JP2002124264A - リチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池Info
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Abstract
のサイクル寿命及び信頼性(安全性)の向上を計る。 【解決手段】 正極活物質を結着剤にて一体化してなる
リチウム二次電池用正極において、前記結着剤が実質的
にポリイミド樹脂またはポリビニルホルマール樹脂から
なることを特徴とする。
Description
わり、特に、そのサイクル寿命及び信頼性(安全性)の
向上を目的とした結着剤の改良に関する。
リチウム二次電池の負極材料として、可撓性に優れるこ
と、モッシー状のリチウムが電析するおそれがないこと
などの理由から、コークス、黒鉛等の炭素材料が、従前
のリチウム金属に代わる負極材料として提案されてい
る。
素粉末(黒鉛、コークス粉末など)及び必要に応じて導
電剤粉末(アセチレンブラック、カーボンブラックな
ど)を、結着剤溶液に分散させてスラリーとし、このス
ラリーをドクターブレード法にて集電体金属上に塗布し
た後、乾燥する方法などにより作製されている。
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)をNMP(N−メチ
ル−2−ピロリドン)に溶かした溶液が使用されてき
た。
を一体化する結着剤としては優れているものの、集電体
金属との接着性(密着性)が良くないので、充放電を繰
り返し行うと、炭素粉末が集電体金属(銅板、銅箔な
ど)から剥離して電池容量が次第に低下する。すなわ
ち、PVDFを使用した電池には、サイクル寿命が総じ
て短いという問題があった。同様の傾向が、正極活物質
と結着剤との関係においても観察される。
すると、PVDFが分解してHF(フッ化水素)が発生
し、このHFが充電により負極に生成したC6Liと激
しく反応(発熱反応)するため、電池が破損、破裂する
おそれがある。すなわち、信頼性の点で問題があった。
同様に信頼性の観点から、正極活物質と結着剤との関係
を検討することが必要である。
であって、その目的とするところは、サイクル寿命が長
く、しかも電池温度が異常に高くなった場合でも破損、
破裂する危険性が少ない信頼性の高いリチウム二次電池
を提供するにある。
の請求項1記載の発明に係るリチウム二次電池(以下、
「第1電池」と称する。)は、正極活物質を結着剤にて
一体化してなる正極を備えるリチウム二次電池におい
て、前記結着剤が実質的にポリイミド樹脂からなること
を特徴とする。
二次電池(以下、「第2電池」と称する。)は、正極活
物質を結着剤にて一体化してなる正極を備えるリチウム
二次電池において、前記結着剤が実質的にポリビニルホ
ルマール樹脂からなることを特徴とする。
電池を総称して、本発明電池と称することがある。
化するための結着剤として、第1電池では、PI(ポリ
イミド樹脂)が、また第2電池ではPVF(ポリビニル
ホルマール樹脂)が、それぞれ使用される。
使用することとしたのは、次の(1)及び(2)に示す
理由に依る。 (1) PI及びPVFは、PVDF同様、正極活物質
同士の結着力に優れる他、PVDFに比し、正極集電体
(アルミニウムなど)との接着性が格段に良い。 (2) PI及びPVFは、フッ素樹脂の一種であるP
VDFと異なり、分子内にフッ素を含有しないため、電
池温度が異常に上昇したときでも電池が破損、破裂する
という危険性がない。
質同士の結着性及び集電体金属に対する接着性に優れた
ものであれば、熱硬化性ポリイミド及び熱可塑性ポリイ
ミドのいずれを用いてもよく、また熱硬化性ポリイミド
として縮合型ポリイミド及び付加型ポリイミドのいずれ
を用いてもよい。
は、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸無水物と
を反応させて得られるポリアミド酸のN−メチル−2−
ピロリドン溶液(ポリイミド中間体溶液)を、下記の化
1に示す反応により加熱硬化(脱水縮合反応)させてな
るポリイミド樹脂が挙げられる。
中間体が、加熱硬化後の負極中に残存していると、電池
温度が異常に上昇した場合、このポリイミド中間体が縮
合して水を放出し、これがリチウムと激しく反応する危
険性がある。したがって、この脱水縮合反応を完結させ
るべく、少なくとも350°C程度の温度で2時間以上
かけて加熱処理することが好ましい。
としては、無水マレイン酸とジアミンとから合成したビ
スマレイミドと芳香族ジアミンとを、下記の化2に示す
反応により加熱硬化(付加反応)させてなるポリイミド
樹脂が挙げられる。
ン社の「ベスペル」、宇部興産社の「ユーピレック
ス」、日立化成社の「PIQ」及び「PIX」、三井東
圧社の「Larc−TPI」(以上いずれも縮合型線状
ポリイミド)、GE社の「ウルテム」(ポリエーテルイ
ミド;熱可塑性ポリイミド)が挙げられる。
性及び接着性に優れたものであれば特に制限なく使用す
ることが可能である。このPVFは、PVA(ポリビニ
ルアルコール)を水又はメタノールなどに溶かし、塩
酸、硫酸等の無機酸を触媒として、ホルマール化(縮合
反応)することにより容易に得ることができる。
VFをNMP等の有機溶媒に溶かした溶液に、正極活物
質及び必要に応じて導電剤粉末を混合してスラリーとし
た後、ドクターブレード法にて集電体金属上に塗布し、
乾燥して有機溶媒を蒸散させた後、加熱硬化させること
により作製される。
液に正極活物質を分散させたスラリーを使用すること
が、サイクル寿命の長いリチウム二次電池を得る上で好
ましい。
する場合の正極材料(活物質)としては、TiO2、V2
O5 などのトンネル状の空孔を有する酸化物、TiS
2 、MoS2などの層状構造を有する金属カルコゲン化
物、組成式Lix MO2又はLiy M2O4(Mは遷移元
素;0<x≦1、0<y≦2)で表されるLi含有複合
酸化物などが例示される。Li含有複合酸化物の具体例
としては、LiCoO2 、LiMnO2 、LiNi
O2、LiCrO2、LiMn2O4が挙げられる。
応じてアセチレンブラック、カーボンブラック等の導電
剤と混練して正極合剤として使用される。正極に使用す
る結着剤については、集電体金属(アルミニウムなど)
と活物質との接着性を高める上で、PI又はPVFを使
用することが必要である。
VDFに代えて、PI又はPVFが使用されているの
で、正極活物質同士の結着性がよく、また正極活物質粉
末と正極集電体との密着性も良い。このため、充放電サ
イクルを繰り返し行っても、正極活物質が正極集電体か
ら剥離しにくいので、電池容量が低下しにくい。
ので、リチウム二次電池などにおいて問題となっていた
結着剤の熱分解により生成したフッ化水素とC6Liと
が激しく反応して電池が破裂、破損するという危険性が
ない。
に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定され
るものではなく、その要旨を変更しない範囲において適
宜変更して実施することが可能なものである。 (実施例1) 〔正極の作製〕正極活物質としてのV2O5と、導電剤と
してのアセチレンブラックとを、PI(東レ社製、商品
名「トレニース♯3000」;縮合型PI)の1重量%
NMP溶液に分散させてスラリーとした後、正極集電体
としてのアルミニウム箔の片面にドクターブレード法に
より塗布し、真空下において60°CでNMPを蒸散さ
せて乾燥した後、他方の面にもスラリーを塗布し、先と
同じ条件で乾燥した。
正極を作製した。なお、V2O5とアセチレンブラックと
PIとの重量比を93:5:2とした。
ウム電極を負極とし、またLiPF 6を1モル/リット
ルの割合でエチレンカーボネートとジメチルカーボネー
トとの等体積混合溶媒に溶かした溶液を電解液として放
電して、V2O5の孔内にリチウムが吸蔵された正極を作
製した。 〔負極の作製〕結着剤溶液としてのPIを1重量%溶か
したNMP溶液に黒鉛を分散させてスラリーとした後、
負極集電体としての銅箔の両面に、ドクターブレード法
により塗布し、正極の作製と同じ条件で、乾燥、加熱処
理して負極を作製した。なお、黒鉛とPIとの重量比を
100:1とした。 〔電解液の調製〕エチレンカーボネートとジメチルカー
ボネートとの等体積混合溶媒に、LiPF6を1モル/
リットルの割合で溶かして電解液を調製した。 〔第1電池の作製〕以上の正負両極及び電解液を用いて
円筒型の第1電池BA1を作製した(電池寸法:直径1
4.2mm;長さ50.0mm)。なお、セパレータと
してイオン透過性を有するポリプロピレン製の微孔性薄
膜(ポリプラスチックス社製、商品名「セルガード34
01」)を用いた。
あり、図示の第1電池BA1は、正極1及び負極2、こ
れら両電極を離隔するセパレータ3、正極リード4、負
極リード5、正極外部端子6、負極缶7などからなる。
正極1及び負極2は電解液が注入されたセパレータ3を
介して渦巻き状に巻き取られた状態で負極缶7内に収容
されており、正極1は正極リード4を介して正極外部端
子6に、また負極2は負極リード5を介して負極缶7に
接続され、第1電池BA1内部で生じた化学エネルギー
を電気エネルギーとして外部へ取り出し得るようになっ
ている。 (実施例2)正極及び負極を作製する際の結着剤溶液と
して、PVF(チッソ社製、商品コード「ビニレック
(Vinilec)330」)の2.5重量%NMP溶
液を使用したこと以外は実施例1と同様にして第2電池
BA2を作製した。なお、正極におけるV2O5とアセチ
レンブラックとPVFとの重量比を90:5:5とし、
負極における黒鉛とPVFとの重量比を100:5とし
た。 (比較例1)正極及び負極を作製する際の結着剤溶液と
して、PVDFを2.5重量%溶かしたNMP溶液を使
用したこと以外は実施例1と同様にして比較電池BC1
を作製した。なお、正極におけるV2O5とアセチレンブ
ラックとPVDFとの重量比を90:5:5とし、負極
における黒鉛とPVDFとの重量比を100:5とし
た。 (剥離強度)結着剤の種類及び量を種々変えて作製した
負極の表面に接着テープを貼り付け、その一端をバネ秤
に取りつけて引っ張り、炭素粉末が剥離したときのバネ
秤の引張荷重を測定して、各負極の剥離強度を調べた。
また、それぞれの負極の表面抵抗を測定した。結果を図
2及び表1に示す。
を、横軸に黒鉛100重量部に対する各結着剤の割合
(重量部)をとって示したグラフであり、同図より、本
発明電池の負極は、比較電池の負極に比し、剥離強度が
大きく、黒鉛粉末同士の結着性及び結着剤と集電体金属
との接着性に優れていることが分かる。
極は、比較電池の負極に比し、表面抵抗が小さいため、
導電性に優れていることが分かる。 (各電池のサイクル特性)実施例1、2及び比較例1で
作製した各電池について、充電電流60mAで充電終止
電圧4.2Vまで充電した後、放電電流200mAで放
電終止電圧2.5Vまで放電する工程を1サイクルとす
るサイクル試験を行い、各電池のサイクル特性を調べ
た。結果を図3に示す。
極の放電容量(mAh/g)を、また横軸にサイクル数
(回)をとって示したグラフであり、同図より、結着剤
としてPI又はPVFを使用した本発明電池BA1、B
A2では、炭素粉末同士の結着性及び炭素粉末と集電体
金属との接着性が良いため、充放電サイクルを繰り返し
行っても電極材料が電極から剥離しにくく、試験を終了
した1000サイクル目においても全く容量低下しない
のに対して、比較電池BC1では、炭素粉末の電極から
の脱落量がサイクルを重ねる毎に多くなり、1000サ
イクル目においては、200mAh/g以下にまで負極
の放電容量が低下してしまうことが分かる。 (安全性の試験)エチレンカーボネートとジメチルカー
ボネートとの等体積混合溶媒にLiPF 6を1モル/リ
ットルの割合で溶かしてなる電解液を単3型の電池缶に
入れ、その電解液中に予めリチウムを吸蔵させた実施例
1、2及び比較例1で作製した各負極を浸漬し、閉蓋し
た後、オーブンにて室温から200°Cまで昇温する簡
易試験法により、各電池の安全性を調べた。
00°Cに加熱しても何ら変化が認められなかったのに
対して、比較電池BC1の電池缶は、150°Cに加熱
した時点で内圧上昇により蓋が飛んだ。
は安全性が高いのに対して、比較電池BC1は、電池温
度が異常上昇した場合、電池が破損、破裂する危険性が
あり、安全性の点で問題があることが分かる。
げて説明したが、本発明は、電池の形状に制限はなく、
円筒型以外にも、扁平型、角型など、種々の形状のリチ
ウム二次電池に適用し得るものである。
質同士の結着性が良く、また正極活物質と正極集電体金
属との密着性も良いため、正極活物質が正極から剥離し
にくい。このため、充放電サイクルを繰り返し行って
も、電池容量が低下しにくく、サイクル寿命が長い。
I又はPVFが使用されているので、電池温度が異常に
上昇した場合においても電池が破裂、破損する危険性が
少なく、信頼性が高い。
度との関係を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】正極活物質を結着剤にて一体化してなる正
極を備えるリチウム二次電池において、前記結着剤が実
質的にポリイミド樹脂からなることを特徴とするリチウ
ム二次電池。 - 【請求項2】正極活物質を結着剤にて一体化してなる正
極を備えるリチウム二次電池において、前記結着剤が実
質的にポリビニルホルマール樹脂からなることを特徴と
するリチウム二次電池。 - 【請求項3】前記正極活物質が、酸化物、金属カルコゲ
ン化物、Li含有複合酸化物から選択された少なくとも1
種であることを特徴とする請求項1または2記載のリチ
ウム二次電池。 - 【請求項4】前記Li含有複合酸化物が、マンガン酸化物
であることを特徴とする請求項3記載のリチウム二次電
池。 - 【請求項5】前記マンガン酸化物が、LiMnO2、L
iMn2O4から選択された少なくとも1種であることを
特徴とする請求項4記載のリチウム二次電池。
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2001
- 2001-09-06 JP JP2001269828A patent/JP3561701B2/ja not_active Expired - Lifetime
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