JP2002117593A - 断熱スタンパ製造方法、断熱スタンパ、断熱スタンパ製造装置 - Google Patents
断熱スタンパ製造方法、断熱スタンパ、断熱スタンパ製造装置Info
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- JP2002117593A JP2002117593A JP2000307421A JP2000307421A JP2002117593A JP 2002117593 A JP2002117593 A JP 2002117593A JP 2000307421 A JP2000307421 A JP 2000307421A JP 2000307421 A JP2000307421 A JP 2000307421A JP 2002117593 A JP2002117593 A JP 2002117593A
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Abstract
た機構やプロセスを不要とし、高品質の断熱スタンパを
簡単に低コストで製造する方法を提供する。 【解決手段】 ファーストニッケル2aを施したガラス
原盤1にポリイミドシート8を密着させて貼りつけ、熱
伝導率が低くて耐熱性が高い材料からなる断熱層を形成
する。ガラス原盤1には所定の溝を形成しておく。ニッ
ケル電鋳を施して所定の厚みとし、断熱層ごとガラス原
盤1から剥がす。その後、内周部と外周部を所定半径の
同心円で打ち抜き、精巧なドーナッツ状に仕上げ、スタ
ンパとする。
Description
O、DVD等に代表される大容量光記録媒体(光ディス
ク)の製造に関し、特に基板成形用スタンパ、その製造
方法、光ディスク製造、射出成形(射出圧縮成形等も含
む)工法を用いるすべてのプラスチック系部品/製品の
製造に関連する断熱特性を持ったスタンパ(本明細書に
おいて断熱スタンパという。)の製造方法、同方法によ
り形成した断熱スタンパ、同方法を実施する断熱スタン
パ製造装置に関する。
タンパの製造工程を図1(A)〜(D)を用いて説明す
る。なお図1における積層構造体は断面図として示され
ている。図1に示す工程の前段として、ガラス原盤1に
形成した凹凸微細パターン1a上に導体化膜を形成後、
この導体化膜を陰極としてニッケル電鋳を行い、約25
μm厚のニッケル層2aを電析させる。図1(A)にお
いて、10は最終的に得られるスタンパで、上述のニッ
ケル層2a上に設けるマスクとスタンパ10の記録エリ
アとの位置関係を説明するためにこれらを概略的に示し
ている。
mm内側の領域10a、および記録エリアの最外周より
5mm外側から外縁部までの領域10bに相当するニッ
ケル層2a上の領域に、テフロン(登録商標)(PTF
E:polytetrafluoroethylen
e)によるマスク3a、3bを形成する。そしてニッケ
ル層2aの表面に、部分イミド化された直鎖型ポリアミ
ド酸溶液をスピン塗布もしくはスプレー塗布し、これを
加熱して脱水環化させてイミド化することにより、図1
(B)に示すようにポリイミド断熱層4を形成する。
マスク3a、3bを除去した後、図示しない導体化膜を
形成し、この導体化膜を陰極としてニッケル電鋳を行っ
て図1(C)に示すようなニッケル層2bを電析させ、
ニッケル層2(2a、2b)の総厚みを300μmとす
る。そしてポリイミド断熱層4を含むニッケル層2をガ
ラス原盤1から剥離させ、内外周を打ち抜き加工するこ
とにより、図1(D)に示すような光ディスク基板成形
用スタンパ10を得る。スタンパ10には、ガラス原盤
1の凹凸微細パターン1aが反転した凹凸微細パターン
1a’が形成されている。
に装着し、溶融樹脂を射出充填することにより、光ディ
スク基板を成形する。このとき、金型温度は通常の温度
より10〜20℃だけ低く設定する。なお、ポリイミド
断熱層4の厚みは100μm程度とする。ポリイミド断
熱層4の厚みが20μm以上で、十分な転写性の確保
と、基板成形サイクルのタクトアップとを同時に実現で
きる。
て転写性と光ディスク基板成形サイクルのタクトアップ
とを向上させるために、光ディスク成形用スタンパに断
熱材を光ディスク基板成形用の転写面に沿わせて転写面
以外の部分に設ける技術がある。断熱材を用いて金型の
キャビティに溶融樹脂を射出充填すると、断熱材の断熱
作用により金型温度の変動に対する転写温度の変化が少
なくなり、低い金型温度でも充分に高温の転写温度が得
られる。したがって、高温の転写温度によって転写性を
良好に維持することができ、かつ、低い金型温度により
光ディスク基板成形サイクルのタクトアップを図ること
ができる。
おいて、内周部、外周部ともにマスクを設置したうえで
断熱層形成する原材料を大量に滴下し、ガラス原盤を低
速回転させることでゆっくり塗り広げ、それから高速に
回転することで余分の原材料を振り切り飛ばすスピンコ
ート方式が採用されている。ところがこの方式では、
(1)内周部、外周部に取り付けるマスクの保持が困難
である、(2)マスクのメンテナンス(余剰材料の分
離、洗浄)が困難である、(3)滴下する原材料の8割
以上が余剰として振り切られることからコスト高にな
る、(4)マスクを取り外す際に原材料から糸を引いて
しまい、それが不良の原因となる場合がある、(5)自
動化が困難である、等の多くの問題がある。
規な液膜形成方法として、図2、図3に示すように、所
定厚さのニッケル膜を備えたスタンパ原盤1を回転させ
ながら、断熱原材料溶液のディスペンスニードル5を原
盤上で半径方向に移動させ、ニッケル膜の裏面に多数の
同心円状または渦巻状に断熱原材料溶液6を塗布し、静
置して養生し、断熱原材料溶液をスタンパ原盤の半径方
向に延展させて均厚で平滑なドーナッツ状の断熱原材料
溶液層7を生成させるというものがある。またさらに他
の方法も存在しているが、いずれも断熱原材料の膜厚均
一性を高めるために、多くの技術的課題やプロセス上の
課題を抱えている。
み、従来必要であったマスクや膜厚均一性を高めるため
に必要とした機構やプロセスを不要とし、高品質の断熱
スタンパを簡単に低コストで製造する方法を提供するこ
とを目的とする。
断熱スタンパ製造方法は、上記目的を達成するために、
所定の溝を形成してあるガラス原盤に所定の厚みのニッ
ケル膜を形成し、該ニッケル膜上にポリイミド等の熱伝
導率が低くて耐熱性が高い材料からなる断熱層を形成し
て上記ニッケル膜と強固に密着させ、さらにニッケル電
鋳を施して所定の厚みとし、該断熱層を上記ガラス原盤
からはがした後に、内周部と外周部を所定半径の同心円
で打ち抜く断熱スタンパの製造方法において、片面に粘
着剤を有するポリイミドシートをニッケル膜に密着して
貼り付けて上記断熱層とすることを特徴とする。
するために、請求項1の断熱スタンパ製造方法におい
て、上記ポリイミドシートの形状をドーナッツ状とする
ことを特徴とする。
するために、請求項1または2の断熱スタンパ製造方法
において、上記ポリイミドシートが、厚み25μmのポ
リイミドフィルムと、厚み20〜45μmの粘着剤から
なることを特徴とする。
するために、請求項1ないし3のいずれかの断熱スタン
パ製造方法において、上記ポリイミドシートと上記ニッ
ケル膜の間に水を介在させて貼り付けることを特徴とす
る。
するために、請求項4の断熱スタンパ製造方法におい
て、上記ニッケル膜付きのガラス原盤と上記ポリイミド
シートをともに水中に沈めて貼り付けることを特徴とす
る。
するために、請求項4または5の断熱スタンパ製造方法
において、上記介在させる水に若干の界面活性剤を混入
させることを特徴とする。
するために、請求項6の断熱スタンパ製造方法におい
て、上記界面活性剤の濃度を10〜100ppmとする
ことを特徴とする。
するために、請求項4ないし7のいずれかの断熱スタン
パ製造方法において、上記ポリイミドシートを貼り付け
たガラス原盤を12時間以上大気放置することを特徴と
する。
的を達成するために、請求項1ないし8のいずれかの断
熱スタンパ製造方法を用いて作成してなることを特徴と
する。
は、上記目的を達成するために、請求項1ないし8のい
ずれかの断熱スタンパ製造方法を用いることを特徴とす
る。
態及び実施例を図面を参照して説明する。なお以下では
従来と共通する部分には共通する符号を付すにとどめ重
複する説明は省略する。また、本実施形態は、ガラス原
盤から断熱スタンパを作る方法を主に記載してあるが、
ガラス原盤から一旦マスタースタンパを形成し、そのマ
スタースタンパを原盤とするマザースタンパを形成し、
そのマザースタンパを原盤として作成する複製スタンパ
の製造方法や複製断熱スタンパにおいても全く同様に適
応できる。その際には本明細書における用語「ガラス原
盤」は「マスタースタンパ」と読み替えればよい。
の一実施形態を示す斜視図、図5はポリイミドシートの
拡大断面図である。本実施形態は、まずファーストニッ
ケル2aを施したガラス原盤1にポリイミドシート8を
密着させて貼りつけ、熱伝導率が低くて耐熱性が高い材
料からなる断熱層を形成する。ガラス原盤1には従来の
例と同様に所定の溝を形成してある。さらにニッケル電
鋳を施して所定の厚みとし、断熱層ごとガラス原盤1か
ら剥がした後に、内周部と外周部を所定半径の同心円で
打ち抜き、精巧なドーナッツ状に仕上げる。
して示すように、上部がポリイミドフィルム9で、下部
に粘着剤層10が均一の厚みで密着している。このポリ
イミドフィルム9の厚みを25μm、粘着剤層10の厚
みを20〜45μmとすると良好な特性を示す結果が得
られた。ポリイミドシートは、高い耐熱性と適度の断熱
性、充分な接着強度、均一な厚みを有し、また原材料と
してはコストが安くかつ入手しやすい。
の他の実施形態を示す斜視図である。本実施形態では、
ファーストニッケル2aを施したガラス原盤1にドーナ
ッツ状に打ち抜いたポリイミドシート11を密着させて
貼りつける。その他は先の実施形態と同様である。従来
の製造方法や図4の実施形態の方法では、パンチの断面
を詳細に観察すると断熱層が見える状態になり、この構
造では端部の接着強度が低下し「端部はがれ」という欠
陥に発展する恐れがある。本実施形態のように内外径の
端部に断熱層が露出しないドーナッツ状の断熱層を構成
するほうがより好ましい。
ラス原盤1にポリイミドシート8を貼りつける際に、そ
の境界面に水12を介在させて行う例を示す。図8はフ
ァーストニッケル2aを施したガラス原盤1とポリイミ
ドシート8の両方を水12を満たした容器13の中に沈
めたうえで両者を密着させて貼りつける例を示す。これ
らの方法を採用すると、ポリイミドシート8を貼り付け
る際に、気泡を挟まずに貼ることができる。
混入させてもよい。その場合、界面活性剤の濃度を10
〜100ppmとするとよい。水を介在させるとガラス
原盤1とポリイミドシート8の間の当初の接着強度が弱
いため、スキージ等を用いてしごきながら貼り付けてシ
ワを完全に除去することができる。
を貼り付けたガラス原盤1を12時間以上大気放置する
と、ポリイミドシート8の粘着面と、ガラス原盤1側の
ファーストニッケル2aの表面との境界面に残ってしま
ったわずかな水分を抜き取ることができる。
説明してきたように、従来のポリイミド含有溶液をスピ
ンコートする方法に比べて、余分な材料を振り切り飛ば
す必要がないので、材料費を大幅に節約でき、同時にポ
リイミド含有溶液の除去、清掃といったメンテナンス作
業が不要となるという効果がある。
に包み込む密閉式のスタンパが製作可能となるため、ス
タンパの端部めくれや剥がれといった不良が発生しなく
なり、スタンパの強度が増し、耐久性、信頼性が大幅に
向上するとともに、断熱層が空気と触れ合わなくなるの
で、長期に渡り形状品質が安定するという効果がある。
適度の断熱性、充分な接着強度、均一な厚みを実現する
原材料を安く簡単に入手することが可能となるという効
果がある。
き込みを完全に除去することが可能となるという効果が
ある。
着強度が弱いためスキージ等を用いてしごきながら貼り
付けることでシワを完全に除去することが可能となると
いう効果がある。
ートの粘着面と、ガラス原盤側のニッケル面との境界面
に残ってしまったわずかな水分を完全に除去することが
可能となるという効果がある。
いて高温樹脂の充填時には高い転写性と短い充填時間を
可能とし、樹脂の冷却硬化時には型温にすみやかに追従
するので冷却時間の短縮と型温の低温度化が可能なの
で、品質の優れたものになるという効果がある。
な装置構成で断熱層を容易に形成することが可能とな
り、従って断熱スタンパの製造を自動化することが容易
となり、また装置コストを下げることが可能となるとい
う効果がある。
る。
ある。
ある。
態を示す斜視図(A)及び拡大断面図(B)である。
形態を示す斜視図である。
て行う例を示す断面図である。
て行う他の例を示す断面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 所定の溝を形成してあるガラス原盤に所
定の厚みのニッケル膜を形成し、該ニッケル膜上にポリ
イミド等の熱伝導率が低くて耐熱性が高い材料からなる
断熱層を形成して上記ニッケル膜と強固に密着させ、さ
らにニッケル電鋳を施して所定の厚みとし、該断熱層を
上記ガラス原盤からはがした後に、内周部と外周部を所
定半径の同心円で打ち抜く断熱スタンパの製造方法にお
いて、片面に粘着剤を有するポリイミドシートをニッケ
ル膜に密着して貼り付けて上記断熱層とすることを特徴
とする断熱スタンパ製造方法。 - 【請求項2】 請求項1の断熱スタンパ製造方法におい
て、上記ポリイミドシートの形状をドーナッツ状とする
ことを特徴とする断熱スタンパ製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2の断熱スタンパ製造方
法において、上記ポリイミドシートが、厚み25μmの
ポリイミドフィルムと、厚み20〜45μmの粘着剤か
らなることを特徴とする断熱スタンパ製造方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの断熱スタ
ンパ製造方法において、上記ポリイミドシートと上記ニ
ッケル膜の間に水を介在させて貼り付けることを特徴と
する断熱スタンパ製造方法。 - 【請求項5】 請求項4の断熱スタンパ製造方法におい
て、上記ニッケル膜付きのガラス原盤と上記ポリイミド
シートをともに水中に沈めて貼り付けることを特徴とす
る断熱スタンパ製造方法。 - 【請求項6】 請求項4または5の断熱スタンパ製造方
法において、上記介在させる水に若干の界面活性剤を混
入させることを特徴とする断熱スタンパ製造方法。 - 【請求項7】 請求項6の断熱スタンパ製造方法におい
て、上記界面活性剤の濃度を10〜100ppmとする
ことを特徴とする断熱スタンパ製造方法。 - 【請求項8】 請求項4ないし7のいずれかの断熱スタ
ンパ製造方法において、上記ポリイミドシートを貼り付
けたガラス原盤を12時間以上大気放置することを特徴
とする断熱スタンパ製造方法。 - 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかの断熱スタ
ンパ製造方法を用いて作成してなることを特徴とする断
熱スタンパ。 - 【請求項10】 請求項1ないし8のいずれかの断熱ス
タンパ製造方法を用いることを特徴とする断熱スタンパ
製造装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000307421A JP3883375B2 (ja) | 2000-10-06 | 2000-10-06 | 断熱スタンパ製造方法、断熱スタンパ、断熱スタンパ製造装置 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002117593A true JP2002117593A (ja) | 2002-04-19 |
JP3883375B2 JP3883375B2 (ja) | 2007-02-21 |
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---|---|---|---|
JP2000307421A Expired - Fee Related JP3883375B2 (ja) | 2000-10-06 | 2000-10-06 | 断熱スタンパ製造方法、断熱スタンパ、断熱スタンパ製造装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3883375B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6823662B1 (en) | 1999-10-21 | 2004-11-30 | Nissan Motor Co., Ltd. | Exhaust gas purifying system |
US7704066B2 (en) | 2004-10-21 | 2010-04-27 | Ricoh Company, Ltd. | Heat insulating stamper structure |
-
2000
- 2000-10-06 JP JP2000307421A patent/JP3883375B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6823662B1 (en) | 1999-10-21 | 2004-11-30 | Nissan Motor Co., Ltd. | Exhaust gas purifying system |
US7704066B2 (en) | 2004-10-21 | 2010-04-27 | Ricoh Company, Ltd. | Heat insulating stamper structure |
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Publication number | Publication date |
---|---|
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