JP3871494B2 - スタンパの作成方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スタンパの作成方法に関し、より詳細には、光ディスク用成形金型であるスタンパの成形転写性並びに成形タクトの短縮を図るべく考案された、Ni以外の材料を追加したハイブリッド型スタンパの作成方法であって、マスタスタンパとサンスタンパともに適用可能なスタンパの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスク成型用スタンパを製造する方法としては、ガラス基板上にフォトレジスト膜を塗布形成し、レーザ露光、現像などの工程を経て、フォトレジスト膜上に微細な凹凸パターンを有した光ディスク原盤を作成し、次にこの光ディスク原盤の表面にNi(ニッケル)等の金属導体化膜を形成し、これを陰極として電鋳してNi電鋳膜を形成したものを原盤から剥離することによりスタンパを製造する方法が一般的である。光ディスクは、このようにして得られたスタンパを出射成形金型に用いて製造される。
【0003】
図2は、従来のスタンパ作成方法によって作成された、上下刃を有する内外形加工用プレス装置に載置する前のスタンパの状態を示す図である。最終的には、φ22〜36mm中心穴とφ130〜150mm外径をもつスタンパが成形金型に装着されPC基板の大量生産がなされる。流動状の成形樹脂がスタンパ表面に沿って射出され、冷却されながら接触硬化して転写が完了する。従って、スタンパ品質としては最低必須条件として成形キャビティの寸法領域の熱特性の均一性が要求される。
【0004】
特願平11−298526号公報に記載の発明は、光ディスク基板成形用スタンパに断熱層を設けることにより、高温の転写温度によって転写性を良好に維持すること、かつ、低い金型温度により光ディスク基板成形サイクルのタクトアップを図ることが可能な光ディスク基板成形用スタンパ、及びその作成方法が記載されている。断熱層は、光ディスク基板成形用の転写面に沿わせて転写面以外の部分に設けられている。このような断熱層を用いて金型のキャビティに溶融樹脂を射出充填すると、断熱層の断熱作用により、溶融樹脂充填後、従来より低温金型を用いても、スタンパに接触する樹脂温度が高くなることにより、充分な転写性が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のスタンパの作成方法(図2参照)では、内外径加工後に、高分子層22がスタンパ側面(内/外)に露出してしまう。実際、量産工程において、従来の作成方法によるスタンパ2は、金型への着脱時にスタンパ内縁部に剥がれが発生しやすいという事実が判明した。ショット数の増加に伴い、定期的にスタンパのメンテを行うが、そのとき特に発生頻度が高くなる。この理由として、スタンパ平面度の経時的な劣化が指摘されている。湾曲してかつ剥がれの要因を内在しているためである。
【0006】
上述の課題は、ハイブリッド型スタンパの開発において、
(1)メッキ工程の設計並びに条件決定、
(2)断熱層(高分子材)の塗布方法と条件決定、
(3)断熱層の硬化条件の検討、に関する課題であり、耐久性に関する高分子層と導電膜の密着性,1次メッキと高分子層の密着性、高分子層の厚みの均一性等のプロセス条件に関する課題である。
【0007】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、金型への着脱時にスタンパ内縁部に剥がれが発生しないように剥がれの起点をなくしたスタンパの作成方法を提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、光ディスク成形用スタンパを、断熱材料を成膜形成するに当たって、スタンパの外縁近傍及び内縁近傍に断熱材料が存在しないように作成する。
【0009】
請求項1の発明は、情報記録溝を有する導電皮膜処理済みガラス原盤に、全面にわたり所定の厚さだけ電鋳処理(1次メッキ)を施し、記録領域の内側のミラー面領域及び/又は外側ミラー面に含まれる所定の範囲に限定して凸部が形成されるべく電鋳処理(ボス形状メッキ/リング形状メッキ)で凸形状メッキ層を形成し、該凸形状メッキ層以外の領域に所定の厚みと材質を有する断熱層を形成し、導電皮膜処理を行い、最後に厚づけ電鋳処理(2次メッキ)を全面に施し、前記ガラス原盤から分離することを特徴としたものである。
【0010】
請求項2の発明は、情報記録溝を有する剥離皮膜処理済みマザースタンパに、全面にわたり所定の厚さだけ電鋳処理(1次メッキ)を施し、記録領域の内側のミラー面領域及び/又は外側ミラー面に含まれる所定の範囲に限定して凸部が形成されるべく電鋳処理(ボス形状メッキ/リング形状メッキ)で凸形状メッキ層を形成し、該凸形状メッキ層以外の領域に所定の厚みと材質を有する断熱層を形成し、導電皮膜処理を行い、最後に厚づけ電鋳処理(2次メッキ)を全面に施し、前記マザースタンパからサンスタンパを分離することを特徴としたものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記断熱層の厚みは前記凸形状メッキ層の厚み以下であることを特徴としたものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明において、電気力線分布を制御する部材のみを取り替える構造を有する電鋳陰極ジグを使用して電鋳処理を施すことを特徴としたものである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1乃至3の発明において、前記断熱層を形成する方法としてスピンコート法で材料を塗布し、雰囲気加熱方式及び/又は接触加熱方式で硬化させることを特徴としたものである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項4の発明において、断熱材料の最終硬化温度より低温状態に所定の時間保ち、硬化前の断熱材料に含まれる揮発性成分の残留を極力回避することを特徴としたものである。
【0015】
請求項7の発明は、請求項4の発明において、前記ガラス原盤或いはマザースタンパの裏面を剛体と一体化(吸着あるいは接合)させた状態で、処理を完結し、断熱層の硬化収縮に伴うワーク変形を抑えることを特徴としたものである。
【0016】
請求項8の発明は、請求項4の発明において、前記凸形状メッキ層の側壁の一部若しくは全面に所望の表面処理を施し、断熱材料との塗れ性を制御することで、前記凸形状メッキ層の上面部に断熱材料が被覆されることを防止することを特徴としたものである。
【0017】
請求項9の発明は、請求項4又は5の発明において、前記断熱層の内径寸法を成形金型の内周押さえ部材の外径寸法より小さくし、かつ、前記断熱層の外径寸法を成形金型の外周押さえリング内径より大きくするマスクを使用することを特徴としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、光ディスク用成形金型であるスタンパの成形転写性並びに成形タクトの短縮を図るべく考案された、Ni以外の材料を追加したハイブリッド型スタンパの作成方法であって、マスタスタンパとサンスタンパともに適用可能なスタンパの作成方法に関する。本発明においては、光ディスク成形用スタンパを、断熱材料を成膜形成するに当たって、スタンパの外縁近傍及び内縁近傍に断熱材料が存在しないように作成する。
【0019】
図1は、本発明のスタンパ作成方法によって作成されたハイブリッド型スタンパの基本的な層構成を示す図である。図2は、従来のスタンパ作成方法によって作成されたハイブリッド型スタンパの基本的な層構成を示す図である。図1,図2共に、上下刃を有する内外形加工用プレス装置に載置する前のスタンパの状態を示している。本発明は、従来技術によるスタンパ(図2参照)の改良型としてのスタンパ(図1参照)の製作方法を提供する。
【0020】
従来技術によるスタンパ作成方法(図2)によって作成されたスタンパ2は、内外径加工後に、高分子層22がスタンパ側面(内/外)に露出する。一方、本発明によるスタンパ作成方法(図1)によって作成されたスタンパ1は、高分子層12の露出を回避し、Niそのものが露出するようにする。従って、量産工程において金型への着脱時にスタンパ内縁部に剥がれが発生しやすいという事実は、本発明によるスタンパの剥がれの起点がないという事実によって、解消される。
【0021】
図3は、本発明によるハイブリッド型スタンパ作成工程を説明するための図、図4は、スタンパ作成工程の概要を説明するための図である。
ハイブリッド型スタンパの作成方法としては、まず、ガラス基板にレジストを塗布し、露光、フォトリングにより、転写面パターンとしての凹凸微細パターンを形成することによりガラス原盤を作成する(ステップS1)。次に、第1の導電化処理として、Niスパッタ或いは無電解Niにより、凹凸微細パターンに導電化膜を形成する(ステップS2)。続いて、ガラス基板よりNi電鋳層を剥離し、残存のレジストを除去することでマスタスタンパを作成し、第1の剥離皮膜処理(ステップS41)を行う(ステップS3)。剥離皮膜処理を行ったマスタスタンパから電鋳厚づけ(ステップS42)、電鋳層を剥離(ステップS43)することによりマザースタンパを作成し、第2の剥離皮膜処理を行う(ステップS4)。最後に、後述するサンスタンパ作成工程(ステップS5)を経て、サンスタンパの裏面研磨、内外形加工、検査等、仕上げを行う(ステップS6)。
【0022】
ハイブリッド型スタンパと従来の複製スタンパ製作工程との相違点は、図3中のステップS5のサンスタンパ作成の工程である。このサンスタンパ作成プロセスは、大きく分けて、1次メッキ,高分子層形成,第2の導電化処理,2次メッキの4プロセスから構成されている。一方、従来のスタンパは、1回のメッキ工程で300μm厚みのNiスタンパを完成させて、マザースタンパから剥がして次工程のサンスタンパ仕上げ(ステップS6に該当)に進むことになる。以下、1次メッキ,高分子層形成,第2の導電化処理,2次メッキの各プロセスに関して詳細を説明する。
【0023】
剥離皮膜処理(ステップS51)を行ったマザースタンパに対し、電鋳薄づけ(1次メッキ処理:ステップS52)を行い、1次メッキ層を形成する。再度、図1のハイブリッド型スタンパ1の層構成を参照する。1次メッキ11の最表面には、ガラス原盤で設けられた情報用記録溝が形成されている。メッキ厚みは成形機と成形条件で決められ、ここでは例として10〜50μmを採用している。図1はマザーから剥がした後の、単体を表現しているが、実工程では、剥離皮膜NiOxを介してマザー面上に析出されている。
【0024】
次に、ガラス転移点が220℃以上の高耐熱性樹脂層を積層する(高分子層形成:ステップS53)。この樹脂層は、硬化後のフィルムでもよいし、溶剤で希釈された液状高分子でもよい。具体例としては、PI系(ポリイミド)、PEEK系(ポリエーテルエーテルケトン)、APA系(アラミド)、PAI系(ポリアミドイミド)、PPS系(ポリフェニレンスルフィド)などが適用可能である。フイルムの場合、使用時の環境(温度250℃以上、圧力200Kg/cm2以上)に耐えるためには、1次メッキ11との密着性/剥離強度を充分に考慮した接着剤層を必要とする。
【0025】
高分子層12の厚みは、成形条件に依存するが、10〜50μm(面内ばらつき±1μm)が実用範囲である。従って、液状の高分子材を所定量だけ滴下し、ガス巻き込みや異物混入防止や、塗りむら防止が設備に課せられる課題である。この工程で発生した微少欠陥は次工程の厚膜(約250μm)2次メッキ工程で増幅された形状欠陥となる。これは電鋳時の電気力線の集中(エッジ効果)に起因するものである。これらの理由から、サン複製工程設備は、清浄環境でかつ人手が介在しないクローズなインラインシステムが必須となる。
【0026】
高分子層12を形成した後は、2次メッキ用の導電化処理(導電膜形成:ステップS55)をNiスパッタ或いは無電解Niメッキで行う。この際、問題となるのがこの500〜1000Å厚みの薄膜Ni層と高分子表面との密着性である。その後、電鋳厚づけ(ステップS56)を行い、マザースタンパからサンスタンパ(サンa)を剥離(ステップS57)する。上記工程を繰り返して次のサンスタンパ(サンb以降)を形成する。
【0027】
硬化後の高分子表面は、通常、金属との塗れ性が悪く一般的には表面改質をする(ステップS54)のが好ましい。本発明の設備においてもこの点を勘案した構成を検討する必要性がある。具体的には、乾式の紫外線照射方式とスパッタエッチング方式を採用できる。紫外線照射方式は、反応が比較的緩慢であり安定したプロセスであるが処理時間が長くなるという欠点を有する。一方、スパッタエッチング方式は、加速された原子状イオンがシャワーのごとくワーク面に衝突するため処理条件の選定が難しく、過度な処理は高分子表面にWBL層(WeakBoundary Layer)を惹起するため注意が必要である。クロム酸系の湿式酸化法もあるが、欠陥低減と液管理の煩雑を避けるために、上記の乾式方式を採用するが好ましい。
【0028】
ハイブリッド型スタンパの構造/形状を作ることは必須であるが、更に加えて成形機内部での過酷な条件に耐える必要がある。その意味で、成形機の高分子層劣化性,高分子層と導電膜の密着性,1次メッキと高分子層の密着性といった課題群をクリアにする技術的なアプローチが要求される。成形機キャビティ内では高温/高圧下での繰り返し曲げ応力や樹脂流動に伴う摩擦応力並びに数秒単位での50〜300℃熱サイクルに曝されるのである。好ましくは、20万ショット以上を目標とする。
【0029】
各工程の方式を選定するためは、所望の高分子層を形成することに注力する必要性がある。しかも直径200mmの面積にわたって均一な層厚みを確保しかつ所望の耐久性を維持するための条件的な工夫が必要となる。つまり、転写面の平滑性を含む高分子厚み均一性,高分子構造均一性,硬化機構,密着性向上を含む表面品質を考慮する必要がある。また、情報記録用媒体の金型であるので高度な清浄性が前提でありかつ異なるプロセスを経る関係上、工程間の搬送方法及びワーク保持方法を含むワーク搬送の工夫も必須である。
【0030】
以上の全般的な説明を踏まえて、本発明の特徴を詳細に説明する。
図5は、本発明の一実施形態におけるハイブリッド型スタンパの作成方法を説明するための図で、請求項1乃至3の発明に対応する、ガラス原盤からスタートするマスタ作成の工程の一例を示す図である。図5を用いて、各層の積層の過程を説明する。図5(B)は、この積層過程の2ステップ目に相当し、断面中心部にボスメッキ(2次メッキ)13が表現されている。
【0031】
まず、情報記録溝を有する導電皮膜処理済みガラス原盤17に、全面にわたり所定の厚さだけ電鋳処理(1次メッキ11)を施す(図5(A))。次に、記録領域の内側ミラー面領域及び/又は、外側ミラー面に含まれる所定の範囲に限定して凸部が形成されるべく電鋳処理(ボス形状メッキ/リング形状メッキ)で凸形状メッキ層13を形成する(図5(B))。次に、該凸形状メッキの以外の領域に所定の厚みと材質を有する断熱層12を形成する。なお、図5(B)においては、ボス形状のメッキ13のみの場合を示しているが、断熱層(高分子層)12の外縁に当たる位置にもリング形状のメッキ層を形成することが好ましい。しかる後に、導電皮膜処理を行い、最終の厚づけ電鋳処理(2次メッキ15)を全面に施し(図5(C))、ガラス原盤17から分離する。情報記録溝を有する剥離皮膜処理済みマザースタンパからサンスタンパを分離する工程も同様である。最後或いはガラス原盤17若しくはマザースタンパから分離後に、中心取り付け穴18を開ける(図5(D))。
以下、各工程をより詳細に説明する。
【0032】
図6は、図5(A)のボスメッキを作成する様子を説明するための図で、2段メッキ(遮蔽板の交換)を示す図である。スルファミン酸Ni電鋳浴に所定濃度の硼酸並びに界面活性剤で調整されている。図6中、左下に配置されている陽極バッグ31にはNiペレットが充填されている。これに対向してワーク33(ガラス原盤若しくはマザースタンパ)を固定した回転陰極部32が設置されている。ワーク33の全面には電気力線に沿ってNiイオンがワーク33に向かって移動し電気メッキが進行していく。Niイオンの流路には遮蔽部材34,35が設置されている。この部材34,35の開口面積とテーパ形状によりメッキが形成される領域範囲並びに厚み分布を制御している。
【0033】
図6の(A)と(B)の違いは遮蔽部材34,35の開口面積である。図6(A)は1次メッキを示している。図6(B)は凸形状メッキ(ボスメッキ)の状態を示している。開口径は、断熱層の内径寸法を成形金型の内周押さえ部材の外径寸法より小さくし、かつ、断熱層外径寸法を成形金型の外周押さえリング内径より大きくするマスクを使用するようにすることが好ましく、ここでは例としてそれぞれψ160mmとψ37mmの寸法を有する部材を想定している。(請求項9の発明に対応)
【0034】
更に、両遮蔽部材34,35はネジの取り外しで随時交換可能となっている。1次メッキもボスメッキも共に厚みが30μm以下であり破れやすく、剥がれやすい。従って、ステップ毎に、異なる陰極ジグ32へのワーク33の移し替えはトラブルを発生させる可能性を増加させることになる。この点を配慮してワーク33を電鋳装置に取り付けたままで、遮蔽板だけを交換する方式を採用することが好ましい。つまり、電気力線分布を制御する部材のみを取り替える構造を有する電鋳陰極ジグを使用することが好ましい。(請求項4の発明に対応)
【0035】
再度、図5を参照すると、図中、(B)の2ステップ目のボスメッキ13の外側に同じ厚みを有する断熱層12(高分子材)がある。断熱層形成方法として、例えばスピンコート法で材料を塗布し、雰囲気加熱方式及び/又は接触加熱方式で硬化させる(請求項5の発明に対応)。
【0036】
高分子層12の形成方法の一例を図7乃至図9を用いて説明する。図7は、図1における高分子層の形成例を説明するための図、図8は、図2における高分子層の形成例を説明するための図、図9は、図7及び図8の高分子層を形成するに当たって使用する装置の一例を示す図である。因みに、本実施形態では、回転台の上にリフトピン2で上下する台の上に、ワーク(スタンパ)を搭載して、リフトピン1で上下する外周マスクでワーク(スタンパ)を固定することにより、ワークをセットしマスクを着脱することを可能にした。図7及び図8いずれもスピナ塗布方式である。図7(A),図8(A)は、高分子層12,22を形成する前の状態を示している。
【0037】
図8において、従来の高分子層形成方法としては、高分子液22’をマザースタンパ17上のサン1次メッキ21上に塗布し(図8(A))、回転させることにより高分子層22を形成する(図8(B))。この方法を本発明に適応させるために、図7に示す工程には、ドーナッツ状の領域を形成させるために以下の2つの工夫が盛り込まれている。
【0038】
(1)図7で表現したように、塗布直後の断熱材12は約80wt%以上の溶剤成分が含有されており、厚みとしてはボスメッキ13の5〜10倍近く塗布する必要がある。この際、300PSI近い粘度とはいえレベリング作用が働きボスメッキ13の上面を被覆する現象が発生する。これを回避するために、接触部で両者の塗れ性を悪くすることが好ましい。極く微量(分子オーダ)のシリコン層を、ボスメッキ層13の側壁の一部若しくは全面に形成することで、図7(B)に表現した弾き合う感じの塗り方が可能となる。(請求項8の発明に対応)
【0039】
(2)回転拡げの工夫:第1回転速度を100rpm以下として、外周マスク19の近傍まで拡げた後に第2回転速度を400〜1000rpmとして回転遠心力で厚み25〜50μm範囲で均一に仕上げることが可能である。この例では、厚みのばらつきは±1μmが達成できた。
【0040】
しかる後に熱エネルギーを付与して、溶剤を蒸発、樹脂成分の架橋により所望の断熱層12が得られるのである。
上述のごとく、凸形状メッキ層の側壁の一部若しくは全面に所望の表面処理を施し、断熱材料との塗れ性を制御することで、凸形状メッキ層の上面部に断熱材料が被覆されることを防止する。
【0041】
次に、請求項6と請求項7の発明に関し、熱硬化に関する工夫を説明する。
図10は、断熱層の硬化後の変形を説明するための図、図11は、図10の変形の防止方法の一例を説明するための図である。ワーク33上で形成される断熱層12は、硬化に伴って収縮し、それによってワーク33は湾曲する。最終硬化温度より低温状態に所定の時間保つことにより、硬化前の断熱材料12に含まれる揮発性成分の残留を極力回避することが可能になる。また、原盤或いはマザースタンパの裏面を剛体と一体化(吸着或いは接合)させた状態で、処理を完結することにより、断熱層の硬化収縮に伴うワーク変形を抑えることが可能になる。
【0042】
後者の一体化させた状態で処理する方法としては、例えば、ワーク33とそれを固定するためのマグネットシート41とを吸着させて処理する方法(図11(A))や、ワーク33と裏打ち板43とを接着剤42で接合させて処理する方法(図11(B))がある。実際、図11の(A),(B)の両方法とも実施済みであり良好な結果が得られている。特に、(B)の裏打ち方式はマザースタンパからサンスタンパを作成するときにより有効であることが分かった。即ち単板のメッキ板はそもそも剛性が低くマグネットシートの磁力レベルでは強制力不足の場合がある。
【0043】
図12は、メッキ前準備としての導電皮膜を形成するための導電皮膜形成装置の原理を示す図である。ここでは、以上の説明の補足として、メッキ前準備としての導電皮膜形成処理をNiスパッタ方式を例として説明する。ここでの処理は、プラズマを発生させ、Ni基板53からのNiを、断熱材52が形成されたワークホルダ54上に1次ニッケル51としてNi導電皮膜を積層する。
【0044】
【発明の効果】
請求項1乃至3の発明によれば、中心部と外縁部がNi材で補強されたスタンパを作成することを可能にし、耐久性が飛躍的に向上することが期待される。
【0045】
請求項4の発明によれば、メッキ工程の安定化が図れ、歩留まりの向上が期待される。
【0046】
請求項5の発明によれば、所望のドーナッツ状断熱層を形成することができ、かつ最終硬化層位置が制御可能になる。
【0047】
請求項6の発明によれば、揮発性ガス成分を効率よく除去でき、ガス欠陥の無い断熱層が形成される。成形基板の光学特性や機械特性を阻害するようミクロ因子を回避できる。よって、メディア品質の安定化が図れる。
【0048】
請求項7の発明によれば、反りの少ないスタンパが提供でき、成形機内でのスタンパの暴れや変形を抑制でき、スタンパの寿命の向上が期待できる。
【0049】
請求項8の発明によれば、所望の領域に断熱層とNi層を形成でき、品質の安定化に繋がる。
【0050】
請求項9の発明によれば、成形金型キャビティ内の全範囲で均質な断熱層が含まれ、周辺編部では強固な強度を有する、スタンパが提供でき、寿命の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスタンパ作成方法によって作成されたハイブリッド型スタンパの基本的な層構成を示す図である。
【図2】 従来のスタンパ作成方法によって作成されたハイブリッド型スタンパの基本的な層構成を示す図である。
【図3】 本発明によるハイブリッド型スタンパ作成工程を説明するための図である。
【図4】 スタンパ作成工程の概要を説明するための図である。
【図5】 本発明の一実施形態におけるハイブリッド型スタンパの作成方法を説明するための図である。
【図6】 図5(A)のボスメッキを作成する様子を説明するための図である。
【図7】 図1における高分子層の形成例を説明するための図である。
【図8】 図2における高分子層の形成例を説明するための図である。
【図9】 図7及び図8の高分子層を形成するに当たって使用する装置の一例を示す図である。
【図10】 断熱層の硬化後の変形を説明するための図である。
【図11】 図10の変形の防止方法の一例を説明するための図である。
【図12】 メッキ前準備としての導電皮膜を形成するための導電皮膜形成装置の原理を示す図である。
【符号の説明】
11,21…1次メッキ、12,22,52…高分子層(断熱層)、13…ボスメッキ、14,24…導電化膜、15,25…2次メッキ、16,26…情報記録面、17,27…ガラス原盤、18…中心取り付け穴、19…外周マスク、31…陽極バッグ、32…回転陰極部、33…ワーク、34,35…遮蔽部材、41…マグネットシート、42…接着剤、43…裏打ち板、51…1次ニッケル、53…Ni基板、54…ワークホルダ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、スタンパの作成方法に関し、より詳細には、光ディスク用成形金型であるスタンパの成形転写性並びに成形タクトの短縮を図るべく考案された、Ni以外の材料を追加したハイブリッド型スタンパの作成方法であって、マスタスタンパとサンスタンパともに適用可能なスタンパの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスク成型用スタンパを製造する方法としては、ガラス基板上にフォトレジスト膜を塗布形成し、レーザ露光、現像などの工程を経て、フォトレジスト膜上に微細な凹凸パターンを有した光ディスク原盤を作成し、次にこの光ディスク原盤の表面にNi(ニッケル)等の金属導体化膜を形成し、これを陰極として電鋳してNi電鋳膜を形成したものを原盤から剥離することによりスタンパを製造する方法が一般的である。光ディスクは、このようにして得られたスタンパを出射成形金型に用いて製造される。
【0003】
図2は、従来のスタンパ作成方法によって作成された、上下刃を有する内外形加工用プレス装置に載置する前のスタンパの状態を示す図である。最終的には、φ22〜36mm中心穴とφ130〜150mm外径をもつスタンパが成形金型に装着されPC基板の大量生産がなされる。流動状の成形樹脂がスタンパ表面に沿って射出され、冷却されながら接触硬化して転写が完了する。従って、スタンパ品質としては最低必須条件として成形キャビティの寸法領域の熱特性の均一性が要求される。
【0004】
特願平11−298526号公報に記載の発明は、光ディスク基板成形用スタンパに断熱層を設けることにより、高温の転写温度によって転写性を良好に維持すること、かつ、低い金型温度により光ディスク基板成形サイクルのタクトアップを図ることが可能な光ディスク基板成形用スタンパ、及びその作成方法が記載されている。断熱層は、光ディスク基板成形用の転写面に沿わせて転写面以外の部分に設けられている。このような断熱層を用いて金型のキャビティに溶融樹脂を射出充填すると、断熱層の断熱作用により、溶融樹脂充填後、従来より低温金型を用いても、スタンパに接触する樹脂温度が高くなることにより、充分な転写性が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のスタンパの作成方法(図2参照)では、内外径加工後に、高分子層22がスタンパ側面(内/外)に露出してしまう。実際、量産工程において、従来の作成方法によるスタンパ2は、金型への着脱時にスタンパ内縁部に剥がれが発生しやすいという事実が判明した。ショット数の増加に伴い、定期的にスタンパのメンテを行うが、そのとき特に発生頻度が高くなる。この理由として、スタンパ平面度の経時的な劣化が指摘されている。湾曲してかつ剥がれの要因を内在しているためである。
【0006】
上述の課題は、ハイブリッド型スタンパの開発において、
(1)メッキ工程の設計並びに条件決定、
(2)断熱層(高分子材)の塗布方法と条件決定、
(3)断熱層の硬化条件の検討、に関する課題であり、耐久性に関する高分子層と導電膜の密着性,1次メッキと高分子層の密着性、高分子層の厚みの均一性等のプロセス条件に関する課題である。
【0007】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、金型への着脱時にスタンパ内縁部に剥がれが発生しないように剥がれの起点をなくしたスタンパの作成方法を提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、光ディスク成形用スタンパを、断熱材料を成膜形成するに当たって、スタンパの外縁近傍及び内縁近傍に断熱材料が存在しないように作成する。
【0009】
請求項1の発明は、情報記録溝を有する導電皮膜処理済みガラス原盤に、全面にわたり所定の厚さだけ電鋳処理(1次メッキ)を施し、記録領域の内側のミラー面領域及び/又は外側ミラー面に含まれる所定の範囲に限定して凸部が形成されるべく電鋳処理(ボス形状メッキ/リング形状メッキ)で凸形状メッキ層を形成し、該凸形状メッキ層以外の領域に所定の厚みと材質を有する断熱層を形成し、導電皮膜処理を行い、最後に厚づけ電鋳処理(2次メッキ)を全面に施し、前記ガラス原盤から分離することを特徴としたものである。
【0010】
請求項2の発明は、情報記録溝を有する剥離皮膜処理済みマザースタンパに、全面にわたり所定の厚さだけ電鋳処理(1次メッキ)を施し、記録領域の内側のミラー面領域及び/又は外側ミラー面に含まれる所定の範囲に限定して凸部が形成されるべく電鋳処理(ボス形状メッキ/リング形状メッキ)で凸形状メッキ層を形成し、該凸形状メッキ層以外の領域に所定の厚みと材質を有する断熱層を形成し、導電皮膜処理を行い、最後に厚づけ電鋳処理(2次メッキ)を全面に施し、前記マザースタンパからサンスタンパを分離することを特徴としたものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記断熱層の厚みは前記凸形状メッキ層の厚み以下であることを特徴としたものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明において、電気力線分布を制御する部材のみを取り替える構造を有する電鋳陰極ジグを使用して電鋳処理を施すことを特徴としたものである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1乃至3の発明において、前記断熱層を形成する方法としてスピンコート法で材料を塗布し、雰囲気加熱方式及び/又は接触加熱方式で硬化させることを特徴としたものである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項4の発明において、断熱材料の最終硬化温度より低温状態に所定の時間保ち、硬化前の断熱材料に含まれる揮発性成分の残留を極力回避することを特徴としたものである。
【0015】
請求項7の発明は、請求項4の発明において、前記ガラス原盤或いはマザースタンパの裏面を剛体と一体化(吸着あるいは接合)させた状態で、処理を完結し、断熱層の硬化収縮に伴うワーク変形を抑えることを特徴としたものである。
【0016】
請求項8の発明は、請求項4の発明において、前記凸形状メッキ層の側壁の一部若しくは全面に所望の表面処理を施し、断熱材料との塗れ性を制御することで、前記凸形状メッキ層の上面部に断熱材料が被覆されることを防止することを特徴としたものである。
【0017】
請求項9の発明は、請求項4又は5の発明において、前記断熱層の内径寸法を成形金型の内周押さえ部材の外径寸法より小さくし、かつ、前記断熱層の外径寸法を成形金型の外周押さえリング内径より大きくするマスクを使用することを特徴としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、光ディスク用成形金型であるスタンパの成形転写性並びに成形タクトの短縮を図るべく考案された、Ni以外の材料を追加したハイブリッド型スタンパの作成方法であって、マスタスタンパとサンスタンパともに適用可能なスタンパの作成方法に関する。本発明においては、光ディスク成形用スタンパを、断熱材料を成膜形成するに当たって、スタンパの外縁近傍及び内縁近傍に断熱材料が存在しないように作成する。
【0019】
図1は、本発明のスタンパ作成方法によって作成されたハイブリッド型スタンパの基本的な層構成を示す図である。図2は、従来のスタンパ作成方法によって作成されたハイブリッド型スタンパの基本的な層構成を示す図である。図1,図2共に、上下刃を有する内外形加工用プレス装置に載置する前のスタンパの状態を示している。本発明は、従来技術によるスタンパ(図2参照)の改良型としてのスタンパ(図1参照)の製作方法を提供する。
【0020】
従来技術によるスタンパ作成方法(図2)によって作成されたスタンパ2は、内外径加工後に、高分子層22がスタンパ側面(内/外)に露出する。一方、本発明によるスタンパ作成方法(図1)によって作成されたスタンパ1は、高分子層12の露出を回避し、Niそのものが露出するようにする。従って、量産工程において金型への着脱時にスタンパ内縁部に剥がれが発生しやすいという事実は、本発明によるスタンパの剥がれの起点がないという事実によって、解消される。
【0021】
図3は、本発明によるハイブリッド型スタンパ作成工程を説明するための図、図4は、スタンパ作成工程の概要を説明するための図である。
ハイブリッド型スタンパの作成方法としては、まず、ガラス基板にレジストを塗布し、露光、フォトリングにより、転写面パターンとしての凹凸微細パターンを形成することによりガラス原盤を作成する(ステップS1)。次に、第1の導電化処理として、Niスパッタ或いは無電解Niにより、凹凸微細パターンに導電化膜を形成する(ステップS2)。続いて、ガラス基板よりNi電鋳層を剥離し、残存のレジストを除去することでマスタスタンパを作成し、第1の剥離皮膜処理(ステップS41)を行う(ステップS3)。剥離皮膜処理を行ったマスタスタンパから電鋳厚づけ(ステップS42)、電鋳層を剥離(ステップS43)することによりマザースタンパを作成し、第2の剥離皮膜処理を行う(ステップS4)。最後に、後述するサンスタンパ作成工程(ステップS5)を経て、サンスタンパの裏面研磨、内外形加工、検査等、仕上げを行う(ステップS6)。
【0022】
ハイブリッド型スタンパと従来の複製スタンパ製作工程との相違点は、図3中のステップS5のサンスタンパ作成の工程である。このサンスタンパ作成プロセスは、大きく分けて、1次メッキ,高分子層形成,第2の導電化処理,2次メッキの4プロセスから構成されている。一方、従来のスタンパは、1回のメッキ工程で300μm厚みのNiスタンパを完成させて、マザースタンパから剥がして次工程のサンスタンパ仕上げ(ステップS6に該当)に進むことになる。以下、1次メッキ,高分子層形成,第2の導電化処理,2次メッキの各プロセスに関して詳細を説明する。
【0023】
剥離皮膜処理(ステップS51)を行ったマザースタンパに対し、電鋳薄づけ(1次メッキ処理:ステップS52)を行い、1次メッキ層を形成する。再度、図1のハイブリッド型スタンパ1の層構成を参照する。1次メッキ11の最表面には、ガラス原盤で設けられた情報用記録溝が形成されている。メッキ厚みは成形機と成形条件で決められ、ここでは例として10〜50μmを採用している。図1はマザーから剥がした後の、単体を表現しているが、実工程では、剥離皮膜NiOxを介してマザー面上に析出されている。
【0024】
次に、ガラス転移点が220℃以上の高耐熱性樹脂層を積層する(高分子層形成:ステップS53)。この樹脂層は、硬化後のフィルムでもよいし、溶剤で希釈された液状高分子でもよい。具体例としては、PI系(ポリイミド)、PEEK系(ポリエーテルエーテルケトン)、APA系(アラミド)、PAI系(ポリアミドイミド)、PPS系(ポリフェニレンスルフィド)などが適用可能である。フイルムの場合、使用時の環境(温度250℃以上、圧力200Kg/cm2以上)に耐えるためには、1次メッキ11との密着性/剥離強度を充分に考慮した接着剤層を必要とする。
【0025】
高分子層12の厚みは、成形条件に依存するが、10〜50μm(面内ばらつき±1μm)が実用範囲である。従って、液状の高分子材を所定量だけ滴下し、ガス巻き込みや異物混入防止や、塗りむら防止が設備に課せられる課題である。この工程で発生した微少欠陥は次工程の厚膜(約250μm)2次メッキ工程で増幅された形状欠陥となる。これは電鋳時の電気力線の集中(エッジ効果)に起因するものである。これらの理由から、サン複製工程設備は、清浄環境でかつ人手が介在しないクローズなインラインシステムが必須となる。
【0026】
高分子層12を形成した後は、2次メッキ用の導電化処理(導電膜形成:ステップS55)をNiスパッタ或いは無電解Niメッキで行う。この際、問題となるのがこの500〜1000Å厚みの薄膜Ni層と高分子表面との密着性である。その後、電鋳厚づけ(ステップS56)を行い、マザースタンパからサンスタンパ(サンa)を剥離(ステップS57)する。上記工程を繰り返して次のサンスタンパ(サンb以降)を形成する。
【0027】
硬化後の高分子表面は、通常、金属との塗れ性が悪く一般的には表面改質をする(ステップS54)のが好ましい。本発明の設備においてもこの点を勘案した構成を検討する必要性がある。具体的には、乾式の紫外線照射方式とスパッタエッチング方式を採用できる。紫外線照射方式は、反応が比較的緩慢であり安定したプロセスであるが処理時間が長くなるという欠点を有する。一方、スパッタエッチング方式は、加速された原子状イオンがシャワーのごとくワーク面に衝突するため処理条件の選定が難しく、過度な処理は高分子表面にWBL層(WeakBoundary Layer)を惹起するため注意が必要である。クロム酸系の湿式酸化法もあるが、欠陥低減と液管理の煩雑を避けるために、上記の乾式方式を採用するが好ましい。
【0028】
ハイブリッド型スタンパの構造/形状を作ることは必須であるが、更に加えて成形機内部での過酷な条件に耐える必要がある。その意味で、成形機の高分子層劣化性,高分子層と導電膜の密着性,1次メッキと高分子層の密着性といった課題群をクリアにする技術的なアプローチが要求される。成形機キャビティ内では高温/高圧下での繰り返し曲げ応力や樹脂流動に伴う摩擦応力並びに数秒単位での50〜300℃熱サイクルに曝されるのである。好ましくは、20万ショット以上を目標とする。
【0029】
各工程の方式を選定するためは、所望の高分子層を形成することに注力する必要性がある。しかも直径200mmの面積にわたって均一な層厚みを確保しかつ所望の耐久性を維持するための条件的な工夫が必要となる。つまり、転写面の平滑性を含む高分子厚み均一性,高分子構造均一性,硬化機構,密着性向上を含む表面品質を考慮する必要がある。また、情報記録用媒体の金型であるので高度な清浄性が前提でありかつ異なるプロセスを経る関係上、工程間の搬送方法及びワーク保持方法を含むワーク搬送の工夫も必須である。
【0030】
以上の全般的な説明を踏まえて、本発明の特徴を詳細に説明する。
図5は、本発明の一実施形態におけるハイブリッド型スタンパの作成方法を説明するための図で、請求項1乃至3の発明に対応する、ガラス原盤からスタートするマスタ作成の工程の一例を示す図である。図5を用いて、各層の積層の過程を説明する。図5(B)は、この積層過程の2ステップ目に相当し、断面中心部にボスメッキ(2次メッキ)13が表現されている。
【0031】
まず、情報記録溝を有する導電皮膜処理済みガラス原盤17に、全面にわたり所定の厚さだけ電鋳処理(1次メッキ11)を施す(図5(A))。次に、記録領域の内側ミラー面領域及び/又は、外側ミラー面に含まれる所定の範囲に限定して凸部が形成されるべく電鋳処理(ボス形状メッキ/リング形状メッキ)で凸形状メッキ層13を形成する(図5(B))。次に、該凸形状メッキの以外の領域に所定の厚みと材質を有する断熱層12を形成する。なお、図5(B)においては、ボス形状のメッキ13のみの場合を示しているが、断熱層(高分子層)12の外縁に当たる位置にもリング形状のメッキ層を形成することが好ましい。しかる後に、導電皮膜処理を行い、最終の厚づけ電鋳処理(2次メッキ15)を全面に施し(図5(C))、ガラス原盤17から分離する。情報記録溝を有する剥離皮膜処理済みマザースタンパからサンスタンパを分離する工程も同様である。最後或いはガラス原盤17若しくはマザースタンパから分離後に、中心取り付け穴18を開ける(図5(D))。
以下、各工程をより詳細に説明する。
【0032】
図6は、図5(A)のボスメッキを作成する様子を説明するための図で、2段メッキ(遮蔽板の交換)を示す図である。スルファミン酸Ni電鋳浴に所定濃度の硼酸並びに界面活性剤で調整されている。図6中、左下に配置されている陽極バッグ31にはNiペレットが充填されている。これに対向してワーク33(ガラス原盤若しくはマザースタンパ)を固定した回転陰極部32が設置されている。ワーク33の全面には電気力線に沿ってNiイオンがワーク33に向かって移動し電気メッキが進行していく。Niイオンの流路には遮蔽部材34,35が設置されている。この部材34,35の開口面積とテーパ形状によりメッキが形成される領域範囲並びに厚み分布を制御している。
【0033】
図6の(A)と(B)の違いは遮蔽部材34,35の開口面積である。図6(A)は1次メッキを示している。図6(B)は凸形状メッキ(ボスメッキ)の状態を示している。開口径は、断熱層の内径寸法を成形金型の内周押さえ部材の外径寸法より小さくし、かつ、断熱層外径寸法を成形金型の外周押さえリング内径より大きくするマスクを使用するようにすることが好ましく、ここでは例としてそれぞれψ160mmとψ37mmの寸法を有する部材を想定している。(請求項9の発明に対応)
【0034】
更に、両遮蔽部材34,35はネジの取り外しで随時交換可能となっている。1次メッキもボスメッキも共に厚みが30μm以下であり破れやすく、剥がれやすい。従って、ステップ毎に、異なる陰極ジグ32へのワーク33の移し替えはトラブルを発生させる可能性を増加させることになる。この点を配慮してワーク33を電鋳装置に取り付けたままで、遮蔽板だけを交換する方式を採用することが好ましい。つまり、電気力線分布を制御する部材のみを取り替える構造を有する電鋳陰極ジグを使用することが好ましい。(請求項4の発明に対応)
【0035】
再度、図5を参照すると、図中、(B)の2ステップ目のボスメッキ13の外側に同じ厚みを有する断熱層12(高分子材)がある。断熱層形成方法として、例えばスピンコート法で材料を塗布し、雰囲気加熱方式及び/又は接触加熱方式で硬化させる(請求項5の発明に対応)。
【0036】
高分子層12の形成方法の一例を図7乃至図9を用いて説明する。図7は、図1における高分子層の形成例を説明するための図、図8は、図2における高分子層の形成例を説明するための図、図9は、図7及び図8の高分子層を形成するに当たって使用する装置の一例を示す図である。因みに、本実施形態では、回転台の上にリフトピン2で上下する台の上に、ワーク(スタンパ)を搭載して、リフトピン1で上下する外周マスクでワーク(スタンパ)を固定することにより、ワークをセットしマスクを着脱することを可能にした。図7及び図8いずれもスピナ塗布方式である。図7(A),図8(A)は、高分子層12,22を形成する前の状態を示している。
【0037】
図8において、従来の高分子層形成方法としては、高分子液22’をマザースタンパ17上のサン1次メッキ21上に塗布し(図8(A))、回転させることにより高分子層22を形成する(図8(B))。この方法を本発明に適応させるために、図7に示す工程には、ドーナッツ状の領域を形成させるために以下の2つの工夫が盛り込まれている。
【0038】
(1)図7で表現したように、塗布直後の断熱材12は約80wt%以上の溶剤成分が含有されており、厚みとしてはボスメッキ13の5〜10倍近く塗布する必要がある。この際、300PSI近い粘度とはいえレベリング作用が働きボスメッキ13の上面を被覆する現象が発生する。これを回避するために、接触部で両者の塗れ性を悪くすることが好ましい。極く微量(分子オーダ)のシリコン層を、ボスメッキ層13の側壁の一部若しくは全面に形成することで、図7(B)に表現した弾き合う感じの塗り方が可能となる。(請求項8の発明に対応)
【0039】
(2)回転拡げの工夫:第1回転速度を100rpm以下として、外周マスク19の近傍まで拡げた後に第2回転速度を400〜1000rpmとして回転遠心力で厚み25〜50μm範囲で均一に仕上げることが可能である。この例では、厚みのばらつきは±1μmが達成できた。
【0040】
しかる後に熱エネルギーを付与して、溶剤を蒸発、樹脂成分の架橋により所望の断熱層12が得られるのである。
上述のごとく、凸形状メッキ層の側壁の一部若しくは全面に所望の表面処理を施し、断熱材料との塗れ性を制御することで、凸形状メッキ層の上面部に断熱材料が被覆されることを防止する。
【0041】
次に、請求項6と請求項7の発明に関し、熱硬化に関する工夫を説明する。
図10は、断熱層の硬化後の変形を説明するための図、図11は、図10の変形の防止方法の一例を説明するための図である。ワーク33上で形成される断熱層12は、硬化に伴って収縮し、それによってワーク33は湾曲する。最終硬化温度より低温状態に所定の時間保つことにより、硬化前の断熱材料12に含まれる揮発性成分の残留を極力回避することが可能になる。また、原盤或いはマザースタンパの裏面を剛体と一体化(吸着或いは接合)させた状態で、処理を完結することにより、断熱層の硬化収縮に伴うワーク変形を抑えることが可能になる。
【0042】
後者の一体化させた状態で処理する方法としては、例えば、ワーク33とそれを固定するためのマグネットシート41とを吸着させて処理する方法(図11(A))や、ワーク33と裏打ち板43とを接着剤42で接合させて処理する方法(図11(B))がある。実際、図11の(A),(B)の両方法とも実施済みであり良好な結果が得られている。特に、(B)の裏打ち方式はマザースタンパからサンスタンパを作成するときにより有効であることが分かった。即ち単板のメッキ板はそもそも剛性が低くマグネットシートの磁力レベルでは強制力不足の場合がある。
【0043】
図12は、メッキ前準備としての導電皮膜を形成するための導電皮膜形成装置の原理を示す図である。ここでは、以上の説明の補足として、メッキ前準備としての導電皮膜形成処理をNiスパッタ方式を例として説明する。ここでの処理は、プラズマを発生させ、Ni基板53からのNiを、断熱材52が形成されたワークホルダ54上に1次ニッケル51としてNi導電皮膜を積層する。
【0044】
【発明の効果】
請求項1乃至3の発明によれば、中心部と外縁部がNi材で補強されたスタンパを作成することを可能にし、耐久性が飛躍的に向上することが期待される。
【0045】
請求項4の発明によれば、メッキ工程の安定化が図れ、歩留まりの向上が期待される。
【0046】
請求項5の発明によれば、所望のドーナッツ状断熱層を形成することができ、かつ最終硬化層位置が制御可能になる。
【0047】
請求項6の発明によれば、揮発性ガス成分を効率よく除去でき、ガス欠陥の無い断熱層が形成される。成形基板の光学特性や機械特性を阻害するようミクロ因子を回避できる。よって、メディア品質の安定化が図れる。
【0048】
請求項7の発明によれば、反りの少ないスタンパが提供でき、成形機内でのスタンパの暴れや変形を抑制でき、スタンパの寿命の向上が期待できる。
【0049】
請求項8の発明によれば、所望の領域に断熱層とNi層を形成でき、品質の安定化に繋がる。
【0050】
請求項9の発明によれば、成形金型キャビティ内の全範囲で均質な断熱層が含まれ、周辺編部では強固な強度を有する、スタンパが提供でき、寿命の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスタンパ作成方法によって作成されたハイブリッド型スタンパの基本的な層構成を示す図である。
【図2】 従来のスタンパ作成方法によって作成されたハイブリッド型スタンパの基本的な層構成を示す図である。
【図3】 本発明によるハイブリッド型スタンパ作成工程を説明するための図である。
【図4】 スタンパ作成工程の概要を説明するための図である。
【図5】 本発明の一実施形態におけるハイブリッド型スタンパの作成方法を説明するための図である。
【図6】 図5(A)のボスメッキを作成する様子を説明するための図である。
【図7】 図1における高分子層の形成例を説明するための図である。
【図8】 図2における高分子層の形成例を説明するための図である。
【図9】 図7及び図8の高分子層を形成するに当たって使用する装置の一例を示す図である。
【図10】 断熱層の硬化後の変形を説明するための図である。
【図11】 図10の変形の防止方法の一例を説明するための図である。
【図12】 メッキ前準備としての導電皮膜を形成するための導電皮膜形成装置の原理を示す図である。
【符号の説明】
11,21…1次メッキ、12,22,52…高分子層(断熱層)、13…ボスメッキ、14,24…導電化膜、15,25…2次メッキ、16,26…情報記録面、17,27…ガラス原盤、18…中心取り付け穴、19…外周マスク、31…陽極バッグ、32…回転陰極部、33…ワーク、34,35…遮蔽部材、41…マグネットシート、42…接着剤、43…裏打ち板、51…1次ニッケル、53…Ni基板、54…ワークホルダ。
Claims (9)
- 情報記録溝を有する導電皮膜処理済みガラス原盤に、全面にわたり所定の厚さだけ電鋳処理を施し、記録領域の内側のミラー面領域及び/又は外側ミラー面に含まれる所定の範囲に限定して凸部が形成されるべく電鋳処理で凸形状メッキ層を形成し、該凸形状メッキ層以外の領域に所定の厚みと材質を有する断熱層を形成し、導電皮膜処理を行い、最後に厚づけ電鋳処理を全面に施し、前記ガラス原盤から分離することを特徴とするスタンパの作成方法。
- 情報記録溝を有する剥離皮膜処理済みマザースタンパに、全面にわたり所定の厚さだけ電鋳処理を施し、記録領域の内側のミラー面領域及び/又は外側ミラー面に含まれる所定の範囲に限定して凸部が形成されるべく電鋳処理で凸形状メッキ層を形成し、該凸形状メッキ層以外の領域に所定の厚みと材質を有する断熱層を形成し、導電皮膜処理を行い、最後に厚づけ電鋳処理を全面に施し、前記マザースタンパからサンスタンパを分離することを特徴とするスタンパの作成方法。
- 請求項1又は2に記載のスタンパの作成方法において、前記断熱層の厚みは前記凸形状メッキ層の厚み以下であることを特徴とするスタンパの作成方法。
- 請求項1乃至3に記載のスタンパの作成方法において、電気力線分布を制御する部材のみを取り替える構造を有する電鋳陰極ジグを使用して電鋳処理を施すことを特徴とするスタンパの作成方法。
- 請求項1乃至3に記載のスタンパの作成方法において、前記断熱層を形成する方法としてスピンコート法で材料を塗布し、雰囲気加熱方式及び/又は接触加熱方式で硬化させることを特徴とするスタンパの作成方法。
- 請求項4に記載のスタンパの作成方法において、断熱材料の最終硬化温度より低温状態に所定の時間保ち、硬化前の断熱材料に含まれる揮発性成分の残留を極力回避することを特徴とするスタンパの作成方法。
- 請求項4に記載のスタンパの作成方法において、前記ガラス原盤或いはマザースタンパの裏面を剛体と一体化させた状態で、処理を完結し、断熱層の硬化収縮に伴うワーク変形を抑えることを特徴とするスタンパの作成方法。
- 請求項4に記載のスタンパの作成方法において、前記凸形状メッキ層の側壁の一部若しくは全面に所望の表面処理を施し、断熱材料との塗れ性を制御することで、前記凸形状メッキ層の上面部に断熱材料が被覆されることを防止することを特徴とするスタンパの作成方法。
- 請求項4又は5に記載のスタンパの作成方法において、前記断熱層の内径寸法を成形金型の内周押さえ部材の外径寸法より小さくし、かつ、前記断熱層の外径寸法を成形金型の外周押さえリング内径より大きくするマスクを使用することを特徴とするスタンパの作成方法。
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