JP2002120628A - アシストグリップの取付座 - Google Patents

アシストグリップの取付座

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JP2002120628A JP2000316727A JP2000316727A JP2002120628A JP 2002120628 A JP2002120628 A JP 2002120628A JP 2000316727 A JP2000316727 A JP 2000316727A JP 2000316727 A JP2000316727 A JP 2000316727A JP 2002120628 A JP2002120628 A JP 2002120628A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取付座の仮止め及び本止めを小さな力で簡単
かつ確実に行う。 【解決手段】 ロック部材23の圧入により押し広げら
れて車体開口部p1周縁に係止する一対の係止片19の
一方の係止片19側に仮止め片20を係止片19と分離
独立して設ける。アシストグリップGを車体開口部p1
に取り付ける際、仮止め片20を係止片19と共に車体
開口部p1に挿入して車体開口部p1周縁に係止させ、
取付座3AをインナパネルPに仮止めする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両の車室内に
装備されるアシストグリップの取付座に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両用アシストグリップは、格納タイプ
と固定タイプとに大別される。前者の格納タイプのアシ
ストグリップは、長手方向両端に脚部を有するグリップ
本体と、上記脚部が回動自在に取り付けられた取付座と
を備えていて、車体パネルの車体開口部に上記取付座を
取り付けた状態で、上記グリップ本体を格納位置と使用
位置との間で回動させるようになっている。
【0003】このような格納タイプのアシストグリップ
として、アシストグリップを車体開口部に簡単かつ迅速
に取り付けるために、例えば米国特許第4,981,3
22号公報に開示されているようなアシストグリップが
ある。このアシストグリップでは、取付座本体に貫通孔
が形成され、先端に係止爪を有する一対の係止片が上記
取付座本体裏面の貫通孔周りに突設されている。
【0004】このアシストグリップを車体パネルの車体
開口部に取り付ける要領は、取付座を車体開口部に対応
させて一対の係止片を車体開口部に挿入するとともに、
取付座本体を車体開口部周縁に表側から当接させ、ロッ
ク部材を取付座本体の貫通孔に表側から挿入した状態
で、グリップ本体を格納方向に回動させることで上記ロ
ック部材を取付座本体の貫通孔から係止片間に圧入し、
ロック部材で上記係止片間を押し広げることにより、各
々の係止片の係止爪部を車体開口部周縁に裏側から係止
させて上記取付座本体と係止爪とで車体パネルを挟持す
るようになっている。
【0005】後者の固定タイプのアシストグリップは、
グリップ本体両端の脚部下端が取付座に回動不能に取り
付けられた一体物であり、取付座を介して車体パネルの
車体開口部に取り付けられた状態で動かないようになっ
ている。この固定タイプのアシストグリップにおいて
も、上述の如き構造の取付座及びロック部材を採用した
ものがあり、この場合には、格納タイプとは異なり人が
圧入治具を用いてロック部材を取付座本体の貫通孔から
係止片間に圧入することになるが、格納タイプと同様の
係止機構によりアシストグリップが車体開口部に取り付
けられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
アシストグリップの取付座においては、アシストグリッ
プを車体開口部に取り付けようにして取付座の係止片を
車体開口部に挿入した際、この状態で取付座が車体開口
部から離脱しないように係止片の係止爪部を車体開口部
周縁に係止させて仮止めを行うようにすることが取付作
業をスムーズに行う観点から望ましい。
【0007】そのためには、ロック部材で一対の係止片
間を押し広げていない自由状態で、一対の係止片の係止
爪部間の距離が車体開口部の開口幅よりも長くなってい
なければならない。
【0008】このように構成すれば、係止片を車体開口
部に挿入する際、係止爪部を車体開口部周縁に摺接させ
ながら一対の係止片を互いに接近する方向に移動させて
係止片間を狭めることで車体開口部を通過させ、通過後
はその復元力で係止片間が広がって係止爪部が車体開口
部周縁に係止して仮止めが行われることになる。
【0009】しかし、係止片は取付強度を確保する必要
から剛性がかなり高くなっているため、上述の如くして
仮止めを行うと、係止片を車体開口部に挿入するのにか
なり強い力が必要になって作業能率の低下を招く。ま
た、仮止め後に取付座を完全に固定する本止めをするた
めにロック部材を係止片間に圧入する際にも、係止片の
剛性が高いため、ロック部材の圧入にかなり強い力が必
要になって作業能率の低下を招く。
【0010】さりとて、係止片の剛性を低くすると、係
止片の挿入やロック部材の圧入を容易に行うことができ
るものの、取付座の仮止め性や取付強度が低下すること
になる。
【0011】この発明はかかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、取付座の仮止め及び
本止めを小さな力で簡単かつ確実に行うことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明は、係止片とは別に専用の仮止め片を設け
たことを特徴とする。
【0013】具体的には、この発明は、長手方向両端に
脚部を有するグリップ本体と、上記脚部が回動自在に又
は回動不能に設けられた取付座本体を有し、上記グリッ
プ本体の長手方向に沿って延びる一対の係止片が上記取
付座本体に設けられた取付座と、上記一対の係止片間に
圧入され、該係止片を互いに離れる方向に移動させてそ
の姿勢をロック保持するロック部材とを備えたアシスト
グリップにおいて、該アシストグリップを車体パネルの
車体開口部に取り付ける際、上記一対の係止片を車体開
口部に挿入して上記ロック部材を係止片間に圧入するこ
とにより、互いに離れる方向に移動した係止片を車体開
口部周縁に係止保持させるようにしたアシストグリップ
の取付座を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0014】すなわち、請求項1に記載の発明は、上記
取付座本体において一対の係止片のうち少なくとも一方
の係止片側には、該係止片と分離独立した仮止め片が設
けられ、該仮止め片は、アシストグリップを車体パネル
の車体開口部に取り付ける際、上記係止片と共に車体開
口部に挿入されて該車体開口部周縁に係止し、上記取付
座を車体パネルに仮止めするようになっていることを特
徴とする。
【0015】上記の構成により、請求項1に記載の発明
では、仮止め片により取付座の仮止めが行われることか
ら、一対の係止片は本止め機能だけあればよく、よっ
て、係止片を車体開口部に挿入する際、係止片が車体開
口部周縁に接触しないか、接触してもほんの僅かしか接
触しないようにしておけば、係止片には挿入時の抵抗が
ほとんど掛からず、専ら挿入時の抵抗が掛かるのは上記
仮止め片である。したがって、この仮止め片は、その機
能からして係止片に比べて小さい形状でよく、よって剛
性が高くても、専用の仮止め片がなく係止片全体で仮止
めする場合に比べて撓み易く、小さな挿入力で取付座が
簡単にしかも確実に仮止めされて作業能率が高まる。
【0016】また、一対の係止片は、仮止め後の本止め
時に、ロック部材が圧入されて互いに離れる方向に移動
し、これにより初めて車体開口部周縁に係止する。この
際、上記仮止め片は仮止め機能だけあればよく、よっ
て、ロック部材を圧入する際、ロック部材が仮止め片に
接触しないか、接触してもほんの僅かしか接触しないよ
うにしておけば、仮止め片には圧入時の抵抗がほとんど
掛からず、専ら圧入時の抵抗が掛かるのは上記係止片で
ある。したがって、この係止片は、仮止め片がなく係止
片だけの場合に比べて仮止め片の分だけ小型化され、よ
って剛性が高くても撓み易く、小さな圧入力で取付座が
簡単にしかも確実に本止めされて作業能率が高まる。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、一対の係止片のうち少なくとも一方の
係止片には、車体開口部周縁に係止する係止爪部が係止
片の長手方向に沿って延びるようにかつ係止片の長手方
向と直交する方向に突出するように設けられ、仮止め片
には、車体開口部周縁に係止する仮止め爪部が上記係止
爪部と同じ方向に突出するように設けられていることを
特徴とする。
【0018】上記の構成により、請求項2に記載の発明
では、係止片の係止爪部と仮止め片の仮止め爪部との位
置関係の一形態が具体化される。
【0019】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、一対の係止片のうち少なくとも一方の
係止片には、車体開口部周縁に係止する係止爪部が係止
片の長手方向に沿って延びるようにかつ係止片の長手方
向と直交する方向に突出するように設けられ、仮止め片
には、車体開口部周縁に係止する仮止め爪部が上記一方
の係止片の長手方向に突出するように設けられているこ
とを特徴とする。
【0020】上記の構成により、請求項3に記載の発明
では、係止片の係止爪部と仮止め片の仮止め爪部との位
置関係の別の形態が具体化される。
【0021】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載の発明において、ロック部材には、
アシストグリップを車体開口部に取り付けた状態で、仮
止め片の背面に当接して該仮止め片の反係止方向への移
動を阻止するストッパー部が設けられていることを特徴
とする。
【0022】上記の構成により、請求項4に記載の発明
では、仮止め片にも本止め機能が付加され、取付座の取
付強度が増す。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面に基づいて説明する。
【0024】(実施の形態1)図1〜7は格納タイプの
車両用アシストグリップGを示す。このアシストグリッ
プGは、PP(ポリプロピレン)等を原料にして成形さ
れた樹脂製の長尺状グリップ本体1と、POM(ポリア
セタール)等を原料にして成形されたこの発明の実施の
形態1に係る樹脂製の取付座3A,3Bとを備え、これ
らグリップ本体1と取付座3A,3Bとは別体物であ
る。上記グリップ本体1は断面略コの字形をしていて長
手方向両端に脚部5を有し、一方(図7左側)の脚部5
が取付座3Aに、他方(図7右側)の脚部5が別の取付
座3Bにそれぞれ回動自在に取り付けられている。な
お、取付座3Aと取付座3Bとはヒンジ構造が異なる
(図7参照)が、後述する特徴部分は共通するので、共
通するところの取付座3Bの説明は取付座3Aの説明を
もって代用する。
【0025】上記アシストグリップGは、上記2つの取
付座3A,3Bを介して車体パネルであるインナパネル
Pに取り付けられる。このインナパネルPは車体内装材
である天井材Tで覆われている。上記インナパネルPの
アシストグリップ取付箇所には矩形の車体開口部p1
が、上記天井材Tのアシストグリップ取付箇所には上記
車体開口部p1よりも大きな矩形の開口部t1がそれぞ
れアシストグリップGの2つの脚部5の間隔に対応して
1つずつ形成されている。上記取付座3A,3Bは上記
インナパネルPの2つの車体開口部p1にそれぞれ取り
付けられるようになっており、この取付け状態で、グリ
ップ本体1を格納位置と使用位置との間で回動させるよ
うになっている。ここで、格納位置とは、図12のよう
にグリップ本体1が上側(図12左側)に向いて略鉛直
面になっている天井材Tに沿った状態をいい、使用位置
とは、図11のようにグリップ本体1が車室内側に向い
て略水平面に沿った状態をいう。
【0026】上記グリップ本体1の脚部5背面(アシス
トグリップ格納状態で天井材Tに対向する面)には、脚
部5下端から上側に向かって略矩形状に凹設された収納
凹部7が形成され、アシストグリップ格納状態で、取付
座3A,3Bの天井材Tから車室内側に突出する後述す
る取付座本体9を上記収納凹部7に収納して脚部5が取
付座3A,3Bに干渉しないようになっている。図6に
示すように、上記脚部5下端は左右2箇所で矩形に切り
欠かれ、グリップ本体1の使用位置での水平姿勢を保持
する回り止めとしての当たり部7bを上記切欠部で構成
している。また、この2つの当たり部7b間の脚部5下
端部分は、収納凹部7開口側に回り込んで後述するロッ
ク部材23を該ロック部材23の反挿入方向に移動させ
る移動当て部7cを構成している。これらの構造に関し
ては左右の脚部5で共通していることであるが、グリッ
プ本体1を取付座3A,3Bに回動自在に取り付けるヒ
ンジ構造に関しては左右の脚部5で若干異なっている。
【0027】すなわち、左右の脚部5では、収納凹部7
の左右方向に対向する2つの側面7dが軸受部の役目を
なし、そのうち一方(図7左側)の脚部5の2つの側面
7dには、貫通孔である軸受孔7eが対向して形成さ
れ、他方(図7右側)の脚部5の2つの側面7dには、
貫通孔である大径のスペーサ嵌着孔7fと有底穴である
小径の軸受穴7gとが対向して形成されている。
【0028】一方、上記取付座3A,3Bのうち図7左
側の取付座3Aは、図1に示すように、車室内側に突出
する取付座本体9を備え、この取付座本体9は、底壁9
aと周壁9bとで矩形箱形形状に形成され、周壁9b内
には車室内側に開口する凹部9cが形成されている。上
記取付座本体9の一辺(図1右辺)を構成する周壁9b
下端には、上記脚部5の移動当て部7cが進入する進入
口9dが形成されているとともに、この進入口9dの両
サイドの開口辺を上記脚部5の当たり部7bが当接する
ストッパ9eとし、このストッパ9eに当たり部7bが
当接することでグリップ本体1がそれ以上回動しないよ
うに回動規制されてグリップ本体1を使用位置に水平姿
勢に保持するようになっている(図11参照)。
【0029】図5にも示すように、上記底壁9aの一端
側(図1左側,図5上側)には、上方から見て「く」の
字形のロック部材落込み防止用の突片9fが2つ並設さ
れ、その側方(図1右側,図5下側)には、側方から見
て略三角形のロック部材落込み防止用の突片9gが上記
突片9fと間隔をあけて2つ並設されている。また、こ
の突片9f,9gのうち図1右側(図5下側)の突片9
gは、進入口9d側が傾斜面に形成されていて、ロック
部材23の後述する移動補助片27aを図1において上
方へ移動させる際、該移動補助片27aをスムーズに移
動させるためのガイドの役目をもするようになってい
る。
【0030】図7左側の取付座3Aは、図1において取
付座本体9の上記進入口9d上側で側方に突出する周壁
9b部分を回動支持部11とし、この回動支持部11
は、図5において左右一対の軸受部11aと、この2つ
の軸受部11aを連結する連結部11bとで構成されて
いる。上記2つの軸受部11aには軸孔11cがそれぞ
れ形成され、この2つの軸孔11cに軸13を嵌挿して
その両端を脚部5の左右2つの軸受孔7eに挿入し、グ
リップ本体1を取付座本体9に回動自在に支持するよう
になっている。上記軸13には捻りコイルバネ15が介
装されている。この捻りコイルバネ15は一端が回動支
持部11の連結部11bに取り付けられ、図示しないが
他端は脚部5下端に取り付けられていて、この捻りコイ
ルバネ15の捩り力により、上記グリップ本体1を使用
位置から格納位置に向かうように回動付勢し、アシスト
グリップ格納状態で上記収納凹部7に取付座本体9が収
納されるようになっている(図12参照)。
【0031】上記取付座本体9の凹部9cは仕切壁9h
で2分割され、この仕切壁9hの一方側(図1右側,図
5下側)に上記回動支持部11が設けられている。ま
た、仕切壁9hの他方側(図1左側,図5上側)の底壁
9aには、底壁9aの突片9f,9g間を表側から裏側
へ(図1において上側から下側へ)向けて貫通する矩形
の貫通孔17が形成されている。上記取付座本体9の底
壁9a裏面の貫通孔17周りには、上記インナパネルP
の車体開口部p1に挿入されて車体開口部p1周縁に係
止する一対の係止片19が、上記グリップ本体1の長手
方向に沿って延びるように対向して突設され(図2,図
8〜12参照)、該係止片19先端には、インナパネル
Pの車体開口部p1周縁に裏側から係止して取付座本体
9のインナパネルPからの抜けを防止する係止爪部19
aが、係止片19の長手方向に沿って延びるようにかつ
係止片19の長手方向と直交する方向(貫通孔17の外
側方)に突出するように形成されている。また、上記係
止片19のうち一方(図1右側)の係止片19の係止爪
部19a背面には、ロック部材23のロック保持用突起
19bが突設されている。さらに、上記取付座本体9の
底壁9a裏面において係止片19の外側方には、2つの
当接片21が突設され、アシストグリップ取付け状態で
この当接片21がインナパネルPの車体開口部p1周縁
に表側から当接するようになっている。
【0032】図2に示すように、上記一対の係止片19
のうち一方(図2左側)の係止片19は、他方の(図2
右側)の係止片19よりもグリップ本体1の長手方向の
寸法が短く形成されている。この一対の係止片19と車
体開口部p1とは、係止片19を車体開口部p1に挿入
する際、係止片19に挿入時の抵抗がほとんど掛からな
いように係止片19の係止爪部19aが車体開口部p1
周縁に接触しないか、接触してもほんの僅かしか接触し
ないような位置関係になっている。
【0033】この実施の形態1の特徴として、上記取付
座本体9において上記一方(図2左側)の短い係止片1
9側には、該係止片19と分離独立した仮止め片20が
突設され、上記仮止め片20には、インナパネルPの車
体開口部p1周縁に裏側から係止する仮止め爪部20a
が上記係止爪部19aと同じ方向に突出するように形成
されている。つまり、この仮止め片20は、アシストグ
リップGの取付中心(車体開口部p1の中心)C1に対
してグリップ本体1の回動中心C2と反対側に設けられ
ている。また、この仮止め爪部20aは、車体開口部p
1周縁から外側方に延出して車体開口部p1周りとオー
バーラップするようになっている(図2参照)。そし
て、上記仮止め片20は、アシストグリップGをインナ
パネルPの車体開口部p1に取り付ける際、上記係止片
19と共に車体開口部p1に挿入され、仮止め爪部20
aを車体開口部p1周縁に摺接させながら車体開口部p
1内側に移動させて車体開口部p1を通過し、通過後は
その復元力で車体開口部p1周りとオーバーラップした
位置に復帰して車体開口部p1周縁に裏側から係止し
て、取付座3A,3BをインナパネルPに仮止めするよ
うになっている(図1,図10参照)。
【0034】上記一対の係止片19は、樹脂製ロック部
材23によって互いに離れる方向に移動して押し広げら
れるようになっている。このロック部材23は、板状軸
部25と、この軸部25基端に一体に形成された矩形の
キャップ部27と、上記軸部25先端にグリップ本体1
の長手方向に間隔をあけて一体に形成された3つの張出
部29a,29b,29c(図3参照)とで構成されて
いる。これら張出部29a,29b,29cのうち図3
で下端の張出部29aは、一対の係止片19に対応して
両側に張り出し、その横幅は係止片19間の距離よりも
長くなっている。つまり、この張出部29aと一対の係
止片19とは、係止片19を押し広げていない自由状態
でオーバーラップするような位置関係になっている(図
3参照)。
【0035】図3で上端の張出部29bは上記下端の張
出部29aと同じ形状であり、図3で右側の係止片19
及び左側の仮止め片20に対応して両側に張り出してい
る。つまり、この張出部29bと図3で右側の係止片1
9とは、下端の張出部29aと同様、係止片19を押し
広げていない自由状態でオーバーラップするような位置
関係になっているとともに、張出部29bと仮止め片2
0とは、接触しないか、接触してもほんの僅かしか接触
しないような位置関係になっている(図3参照)。
【0036】図3で中程の張出部29cは図3で下端及
び上端の張出部29a,29bの半分の形状であり、図
3で左側の係止片19に対応して片側にのみ張り出して
いる。つまり、この張出部29cと図3左側の係止片1
9とは、係止片19を押し広げていない自由状態でオー
バーラップするような位置関係になっている(図3参
照)。なお、これら張出部29a,29b,29cの上
下端部には、係止片19間への圧入をスムーズに行わせ
るためのガイド面29dが切欠形成されている。
【0037】上記張出部29a,29b,29cのうち
両側に張り出す張出部29a,29bの片側(図1右
側)には、上記係止片19の係止爪部19aにおけるロ
ック保持用突起19bが係止するロック保持用溝29e
が形成されている。一方、上記キャップ部27には、移
動補助片27aが一体に延設され、この移動補助片27
aは薄肉部27bを介してキャップ部27に対して揺動
可能になっている。この移動補助片27aは、ロック部
材23を貫通孔17に挿入する前には、図8に一点鎖線
(最上位置)で示すようにキャップ部27と平行になっ
ており、ロック部材23を貫通孔17に挿入する際に
は、作業者が移動補助片27aを手で押し下げることで
図8に二点鎖線(中間位置)で示すように上記仕切壁9
hに沿い、また、ロック部材23を貫通孔17に完全に
挿入してキャップ部27底面を底壁9aの突片9f,9
gに当接した状態では、図8に実線で示すように突片9
gと仕切壁9hとの間に位置するようになっている。そ
して、アシストグリップGをインナパネルPに取り付け
る際、図11に示すように、上記移動当て部7cは、グ
リップ本体1の使用位置への回動動作により上記移動補
助片27aに当接して上記ロック部材23を該ロック部
材23の反挿入方向に移動するようになっている。
【0038】上記ロック部材23は、取付座3A,3B
が車体組付ラインに搬入される前に予め取付座本体9の
貫通孔17に挿入されて抜け落ちないようになってい
る。つまり、ロック部材23は、グリップ本体1の取付
座3A,3Bへの取付け前に貫通孔17に表側から挿入
されてロック部材23先端の張出部29a,29b,2
9cが一対の係止片19間及び係止片19と仮止め片2
0との間を押し広げながらこれらの間を通過し、このこ
とにより間隔が狭まった係止片19先端により反挿入方
向への移動が規制されて張出部29a,29b,29c
がロック保持用突起19b部分を通過した位置(係止爪
19aの外側)に保持されるようになっている(図8参
照)。また、上述の如くロック部材23が挿入された取
付座本体9、つまり取付座3A,3Bにグリップ本体1
を取り付けたアシストグリップG(図9参照)を車体組
付ラインでインナパネルPに取り付ける際には、上記ロ
ック部材23は、図10に示すように、取付座本体9の
当接片21をインナパネルPの車体開口部孔p1周縁に
表側から当接させた状態で、上記グリップ本体1の使用
位置への回動動作により脚部5の移動当て部7cで移動
補助片27aを移動させることで反挿入方向に移動され
て上記張出部29a,29b,29cが係止片19間及
び係止片19と仮止め片20との間に分け入り、これら
の間を押し広げて係止爪部19aのロック保持用突起1
9bが張出部29a,29bのロック保持用溝29eに
係止する。これにより、張出部29a,29b,29c
がロック位置である係止爪部19a間に保持されて、つ
まりロック部材23がロック状態に保持されて係止片1
9をインナパネルPの車体開口部孔p1周縁に係止保持
するようになっている。また、この状態で、張出部29
bは、仮止め片20の背面に当接して該仮止め片20の
反係止方向への移動を阻止するストッパー部の役目をな
している。
【0039】図7右側の取付座3Bは、グリップ本体1
を回動支持するヒンジ構造が図7左側の取付座3Aと異
なるが、その他の構造については図7左側の取付座3A
と同様である。すなわち、図7右側の取付座3Bでは、
図7右側の脚部5を回動自在に支持する有底筒状の回動
支持部31が取付座本体9に備わっている。この回動支
持部31は奥部(図7左側)に向かって縮径する嵌合穴
31aを有している。この回動支持部31の底面には支
軸31bが外方に向かって突設されているとともに、上
記嵌合穴31a内には先端(図7右側)に向かって縮径
する嵌合軸31cが上記支軸31bと同軸になるように
突設されている。一方、図7右側の脚部5のスペーサ嵌
着孔7fには、先端(図7左側)に向かって縮径するス
ペーサ33基端が嵌着され、このスペーサ33には、奥
部(図7右側)に向かって縮径する嵌合穴33aが先端
から基端に亘って形成されている。このスペーサ33は
上記回動支持部31の嵌合穴31aに隙間をあけて挿入
されているとともに、嵌合穴31aには上記回動支持部
31の嵌合軸31cが隙間をあけて挿入されている。こ
れら2つの隙間は連続して1つの隙間を構成し、この連
続した隙間に例えばシリコン等の高粘度(100000cps 以
上が望ましい)の液体からなる粘性剤(図示せず)が封
入され、グリップ本体1が回動するときの回動抵抗とな
るトルクを発生するダンパが構成されている。このダン
パにより、グリップ本体1が使用位置から格納位置に回
動する際、捻りコイルバネ15の捻り力に抗してゆっく
りと格納位置に戻るようになっている。
【0040】次に、上述の如く構成されたアシストグリ
ップGをインナパネルPに取り付ける要領について図8
〜12を参照しつつ説明する。
【0041】まず、ロック部材23のキャップ部27の
移動補助片27aを図8一点鎖線の状態から図8二点鎖
線の状態へと薄肉部27bのところで挿入方向に倒し、
この状態からロック部材23を取付座本体9の貫通孔1
7に表側から挿入し、キャップ部27裏面が突片9f,
9gに当接するまで押し込む。この間、一対の係止片1
9の外側には何ら規制物がないため、ロック部材23の
張出部29a,29b,29cが一対の係止片19間及
び係止片19と仮止め片20との間を押し広げながらロ
ック位置である係止爪部19a間を通過して係止爪部1
9a先端の外側に突出する(図8実線参照)。このと
き、係止片19のロック保持用突起19bが張出部29
a,29bのロック保持用溝29eに瞬間的に嵌り込む
が、挿入力によりこの嵌合が解除されてロック部材23
はさらに挿入される。押し広げられた係止片19は張出
部29a,29bが通過した後、張出部29a,29b
の押圧力から解放されて復元力により元の間隔が狭まっ
た位置に戻る。この状態で、ロック部材23は、キャッ
プ部27裏面が突片9f,9gに当接していることでそ
れ以上挿入方向に移動せず、張出部29a,29b,2
9cが係止爪部19a先端に当接することで反挿入方向
への移動も規制されて張出部29a,29bを係止爪部
19a先端の外側に保持する。
【0042】これにより、ロック部材23を取付座本体
9の貫通孔17から抜け落ちないようにすることがで
き、取付座3A,3Bを車両組立ラインに搬入する前に
ロック部材23を紛失しないようにすることができる。
したがって、部品が不足したり、ロック状態になったロ
ック部材23の困難な引抜き作業をせずに済み、車体組
付けラインに支障を来さないようにすることができる。
【0043】なお、上記移動補助片27aは、ロック部
材23が挿入するにつれて仕切壁9hに沿って移動し、
仕切壁9hと突片9gとの間に臨む。
【0044】次いで、上述の如くしてロック部材23が
取付座本体9に組み付けられた取付座3A,3Bにグリ
ップ本体1を取り付けて図9の如くアシストグリップG
を構成する。図8〜12の取付座3Aは図7左側のもの
であり、したがって、図9では、回動支持部11の軸1
3に捻りコイルバネ15が装着されている。図7右側の
取付座3Bでは、スペーサ33が回動支持部31に挿入
されてダンパ機能を備えている。この状態で、グリップ
本体1は捻りコイルバネ15の捻り力により取付座3
A,3Bに対し格納姿勢をとっている(図9参照)。
【0045】その後、図10に示すように、アシストグ
リップGの取付座3A,3Bを天井材Tの開口部t1に
挿入して取付座本体9の当接片21をインナパネルPの
車体開口部p1周縁に表側から当接させるとともに、一
対の係止片19を車体開口部p1に挿入する。この際、
ロック部材23の張出部29a,29b,29cが係止
片19間及び係止片19と仮止め片20との間を通過し
て係止片19は張出部29a,29b,29cの押圧力
は受けていないので、係止片19の係止爪部19a間及
び係止爪部19aと仮止め片20の仮止め爪部20aと
の間は狭まっていて係止片19が車体開口部p1周縁に
接触しないか、接触してもほんの僅かしか接触しないよ
うになっている。また、係止片19を車体開口部p1に
挿入する際、仮止め片20の仮止め爪部20aが車体開
口部p1周縁を摺接して車体開口部p1内側に移動して
車体開口部p1を通過し、通過後はその復元力で車体開
口部p1周りとオーバーラップした位置に復帰して車体
開口部p1周縁に裏側から係止し、取付座3A,3Bを
インナパネルPに仮止めする。
【0046】このように、一対の係止片19を車体開口
部p1に挿入する際、係止片19が車体開口部p1周縁
に接触しないか、接触してもほんの僅かしか接触しない
ようにしていることから、係止片19には挿入時の抵抗
がほとんど掛からず、専ら挿入時の抵抗が掛かるのは形
状の小さな仮止め片20である。したがって、この仮止
め片20の剛性が高くても、専用の仮止め片がなく係止
片全体で仮止めする場合に比べて仮止め片20は撓み易
く、小さな挿入力で取付座3A,3Bを簡単にしかも確
実に仮止めして作業能率を高めることができる。
【0047】また、この仮止めにより、取付座3A,3
BのインナパネルPからの離脱を防止していることか
ら、アシストグリップGをインナパネルPに固定する
際、離脱を気にすることなくアシストグリップGのイン
ナパネルPへの取付作業をスムーズに行うことができ
る。
【0048】しかる後、図11に示すように、グリップ
本体1を使用位置に回動させる。この回動動作により脚
部5の移動当て部7cが取付座本体9の進入口9dに進
入し、ロック部材23の移動補助片27aをロック部材
23の反挿入方向へ移動させる。この際、ロック部材2
3の移動補助片27aが突片9gの傾斜面に案内されて
スムーズに移動するとともに、移動当て部7cが移動補
助片27aから外れないようになっている。
【0049】また、ロック部材23の反挿入方向への移
動により、ロック部材23の張出部29a,29b,2
9cが係止片19間及び係止片19と仮止め片20との
間に分け入ってこれらの間を押し広げ、係止片19のロ
ック保持用突起19bが張出部29a,29bのロック
保持用溝29eに係止して張出部29a,29b,29
cをロック位置である係止爪部19a間及び係止爪部1
9aと仮止め爪部20aとの間に保持し、係止片19の
係止爪部19aを車体開口部p1周りに係止保持させ
る。この際、ロック部材23は仮止め片20に接触しな
いか、接触してもほんの僅かしか接触しないので、仮止
め片20には圧入時の抵抗がほとんど掛からず、専ら圧
入時の抵抗が掛かるのは係止片19である。したがっ
て、係止片19を仮止め片がなく係止片だけの場合に比
べて小さくなった分だけ剛性が高くても撓み易くするこ
とができ、小さな圧入力で取付座3A,3Bを簡単にし
かも確実に本止めして作業能率を高めることができる。
【0050】さらに、仮止め片20をアシストグリップ
Gの取付中心(車体開口部p1の中心)C1に対してグ
リップ本体1の回動中心C2と反対側に設けているの
で、取付座3A,3BをインナパネルPに仮止めした状
態からグリップ本体1を使用位置に回動した際、仮止め
片20の仮止め爪部20aがインナパネルP裏面に押し
付けられるため、仮止め片20が車体開口部p1周縁か
ら外れず、アシストグリップGを車体開口部p1に確実
に取り付けることができる。
【0051】その後はグリップ本体1を離すことでグリ
ップ本体1が捻りコイルバネ15の捻り力とダンパ機能
とにより図12のような格納位置に戻る。この状態から
グリップ本体1を再度使用位置に回動しても、脚部5の
移動当て部7cがロック部材23の移動補助片27aを
ロック部材23の反挿入方向へ移動させることがなく、
ロック部材23が外れたり、ロック部材23によりグリ
ップ本体1の回動が支障となることがない。
【0052】したがって、グリップ本体1を使用位置に
回動させるだけで、ロック部材23の張出部29a,2
9b,29cを自動的にロック位置(係止爪部19a間
及び係止爪部19aと仮止め爪部20aとの間)に押し
込んで係止片19間を押し広げ、係止片19を車体開口
部p1周縁に係止させることができるので、アシストグ
リップGをインナパネルPにワンタッチで簡単に取り付
けることができる。また、アシストグリップGを構成す
るグリップ本体1とロック部材23付きの取付座3A,
3Bだけあればよく、これ以外に他の取付治具や部品が
いらず経済的なものとすることができる。
【0053】(実施の形態2)図13〜18は実施の形
態2に係る取付座3A,3Bが適用されたアシストグリ
ップGを示す。本例では、仮止め片20の仮止め爪部2
0aが係止片19の長手方向に突設されていること、ロ
ック部材23には、アシストグリップGを車体開口部p
1に取り付けた状態で、仮止め片20の背面に当接して
該仮止め片20の反係止方向への移動を阻止するストッ
パー部29fが張出部29bに延出していること、及び
取付座本体9の一方の突片9fには、ロック部材23を
貫通孔17に挿入する際に上記ストッパー部29fが干
渉しないようにスリット9jが形成されていることが実
施の形態1と異なるのみで、その他の構成については実
施の形態1と同様に構成されている。
【0054】したがって、本例では、実施の形態1と同
様の作用効果を奏することができる。
【0055】なお、上記の各実施形態では、仮止め片2
0を一対の係止片19の片側にのみ設けた場合を例示し
たが、両側に設ければ仮止め性を向上させることができ
る。
【0056】さらに、上記の各実施形態では、一対の係
止片19の双方に係止爪部19aを突設したが、いずれ
か一方の係止片19にだけ係止爪部19aを突設すると
ともに、他方の係止片19には係止溝部を形成し、この
係止溝部に車体開口部p1周縁を嵌め込んで係止させる
ようにしてもよい。
【0057】また、上記の実施形態では、係止片19の
係止爪部19aのロック保持用突起19bをロック部材
23の張出部29a,29bのロック保持用溝29eに
係止させることで、ロック部材23の張出部29a,2
9b,29cをロック位置(係止爪部19a間及び係止
爪部19aと仮止め爪部20aとの間)に保持するよう
にしたが、係止爪部を有する抜止め(ロック保持用)片
をロック部材23のキャップ部27に設け、取付座本体
9の周壁9bに形成した係止窓(ロック保持用窓)に上
記抜止め片の係止爪を係止させることで、ロック部材2
3の張出部29a,29b,29cをロック位置(係止
爪部19a間及び係止爪部19aと仮止め爪部20aと
の間)に保持するようにしてもよい。
【0058】さらに、ロック部材23の移動補助片27
a端部とグリップ本体1の脚部5の移動当て部7c端部
との一方に凹部を設けるとともに他方に凸部を設けて、
両者を凹凸嵌合させるようにすれば、ロック部材23を
反挿入方向に移動させる際に、移動当て部7cが移動補
助片27aから外れず、ロック部材23を確実にロック
位置まで移動させることができる。
【0059】加えて、上記の各実施形態では、グリップ
本体1の使用位置への回動動作に連動してロック部材2
3をインナパネルPの裏側から表側に向かって移動させ
ることで、ロック部材23をロック位置に保持するよう
にしたが、これとは逆に、従来例のようにグリップ本体
1の格納位置への回動動作に連動してロック部材23を
インナパネルPの表側から裏側に向かって移動させるこ
とで、ロック部材23をロック位置に保持するようにし
てもよい。また、上記の各実施形態の如き脚部が回動自
在に設けられた格納タイプのアシストグリップ以外に、
脚部が回動不能に設けられた固定タイプのアシストグリ
ップにも適用することができるものであり、この場合に
は、格納タイプとは異なり人が圧入治具を用いてロック
部材を取付座本体の貫通孔から係止片間に圧入すればよ
い。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、一対の係止片のうち少なくとも一方の係止片側に該
係止片と分離独立した仮止め片を設け、該仮止め片を上
記係止片と共に車体開口部に挿入して該車体開口部周縁
に係止させて取付座を車体パネルに仮止めするようにし
たので、挿入抵抗が専ら仮止め片に掛かるようにして係
止片には車体開口部への挿入抵抗がほとんど掛からない
ようにすることで、仮止め作業を簡単かつ確実に行うこ
とができる。また、圧入抵抗が専ら係止片に掛かるよう
にして仮止め片にはロック部材の圧入抵抗がほとんど掛
からないようにすることで、小さな圧入力で本止め作業
を簡単かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るアシストグリップの取付座
において図2のI−I線にて切断した断面構成をし、か
つ図10に対応する図である。
【図2】係止片、仮止め片及び車体開口部の位置関係を
示す図1のII−II線における断面図である。
【図3】係止片、仮止め片及びロック部材の位置関係を
示す図1のII−II線における断面図である。
【図4】図2及び図5のA矢視図に相当する取付座の側
面図である。
【図5】実施の形態1に係るアシストグリップの取付座
の平面図である。
【図6】グリップ本体の脚部の底面図である。
【図7】アシストグリップの全体図である。
【図8】取付座にロック部材を取り付ける状態を説明す
るための図2のVIII−VIII線に相当する断面図である。
【図9】図8の取付座にグリップ本体を取り付けた状態
を示す図2のVIII−VIII線に相当する断面図である。
【図10】グリップ本体の使用位置への回動初期状態を
示す図2のVIII−VIII線に相当する断面図である。
【図11】グリップ本体を使用位置に回動させてアシス
トグリップをインナパネルに取り付け完了した状態を示
す図2のVIII−VIII線に相当する断面図である。
【図12】グリップ本体の格納状態を示す図2のVIII−
VIII線に相当する断面図である。
【図13】実施の形態2に係るアシストグリップの取付
座において図16のXIII−XIII線にて切断した断面構成
を示し、かつ図10に対応する図である。
【図14】実施の形態2に係るアシストグリップの取付
座において図16のXIV −XIV 線にて切断した断面構成
を示し、かつ図10に対応する図である。
【図15】図16のB矢視図において仮止め片をロック
部材のストッパー部でバックアップした状態を示す図で
ある。
【図16】係止片、仮止め片及び車体開口部の位置関係
を示す図13のXVI −XVI 線における断面図である。
【図17】係止片、仮止め片及びロック部材の位置関係
を示す図13のXVI −XVI 線における断面図である。
【図18】図16のB矢視図に相当する取付座の側面図
である。
【符号の説明】
1 グリップ本体 3A,3B 取付座 5 脚部 9 取付座本体 19 係止片 19a 係止爪部 20 仮止め片 20a 仮止め爪部 23 ロック部材 29f ストッパー部 G アシストグリップ P インナパネル(車体パネル) p1 車体開口部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月7日(2001.8.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 アシストグリップの取付座
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両の車室内に
装備されるアシストグリップの取付座に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両用アシストグリップは、格納タイプ
と固定タイプとに大別される。前者の格納タイプのアシ
ストグリップは、長手方向両端に脚部を有するグリップ
本体と、上記脚部が回動自在に取り付けられた取付座と
を備えていて、車体パネルの車体開口部に上記取付座を
取り付けた状態で、上記グリップ本体を格納位置と使用
位置との間で回動させるようになっている。
【0003】このような格納タイプのアシストグリップ
として、アシストグリップを車体開口部に簡単かつ迅速
に取り付けるために、例えば米国特許第4,981,3
22号公報に開示されているようなアシストグリップが
ある。このアシストグリップでは、取付座本体に貫通孔
が形成され、先端に係止爪を有する一対の係止片が上記
取付座本体裏面の貫通孔周りに突設されている。
【0004】このアシストグリップを車体パネルの車体
開口部に取り付ける要領は、取付座を車体開口部に対応
させて一対の係止片を車体開口部に挿入するとともに、
取付座本体を車体開口部周縁に表側から当接させ、ロッ
ク部材を取付座本体の貫通孔に表側から挿入した状態
で、グリップ本体を格納方向に回動させることで上記ロ
ック部材を取付座本体の貫通孔から係止片間に圧入し、
ロック部材で上記係止片間を押し広げることにより、各
々の係止片の係止爪部を車体開口部周縁に裏側から係止
させて上記取付座本体と係止爪とで車体パネルを挟持す
るようになっている。
【0005】後者の固定タイプのアシストグリップは、
グリップ本体両端の脚部下端が取付座に回動不能に取り
付けられた一体物であり、取付座を介して車体パネルの
車体開口部に取り付けられた状態で動かないようになっ
ている。この固定タイプのアシストグリップにおいて
も、上述の如き構造の取付座及びロック部材を採用した
ものがあり、この場合には、格納タイプとは異なり人が
圧入治具を用いてロック部材を取付座本体の貫通孔から
係止片間に圧入することになるが、格納タイプと同様の
係止機構によりアシストグリップが車体開口部に取り付
けられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
アシストグリップの取付座においては、アシストグリッ
プを車体開口部に取り付けようにして取付座の係止片を
車体開口部に挿入した際、この状態で取付座が車体開口
部から離脱しないように係止片の係止爪部を車体開口部
周縁に係止させて仮止めを行うようにすることが取付作
業をスムーズに行う観点から望ましい。
【0007】そのためには、ロック部材で一対の係止片
間を押し広げていない自由状態で、一対の係止片の係止
爪部間の距離が車体開口部の開口幅よりも長くなってい
なければならない。
【0008】このように構成すれば、係止片を車体開口
部に挿入する際、係止爪部を車体開口部周縁に摺接させ
ながら一対の係止片を互いに接近する方向に移動させて
係止片間を狭めることで車体開口部を通過させ、通過後
はその復元力で係止片間が広がって係止爪部が車体開口
部周縁に係止して仮止めが行われることになる。
【0009】しかし、係止片は取付強度を確保する必要
から剛性がかなり高くなっているため、上述の如くして
仮止めを行うと、係止片を車体開口部に挿入するのにか
なり強い力が必要になって作業能率の低下を招く。ま
た、仮止め後に取付座を完全に固定する本止めをするた
めにロック部材を係止片間に圧入する際にも、係止片の
剛性が高いため、ロック部材の圧入にかなり強い力が必
要になって作業能率の低下を招く。
【0010】さりとて、係止片の剛性を低くすると、係
止片の挿入やロック部材の圧入を容易に行うことができ
るものの、取付座の仮止め性や取付強度が低下すること
になる。
【0011】この発明はかかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、取付座の仮止め及び
本止めを小さな力で簡単かつ確実に行うことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明は、係止片とは別に専用の仮止め片を設け
たことを特徴とする。
【0013】具体的には、この発明は、長手方向両端に
脚部を有するグリップ本体と、上記脚部が回動自在に又
は回動不能に設けられた取付座本体と、該取付座本体よ
り突設され且つ上記グリップ本体の長手方向に延びる一
対の対向する係止片とを有する取付座と、上記一対の係
止片間に圧入され、該係止片を互いに離れる方向に移動
させてその姿勢をロック保持するロック部材とを備え、
記一対の係止片を車体パネルの車体開口部に挿入して
上記ロック部材を係止片間に圧入することにより、互い
に離れる方向に移動した係止片を車体開口部周縁に係止
保持させて取付座を車体パネルに取付けるようにしたア
シストグリップの取付座を対象とし、次のような解決手
段を講じた。
【0014】すなわち、請求項1に記載の発明は、上記
取付座本体において一対の係止片のうち少なくとも一方
の係止片側には、該係止片と分離独立した仮止め片が設
けられ、該仮止め片は、アシストグリップを車体パネル
の車体開口部に取り付ける際、上記係止片と共に車体開
口部に挿入されてロック部材が非ロック位置にあるとき
に該車体パネルの車体開口部周縁に係止し、上記取付座
を車体パネルに仮止めするようになっていることを特徴
とする。
【0015】上記の構成により、請求項1に記載の発明
では、仮止め片により取付座の車体パネルへの仮止めが
行われることから、一対の係止片は本止め機能だけあれ
ばよく、よって、係止片を車体開口部に挿入する際、係
止片が車体開口部周縁に接触しないか、接触してもほん
の僅かしか接触しないようにしておけば、係止片には挿
入時の抵抗がほとんど掛からず、専ら挿入時の抵抗が掛
かるのは上記仮止め片である。したがって、この仮止め
片は、その機能からして係止片に比べて小さい形状でよ
く、よって剛性が高くても、専用の仮止め片がなく係止
片全体で仮止めする場合に比べて撓み易く、小さな挿入
力で取付座が簡単にしかも確実に仮止めされて作業能率
が高まる。
【0016】また、一対の係止片は、仮止め後の本止め
時に、ロック部材が圧入されて互いに離れる方向に移動
し、これにより初めて車体開口部周縁に係止する。この
際、上記仮止め片は仮止め機能だけあればよく、よっ
て、ロック部材を圧入する際、ロック部材が仮止め片に
接触しないか、接触してもほんの僅かしか接触しないよ
うにしておけば、仮止め片には圧入時の抵抗がほとんど
掛からず、専ら圧入時の抵抗が掛かるのは上記係止片で
ある。したがって、この係止片は、仮止め片がなく係止
片だけの場合に比べて仮止め片の分だけ小型化され、よ
って剛性が高くても撓み易く、小さな圧入力で取付座が
簡単にしかも確実に本止めされて作業能率が高まる。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、一対の係止片のうち少なくとも一方の
係止片には、車体開口部周縁に係止する係止爪部が係止
片の長手方向に沿って延びるようにかつ係止片の長手方
向と直交する方向に突出するように設けられ、仮止め片
には、車体開口部周縁に係止する仮止め爪部が上記係止
爪部と同じ方向に突出するように設けられていることを
特徴とする。
【0018】上記の構成により、請求項2に記載の発明
では、係止片の係止爪部と仮止め片の仮止め爪部との位
置関係の一形態が具体化される。
【0019】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、一対の係止片のうち少なくとも一方の
係止片には、車体開口部周縁に係止する係止爪部が係止
片の長手方向に沿って延びるようにかつ係止片の長手方
向と直交する方向に突出するように設けられ、仮止め片
には、車体開口部周縁に係止する仮止め爪部が上記一方
の係止片の長手方向に突出するように設けられているこ
とを特徴とする。
【0020】上記の構成により、請求項3に記載の発明
では、係止片の係止爪部と仮止め片の仮止め爪部との位
置関係の別の形態が具体化される。
【0021】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載の発明において、ロック部材には、
アシストグリップを車体開口部に取り付けた状態で、仮
止め片の背面に当接して該仮止め片の反係止方向への移
動を阻止するストッパー部が設けられていることを特徴
とする。
【0022】上記の構成により、請求項4に記載の発明
では、仮止め片にも本止め機能が付加され、取付座の取
付強度が増す。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面に基づいて説明する。
【0024】(実施の形態1)図1〜7は格納タイプの
車両用アシストグリップGを示す。このアシストグリッ
プGは、PP(ポリプロピレン)等を原料にして成形さ
れた樹脂製の長尺状グリップ本体1と、POM(ポリア
セタール)等を原料にして成形されたこの発明の実施の
形態1に係る樹脂製の取付座3A,3Bとを備え、これ
らグリップ本体1と取付座3A,3Bとは別体物であ
る。上記グリップ本体1は断面略コの字形をしていて長
手方向両端に脚部5を有し、一方(図7左側)の脚部5
が取付座3Aに、他方(図7右側)の脚部5が別の取付
座3Bにそれぞれ回動自在に取り付けられている。な
お、取付座3Aと取付座3Bとはヒンジ構造が異なる
(図7参照)が、後述する特徴部分は共通するので、共
通するところの取付座3Bの説明は取付座3Aの説明を
もって代用する。
【0025】上記アシストグリップGは、上記2つの取
付座3A,3Bを介して車体パネルであるインナパネル
Pに取り付けられる。このインナパネルPは車体内装材
である天井材Tで覆われている。上記インナパネルPの
アシストグリップ取付箇所には矩形の車体開口部p1
が、上記天井材Tのアシストグリップ取付箇所には上記
車体開口部p1よりも大きな矩形の開口部t1がそれぞ
れアシストグリップGの2つの脚部5の間隔に対応して
1つずつ形成されている。上記取付座3A,3Bは上記
インナパネルPの2つの車体開口部p1にそれぞれ取り
付けられるようになっており、この取付け状態で、グリ
ップ本体1を格納位置と使用位置との間で回動させるよ
うになっている。ここで、格納位置とは、図12のよう
にグリップ本体1が上側(図12左側)に向いて略鉛直
面になっている天井材Tに沿った状態をいい、使用位置
とは、図11のようにグリップ本体1が車室内側に向い
て略水平面に沿った状態をいう。
【0026】上記グリップ本体1の脚部5背面(アシス
トグリップ格納状態で天井材Tに対向する面)には、脚
部5下端から上側に向かって略矩形状に凹設された収納
凹部7が形成され、アシストグリップ格納状態で、取付
座3A,3Bの天井材Tから車室内側に突出する後述す
る取付座本体9を上記収納凹部7に収納して脚部5が取
付座3A,3Bに干渉しないようになっている。図6に
示すように、上記脚部5下端は左右2箇所で矩形に切り
欠かれ、グリップ本体1の使用位置での水平姿勢を保持
する回り止めとしての当たり部7bを上記切欠部で構成
している。また、この2つの当たり部7b間の脚部5下
端部分は、収納凹部7開口側に回り込んで後述するロッ
ク部材23を該ロック部材23の反挿入方向に移動させ
る移動当て部7cを構成している。これらの構造に関し
ては左右の脚部5で共通していることであるが、グリッ
プ本体1を取付座3A,3Bに回動自在に取り付けるヒ
ンジ構造に関しては左右の脚部5で若干異なっている。
【0027】すなわち、左右の脚部5では、収納凹部7
の左右方向に対向する2つの側面7dが軸受部の役目を
なし、そのうち一方(図7左側)の脚部5の2つの側面
7dには、貫通孔である軸受孔7eが対向して形成さ
れ、他方(図7右側)の脚部5の2つの側面7dには、
貫通孔である大径のスペーサ嵌着孔7fと有底穴である
小径の軸受穴7gとが対向して形成されている。
【0028】一方、上記取付座3A,3Bのうち図7左
側の取付座3Aは、図1に示すように、車室内側に突出
する取付座本体9を備え、この取付座本体9は、底壁9
aと周壁9bとで矩形箱形形状に形成され、周壁9b内
には車室内側に開口する凹部9cが形成されている。上
記取付座本体9の一辺(図1右辺)を構成する周壁9b
下端には、上記脚部5の移動当て部7cが進入する進入
口9dが形成されているとともに、この進入口9dの両
サイドの開口辺を上記脚部5の当たり部7bが当接する
ストッパ9eとし、このストッパ9eに当たり部7bが
当接することでグリップ本体1がそれ以上回動しないよ
うに回動規制されてグリップ本体1を使用位置に水平姿
勢に保持するようになっている(図11参照)。
【0029】図5にも示すように、上記底壁9aの一端
側(図1左側,図5上側)には、上方から見て「く」の
字形のロック部材落込み防止用の突片9fが2つ並設さ
れ、その側方(図1右側,図5下側)には、側方から見
て略三角形のロック部材落込み防止用の突片9gが上記
突片9fと間隔をあけて2つ並設されている。また、こ
の突片9f,9gのうち図1右側(図5下側)の突片9
gは、進入口9d側が傾斜面に形成されていて、ロック
部材23の後述する移動補助片27aを図1において上
方へ移動させる際、該移動補助片27aをスムーズに移
動させるためのガイドの役目をもするようになってい
る。
【0030】図7左側の取付座3Aは、図1において取
付座本体9の上記進入口9d上側で側方に突出する周壁
9b部分を回動支持部11とし、この回動支持部11
は、図5において左右一対の軸受部11aと、この2つ
の軸受部11aを連結する連結部11bとで構成されて
いる。上記2つの軸受部11aには軸孔11cがそれぞ
れ形成され、この2つの軸孔11cに軸13を嵌挿して
その両端を脚部5の左右2つの軸受孔7eに挿入し、グ
リップ本体1を取付座本体9に回動自在に支持するよう
になっている。上記軸13には捻りコイルバネ15が介
装されている。この捻りコイルバネ15は一端が回動支
持部11の連結部11bに取り付けられ、図示しないが
他端は脚部5下端に取り付けられていて、この捻りコイ
ルバネ15の捩り力により、上記グリップ本体1を使用
位置から格納位置に向かうように回動付勢し、アシスト
グリップ格納状態で上記収納凹部7に取付座本体9が収
納されるようになっている(図12参照)。
【0031】上記取付座本体9の凹部9cは仕切壁9h
で2分割され、この仕切壁9hの一方側(図1右側,図
5下側)に上記回動支持部11が設けられている。ま
た、仕切壁9hの他方側(図1左側,図5上側)の底壁
9aには、底壁9aの突片9f,9g間を表側から裏側
へ(図1において上側から下側へ)向けて貫通する矩形
の貫通孔17が形成されている。上記取付座本体9の底
壁9a裏面の貫通孔17周りには、上記インナパネルP
の車体開口部p1に挿入されて車体開口部p1周縁に係
止する一対の係止片19が、上記グリップ本体1の長手
方向に沿って延びるように対向して突設され(図2,図
8〜12参照)、該係止片19先端には、インナパネル
Pの車体開口部p1周縁に裏側から係止して取付座本体
9のインナパネルPからの抜けを防止する係止爪部19
aが、係止片19の長手方向に沿って延びるようにかつ
係止片19の長手方向と直交する方向(貫通孔17の外
側方)に突出するように形成されている。また、上記係
止片19のうち一方(図1右側)の係止片19の係止爪
部19a背面には、ロック部材23のロック保持用突起
19bが突設されている。さらに、上記取付座本体9の
底壁9a裏面において係止片19の外側方には、2つの
当接片21が突設され、アシストグリップ取付け状態で
この当接片21がインナパネルPの車体開口部p1周縁
に表側から当接するようになっている。
【0032】図2に示すように、上記一対の係止片19
のうち一方(図2左側)の係止片19は、他方の(図2
右側)の係止片19よりもグリップ本体1の長手方向の
寸法が短く形成されている。この一対の係止片19と車
体開口部p1とは、係止片19を車体開口部p1に挿入
する際、係止片19に挿入時の抵抗がほとんど掛からな
いように係止片19の係止爪部19aが車体開口部p1
周縁に接触しないか、接触してもほんの僅かしか接触し
ないような位置関係になっている。
【0033】この実施の形態1の特徴として、上記取付
座本体9において上記一方(図2左側)の短い係止片1
9側には、該係止片19と分離独立した仮止め片20が
突設され、上記仮止め片20には、インナパネルPの車
体開口部p1周縁に裏側から係止する仮止め爪部20a
が上記係止爪部19aと同じ方向に突出するように形成
されている。つまり、この仮止め片20は、アシストグ
リップGの取付中心(車体開口部p1の中心)C1に対
してグリップ本体1の回動中心C2と反対側に設けられ
ている。また、この仮止め爪部20aは、車体開口部p
1周縁から外側方に延出して車体開口部p1周りとオー
バーラップするようになっている(図2参照)。そし
て、上記仮止め片20は、アシストグリップGをインナ
パネルPの車体開口部p1に取り付ける際、上記係止片
19と共に車体開口部p1に挿入され、仮止め爪部20
aを車体開口部p1周縁に摺接させながら車体開口部p
1内側に移動させて車体開口部p1を通過し、通過後は
その復元力で車体開口部p1周りとオーバーラップした
位置に復帰して車体開口部p1周縁に裏側から係止し
て、取付座3A,3BをインナパネルPに仮止めするよ
うになっている(図1,図10参照)。
【0034】上記一対の係止片19は、樹脂製ロック部
材23によって互いに離れる方向に移動して押し広げら
れるようになっている。このロック部材23は、板状軸
部25と、この軸部25基端に一体に形成された矩形の
キャップ部27と、上記軸部25先端にグリップ本体1
の長手方向に間隔をあけて一体に形成された3つの張出
部29a,29b,29c(図3参照)とで構成されて
いる。これら張出部29a,29b,29cのうち図3
で下端の張出部29aは、一対の係止片19に対応して
両側に張り出し、その横幅は係止片19間の距離よりも
長くなっている。つまり、この張出部29aと一対の係
止片19とは、係止片19を押し広げていない自由状態
でオーバーラップするような位置関係になっている(図
3参照)。
【0035】図3で上端の張出部29bは上記下端の張
出部29aと同じ形状であり、図3で右側の係止片19
及び左側の仮止め片20に対応して両側に張り出してい
る。つまり、この張出部29bと図3で右側の係止片1
9とは、下端の張出部29aと同様、係止片19を押し
広げていない自由状態でオーバーラップするような位置
関係になっているとともに、張出部29bと仮止め片2
0とは、接触しないか、接触してもほんの僅かしか接触
しないような位置関係になっている(図3参照)。
【0036】図3で中程の張出部29cは図3で下端及
び上端の張出部29a,29bの半分の形状であり、図
3で左側の係止片19に対応して片側にのみ張り出して
いる。つまり、この張出部29cと図3左側の係止片1
9とは、係止片19を押し広げていない自由状態でオー
バーラップするような位置関係になっている(図3参
照)。なお、これら張出部29a,29b,29cの上
下端部には、係止片19間への圧入をスムーズに行わせ
るためのガイド面29dが切欠形成されている。
【0037】上記張出部29a,29b,29cのうち
両側に張り出す張出部29a,29bの片側(図1右
側)には、上記係止片19の係止爪部19aにおけるロ
ック保持用突起19bが係止するロック保持用溝29e
が形成されている。一方、上記キャップ部27には、移
動補助片27aが一体に延設され、この移動補助片27
aは薄肉部27bを介してキャップ部27に対して揺動
可能になっている。この移動補助片27aは、ロック部
材23を貫通孔17に挿入する前には、図8に一点鎖線
(最上位置)で示すようにキャップ部27と平行になっ
ており、ロック部材23を貫通孔17に挿入する際に
は、作業者が移動補助片27aを手で押し下げることで
図8に二点鎖線(中間位置)で示すように上記仕切壁9
hに沿い、また、ロック部材23を貫通孔17に完全に
挿入してキャップ部27底面を底壁9aの突片9f,9
gに当接した状態では、図8に実線で示すように突片9
gと仕切壁9hとの間に位置するようになっている。そ
して、アシストグリップGをインナパネルPに取り付け
る際、図11に示すように、上記移動当て部7cは、グ
リップ本体1の使用位置への回動動作により上記移動補
助片27aに当接して上記ロック部材23を該ロック部
材23の反挿入方向に移動するようになっている。
【0038】上記ロック部材23は、取付座3A,3B
が車体組付ラインに搬入される前に予め取付座本体9の
貫通孔17に挿入されて抜け落ちないようになってい
る。つまり、ロック部材23は、グリップ本体1の取付
座3A,3Bへの取付け前に貫通孔17に表側から挿入
されてロック部材23先端の張出部29a,29b,2
9cが一対の係止片19間及び係止片19と仮止め片2
0との間を押し広げながらこれらの間を通過し、このこ
とにより間隔が狭まった係止片19先端により反挿入方
向への移動が規制されて張出部29a,29b,29c
がロック保持用突起19b部分を通過した位置(係止爪
19aの外側)に保持されるようになっている(図8参
照)。また、上述の如くロック部材23が挿入された取
付座本体9、つまり取付座3A,3Bにグリップ本体1
を取り付けたアシストグリップG(図9参照)を車体組
付ラインでインナパネルPに取り付ける際には、上記ロ
ック部材23は、図10に示すように、取付座本体9の
当接片21をインナパネルPの車体開口部孔p1周縁に
表側から当接させた状態で、上記グリップ本体1の使用
位置への回動動作により脚部5の移動当て部7cで移動
補助片27aを移動させることで反挿入方向に移動され
て上記張出部29a,29b,29cが係止片19間及
び係止片19と仮止め片20との間に分け入り、これら
の間を押し広げて係止爪部19aのロック保持用突起1
9bが張出部29a,29bのロック保持用溝29eに
係止する。これにより、張出部29a,29b,29c
がロック位置である係止爪部19a間に保持されて、つ
まりロック部材23がロック状態に保持されて係止片1
9をインナパネルPの車体開口部孔p1周縁に係止保持
するようになっている。また、この状態で、張出部29
bは、仮止め片20の背面に当接して該仮止め片20の
反係止方向への移動を阻止するストッパー部の役目をな
している。
【0039】図7右側の取付座3Bは、グリップ本体1
を回動支持するヒンジ構造が図7左側の取付座3Aと異
なるが、その他の構造については図7左側の取付座3A
と同様である。すなわち、図7右側の取付座3Bでは、
図7右側の脚部5を回動自在に支持する有底筒状の回動
支持部31が取付座本体9に備わっている。この回動支
持部31は奥部(図7左側)に向かって縮径する嵌合穴
31aを有している。この回動支持部31の底面には支
軸31bが外方に向かって突設されているとともに、上
記嵌合穴31a内には先端(図7右側)に向かって縮径
する嵌合軸31cが上記支軸31bと同軸になるように
突設されている。一方、図7右側の脚部5のスペーサ嵌
着孔7fには、先端(図7左側)に向かって縮径するス
ペーサ33基端が嵌着され、このスペーサ33には、奥
部(図7右側)に向かって縮径する嵌合穴33aが先端
から基端に亘って形成されている。このスペーサ33は
上記回動支持部31の嵌合穴31aに隙間をあけて挿入
されているとともに、嵌合穴31aには上記回動支持部
31の嵌合軸31cが隙間をあけて挿入されている。こ
れら2つの隙間は連続して1つの隙間を構成し、この連
続した隙間に例えばシリコン等の高粘度(100000cps 以
上が望ましい)の液体からなる粘性剤(図示せず)が封
入され、グリップ本体1が回動するときの回動抵抗とな
るトルクを発生するダンパが構成されている。このダン
パにより、グリップ本体1が使用位置から格納位置に回
動する際、捻りコイルバネ15の捻り力に抗してゆっく
りと格納位置に戻るようになっている。
【0040】次に、上述の如く構成されたアシストグリ
ップGをインナパネルPに取り付ける要領について図8
〜12を参照しつつ説明する。
【0041】まず、ロック部材23のキャップ部27の
移動補助片27aを図8一点鎖線の状態から図8二点鎖
線の状態へと薄肉部27bのところで挿入方向に倒し、
この状態からロック部材23を取付座本体9の貫通孔1
7に表側から挿入し、キャップ部27裏面が突片9f,
9gに当接するまで押し込む。この間、一対の係止片1
9の外側には何ら規制物がないため、ロック部材23の
張出部29a,29b,29cが一対の係止片19間及
び係止片19と仮止め片20との間を押し広げながらロ
ック位置である係止爪部19a間を通過して係止爪部1
9a先端の外側に突出する(図8実線参照)。このと
き、係止片19のロック保持用突起19bが張出部29
a,29bのロック保持用溝29eに瞬間的に嵌り込む
が、挿入力によりこの嵌合が解除されてロック部材23
はさらに挿入される。押し広げられた係止片19は張出
部29a,29bが通過した後、張出部29a,29b
の押圧力から解放されて復元力により元の間隔が狭まっ
た位置に戻る。この状態で、ロック部材23は、キャッ
プ部27裏面が突片9f,9gに当接していることでそ
れ以上挿入方向に移動せず、張出部29a,29b,2
9cが係止爪部19a先端に当接することで反挿入方向
への移動も規制されて張出部29a,29bを係止爪部
19a先端の外側に保持する。
【0042】これにより、ロック部材23を取付座本体
9の貫通孔17から抜け落ちないようにすることがで
き、取付座3A,3Bを車両組立ラインに搬入する前に
ロック部材23を紛失しないようにすることができる。
したがって、部品が不足したり、ロック状態になったロ
ック部材23の困難な引抜き作業をせずに済み、車体組
付けラインに支障を来さないようにすることができる。
【0043】なお、上記移動補助片27aは、ロック部
材23が挿入するにつれて仕切壁9hに沿って移動し、
仕切壁9hと突片9gとの間に臨む。
【0044】次いで、上述の如くしてロック部材23が
取付座本体9に組み付けられた取付座3A,3Bにグリ
ップ本体1を取り付けて図9の如くアシストグリップG
を構成する。図8〜12の取付座3Aは図7左側のもの
であり、したがって、図9では、回動支持部11の軸1
3に捻りコイルバネ15が装着されている。図7右側の
取付座3Bでは、スペーサ33が回動支持部31に挿入
されてダンパ機能を備えている。この状態で、グリップ
本体1は捻りコイルバネ15の捻り力により取付座3
A,3Bに対し格納姿勢をとっている(図9参照)。
【0045】その後、図10に示すように、アシストグ
リップGの取付座3A,3Bを天井材Tの開口部t1に
挿入して取付座本体9の当接片21をインナパネルPの
車体開口部p1周縁に表側から当接させるとともに、一
対の係止片19を車体開口部p1に挿入する。この際、
ロック部材23の張出部29a,29b,29cが係止
片19間及び係止片19と仮止め片20との間を通過し
て係止片19は張出部29a,29b,29cの押圧力
は受けていないので、係止片19の係止爪部19a間及
び係止爪部19aと仮止め片20の仮止め爪部20aと
の間は狭まっていて係止片19が車体開口部p1周縁に
接触しないか、接触してもほんの僅かしか接触しないよ
うになっている。また、係止片19を車体開口部p1に
挿入する際、仮止め片20の仮止め爪部20aが車体開
口部p1周縁を摺接して車体開口部p1内側に移動して
車体開口部p1を通過し、通過後はその復元力で車体開
口部p1周りとオーバーラップした位置に復帰して車体
開口部p1周縁に裏側から係止し、取付座3A,3Bを
インナパネルPに仮止めする。
【0046】このように、一対の係止片19を車体開口
部p1に挿入する際、係止片19が車体開口部p1周縁
に接触しないか、接触してもほんの僅かしか接触しない
ようにしていることから、係止片19には挿入時の抵抗
がほとんど掛からず、専ら挿入時の抵抗が掛かるのは形
状の小さな仮止め片20である。したがって、この仮止
め片20の剛性が高くても、専用の仮止め片がなく係止
片全体で仮止めする場合に比べて仮止め片20は撓み易
く、小さな挿入力で取付座3A,3Bを簡単にしかも確
実に仮止めして作業能率を高めることができる。
【0047】また、この仮止めにより、取付座3A,3
BのインナパネルPからの離脱を防止していることか
ら、アシストグリップGをインナパネルPに固定する
際、離脱を気にすることなくアシストグリップGのイン
ナパネルPへの取付作業をスムーズに行うことができ
る。
【0048】しかる後、図11に示すように、グリップ
本体1を使用位置に回動させる。この回動動作により脚
部5の移動当て部7cが取付座本体9の進入口9dに進
入し、ロック部材23の移動補助片27aをロック部材
23の反挿入方向へ移動させる。この際、ロック部材2
3の移動補助片27aが突片9gの傾斜面に案内されて
スムーズに移動するとともに、移動当て部7cが移動補
助片27aから外れないようになっている。
【0049】また、ロック部材23の反挿入方向への移
動により、ロック部材23の張出部29a,29b,2
9cが係止片19間及び係止片19と仮止め片20との
間に分け入ってこれらの間を押し広げ、係止片19のロ
ック保持用突起19bが張出部29a,29bのロック
保持用溝29eに係止して張出部29a,29b,29
cをロック位置である係止爪部19a間及び係止爪部1
9aと仮止め爪部20aとの間に保持し、係止片19の
係止爪部19aを車体開口部p1周りに係止保持させ
る。この際、ロック部材23は仮止め片20に接触しな
いか、接触してもほんの僅かしか接触しないので、仮止
め片20には圧入時の抵抗がほとんど掛からず、専ら圧
入時の抵抗が掛かるのは係止片19である。したがっ
て、係止片19を仮止め片がなく係止片だけの場合に比
べて小さくなった分だけ剛性が高くても撓み易くするこ
とができ、小さな圧入力で取付座3A,3Bを簡単にし
かも確実に本止めして作業能率を高めることができる。
【0050】さらに、仮止め片20をアシストグリップ
Gの取付中心(車体開口部p1の中心)C1に対してグ
リップ本体1の回動中心C2と反対側に設けているの
で、取付座3A,3BをインナパネルPに仮止めした状
態からグリップ本体1を使用位置に回動した際、仮止め
片20の仮止め爪部20aがインナパネルP裏面に押し
付けられるため、仮止め片20が車体開口部p1周縁か
ら外れず、アシストグリップGを車体開口部p1に確実
に取り付けることができる。
【0051】その後はグリップ本体1を離すことでグリ
ップ本体1が捻りコイルバネ15の捻り力とダンパ機能
とにより図12のような格納位置に戻る。この状態から
グリップ本体1を再度使用位置に回動しても、脚部5の
移動当て部7cがロック部材23の移動補助片27aを
ロック部材23の反挿入方向へ移動させることがなく、
ロック部材23が外れたり、ロック部材23によりグリ
ップ本体1の回動が支障となることがない。
【0052】したがって、グリップ本体1を使用位置に
回動させるだけで、ロック部材23の張出部29a,2
9b,29cを自動的にロック位置(係止爪部19a間
及び係止爪部19aと仮止め爪部20aとの間)に押し
込んで係止片19間を押し広げ、係止片19を車体開口
部p1周縁に係止させることができるので、アシストグ
リップGをインナパネルPにワンタッチで簡単に取り付
けることができる。また、アシストグリップGを構成す
るグリップ本体1とロック部材23付きの取付座3A,
3Bだけあればよく、これ以外に他の取付治具や部品が
いらず経済的なものとすることができる。
【0053】(実施の形態2)図13〜18は実施の形
態2に係る取付座3A,3Bが適用されたアシストグリ
ップGを示す。本例では、仮止め片20の仮止め爪部2
0aが係止片19の長手方向に突設されていること、ロ
ック部材23には、アシストグリップGを車体開口部p
1に取り付けた状態で、仮止め片20の背面に当接して
該仮止め片20の反係止方向への移動を阻止するストッ
パー部29fが張出部29bに延出していること、及び
取付座本体9の一方の突片9fには、ロック部材23を
貫通孔17に挿入する際に上記ストッパー部29fが干
渉しないようにスリット9jが形成されていることが実
施の形態1と異なるのみで、その他の構成については実
施の形態1と同様に構成されている。
【0054】したがって、本例では、実施の形態1と同
様の作用効果を奏することができる。
【0055】なお、上記の各実施形態では、仮止め片2
0を一対の係止片19の片側にのみ設けた場合を例示し
たが、両側に設ければ仮止め性を向上させることができ
る。
【0056】さらに、上記の各実施形態では、一対の係
止片19の双方に係止爪部19aを突設したが、いずれ
か一方の係止片19にだけ係止爪部19aを突設すると
ともに、他方の係止片19には係止溝部を形成し、この
係止溝部に車体開口部p1周縁を嵌め込んで係止させる
ようにしてもよい。
【0057】また、上記の実施形態では、係止片19の
係止爪部19aのロック保持用突起19bをロック部材
23の張出部29a,29bのロック保持用溝29eに
係止させることで、ロック部材23の張出部29a,2
9b,29cをロック位置(係止爪部19a間及び係止
爪部19aと仮止め爪部20aとの間)に保持するよう
にしたが、係止爪部を有する抜止め(ロック保持用)片
をロック部材23のキャップ部27に設け、取付座本体
9の周壁9bに形成した係止窓(ロック保持用窓)に上
記抜止め片の係止爪を係止させることで、ロック部材2
3の張出部29a,29b,29cをロック位置(係止
爪部19a間及び係止爪部19aと仮止め爪部20aと
の間)に保持するようにしてもよい。
【0058】さらに、ロック部材23の移動補助片27
a端部とグリップ本体1の脚部5の移動当て部7c端部
との一方に凹部を設けるとともに他方に凸部を設けて、
両者を凹凸嵌合させるようにすれば、ロック部材23を
反挿入方向に移動させる際に、移動当て部7cが移動補
助片27aから外れず、ロック部材23を確実にロック
位置まで移動させることができる。
【0059】加えて、上記の各実施形態では、グリップ
本体1の使用位置への回動動作に連動してロック部材2
3をインナパネルPの裏側から表側に向かって移動させ
ることで、ロック部材23をロック位置に保持するよう
にしたが、これとは逆に、従来例のようにグリップ本体
1の格納位置への回動動作に連動してロック部材23を
インナパネルPの表側から裏側に向かって移動させるこ
とで、ロック部材23をロック位置に保持するようにし
てもよい。また、上記の各実施形態の如き脚部が回動自
在に設けられた格納タイプのアシストグリップ以外に、
脚部が回動不能に設けられた固定タイプのアシストグリ
ップにも適用することができるものであり、この場合に
は、格納タイプとは異なり人が圧入治具を用いてロック
部材を取付座本体の貫通孔から係止片間に圧入すればよ
い。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、一対の係止片のうち少なくとも一方の係止片側に該
係止片と分離独立した仮止め片を設け、該仮止め片を上
記係止片と共に車体開口部に挿入して該車体開口部周縁
に係止させて取付座を車体パネルに仮止めするようにし
たので、挿入抵抗が専ら仮止め片に掛かるようにして係
止片には車体開口部への挿入抵抗がほとんど掛からない
ようにすることで、仮止め作業を簡単かつ確実に行うこ
とができる。また、圧入抵抗が専ら係止片に掛かるよう
にして仮止め片にはロック部材の圧入抵抗がほとんど掛
からないようにすることで、小さな圧入力で本止め作業
を簡単かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るアシストグリップの取付座
において図2のI−I線にて切断した断面構成を示し
かつ図10に対応する図である。
【図2】係止片、仮止め片及び車体開口部の位置関係を
示す図1のII−II線における断面図である。
【図3】係止片、仮止め片及びロック部材の位置関係を
示す図1のII−II線における断面図である。
【図4】図2及び図5のA矢視図に相当する取付座の側
面図である。
【図5】実施の形態1に係るアシストグリップの取付座
の平面図である。
【図6】グリップ本体の脚部の底面図である。
【図7】アシストグリップの全体図である。
【図8】取付座にロック部材を取り付ける状態を説明す
るための図2のVIII−VIII線に相当する断面図である。
【図9】図8の取付座にグリップ本体を取り付けた状態
を示す図2のVIII−VIII線に相当する断面図である。
【図10】グリップ本体の使用位置への回動初期状態を
示す図2のVIII−VIII線に相当する断面図である。
【図11】グリップ本体を使用位置に回動させてアシス
トグリップをインナパネルに取り付け完了した状態を示
す図2のVIII−VIII線に相当する断面図である。
【図12】グリップ本体の格納状態を示す図2のVIII−
VIII線に相当する断面図である。
【図13】実施の形態2に係るアシストグリップの取付
座において図16のXIII−XIII線にて切断した断面構成
を示し、かつ図10に対応する図である。
【図14】実施の形態2に係るアシストグリップの取付
座において図16のXIV −XIV 線にて切断した断面構成
を示し、かつ図10に対応する図である。
【図15】図16のB矢視図において仮止め片をロック
部材のストッパー部でバックアップした状態を示す図で
ある。
【図16】係止片、仮止め片及び車体開口部の位置関係
を示す図13のXVI −XVI 線における断面図である。
【図17】係止片、仮止め片及びロック部材の位置関係
を示す図13のXVI −XVI 線における断面図である。
【図18】図16のB矢視図に相当する取付座の側面図
である。
【符号の説明】 1 グリップ本体 3A,3B 取付座 5 脚部 9 取付座本体 19 係止片 19a 係止爪部 20 仮止め片 20a 仮止め爪部 23 ロック部材 29f ストッパー部 G アシストグリップ P インナパネル(車体パネル) p1 車体開口部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向両端に脚部を有するグリップ本
    体と、 上記脚部が回動自在に又は回動不能に設けられた取付座
    本体を有し、上記グリップ本体の長手方向に沿って延び
    る一対の係止片が上記取付座本体に設けられた取付座
    と、 上記一対の係止片間に圧入され、該係止片を互いに離れ
    る方向に移動させてその姿勢をロック保持するロック部
    材とを備えたアシストグリップにおいて、 該アシストグリップを車体パネルの車体開口部に取り付
    ける際、上記一対の係止片を車体開口部に挿入して上記
    ロック部材を係止片間に圧入することにより、互いに離
    れる方向に移動した係止片を車体開口部周縁に係止保持
    させるようにしたアシストグリップの取付座であって、 上記取付座本体において一対の係止片のうち少なくとも
    一方の係止片側には、該係止片と分離独立した仮止め片
    が設けられ、 該仮止め片は、アシストグリップを車体パネルの車体開
    口部に取り付ける際、上記係止片と共に車体開口部に挿
    入されて該車体開口部周縁に係止し、上記取付座を車体
    パネルに仮止めするようになっていることを特徴とする
    アシストグリップの取付座。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアシストグリップの取付
    座において、 一対の係止片のうち少なくとも一方の係止片には、車体
    開口部周縁に係止する係止爪部が係止片の長手方向に沿
    って延びるようにかつ係止片の長手方向と直交する方向
    に突出するように設けられ、 仮止め片には、車体開口部周縁に係止する仮止め爪部が
    上記係止爪部と同じ方向に突出するように設けられてい
    ることを特徴とするアシストグリップの取付座。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアシストグリップの取付
    座において、 一対の係止片のうち少なくとも一方の係止片には、車体
    開口部周縁に係止する係止爪部が係止片の長手方向に沿
    って延びるようにかつ係止片の長手方向と直交する方向
    に突出するように設けられ、 仮止め片には、車体開口部周縁に係止する仮止め爪部が
    上記一方の係止片の長手方向に突出するように設けられ
    ていることを特徴とするアシストグリップの取付座。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のア
    シストグリップの取付座において、 ロック部材には、アシストグリップを車体開口部に取り
    付けた状態で、仮止め片の背面に当接して該仮止め片の
    反係止方向への移動を阻止するストッパー部が設けられ
    ていることを特徴とするアシストグリップの取付座。
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