JP2005100546A - 光ディスク用原盤、スタンパ、及びそれらの製造方法、並びに光ディスク用基板 - Google Patents

光ディスク用原盤、スタンパ、及びそれらの製造方法、並びに光ディスク用基板 Download PDF

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Abstract

【課題】基板から光ディスク用スタンパを作成する製造方法において、電鋳時に導電皮膜の剥離を起こすことがなく、低欠陥・低コストでスタンパを製造する。
【解決手段】ガラス板1上にフォトレジスト層2を塗布する工程、フォトレジスト層2を熱処理する工程、光ビームにより所定の情報パタンをフォトレジスト層2へ露光し潜像3を形成する工程、潜像3が形成されたフォトレジスト層2をアルカリ性現像液によって現像し、純水洗浄を行って情報パタンを形成する工程、情報パタンが形成されたフォトレジスト層2上に導電皮膜4を形成する工程、導電皮膜4上にニッケル電鋳層6を電鋳する工程からなり、導電皮膜4を形成する工程では、ガラス板1上の通電端子接触部を含むガラス板外周部の導電皮膜4の膜厚を、他の部分の導電皮膜膜厚よりも厚く形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスク用原盤、スタンパ、及びそれらの製造方法、並びに光ディスク用基板に関し、さらに詳細には、原盤からスタンパを作成する過程において、電鋳時に導電皮膜の剥離を起こすことがない光ディスク用原盤、スタンパ、及びそれらの製造方法、並びに光ディスク用基板に関する。
光ディスク用原盤には、スパイラル状または同心円状に、トラッキング用やデータ記録再生用の微細溝やピットの情報パタンが予め形成されている。このような情報パタンは、原盤となるガラス、金属、シリコンウェハ等の研磨された基板上にフォトレジスト層を形成し、原盤露光装置の対物レンズで形成すべき情報パタンに応じて強度変調された光ビームを収束してフォトレジスト層を露光し、その後現像することによって得られる。
このような方法によってパタン形成された原盤表面に導電皮膜を形成し、その上にニッケル電鋳によってニッケル層を約300μm程度積層させた後、これを剥離して光ディスク製造用のスタンパを得る。
その後、そのスタンパを用いて射出成形等の手段によって光ディスク用基板を得る。
原盤表面に導電皮膜を形成する方法としては、スパッタリングによる方法及び無電解めっきによる方法が知られている。
前者のスパッタリングによる方法は、フォトレジストとの密着性は比較的良いが、皮膜の内部応力が大きくなりやすいため、場合によってはその後工程の電鋳スタンパ化時に剥離欠陥を起こすおそれがある。
後者の無電解めっきによる方法は、フォトレジストとの密着性を得ること、及び原盤全面に欠陥無く均一な導電皮膜を形成することが難しく、これが電鋳スタンパ化時にピット発生や剥離欠陥を起こしやすくなる。そのため安定した膜品質を得るためには、成膜時のめっき液や環境の管理を非常に厳密に行う必要があるため、ランニングコストが大幅にアップする。さらに、重金属類を含む前処理液の廃液処理による環境への影響等を考えると、あまり好ましい方法ではない。
上記の問題を解決するために、従来以下の例のような技術が知られている。
特許文献1に開示された「スタンパの電鋳方法」は、通電リング部が電鋳液に接しないように被覆部材で覆って電鋳するものである。
また、特許文献2に開示された「光ディスク用スタンパの製造方法」は、高密度大容量の光ディスク用スタンパを歩留りよく製造するものである。ガラス原盤上に化学増幅タイプのフォトレジストをスピンコートして遠紫外レーザ光でパターン露光した後、ガラス原盤をベーキングしてからアルカリ現像液にてパターン形成を行う。さらに、レジスト表面にスパッタリング圧力0.5〜2.0Paの成膜条件によるスパッタ法で30〜100nmのニッケル薄膜を積層してから、ニッケル電解メッキを行いスタンパを製作する。
特開平9−143782号公報 特開平11−7662号公報
特許文献1に開示された「スタンパの電鋳方法」で用いられる被覆部材では、電鋳液の浸み込みを完全に防ぐことは困難である。さらに重要なことは、この構成の方法では、導電皮膜のシール部材接触部ではめっきはほとんど析出しないため、この部分では逆に電鋳液によってエッチングが起きて導電皮膜が剥がれ、電鋳液の浸み込みやスタンパ剥離欠陥が発生するおそれが大きい。また、この技術に限らず、一般に原盤と治具との導通用にはコンタクトリング(通電リング)が使われているが、これは高価な消耗部品であり、コストアップの原因となる。
特許文献2に開示された技術の、スパッタリング圧力0.5〜2.0Paの成膜条件では、皮膜の内部応力が十分に小さくならず、電鋳時スタンパ剥離欠陥を完全に防ぐことが難しい。さらに、皮膜膜厚が100nm近くになると、内部応力がかなり大きくなり、電鋳時スタンパ剥離の原因になる。
本発明は、原盤からスタンパを作成する製造方法において、電鋳時に導電皮膜の剥離を起こすことなく、且つ低欠陥・低コストでスタンパ化し、そのスタンパを用いて微細パタンの光ディスクを低欠陥・低コストで製造することを目的とする。
請求項1〜5の発明は、電鋳時スタンパ剥離の起きない光ディスク用原盤を製造することを目的とする。
請求項6の発明は、低コスト・低欠陥の光ディスク用原盤を提供することを目的とする。
請求項7の発明は、大容量の光ディスク用スタンパを低欠陥・低コストで製造することを目的とする。
請求項8の発明は、電鋳時スタンパ剥離の起きない光ディスク用スタンパを製造することを目的とする。
請求項9、10の発明は、低コストの光ディスク用スタンパを製造することを目的とする。
請求項11の発明は、電鋳時スタンパ剥離を起こさず、低欠陥スタンパを製造することを目的とする。
請求項12の発明は、低コスト・低欠陥の光ディスク用スタンパを提供することを目的とする。
請求項13の発明は、低欠陥・低コストの光ディスク用基板を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、基板上にフォトレジスト層を形成する工程と、前記フォトレジスト層を熱処理する工程と、光ビームにより所定の情報パタンを前記フォトレジスト層へ露光する工程と、露光済みの前記フォトレジスト層を現像して前記情報パタンを形成する工程と、前記情報パタンを形成後の前記フォトレジスト層上面に導電皮膜を形成する工程とからなり、該導電皮膜を形成する工程では、後続する電鋳工程で通電端子が接触する通電端子接触部を含む前記基板の外周部の前記導電皮膜膜厚が、他の部分の導電皮膜膜厚よりも厚く形成される光ディスク用原盤の製造方法であることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の光ディスク用原盤の製造方法において、前記フォトレジスト層上の導電皮膜は、不活性ガスによるスパッタリングにより形成されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2記載の光ディスク用原盤の製造方法において、前記スパッタリングを行う工程は、前記導電皮膜を所定の厚さまで積層した後のスパッタリング途中から、前記基板の通電端子接触部を含む基板外周部を除く前記情報パタン部及びその周辺部の直上位置領域をマスキングしてスパッタリングを続け、導電皮膜を形成することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2記載の光ディスク用原盤の製造方法において、前記スパッタリングを行う工程は、前記導電皮膜を所定の厚さまで積層した後、前記基板の通電端子接触部を含む基板外周部を除く前記情報パタン部及びその周辺部の直上位置領域を覆う円形マスクを設置して再度スパッタリングを続け、導電皮膜を形成することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4記載の光ディスク用原盤の製造方法において、前記基板のフォトレジスト層側の端面を面取りし、該面取りした部分にまで前記導電皮膜を積層することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜5記載の光ディスク用原盤の製造方法で製造した光ディスク用原盤であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1〜5記載の光ディスク用原盤の製造方法によって製造した光ディスク用原盤に、前記導電皮膜を陰極として電鋳して金属を積層させ、前記光ディスク用原盤の情報パタンと凹凸が反転したパタンを有する金属層を形成する工程と、該金属層を積層後該金属層を前記原盤から剥離し、付着物を除去・洗浄する工程と、前記金属層を裏面研磨・内外径加工してスタンパを製造する工程とからなる光ディスク用スタンパの製造方法であることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7記載の光ディスク用スタンパの製造方法において、前記導電皮膜の材質と該導電皮膜上に積層させた前記金属層は、同じ材質であることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項7、8記載の光ディスク用スタンパの製造方法において、電鋳時に前記導電皮膜と導通を取る通電端子は再利用することを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項7〜9記載の光ディスク用スタンパの製造方法において、前記通電端子の材質は、ステンレス材、チタン材またはチタン合金材であることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項7〜10記載の光ディスク用スタンパの製造方法において、前記導電皮膜の応力に対して、前記金属層の応力が電鋳時に逆向きとなるように電鋳を行うことを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項7〜11記載の光ディスク用スタンパの製造方法によって製造した光ディスク用スタンパであることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項12記載の光ディスク用スタンパによって製造した光ディスク用基板であることを特徴とする。
請求項1の発明は、情報パタン形成後のフォトレジスト層上面に導電皮膜を形成する光ディスク用原盤の製造方法おいて、後続する電鋳工程で通電端子が接触する通電端子接触部を含む基板外周部の導電皮膜膜厚を、他の部分の膜厚よりも厚くしているので、電鋳時の電流上昇時昇電ショックによって、通電端子接触部の皮膜が剥離して通電不良を起こすことを防ぐことができる。
請求項2の発明は、導電皮膜形成方法を不活性ガスによるスパッタリング方式を採用するので、フォトレジストとの密着性が良く、かつ原盤全面に欠陥無く均一な導電皮膜を形成することが可能となり、さらに廃液処理といった環境に対する負荷を減らすことができる。
請求項3、4の発明は、スパッタリング時に、情報パタン部及びその周辺部の直上領域に、前記領域部分を覆う円形状のマスクまたはシャッタを設置しているので、基板の通電端子接触部を含む基板外周部の導電皮膜膜厚を、他の部分の膜厚よりも厚くすることができ、電鋳時の電流上昇時昇電ショックによって、通電端子接触部の皮膜が剥離して通電不良を起こすことを防止することができる。
請求項5の発明は、基板のフォトレジスト塗布面側(情報パタン面側)の外周部を面取りし、この部分にも導電皮膜を形成して、この面取り部分と通電端子の端面とが接触するように形成されているので、端面同士で接触させることによって電鋳時の通電不良を防止し、接触部から発生する電鋳時スタンパ剥離が起きること防止することができる。
請求項6の発明は、請求項1〜5の製造方法にて光ディスク用原盤を製作しているので、低コスト・低欠陥の光ディスク用原盤を提供することができる。
請求項7の発明は、請求項1〜5の製造方法にて製造した光ディスク用原盤を使用しているので、低コスト・低欠陥の光ディスク用スタンパを製造することができる。
請求項8の発明は、情報パタン形成後のフォトレジスト層上に形成した導電皮膜の材質と導電皮膜上に積層させた金属層の材質を同じ材質としているので、線膨張係数に差がないため電鋳時に導電皮膜にクラックが発生するといった欠陥を防止することができる。
請求項9、10の発明は、電鋳時に導電皮膜に給電するための通電端子の材質を、ステンレス材、チタン材またはチタン合金材とし、再利用可能としているので、光ディスク用スタンパ製造時に大幅なコストダウンを図ることができる。
請求項11の発明は、導電皮膜の応力と電鋳による導電皮膜上の金属層の応力が、逆になるようにしているので、導電皮膜にかかる応力を打ち消し、電鋳時スタンパ剥離が発生せず、スタンパ欠陥の発生を防止することができる。
請求項12の発明は、請求項7〜11の製造方法によって光ディスク用スタンパを製作しているので、低コスト・低欠陥の光ディスク用スタンパを提供することができる。
請求項13の発明は、請求項12の光ディスク用スタンパを用い、射出成形、プレス成形等によって製造が可能であるので、大容量でありながら低コスト・低欠陥の光ディスク用基板を提供することができる。
本発明の光ディスク用原盤の製造方法は、基板上にフォトレジスト層を形成する工程と、前記フォトレジスト層を熱処理する工程と、光ビームにより所定の情報パタンを前記フォトレジスト層へ露光する工程と、露光済みの前記フォトレジスト層を現像する工程と、現像後の前記フォトレジスト層を洗浄することによって前記情報パタンを形成する工程と、前記情報パタンを形成後の前記フォトレジスト層上面に導電皮膜を形成する工程とからなり、該導電皮膜を形成する工程では、後続する電鋳工程で通電端子が接触する通電端子接触部を含む前記基板の外周部の前記導電皮膜膜厚が、他の部分の導電皮膜膜厚よりも厚く形成されることを特徴とし、これにより、電鋳時の電流上昇時昇電ショックによって、通電端子接触部の皮膜が剥離して通電不良を起こすことを防ぐことができる。
また、本発明の光ディスク用スタンパの製造方法は、前記光ディスク用原盤の製造方法よって製造した光ディスク用原盤に、前記導電皮膜を陰極として電鋳して金属を積層させ、前記光ディスク用原盤の情報パタンと凹凸が反転したパタンを有する金属層を形成する工程と、該金属層を積層後該金属層を前記基板から剥離し、付着物を除去・洗浄する工程と、前記金属層を裏面研磨・内外径加工してスタンパを製造する工程とからなることを特徴とし、これにより、低コスト・低欠陥の光ディスク用スタンパを製造することができる。
図1は、本発明によって基板からスタンパを製造する一連の工程を模式的に示す図である。
(1)ガラス板洗浄: 基板材料としては、研磨したガラス板が一般的に用いられ、本実施例1においてもガラス板を用いた例を示すが、もちろん金属やシリコン等を研磨したものでもかまわない。
ガラス板1の一方の面には、図1(A)に示すように、フォトレジスト層2を形成するが、ガラス板1のフォトレジスト塗布面側(情報パタン面側)の外周部に面取り1aを施すことによって、洗浄時やフォトレジスト塗布時に、回転によって外周まで運ばれた液体をスムーズに振り切ることができ、引き戻しによる膜厚の変動や、跳ね返りによる汚染を防ぐことができる。
面取りのサイズは、ガラス板1の厚さに対して2割から4割程度が良い。本発明の実施例では、厚さ6mmのガラス板に対し、C2の面取りを行っている。なお、この部分にも、後述するように導電皮膜4を形成するようにする。これにより、後続するスタンパ形成工程において、この面取り部分と通電端子の端面とが接触し、電鋳時この通電端子を介して導電皮膜4に給電されるようになっている。このように端面同士で接触させることによって電鋳時の通電不良を防止し、接触部から発生する電鋳時スタンパ剥離が起きるのを防止することができる。
ガラス板1に対するフォトレジストの塗布性を向上させるために、UV/O3と呼ばれる紫外線オゾン処理装置で約2分間表面処理することにより、ガラス板表面の有機物の除去と表面に酸化皮膜を形成する(図1(A)には図示せず)。この効果で、ガラス板1に対するフォトレジストの塗れ性が向上し、フォトレジスト層2の膜厚を均一化できると共に、フォトレジスト層2とガラス板1の密着性が強まる。
その後、高圧純水シャワーや超音波を印加した純水シャワーによって、ガラス板表面に浮いた不純物を完全に洗浄除去したあと、高速回転振り切り及びNブローによって乾燥させる。
最後に、シランカップリング剤(例として、ヘキサメチルジシラザン等)をベーパー蒸着やスピンコート等によってガラス板表面に塗布することによって、フォトレジストとガラス板1の密着性をより強固なものとする。
(2)フォトレジスト層塗布: (1)の処理を行ったガラス板1の情報パタン面側に、フォトレジストをスピンコートし、加熱乾燥・冷却することによって、フォトレジスト層2を形成する(図1(A)フォトレジスト層形成を参照)。
加熱条件は、オーブンで90℃〜130℃、30分である。フォトレジスト材料は、例として東京応化製のポジ型i線系フォトレジストといった高解像度タイプが適している。フォトレジスト層2の膜厚は、要求される光ディスクメディアのパタン深さと同等となるように調整する。
(3)露光: (2)のフォトレジスト層塗布工程で製作した原盤をKrガスレーザにより露光する。フォトレジストが塗布されたガラス板を回転横送りしながら露光することにより、フォトレジスト層2にはスパイラル状の潜像3が形成される(図1(B)露光を参照)。
図4は、原盤露光用装置の光学系の概要を示す図である。
原盤露光用装置は、例えばKrガスレーザ11を光源とし、スタビライザ12を介して出射されたレーザ光を変調器13によって所定の情報に基づきパルス変調する。パルス変調されたレーザ光は、偏向器14、ミラー15を介して対物レンズ16に入射し、ターンテーブル19上に載置された原盤のフォトレジスト層2上に集光する。ターンテーブル19は回転モータ18によって回転し、回転モータ18を支持するスライダ17はレーザ光がガラス板の半径上を移動するようにスライドするので、ガラス板1に塗布されたフォトレジスト層2にはピットまたはグルーブ状の情報パタンがスパイラル状に形成される。露光光量の調整で、フォトレジスト層2に形成される溝の幅を制御できる。
(4)現像・洗浄: 露光された原盤をアルカリ性の現像液で現像し、純水で洗浄・高速回転で振り切り乾燥を行う。現像処理によってフォトレジスト層2の露光された部分(潜像3が形成された部分)が除去され、要求されるパタンに対応したパタンが形成され現像が行われる(図1(C)現像を参照)。
最後に、高速回転で振り切り乾燥をする。
(5)導電皮膜形成: 現像が行われたフォトレジスト層2上への導電皮膜4の形成は、前述のように形成された皮膜の品質、及び環境への配慮という点で、無電解めっき処理ではなく、スパッタリングによって行う。その手段として、(4)の現像・洗浄工程のガラス板1の情報パタン面側に、不活性ガスを用いたスパッタリングによる導電皮膜4を形成する(図1(D)導電皮膜形成を参照)。
スパッタリング用の不活性ガスとしては、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等が使用可能であるが、コスト・効率等に鑑みて、本実施例ではアルゴンガスを使用している。導電皮膜材質としては、後の電鋳材質と異なる材質の場合、線膨張係数も違ってくるので、電鋳時及び電鋳終了後の加熱時及び冷却時に、導電皮膜4にかなりの応力が加わり、最悪の場合、導電皮膜4にクラックが発生する場合がある。従って、同材質にすることによって、上記のような不良を防止できる。なお、本実施例では、電鋳はニッケルで行っているので、この場合の導電皮膜材質もニッケルとしている。
成膜された導電皮膜4には内部応力が発生するが、この応力が大きすぎると、次の電鋳時の条件によっては、導電皮膜4の剥離が発生してスタンパ欠陥となってしまう。一般的には、導電皮膜4の膜厚が厚くなるか、スパッタリング時のリークガス圧が高くなるにつれて、皮膜の内部応力が大きくなる傾向がある。
そこで本実施例では、導電皮膜膜厚20nm〜29nm、リークガス圧0.4Paとすることによって、導電皮膜の内部応力を、7×10N/m(圧縮応力)以下にしている。
ここで、ガラス板1の情報パタン面及び面取り部へ上記膜厚で導電皮膜4を形成すると、膜厚が薄すぎるために、次の電鋳時の電流上昇時昇電ショックによって、通電端子接触部の導電皮膜4が剥離して通電不良を起こす場合がある。そこで本実施例では、情報パタン部及びその周辺部以外の、面取り部を含むガラス板外周部の導電皮膜膜厚を、他の部分よりも厚くして、上記不良の発生防止をしている(図2参照)。この部分の膜厚は本実施例では110nm〜200nm程度としており、この厚みがあれば上記不良は発生しない。
図2は、原盤外周部の導電皮膜膜厚を、他の部分よりも厚く形成した様子を示す部分断面図である。
なお、スパッタリング時にマスクにて覆う領域を、情報パタン部領域プラス10mm程度の領域としておけば、内外径加工を行ってスタンパ化しても、スタンパの最外周部にスパッタリング皮膜の厚い領域が残るため、侵害立証も容易となる。
上記したようなスタンパの部分厚膜化のための具体的な手段として、本実施例では一旦ガラス板1に塗布されたフォトレジスト層2の情報パタン面全体に、20nm〜29nmの厚さの導電皮膜4を形成した後、一旦スパッタリング装置からガラス板1を取り出し、情報パタン部及びその周辺部の直上領域に、前記部分を覆う円形状のマスクを導電皮膜4に触れない程度に近づけて設置してから再び成膜を開始して、原盤面取り部を含む原盤外周部の膜厚が110nm〜200nm程度になるまで成膜を行うようにする。
上記手段以外にも、スパッタリング時に、ガラス板1の情報パタン部側及び面取り部の導電皮膜膜厚が20nm〜29nmにまで形成されたところで、スパッタリング装置内部で、原盤の情報パタン部及びその周辺部を覆う円形状のシャッタがこの部分の直上領域にセットされるようにして、そのまま成膜を続行してガラス板面取り部を含む原盤外周部の膜厚が110nm〜200nm程度になるまで成膜を行うようにする方法もある。
ここまでの工程によって、光ディスク用の原盤5が完成する。
(6)ニッケル電鋳: (5)の導電皮膜形成工程で得られた導電皮膜付き原盤5へニッケル電鋳処理を施し、ニッケル電鋳層6を積層させてスタンパ化する(図1(E)ニッケル電鋳を参照)。
原盤5を入槽してから3分間〜5分間、0.2A/dm2未満の弱電流密度で通電することで、導電皮膜4が電鋳液によってエッチングされず、かつ導電皮膜4をニッケル電鋳液に馴染ませて濡れ性を向上させ、めっき析出がスムーズかつ均一に始まるようになり、またピット発生や電鋳時剥離を防ぐことができる。弱通電終了後に通電電流値を上昇させてから一定に保ち、所定の電鋳膜厚(300μm程度)のニッケル電鋳層6を得るまで通電を続ける。
ここで、ニッケル電鋳層6によるめっき膜の内部応力を、導電皮膜4の内部応力(圧縮応力)と逆になるようにすることで、導電皮膜4にかかる応力を打ち消し、電鋳時スタンパ剥離が発生しないようにしている。本実施例では、具体的にスルファミン酸ニッケル濃度550±50g/l、ホウ酸濃度35±5g/l、ピット防止剤(日鉱メタルプレーティング製:UP−S)濃度2〜4ml/l、めっき浴温度53±3℃において、電流密度8A/dm2以上で電鋳を行うことで、引っ張り応力を得ている。但し、あまり電流密度を高くすると、電鋳によるめっき液中のニッケル消費に対して、アノードのニッケルペレット溶出が追いつかなくなって、めっき液中のニッケル濃度が低下するので、最大でも20A/dm2以下で行うのが望ましい。
本実施例では、導電皮膜4付き原盤5の面取り部分と通電端子の端面とが接触するようになっている。このように端面同士で接触させることによって導通をしっかり取ることができ、通電不良を防止できる。さらに、この面取り部分及び原盤外周部の導電皮膜を厚く形成しているため、電流上昇時の昇電時ショックによって通電端子接触部から発生する、導電皮膜剥離による通電不良が起きるのを防止することができる。
また、上記の構成とすることで、電鋳時における導電皮膜と電鋳治具との導通用には、小片の通電端子を複数個設置すれば事足りるため、一般的に用いられている高価な消耗部品であるコンタクトリングを用いる必要が無くなり、スタンパ製作時に大幅なコストダウンを図ることができる。なお、通電端子の材質を、ステンレス材、又はチタン材、又はチタン合金材とすれば、通電端子に析出したニッケルを硝酸等の薬品によって除去できるため、通電端子の再利用が可能となり、スタンパ製作時のコストダウンになる。
図3は、電鋳時における電鋳装置に対する原盤の設置状態の概略を示す図で、図3(A)は、電鋳装置に対する原盤の設置状況を示す部分断面図、図3(B)は、通電端子の全体的な設置状態を示す図である。
図2に示したような導電皮膜付き原盤5は、電鋳液が満たされた槽内で回転自在に支持された支持体21に支持され、図示しない電源から支持体21内の導通部材22、通電端子24を介して導電皮膜4に給電され、原盤5の導電皮膜上に所定膜厚の電鋳膜が形成される。ここで、原盤5と導通部材22間に介在する通電端子24は、その先端が原盤5の上面外周に形成された面取り5aの中央部を押圧するようにリング状のシール25を介し、上部押さえ23によって取り付けられる。通電端子24の数は任意であるが、図3に示す例では、原盤5の円周を等分する4個所に設けている。
(7)スタンパ剥離: ニッケル電鋳の終わった原盤5からニッケル電鋳層6を剥離してスタンパ7を得る。この時、スタンパ7に応力が加わって、スタンパを曲げてしまわないように注意する(図1(F)スタンパ剥離参照)。
(8)スタンパ洗浄: 原盤5から剥離したスタンパ7の情報パタン面側に付着したフォトレジストの残さを除去する。溶剤等でスタンパ表面を洗浄した後、(1)の工程にて述べたUV/O3による紫外線オゾン処理を施してから、水洗を行うことによって残さを除去できる。
(9)マスタスタンパ化: (8)のスタンパ洗浄工程を経たスタンパ7の情報パタン面側にプラスチックコートからなる保護膜8を設け、裏面研磨を行う。ここで、(8)のスタンパ洗浄行程の前に裏面研磨をしても良い。この場合、保護膜8を付ける必要がなくなる。その後、内外径を所望の寸法にプレス加工することで、マスタスタンパ9が完成する(図1(G)マスタスタンパ化を参照)。
(10)基板成形: 次いで、射出成形によって光ディスク基板を成形する。
図5は、スタンパを用いて光ディスク基板を射出成形する様子を示す概略の断面図である。
射出成形装置31は、接離自在に設けられた金型としての固定金型32と可動金型33とからなり、固定金型32と可動金型33の接合部に形成されるキャビティ34に(1)〜(9)の工程によって製造されたマスタスタンパ9を固定し、そのキャビティ内に溶融樹脂を射出充填し、固定金型32と可動金型33で圧縮する。
その後、固定金型32と可動金型33を分離して、冷却固化後の樹脂を取り出すことによって、光ディスク基板が得られる。この光ディスク基板に、記録層、誘電体層、反射層、保護層等を成膜・形成することによって、光ディスクとして使用できるようになる。
本発明によって基板からスタンパを製造する一連の工程を模式的に示す図である。 原盤外周部の導電皮膜膜厚を、他の部分よりも厚く形成した様子を示す部分断面図である。 電鋳時における電鋳装置に対する原盤の設置状態の概略を示す図で、図3(A)は、電鋳装置に対する原盤の設置状況を示す部分断面図、図3(B)は、通電端子の全体的な設置状態を示す図である。 原盤露光用装置の光学系の概要を示す図である。 スタンパを用いて光ディスク基板を射出成形する様子を示す概略の断面図である。
符号の説明
1…ガラス板、1a…面取り、2…フォトレジスト層、3…潜像、4…導電皮膜、5…原盤、5a…面取り、6…ニッケル電鋳層、7…スタンパ、8…保護膜、9…マスタスタンパ、11…Krガスレーザ、12…スタビライザ、13…変調器、14…偏向器、15…ミラー、16…対物レンズ、17…スライダ、18…回転モータ、19…ターンテーブル、21…支持体、22…導通部材、23…上部押さえ、24…通電端子、25…シール、31…射出成形装置、32…固定金型、33…可動金型、34…キャビティ。

Claims (13)

  1. 基板上にフォトレジスト層を形成する工程と、前記フォトレジスト層を熱処理する工程と、光ビームにより所定の情報パタンを前記フォトレジスト層へ露光する工程と、露光済みの前記フォトレジスト層を現像して前記情報パタンを形成する工程と、前記情報パタンを形成後の前記フォトレジスト層上に導電皮膜を形成する工程とからなり、該導電皮膜を形成する工程では、後続する電鋳工程で通電端子が接触する通電端子接触部を含む前記基板の外周部の前記導電皮膜膜厚が、他の部分の導電皮膜膜厚よりも厚く形成されることを特徴とする光ディスク用原盤の製造方法。
  2. 請求項1記載の光ディスク用原盤の製造方法において、前記フォトレジスト層上の導電皮膜は、不活性ガスによるスパッタリングにより形成されることを特徴とする光ディスク用原盤の製造方法。
  3. 請求項2記載の光ディスク用原盤の製造方法において、前記スパッタリングを行う工程は、前記導電皮膜を所定の厚さまで積層した後のスパッタリング途中から、前記基板の通電端子接触部を含む基板外周部を除く前記情報パタン部及びその周辺部の直上位置領域をマスキングしてスパッタリングを続け、導電皮膜を形成することを特徴とする光ディスク用原盤の製造方法。
  4. 請求項2記載の光ディスク用原盤の製造方法において、前記スパッタリングを行う工程は、前記導電皮膜を所定の厚さまで積層した後、前記基板の通電端子接触部を含む基板外周部を除く前記情報パタン部及びその周辺部の直上位置領域を覆う円形マスクを設置して再度スパッタリングを続け、導電皮膜を形成することを特徴とする光ディスク用原盤の製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の光ディスク用原盤の製造方法において、前記基板のフォトレジスト層側の端面を面取りし、該面取りした部分にまで前記導電皮膜を積層することを特徴とする光ディスク用原盤の製造方法。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の光ディスク用原盤の製造方法で製造したことを特徴とする光ディスク用原盤。
  7. 請求項1〜5いずれか記載の光ディスク用原盤の製造方法によって製造した光ディスク用原盤に、前記導電皮膜を陰極として電鋳して金属を積層させ、前記光ディスク用原盤の情報パタンと凹凸が反転したパタンを有する金属層を形成する工程と、該金属層を積層後該金属層を前記原盤から剥離し、付着物を除去・洗浄する工程と、前記金属層を裏面研磨・内外径加工してスタンパを製造する工程とからなることを特徴とする光ディスク用スタンパの製造方法。
  8. 請求項7記載の光ディスク用スタンパの製造方法において、前記導電皮膜の材質と該導電皮膜上に積層させた前記金属層は、同じ材質であることを特徴とする光ディスク用スタンパの製造方法。
  9. 請求項7または8記載の光ディスク用スタンパの製造方法において、電鋳時に前記導電皮膜と導通を取る通電端子は再利用することを特徴とする光ディスク用スタンパの製造方法。
  10. 請求項7〜9いずれか記載の光ディスク用スタンパの製造方法において、前記通電端子の材質は、ステンレス材、チタン材またはチタン合金材であることを特徴とする光ディスク用スタンパの製造方法。
  11. 請求項7〜10いずれか記載の光ディスク用スタンパの製造方法において、前記導電皮膜の応力に対して、前記金属層の応力が電鋳時に逆向きとなるように電鋳を行うことを特徴とする光ディスク用スタンパの製造方法。
  12. 請求項7〜11いずれか記載の光ディスク用スタンパの製造方法によって製造したことを特徴とする光ディスク用スタンパ。
  13. 請求項12記載の光ディスク用スタンパによって製造したことを特徴とする光ディスク用基板。
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