JP2729565B2 - 新規アルケニル置換ナジイミド、その製法並びにその硬化方法 - Google Patents

新規アルケニル置換ナジイミド、その製法並びにその硬化方法

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JP2729565B2
JP2729565B2 JP5222258A JP22225893A JP2729565B2 JP 2729565 B2 JP2729565 B2 JP 2729565B2 JP 5222258 A JP5222258 A JP 5222258A JP 22225893 A JP22225893 A JP 22225893A JP 2729565 B2 JP2729565 B2 JP 2729565B2
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秀夫 福田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた作業性を有し、
かつ優れた耐熱性、力学的性質、電気的性質を有する熱
硬化性樹脂である新規アルケニル置換ナジイミド、その
製法並びにその硬化方法に関するものである。この新規
アルケニル置換ナジイミドは積層材料、注型材料、成形
材料、コーティング剤、塗料、接着剤、充填材料あるい
はガラスおよび炭素繊維等を強化材とする複合材料用マ
トリックス樹脂等として有用である。特に、金属、ガラ
ス、セラミックおよびプラスチック等のコーティング剤
として有用である。
【0002】
【従来の技術】科学技術の進歩に伴い、使用される材料
もより高性能化、高機能化が求められ、それに応えるべ
く各種材料が開発されている。その中で、熱硬化性樹脂
は、航空機などの構造材料や、半導体の封止剤、積層
板、コーティング剤および接着剤などの電気、電子材料
への用途の拡大に伴い、耐熱性の優れたものが求められ
ている。また、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンス
ルフィドおよびポリイミド等、いわゆるスーパーエンプ
ラ(エンジニアリングプラスチック)と呼ばれている各
種高性能ポリマーも市場に相当出回っているが、とりわ
けポリイミドに対する今後の期待が大きい。
【0003】 両末端にノルボルネン環を有し、かつ分
子内に芳香族基を有するビスナジイミドは、耐熱性の極
めて高い付加型ポリイミド樹脂原料として従来から注目
され、それらの一部はいわゆる先端複合材料用マトリッ
クスとして実用化されている。しかし、該ビスナジイミ
ドは一般に融点が高く、溶媒に対する溶解性も悪いため
取り扱いにくく、また反応性に乏しいため、高分子量化
するには苛酷な反応条件(たとえば300℃のような高
温成形)を必要とするという欠点がある。酷な反応条
件下では、目的とする高分子量化反応の他に、ノルボル
ネン環の逆Diels-Alder反応が一部起こり、そこで発生
する揮発性の高いシクロペンタジエンが成形体中に著し
い気泡(ボイド)を生じ、成形体の物性低下の原因とな
る。そのため、このビスナジイミドでは、成形手段が、
高温加圧下で反応させるような方法(たとえばオートク
レーブ成形法)に限定されたり、あるいは当該イミドの
原料である酸無水物(エステル)とジアミンとを溶媒に
溶かしてオリゴマー化し、ワニスとして使用する等、そ
の使用法がかなり限定されるという問題もあった。
【0004】そこで、上記のナジイミドの上記諸欠点を
改善するために、そのノルボルネン環に適当な置換基を
導入する方法が各種検討されている。
【0005】その1つとして、アリル基またはメタリル
基といったアルケニル基を導入する方法が各種提案され
た(たとえば特開昭59−80662号公報、特開昭6
0−124619号公報、特開昭60−178862号
公報、特開昭61−18761号公報、特開昭61−7
3710号公報、特開昭61−197556号公報、特
開昭62−111967号公報、特開昭62−2536
07号公報、特開昭63−95263号公報、特開昭6
3−150311号公報、特開昭63−170358号
公報、特開昭63−310884号公報、特開昭63−
317530号公報、特開平1−197516号公報
等)。
【0006】当該提案によると、アリル基またはメタリ
ル基といったアルケニル基を導入することによって、ナ
ジイミドの融点が下がり、溶媒に対する溶解性が増加
し、硬化温度をある程度下げることができ、また硬化の
際、揮発成分が発生せず、しかも得られた硬化物の物性
低下は少なかったと述べられている。すなわち、このア
ルケニル置換ナジイミドは、良好な作業性を有し、また
その硬化物は優れた耐熱性、力学的性質、電気的性質、
化学的安定性を有しており、積層材料、成形材料、複合
材料、コーティング剤、塗料および接着剤等として有用
である。しかし、このアルケニル置換ナジイミドは、力
学的性質、特に靱性、基材への密着性、接着性の点で、
未だ満足のゆくものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来から知られているアルケニル置換ナジイミドの硬
化物の優れた特性である耐熱性、電気的特性を損なうこ
となく、上記のような問題点が解決されて、力学的性
質、特に靱性、基材に対する密着性、接着性が著しく改
善された硬化物を与える新規なアルケニル置換ナジイミ
ドとその製法を提供することにあり、さらにはその硬化
方法も提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、アルケニル置換
ナジイミドを構成するジアミン成分が従来採用されたこ
とのない特定の構造のジアミン成分である新規なアルケ
ニル置換ナジイミドの硬化物が、従来のアルケニル置換
ナジイミドの硬化物に比べて、特異な性質を有する、す
なわち、機械的強度、靱性、コーティング剤として用い
たときの基材に対する密着性、接着性および耐熱性が優
れていることを見出して本発明を完成した。
【0009】 すなわち、本発明の要旨は、第一には、
一般式[1]:
【化6】 {式中、R1およびR2はそれぞれ独立に選ばれた水素ま
たはメチル基、Eは一般式[2]:
【化7】 (式中、aは0または1の整数、R3およびR3'はそれ
ぞれ独立に選ばれたC1〜C4のアルキレン基またはC5
〜C8のシクロアルキレン基を表す。で表されるアル
キレン・フェニレン基を表す。で表されるアルケニル
置換ナジイミドに存し、第二には、一般式[3]:
【化8】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に選ばれた水素ま
たはメチル基を表す。)で表されるアルケニル置換ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカル
ボン酸無水物誘導体と、一般式[4]:
【化9】 {式中、Eは一般式[2]:
【化10】 (式中、aは0または1の整数、R3およびR3'はそれ
ぞれ独立に選ばれたC1〜C4のアルキレン基またはC5
〜C8のシクロアルキレン基を表す。で表されるアル
キレン・フェニレン基を表す。}で表されるジアミンを
反応させることを特徴とする上記アルケニル置換ナジイ
ミドの製法に存し、第三には、上記アルケニル置換ナジ
イミドを硬化触媒の存在下または不存在下、80〜40
0℃で0.001〜30時間加熱することを特徴とする
上記アルケニル置換ナジイミドの硬化方法に存する。
【0010】本発明についてさらに詳述すると、本発明
の一般式[1]で表されるアルケニル置換ナジイミド
は、従来から知られているアルケニル置換ナジイミドの
合成に用いられると同様の、一般式[3]:
【化11】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に選ばれた水素ま
たはメチル基を表す。)で表されるアルケニル置換ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカル
ボン酸無水物誘導体(以下、「アルケニル置換ナジック
酸無水物誘導体」と略す。)と、一般式[4]:
【化12】 {式中、Eは一般式[2]:
【化13】 (式中、aは0または1の整数、R3およびR3'はそれ
ぞれ独立に選ばれたC1〜C4のアルキレン基またはC5
〜C8のシクロアルキレン基を表す。で表されるアル
キレン・フェニレン基を表す。}で表される特定構造の
ジアミンとの反応によて合成される。
【0011】一般式[3]で表されるアルケニル置換ナ
ジック酸無水物誘導体の代表的なものとして、たとえ
ば、アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−
2,3−ジカルボン酸無水物、メタリルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水
物、アリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−
エン−2,3−ジカルボン酸無水物およびメタリルメチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボン酸無水物があげられる。
【0012】また、一般式[4]で表されるジアミンと
して、Eが、フェニレン・アルキレン構造の、たとえ
ば、フェニレン・メチレン基(ここで、フェニレンは、
o−、m−またはp−のいずれの結合形態でもよく、以
下同様とする。)、フェニレン・エチレン基、フェニレ
ン・トリメチレン基、フェニレン・テトラメチレン基、
フェニレン・ブチリデン基、フェニレン・s−ブチリデ
ン基、フェニレン・1,2−ジメチルエチレン基、フェ
ニレン・1,1−ジメチルエチレン基、フェニレン・
1,2−シクロペンレン基、フェニレン・1,3−シ
クロペンレン基、フェニレン・1,4−シクロペン
レン基、フェニレン・2−メチル−1,4−シクロペン
レン基、フェニレン・2,3−ジメチル−1,4−シ
クロペンレン基、フェニレン・1,2−シクロヘキ
レン基、フェニレン・1,4−シクロヘキレン基、フ
ェニレン・2−メチル−1,3−シクロヘキレン基、
フェニレン・3−メチル−1,4−シクロヘキレン
基、フェニレン・3−エチル−1,4−シクロヘキ
ン基、フェニレン・1,3−シクロヘプレン基、フェ
ニレン・3−メチル−1,4−シクロヘプレン基、フ
ェニレン・4−メチル−1,3−シクロヘプレン基、
フェニレン・1,3−シクロオクレン基およびフェニ
レン・1,4−シクロオクレン基等、またアルキレン
・フェニレン・アルキレン構造の、たとえばo−、m−
またはp−キシリレン基、メチレン・フェニレン・エチ
レン基、メチレン・フェニレン・トリメチレン基、メチ
レン・フェニレン・1,2−ジメチルエチレン基、メチ
レン・フェニレン・1,4−シクロペンレン基、エチ
レン・フェニレン・ブチリデン基、エチレン・フェニレ
ン・エチレン基、エチレン・フェニレン・1,3−シク
ロペンレン基、ブチリデン・フェニレン・ブチリデン
基、トリメチレン・フェニレン・s−ブチリデン基、ト
リメチレン・フェニレン・1,3−シクロオクレン
基、1,4−シクロペンレン・フェニレン・1,4−
シクロペンレン基、1,3−シクロペンレン・フェ
ニレン・3−エチル−1,4−シクロヘキレン基、
1,3−シクロオクレン・フェニレン・1,3−シク
ロオクレン基および1,4−シクロヘキレン・フェ
ニレン・1,3−シクロオクレン基等があげられるが
これらに限定されない。
【0013】本発明の一般式[1]で表されるアルケニ
ル置換ナジイミドの合成は、従来のアルケニル置換ナジ
イミドの合成法に従えばよい。
【0014】すなわち、上記のアルケニル置換ナジック
酸無水物誘導体とジアミンを、溶媒の存在下、または不
存在下、80〜220℃の温度で、0.5〜20時間保
持することにより、両成分が化学量論的に反応し、本発
明のアルケニル置換ナジイミドが合成される。
【0015】また、他の方法として、上記のアルケニル
置換ナジック酸無水物誘導体とジアミンを、溶媒の存在
下、比較的低温で反応させて先ずイミドの中間体である
アミック酸を生成させた後、触媒として第三級アミン、
または必要に応じて酢酸ニッケルを併用したものを用
い、無水酢酸を脱水剤に使用して閉環、イミド化する二
段階反応で合成することもできる。
【0016】上記合成において、使用される溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレ
ン、テトラリン、クロロホルム、トリクレン、テトラク
ロロエチレン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、アニソール、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、N,N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよび
N−メチルピロリドン等があげられる。
【0017】本発明のアルケニル置換ナジイミドは、8
0〜400℃で0.001〜30時間加熱することによ
り重合、硬化することができる。より低い温度、短い時
間で硬化反応を完結するには、触媒を共存させることが
望ましい。
【0018】 本発明のアルケニル置換ナジイミドの硬
化触媒としては、カチオン触媒、オニウム塩、また
は有機過酸化物および/または有機遷移元素化合物
等があげられる。こらのうち、カチオン触媒として
は、たとえば、硫酸、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、硫
酸アニリン、硫酸・ピリジン、燐酸、亜燐酸、フェニル
ホスホン酸、フェニルホスフィン酸、燐酸トリエチル、
燐酸ジメチル、燐酸ジフェニル、亜燐酸フェニル、メタ
ンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸・トリフェニルアミン錯体、ピリジニウム−
p−トルエンスルホネート、ピリジニウム−m−ニトロ
ベンゼンスルホネート、α−またはβ−ナフタレンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、p−トルエンスル
ホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチルおよびN
−(2−ベンゼンスルホニルオキシエチル)−アリルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカ
ルボキシイミド(ANI−BsE)等の酸または酸を遊
離するブレンステッド酸またはそのエステルおよびその
アミン錯体、また三塩化硼素、三弗化硼素、三弗化硼素
・エーテル錯体、三弗化硼素・ピペラジン錯体、塩化第
二鉄、塩化ニッケル、四塩化錫、四塩化チタン、塩化ア
ルミニウム、塩化アルミニウム・エーテル錯体、塩化ア
ルミニウム・ピリジン錯体、臭化アルミニウム、塩化亜
鉛および五塩化アンチモン等の元素の周期律表の2〜5
族元素のルイス酸性を示すハロゲン化物またはその塩基
との錯体等があげられる。オニウム塩としては、たと
えば、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベン
ジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリ−
n−ブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリ−n−
ブチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアン
モニウムブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムク
ロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムパークロレー
ト、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレー
ト、m−トリフルオロメチルフェニルトリメチルアンモ
ニウムブロミドおよびテトラ−n−ブチルアンモニウム
トリフルオロメタンスルホネート等のアンモニウム化合
物、メチルトリフェニルホスホニウムアイオダイト、メ
チルトリフェニルホスホニウムブロミド、ベンジルトリ
フェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホ
ニウムブロミドおよび3−ブロモプロピルトリフェニル
ホスホニウムブロミド等のホスホニウム化合物、ベンジ
ルトリフェニルアルソニウムクロリド、テトラフェニル
アルソニウムブロミドおよびテトラ−n−ブチルアルソ
ニウムクロリド等のアルソニウム化合物、ベンジルトリ
フェニルスチボニウムクロリドおよびテトラフェニルス
チボニウムブロミド等のスチボニウム化合物、トリフェ
ニルオキソニウムクロリドおよびトリフェニルオキソニ
ウムブロミド等のオキソニウム化合物、トリフェニルス
ルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスル
ホニウムヘキサフルオロアルシネート、トリ(p−メト
キシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェー
ト、トリ(p−トリル)スルホニウムテトラフルオロボ
レート、ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオ
ロホスフェート、ジメチルフェナシルスルホニウムテト
ラフルオロボレートおよびジフェニルフェナシルスルホ
ニウムテトラフルオロボレート等のスルホニウム化合
物、トリフェニルセレノニウムテトラフルオロボレー
ト、トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロアルセネ
ート、トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロアンチ
モネートおよびp−(t−ブチルフェニル)ジフェニル
セレノニウムヘキサフルオロアルセネート等のセレノニ
ウム化合物、トリフェニルスタンノニウムクロリド、ト
リフェニルスタンノニウムブロミド、トリ−n−ブチル
スタンノニウムブロミドおよびベンジルジフェニルスタ
ンノニウムクロリド等のスタンノニウム化合物、ジフェ
ニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムブ
ロミド、ジフェニルヨードニウムパークロレート、ジフ
ェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニ
ルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニ
ルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニ
ルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(p−
メトキシフェニル)フェニルヨードニウムテトラフルオ
ロボレート、ジ(2−ニトロフェニル)ヨードニウムヘ
キサフルオロアルセネート、ジ(p−トリル)ヨードニ
ウムヘキサフルオロホスフェートおよびジ(p−クロロ
フェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート等
のヨードニウム化合物等があげられる。有機過酸化物
としては、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジ−t−アミ
ルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、t−ブチルク
ミルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド、ジプロピ
オニルパーオキシド、ジ−i−ブチリルパーオキシド、
ベンゾイルパーオキシド、パーオキシ琥珀酸、t−ブチ
ルヒドロパーオキシド、シクロヘキシルヒドロパーオキ
シド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレート、
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ
−(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチ
ルパーオキシマレエート、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカルボナートおよび2,2−ジ−t−ブチルパー
オキシブタン等があげられる。有機遷移元素化合物と
しては、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、モリブデ
ン、ルテニウム、ロジウム、ランタン、セリウム、ハフ
ニウム、タンタルおよびタングステン等の遷移元素のア
セチルアセトン塩、有機カルボン酸塩、メタロセン、ア
ルコラート、キレート化合物および有機金属化合物、好
ましくはバナジウム、マンガン、鉄、セリウム等のアセ
チルアセトン塩があげられる。有機過酸化物と有機
遷移元素化合物は併用することもできる。
【0019】上記各硬化触媒の使用量は特に制限されず
広い範囲内で適宜選択すれば良いが、通常、アルケニル
置換ナジイミドに対し、0.005〜10wt%、好ま
しくは0.01〜5wt%共存させるのが良い。
【0020】本発明のアルケニル置換ナジイミドは、そ
の範疇に属する個々の化合物を混合して用途に供しても
良いし、またオリゴマーとして用途に供することもでき
る。
【0021】本発明のアルケニル置換ナジイミドは、種
々の用途に用いることができる。たとえば、本発明のア
ルケニル置換ナジイミドを成形物とする場合は、本発明
のアルケニル置換ナジイミドを、必要に応じて硬化触媒
と溶融混合した後、注型成形、射出成形または圧縮成形
等の成形法を用い、80〜280℃、好ましくは120
〜260℃の温度で、0.01〜8時間、好ましくは
0.05〜5時間加熱することによって硬化させて成形
物とすることができる。
【0022】また、コーティング剤または塗料として使
用する場合は、本発明のアルケニル置換ナジイミドを、
無溶媒、または溶媒存在下で、必要に応じて硬化触媒と
共に混合し、それを金属、ガラス、セラミックまたはプ
ラスチック等の基材に塗布し、必要に応じて溶媒を除去
した後、80〜400℃、好ましくは120〜380℃
の温度で、0.001〜2時間、好ましくは0.005
〜1時間加熱することによって硬化させて、薄膜、被覆
膜とすることができる。
【0023】上記のようにして得られた成形物、薄膜お
よび被覆膜等は、必要に応じて150〜350℃の温度
で、0.5〜30時間さらに熱処理してもよい。
【0024】また、本発明のアルケニル置換ナジイミド
は、接着剤、充填材、有機、無機物の結合材としても使
用することも可能である。
【0025】また、該アルケニル置換ナジイミドは複合
材料用マトリックス樹脂としても有用であり、各種充填
材、たとえばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミ
ック繊維、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化アンチモン、石膏、シリカ、アルミナ、クレ
ー、タルク、石英粉末、カーボンブラック等を該アルケ
ニル置換ナジイミド100部に対し10〜500部混合
しても差し支えない。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明の内容はこれらによって限定されるもの
ではない。
【0027】実施例1 窒素置換した内容量500mlのフラスコに、アリルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物154.3g(0.756mol)およ
びキシレン200mlを仕込み、加熱、攪拌しながら、
キシレンの還流下、p−キシリレンジアミン50g
(0.37mol)を30分かけて加えた。生成した水
を水分分離器で分離、除去しながら反応を4時間続けた
後、微量の固形残渣を濾別し、溶媒のキシレンを留去し
た。つぎに内容物を200℃、1Torrの減圧下で
1.5時間攪拌しながら熱処理したところ、目的物であ
るN,N´−p−キシリレン−ビス(アリルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド)183.6g{アミン基準の収率97%(以
下同様);構造式を一般式[5]に示す。;以下「BA
NI−pX」と略す。}が得られた。
【0028】
【化14】
【0029】 BANI−pXのIRおよび1H−NM
スペクトル(60MHz)を、それぞれ図1および図
2に示す。
【0030】IRスペクトルでは、 アルケンC−H伸縮 :3074、297
8cm-1; 芳香族C−H伸縮 :2978cm-1; アルカンC−H伸縮 :2943cm-1; イミドC=O伸縮 :1769、169
9cm-1; C=C伸縮 :1641cm-1; −CH2−N−メチレンはさみ振動 :1429cm-1; イミドC−N伸縮 :1393cm-1 等が帰属される。
【0031】1H−NMRスペクトルでは、 a〜dのプロトン(4H) :7.0〜7.3ppm
のピーク; e〜gのプロトン(8H) :4.7〜5.9ppm
のピーク; hのプロトン(4H) :4.2〜4.7ppm
のピーク; i〜mのプロトン(12H) :2.2〜3.4ppm
のピーク; nのプロトン(4H) :0.8〜2.0ppm
のピーク 等が帰属される。
【0032】元素分析の結果は、C:75.0wt%、
H:6.1wt%、N:5.5wt%(理論値は、それ
ぞれ75.57wt%、6.34wt%、5.51wt
%)であった。
【0033】なお、該BANI−pXはつぎのような性
質を有している。 1)微量融点測定装置による融点:約55℃の淡黄色固
体 2)N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルおよびトルエン等
に容易に溶解し、ヘキサンおよびメタノールには不溶で
ある。
【0034】実施例2 窒素置換した内容量1000mlのフラスコに、アリル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジ
カルボン酸無水物257.4g(1.26mol)およ
びキシレン300mlを仕込み、加熱、攪拌しながら、
キシレンの還流下、m−キシリレンジアミン81.4g
(0.60mol)を1.5時間かけて加えた。生成し
た水を水分分離器で分離、除去しながら反応を3時間続
けた後、溶媒のキシレンを留去した。つぎに内容物を2
00℃、1Torrの減圧下で1時間攪拌しながら熱処
理したところ、目的物であるN,N´−m−キシリレン
−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エ
ン−2,3−ジカルボキシイミド)301.8g(収率
99%;構造式を一般式[6]に示す。;以下「BAN
I−mX」と略す。が得られた。
【0035】
【化15】
【0036】 BANI−mXのIRおよび1H−NM
スペクトル(60MHz)を、それぞれ図3および図
4に示す。
【0037】IRスペクトルでは、 アルケンC−H伸縮 :3075、297
9cm-1; 芳香族C−H伸縮 :2979cm-1; アルカンC−H伸縮 :2943cm-1; イミドC=O伸縮 :1769、170
1cm-1; C=C伸縮 :1641cm-1; −CH2−N−メチレンはさみ振動 :1428cm-1; イミドC−N伸縮 :1394cm-1 等が帰属される。
【0038】1H−NMRスペクトルでは、 a〜dのプロトン(4H) :7.0〜7.3ppm
のピーク; e〜gのプロトン(8H) :4.7〜6.0ppm
のピーク; hのプロトン(4H) :4.2〜4.7ppm
のピーク; i〜mのプロトン(12H) :2.2〜3.4ppm
のピーク; nのプロトン(4H) :0.8〜1.9ppm
のピーク 等が帰属される。
【0039】元素分析の結果は、C:75.3wt%、
H:6.4wt%、N:5.4wt%(理論値は、それ
ぞれ75.57wt%、6.34wt%、5.51wt
%)であった。
【0040】なお、該BANI−mXはつぎのような性
質を有している。 1)微量融点測定装置による融点:約42℃の淡黄色固
体 2)比重(23℃/23℃):1.213 3)粘度:4.0×104mPa・s(80℃) 3.5×103mPa・s(100℃) 4)N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルおよびトルエン等
に容易に溶解、メタノールに一部溶解し、ヘキサンには
不溶である。
【0041】実施例3 窒素置換した内容量300mlのフラスコに、アリルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物61.7g(0.302mol)および
キシレン100mlを仕込み、加熱、攪拌しながら、キ
シレンの還流下、2−(4−アミノフェニル)エチルア
ミン20g(0.15mol)を30分かけて加えた。
生成した水を水分分離器で分離、除去しながら反応を4
時間続けた後、微量の固形残渣を濾別し、溶媒のキシレ
ンを留去した。つぎに内容物を200℃、1Torrの
減圧下で1時間攪拌しながら熱処理したところ、目的物
であるN,N´−(p−フェニレン)・エチレン−ビス
(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−
2,3−ジカルボキシイミド)70.7g(収率88
%;構造式を一般式[7]に示す。;以下「BANI−
PE」と略す。が得られた。
【0042】
【化16】
【0043】 BANI−PEのIRおよび1H−NM
スペクトル(60MHz)を、それぞれ図5および図
6に示す。
【0044】IRスペクトルでは、 アルケンC−H伸縮 :3075、297
7cm-1; 芳香族C−H伸縮 :2977cm-1; アルカンC−H伸縮 :2943cm-1; イミドC=O伸縮 :1772、170
9cm-1; C=C伸縮 :1641cm-1; −CH2−N−メチレンはさみ振動 :1434cm-1; イミドC−N伸縮 :1394cm-1 等が帰属される。
【0045】1H−NMRスペクトルでは、 a〜dのプロトン(4H) :6.8〜7.4ppm
のピーク; e〜gのプロトン(8H) :4.7〜6.0ppm
のピーク; h〜nのプロトン(16H) :2.5〜3.9ppm
のピーク; oのプロトン(4H) :0.8〜1.9ppm
のピーク 等が帰属される。
【0046】元素分析の結果は、C:75.8wt%、
H:6.2wt%、N:5.4wt%(理論値は、それ
ぞれ75.57wt%、6.34wt%、5.51wt
%)であった。
【0047】なお、該BANI−PEはつぎのような性
質を有している。 1)微量融点測定装置による融点:約83℃の琥珀色固
体 2)N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルおよびトルエン等
に容易に溶解し、ヘキサンおよびメタノールには不溶で
ある。
【0048】実施例4 窒素置換した内容量1000mlのフラスコに、アリル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジ
カルボン酸無水物172.0g(0.843mol)お
よびキシレン200mlを仕込み、加熱、攪拌しなが
ら、キシレンの還流下、2−アミノベンジルアミン50
g(0.41mol)を30分かけて加えた。生成した
水を水分分離器で分離、除去しながら反応を4時間続け
た後、溶媒のキシレンを留去した。つぎに内容物を20
0℃、1Torrの減圧下で1時間攪拌しながら熱処理
したところ、目的物であるN,N´−(o−フェニレ
ン)・メチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]
ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)15
6.7g(収率77%;構造式を一般式[8]に示
す。;以下「BANI−PM」と略す。が得られた。
【0049】
【化17】
【0050】 BANI−PMのIRおよび1H−NM
スペクトル(60MHz)を、それぞれ図7および図
8に示す。
【0051】IRスペクトルでは、 アルケンC−H伸縮 :3074、297
7cm-1; 芳香族C−H伸縮 :2977cm-1; アルカンC−H伸縮 :2943cm-1; イミドC=O伸縮 :1780、170
9cm-1; C=C伸縮 :1642cm-1; −CH2−N−メチレンはさみ振動 :1434cm-1; イミドC−N伸縮 :1394cm-1 等が帰属される。
【0052】1H−NMRスペクトルでは、 a〜dのプロトン(4H) :6.5〜7.4ppm
のピーク; e〜gのプロトン(8H) :4.5〜5.9ppm
のピーク; hのプロトン(2H) :4.1〜4.5ppm
のピーク; i〜mのプロトン(12H) :2.3〜3.6ppm
のピーク; nのプロトン(4H) :0.8〜1.9ppm
のピーク 等が帰属される。
【0053】元素分析の結果は、C:75.0wt%、
H:6.1wt%、N:5.5wt%(理論値は、それ
ぞれ75.28wt%、6.11wt%、5.66wt
%)であった。
【0054】なお、該BANI−PMはつぎのような性
質を有している。 1)微量融点測定装置による融点:約116℃の黒色固
体 2)N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルおよびトルエン等
に容易に溶解、メタノールに一部溶解し、ヘキサンには
不溶である。
【0055】実施例5〜11 実施例2で合成したBANI−mXの粉末5gに、表1
に示す各種カチオン触媒0.05gを均一に混合し、そ
の1部を200℃の空気に暴露したホットプレート上に
乗せ、その温度を保ちながらかき混ぜゲル化時間を測定
したところ、表1のような結果が得られた。
【0056】 表1 実施例 カチオン触媒 ゲル化時間 5 塩化アルミニウム 11分00秒 6 塩化第二鉄 12分00秒 7 塩化ニッケル 15分30秒 8 p−トルエンスルホン酸メチル 10分00秒 9 ANI−BsE 12分00秒 10 硫酸アニリン 10分30秒 11 β−ナフタレンスルホン酸 8分00秒 ANI−BsE:N−(2−ベンゼンスルホニルオキシ
エチル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−
エン−2,3−ジカルボキシイミド
【0057】実施例12〜15 実施例2で合成したBANI−mXの粉末5gに、表2
に示す各種カチオン触媒0.05gを均一に混合し、そ
の1部を180℃の空気に暴露したホットプレート上に
乗せ、その温度を保ちながらかき混ぜゲル化時間を測定
したところ、表2のような結果が得られた。
【0058】 表2 実施例 カチオン触媒 ゲル化時間 12 p−トルエンスルホン酸 20分00秒 13 硫酸・ピリジン 20分00秒 14 ピリジニウム−p−トルエンスルホネート 20分00秒 15 ジメチル硫酸 12分00秒
【0059】実施例16〜18 実施例2で合成したBANI−mXの粉末5gに、表3
に示す各種オニウム塩触媒0.05gを均一に混合し、
その1部を200℃の空気に暴露したホットプレート上
に乗せ、その温度を保ちながらかき混ぜゲル化時間を測
定したところ、表3のような結果が得られた。
【0060】 表3 実施例 オニウム塩 ゲル化時間 16 ジフェニルヨードニウムパークロレート 4分00秒 17 ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ ホスフェート 15分00秒 18 ジフェニルヨードニウムテトラフルオロ ボレート 17分00秒
【0061】実施例19〜22 実施例2で合成したBANI−mXの粉末5gに、表4
に示す各種有機遷移元素化合物0.05gを均一に混合
し、その1部を200℃の空気に暴露したホットプレー
ト上に乗せ、その温度を保ちながらかき混ぜゲル化時間
を測定したところ、表4のような結果が得られた。
【0062】 表4 実施例 有機遷移元素化合物 ゲル化時間 19 ステアリン酸第二鉄 10分00秒 20 マンガン(III)アセチルアセトン塩 12分00秒 21 アセチルフェロセン 10分30秒 22 セリウム(III)アセチルアセトン塩 8分00秒
【0063】実施例23〜24 実施例2で合成したBANI−mXの粉末5gに、表5
に示す各種有機過酸化物0.05gを均一に混合し、そ
の1部を200℃の空気に暴露したホットプレート上に
乗せ、その温度を保ちながらかき混ぜゲル化時間を測定
したところ、表5のような結果が得られた。
【0064】 表5 実施例 有機過酸化物 ゲル化時間 23 ジクミルパーオキシド 18分00秒 24 クメンヒドロパーオキシド 20分00秒
【0065】実施例25〜27 実施例2で合成したBANI−mXの粉末5gに、ジク
ミルパーオキシド0.025gおよび表6に示す各種有
機遷移元素化合物0.025gを均一に混合し、その1
部を200℃の空気に暴露したホットプレート上に乗
せ、その温度を保ちながらかき混ぜゲル化時間を測定し
たところ、表6のような結果が得られた。
【0066】 表6 実施例 有機遷移元素化合物 ゲル化時間 25 マンガン(III)アセチルアセトン塩 8分30秒 26 ニッケル(II)アセチルアセトン塩 13分00秒 27 バナジウム(III)アセチルアセトン塩 12分00秒
【0067】実施例28 実施例1で合成したBANI−pXを真空下、200℃
で30分間溶融脱気してから金型に流し込み、常圧下、
250℃で24時間加熱したところ、つぎに示す物性の
硬化物が得られた。
【0068】 ガラス転移温度(TMA法、Tg) :308℃ 熱膨張係数(室温〜Tg) :5.19×10-5(1/℃) 5%重量減少温度(窒素中、TGA法) :444℃ 曲げ強度 :10.8Kg/mm2 曲げ弾性率 :355Kg/mm2
【0069】実施例29 実施例2で合成したBANI−mXを真空下、200℃
で30分間溶融脱気してから金型に流し込み、常圧下、
260℃で20時間加熱したところ、つぎに示す物性の
硬化物が得られた。
【0070】 比重(23℃/23℃) :1.222 ガラス転移温度(TMA法、Tg) :308℃ 熱膨張係数(室温〜Tg) :4.83×10-5(1/℃) 荷重たわみ温度 :311℃ 5%重量減少温度(窒素中、TGA法) :437℃ 曲げ強度 :14.3Kg/mm2 曲げ弾性率 :391Kg/mm2 引っ張り強度 :7.7Kg/mm2 引っ張り弾性率 :370Kg/mm2 圧縮強度 :18.2Kg/mm2 アイゾット衝撃値 :1.8kj/m2 ロックウェル硬度 :127HRM 体積抵抗率(500V D.C 1分値):9.41×1016Ω・cm 表面抵抗(500V D.C 1分値) :2.81×1016Ω 誘電率(1MHz) :3.09 誘電正接(1MHz) :1.11×10-2
【0071】実施例30 実施例2で合成したBANI−mXを170℃に加熱し
て溶融し、それに1wt%のジフェニルヨードニウムヘ
キサフルオロホスフェートを加えて溶解させ、2分間真
空脱気してから金型に流し込み、常圧下、200℃で1
0時間加熱したところ、つぎに示す物性の硬化物が得ら
れた。
【0072】 ガラス転移温度(TMA法、Tg) :221℃ 曲げ強度 :16.0Kg/mm2 曲げ弾性率 :380Kg/mm2
【0073】実施例31 実施例30において1wt%のジフェニルヨードニウム
ヘキサフルオロホスフェートの代わりに1wt%のピリ
ジニウム−p−トルエンスルホネートを使用する以外
は、実施例30と同様な方法で硬化させたところ、つぎ
に示す物性の硬化物が得られた。
【0074】 ガラス転移温度(TMA法、Tg) :216℃ 曲げ強度 :13.5Kg/mm2 曲げ弾性率 :403Kg/mm2
【0075】実施例32 実施例3で合成したBANI−PEを真空下、200℃
で30分間溶融脱気してから金型に流し込み、常圧下、
250℃で24時間加熱したところ、つぎに示す物性の
硬化物が得られた。
【0076】 ガラス転移温度(TMA法、Tg) :306℃ 熱膨張係数(室温〜Tg) :5.23×10-5(1/℃) 5%重量減少温度(窒素中、TGA法) :444℃ 曲げ強度 :11.1Kg/mm2 曲げ弾性率 :340Kg/mm2
【0077】実施例33 実施例4で合成したBANI−PMを真空下、200℃
で30分間溶融脱気してから金型に流し込み、常圧下、
250℃で24時間加熱したところ、5%重量減少温度
(窒素中、TGA法):403℃の硬化物が得られた。
【0078】比較例1 特開昭59−80662号公報に記載された方法により
合成したビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニ
ル}メタンを実施例29と同様な方法で硬化させたとこ
ろ、つぎに示す物性の硬化物が得られた。
【0079】 比重(23℃/23℃) :1.219 ガラス転移温度(TMA法、Tg) :336℃ 熱膨張係数(室温〜Tg) :5.15×10-5(1/℃) 荷重たわみ温度 :348℃ 5%重量減少温度(窒素中、TGA法) :445℃ 曲げ強度 :13.8Kg/mm2 曲げ弾性率 :336Kg/mm2 引っ張り強度 :4.0Kg/mm2 引っ張り弾性率 :296Kg/mm2 圧縮強度 :19.4Kg/mm2 アイゾット衝撃値 :1.1kj/m2 ロックウェル硬度 :128HRM 体積抵抗率(500V D.C 1分値):1.74×1017Ω・cm 表面抵抗(500V D.C 1分値) :1.87×1017Ω 誘電率(1MHz) :3.18 誘電正接(1MHz) :1.20×10-2
【0080】比較例2 特開昭59−80662号公報に記載された方法により
合成したN,N´−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカル
ボキシイミド)を実施例29と同様な方法で硬化させた
ところ、つぎに示す物性の硬化物が得られた。
【0081】 比重(23℃/23℃) :1.196 ガラス転移温度(TMA法、Tg) :309℃ 熱膨張係数(室温〜Tg) :6.73×10-5(1/℃) 荷重たわみ温度 :307℃ 5%重量減少温度(窒素中、TGA法) :438℃ 曲げ強度 :11.6Kg/mm2 曲げ弾性率 :201Kg/mm2 引っ張り強度 :5.5Kg/mm2 引っ張り弾性率 :244Kg/mm2 圧縮強度 :14.2Kg/mm2 アイゾット衝撃値 :1.5kj/m2 ロックウェル硬度 :123HRM 体積抵抗率(500V D.C 1分値):3.22×1017Ω・cm 表面抵抗(500V D.C 1分値) :>1.00×1017Ω 誘電率(1MHz) :2.88 誘電正接(1MHz) :1.04×10-2
【0082】実施例34〜37および比較例3〜6 各種アルケニル置換ナジイミドのキシレン溶液(30
%)をスプレーで軟鋼板に塗布し、大気中、200℃
で20分間焼き付けを行ったところ、いずれの場合も密
着性および耐溶剤性の優れた、10〜15ミクロンの厚
さの塗膜が得られた。
【0083】つぎにこれらの試験片を大気中、300℃
の恒温槽に保持し一定時間経過した後の密着性を調べた
ところ、表7のような結果が得られた。
【0084】表7 密着性試験法:JIS−K5400 1mm碁盤目試
験、○:100;△:99〜95;×:95> BANI−PM:実施例4で合成したN,N´−(o−
フェニレン)・メチレン−ビス(アリルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミ
ド) BANI−PE:実施例3で合成したN,N´−(p−
フェニレン)・エチレン−ビス(アリルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミ
ド) BANI−pX:実施例1で合成したN,N´−p−キ
シリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド) BANI−mX:実施例2で合成したN,N´−m−キ
シリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド) BANI−H :N,N´−ヘキサチレン−ビス(ア
リルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボキシイミド) BANI−M :ビス{4−(アリルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミ
ド)フェニル}メタン BANI−PD:N,N´−m−フェニレン−ビス(ア
リルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボキシイミド) BANI−TD:N,N´−(1−メチル−2,4−フ
ェニレン)−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)
【0085】実施例38〜41および比較例7〜10 各種アルケニル置換ナジイミドのキシレン溶液(30
%)をスプレーでアルミ板に塗布し、大気中、200
℃で20分間焼き付けを行ったところ、いずれの場合も
密着性および耐溶剤性の優れた、10〜15ミクロンの
厚さの塗膜が得られた。
【0086】つぎにこれらの試験片を大気中、300℃
の恒温槽に保持し一定時間経過した後の密着性を調べた
ところ、表8のような結果が得られた。
【0087】 密着性試験法および略号は表7と同様。
【0088】
【発明の効果】本発明の新規アルケニル置換ナジイミド
は、従来のアルケニル置換ナジイミドと同様に、各種溶
媒に対する優れた溶解性を有し、かつその硬化物は、従
来のアルケニル置換ナジイミドの硬化物に比べて、優れ
た耐熱性、力学的性質、電気的性質、特に機械的強度、
靱性、コーティング剤として用いたときの基材に対する
密着性、接着性および耐熱性に優れている。したがっ
て、本発明のアルケニル置換ナジイミドは、積層材料、
注型材料、成形材料、コーティング剤、塗料、接着
たは充填材料等として有用であり、またガラス、炭素繊
維等を強化材とする複合材料用マトリックス樹脂として
も有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたBANI−pXのIRスペ
クトルである。
【図2】実施例1で得られたBANI−pXの1H−N
MRスペクトルである。
【図3】実施例2で得られたBANI−mXのIRスペ
クトルである。
【図4】実施例2で得られたBANI−mXの1H−N
MRスペクトルである。
【図5】実施例3で得られたBANI−PEのIRスペ
クトルである。
【図6】実施例3で得られたBANI−PEの1H−N
MRスペクトルである。
【図7】実施例4で得られたBANI−PMのIRスペ
クトルである。
【図8】実施例4で得られたBANI−PMの1H−N
MRスペクトルである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[1]: 【化1】 {式中、R1およびR2はそれぞれ独立に選ばれた水素ま
    たはメチル基、Eは一般式[2]: 【化2】 (式中、aは0または1の整数、R3およびR3'はそれ
    ぞれ独立に選ばれたC1〜C4のアルキレン基またはC5
    〜C8のシクロアルキレン基を表す。で表されるアル
    キレン・フェニレン基を表す。で表されるアルケニル
    置換ナジイミド。
  2. 【請求項2】 一般式[1]において、R1およびR2
    いずれも水素である請求項1記載のアルケニル置換ナジ
    イミド。
  3. 【請求項3】 一般式[1]において、Eがフェニレン
    ・メチレン基、フェニレン・エチレン基またはキシリレ
    ン基である請求項1または2記載のアルケニル置換ナジ
    イミド。
  4. 【請求項4】 一般式[3]: 【化3】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に選ばれた水素ま
    たはメチル基を表す。)で表されるアルケニル置換ビシ
    クロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカル
    ボン酸無水物誘導体と、一般式[4]: 【化4】 {式中、Eは一般式[2]: 【化5】 (式中、aは0または1の整数、R3およびR3'はそれ
    ぞれ独立に選ばれたC1〜C4のアルキレン基またはC5
    〜C8のシクロアルキレン基を表す。で表されるアル
    キレン・フェニレン基を表す。}で表されるジアミンを
    反応させることを特徴とする請求項1ないし3記載のア
    ルケニル置換ナジイミドの製法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3記載のアルケニル置換
    ナジイミドを硬化触媒の存在下または不存在下、80〜
    400℃で0.001〜30時間加熱することを特徴と
    する請求項1ないし3記載のアルケニル置換ナジイミド
    の硬化方法。
  6. 【請求項6】 硬化触媒がカチオン触媒、オニウム
    塩、または有機過酸化物および/または有機遷移元
    素化合物である請求項5記載の硬化方法。
JP5222258A 1993-08-13 1993-08-13 新規アルケニル置換ナジイミド、その製法並びにその硬化方法 Expired - Fee Related JP2729565B2 (ja)

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