のアーム24a、24bの対向面と反対側に配設されるように、それぞれ軸部を介してローラ支持体25aに回転可能に軸支されている。このローラ支持体25aとこれを支持するアーム24aとは、第一押圧ローラユニット30a及び第二牽引ローラユニット40aをボビンXに離接可能にする第一アーム部を構成する。第二押圧ローラユニット30b及び第一牽引ローラユニット40bは、第一押圧ローラユニット30a及び第二牽引ローラユニット40aと左右対称の構成でローラ支持体25bに回転可能に軸支される。このローラ支持体25bとこれを支持するアーム24bとは、第二押圧ローラユニット30b及び第一牽引ローラユニット40bをボビンXに離接可能にする第二アーム部を構成している。また、この第二アーム部は、上記第一アーム部のボビンXの軸方向の一方側(第二アーム部に付設されたローラユニットのローラ部と反対側)に設けられている。
上記第一押圧ローラユニット30aは、図3Aに示すように、ローラ部として、軸部26aの先端に同軸に配設され、その先端面が線材Yの側面に当接する大径ローラ部31と、この大径ローラ部31の先端側に同軸に配設され、その周面が線材Yの外周に当接する小径ローラ部32とを備える。上記小径ローラ部32は、第一押圧ローラユニット30aのボビンXの軸方向の先端部を形成している。線材Yは、この第一押圧ローラユニット30aの大径ローラ部31の小径ローラ部32側の側面に当接しつつ、小径ローラ部32の周面に沿ってボビンXに巻き取られる。なお、第二押圧ローラユニット30bの具体的な構成は上記第一押圧ローラユニット30aと左右対称である。
また、上記第二牽引ローラユニット40aは、図3Bに示すように、ローラ部として、軸部27aの先端に同軸に配設され、その周面が線材Yの外周に当接する小径ローラ部41と、この小径ローラ部41の先端側に同軸に配設され、その後端面が線材Yの側面に当接する大径ローラ部42とを備える。上記大径ローラ部42は、第二牽引ローラユニット40aのボビンXの軸方向の先端部を形成している。線材Yは、この第二牽引ローラユニット40aの大径ローラ部42の小径ローラ部41側の側面に当接しつつ、小径ローラ部41の周面に沿ってボビンXに巻き取られる。なお、第一牽引ローラユニット40bの具体的な構成は上記第二牽引ローラユニット40aと左右対称である。
また、図2Bに示すように、1対のローラ支持体25a、25bには、ボビンXとの切離側と反対側にそれぞれウェイト29が接続されている。このウェイト29は、アーム24a、24bに接続する接続軸と、この軸に螺嵌された複数の円環状の錘とから構成されている。この複数の錘は、接続軸周りに回転させることで接続軸から着脱することができる。これにより、ローラ支持体25a、25bのモーメントを設定することができ、各ローラユニットをボビンXに当接させる際の荷重を調節することができる。なお、図2Aでは図面を見やすくするためにウェイト29は図示していない。
上記線材整列機構2は、1のアクチュエータ23a(又は23b)の軸を回転させることにより、このアクチュエータ23a(23b)に接続されたアーム24a(24b)をボビンXの軸方向に垂直な面内で移動させることができる。アーム24a(24b)を移動させることで、その先端に接続されたローラ支持体25a(25b)がウェイト29等の重量により上記面内で傾斜する。その結果、ローラ支持体25a(25b)に接続されたローラユニット(押圧ローラユニット及び牽引ローラユニット)を図4に示すようにボビンXに近接させ、線材Yを付勢することができる。
また、上記線材整列機構2は、ボビンXの軸方向の移動に伴って、移動台22を同方向に移動させることで線材Yの動きにローラユニットを追従させることができる。
上述のように一方のアーム部(アーム及びローラ支持体)をアクチュエータ23aで移動させると、このアーム部に付設された押圧ローラユニット及び牽引ローラユニットが共にボビンXに巻き取られた線材Yに当接する。ただし、この押圧ローラユニット及び牽引ローラユニットは図2Aに示すようにボビンXの軸方向の先端位置がずれるようにオフセットDが設けられており、一方のローラユニットが付勢する場合に他方のローラユニットが線材YをボビンXの軸方向に付勢しないように設計されている。具体的に説明すると、第一押圧ローラユニット30aの先端(小径ローラ部32の先端)位置は、第二牽引ローラユニット40aの先端(大径ローラ部42の先端)位置よりも内側(ローラ支持体25a側)に位置している。これにより、第一押圧ローラユニット30aで線材Yを付勢する場合、線材Yは第二牽引ローラユニット40aの大径ローラ部42の周面に当接するため、ボビンXの軸方向に力を受けることがない。また逆に、第二牽引ローラユニット40aで線材Yを付勢する場合、線材Yは第一押圧ローラユニット30aの大径ローラ部31の周面に当接するため、ボビンXの軸方向に力を受けることがない。
上記オフセットDの下限としては、巻き取りを行う線材Yの平均幅の0.2倍が好ましく、0.5倍がより好ましい。オフセットDが上記下限未満の場合、線材Yが付勢を行わないローラユニットの大径ローラ部の側面に接触し、軸方向に不要に付勢されるおそれがある。一方、上記オフセットDの上限としては、巻き取りを行う線材Yの平均幅の1.2倍が好ましく、1倍がより好ましい。オフセットDが上記上限を超える場合にも、線材Yが付勢を行わないローラユニットの大径ローラ部の側面に接触し、軸方向に不要に付勢されるおそれがある。
上記第一押圧ローラユニット30a及び第二押圧ローラユニット30bの大径ローラ部31と小径ローラ部32との半径の差Hの下限としては、巻き取りを行う線材Yの平均厚さの0.7倍が好ましく、0.8倍がより好ましい。上記半径の差Hが上記下限未満となる場合、押圧ローラユニットの線材Yの側面に当接する領域が狭くなり、十分に付勢ができなくなるおそれがある。一方、上記半径の差Hの上限としては、巻き取りを行う線材Yの平均厚さの1.1倍が好ましく、1.0倍がより好ましい。上記半径の差Hが上記上限を超える場合、小径ローラ部32と線材Yの外周との間の隙間によってボビンXの半径方向の付勢が不十分となり、巻き取った線材Yにたるみ等が発生するおそれがある。
上記第一押圧ローラユニット30a及び第二押圧ローラユニット30bの小径ローラ部32の平均幅Wの下限としては、巻き取りを行う線材Yの平均幅の0.7倍が好ましく、0.8倍がより好ましい。上記平均幅Wが上記下限未満となる場合、押圧ローラユニットの線材Yの外周に当接する領域が狭くなり、十分に付勢ができなくなるおそれがある。一方、上記平均幅Wの上限としては、巻き取りを行う線材Yの平均幅の2倍が好ましく、1倍がより好ましい。上記平均幅Wが上記上限を超える場合、押圧ローラユニットの先端面がボビンXの鍔部と接する位置において台形ローラ部31と鍔部との間に線材2本分以上の幅が存在するため、線材Yの付勢を鍔部に近接する線材Yに対して行うことができず巻き乱れが発生するおそれがある。
上記第一押圧ローラユニット30a及び第二押圧ローラユニット30bの大径ローラ部31の平均幅Tは適宜設計することができ、例えば巻き取りを行う線材Yの平均幅の1倍以上5倍以下とすることができる。上記平均幅Tが上記下限未満となる場合、大径ローラ部31の強度不足による大径ローラ部31のたわみ等により線材Yの付勢が不十分となるおそれがある。また、大径ローラ部31の幅が小さいことにより回転時の姿勢が安定せず、巻き乱れが発生するおそれがある。一方、上記平均幅Tが上記上限を超える場合、押圧ローラユニットの重量が増加し、回転時の姿勢が安定せず、巻き乱れが発生するおそれがある。また、ボビンXが小幅である場合、線材Yを付勢できない領域が残り、巻き乱れが発生するおそれがある。
第一押圧ローラユニット30a及び第二押圧ローラユニット30bの大径ローラ部31の直径としては特に限定されないが、例えば30mm以上100mm以下とすることができる。また第一押圧ローラユニット30a及び第二押圧ローラユニット30bの小径ローラ部32の直径としては特に限定されないが、例えば10mm以上95mm以下とすることができる。
上記第一牽引ローラユニット40b及び第二牽引ローラユニット40aにおいて、大径ローラ部42と小径ローラ部41との半径の差Hの下限としては、巻き取りを行う線材Yの平均厚さの0.7倍が好ましく、0.8倍がより好ましい。上記半径の差Hが上記下限未満となる場合、牽引ローラユニットの線材Yの側面に当接する領域が狭くなり、十分に付勢ができなくなるおそれがある。一方、上記半径の差Hの上限としては、巻き取りを行う線材Yの平均厚さの1.1倍が好ましく、1倍がより好ましい。上記半径の差Hが上記上限を超える場合、小径ローラ部41と線材Yの外周との間の隙間によってボビンXの半径方向の付勢が不十分となり、巻き取った線材Yにたるみ等が発生するおそれがある。
上記第一牽引ローラユニット40b及び第二牽引ローラ30ユニットbにおいて、大径ローラ部42の平均幅Wの下限としては、巻き取りを行う線材Yの平均幅の0.7倍が好ましく、0.8倍がより好ましい。上記平均幅Wが上記下限未満となる場合、大径ローラ部42の強度が弱くなるおそれがある。一方、上記平均幅Wの上限としては、巻き取りを行う線材Yの平均幅の1.5倍が好ましく、1倍がより好ましい。上記平均幅Wが上記上限を超える場合、牽引ローラユニットの先端面が線材Yの1.5本分以上の幅を残して先にボビンXの鍔部に至ってしまい、線材Yの付勢を鍔部に近接するまで行うことができず巻き乱れが発生し易くなるおそれがある。
上記第一牽引ローラユニット40b及び第二牽引ローラユニット40aにおいて、小径ローラ部41の平均幅Tは適宜設計することができ、例えば巻き取りを行う線材Yの平均幅の1倍以上5倍以下とすることができる。上記平均幅Tが上記下限未満となる場合、牽引ローラユニットの線材Yの外周に当接する領域が狭くなり、十分に牽引ができなくなるおそれがある。一方、上記平均幅Tが上記上限を超える場合、牽引ローラユニットの重量が増加し回転時の姿勢が安定せず、巻き乱れが発生するおそれがある。
第一牽引ローラユニット40b及び第二牽引ローラユニット40aの小径ローラ部41の直径としては特に限定されないが、例えば10mm以上95mm以下とすることができる。また第一牽引ローラユニット40b及び第二牽引ローラユニット40aの大径ローラ部42の直径としては特に限定されないが、例えば30mm以上100mm以下とすることができる。
<巻取方法>
当該巻取方法は、一方の鍔部側から他方の鍔部側に線材を巻き付ける前半に、上記一方の鍔部側に線材を押圧する工程(S1)と、一方の鍔部側から他方の鍔部側に線材を巻き付ける後半に、上記一方の鍔部側に線材を牽引する工程(S2)と、他方の鍔部側から一方の鍔部側に線材を巻き付ける前半に、上記他方の鍔部側に線材を押圧する工程(S3)と、他方の鍔部側から一方の鍔部側に線材を巻き付ける後半に、上記他方の鍔部側に線材を牽引する工程(S4)とを備える。当該巻取方法は、当該巻取装置を用いることで容易かつ確実に行うことができる。
ここで、当該巻取装置のトラバース1は位置制御モータ11cの回転速度を変えることで、スクリューシャフト11aを介して移動台11bの移動速度を制御することができる。このとき位置制御モータ11cの回転速度によってボビンXへの巻き取り角度(移動速度0における巻き取り方向に対して実際に線材Yが巻き取られる方向の角度)が変化する。位置制御モータ11cの回転速度を遅くし、巻き取り角度が小さくなると線材Yに重なりが生じ易くなり、逆に位置制御モータ11cの回転速度を速くし、巻き取り角度が大きくなると線材Y間の隙間が大きくなり易くなる。以下、本明細書では、巻き取り角度が適切で線材Yが規則正しく整列して巻き取れるボビンXの移動速度で巻き取られている状態を低速巻取、ボビンXの移動を停止し巻き取り角度0°でボビンXの半径方向に重なって巻き取られている状態を重ね巻取、ボビンXの移動速度が速く低速巻き取りよりも隙間が広くなって巻き取られている状態を高速巻取と定義する。また、巻き取りは、実際には線材整列機構2が静止した状態でボビンXを軸方向に往復移動させつつ回転させることで行われるが、相対的にはボビンXを基準とした線材整列機構2の動きとして表現可能であるため、以下では線材整列機構2の動きとして説明する。
第1の線材押圧工程(S1)は、図5Aに示すように、一方の鍔部X3側から他方の鍔部X2側に線材Yを巻き付ける前半に上記一方の鍔部X3側に線材Yを押圧する工程である。この工程では、第一押圧ローラユニット30aを用いて低速巻き取りを行うことで線材Yを規則正しく巻き取ることができる。その際、第一押圧ローラユニット30aの位置はアクチュエータ23aを用いたアーム24aの回転により調整され、ボビンXに巻き取られる線材Yに当接する位置に制御される。また、移動台22の位置を調整することで、巻き取り位置にある線材Yの外周及び側面に大径ローラ部31及び小径ローラ部32が当接するように制御されている(以下、この位置を付勢位置と言う)。
ボビンXの鍔部付近を除いた領域(低速巻取を行う領域)における巻き取られる線材Y間の隙間の下限としては、線材Yの平均幅の2%が好ましく、3%がより好ましい。線材Y間の隙間が上記下限未満となる場合、線材Yの重なりが発生するおそれがある。一方、線材Y間の隙間の上限としては、線材Yの平均幅の10%が好ましく、5%がさらに好ましい。線材Y間の隙間が上記上限を超える場合、上層の線材Yが下層の線材Y間の隙間に落ち込むことによって巻き乱れが発生するおそれがある。なお、線材Y間の隙間は、線材Yの幅とボビンXの回転速度及び移動速度とで決まるため、例えば回転用モータ12cの回転速度を調整することで調整することができる。
第1の線材牽引工程(S2)は、図5Bに示すように、一方の鍔部X3側から他方の鍔部X2側に線材Yを巻き付ける後半に上記一方の鍔部X3側に線材Yを牽引する工程である。一方の鍔部X3側から開始した線材Yの巻き付け位置がローラユニットの切替位置に至った時点で、第一押圧ローラユニット30aは、アクチュエータ23aを用いたアーム24aの回転によりボビンX及び線材Yから離脱した位置(以下、この位置を解除位置と言う)に移動する。これと同時に、第一牽引ローラユニット40bの位置が、アクチュエータ23bを用いたアーム24bの回転により付勢位置に制御される。第一牽引ローラユニット40bを用いて低速巻き取りを行うことで、他方の鍔部X2に近接するまで線材Yを規則正しく巻き取ることができる。
第一押圧ローラユニット30aから第一牽引ローラユニット40bへの切替位置としては、第一押圧ローラユニット30aの軸部26a等が鍔部X2に接触しない範囲であれば特に限定されないが、例えばボビンXの胴部X1の中央で変更するとよい。
第一牽引ローラユニット40bは、その大径ローラ部42が他方の鍔部X2に接する位置、又は接する直前の位置まで線材Yを牽引する。その際、第一牽引ローラユニット40bは、大径ローラ部42の幅が上述のように適切に設計されている場合、巻取方向が反転する反転位置において牽引された線材Yと鍔部X2との間が線材1本分以下の幅となり得る。つまりこの場合、線材Yが鍔部X2に近接するまで第一牽引ローラユニット40bによって整列して線材Yの巻き取りが行える。第一牽引ローラユニット40bは、例えば大径ローラ部42が鍔部X2に接する位置で解除位置に移動される。
その後、他方の鍔部X2付近で線材YをボビンXの半径方向上側(上層)に層上がりさせつつ線材Yの巻取を継続する。具体的には、重ね巻取を行うことで鍔部X2付近において線材Yをそれまでの巻取によって形成した線材層(下層)の上側に層上がりさせる。重ね巻取を行って層上がりした上層の線材Yが下層と重複する長さの下限としては、0.3周が好ましく、0.4周がさらに好ましい。上記重複長さが上記下限未満となる場合、鍔部X2と上層との隙間が大きくなるおそれがある。一方、上記重複長さの上限としては、0.7周が好ましく、0.6周がさらに好ましい。上記重複長さが上記上限を超える場合、層上がりした後に生じるS字巻部分の曲率が大きくなり、隣接する線材Y間に大きな隙間が残るおそれがある。
次に層上がり部分の巻き数が、上記重ね巻取時における重複部分と合わせて1回となるように高速巻取を行う。このときにボビンXの移動方向を反転させ、他方の鍔部X2側から一方の鍔部X3側へ向かう方向への移動を開始する。その後、第二押圧ローラユニット30bを付勢位置に移動し、他方の鍔部X2側から一方の鍔部X3側へ向かう低速巻取を行う。直前の高速巻取により他方の鍔部X2と上層に重ね巻きされた線材Yとの間の隙間は、第二押圧ローラユニット30bの付勢によって矯正される。つまり、線材Yが鍔部X2側に第二押圧ローラユニット30bの大径ローラ31によって押し出され整列する。このように重ね巻き取りを行うことで、ボビンXの鍔部X2付近において生じるS字巻きを次第に均一な並行巻きへと移行することができる。
高速巻取後に低速巻取に移行する線材Yの巻取位置の他方の鍔部X2からの距離の下限としては、線材Yの平均幅3本分が好ましく、4本分がさらに好ましい。上記距離が上記下限未満である場合、重ね巻取で生じるS字巻きを滑らかに並行巻きに移行できないおそれがある。一方、上記距離の上限としては、線材Yの平均幅6本分が好ましく、5本分がさらに好ましい。上記距離が上記上限を超える場合、S字巻きを並行巻きへと整形する際に必要となる線材Yの巻き数が増え、S字巻きの矯正が困難となるおそれがある。
上記高速巻取を行った後に、第二押圧ローラユニット30bで付勢しながら重ね巻取を再度行うことが好ましい。この重ね巻数は、高速巻取を行った後の線材Yの巻き取り位置の鍔部X2からの距離によって決まる。例えば上記距離が線材幅換算で4本分である場合、鍔部X2における最初の重ね巻取とその後の高速巻取で1周の巻取すなわち線材幅換算で1本分の幅の巻取を行っていれば、残り3本分すなわち3周の重ね巻取を行う。
第2の線材押圧工程(S3)は、図5Cに示すように、他方の鍔部X2側から一方の鍔部X3側に線材Yを巻き付ける前半に上記他方の鍔部X2側に線材Yを押圧する工程である。この第2の線材押圧工程は、第二押圧ローラユニット30bを用いて、第1の線材押圧工程とボビンXの軸方向反対向きに同様の巻き取り動作を行うものであるため、詳細は省略する。
第2の線材牽引工程(S4)は、図5Dに示すように、他方の鍔部X2側から一方の鍔部X3側に線材Yを巻き付ける後半に上記他方の鍔部X2側に線材Yを牽引する工程である。この第2の線材牽引工程は、第二牽引ローラユニット40aを用い、第1の線材牽引工程とボビンXの軸方向反対向きに同様の巻き取り動作を行うものであるため、詳細は省略する。
当該巻取方法は、以上の手順を繰り返すことで、線材YをボビンXに巻き取ることができる。
[利点]
当該巻取装置は、ボビンXの一方の鍔部側へ線材Yを牽引する第一牽引ローラユニット40bと、ボビンXの他方の鍔部側へ線材Yを牽引する第二牽引ローラユニット40aとを有するため、ボビンXの鍔部付近で鍔部に近接するように線材Yを巻き取る際に、上記牽引ローラユニットによって線材Yを整列して線材Y間の隙間を低減することができる。また、当該巻取装置は、それぞれ鍔部側へ線材Yを押圧する1対の押圧ローラユニットを備えているため、従来の巻取装置と同様にボビンXの鍔部から遠ざかるように線材Yを巻き取る際にも線材Y間の隙間を低減することができる。そのため、当該巻取装置は、ボビンXの軸方向全体に亘って線材Y間の隙間を低減しながら線材Yを多層整列巻きすることができる。
また、当該巻取装置は、上記ローラユニット及び牽引ローラユニットが、それぞれ大径ローラ部と小径ローラ部とを備えるため、大径ローラ部と小径ローラ部との段差部で線材Yを確実に押圧又は牽引でき、線材Y間の隙間を確実に低減することができる。
さらに、当該巻取装置は、第一アーム部及び第二アーム部に各ローラユニットを付設することで、当該巻取装置の部品点数を低減することができる。また、当該巻取装置の機構が簡略化されるため、制御を容易にすることができる。
[他の実施形態]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態では、押圧ローラユニット及び牽引ローラユニットが大径ローラ部と小径ローラ部とを有する形状としたが、例えばローラユニットの形状を円錐とすることもできる。ローラユニットを円錐とすることでも、ボビンに巻き取る線材を付勢することができる。
また、上記実施形態では、1対のアーム部それぞれに1対の付勢ローラユニットを設ける構成としたが、例えば一のアーム部に2対の付勢ローラユニット(計4のローラユニット)を設ける構成や、各ローラユニットをそれぞれ一のアーム部に設ける構成も採用可能である。ただし、制御を容易とする観点からは、上記実施形態のような構成が好ましい。
上記実施形態では、一のアーム部に取付けられた押圧ローラユニットと牽引ローラユニットとを同時にボビンに近接させて線材を付勢したが、例えばローラ支持体をアクチュエータ等で回転可能にし、ローラ支持体の姿勢を制御することで押圧ローラユニット及び牽引ローラユニットのいずれか一方のみをボビンに近接させることも可能である。また、アーム部の長さを調節して一方のローラユニットのみをボビンに近接させる方法も採用可能である。
本発明の巻取装置及び巻取方法は、線材のボビンへの多層整列巻き時にボビンの軸方向全体に亘って線材間の隙間を制御できる。従って線材の自動巻取りに好適に用いられる。
1 トラバーサ
10 トラバーサ支持台
11 トラバーサ移動部
11a スクリューシャフト
11b 移動台
11c 位置制御モータ
12 ボビン支持部
12a スピンドル
12b 軸受材
12c 回転用モータ
12d ギア
2 線材整列機構
21 フレーム
22 移動台
23a、23b アクチュエータ
24a、24b アーム
25a、25b ローラ支持体
26a、26b、27a、27b 軸部
28 アーム接続軸
29 ウェイト
30a 第一押圧ローラユニット
30b 第二押圧ローラユニット
31 大径ローラ部
32 小径ローラ部
40a 第二牽引ローラユニット
40b 第一牽引ローラユニット
41 小径ローラ部
42 大径ローラ部
90 付勢ローラユニット
91 大径ローラ部
92 小径ローラ部
93 軸部
X ボビン
X1 胴部
X2、X3 鍔部
Y 線材
Z アームガイド

Claims (5)

  1. 円筒状の胴部及びその両側の鍔部を有するボビンを軸方向に往復移動及び軸中心に回転可能に保持し、このボビンに線材を多層整列巻きする巻取装置であって、
    上記ボビンの軸と平行に配設され、この軸方向に往復移動する軸部と、この軸部の先端に配設され、巻き取られる際の線材を付勢するローラ部とを備える2対の付勢ローラユニットを備え、
    上記2対の付勢ローラユニットのうちの一方の対が、ボビンの一方の鍔部側へ線材を押圧する第一押圧ローラユニット、及びボビンの一方の鍔部側へ線材を牽引する第一牽引ローラユニットから構成され、
    上記2対の付勢ローラユニットのうちの他方の対が、ボビンの他方の鍔部側へ線材を押圧する第二押圧ローラユニット、及びボビンの他方の鍔部側へ線材を牽引する第二牽引ローラユニットから構成されている巻取装置。
  2. 上記第一押圧ローラユニット及び第二押圧ローラユニットが、軸部の先端に同軸に配設され、その先端面が線材の側面に当接する大径ローラ部と、この大径ローラ部の先端側に同軸に配設され、その周面が線材の外周に当接する小径ローラ部とを備え、
    上記第一牽引ローラユニット及び第二牽引ローラユニットが、軸部の先端に同軸に配設され、その周面が線材の外周に当接する小径ローラ部と、この小径ローラ部の先端側に同軸に配設され、その後端面が線材の側面に当接する大径ローラ部とを備える請求項1に記載の巻取装置。
  3. 上記第一牽引ローラユニット及び第二牽引ローラユニットの大径ローラ部の幅が、線材の平均幅の2倍以下である請求項2に記載の巻取装置。
  4. 上記第一押圧ローラユニット及び上記第二牽引ローラユニットがボビンに離接可能に付設された第一アーム部と、上記第二押圧ローラユニット及び上記第一牽引ローラユニットがボビンに離接可能に付設された第二アーム部とを備え、上記第二アーム部が、上記第一アーム部のボビンの軸方向の一方側に設けられている請求項1、請求項2又は請求項3に記載の巻取装置。
  5. 円筒状の胴部及びその両側の鍔部を有するボビンを軸方向に往復移動及び軸中心に回転しつつ、このボビンに線材を多層整列巻きする巻取方法であって、
    一方の鍔部側から他方の鍔部側に線材を巻き付ける前半に、上記一方の鍔部側に線材を押圧する工程と、
    一方の鍔部側から他方の鍔部側に線材を巻き付ける後半に、上記一方の鍔部側に線材を牽引する工程と、
    他方の鍔部側から一方の鍔部側に線材を巻き付ける前半に、上記他方の鍔部側に線材を押圧する工程と、
    他方の鍔部側から一方の鍔部側に線材を巻き付ける後半に、上記他方の鍔部側に線材を牽引する工程と
    を備える巻取方法。
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