JP2002121275A - スピロケタール化合物の開環重合体、この開環重合体の製造法及びこの開環重合体を用いた組成物 - Google Patents
スピロケタール化合物の開環重合体、この開環重合体の製造法及びこの開環重合体を用いた組成物Info
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Abstract
性を有する重合体、この重合体の製造法及びこの重合体
を用いた組成物を提供する。 【解決手段】下記一般式(I)で示されるスピロケター
ル化合物の開環重合体、及び下記一般式(III)で示さ
れるスピロケタール化合物を開環重合させることを特徴
とするこの重合体の製造法、並びにこの開環重合体を含
有する組成物。 【化1】 (式(I)、式(III)中のX1、X2は酸素原子及び
硫黄原子から独立して選ばれ、R1、R2は水素原子及
び置換又は非置換の炭素数6〜20のアリール基から独
立して選ばれる。k、l、m、nはそれぞれ独立に1〜
6の整数を示す。k個のR1はk個が全て同一でも異な
っていてもよく、l個のR2はl個が全て同一でも異な
っていてもよい。pは1以上の整数を示す。)
Description
分野において用いられる成形材料、注型材料、封止材、
積層板又は接着剤用の材料として好適なスピロケタール
化合物の開環重合体、この重合体の製造法及びこの開環
重合体を用いた組成物に関する。
止材、積層板又は接着剤用の材料として用いる場合、そ
の硬化時の体積収縮が精度や接着力の低下、歪等の原因
となる。スピロオルトカーボナート、スピロオルトエス
テル、ビシクロオルトカーボナートなどの双環状モノマ
ーは、重合時に体積膨張することが報告されており(T.
Takataら, Progress Polymer Science 第18巻第839頁,1
993年、三田文雄ら,色材第67巻第250頁,1994年、
T. Endo and F. Sanda, Polymeric Materials Encyclop
edia 第7554-7560頁,1996年)、特にエポキシ基を有す
るスピロオルトカーボナートでは重合時の体積変化が極
めて小さいことが報告されている(T. Takasakiら,Poly
mer Preprints 第40巻第82頁,1999年)。そのため、こ
のような双環状モノマーが非収縮性モノマーとしてその
応用が期待されているが、これらの重合によって得られ
る重合体はカーボナート基やエステル基を有するため、
耐加水分解性が低下するという問題点があった。一方、
上記の双環状モノマーと類似の構造を有するスピロケタ
ール化合物の重合体は、分解性加水分解性の官能基を含
まないことから耐加水分解性に優れることが期待される
が、これまでスピロケタール化合物の重合反応の検討は
行われていない。スピロケタール化合物としては、2,
7−ジエチル−1,6−ジオキサスピロ[4.4]ノナ
ン、2−エチル−8−メチル−1,7−ジオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、2,7−ジメチル−1,6−ジ
オキサスピロ[4.6]ウンデカン等のアルキル基を有
する化合物(Francoise Perronら,Chemical.Review第89
巻第1617-1661頁,1989年)、4−ヒドロキシ−1,7−
ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、4,8−ジヒド
ロキシ−1,7−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカ
ン、3,4−ジヒドロキシ−9−ヒドロキシメチル−
1,7−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のアル
コキシ基を有する化合物(Francoise Perronら,Chemica
l.Review 第89巻第1617-1661頁,1989年)、アルキリデ
ン基を有する化合物(Bohlmann F.ら,Chemische Berich
te 第97巻第801頁,1964年)、2−エトキシカルボニル
−7−(2’−ヒドロキシ−1’−メチルエチル)−9
−ベンジルオキシ−1,6−ジオキサスピロ[4.6]
ウンデカン、2−エトキシカルボニルメチル−4−ヒド
ロキシ−1,7−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン
等のエステル基を有する化合物(Ireland R. E.ら,Jour
nal of the Chemical Society 第107巻第3271頁,1985
年、Schow S. R.ら,Journal of the AmericanChemical
Society 第108巻第2662頁,1986年)、フェニル基を有す
る化合物(Doherty A. M.ら, Journal of the Chemical
Society Perkin Trans 第1巻第1371頁,1984年)などが
知られているが、スピロケタール化合物をポリマーに応
用した例は少なく、ポリ[スピロ−2,5−(テトラヒ
ドロフラン)](Zhaozhong Jiangら,Journal of the A
merican Chemical Society 第117巻第4455-4467頁,1995
年、Silvia Di Benedettoら,Helvetica Chimica Acta
第80巻第7号第2204-2214頁,1997年、Pui Kwan Wongら,I
ndustrizal & Engineering Chemistry Research第32巻
第986-988頁,1993年、Antonio Batistiniら,Organometa
llics 第11巻第5号第1766-1769頁,1992年)、ポリ
(2,2−ジプロパルギル−1,3−プロピレンケター
ル)(Soon-ki Kwonら,Journal of Polymer Science Pa
rt A Polymer Chemistry 第33巻第13号第2135-2140頁,1
995年)等の合成例が報告されているが、上記のスピロ
ケタール化合物の重合体は報告されていない。
状況に鑑みなされたもので、重合による体積変化が小さ
く、かつ耐加水分解性を有する重合体、この重合体の製
造法及びこの重合体を用いた組成物を提供するものであ
る。
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、加水分解性
基を持たない特定のスピロケタール化合物を開環重合す
ることによって、重合による体積変化の小さい重合体が
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(I)で示されるスピロケタール化合物の開環重合体、
して選ばれ、R1、R2は水素原子及び置換又は非置換
の炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。
k、l、m、nはそれぞれ独立に1〜6の整数を示す。
k個のR1はk個が全て同一でも異なっていてもよく、
l個のR2はl個が全て同一でも異なっていてもよい。
pは1以上の整数を示す。)(2)一般式(I)中のm
が3でかつnが5である上記(1)記載の開環重合体、
(3)一般式(I)中のX1及びX2が酸素原子である
上記(1)又は(2)記載の開環重合体、(4)下記一
般式(II)で示されるスピロケタール化合物の開環重合
体、
炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれ、pは
1以上の整数を示す。)(5)一般式(II)中のR1が
水素原子である上記(4)記載の開環重合体、及び
(6)下記一般式(III)で示されるスピロケタール化
合物を開環重合させることを特徴とする上記(1)記載
の開環重合体の製造法、
して選ばれ、R1、R2は水素原子及び置換又は非置換
の炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。
k、l、m、nはそれぞれ独立に1〜6の整数を示す。
k個のR1はk個が全て同一でも異なっていてもよく、
l個のR2はl個が全て同一でも異なっていてもよ
い。)(7)下記一般式(IV)で示されるスピロケター
ル化合物を開環重合させることを特徴とする上記(2)
記載の開環重合体の製造法、
して選ばれ、R1、R2は水素原子及び置換又は非置換
の炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。
k、lはそれぞれ独立に1〜6の整数を示す。k個のR
1はk個が全て同一でも異なっていてもよく、l個のR
2はl個が全て同一でも異なっていてもよい。)(8)
一般式(III)中のX1及びX2が酸素原子であるスピ
ロケタール化合物又は一般式(IV)中のX1及びX2が
酸素原子であるスピロケタール化合物を開環重合させる
ことを特徴とする(3)記載の開環重合体の製造法、
(9)下記一般式(V)で示されるスピロケタール化合
物を開環重合させることを特徴とする上記(4)記載の
開環重合体の製造法、
炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。)
(10)一般式(V)中のR1が水素原子であるスピロ
ケタール化合物を開環重合させることを特徴とする上記
(5)記載の開環重合体の製造法、(11)重合触媒を
用いることを特徴とする上記(6)〜(10)のいずれ
かに記載の開環重合体の製造法、(12)重合触媒が三
フッ化ホウ素エーテル錯体、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、トリフルオロメタンスルホン酸メチル及び四塩化
錫の少なくとも1種である上記(11)記載の開環重合
体の製造法、(13)再沈溶媒を用いることを特徴とす
る上記(6)〜(12)のいずれかに記載の開環重合体
の製造法、(14)再沈溶媒がヘキサンである上記(1
3)記載の開環重合体の製造法、並びに(15)上記
(1)〜(5)のいずれかに記載の開環重合体を必須成
分として含有してなる組成物に関する。
れるスピロケタール化合物の開環重合体は、主鎖骨格中
にエーテル結合又はチオエーテル結合を含み、かつカル
ボニル基又はチオカルボニル基を含む直鎖状の重合体で
ある。
して選ばれ、R1、R2は水素原子及び置換又は非置換
の炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。
k、l、m、nはそれぞれ独立に1〜6の整数を示す。
k個のR1はk個が全て同一でも異なっていてもよく、
l個のR2はl個が全て同一でも異なっていてもよい。
pは1以上の整数を示す。)
ロケタール化合物の開環重合体は、下記一般式(III)
で示されるスピロケタール化合物を開環重合させること
によって製造することができる。
して選ばれ、R1、R2は水素原子及び置換又は非置換
の炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。
k、l、m、nはそれぞれ独立に1〜6の整数を示す。
k個のR1はk個が全て同一でも異なっていてもよく、
l個のR2はl個が全て同一でも異なっていてもよ
い。)
原子及び置換又は非置換の炭素数6〜20のアリール基
から独立して選ばれるが、置換又は非置換の炭素数6〜
20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフ
チル基、アントラニル基、フェナントレニル基、ペンタ
レニル基、インデニル基、アズレニル基、ヘプタレニル
基、as-インダセニル基、s-インダセニル基、ビフェニ
レニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、フェ
ナレニル基、ビフェニル基など、及びこれらにハロゲン
原子、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、アルキル基、
アルコキシル基、アルキルオキシ基、チオアルコキシル
基等が置換したものなどが挙げられ、なかでも、水素原
子及びフェニル基が好ましい。R1、R2は同一でも異
なっていてもよい。合成の容易さの観点からは、上記一
般式(III)中のR1及びR2の少なくともいずれかが
フェニル基であることが好ましく、R1が水素原子でR
2がフェニル基であることがより好ましい。同様の観点
から上記一般式(III)中のk、lはともに1であるこ
とが好ましい。
ル化合物の開環重合体のなかでも、式中のmが3でかつ
nが5である下記一般式(VI)で示されるスピロケター
ル化合物の開環重合体、及びX1、X2がともに酸素原
子である下記一般式(VII)で示されるスピロケタール
化合物の開環重合体が好ましく、上記一般式(I)中の
X1、X2がともに酸素原子で、k、lがともに1、m
が3、nが5である下記一般式(II)で示されるスピロ
ケタール化合物の開環重合体がより好ましい。
して選ばれ、R1、R2は水素原子及び置換又は非置換
の炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。
kは1〜5の整数、lは1〜3の整数を示す。k個のR
1はk個が全て同一でも異なっていてもよく、l個のR
2はl個が全て同一でも異なっていてもよい。pは1以
上の整数を示す。)
炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。
k、l、m、nはそれぞれ独立に1〜6の整数を示す。
k個のR1はk個が全て同一でも異なっていてもよく、
l個のR2はl個が全て同一でも異なっていてもよい。
pは1以上の整数を示す。)
炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。p
は1以上の整数を示す。)
である上記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合
物の開環重合体としては、例えば、下記一般式(VIII)
〜(XIX)で示される化合物等が挙げられる。
上の整数を示す。)
である上記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合
物の開環重合体は、下記一般式(IV)で示されるスピロ
ケタール化合物を開環重合させることにより製造するこ
とができる。
して選ばれ、R1、R2は水素原子及び置換又は非置換
の炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。
k、lはそれぞれ独立に1〜6の整数を示す。k個のR
1はk個が全て同一でも異なっていてもよく、l個のR
2はl個が全て同一でも異なっていてもよい。) 上記一般式(IV)で示されるスピロケタール化合物とし
ては、例えば、下記構造式(XX)〜(XXXI)で示される
化合物等が挙げられる。
酸素原子である上記一般式(VII)で示されるスピロケ
タール化合物の開環重合体としては、例えば、上記一般
式(XII)〜(XIX)で示される化合物及び下記一般式
(XXXII)〜(XXXXI)で示される化合物等が挙げられ
る。
以上の整数を示す。)
酸素原子である上記一般式(VII)で示されるスピロケ
タール化合物の開環重合体は、上記一般式(III)中の
X1及びX2が酸素原子であるスピロケタール化合物又
は上記一般式(IV)中のX1、X2がともに酸素原子で
あるスピロケタール化合物を開環重合させることにより
製造することができる。上記一般式(III)中のX1、
X2が酸素原子であるスピロケタール化合物又は上記一
般式(IV)中のX1、X2がともに酸素原子であるスピ
ロケタール化合物としては、例えば、上記構造式(XXI
X)〜(XXXI)で示される化合物及び下記構造式(XXXXI
I)〜(XXXXXI)で示される化合物等が挙げられる。
酸素原子で、k、lがともに1、mが3、nが5である
上記一般式(II)で示されるスピロケタール化合物の開
環重合体としては、例えば、上記一般式(XVII)〜(XI
X)で示される化合物等が挙げられる。なかでも、一般
式(XVIII)等で示される、上記一般式(II)中のR 1
が水素原子であるスピロケタール化合物の開環重合体が
好ましい。
酸素原子で、k、lがともに1、mが3、nが5である
上記一般式(II)で示されるスピロケタール化合物の開
環重合体は、下記一般式(V)で示されるスピロケター
ル化合物を開環重合させることにより製造することがで
き、上記一般式(II)中のR1が水素原子であるスピロ
ケタール化合物の開環重合体は、下記一般式(V)中の
R1が水素原子であるスピロケタール化合物を開環重合
させることにより製造することができる。
炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。) 上記一般式(V)で示されるスピロケタール化合物とし
ては、例えば、上記一般式(XXIX)〜(XXXI)で示され
る化合物等が挙げられ、上記一般式(V)中のR1が水
素原子であるスピロケタール化合物としては、例えば、
上記構造式(XXX)で示される化合物等が挙げられる。
ール化合物は、例えば、Roberto Balliniらの方法(Tet
rahedron第46巻第21号第7531-7538頁、1990年)によ
り、合成することができる。
ール化合物を開環重合させる方法としては、目的の開環
重合体が得られれば特に制限はなく、無溶媒でも、溶媒
中で重合反応を行ってもよい。本発明において重合反応
に用いられる溶媒としては、特に制限はないが、例え
ば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶
媒、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族系
溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、石油エ
ーテル等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール等の
アルコール系溶媒、アセトン、2−ブタノン、2−ペン
タノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘ
キサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン等のケ
トン系溶媒、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、こ
れらを単独で用いても2種以上を組み合わせ用いてもよ
い。なかでも、重合効率の観点からは、無水塩化メチレ
ン、エーテル系溶媒又はアミド系溶媒が好ましく、無水
塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル
又はN,N−ジメチルホルムアミドがより好ましく、こ
れらを単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。溶媒を用いる場合、スピロケタール化合物の濃
度は0.01〜50mol/Lに調整されることが好ま
しく、0.05〜10mol/Lがより好ましく、1〜
5mol/Lがさらに好ましい。
反応には、必要に応じて、重合触媒を用いることができ
る。重合触媒としては目的の開環重合体が得られれば特
に制限はなく、一般に使用されているものを用いること
ができるが、たとえば、三フッ化ホウ素エーテル錯体、
トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸メチル、トリフルオロ酢酸、四塩化錫、塩化ア
ルミニウム、三塩化鉄、三塩化チタン等のカチオン重合
性触媒などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以
上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、重合効率の
観点からは、三フッ化ホウ素エーテル錯体、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸メ
チル及び四塩化錫が好ましい。重合触媒の使用量は、重
合反応を促進できれば特に制限はないが、重合原料であ
るスピロケタール化合物に対して、0.001〜50モ
ル%が好ましく、0.01〜20モル%がより好まし
く、0.1〜10モル%がさらに好ましい。
めの、反応温度は、目的の開環重合体が得られれば特に
制限はないが、−78〜250℃が好ましく、−10〜
180℃がより好ましく、20〜120℃がさらに好ま
しい。反応温度が−78℃より低いと反応性が低くなっ
て、目的の開環重合体を得るのに長時間を要したり、開
環重合体が得られにくくなる傾向がある。反応温度が2
50?を超えると、二重開環ユニットが増加する傾向が
ある。
めの、反応時間は、目的の開環重合体が得られれば特に
制限はないが、0.5〜200時間が好ましく、1〜1
60時間がより好ましく、2〜100時間がさらに好ま
しい。反応時間が0.5時間より短いと、反応が不十分
で、目的の開環重合体の収率が低くなったり、開環重合
体が得られにくくなる傾向がある。反応時間が200時
間を超えると、二重開環ユニットが増加する傾向があ
る。反応時間を長くすると二重開環ユニットが増加する
傾向がある。
目的で、必要に応じて再沈溶媒を用いることができる。
本発明において用いられる再沈溶媒としては、目的のス
ピロケタール化合物の開環重合体が得られれば特に制限
はないが、例えば、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族系溶
媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶
媒、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族系
溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、石油エ
ーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等
のアルコール系溶媒、アセトン、2−ブタノン、2−ペ
ンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロ
ヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン等の
ケトン系溶媒などが挙げられ、これらを単独で用いても
2種以上を組み合わせ用いてもよい。なかでも開環重合
体の収率の観点からは脂肪族系溶媒が好ましく、ヘキサ
ンがより好ましい。重合反応終了後の反応液を必要十分
量の再沈溶媒に溶解して析出した沈殿物として、スピロ
ケタール化合物の開環重合体を得ることができる。
類や量、反応温度、反応時間等の反応条件、再沈溶媒の
種類などを調整することによって、得られる開環重合体
の分子量(重合度)、分子量分布(分散度)及び収率を
調整することができる。本発明で得られるスピロケター
ル化合物の開環重合体の分子量(重合度)及び分子量分
布(分散度)は、使用目的に応じて適宜調整することが
でき、特に限定するものではない。分子量制御の容易さ
の観点からは、分子量としては、GPCのポリスチレン
換算の数平均分子量が300〜100000であること
が好ましく、500〜50000がより好ましく、10
00〜20000がさらに好ましい。分子量分布(分散
度)としては、GPCのポリスチレン換算の数平均分子
量Mnに対する重量平均分子量Mwの比Mw/Mnが1
〜20であることが好ましく、1〜10がより好まし
い。
体は、単独で用いることもできるが、用途に応じて他の
材料と組み合わせて、スピロケタール化合物の開環重合
体を必須成分として含有する組成物として用いることも
できる。本発明のスピロケタール化合物の開環重合体を
必須成分として含有する組成物は、少なくとも上記一般
式(I)で示されるスピロケタール化合物の開環重合体
を含有することが必要であるが、その他の配合成分とし
て、エポキシ樹脂、エピスルフィド樹脂、ポリイミド樹
脂等の熱可塑性樹脂、環状エーテル、ビニルエーテル等
のエーテル類、ラクトン、ビシクロオルトエステル化合
物等のエステル類、スピロオルトカーボナート化合物、
環状カーボナート化合物等のカーボナート類、金属、フ
ェノール樹脂、芳香族アミン、酸無水物等の硬化剤、ア
ミン系化合物、リン系化合物等の硬化促進剤、充填剤、
顔料、染料等の着色剤、難燃剤、界面活性剤、溶剤、可
とう性付与剤、応力緩和剤等を必要に応じて配合するこ
とができる。
体及びこれを含有する組成物は、成形材料、注型材料、
封止材、積層板又は接着剤用の材料等として、電子、電
気及び光分野において好適に用いられる。
明はこの実施例に限定されるものではない。
p−トルエンスルホニルクロリド132g(0.69m
ol)及び無水塩化メチレン700mLを窒素雰囲気下
で2Lなすフラスコに加え、0℃に冷却した後、トリエ
チルアミン76g(0.75mol)を滴下し室温で1
2時間撹拌した。反応液に水を加え有機層を分離した
後、水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開溶媒:塩化メチレン/酢酸エチル=1/0〜10/
1)で精製し、精製物1(5−ヒドロキシペンチル−p
−トルエンスルポネート)を得た。 精製物1(5−ヒドロキシペンチル−p−トルエンスル
ポネート)95g(0.37mol)、p−トルエンス
ルホン酸1水和物50mg(0.26mmol)及び無
水クロロホルム370mLを窒素雰囲気下で1Lなすフ
ラスコに加え、室温で3,4−ジヒドロ−2H−ピラン
37g(0.44mol)を滴下し、2時間撹拌した後
に1時間加熱環流した。炭酸水素ナトリウム水溶液を加
え有機層を分離した後、水で洗浄して無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/酢酸エチル
=4/1〜1/0)で精製し、精製物2(5−(2−テ
トラヒドロピラニルオキシ)ペンチル−p−トルエンス
ルポネート)を得た。 トリメチルシリルアセチレン25g(0.25mo
l)、ヘキサメチルリン酸トリアミド250mL及び無
水テトラヒドロフラン(THF)500mLを窒素雰囲
気下で2Lなすフラスコに加え、−78℃に冷却した
後、1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液156
mL(0.25mol)を加え室温で1時間撹拌した。
再び反応液を−78℃に冷却し、上記で得られた精製物
2(5−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ペンチル
−p−トルエンスルポネート)75g(0.22mo
l)を加え、室温で12時間撹拌した後、60℃で1時
間撹拌した。水50mLを加えTHFを留去した後に炭
酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を分離した後に水で洗浄して無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン)で精製
し、精製物3(1−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)−7−トリメチルシリル−6−ヘプチン)を得た。 精製物3(1−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−
7−トリメチルシリル−6−ヘプチン)42g(0.1
6mol)及び無水THF150mLを窒素雰囲気下で
1Lなすフラスコに加え、室温で1Mテトラブチルアン
モニウムフルオリドTHF溶液170mL(0.17m
ol)を加え2時間撹拌した。THFを留去した後、炭
酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を分離した後に水で洗浄して無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン)で精製
し、精製物4(1−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)−6−ヘプチン)を得た。 精製物4(1−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−
6−ヘプチン)30g(0.15mol)、ヘキサメチ
ルリン酸トリアミド125mL及び無水THF250m
Lを窒素雰囲気下で2Lなすフラスコに加え、−78℃
に冷却した後、1.6M n−ブチルリチウムヘキサン
溶液106mL(0.17mol)を加え室温で1時間
撹拌した。再び反応液を−78℃に冷却し、スチレンオ
キシド20.4g(0.17mol)を加え室温で12
時間撹拌した。水20mLを加えTHFを留去した後に
炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を分離した後に水で洗浄して無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/塩化メチレン
=4/1〜3/1)で精製し、精製物5(9−(2−テ
トラヒドロピラニルオキシ)−1−フェニル−3−ノニ
ン−1−オール)を得た。 精製物5(9−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−
1−フェニル−3−ノニン−1−オール)40g(0.
13mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物40m
g(0.21mmol)及びエタノール200mLを窒
素雰囲気下で1Lなすフラスコに加え、3時間加熱環流
した後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル
で抽出した。有機層を分離した後に飽和食塩水で洗浄し
て無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル=1/1〜0/1)で精製し、精製物6
(1,9−ジヒドロキシ−1−フェニル−3−ノニン)
を得た。 精製物6(1,9−ジヒドロキシ−1−フェニル−3−
ノニン)22g(94.6mmol)、パラジウムクロ
リド160mg(0.9mmol)及びアセトニトリル
500mLを窒素雰囲気下で1Lなすフラスコに加え、
1.5時間加熱環流した後、反応液をろ過後濃縮し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:
ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製した。さらに、
窒素雰囲気下、150℃/1torrで蒸留して、目的
の化合物を得た。元素分析の結果、理論値(C15H
20O2):C77.55、H8.68に対して、実測
値:C77.62、H8.89であった。得られた化合
物の赤外線吸収スペクトル(neat)、1H核磁気共
鳴スペクトル(クロロホルム−d)及び13C核磁気共
鳴スペクトル(クロロホルム−d)をそれぞれ図1、図
2及び図3に示す。これらの結果から、得られた化合物
が下記構造式(XXX)で示されるスピロケタール化合物
(2−フェニル−1,6−ジオキサスピロ[4.6]ウ
ンデカン)であることが確認された。収率は19%であ
った。
スピロケタール化合物232mg(1.0mmol)及
びスピロケタール化合物に対して1〜5モル%の重合触
媒を加え、封管中で撹拌しながら反応温度50〜120
?、反応時間1〜24時間の条件で重合反応させた。少
量のトリエチルアミンで反応を停止した後に、反応終了
液をガスクロマトグラフィーで分析して、原料として用
いたスピロケタール化合物の転化率を測定した。反応終
了液を再沈溶媒20mL中に注加して不溶分をろ取した
後、室温で6時間真空乾燥(1torr)して、実施例
1〜13の開環重合体を得た。重合触媒としては、三フ
ッ化ホウ素エーテル錯体(BF3Et2O)、トリフルオ
ロメタンスルホン酸(TfOMe)、トリフルオロメタ
ンスルホン酸メチル(TfOH)、四塩化錫(SnCl
4)又はトリフルオロ酢酸(TFA)を用い、再沈溶媒
としてジエチルエーテル(Et2O)又はヘキサンを用
いた。用いた重合触媒とその量(モル%)、重合反応の
条件(反応温度及び反応時間)、再沈溶媒、原料の転化
率及び開環重合体の収率を表1に示す。
平均分子量(標準ポリスチレン換算の数平均分子量M
n)及び分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子
量Mn)を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を
用いて測定した。また、実施例1〜5の開環重合体のガ
ラス転移温度(Tg)を示差走査熱量計(DSC)を用
いて10℃/minの昇温条件下で測定し、熱重量計
(TGA)用いて5%重量減少温度を測定した。測定結
果を表2に示す。
応時間が長いほど、又は重合触媒の量が多いほど開環重
合体の分子量分布(分散度)が大きくなる傾向があり、
重合触媒としてはトリフルオロ酢酸より三フッ化ホウ素
エーテル錯体、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸メチル又は四塩化錫を用いた方
が収率が高くなり、再沈溶媒としてはジエチルエーテル
よりヘキサンを用いた方が収率が高くなることが見出さ
れた。
ペクトル(neat)、1H核磁気共鳴スペクトル(ク
ロロホルム−d)及び13C核磁気共鳴スペクトル(ク
ロロホルム−d)を図4〜図18に示す。実施例6〜1
3の開環重合体においても実施例1〜5と同様のスペク
トルが得られ、いずれの開環重合体においても赤外線吸
収スペクトルの1710cm−1付近及び13C核磁気
共鳴スペクトルの210ppm付近にケトンのカルボニ
ル基に帰属される吸収が観測されたこと、及び 13C核
磁気共鳴スペクトルの110ppm付近にケタールの中
心炭素のシグナルが観測されなかったことから、得られ
た開環重合体1〜13はいずれも下記一般式(XVIII)
で示される構造(pは整数)を有することが確認され
た。
の密度を測定したところ、モノマーの密度1.10(2
3.5℃)、ポリマーの密度1.09(23.5℃)で
あったことから体積膨張率は1体積%と算出された。ま
た、実施例1の開環重合体を1M水酸化ナトリウム水溶
液中で60℃で所定時間攪拌して加水分解量(重量%)
を測定することにより、加水分解性を確認した。実施例
1の開環重合体の加水分解性を、同様に測定したポリエ
チレンスクシネート及びポリカプロラクトンの加水分解
性と比較した結果を図19に示す。ポリエチレンスクシ
ネートが5時間で100%、ポリカプロラクトンが20
時間で10%加水分解したのに対して、開環重合体1で
は20時間後も全く加水分解反応が進行せず、良好な耐
加水分解性を有することが判った。
のmが3でかつnが5である上記一般式(IV)中の
X1、X2がともに酸素原子である上記一般式(V)中
のR1が水素でR2がフェニル基である上記構造式(XX
X)で示されるスピロケタール化合物を開環重合させる
ことにより、上記一般式(I)中のmが3、nが5で、
X1、X2がともに酸素原子ある上記一般式(II)中の
R1が水素でR2がフェニル基である上記一般式(XVII
I)で示される開環重合体が得られることを見出した。
また、得られた開環重合体は、体積膨張率及び加水分解
性が著しく低かった。
環重合体は、実施例で示したように体積膨張率が1体積
%と重合による体積変化が極めて小さく、加水分解性も
著しく低く耐加水分解性を有しているので、この開環重
合体又はこれを含有する組成物を成形材料、注型材料、
封止材、積層板又は接着剤用の材料として利用した場
合、精度、接着力及びその他の特性の向上が期待できる
ので、電子、電気及び光分野等の広範囲の分野で利用で
き、その工業的価値は大である。
線吸収スペクトルである。
核磁気共鳴スペクトルである。
C核磁気共鳴スペクトルである。
である。
トルである。
クトルである。
である。
トルである。
クトルである。
ルである。
クトルである。
ペクトルである。
ルである。
クトルである。
ペクトルである。
ルである。
クトルである。
ペクトルである。
である。
19)
p−トルエンスルホニルクロリド132g(0.69m
ol)及び無水塩化メチレン700mLを窒素雰囲気下
で2Lなすフラスコに加え、0℃に冷却した後、トリエ
チルアミン76g(0.75mol)を滴下し室温で1
2時間撹拌した。反応液に水を加え有機層を分離した
後、水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開溶媒:塩化メチレン/酢酸エチル=1/0〜10/
1)で精製し、精製物1(5−ヒドロキシペンチル−p
−トルエンスルポネート)を得た。 精製物1(5−ヒドロキシペンチル−p−トルエンスル
ポネート)95g(0.37mol)、p−トルエンス
ルホン酸1水和物50mg(0.26mmol)及び無
水クロロホルム370mLを窒素雰囲気下で1Lなすフ
ラスコに加え、室温で3,4−ジヒドロ−2H−ピラン
37g(0.44mol)を滴下し、2時間撹拌した後
に1時間加熱環流した。炭酸水素ナトリウム水溶液を加
え有機層を分離した後、水で洗浄して無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/酢酸エチル
=4/1〜1/0)で精製し、精製物2(5−(2−テ
トラヒドロピラニルオキシ)ペンチル−p−トルエンス
ルポネート)を得た。 トリメチルシリルアセチレン25g(0.25mo
l)、ヘキサメチルリン酸トリアミド250mL及び無
水テトラヒドロフラン(THF)500mLを窒素雰囲
気下で2Lなすフラスコに加え、−78℃に冷却した
後、1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液156
mL(0.25mol)を加え室温で1時間撹拌した。
再び反応液を−78℃に冷却し、上記で得られた精製物
2(5−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ペンチル
−p−トルエンスルポネート)75g(0.22mo
l)を加え、室温で12時間撹拌した後、60℃で1時
間撹拌した。水50mLを加えTHFを留去した後に炭
酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を分離した後に水で洗浄して無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン)で精製
し、精製物3(1−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)−7−トリメチルシリル−6−ヘプチン)を得た。 精製物3(1−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−
7−トリメチルシリル−6−ヘプチン)42g(0.1
6mol)及び無水THF150mLを窒素雰囲気下で
1Lなすフラスコに加え、室温で1Mテトラブチルアン
モニウムフルオリドTHF溶液170mL(0.17m
ol)を加え2時間撹拌した。THFを留去した後、炭
酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を分離した後に水で洗浄して無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン)で精製
し、精製物4(1−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)−6−ヘプチン)を得た。 精製物4(1−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−
6−ヘプチン)30g(0.15mol)、ヘキサメチ
ルリン酸トリアミド125mL及び無水THF250m
Lを窒素雰囲気下で2Lなすフラスコに加え、−78℃
に冷却した後、1.6M n−ブチルリチウムヘキサン
溶液106mL(0.17mol)を加え室温で1時間
撹拌した。再び反応液を−78℃に冷却し、スチレンオ
キシド20.4g(0.17mol)を加え室温で12
時間撹拌した。水20mLを加えTHFを留去した後に
炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を分離した後に水で洗浄して無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/塩化メチレン
=4/1〜3/1)で精製し、精製物5(9−(2−テ
トラヒドロピラニルオキシ)−1−フェニル−3−ノニ
ン−1−オール)を得た。 精製物5(9−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−
1−フェニル−3−ノニン−1−オール)40g(0.
13mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物40m
g(0.21mmol)及びエタノール200mLを窒
素雰囲気下で1Lなすフラスコに加え、3時間加熱環流
した後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル
で抽出した。有機層を分離した後に飽和食塩水で洗浄し
て無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル=1/1〜0/1)で精製し、精製物6
(1,9−ジヒドロキシ−1−フェニル−3−ノニン)
を得た。 精製物6(1,9−ジヒドロキシ−1−フェニル−3−
ノニン)22g(94.6mmol)、パラジウムクロ
リド160mg(0.9mmol)及びアセトニトリル
500mLを窒素雰囲気下で1Lなすフラスコに加え、
1.5時間加熱環流した後、反応液をろ過後濃縮し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:
ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製した。さらに、
窒素雰囲気下、150℃/1torrで蒸留して、目的
の化合物を得た。元素分析の結果、理論値(C15H
20O2):C77.55、H8.68に対して、実測
値:C77.62、H8.89であった。得られた化合
物の赤外線吸収スペクトル(neat)、1H核磁気共
鳴スペクトル(クロロホルム−d)及び13C核磁気共
鳴スペクトル(クロロホルム−d)をそれぞれ図1、図
2及び図3に示す。これらの結果から、得られた化合物
が下記構造式(XXX)で示されるスピロケタール化合物
(2−フェニル−1,6−ジオキサスピロ[4.6]ウ
ンデカン)であることが確認された。収率は19%であ
った。
Claims (15)
- 【請求項1】下記一般式(I)で示されるスピロケター
ル化合物の開環重合体。 【化1】 (ここで、X1、X2は酸素原子及び硫黄原子から独立
して選ばれ、R1、R2は水素原子及び置換又は非置換
の炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。
k、l、m、nはそれぞれ独立に1〜6の整数を示す。
k個のR1はk個が全て同一でも異なっていてもよく、
l個のR2はl個が全て同一でも異なっていてもよい。
pは1以上の整数を示す。) - 【請求項2】一般式(I)中のmが3でかつnが5であ
る請求項1記載の開環重合体。 - 【請求項3】一般式(I)中のX1及びX2が酸素原子
である請求項1又は請求項2記載の開環重合体。 - 【請求項4】下記一般式(II)で示されるスピロケター
ル化合物の開環重合体。 【化2】 (ここで、R1、R2は水素原子及び置換又は非置換の
炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれ、pは
1以上の整数を示す。) - 【請求項5】一般式(II)中のR1が水素原子である請
求項4記載の開環重合体。 - 【請求項6】下記一般式(III)で示されるスピロケタ
ール化合物を開環重合させることを特徴とする請求項1
記載の開環重合体の製造法。 【化3】 (ここで、X1、X2は酸素原子及び硫黄原子から独立
して選ばれ、R1、R2は水素原子及び置換又は非置換
の炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。
k、l、m、nはそれぞれ独立に1〜6の整数を示す。
k個のR1はk個が全て同一でも異なっていてもよく、
l個のR2はl個が全て同一でも異なっていてもよ
い。) - 【請求項7】下記一般式(IV)で示されるスピロケター
ル化合物を開環重合させることを特徴とする請求項2記
載の開環重合体の製造法。 【化4】 (ここで、X1、X2は酸素原子及び硫黄原子から独立
して選ばれ、R1、R2は水素原子及び置換又は非置換
の炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。
k、lはそれぞれ独立に1〜6の整数を示す。k個のR
1はk個が全て同一でも異なっていてもよく、l個のR
2はl個が全て同一でも異なっていてもよい。) - 【請求項8】一般式(III)中のX1及びX2が酸素原
子であるスピロケタール化合物又は一般式(IV)中のX
1及びX2が酸素原子であるスピロケタール化合物を開
環重合させることを特徴とする請求項3記載の開環重合
体の製造法。 - 【請求項9】下記一般式(V)で示されるスピロケター
ル化合物を開環重合させることを特徴とする請求項4記
載の開環重合体の製造法。 【化5】 (ここで、R1、R2は水素原子及び置換又は非置換の
炭素数6〜20のアリール基から独立して選ばれる。) - 【請求項10】一般式(V)中のR1が水素原子である
スピロケタール化合物を開環重合させることを特徴とす
る請求項5記載の開環重合体の製造法。 - 【請求項11】重合触媒を用いることを特徴とする請求
項6〜10のいずれかに記載の開環重合体の製造法。 - 【請求項12】重合触媒が三フッ化ホウ素エーテル錯
体、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸メチル及び四塩化錫の少なくとも1種であ
る請求項11記載の開環重合体の製造法。 - 【請求項13】再沈溶媒を用いることを特徴とする請求
項6〜12のいずれかに記載の開環重合体の製造法。 - 【請求項14】再沈溶媒がヘキサンである請求項13記
載の開環重合体の製造法。 - 【請求項15】請求項1〜5のいずれかに記載の開環重
合体を必須成分として含有してなる組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000317995A JP2002121275A (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | スピロケタール化合物の開環重合体、この開環重合体の製造法及びこの開環重合体を用いた組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000317995A JP2002121275A (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | スピロケタール化合物の開環重合体、この開環重合体の製造法及びこの開環重合体を用いた組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002121275A true JP2002121275A (ja) | 2002-04-23 |
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ID=18796692
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000317995A Pending JP2002121275A (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | スピロケタール化合物の開環重合体、この開環重合体の製造法及びこの開環重合体を用いた組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2002121275A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002128785A (ja) * | 2000-10-25 | 2002-05-09 | Hitachi Chem Co Ltd | スピロケタール化合物、アルキンジオール化合物及びこのアルキンジオール化合物を用いたスピロケタール化合物の製造法並びにこのスピロケタール化合物を用いた組成物 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002069172A (ja) * | 2000-08-30 | 2002-03-08 | Hitachi Chem Co Ltd | スピロケタール化合物の開環重合体、その製造法及びこの開環重合体を用いた組成物 |
-
2000
- 2000-10-18 JP JP2000317995A patent/JP2002121275A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002069172A (ja) * | 2000-08-30 | 2002-03-08 | Hitachi Chem Co Ltd | スピロケタール化合物の開環重合体、その製造法及びこの開環重合体を用いた組成物 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002128785A (ja) * | 2000-10-25 | 2002-05-09 | Hitachi Chem Co Ltd | スピロケタール化合物、アルキンジオール化合物及びこのアルキンジオール化合物を用いたスピロケタール化合物の製造法並びにこのスピロケタール化合物を用いた組成物 |
JP4662094B2 (ja) * | 2000-10-25 | 2011-03-30 | 日立化成工業株式会社 | スピロケタール化合物、アルキンジオール化合物及びこのアルキンジオール化合物を用いたスピロケタール化合物の製造法 |
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