JP2002120033A - 圧着式ヒートシンクの製造方法 - Google Patents

圧着式ヒートシンクの製造方法

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JP2002120033A
JP2002120033A JP2001133861A JP2001133861A JP2002120033A JP 2002120033 A JP2002120033 A JP 2002120033A JP 2001133861 A JP2001133861 A JP 2001133861A JP 2001133861 A JP2001133861 A JP 2001133861A JP 2002120033 A JP2002120033 A JP 2002120033A
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pipe
heat sink
fixing plate
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insertion hole
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Yoshio Fukagawa
栄生 深川
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Ryosan Co Ltd
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Ryosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パイプの扁平率を低減させつつ、パイプ
の密着性も確保でき、それによってヒートパイプの性能
を低下させることのない改良技術を提供しようとする。 【解決手段】 固定プレートとして、本体10内にパイプ
挿通用の挿通穴100が穿設され、かつ本体10の上面また
は/及び下面のうち、前記挿通穴100の位置に沿った箇
所に、突出部101を形成させたものを用い、その固定プ
レートの挿通穴100に、断面が楕円状パイプ20を、その
長軸側を垂直方向に立てた状態で挿通させた後、固定プ
レートの前記突出部101に対し、垂直方向から加圧し、
前記挿通穴100内で、パイプ20を圧接させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固定プレートに
パイプが固定されるヒートシンクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固定プレートにパイプ(ヒートパイプ、
水冷パイプなど)が固定されるヒートシンクは、固定プ
レートに穴または溝を設け、その穴または溝にパイプを
挿通させるか、嵌め合わせるかした後、所定方式で固定
させることによって製造される。
【0003】このような形態の第1は、図10に示すよ
うに、固定プレート5に挿通穴50を形成し、そこにパイ
プ4を挿通させたうえ、接着剤またはろう付(接着部ま
たはろう付部51)で固定するものである。
【0004】その第2は、図11に示すように、相互に
かしめ部を有する2枚のプレート6か、あるいは図12
に示すように、ねじ穴が形成される2枚のプレート7を
合わせて形成される固定プレートを用いるもので、それ
らプレート6,7の合わせ面に形成されるパイプ挿入溝60,
70にパイプ4を嵌め合わせ、前記かしめ部をかしめる
か、ねじ止めするかして、固定するものである。
【0005】その第3は、ダイカストによって、パイプ
を鋳包んで固定プレートを鋳造するというものである。
【0006】その第4は、図13に示すように、パイプ
4を板金8で巻き付けていき、巻き付けた状態の板金が固
定プレートになるという形態である。
【0007】その第5は、図14に示すように、はと目
部を有する2枚のプレート9を合わせて形成される固定
プレートを用いるもので、それらプレート9の合わせ面
に形成されるパイプ挿入溝90にパイプ4を嵌め合わせ、
前記かしめ部をかしめることで固定するものである。
【0008】その第6は、図15(a)に示すように、固
定プレート5上面に、縁が突出してフィン52となるよう
な嵌合溝53を形成し、その溝53にパイプ4を嵌め込んだ
状態で、同図(b)に示すように、フィン52を折り曲げ、
パイプ4を固定するというものである。
【0009】その第7は、図16(a)に示すように、固
定プレート5上面に、パイプ4の径より浅い四角溝54を形
成し、その溝54にパイプ4を嵌め込んだ状態で、パイプ4
上面と固定プレート5上面が同一面上となるように、上
部からパイプ4を圧入して固定するものである(固定状
態が同図(b))。
【0010】しかし、これら従来のヒートシンクは、そ
れぞれ次のような問題を有している。
【0011】まず第1の形態(図10)のうち接着剤を
用いるものでは、接着剤の熱伝導率が、ヒートシンクに
用いられる金属に比べてかなり低いため(例えば、アル
ミニウム237W/(m・k)、銅398W/(m・k)に対して、接着用に
使用される熱伝導性エポキシ樹脂は、1.38W/(m・k))、
その分冷却能力が低下してしまっていた。また、部材と
して、固定プレート5とパイプ4のほかに接着剤が必要に
なり、材料費がアップしてしまうという問題もあった。
【0012】一方、ろう付のものは金属なので、熱伝導
率の低下の問題は、ろうの種類によっては解消される
が、ろう付のために高温にする必要があり(銀ろう付温
度600〜800℃、銅ろう付温度700〜900℃)、パイプ4に
熱ストレスがかかって脆くなるおそれがあった。また、
高温になるため、この技術は、作動液が充填済みのヒー
トパイプ(ヒートパイプ保証温度は、作動液として水が
使用される場合で約100℃が一般的)を固定する場合に
利用できなかった。また、金属の種類によってはろう付
できないものもあった。さらに、ろう付のための炉が必
要になって、製造設備がおおがかりとなっていた。
【0013】そして、接着剤及びろう付のいずれのもの
も、接着剤塗布やろう付を、狭い挿通穴にまんべんなく
行う必要があり、その工程が非常に手間がかかるものと
なっていた。さらに、接着剤の場合は固まる工程が、ろ
う付の場合は加熱及び冷却工程がそれぞれ必要となり、
いずれのものも完成品を得るまでに、非常に長い時間が
かかるという問題があった(なお、瞬間接着性の接着剤
を用いれば、短時間で済むが、その場合、パイプを挿入
している間に固まってしまうおそれがある)。
【0014】次に第2の形態(図11または図12)で
は、合わせ面に形成されるパイプ挿入溝60,70と、パイ
プ4との径に公差があるので、どうしても隙間が生じて
しまっていた。このような場合、空気の熱伝導率は、2
6.14×10−3W/(m・k)であるから、前記接着剤で接着す
る形態と比べても、その隙間の状態によっては、さらに
冷却能力が低下するおそれもあった。
【0015】次に第3の形態では、鋳造機及びダイカス
ト金型が必要となって、設備がおおがかりとなってい
た。また、前記ろう付の形態と同様に、高温にする必要
があり(アルミダイカスト約600℃)、パイプに熱スト
レスがかかって脆くなるおそれがあり、少なくとも作動
液を充填済みのヒートパイプの固定には利用できなかっ
た。さらに、加熱・冷却工程を要し、製造工程に時間が
かかるものとなっていた。
【0016】また、第1乃至第3の形態の共通の問題と
して、固定プレート5(6,7)の厚さが、パイプ4の径に
よって決定されてしまい、使用するパイプ4によって
は、ヒートシンクの厚さを適度の薄さに形成することが
できなかった。このため、ヒートシンクの軽量化と、取
り付けスペース確保(特に近時は携帯端末の軽薄短小化
にともない取り付けスペースはより狭隘になっている)
を意図する際に、当初から制限を受けることになってい
た。
【0017】次に第4の形態(図13)では、巻き付け
る板金8が薄くなければ巻き付けられなくなる一方、あ
まりに薄い板金8を使用すると、固定プレートが薄くな
り、プレートとパイプ4間の熱伝導が低下してしまうの
で、その調整が面倒であるという問題があった。またプ
レートが薄い場合、半導体素子固定用のパイプ挿入溝
(図示なし)の有効深さを確保できないことにもなって
いた。さらに、この形態では、所定の巻き付け方法で、
所定の巻き付け位置において行う、所定の巻き付け形状
に合わせた専用の巻き付け装置が必要となっていた。
【0018】次に第5の形態(図14)では、前記第4
形態と同様に、プレート9が薄くなければはとめができ
ない一方、あまりに薄すぎると熱伝導が低下するので、
その調整が面倒になるという問題と、プレート9が薄す
ぎると、半導体素子固定用のパイプ挿入溝(図示なし)
の有効深さが確保できない問題があった。
【0019】次に第6の形態(図15)では、フィン52
がパイプ4の上部側を抑える形態となるので、プレート5
が厚くなりがちで(同図(b)参照)、薄くすることがで
きなかった。また、フィン52を曲げるための専用の治具
が必要となっていた。
【0020】次に第7の形態(図16)では、パイプ4
と溝54との間(特に角部と上面)に隙間が生じてしまう
ので、熱伝導率が低下するものとなっていた。また、隙
間が多い分、パイプ4と溝54との接触面積が少なく、パ
イプ4が抜けやすくもなっていた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来製法の以
上のような問題を解決するため、本発明者は、図17に
示すような、固定プレートとして、本体1にパイプ挿通
用の挿通穴110が穿設され、かつ本体1の上下面の一方面
または両面のうち、その挿通穴110の位置に沿った箇所
に突出部101が形成されたものを用い、固定プレート本
体1の挿通穴110に、パイプ2を挿通させた後、固定プレ
ート本体1の突出部101に対し、垂直方向から加圧して、
前記挿通穴110内で、パイプ2を圧接させる製法を創案
し、既に提案した。この製法は、パイプ2を垂直方向か
ら潰すと水平方向に広がる特性を利用するもので、この
特性により、前記挿通穴110内において、パイプ2を圧接
させ、両者を密着固定させるものである。しかも、汎用
プレス機と簡単な治具で足りるので、製造設備はきわめ
て簡易で、コストもきわめて低廉で済むことになる。
【0022】しかし、この提案技術では、パイプ2を垂
直方向から潰すことから、固着後のパイプ形状は水平方
向に広がる扁平状になり、この扁平率が大きい場合、パ
イプ2内の断面積が減少して放熱効果が低減する問題の
あることがわかった。また、加圧力が強いと、パイプ2
の中央がくびれた繭型状になってしまい、そうなると隙
間が生じてしまって、この点からも放熱効果が低減する
おそれがあった。したがって、いずれにしても、この提
案技術では得られるヒートシンクの性能が低下するとい
うおそれがあった。
【0023】この発明は、本発明者の提案技術が有す
る、このような問題点に鑑み創案されたもので、パイプ
の扁平率を低減させつつ、パイプの密着性も確保でき、
それによってヒートパイプの性能を低下させることのな
い改良技術を提供しようとするものである。
【0024】
【課題を解決しようとする手段】このため、本願に係る
圧着式ヒートシンクの製造方法は、固定プレートとし
て、本体内にパイプ挿通用の挿通穴が穿設され、かつ本
体の上面または/及び下面のうち、前記挿通穴の位置に
沿った箇所に、突出部を形成させたものを用い、その固
定プレートの挿通穴に、断面が楕円状パイプを、その長
軸側を垂直方向に立てた状態で挿通させた後、固定プレ
ートの前記突出部に対し、垂直方向から加圧し、前記挿
通穴内で、パイプを圧接させることによりヒートシンク
を得ることを特徴とする(以下これを第1発明ともい
う)。
【0025】ここで、前記楕円状とは、厳密な楕円形状
のみを指すのではなく、小判状や扁平長円状など、長軸
と短軸とからなる変形円状体一般を指すものとする。
【0026】この発明では、断面が楕円状パイプを、そ
の長軸側を垂直方向に立てた状態で加圧するので、加圧
後のパイプ断面形状は、長軸側が潰れるとともに短軸側
が広がり、この結果、円または円に近い形状となる。こ
の形状では、パイプが隙間なく確実に圧接され、パイプ
内の断面積が扁平のものより大きくなるので、扁平のも
のと比べて冷却能が向上する。ただし、通常パイプは断
面が円状なので、この発明を実施する場合は、断面が楕
円状のものを予め準備するか、あるいは断面円状のもの
を成形する必要がある。
【0027】そこで、本願では、パイプの断面形状を特
に変更させなくても済む製法についても提供するもので
あり、その製造方法は、固定プレートとして、本体内に
パイプ挿通用の挿通穴が穿設され、かつ本体の上面また
は/及び下面のうち、その挿通穴の位置に沿った箇所
に、中央に凹みが形成された突出部が形成されたものを
用い、その固定プレートの挿通穴に、パイプを挿通させ
た後、固定プレートの前記突出部に対し、垂直方向から
加圧し、前記挿通穴内で、パイプを圧接させることによ
りヒートシンクを得ることを特徴とする(以下これを第
2発明ともいう)。
【0028】この発明では、固定プレートの突出部の中
央が凹んでいるので、その凹み部の加圧力が減少するこ
とになり、潰れるパイプも、中央の潰れる量が抑制さ
れ、パイプが必要以上に扁平となることが抑制される。
後述する実施例における形状比較からも明らかなよう
に、少なくとも突出部が平坦の場合よりも扁平率は格段
に抑制されることになる。すなわち、通常の断面円形状
のパイプを使用しても、固着後のパイプ扁平率を小さく
抑えることができる。また、多少強めの加圧でも、中央
の加圧力が抑制されるので、パイプ形状は最低限楕円形
状を崩さないものとなり、隙間を生じることなくパイプ
は固着されることになる。ただし、突出部の中央を凹ま
せる形状にするということは、その部分の肉厚(凹み部
からパイプ挿通穴までの厚み)が薄くなってしまう。そ
うすると、押出加工で固定プレートを製造するにあたっ
ては、部分的に肉厚の薄い部分がある場合、押出難易度
が高くなり、その製造が困難となるおそれがある。
【0029】そこで、本願では、固定プレートの製造に
何の難もなく、パイプ扁平率を低減させ、かつ隙間も生
じない製法についても提供するものであり、その製造方
法は、固定プレートとして、本体内にパイプ挿通用の挿
通穴が穿設され、かつ本体の上面または/及び下面のう
ち、その挿通穴の位置に沿った箇所に、突出部が形成さ
れたものを用い、その固定プレートの挿通穴に、パイプ
を挿通させた後、固定プレートの前記突出部に対し、そ
の突出部に対面する位置の中央に凹みを有する加圧治具
で、垂直方向から加圧し、前記挿通穴内で、パイプを圧
接させることによりヒートシンクを得ることを特徴とす
る(以下これを第3発明ともいう)。
【0030】この発明では、前記第2発明と異なり、固
定プレート突出部に凹みを形成させることなく、加圧部
材である加圧治具に凹みを形成させることで、第2発明
と同様の作用を得るものである(後述する実施例も参照
されたい)。固定プレート突出部に凹みを形成させない
ことで、固定プレートに、部分的に肉厚の薄くなる部分
が形成されることがなくなり、このため固定プレートを
製造する際の困難要素が解消される。
【0031】
【発明の実施の形態】本願に係る発明の具体的な実施形
態例を、以下図面に基づき説明する。
【0032】図1は、第1発明の形態例である第1形態
例を示し、加圧前後のヒートシンクの端面図(パイプ21
のみ断面)である。同図(a)に示すように、この形態例
は、固定プレート本体10の中央に、長軸が垂直方向に沿
った楕円状の挿通穴100が穿設され、そこに、断面形状
がほぼ同じパイプ20が、その挿通穴100の形状に沿った
状態で挿通されている。固定プレート本体10の上面及び
下面の双方のうち、前記挿通穴100に沿った箇所には、
フラットな突出部101がそれぞれ形成されている。この
状態で、両方の突出部101に対して、その垂直方向か
ら、例えば加圧プレス機等によって加圧すると、同図
(b)に示すように、パイプ20は水平方向に潰れていき、
断面形状が円形状に近づきながら、挿通穴100内で圧接
固着される。圧接後のパイプ断面形状が円形状に近けれ
ば近いほど、楕円(扁平)状の場合と比べて、同一パイ
プ周長でパイプ内の断面積を大きくとれるので、冷却能
が増大する効果が得られることになる。
【0033】図2は、第2発明の形態例である第2形態
例を示し、製造工程中の加圧前のヒートシンクの端面図
(パイプ21のみ断面)である。図示のように、固定プレ
ート本体11の中央に、ほぼ真円状の挿通穴110が穿設さ
れ、そこに、断面径がほぼ同径のパイプ21が挿通されて
いる。固定プレート本体11の上面及び下面の双方のう
ち、前記挿通穴110に沿った箇所には突出部111がそれぞ
れ形成されている。該突出部111は、その中央に凹みが
形成されるとともに、その両端がやや突出するふたこぶ
状の形態となっている。この挿通状態で、両方の突出部
111に対して、その垂直方向から、例えば加圧プレス機
の加圧治具等によって加圧すると、挿通穴110内でパイ
プ21が水平方向に潰れながら、つまり楕円状になりなが
ら圧接固着される。
【0034】本形態例では、前記突出部111の中央が凹
んでいることから、その凹み部の加圧力は低減され、固
着されるパイプ21の扁平率は低減されることになる。そ
れとともに、多少強めの加圧でも、凹み部による加圧力
の低減で、パイプ21の中央が必要以上に潰れることが抑
制され、これにより加圧後のパイプ21の形状が楕円状を
崩すことが少なくなって、挿通穴110とパイプ21との密
着性をより確保し易い形態となっている。また、本形態
例において用いるパイプ21は、きわめて一般的な形状で
ある断面円状のもので良く、第1形態例のように、断面
楕円状のパイプ20を準備する手間もない。
【0035】図3は、第2発明の他の形態例である第3
形態例を示し、製造工程中の加圧前の固定プレート本体
11の端面図(パイプは図示なし)である。図示のよう
に、この形態例は、図2の形態において、挿通穴110に
逃げ溝112が2箇所切られている。挿通穴110が円状の場
合(特に真円に近ければ近いほど)、外力に対して潰れ
にくく、このため加圧力も余分に必要となるが、この逃
げ溝112が形成されることにより、適度な加圧力で挿通
穴110が潰れやすくなり、高加圧によるパイプの不必要
な潰しを防止できるとともに、製造コストの低減化が図
れる。また、挿通穴110の穴周面に熱伝導性グリスや電
食防止剤を塗布することがあるが、不均一な塗布を行っ
た後、パイプを固着すると、塗られていない部分は空気
の隙間が形成されてしまって熱伝導率が低下する。しか
し、そのような場合でも、本形態例では、前記溝112が
あることにより、パイプの圧接の際、空気はその溝110
から外部に逃げるので、空気の隙間による熱伝導率の低
下を未然に防げるものとなっている。なお、このような
逃げ溝は、他の形態例に形成しても良い。
【0036】図4は、第3発明の形態例である第4形態
例を示し、製造工程中の加圧前の固定プレート本体12及
び加圧治具31の端面図である。図示のように、固定プレ
ート本体12は、パイプ挿通穴120が穿設されてそこにパ
イプ22が挿通される点、本体12の上面と下面のうち挿通
穴120に沿った箇所に突出部121が形成される点では第2
形態例とほぼ同様の形態であるが、突出部121が平坦と
なっている点で異なっている。このような状態の固定プ
レート12に対し、その上下に配置される加圧治具31で垂
直方向から加圧するが、本形態例の加圧治具31は、前記
突出部121に対面する位置の箇所に、その中央が緩やか
に凹んでいく凹み32が形成されている。このため、加圧
治具31の加圧の際、突出部121の中央にかかる加圧力が
低減されることになり、前記第2形態例や第3形態例と
同様に、パイプ22の必要以上の扁平が抑制されるととも
に、強めの加圧力でも、パイプ22の扁平形状を必要以上
に崩すことがなく密着性も確保できるものとなってい
る。
【0037】また本形態例では、断面形状が特異なパイ
プを準備する手間が不要となる点においても第2形態例
や第3形態例と同様のメリットが認められるが、さら
に、固定プレート本体12の突出部121が平坦なので、第
2形態例や第3形態例のように、凹みの形成により部分
的に肉厚が薄くなってしまうということがない。このた
め、それら形態例と異なり、本形態例に用いる固定プレ
ート本体12を押出加工で製造する場合には、何の困難さ
もなく製造することができるというメリットも有してい
る。
【0038】以上の形態例は、種々の形態のヒートシン
クにも適用できるものであり、その一例を次に説明す
る。図5(a)は製造工程中の加圧前のヒートシンク、(b)
は加圧後のヒートシンクをそれぞれ示しており、この形
態は、固定プレート本体13の上面及び下面の双方に突出
部が形成されるとともに、その突出部の両側に、放熱用
フィン130が形成される形態例であり、加圧後パイプ23
を固着して得られるヒートシンクは、放熱部となるもの
である。
【0039】この図5の形態からも明らかなように、本
願に係る発明は、ヒートシンクの発熱部だけでなく、放
熱部の製造方法にも適用できるものである。また、特に
説明しなかったが、冷却液を循環させるパイプでも、作
動液を封入させるヒートパイプでも、さらにパイプの形
状もどのようなものでも適用できるものである。例え
ば、図6(a)は冷却水を循環させるストレートパイプ200
が用いられたヒートシンクの発熱部201(202は発熱体で
ある半導体素子、以下同じ)、同図(b)は冷却水を循環
させるU字パイプ203の発熱部204、同図(c)はヒートパ
イプ205が用いられた発熱部206と、放熱フィン207が形
成された放熱部208を各示すが、これらいずれのパイプ
の発熱部201,204,206または放熱部208にも、本願に係る
発明は適用できるものである。
【0040】以上示したいずれの形態例でも、例えば加
圧プレス機のような簡易な装置を用いて、垂直方向から
加圧する工程をとるだけで、密着性の良好なヒートシン
クが得られることになる。
【0041】
【実施例】本願第2発明と第3発明における、パイプの
扁平抑制の効果をみるための比較試験を行ったので、そ
れを図7乃至図9に基づき説明する。
【0042】前記第2形態例(第2発明の形態例であ
り、ここでは実施例1という)と第4形態例(第3発明
の形態例であり、ここでは実施例2という)のうち、各
固定プレート11,12の突出部111,121が本体上面にのみ形
成したものを用いて加圧後のパイプ2の断面形状を調べ
た(図中33は固定台)。実施例1、すなわち固定プレー
ト11の突出部111に凹みを形成した形態が図8、実施例
2、すなわち突出部121が平坦で、加圧治具31に凹み32
を形成した形態が図9である。また、固定プレート及び
加圧治具のいずれにも凹みを形成させない形態を比較例
として、その加圧後のパイプ断面形状を調べた。この形
態は図7に示す。なお、これらの試験において、固定プ
レートの肉厚、穿設されている挿通穴の寸法、挿通され
るパイプ、加圧治具の加圧力はいずれも同一条件として
行った。特に図7に示す比較例においては、固定プレー
ト本体12は実施例2と、加圧治具30は実施例1とまった
く同一のものを用いた。
【0043】図7乃至図9における(b)に、実施例1,
2及び比較例における加圧後のパイプの断面形状を示
す。突出部121及び加圧治具30のいずれも平坦な比較例
の場合、図7(b)に示すように、固着されたパイプ2は、
突出部121が形成されている側が、それが形成されてい
ない側と比べて、垂直方向の径の長さが短くなっている
(図中、<)。すなわち、単に固定プレート12に突
出部121を形成するだけでは、扁平率がかなり大きくな
ってしまうものとなっている。
【0044】実施例1及び実施例2では、図8(b)及び
図9(b)に示すように、それぞれ突出部111,121が形成さ
れている側のパイプ2の潰れ方が大きくなっているが、
その扁平率の差は、図7の比較例ほどではない。そし
て、突出部111,121側の垂直方向の径の長さを比較例と
比較すると、明らかに図7の比較例の場合の径が小さく
なっており(<、<)、これにより、実施例1
及び実施例2の形態では、不必要な扁平を抑制する効果
のあることが十分理解できる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本願に係る圧着式
ヒートシンクの製造方法によれば、きわめて簡易な設備
で、かつ簡易な工程によってヒートシンクが得られるの
みならず、パイプの扁平率を低減させつつ、パイプの密
着性も確保でき、放熱効果を低下させることのないヒー
トシンクを得ることができるものとなる。
【0046】また、どのような金属種のヒートシンクも
得ることができ、特に作動液を充填済みのヒートパイプ
や断面径の小さいパイプでも、何の問題もなく用いるこ
とができる。
【0047】また、パイプの密着性が良好なので、パイ
プの抜けも十分に防止できるとともに、簡易な工程なの
で製造時間も短時間で済み、低コストで大量生産が可能
となる。
【0048】さらに、加圧によって、ヒートシンクを得
る方法であり、適度に薄い厚みとすることができるの
で、軽量化が図れるとともに、取り付けスペースの自由
度が増すという効果も認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1発明に係る形態例を示し、(a)は加圧
前のヒートシンク端面図、(b)は加圧後のヒートシンク
端面図である。
【図2】本願第2発明に係る形態例を示し、加圧前のヒ
ートシンク端面図である。
【図3】逃げ溝が形成される形態例を示した、加圧前の
固定プレート端面図である。
【図4】本願第3発明に係る形態例を示し、加圧前のヒ
ートシンク及び加圧治具の端面図である。
【図5】本願に係る発明によって適用可能な形態の一例
を示し、(a)は加圧前のヒートシンク端面図、(b)は加圧
後のヒートシンク端面図である。
【図6】本願に係る発明によって適用可能な形態の他の
例を示し、(a)は冷却水を循環させるストレートパイプ
が用いられたヒートシンクの発熱部、(b)は冷却水を循
環させるU字パイプが用いられたヒートシンクの発熱
部、(c)はヒートパイプが用いられたヒートシンクの発
熱部及び放熱部を各示す説明図である。
【図7】本願に係る発明の扁平抑制効果を確認する試験
例のうちの比較例の形態を示し、(a)は加圧前のヒート
シンク端面図、(b)は加圧後のヒートシンク端面図であ
る。
【図8】本願に係る発明の扁平抑制効果を確認する試験
例のうちの実施例1の形態を示し、(a)は加圧前のヒー
トシンク端面図、(b)は加圧後のヒートシンク端面図で
ある。
【図9】本願に係る発明の扁平抑制効果を確認する試験
例のうちの実施例2の形態を示し、(a)は加圧前のヒー
トシンク端面図、(b)は加圧後のヒートシンク端面図で
ある。
【図10】従来の製造方法によって得られたヒートシン
クの一例を示し、製造後のヒートシンク端面図である。
【図11】従来の製造方法によって得られたヒートシン
クの他の例を示し、製造途中のヒートシンク端面図であ
る。
【図12】従来の製造方法によって得られたヒートシン
クの他の例を示し、製造途中のヒートシンク端面図であ
る。
【図13】従来の製造方法によって得られたヒートシン
クの他の例を示し、製造後のヒートシンク端面図であ
る。
【図14】従来の製造方法によって得られたヒートシン
クの他の例を示し、製造後のヒートシンク端面図であ
る。
【図15】従来の製造方法によって得られたヒートシン
クの他の例を示し、(a)は製造途中のヒートシンク端面
図、(b)は製造後のヒートシンク端面図である。
【図16】従来の製造方法によって得られたヒートシン
クの他の例を示し、(a)は製造途中のヒートシンク端面
図、(b)は製造後のヒートシンク端面図である。
【図17】本発明者が既に提案した製造法の説明図であ
り、(a)は固定プレートの上下面の一方面にのみ突出部
が形成される形態の端面図、(b)は固定プレートの上下
面の両面に突出部が形成される形態の端面図をそれぞれ
示している。
【符号の説明】
1,10,11,12 固定プレート本体 2,20,21,22,23 パイプ 30,31 加圧治具 100,110,120 挿通穴 101,111 突出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01L 23/427 H01L 23/46 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定プレートとして、本体内にパイプ挿
    通用の挿通穴が穿設され、かつ本体の上面または/及び
    下面のうち、前記挿通穴の位置に沿った箇所に、突出部
    を形成させたものを用い、その固定プレートの挿通穴
    に、断面が楕円状パイプを、その長軸側を垂直方向に立
    てた状態で挿通させた後、固定プレートの前記突出部に
    対し、垂直方向から加圧し、前記挿通穴内で、パイプを
    圧接させることによりヒートシンクを得ることを特徴と
    する圧着式ヒートシンクの製造方法。
  2. 【請求項2】 固定プレートとして、本体内にパイプ挿
    通用の挿通穴が穿設され、かつ本体の上面または/及び
    下面のうち、その挿通穴の位置に沿った箇所に、中央に
    凹みが形成された突出部が形成されたものを用い、その
    固定プレートの挿通穴に、パイプを挿通させた後、固定
    プレートの前記突出部に対し、垂直方向から加圧し、前
    記挿通穴内で、パイプを圧接させることによりヒートシ
    ンクを得ることを特徴とする圧着式ヒートシンクの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 固定プレートとして、本体内にパイプ挿
    通用の挿通穴が穿設され、かつ本体の上面または/及び
    下面のうち、その挿通穴の位置に沿った箇所に、突出部
    が形成されたものを用い、その固定プレートの挿通穴
    に、パイプを挿通させた後、固定プレートの前記突出部
    に対し、その突出部に対面する位置の中央に凹みを有す
    る加圧治具で、垂直方向から加圧し、前記挿通穴内で、
    パイプを圧接させることによりヒートシンクを得ること
    を特徴とする圧着式ヒートシンクの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100447521C (zh) * 2005-04-28 2008-12-31 日立电线株式会社 热管式散热器及其制造方法
WO2012118297A2 (ko) * 2011-03-03 2012-09-07 주식회사 동양강철 생산성 향상 구조를 갖는 히트 파이프 - 히트 싱크 결합형 냉각장치
JP2015170590A (ja) * 2014-03-04 2015-09-28 宮本電機株式会社 ワイヤー吊り下げ式led集魚灯

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WO2012118297A3 (ko) * 2011-03-03 2012-10-26 주식회사 동양강철 생산성 향상 구조를 갖는 히트 파이프 - 히트 싱크 결합형 냉각장치
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