JP4662094B2 - スピロケタール化合物、アルキンジオール化合物及びこのアルキンジオール化合物を用いたスピロケタール化合物の製造法 - Google Patents

スピロケタール化合物、アルキンジオール化合物及びこのアルキンジオール化合物を用いたスピロケタール化合物の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子、電気及び光分野において用いられる成形材料、注型材料、封止材、積層板又は接着剤用の材料として好適なスピロケタール化合物、この化合物の原料となるアルキンジオール化合物、スピロケタール化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に熱硬化性樹脂は硬化の際に体積収縮を引き起こし、熱硬化性樹脂を成形材料、注型材料、封止材、積層板又は接着剤用の材料として用いる場合、その硬化時の体積収縮が精度や接着力の低下、歪等の原因となり、材料科学の分野で大きな問題となっている。例えば、成形材料、注型材料、封止材、積層板又は接着剤用の材料として広く用いられているエポキシ樹脂は、硬化時に3〜5%の収縮を引き起こすため、フィラーなどの添加物を加えて収縮を抑えているのが現状である。また、スピロオルトカーボナート、スピロオルトエステル、ビシクロオルトカーボナートなどの双環状モノマーは、重合時に体積膨張することが報告されており(T. Takataら, Progress Polymer Science 第18巻第839頁,1993年、三田文雄ら,色材第67巻第250頁,1994年、T. Endo and F. Sanda, Polymeric Materials Encyclopedia 第7554-7560頁,1996年)、特にエポキシ基を有するスピロオルトカーボナートでは重合時の体積変化が極めて小さいことが報告されている(T. Takasakiら,Polymer Preprints 第40巻第82頁,1999年)。そのため、このような双環状モノマーが非収縮性モノマーとしてその応用が期待されているが、これらの重合によって得られる重合体はカーボナート基やエステル基を有するため、耐加水分解性が低下するという問題点があった。
一方、上記の双環状モノマーと類似の構造を有するスピロケタール化合物の重合体は、分解性加水分解性の官能基を含まないことから耐加水分解性に優れることが期待されるが、これまでスピロケタール化合物の重合反応の検討は行われていない。スピロケタール化合物としては、2,7−ジエチル−1,6−ジオキサスピロ[4.4]ノナン、2−エチル−8−メチル−1,7−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,7−ジメチル−1,6−ジオキサスピロ[4.6]ウンデカン等のアルキル基を有する化合物(Francoise Perronら,Chemical.Review第89巻第1617-1661頁,1989年)、4−ヒドロキシ−1,7−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、4,8−ジヒドロキシ−1,7−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,4−ジヒドロキシ−9−ヒドロキシメチル−1,7−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のアルコキシ基を有する化合物(Francoise Perronら,Chemical.Review 第89巻第1617-1661頁,1989年)、アルキリデン基を有する化合物(Bohlmann F.ら,Chemische Berichte 第97巻第801頁,1964年)、2−エトキシカルボニル−7−(2’−ヒドロキシ−1’−メチルエチル)−9−ベンジルオキシ−1,6−ジオキサスピロ[4.6]ウンデカン、2−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシ−1,7−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のエステル基を有する化合物(Ireland R. E.ら,Journal of the Chemical Society 第107巻第3271頁,1985年、Schow S. R.ら,Journal of the American Chemical Society 第108巻第2662頁,1986年)、フェニル基を有する化合物(Doherty A. M.ら, Journal of the Chemical Society Perkin Trans 第1巻第1371頁,1984年)などが知られているが、スピロケタール化合物をポリマーに応用した例は少なく、ポリ[スピロ−2,5−(テトラヒドロフラン)](Zhaozhong Jiangら,Journal of the American Chemical Society 第117巻第4455-4467頁,1995年、Silvia Di Benedettoら,Helvetica Chimica Acta 第80巻第7号第2204-2214頁,1997年、Pui Kwan Wongら,Industrizal & Engineering Chemistry Research 第32巻第986-988頁,1993年、Antonio Batistiniら,Organometallics 第11巻第5号第1766-1769頁,1992年)、ポリ(2,2−ジプロパルギル−1,3−プロピレンケタール)(Soon-ki Kwonら,Journal of Polymer Science Part A Polymer Chemistry 第33巻第13号第2135-2140頁,1995年)等の合成例が報告されているが、上記のスピロケタール化合物の重合体は報告されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況に鑑みなされたもので、重合による体積変化が小さく、かつ耐加水分解性を有する重合体を提供するのに最適な化合物、この化合物の原材料、この化合物の製造法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、重合による体積変化の小さい加水分解性基を持たない特定のスピロケタール化合物を見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)下記一般式(I)で示されるスピロケタール化合物、
【化6】
Figure 0004662094
(ここで、Arは置換又は非置換の炭素数6〜20のアリール基を示す。)
(2)一般式(I)中のArが置換又は非置換のフェニル基である上記(1)記載のスピロケタール化合物、
(3)Arにハロゲン原子、ビニル基及びエポキシ基の少なくとも1種が置換している上記(1)又は(2)記載のスピロケタール化合物、
(4)置換位置が4位である上記(3)記載のスピロケタール化合物、
(5)下記構造式(II)〜(IV)のいずれかで示される上記(4)記載のスピロケタール化合物。
【化7】
Figure 0004662094
(6)下記一般式(V)で示されるアルキンジオール化合物、
【化8】
Figure 0004662094
(ここで、Arは置換又は非置換の炭素数6〜20のアリール基を示す。)
(7)一般式(V)中のArが置換又は非置換のフェニル基である上記(6)記載のアルキンジオール化合物、
(8)Arにハロゲン原子、ビニル基及びエポキシ基の少なくとも1種が置換している上記(6)又は(7)記載のアルキンジオール化合物、
(9)置換位置が4位である上記(8)記載のアルキンジオール化合物
(10)上記(6)記載のアルキンジオール化合物を二重閉環させることを特徴とする上記(1)記載のスピロケタール化合物の製造法、
(11)一般式(I)中のArがハロゲン原子置換のアリール基である上記(1)記載のスピロケタール化合物にビニル誘導体を反応させることを特徴とする下記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物の製造法、
【化9】
Figure 0004662094
(ここで、Arは炭素数6〜20のアリール基を示す。)
(12)下記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物に酸化剤を反応させることを特徴とする下記一般式(VII)で示されるスピロケタール化合物の製造法、
【化10】
Figure 0004662094
(ここで、Arは炭素数6〜20のアリール基を示す。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の下記一般式(I)で示されるスピロケタール化合物は、1,6−ジオキサスピロ[4.6]ウンデカンの2位に置換又は無置換のArを有する化合物である。
【化11】
Figure 0004662094
(ここで、Arは置換又は非置換の炭素数6〜20のアリール基を示す。)
上記一般式(I)中のArは置換又は非置換の炭素数6〜20のアリール基を示すが、炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントレニル基、ペンタレニル基、インデニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、as-インダセニル基、s-インダセニル基、ビフェニレニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、ビフェニル基等が挙げられ、なかでもフェニル基が好ましい。Arの置換基としては、特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、アルキル基、アルコキシル基等及びハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、水酸基等が置換したアルキル基又はアルコキシル基などが挙げられ、なかでも、ハロゲン原子、ビニル基及びエポキシ基が好ましい。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられ、反応の容易さの観点から臭素及びヨウ素が好ましく、臭素がより好ましい。置換基の置換位置はAr上の2〜5位のいずれでもよいが、合成の容易さの観点から4位が好ましい。
【0007】
上記一般式(I)で示されるスピロケタール化合物としては、例えば、Arが置換又は非置換のフェニル基である下記一般式(VIII)で示されるスピロケタール化合物等が挙げられる。
【化12】
Figure 0004662094
(ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子、ビニル基又はエポキシ基を示す。)
【0008】
上記一般式(VIII)で示されるスピロケタール化合物としては、例えば、下記構造式(IX)で示されるスピロケタール化合物及び置換位置が4位である下記構造式(II)〜(IV)で示される化合物等が挙げられる。
【化13】
Figure 0004662094
【0009】
本発明の上記一般式(I)で示されるスピロケタール化合物は、下記一般式(V)で示されるアルキンジオール化合物を二重閉環させることによって製造することができる。
【化14】
Figure 0004662094
(ここで、Arは置換又は非置換の炭素数6〜20のアリール基を示す。)
上記一般式(V)中のArは置換又は非置換の炭素数6〜20のアリール基を示すが、炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントレニル基、ペンタレニル基、インデニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、as-インダセニル基、s-インダセニル基、ビフェニレニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、ビフェニル基等が挙げられ、なかでもフェニル基が好ましい。Arの置換基としては、特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、アルキル基、アルコキシル基等及びハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、水酸基等が置換したアルキル基又はアルコキシル基などが挙げられ、なかでも、ハロゲン原子、ビニル基及びエポキシ基が好ましい。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられ、反応の容易さの観点から臭素及びヨウ素が好ましく、臭素がより好ましい。
置換基の置換位置はAr上の2〜5位のいずれでもよいが、合成の容易さの観点から4位が好ましい。
【0010】
上記一般式(V)で示されるアルキンジオール化合物としては、例えば、Arが置換又は非置換のフェニル基である下記一般式(X)で示されるアルキンジオール化合物等が挙げられる。下記一般式(X)で示されるアルキンジオール化合物を二重閉環させることによって上記一般式(VIII)で示されるスピロケタール化合物が製造できる。
【化15】
Figure 0004662094
(ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子、ビニル基又はエポキシ基を示す。)
【0011】
上記一般式(X)で示されるアルキンジオール化合物としては、例えば、下記構造式(XI)で示されるアルキンジオール化合物及び置換位置が4位である下記構造式(XII)〜(XIV)で示される化合物等が挙げられる。下記構造式(XI)で示されるアルキンジオール化合物を二重閉環させることによって上記構造式(IX)で示されるスピロケタール化合物が製造でき、下記構造式(XII)で示されるアルキンジオール化合物を二重閉環させることによって上記構造式(II)で示されるスピロケタール化合物が製造でき、下記構造式(XIII)で示されるアルキンジオール化合物を二重閉環させることによって上記構造式(III)で示されるスピロケタール化合物が製造でき、下記構造式(XIV)で示されるアルキンジオール化合物を二重閉環させることによって上記構造式(IV)で示されるスピロケタール化合物が製造できる。
【化16】
Figure 0004662094
【0012】
上記一般式(V)で示されるアルキンジオール化合物は、例えば、内本らの方法(Pure and applied chemistry 第55巻第11号第1845-1852頁、1983年)により、合成することができる。
【0013】
上記一般式(V)で示されるアルキンジオール化合物を二重閉環させる方法としては、目的のスピロケタール化合物が得られれば特に制限はなく、溶媒中で二重閉環反応させる等の一般的な手法を用いることができる。上記一般式(V)で示されるアルキンジオール化合物の二重閉環反応に用いられる溶媒としては、特に制限はないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等の不活性溶媒などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせ用いてもよい。なかでも、収率の観点からはアセトニトリル、テトラヒドロフラン及び塩化メチレンが好ましく、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
上記一般式(V)で示されるアルキンジオール化合物の溶媒中の濃度は、0.001〜10mol/Lに調整されることが好ましく、0.005〜5mmol/Lがより好ましく、0.01〜1mmol/Lがさらに好ましい。濃度が0.001mol/Lより低いと目的のスピロケタール化合物を得るのに長時間を要したり、目的のスピロケタール化合物が得られにくくなる傾向がある。濃度が10mol/Lより高いと副反応が増加したり、反応の制御が難しくなる傾向がある。
【0015】
また、上記一般式(V)で示されるアルキンジオール化合物の二重閉環反応には、必要に応じて、触媒を用いることができる。触媒としては、目的のスピロケタール化合物が得られれば特に制限はないが、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロジフェニルシアノパラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等のパラジウム系触媒などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせ用いてもよいが、収率の観点からは、塩化パラジウムが好ましい。
触媒の使用量は、二重閉環反応を促進できれば特に制限はないが、原料であるアルキンジオール化合物に対して、0.001〜20モル%が好ましく、0.01〜5モル%がより好ましく、0.1〜1モル%がさらに好ましい。
【0016】
上記一般式(V)で示されるアルキンジオール化合物の二重閉環反応における反応条件は目的のスピロケタール化合物が得られれば特に制限はないが、反応温度が0〜180℃の範囲に設定されることが好ましく、25〜100℃の範囲に設定されることがより好ましい。反応温度が0℃より低いと反応性が低くなって、目的のスピロケタール化合物を得るのに長時間を要したり、スピロケタール化合物が得られにくくなる傾向がある。反応温度が180を超えると、副反応が増加する傾向がある。また、反応時間は、目的のスピロケタール化合物が得られれば特に制限はないが、0.5〜200時間が好ましく、1〜100時間がより好ましく、2〜50時間がさらに好ましい。反応時間が0.5時間より短いと、反応が不十分で目的のスピロケタール化合物の収率が低くなったり、スピロケタール化合物が得られにくくなる傾向がある。反応時間が200時間を超えると、副反応が増加する傾向がある。
【0017】
上記一般式(I)中のArがビニル基置換のアリール基である下記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物は、上記一般式(I)中のArがハロゲン原子置換のアリール基である下記一般式(XV)で示されるスピロケタール化合物にビニル誘導体を反応させることによっても製造することができる。例えば、上記構造式(II)で示されるスピロケタール化合物は、上記構造式(XII)で示されるアルキンジオール化合物を二重閉環させることによっても、上記構造式(IV)で示されるスピロケタール化合物等にビニル誘導体を反応させることによっても製造できる。
【化17】
Figure 0004662094
(ここで、Arは炭素数6〜20のアリール基、Xはハロゲン原子を示す。)
【0018】
上記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物の製造に用いられる、上記一般式(XV)で示されるスピロケタール化合物に反応させるビニル誘導体としては、特に制限はないが、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル等のハロゲン化ビニル、ビニルトリフラート、ビニルトリブチル錫等を用いることができる。なかでも、収率の観点からは、臭化ビニルが好ましい。
【0019】
上記一般式(XV)で示されるスピロケタール化合物にビニル誘導体を反応させる方法としては、目的の上記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物が得られれば特に制限はなく、例えば、溶媒中で反応させる等の一般的な手法を用いることができる。
上記一般式(XV)で示されるスピロケタール化合物とビニル誘導体との反応に用いられる溶媒としては、特に制限はないが、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素系溶媒、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン系溶媒、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の不活性溶媒などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせ用いてもよい。なかでも、収率の観点からはテトラヒドロフラン及びヘキサメチルリン酸トリアミドが好ましく、これらのいずれかを用いても両者を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
上記一般式(XV)で示されるスピロケタール化合物の溶媒中の濃度は、目的の上記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物が得られれば特に制限はないが、0.01〜10mol/Lに調整されることが好ましく、0.05〜5mmol/Lがより好ましく、0.1〜3mmol/Lがさらに好ましい。濃度が0.01mol/Lより低いと目的のスピロケタール化合物を得るのに長時間を要したり、目的のスピロケタール化合物が得られにくくなる傾向がある。濃度が10mol/Lより高いと、反応の制御が難しくなる傾向がある。
また、ビニル誘導体の使用量は、上記一般式(XV)で示されるスピロケタール化合物に対して1〜2モル当量が好ましく、1〜1.5モル当量がより好ましく、1〜1.2モル当量がさらに好ましい。
【0021】
上記一般式(XV)で示されるスピロケタール化合物とビニル誘導体との反応には、必要に応じて、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム等のアルカリ土類金属、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、リチウムナフタリニド、ナトリウムナフタリニド、カリウムナフタリニド等の有機金属試薬等などを用いることができる。取り扱いの容易さからマグネシウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム及びt−ブチルリチウムが好ましく、マグネシウムがより好ましい。
アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機金属試薬の使用量は、上記一般式(XV)で示されるスピロケタール化合物に対して1〜2モル当量が好ましく、1〜1.5モル当量がより好ましく、1〜1.2モル当量がさらに好ましい。
【0022】
また、上記一般式(XV)で示されるスピロケタール化合物とビニル誘導体との反応には、必要に応じて触媒を用いることができる。用いられる触媒としては、目的のスピロケタール化合物が得られれば特に制限はないが、例えば、パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロジフェニルシアノパラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等のパラジウム系触媒、ビスアセチルアセトンニッケル、1,3−ビストリフェニルホスフィノプロパンジクロロニッケル、1,2−ビストリフェニルホスフィノエタンジクロロニッケル等のニッケル触媒などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせ用いてもよい。なかでも、収率の観点から1,3−ビストリフェニルホスフィノプロパンジクロロニッケルが好ましい。
触媒の使用量は、反応を促進できれば特に制限はないが、上記一般式(XV)で示されるスピロケタール化合物に対して、0.001〜20モル%が好ましく、0.01〜5モル%がより好ましく、0.1〜1モル%がさらに好ましい。
【0023】
上記一般式(XV)で示されるスピロケタール化合物とビニル誘導体との反応条件は目的のスピロケタール化合物が得られれば特に制限はないが、反応温度が−78〜180の範囲に設定されることが好ましく、−30〜150の範囲に設定されることがより好ましく、0〜100の範囲に設定されることがさらに好ましい。反応温度が−78より低いと反応性が低くなって、目的のスピロケタール化合物を得るのに長時間を要したり、スピロケタール化合物が得られにくくなる傾向がある。反応温度が180を超えると、副反応が増加する傾向がある。また、反応時間は、目的のスピロケタール化合物が得られれば特に制限はないが、0.5〜200時間が好ましく、1〜100時間がより好ましく、2〜50時間がさらに好ましい。反応時間が0.5時間より短いと、反応が不十分で目的のスピロケタール化合物の収率が低くなったり、スピロケタール化合物が得られにくくなる傾向がある。反応時間が200時間を超えると、副反応が増加する傾向がある。
【0024】
上記一般式(I)中のArがエポキシ基置換のアリール基である下記一般式(VII)で示されるスピロケタール化合物は、上記一般式(I)中のArがビニル基置換のアリール基である下記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物に酸化剤を反応させることによっても製造することができる。例えば、上記構造式(III)で示されるスピロケタール化合物は、上記構造式(XIII)で示されるアルキンジオール化合物を二重閉環させることによっても、上記構造式(II)で示されるスピロケタール化合物に酸化剤を反応させることによっても製造できる。
【化18】
Figure 0004662094
(ここで、Arは炭素数6〜20のアリール基を示す。)
【0025】
上記一般式(VII)で示されるスピロケタール化合物の製造に用いられる、上記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物に反応させる酸化剤としては、目的のスピロケタール化合物が得られれば特に制限はないが、例えば、過安息香酸、メタクロロ過安息香酸等の過酸化物などが挙げられる。
【0026】
上記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物に酸化剤を反応させる方法としては、目的の上記一般式(VII)で示されるスピロケタール化合物が得られれば特に制限はなく、例えば、溶媒中で酸化反応させる等の一般的な手法を用いることができる。
上記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物と酸化剤との反応に用いられる溶媒としては、特に制限はないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン等のケトン系溶媒等の不活性溶媒などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせ用いてもよい。
【0027】
上記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物の溶媒中の濃度は、目的の上記一般式(VII)で示されるスピロケタール化合物が得られれば特に制限はないが、0.01〜10mol/Lに調整されることが好ましく、0.05〜5mmol/Lがより好ましく、0.1〜3mmol/Lがさらに好ましい。濃度が0.01mol/Lより低いと目的のスピロケタール化合物を得るのに長時間を要したり、目的のスピロケタール化合物が得られにくくなる傾向がある。濃度が10mol/Lより高いと反応の制御が難しくなる傾向がある。
また、酸化剤の使用量は、上記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物に対して1〜2モル当量が好ましく、1〜1.5モル当量がより好ましく、1〜1.2モル当量がさらに好ましい。
【0028】
上記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物と酸化剤との反応条件は目的のスピロケタール化合物が得られれば特に制限はないが、反応温度が−30〜150の範囲に設定されることが好ましく、−10〜100の範囲に設定されることがより好ましく、0〜80の範囲に設定されることがさらに好ましい。反応温度が−30より低いと反応性が低くなって、目的のスピロケタール化合物を得るのに長時間を要したり、スピロケタール化合物が得られにくくなる傾向がある。反応温度が150を超えると、副反応が増加する傾向がある。また、反応時間は、目的のスピロケタール化合物が得られれば特に制限はないが、0.5〜200時間が好ましく、1〜100時間がより好ましく、2〜50時間がさらに好ましい。反応時間が0.5時間より短いと、反応が不十分で目的のスピロケタール化合物の収率が低くなったり、スピロケタール化合物が得られにくくなる傾向がある。反応時間が200時間を超えると、副反応が増加する傾向がある。
【0029】
本発明のスピロケタール化合物及びこのスピロケタール化合物を必須成分とする組成物は、成形材料、注型材料、封止材、積層板又は接着剤用の材料等として、電子、電気及び光分野において好適に用いられる。
本発明のスピロケタール化合物を必須成分とする組成物には、必要に応じてその他の成分を添加することができる。
添加する成分としては特に制限はなく、用途に応じて適宜選定することができるが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、重合開始剤、触媒、溶剤、充填剤等が挙げられる。
なかでも、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性のバランスの観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
スピロケタール化合物を必須成分とする組成物及びさらにエポキシ樹脂を含有する組成物は、用途に応じて硬化させて、硬化物として用いることもできる。
【0030】
【実施例】
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0031】
実施例1:スピロケタール化合物1及びアルキンジオール化合物1の合成
1,5−ペンタンジオール70g(0.67mol)、p−トルエンスルホニルクロリド132g(0.69mol)及び無水塩化メチレン700mLを窒素雰囲気下で2Lなすフラスコに加え、0℃に冷却した後、トリエチルアミン76g(0.75mol)を滴下し室温で12時間撹拌した。反応液に水を加え有機層を分離した後、水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/酢酸エチル=容量比1/0〜10/1)で精製し、精製物1(5−ヒドロキシペンチル−p−トルエンスルポネート)を得た。
精製物1(5−ヒドロキシペンチル−p−トルエンスルポネート)95g(0.37mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物50mg(0.26mmol)及び無水クロロホルム370mLを窒素雰囲気下で1Lなすフラスコに加え、室温で3,4−ジヒドロ−2H−ピラン37g(0.44mol)を滴下し、2時間撹拌した後に1時間加熱環流した。炭酸水素ナトリウム水溶液を加え有機層を分離した後、水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/酢酸エチル=容量比4/1〜1/0)で精製し、精製物2(5−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ペンチル−p−トルエンスルポネート)を得た。
トリメチルシリルアセチレン25g(0.25mol)、ヘキサメチルリン酸トリアミド250mL及び無水テトラヒドロフラン(THF)500mLを窒素雰囲気下で2Lなすフラスコに加え、−78℃に冷却した後、1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液156mL(0.25mol)を加え室温で1時間撹拌した。再び反応液を−78℃に冷却し、上記で得られた精製物2(5−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ペンチル−p−トルエンスルポネート)75g(0.22mol)を加え、室温で12時間撹拌した後、60℃で1時間撹拌した。水50mLを加えTHFを留去した後に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離した後に水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン)で精製し、精製物3(1−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−7−トリメチルシリル−6−ヘプチン)を得た。
精製物3(1−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−7−トリメチルシリル−6−ヘプチン)42g(0.16mol)及び無水THF150mLを窒素雰囲気下で1Lなすフラスコに加え、室温で1MテトラブチルアンモニウムフルオリドTHF溶液170mL(0.17mol)を加え2時間撹拌した。THFを留去した後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離した後に水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン)で精製し、精製物4(1−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−ヘプチン)を得た。
精製物4(1−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−ヘプチン)30g(0.15mol)、ヘキサメチルリン酸トリアミド125mL及び無水THF250mLを窒素雰囲気下で2Lなすフラスコに加え、−78℃に冷却した後、1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液106mL(0.17mol)を加え室温で1時間撹拌した。再び反応液を−78℃に冷却し、スチレンオキシド20.4g(0.17mol)を加え室温で12時間撹拌した。水20mLを加えTHFを留去した後に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離した後に水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/塩化メチレン=容量比4/1〜3/1)で精製し、精製物5(9−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−フェニル−3−ノニン−1−オール)を得た。
精製物5(9−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−フェニル−3−ノニン−1−オール)40g(0.13mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物40mg(0.21mmol)及びエタノール200mLを窒素雰囲気下で1Lなすフラスコに加え、3時間加熱環流した後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離した後に飽和食塩水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=容量比1/1〜0/1)で精製し、アルキンジオール化合物1を得た。得られたアルキンジオール化合物1の赤外線吸収スペクトル(neat)、1H核磁気共鳴スペクトル(クロロホルム−d)及び13C核磁気共鳴スペクトル(クロロホルム−d)をそれぞれ図1、図2及び図3に示す。これらの結果から、得られたアルキンジオール化合物1が下記構造式(XI)で示されるアルキンジオール化合物(1,9−ジヒドロキシ−1−フェニル−3−ノニン)であることが確認された。
【化19】
Figure 0004662094
【0032】
アルキンジオール化合物1(1,9−ジヒドロキシ−1−フェニル−3−ノニン)22g(94.6mmol)、パラジウムクロリド160mg(0.9mmol)及びアセトニトリル500mLを窒素雰囲気下で1Lなすフラスコに加え、1.5時間加熱環流した後、反応液をろ過後濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=容量比4/1)で精製した。さらに、窒素雰囲気下、150℃/1torrで蒸留して、目的のスピロケタール化合物1を得た。スピロケタール化合物1を元素分析した結果、理論値(C1520):C77.55、H8.68に対して、実測値:C77.62、H8.89であった。得られたスピロケタール化合物1の赤外線吸収スペクトル(neat)、1H核磁気共鳴スペクトル(クロロホルム−d)及び13C核磁気共鳴スペクトル(クロロホルム−d)をそれぞれ図4、図5及び図6に示す。これらの結果から、得られたスピロケタール化合物1が下記構造式(IX)で示されるスピロケタール化合物(2−フェニル−1,6−ジオキサスピロ[4.6]ウンデカン)であることが確認された。収率は19%であった。
【化20】
Figure 0004662094
【0033】
実施例2:スピロケタール化合物2及びアルキンジオール化合物2の合成
実施例1中で得た精製物4(1−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−ヘプチン)30g(0.15mol)、ヘキサメチルリン酸トリアミド125mL及び無水THF250mLを窒素雰囲気下で2Lなすフラスコに加え、−78℃に冷却した後、1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液106mL(0.17mol)を加え室温で1時間撹拌した。再び反応液を−78℃に冷却し、4−ブロモスチレンオキシド33.8g(0.17mol)を加え室温で12時間撹拌した。水20mLを加えTHFを留去した後に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離した後に水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/塩化メチレン=容量比4/1〜3/1)で精製し、精製物6(9−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−(4−ブロモフェニル)−3−ノニン−1−オール)を得た。
精製物6(9−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−(4−ブロモフェニル)−3−ノニン−1−オール)50.4g(0.13mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物40mg(0.21mmol)及びエタノール200mLを窒素雰囲気下で1Lなすフラスコに加え、1時間加熱環流した後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し、水層を1M塩酸水溶液でpH5.0に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を集めて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=容量比1/1〜0/1)で精製し、アルキンジオール化合物2を得た。得られたアルキンジオール化合物2の赤外線吸収スペクトル(neat)、1H核磁気共鳴スペクトル(クロロホルム−d)及び13C核磁気共鳴スペクトル(クロロホルム−d)をそれぞれ図7、図8及び図9に示す。これらの結果から、得られたアルキンジオール化合物2が下記構造式(XIV)で示されるアルキンジオール化合物(9−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−(4−ブロモフェニル)−3−ノニン−1−オール)であることが確認された。
【化21】
Figure 0004662094
【0034】
アルキンジオール化合物2(9−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−(4−ブロモフェニル)−3−ノニン−1−オール)29g(94.6mmol)、160mgパラジウムクロリド(0.9mmol)及びアセトニトリル500mLを窒素雰囲気下で1Lなすフラスコに加え、1.5時間加熱環流した後、反応液をろ過後濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=容量比4/1)で精製した。さらに窒素雰囲気下、150℃/1torrで蒸留して、目的のスピロケタール化合物2を得た。スピロケタール化合物2を元素分析した結果、理論値(C1519Br):C57.89、H6.15に対して実測値:C57.93、H6.24であった。得られたスピロケタール化合物2の赤外線吸収スペクトル(neat)、1H核磁気共鳴スペクトル(クロロホルム−d)及び13C核磁気共鳴スペクトル(クロロホルム−d)をそれぞれ図10、図11及び図12に示す。これらの結果から、得られたスピロケタール化合物2が下記構造式(IV)で示されるスピロケタール化合物(2−ブロモフェニル−1,6−ジオキサスピロ[4.6]ウンデカン)であることが確認された。収率は52%であった。
【化22】
Figure 0004662094
【0035】
実施例3:スピロケタール化合物3の合成
マグネシウム93.7mg(38.6mmol)及び無水THF50mLを窒素雰囲気下で500mLなすフラスコに加えて室温で撹拌し、実施例2で得られたスピロケタール化合物2(2−ブロモフェニル−1,6−ジオキサスピロ[4.6]ウンデカン)10g(32.1mmol)をゆっくり滴下しながらヒートガンで加熱した。反応が開始したら無水THF150mLを加え、さらにスピロケタール化合物2の滴下を続けた。滴下終了後、60℃で1時間加熱攪拌した後、室温に冷却して反応液1を得た。臭化ビニル4.1g(32.1mmol)、1,3−ビストリフェニルホスフィノプロパンジクロロニッケル268.7mg(3.9mmol)及び無水THF250mLを窒素雰囲気下で1Lなすフラスコに加えて室温で撹拌した。先に調製した反応液1を0℃で滴下した後、室温で3時間攪拌した。水20mLを加えてTHFを留去した後に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を分離した後に水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣を分取ゲル浸透カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)で精製して、目的のスピロケタール化合物3を得た。スピロケタール化合物3を元素分析した結果、理論値(C1722):C79.03、H8.58に対して実測値:C79.12、H8.60であった。得られたスピロケタール化合物3の赤外線吸収スペクトル(neat)、1H核磁気共鳴スペクトル(クロロホルム−d)及び13C核磁気共鳴スペクトル(クロロホルム−d)をそれぞれ図13、図14及び図15に示す。これらの結果から、得られたスピロケタール化合物3が下記構造式(II)で示されるスピロケタール化合物(2−(4−スチリル)−1,6−ジオキサスピロ[4.6]ウンデカン)であることが確認された。収率は75%であった。
【化23】
Figure 0004662094
【0036】
実施例4:スピロケタール化合物4の合成
実施例3で得られたスピロケタール化合物3((2−(4−スチリル)−1,6−ジオキサスピロ[4.6]ウンデカン)2g(7.7mmol)、リン酸二水素ナトリウム1.2g(10.5mmol)及び塩化メチレン150mLを窒素雰囲気下で500mLなすフラスコに加えて0℃で撹拌し、メタクロロ過安息香酸2g(10.5mmol)を加え、室温で12時間攪拌した反応液をろ過し、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて塩化メチレンで抽出した。有機層を分離した後に水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣を分取ゲル浸透カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)で精製して、目的のスピロケタール化合物4を得た。スピロケタール化合物4を元素分析した結果、理論値(C1722):C74.42、H8.08に対して実測値:C74.47、H7.99あった。得られたスピロケタール化合物4の赤外線吸収スペクトル(neat)、1H核磁気共鳴スペクトル(クロロホルム−d)及び13C核磁気共鳴スペクトル(クロロホルム−d)をそれぞれ図16、図17及び図18に示す。これらの結果から、得られたスピロケタール化合物4が下記構造式(III)で示されるスピロケタール化合物(2−(4−エポキシ)−1,6−ジオキサスピロ[4.6]ウンデカン)であることが確認された。収率は85%であった。
【化24】
Figure 0004662094
【0037】
実施例5〜7:スピロケタール化合物及びエポキシ樹脂を含有する組成物とその硬化物の作製
スピロケタール化合物として実施例1で得られたスピロケタール化合物1、エポキシ樹脂としてビスフェノールAジグリシジルエーテルを用い、表1で示す組成で配合し、これらの合計量に対して3mol%のメチルトリフルオロメタンスルホネートと混合した組成物を調製し、窒素雰囲気下で80℃で1時間、120℃で1時間、150℃で2時間加熱して、硬化物(重合体)を得た。
【0038】
【表1】
Figure 0004662094
【0039】
得られた硬化物(重合体)の5%重量減少温度、体積変化率、弾性率及びTanδを次の示す方法で測定した。5%重量減少温度及び体積収縮率の測定結果を表2に、弾性率及びTanδの測定結果を図19に示す。
(1)5%重量減少温度(℃)
熱重量計(TGA)用いて、硬化物の5%重量減少温度を測定した。
(2)体積収縮率(%)
密度勾配管を用いて、硬化前の組成物と硬化物の密度を測定し、その増加率から体積収縮率を求めた。
(3)弾性率(Pa)及びTanδ
組成物をアルミ箔箱中、窒素雰囲気下で80℃で1時間、120℃で1時間、150℃で2時間加熱硬化させて、1mm×35mm×10mmに切り出した試験片を、動的粘弾性測定装置(株式会社レオロジ製レオスペクトラDVE−V4型)を用いて、周波数10Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性の−78〜250℃の温度分散(弾性率E’)及びTanδを測定した。
【0040】
【表2】
Figure 0004662094
【0041】
スピロケタール化合物の重合
無水塩化メチレン溶液2.32mLに実施例1で得られたスピロケタール化合物1を232mg(1.0mmol)及びスピロケタール化合物1に対して5モル%の三フッ化ホウ素エーテル錯体を加え、封管中で撹拌しながら反応温度120、反応時間1時間の条件で重合反応させた。少量のトリエチルアミンで反応を停止した後に、反応終了液をガスクロマトグラフィーで分析して、原料として用いたスピロケタール化合物の転化率を測定した。反応終了液をジエチルエーテル20mL中に注加して不溶分をろ取した後、室温で6時間真空乾燥(1torr)して、開環重合体を得た。密度勾配管を用いて得られた開環重合体の密度を測定したところ、モノマーの密度1.10(23.5℃)、ポリマーの密度1.09(23.5℃)であったことから体積膨張率は1体積%と算出された。また、この開環重合体を1M水酸化ナトリウム水溶液中で60℃で所定時間攪拌して加水分解量(重量%)を測定することにより、加水分解性を確認したところ、168時間後も全く加水分解反応が進行せず、良好な耐加水分解性を有することが判った。
【0042】
実施例1及び2の結果から、上記一般式(V)で示されるアルキンジオール化合物を二重閉環させることにより上記一般式(I)のスピロケタール化合物が得られることを見出した。
また、実施例3の結果から、一般式(I)中のArがハロゲン原子置換のアリール基であるスピロケタール化合物にビニル誘導体を反応させることにより一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物が得られることを見出した。
さらに、実施例4の結果から一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物に酸化剤を反応させることにより一般式(VII)で示されるスピロケタール化合物が得られることを見出した。
実施例5〜7の結果から、組成物中のスピロケタール化合物の配合量が増加するにしたがって、硬化物のTanδの極大値及び弾性率が低下し、体積収縮率が小さくなる傾向が見られた。
【0043】
【発明の効果】
本発明になるスピロケタール化合物及びこれを用いた組成物は、実施例で示したように体積変化率が1〜5体積%と重合による体積変化が極めて小さく、耐加水分解性にも著しく優れる。このスピロケタール化合物又はこれを含有する組成物を成形材料、注型材料、封止材、積層板又は接着剤用の材料として利用した場合、精度、接着力及びその他の特性の向上が期待できるので、電子、電気及び光分野等の広範囲の分野で利用でき、その工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたアルキンジオール化合物1の赤外線吸収スペクトルである。
【図2】実施例1で得られたアルキンジオール化合物1の1H核磁気共鳴スペクトルである。
【図3】実施例1で得られたアルキンジオール化合物1の13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図4】実施例1で得られたスピロケタール化合物1の赤外線吸収スペクトルである。
【図5】実施例1で得られたスピロケタール化合物1の1H核磁気共鳴スペクトルである。
【図6】実施例1で得られたスピロケタール化合物1の13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図7】実施例2で得られたアルキンジオール化合物2の赤外線吸収スペクトルである。
【図8】実施例2で得られたアルキンジオール化合物2の1H核磁気共鳴スペクトルである。
【図9】実施例2で得られたアルキンジオール化合物2の13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図10】実施例2で得られたスピロケタール化合物2の赤外線吸収スペクトルである。
【図11】実施例2で得られたスピロケタール化合物2の1H核磁気共鳴スペクトルである。
【図12】実施例2で得られたスピロケタール化合物2の13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図13】実施例3で得られたスピロケタール化合物3の赤外線吸収スペクトルである。
【図14】実施例3で得られたスピロケタール化合物3の1H核磁気共鳴スペクトルである。
【図15】実施例3で得られたスピロケタール化合物3の13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図16】実施例4で得られたスピロケタール化合物4の赤外線吸収スペクトルである。
【図17】実施例4で得られたスピロケタール化合物4の1H核磁気共鳴スペクトルである。
【図18】実施例4で得られたスピロケタール化合物4の13C核磁気共鳴スペクトルである。
【図19】実施例5〜7で得られた硬化物の弾性率及びTanδを示す図である。

Claims (12)

  1. 下記一般式(I)で示されるスピロケタール化合物。
    Figure 0004662094
    (ここで、Arは置換又は非置換の炭素数6〜20のアリール基を示す。)
  2. 一般式(I)中のArが置換又は非置換のフェニル基である請求項1記載のスピロケタール化合物。
  3. Arにハロゲン原子、ビニル基及びエポキシ基の少なくとも1種が置換している請求項1又は請求項2記載のスピロケタール化合物。
  4. 置換位置が4位である請求項3記載のスピロケタール化合物。
  5. 下記構造式(II)〜(IV)のいずれかで示される請求項4記載のスピロケタール化合物。
    Figure 0004662094
  6. 下記一般式(V)で示されるアルキンジオール化合物。
    Figure 0004662094
    (ここで、Arは置換又は非置換の炭素数6〜20のアリール基を示す。)
  7. 一般式(V)中のArが置換又は非置換のフェニル基である請求項6記載のアルキンジオール化合物。
  8. Arにハロゲン原子、ビニル基及びエポキシ基の少なくとも1種が置換している請求項6又は請求項7記載のアルキンジオール化合物。
  9. 置換位置が4位である請求項8記載のアルキンジオール化合物。
  10. 請求項6記載のアルキンジオール化合物を二重閉環させることを特徴とする請求項1記載のスピロケタール化合物の製造法。
  11. 一般式(I)中のArがハロゲン原子置換のアリール基である請求項1記載のスピロケタール化合物にビニル誘導体を反応させることを特徴とする下記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物の製造法。
    Figure 0004662094
    (ここで、Arは炭素数6〜20のアリール基を示す。)
  12. 下記一般式(VI)で示されるスピロケタール化合物に酸化剤を反応させることを特徴とする下記一般式(VII)で示されるスピロケタール化合物の製造法。
    Figure 0004662094
    (ここで、Arは炭素数6〜20のアリール基を示す。
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JP2002121275A (ja) * 2000-10-18 2002-04-23 Hitachi Chem Co Ltd スピロケタール化合物の開環重合体、この開環重合体の製造法及びこの開環重合体を用いた組成物

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