JP2003217189A - 光学記録媒体製造用スタンパの製造方法 - Google Patents

光学記録媒体製造用スタンパの製造方法

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JP2003217189A
JP2003217189A JP2002009060A JP2002009060A JP2003217189A JP 2003217189 A JP2003217189 A JP 2003217189A JP 2002009060 A JP2002009060 A JP 2002009060A JP 2002009060 A JP2002009060 A JP 2002009060A JP 2003217189 A JP2003217189 A JP 2003217189A
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stamper
forming
manufacturing
optical recording
oxide film
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JP2002009060A
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Shin Masuhara
慎 増原
Mitsuru Toyokawa
満 豊川
Atsushi Nakano
淳 中野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】処理薬液を用いずに電解メッキ後の剥離面を供
する酸化膜を形成し、表面粗度の増加を抑制した光学記
録媒体製造用スタンパの製造方法を提供する。 【解決手段】光学記録媒体の媒体基板の表面に凹凸形状
を転写するために用いられる光学記録媒体製造用スタン
パを製造するのに、表面に凹凸形状を有する第1スタン
パを形成し、酸素ガスによるプラズマ処置で酸素ガスイ
オン33を生成し、あるいは酸素雰囲気下での紫外線照
射処理により酸素ガスイオン33を生成し、第1スタン
パ(ST)の凹凸形状形成面に酸化膜を形成する。次
に、酸化膜の上層に、第1スタンパの凹凸形状に沿った
凹凸形状を有する第2スタンパを形成し、第2スタンパ
と酸化膜の界面で剥離する。必要に応じて、同様に第2
スタンパから第3スタンパを形成して、光学記録媒体の
媒体基板を形成するためのスタンパとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学記録媒体(以
下光ディスクとも言う)の製造方法に関し、特に光学記
録層を複数層有する光学記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の分野においては、光学
情報記録方式に関する研究が各所で進められている。こ
の光学情報記録方式は、非接触で記録・再生が行えるこ
と、再生専用型、追記型、書換可能型のそれぞれのメモ
リ形態に対応できるなどの数々の利点を有し、安価な大
容量ファイルの実現を可能とする方式として産業用から
民生用まで幅広い用途が考えられている。
【0003】上記の各種光学情報記録方式用の光学記録
媒体(以下、光ディスクともいう)の大容量化は、主
に、光学情報記録方式に用いる光源となるレーザ光の短
波長化と、高開口のレンズを採用することにより、焦点
面でのスポットサイズを小さくすることで達成してき
た。
【0004】例えば、CD(コンパクトディスク)で
は、レーザ光波長が780nm、レンズの開口率(N
A)が0.45であり、650MBの容量であったが、
DVD−ROM(デジタル多用途ディスク−再生専用メ
モリ)では、レーザ光波長が650nm、NAが0.6
であり、4.7GBの容量となっている。さらに、次世
代の光ディスクシステムにおいては、光学記録層上に例
えば100μm程度の薄い光透過性の保護膜(カバー
層)が形成された光ディスクを用いて、レーザ光波長を
450nmm以下、NAを0.78以上とすることで2
2GB以上の大容量化が可能である。
【0005】図1(a)は、上記のような光ディスクの
光の照射の様子を示す模式斜視図である。光ディスクD
Cは、中心部にセンターホールCHが開口された略円盤
形状をしており、ドライブ方向DRに回転駆動される。
情報を記録または再生するときには、例えば、光ディス
クDC中の光学記録層に対して、例えば開口数が0.8
以上の対物レンズOLにより、青〜青紫色の領域のレー
ザ光などの光LTが照射される。
【0006】図1(b)は模式断面図であり、図1
(c)は図1(b)の模式断面図の要部を拡大した断面
図である。厚さが約1.1mmのポリカーボネートなど
からなるディスク基板15の一方の表面に、凹部15d
が設けられている。この凹部15dを含む凹凸に沿って
光学記録積層体16が形成されている。光学記録層16
は、例えば、上層側から例えば誘電体膜、相変化膜ある
いは光磁気膜などの記録膜、誘電体膜および反射膜など
がこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、
記録材料の種類や設計によって異なる。光学記録層16
の上層に、例えば0.1mmの膜厚の光透過性の保護層
17が形成されている。
【0007】上記の光ディスクを記録あるいは再生する
場合には、対物レンズOLにより、レーザ光などの光L
Tを光透過性の保護層17側から光学記録層16に合焦
するように照射する。光ディスクの再生時においては、
光学記録層16で反射された戻り光が受光素子で受光さ
れ、信号処理回路により所定の信号を生成して、再生信
号が取り出される。
【0008】上記のような光ディスクにおいて、光学記
録層は、ディスク基板15の表面に形成された凹部15
dに起因した凹凸形状を有している。例えば図2(a)
に示すように、ディスク基板15に形成された凹部15
dは所定のトラックピッチTPでスパイラル状に形成さ
れた連続溝となっており、凹部を含む凹凸形状によりト
ラック領域が区分されている。上記の凹部により区分さ
れたトラック領域はランドおよびグルーブと呼ばれ、ラ
ンドとグルーブの両者に情報を記録するランド・グルー
ブ記録方式を適用することで大容量化が可能である。ま
た、ランドとグルーブのいずれか一方のみを記録領域と
することも可能である。
【0009】また、例えば図2(b)に示すように、上
記のディスク基板15の凹部15dに起因する凹凸形状
を記録データに対応する長さを有するピットとして、光
学記録膜をアルミニウム膜などの反射膜で構成すること
により、再生専用(ROM)型の光ディスクとすること
もできる。
【0010】上記の光ディスクは、例えば下記の製造方
法により製造される。まず、図3(a)に示すように、
円盤状のガラス基板10の一方の面10sを、光学研磨
などによって平坦化し、さらにこの研磨面を洗浄する。
【0011】次に、図3(b)に示すように、例えばス
ピン塗布により、上記のガラス基板10の研磨面上に感
光性樹脂からなるレジスト膜11を50〜100nmの
膜厚で形成する。感光性樹脂としては、例えば感光する
とアルカリ可溶性となるタイプの樹脂を用いる。
【0012】次に、図3(c)に示すように、レーザ露
光機などを用いて、レジスト原盤RDを回転させ、 記録
信号に合わせて強度変調を受けた光を対物レンズでレジ
スト膜11上に集光しながら、 原盤と対物レンズの位置
を相対的に原盤の半径方向に移動させる。このようにし
て、螺旋状あるいは同心円状など、ディスク基板の溝と
なる領域またはピットとなる領域を感光させるパターン
でレジスト膜11のレーザ露光を行い、アルカリ可溶性
となる露光部11bとする。未露光部のレジスト膜11
aはアルカリ可溶性ではない。
【0013】次に、図3(d)に示すように、露光済の
レジスト膜11にアルカリ性の現像液で現像処理を施す
ことにより、未露光部のレジスト膜11aを残して露光
部11bを溶出させ、ディスク基板の溝となる領域また
はピットとなる領域に対応するパターンのレジスト膜1
1aとする。このように溝あるいはピットのパターンの
レジスト膜11aが形成されたガラス基板をガラス原盤
あるいは単に原盤と呼ぶ場合がある。
【0014】次に、ガラス原盤上に形成されたパターン
を大量のプラスチック基板へ転写するために、原盤上に
金属層を所定厚堆積させ、原盤から剥離し、上記パター
ンを有するスタンパを形成する。一般的に金属材料とし
てニッケルが用いられ、またスタンパの厚さは0.3〜
0.5mm程度である。ニッケルメッキはメッキ成長速
度の早い電解メッキ法を用いるが、予め原盤表面に導電
性を持たせておかなければならないので、前処理として
スパッタ法、または化学反応によってニッケルを析出さ
せる無電解メッキ法によりニッケル薄膜をコーティング
する。
【0015】例えば、図4(a)に示す電解メッキ装置
により、上記のガラス原盤上にニッケルの電解メッキを
行う。モーター40により回転駆動可能な保持具41に
ガラス原盤42を保持し、循環系43により液循環する
スルファミン酸ニッケル溶液などの電解メッキ液44に
浸漬する。ガラス原盤42の表面にニッケル電極45と
対向させた状態で、ガラス原盤42を回転しながら、ガ
ラス原盤側を陰極CA、ニッケル電極側を陽極ANとし
て電圧を印加する。このようにして、ニッケルの電解メ
ッキ処理を行うことができる。上記の電解メッキ処理に
より、図4(b)に示すように、レジスト膜11aの開
口パターンの内部などを全面に被覆してニッケルを堆積
させ、マスタスタンパ12を形成する。マスタスタンパ
12の表面には、レジスト膜11aとガラス基板10の
表面から構成される溝11dのパターンが転写して、逆
パターンの凹凸である凸部12pが形成されている。
【0016】次に、ガラス基板10およびレジスト膜1
1aからマスタスタンパ12を離型した後、図6(a)
に示すように、マスタスタンパ12の凹凸形状形成面に
酸化膜12aを形成する。
【0017】次に、図6(b)に示すように、例えばメ
ッキ処理などによってマスタスタンパ12上にマザース
タンパ13を形成する。マザースタンパ13の表面に
は、マスタスタンパ12に形成された凸部12pが転写
して、逆パターンの凹凸である溝13dが形成されてい
る。
【0018】次に、図6(c)に示すように、マザース
タンパ13と酸化膜12aの界面で剥離して、マザース
タンパ13を離型する。上記のように、酸化膜12aは
電解メッキで堆積する材料(ニッケル)と格子定数が異
なる層であり、離型時の剥離面を供する膜となる。この
ような膜には、メッキ時の応力やメッキ終了後のサーマ
ルショックで簡単に剥がれてはいけないため適度な密着
力も必要になる。この層を形成するには数種類の方法が
あるが、最終的にスタンパ表面に酸化膜を形成する方法
が広く用いられている。
【0019】例えば、リン酸ソーダ(3g/リット
ル)、炭酸ソーダ(30g/リットル)および界面活性
剤(0.2g/リットル)を含む電解液中にマスタスタ
ンパを漬浸し、電流密度3〜4A/dm2 、電圧6Vの
条件にて、最初に30秒程度の陰極電解脱脂で表面の油
性汚れを除去し、次に10秒程度の陽極電解脱脂によっ
て酸化膜を形成する電解脱脂洗浄法が知られている。ま
た、0.5g/リットルの濃度の過マンガン酸カリウム
水溶液に1〜2秒浸漬し、後に水洗する方法や、重クロ
ム酸水溶液を用いる方法も知られている。
【0020】次に、図7(a)に示すように、マザース
タンパ13の凹凸形状形成面に酸化膜13aを形成す
る。
【0021】次に、図7(b)に示すように、例えばメ
ッキ処理などによってマザースタンパ13上にサンスタ
ンパ(あるいは単にスタンパとも言う)14を形成す
る。サンスタンパ14の表面には、マザースタンパ13
に形成された凹部13dが転写して、逆パターンの凹凸
である凸部14pが形成されており、これはマスタスタ
ンパ12の凸部12pと同じパターンに相当する。
【0022】次に、図7(c)に示すように、サンスタ
ンパ14と酸化膜13aの界面で剥離して、サンスタン
パ14を離型する。上記と同様に、酸化膜13aは離型
時の剥離面を供する膜となる。MMS工程と呼ばれる上
記の転写複製工程を複数回行うことによって、1枚のマ
スタスタンパから複数枚のサンスタンパを複製すること
ができる。
【0023】次に、図8(a)に示すように、上記で得
られたサンスタンパ14を金型(MD1,MD2)から
なるキャビティ内に固定し、射出成形用金型を構成す
る。このとき、サンスタンパ14の凸部形成面14sが
キャビティ内側を臨むように設置する。上記の射出成形
用金型のキャビティ内に、例えば溶融状態のポリカーボ
ネートなどの樹脂を金型の注入口MSから射出すること
で、図8(b)に示すように、サンスタンパ14の凸部
14pの形成面14s上にディスク基板15を形成す
る。ここで、ディスク基板15の表面には、サンスタン
パ14の凸部14pのパターンが転写して、逆パターン
の凹凸である溝15dが形成される。
【0024】次に、ディスク基板15を上記の射出成形
金型から離型し、ディスク基板15の表面に空気や窒素
ガスなどのガスを吹き付けてダストを除去した後、図9
(a)に示すように、例えばスパッタリング法などによ
り、反射膜、誘電体膜、記録膜、誘電体膜の積層体を有
する光学記録膜16をこの成膜順序で成膜する。上記の
記録膜は、例えば、相変化型の光学記録膜、光磁気記録
膜あるいは有機色素を含む記録膜を用いることができ
る。あるいは、ROM型光ディスクの場合には、光学記
録膜をアルミニウム膜などの反射膜により形成する。こ
の後、例えば記録膜として相変化膜を成膜した場合に
は、所定の初期化光を照射して光学記録層16の記録膜
を結晶化させ、初期化する。
【0025】次に、図9(b)に示すように、光学記録
膜16上に紫外線硬化樹脂などの接着層を塗布などによ
り供給して固化させる、あるいは、光透過性樹脂フイル
ムを貼り合わせ、光透過性の保護層17を形成する。以
上で、図1に示す構成の光ディスクを製造することがで
きる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
製造方法において、電解メッキを行った後の剥離面を供
する酸化膜を形成する工程において、処理薬液中で酸化
処理を行うため、乾燥時にシミが残り易く、処理によっ
て一般的にスタンパの表面粗度が増加して再生時のノイ
ズ源となり、信号品質に影響を与える場合があるという
問題がある。特に、DVD以降の高密度記録において問
題となる。
【0027】また、過マンガン酸カリウム水溶液、重ク
ロム酸水溶液などの有害な溶液を使用する場合には、環
境や安全面への悪影響が懸念され、処理装置の安全性に
配慮した結果、装置の大型化、高価格化に繋がり易い。
さらに、処理薬液の経時劣化が不良発生の原因となり、
処理薬液の交換時期の見積もりが困難である。
【0028】本発明は上記の状況に鑑みてなされたもの
であり、従って本発明の目的は、処理薬液を用いずに電
解メッキ後の剥離面を供する酸化膜を形成し、表面粗度
の増加を抑制した光学記録媒体製造用スタンパの製造方
法を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の光学記録媒体製造用スタンパの製造方法
は、光学記録媒体の媒体基板の表面に凹凸形状を転写す
るために用いられる光学記録媒体製造用スタンパの製造
方法であって、表面に凹凸形状を有する第1スタンパを
形成する工程と、酸素ガスによるプラズマ処置により、
上記第1スタンパの凹凸形状形成面に第1酸化膜を形成
する工程と、上記第1酸化膜の上層に、上記第1スタン
パの凹凸形状に沿った凹凸形状を有する第2スタンパを
形成する工程と、上記第2スタンパと上記第1酸化膜の
界面で剥離する工程とを有する。
【0030】上記の本発明の光学記録媒体製造用スタン
パの製造方法は、好適には、酸素ガスによるプラズマ処
置により、上記第2スタンパの凹凸形状形成面に第2酸
化膜を形成する工程と、上記第2酸化膜の上層に、上記
第2スタンパの凹凸形状に沿った凹凸形状を有する第3
スタンパを形成する工程と、上記第3スタンパと上記第
2酸化膜の界面で剥離する工程とをさらに有する。
【0031】上記の本発明の光学記録媒体製造用スタン
パの製造方法は、好適には、上記第1金型を形成する工
程の前に、表面に凹凸形状を有する原盤を形成する工程
をさらに有し、上記第1金型を形成する工程において
は、上記原盤の凹凸形状形成面に、上記原盤の凹凸形状
に沿った凹凸形状を有する第1金型を形成する。
【0032】さらに好適には、上記原盤を形成する工程
が、原盤基板上にレジスト膜を形成する工程と、上記凹
凸形状のパターンに沿って上記レジスト膜を露光する工
程と、上記レジスト膜を現像する工程とを含み、上記第
1金型を形成する工程においては、上記原盤基板と上記
レジスト膜から構成される凹凸形状に沿った凹凸形状を
有する第1金型を形成する。
【0033】上記の本発明の光学記録媒体製造用スタン
パの製造方法は、表面に凹凸形状を有する第1スタンパ
と、その上層に形成する第2スタンパの剥離面を供する
酸化膜として、酸素ガスによるプラズマ処置により、第
1スタンパの凹凸形状形成面に第1酸化膜を形成する。
気相中での反応により、処理薬液を用いずに電解メッキ
後の剥離面を供する酸化膜を形成しており、表面粗度の
増加を抑制して再生時のノイズ源を減らし、信号品質を
向上させることができる。
【0034】また、上記の目的を達成するために、本発
明の光学記録媒体製造用スタンパの製造方法は、表面に
凹凸形状を有する媒体基板上に光学記録層を有する光学
記録媒体の製造に用いる光学記録媒体製造用スタンパの
製造方法であって、表面に凹凸形状を有する第1スタン
パを形成する工程と、酸素ガス雰囲気下での紫外線照射
処置により、上記第1スタンパの凹凸形状形成面に第1
酸化膜を形成する工程と、上記第1酸化膜の上層に、上
記第1スタンパの凹凸形状に沿った凹凸形状を有する第
2スタンパを形成する工程と、上記第2スタンパと上記
第1酸化膜の界面で剥離する工程とを有する。
【0035】上記の本発明の光学記録媒体製造用スタン
パの製造方法は、好適には、酸素ガスによるプラズマ処
置により、上記第2スタンパの凹凸形状形成面に第2酸
化膜を形成する工程と、上記第2酸化膜の上層に、上記
第2スタンパの凹凸形状に沿った凹凸形状を有する第3
スタンパを形成する工程と、上記第3スタンパと上記第
2酸化膜の界面で剥離する工程とをさらに有する。
【0036】上記の本発明の光学記録媒体製造用スタン
パの製造方法は、好適には、上記第1スタンパを形成す
る工程の前に、表面に凹凸形状を有する原盤を形成する
工程をさらに有し、上記第1スタンパを形成する工程に
おいては、上記原盤の凹凸形状形成面に、上記原盤の凹
凸形状に沿った凹凸形状を有する第1スタンパを形成す
る。
【0037】さらに好適には、上記原盤を形成する工程
が、原盤基板上にレジスト膜を形成する工程と、上記凹
凸形状のパターンに沿って上記レジスト膜を露光する工
程と、上記レジスト膜を現像する工程とを含み、上記第
1金型を形成する工程においては、上記原盤基板と上記
レジスト膜から構成される凹凸形状に沿った凹凸形状を
有する第1金型を形成する。
【0038】上記の本発明の光学記録媒体製造用スタン
パの製造方法は、表面に凹凸形状を有する第1スタンパ
と、その上層に形成する第2スタンパの剥離面を供する
酸化膜として、酸素ガス雰囲気下での紫外線照射処置に
より、第1スタンパの凹凸形状形成面に第1酸化膜を形
成する。気相中での反応により、処理薬液を用いずに電
解メッキ後の剥離面を供する酸化膜を形成しており、表
面粗度の増加を抑制して再生時のノイズ源を減らし、信
号品質を向上させることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
光ディスク製造用スタンパとその製造方法の実施の形態
について図面を用いて詳しく説明する。
【0040】第1実施形態 図1(a)は、本実施形態に係る光ディスク製造用スタ
ンパを用いて製造した光ディスクの光の照射の様子を示
す模式斜視図である。光ディスクDCは、中心部にセン
ターホールCHが開口された略円盤形状をしており、ド
ライブ方向DRに回転駆動される。情報を記録または再
生するときには、例えば、光ディスクDC中の光学記録
層に対して、例えば開口数が0.8以上の対物レンズO
Lにより、青〜青紫色の領域のレーザ光などの光LTが
照射される。
【0041】図1(b)は模式断面図であり、図1
(c)は図1(b)の模式断面図の要部を拡大した断面
図である。厚さが約1.1mmのポリカーボネートなど
からなるディスク基板15の一方の表面に、凹部15d
が設けられている。この凹部15dを含む凹凸に沿って
光学記録積層体16が形成されている。光学記録層16
は、例えば、上層側から例えば誘電体膜、相変化膜ある
いは光磁気膜などの記録膜、誘電体膜および反射膜など
がこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、
記録材料の種類や設計によって異なる。光学記録層16
の上層に、例えば0.1mmの膜厚の光透過性の保護層
17が形成されている。
【0042】上記の光ディスクを記録あるいは再生する
場合には、対物レンズOLにより、レーザ光などの光L
Tを光透過性の保護層17側から光学記録層16に合焦
するように照射する。光ディスクの再生時においては、
光学記録層16で反射された戻り光が受光素子で受光さ
れ、信号処理回路により所定の信号を生成して、再生信
号が取り出される。
【0043】上記のような光ディスクにおいて、光学記
録層は、ディスク基板15の表面に形成された凹部15
dに起因した凹凸形状を有している。例えば図2(a)
に示すように、ディスク基板15に形成された凹部15
dは所定のトラックピッチTPでスパイラル状に形成さ
れた連続溝となっており、凹部を含む凹凸形状によりト
ラック領域が区分されている。上記の凹部により区分さ
れたトラック領域はランドおよびグルーブと呼ばれ、ラ
ンドとグルーブの両者に情報を記録するランド・グルー
ブ記録方式を適用することで大容量化が可能である。ま
た、ランドとグルーブのいずれか一方のみを記録領域と
することも可能である。
【0044】また、例えば図2(b)に示すように、上
記のディスク基板15の凹部15dに起因する凹凸形状
により、記録データに対応する長さを有するピットが連
続してスパイラル状にトラック上に並べられた構成と
し、光学記録膜をアルミニウム膜などの反射膜で構成す
ることにより、再生専用(ROM)型の光ディスクとす
ることもできる。
【0045】上記の光ディスクの製造するのに用いるス
タンパの製造方法について説明する。まず、図3(a)
に示すように、円盤状のガラス基板10の一方の面10
sを、光学研磨などによって平坦化し、さらにこの研磨
面を洗浄する。
【0046】次に、図3(b)に示すように、例えばス
ピン塗布により、上記のガラス基板10の研磨面上に感
光性樹脂からなるレジスト膜11を50〜100nmの
膜厚で形成する。感光性樹脂としては、例えば感光する
とアルカリ可溶性となるタイプの樹脂を用いる。
【0047】次に、図3(c)に示すように、レーザ露
光機などを用いて、レジスト原盤RDを回転させ、 記録
信号に合わせて強度変調を受けた光を対物レンズでレジ
スト膜11上に集光しながら、 原盤と対物レンズの位置
を相対的に原盤の半径方向に移動させる。このようにし
て、螺旋状あるいは同心円状など、ディスク基板の溝と
なる領域またはピットとなる領域を感光させるパターン
でレジスト膜11のレーザ露光を行い、アルカリ可溶性
となる露光部11bとする。未露光部のレジスト膜11
aはアルカリ可溶性ではない。
【0048】次に、図3(d)に示すように、露光済の
レジスト膜11にアルカリ性の現像液で現像処理を施す
ことにより、未露光部のレジスト膜11aを残して露光
部11bを溶出させ、ディスク基板の溝となる領域また
はピットとなる領域に対応するパターンのレジスト膜1
1aとする。このように溝あるいはピットのパターンの
レジスト膜11aが形成されたガラス基板をガラス原盤
あるいは単に原盤と呼ぶ場合がある。
【0049】次に、ガラス原盤上に形成されたパターン
を大量のプラスチック基板へ転写するために、原盤上に
金属層を所定厚堆積させ、原盤から剥離し、上記パター
ンを有するスタンパを形成する。一般的に金属材料とし
てニッケルが用いられ、またスタンパの厚さは0.3〜
0.5mm程度である。ニッケルメッキはメッキ成長速
度の早い電解メッキ法を用いるが、予め原盤表面に導電
性を持たせておかなければならないので、前処理として
スパッタ法、または化学反応によってニッケルを析出さ
せる無電解メッキ法によりニッケル薄膜をコーティング
する。このニッケル薄膜は200〜300nm程度の膜
厚でよい。
【0050】次に、例えば図4(a)に示す電解メッキ
装置により、ニッケル膜を300〜500μm程度の膜
厚となるまで成長させる。電解メッキ装置においては、
モーター40により回転駆動可能な保持具41にガラス
原盤42を保持し、循環系43により液循環する50℃
のスルファミン酸ニッケル溶液などの電解メッキ液44
に浸漬する。ガラス原盤42の表面に硫黄含有のS−ニ
ッケル電極45と対向させた状態で、ガラス原盤42を
回転しながら、ガラス原盤側を陰極CA、S−ニッケル
電極側を陽極ANとして徐々に電流密度を上昇させる。
例えば電流値0.05A/dm2 で成長開始して、最終
的に20A/dm2 程度にする。例えば300μmの膜
厚の成長に要する時間は、2時間から3時間程度が一般
的である。
【0051】上記の電解メッキ液の組成としては、例え
ばスルファミン酸ニッケル600g/リットル、ホウ酸
40g/リットル、塩化ニッケル5g/リットル、界面
活性剤1cm3 /リットルとする。
【0052】上記の電解メッキ処理により、図4(b)
に示すように、レジスト膜11aの開口パターンの内部
などを全面に被覆してニッケルを堆積させ、マスタスタ
ンパ12を形成する。マスタスタンパ12の表面には、
レジスト膜11aとガラス基板10の表面から構成され
る溝11dのパターンが転写して、逆パターンの凹凸で
ある凸部12pが形成されている。電気メッキ成長終了
後、ニッケルをガラス原盤から剥離し、表面に残存する
レジスト膜などをアセトン洗浄する。
【0053】次に、上記のようにして得られたマスタス
タンパ12に対して、後述するマザースタンパを形成す
る電解メッキ後の剥離面を供する酸化膜を形成するため
に、本実施形態においては図5の模式図に示す反応性イ
オンエッチングを行うプラズマエッチング装置を用い
る。プラズマエッチング装置において、高周波電源30
が接続された下部電極31を基台として処理対象物とな
るスタンパST(マスタスタンパ12)を戴置し、その
上方に上部電極32を配置し、下部電極31と上部電極
32との間に酸素ガスを導入した状態で高周波電源30
により下部電極31と上部電極32との間に所定の電圧
を印加し、酸素ガスイオン33化してプラズマを生成す
る。生じたガスイオンが片方の電極に垂直に進行する。
【0054】上記のプラズマエッチング装置により、上
記のようにしてプラズマエッチングを実施することがで
きるが、エッチングによってニッケルを削る目的では無
く、スタンパ表面でのニッケルと酸素の化学反応によっ
て酸化膜を形成する事が目的であり、電極間のRF電圧
を低く設定して酸素イオンのニッケル表面衝突時の速度
を下げると、衝突力でニッケルイオンを弾き飛ばす物理
エッチング性が弱くなるので、パターン形状変化、およ
び表面粗度増加を防止しながら酸化膜を形成することが
できる。このようにしてマスタスタンパ12の凹凸形成
面に酸化膜12aを形成した結果、図6(a)に示す状
態となる。
【0055】市販のRIE装置は全て使用可能である
が、例えば、日本ビクター社製「IE−500」という
装置を用いて、チャンバーの真空到達度8.0×10-3
Paにて、酸素ガスを導入し、酸素ガス導入後のチャン
バー圧力を、1.0Paに保ち、高周波RF電圧(1
3.56MHz、100W)にて3分の処理を行うこと
で、上記のように酸化膜を形成することができる。
【0056】さらに、酸素イオンによって同時に処理対
象物の表面に残存するレジスト膜などの有機物などを除
去する洗浄効果もある。MMS工程においては、剥離面
を供する酸化膜を均一に形成するために表面洗浄を行う
ことが非常に重要であり、洗浄と酸化膜形成を同時に行
うことができる本実施形態の方法は非常に効率的であ
る。
【0057】次に、図6(b)に示すように、例えばメ
ッキ処理などによってマスタスタンパ12上にマザース
タンパ13を形成する。マザースタンパ13の表面に
は、マスタスタンパ12に形成された凸部12pが転写
して、逆パターンの凹凸である溝13dが形成されてい
る。
【0058】次に、図6(c)に示すように、マザース
タンパ13と酸化膜12aの界面で剥離して、マザース
タンパ13を離型する。上記のように、酸化膜12aは
マザースタンパ13を離型するときの剥離面を供する膜
となる。このように、プラズマ処理という気相中での反
応により、処理薬液を用いずに電解メッキ後の剥離面を
供する酸化膜を形成しており、表面粗度の増加を抑制し
て再生時のノイズ源を減らし、信号品質を向上させるこ
とができる。
【0059】次に、図7(a)に示すように、マザース
タンパ13の凹凸形状形成面に酸化膜13aを形成す
る。ここでも、上記の同様のプラズマエッチング装置を
用いて、エッチングしない程度のプラズマ処理により、
酸化膜13aを形成する。
【0060】次に、図7(b)に示すように、例えばメ
ッキ処理などによってマザースタンパ13上にサンスタ
ンパ(あるいは単にスタンパとも言う)14を形成す
る。サンスタンパ14の表面には、マザースタンパ13
に形成された凹部13dが転写して、逆パターンの凹凸
である凸部14pが形成されており、これはマスタスタ
ンパ12の凸部12pと同じパターンに相当する。
【0061】次に、図7(c)に示すように、サンスタ
ンパ14と酸化膜13aの界面で剥離して、サンスタン
パ14を離型する。上記と同様に、酸化膜13aは離型
時の剥離面を供する膜となる。MMS工程と呼ばれる上
記の転写複製工程を複数回行うことによって、1枚のマ
スタスタンパから複数枚のサンスタンパを複製すること
ができる。
【0062】上記のマザースタンパから凹凸形状を転写
してサンスタンパを形成する工程においても、離型する
ときの剥離面を供する膜としてプラズマ処理という気相
中での反応により形成しており、表面粗度の増加を抑制
して再生時のノイズ源を減らし、信号品質を向上させる
ことができる。
【0063】上記の工程により、本実施形態に係る光デ
ィスク製造用スタンパを製造することができる。本実施
形態に係る光ディスク製造用スタンパを用いて光ディス
クを製造する方法を以下に説明する。まず、図8(a)
に示すように、上記で得られたサンスタンパ14を金型
(MD1,MD2)からなるキャビティ内に固定し、射
出成形用金型を構成する。このとき、サンスタンパ14
の凸部形成面14sがキャビティ内側を臨むように設置
する。上記の射出成形用金型のキャビティ内に、例えば
溶融状態のポリカーボネートなどの樹脂を金型の注入口
MSから射出することで、図8(b)に示すように、サ
ンスタンパ14の凸部14pの形成面14s上にディス
ク基板15を形成する。ここで、ディスク基板15の表
面には、サンスタンパ14の凸部14pのパターンが転
写して、逆パターンの凹凸である溝15dが形成され
る。
【0064】次に、ディスク基板15を上記の射出成形
金型から離型し、ディスク基板15の表面に空気や窒素
ガスなどのガスを吹き付けてダストを除去した後、図9
(a)に示すように、例えばスパッタリング法などによ
り、反射膜、誘電体膜、記録膜、誘電体膜の積層体を有
する光学記録膜16をこの成膜順序で成膜する。上記の
記録膜は、例えば、相変化型の光学記録膜、光磁気記録
膜あるいは有機色素を含む記録膜を用いることができ
る。あるいは、ROM型光ディスクの場合には、光学記
録膜をアルミニウム膜などの反射膜により形成する。こ
の後、例えば記録膜として相変化膜を成膜した場合に
は、所定の初期化光を照射して光学記録層16の記録膜
を結晶化させ、初期化する。
【0065】次に、図9(b)に示すように、光学記録
膜16上に紫外線硬化樹脂などの接着層を塗布などによ
り供給して固化させる、あるいは、光透過性樹脂フイル
ムを貼り合わせ、光透過性の保護層17を形成する。以
上で、図1に示す構成の光ディスクを製造することがで
きる。
【0066】本実施形態に係る光ディスクを製造用スタ
ンパの製造方法によれば、表面に凹凸形状を有するマス
タスタンパとその上層に形成するマザースタンパの剥離
面を供する酸化膜として、あるいはマザースタンパとそ
の上層に形成するサンスタンパの剥離面を供する酸化膜
として、酸素ガスによるプラズマ処置により酸化膜を形
成する。気相中での反応により、処理薬液を用いずに電
解メッキ後の剥離面を供する酸化膜を形成していること
から、表面処理後の乾燥シミが発生せず、作業時の安全
面、及び処理廃液の処分など、環境面で懸念される悪影
響を考慮しなくて良くなり、さらに、処理薬液の経時劣
化による不良発生が無い、という利点がある。また、ス
タンパ表面の洗浄も同時に行う事が出来るため、効率の
良いプロセスとなる。さらに、表面粗度の増加が従来と
比較して非常に少なく、記録/再生時のノイズ上昇が発
生せず、信号品質を向上させることができる。
【0067】(実施例1)上記の実施形態に従って、マ
スタスタンパの凹凸形成面上に、酸素ガスによるプラズ
マ処置により酸化膜を形成してマザースタンパを形成し
た。一方、従来方法に従って、電解脱脂法により酸化膜
を形成してマザースタンパを形成した。マスタスタンパ
の表面粗さ(Ra値)を測定した結果、0.33nmであ
った。本実施形態により酸化膜を形成して得たマザース
タンパの表面粗さは0.35nmであり、マスタスタンパ
と同等の表面粗さであった。一方、電解脱脂法により酸
化膜を形成して得たマザースタンパの表面粗さは0.5
0nmであり、表面粗度の劣化を招いていた。
【0068】第2実施形態 本実施形態に係る光ディスクを製造用スタンパの製造方
法は、実質的に第1実施形態と同様であるが、マスタス
タンパに対してマザースタンパを形成、または、マザー
スタンパに対してサンスタンパを形成する電解メッキ後
の剥離面を供する酸化膜を形成するために、図10の模
式図に示す「UVアッシャー」と呼ばれる表面洗浄装置
を用いることが異なる。UVアッシャーにおいて、加熱
可能な基台34上に処理対象物となるスタンパST(マ
スタスタンパまたはマザースタンパ)を戴置し、その上
方に石英照射窓35を介して紫外線ランプ36を配置す
る。例えば基台34による加熱THでスタンパSTを1
00℃程度に熱し、紫外線ランプ36から紫外線UVを
照射することで、空気中の酸素を酸素ガスイオン33化
してプラズマを生成する。得られた酸素ガスイオンによ
り、処理対象物の表面の有機物が酸化されてCO 2 など
になって除去されるが、このとき、処理対象物の表面に
酸化膜を形成することも可能である。UVアッシャーに
よる処理は、酸素ガスイオンを処理対象物に垂直に進行
させるプラズマエッチング装置よりもソフトな処理であ
るが、この方法によっても実用的な短時間で剥離面を供
する酸化膜を形成することができる。
【0069】(実施例2)ウシオ電機社製エキシマ照射
処理装置「UVS−TE200」を用い、(紫外線光
源:誘電体バリア放電エキシマランプ、露光波長:中心
波長172nm(半値幅14nm)、露光照度:11.
5mW/cm2 (照射窓面で測定)、照射窓とスタンパ
の距離:3mm、スタンパ加熱温度100℃)という条
件にて紫外線を照射すると、2.5分の照射時間で良好
にマスタスタンパとマザースタンパを剥離することがで
きた。
【0070】本発明は、上記の実施の形態に限定されな
い。例えば、本発明のスタンパを用いて製造する光ディ
スクの光学記録膜の層構成は、実施形態で説明した構成
に限らず、記録膜の材料などに応じて種々の構造とする
ことができる。光学記録膜は2層以上としてもよい。相
変化型の光学記録媒体の他、光磁気記録媒体や、有機色
素材料を用いた光ディスク媒体にも適用可能であり、こ
れらの記録層の成膜方法は、スパッタリングの他、蒸着
法やスピンコート法を用いることも可能である。また、
本発明のスタンパを用いて製造する光ディスクとして
は、情報ピットとなる凹凸形状上にアルミニウムなどの
反射膜を設けたROM型光ディスクにも適用できる。さ
らに、再生や記録用の光を保護層側から照射するタイプ
の他、CDやDVDなどのディスク基板を透過させて光
を照射するタイプの光ディスクにも適用できる。その
他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更をする
ことができる。
【0071】
【発明の効果】本発明の光学記録媒体製造用スタンパの
製造方法によれば、処理薬液を用いずに電解メッキ後の
剥離面を供する酸化膜を形成し、表面粗度の増加を抑制
して光学記録媒体製造用スタンパを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1実施形態および従来
例に係る光ディスクの光の照射の様子を示す模式斜視図
であり、図1(b)は模式断面図であり、図1(c)は
図1(b)の模式断面図の要部を拡大した断面図であ
る。
【図2】図2(a)および(b)は図1(a)〜(c)
に示す光ディスクのディスク基板に形成された凹部の構
成を示す斜視図である。
【図3】図3(a)〜(d)は第1実施形態および従来
例に係る光ディスク製造用スタンパの製造方法の製造工
程を示す断面図である。
【図4】図4(a)および(b)は図3の続きの工程を
示す断面図である。
【図5】図5は本発明の第1実施形態に係るプラズマ処
理装置の模式図である。
【図6】図6(a)〜(c)は図4の続きの工程を示す
断面図である。
【図7】図7(a)〜(c)は図6の続きの工程を示す
断面図である。
【図8】図8(a)および(b)は第1実施形態および
従来例に係る光ディスクの製造方法の製造工程を示す断
面図である。
【図9】図9(a)および(b)は図8の続きの工程を
示す断面図である。
【図10】図10は本発明の第2実施形態に係る紫外線
照射装置の模式図である。
【符号の説明】
10…ガラス基板、10s…ガラス基板の一方の面、1
1…レジスト膜、11a…未露光部のレジスト膜、11
b…露光部、11d…凹部、12…マスタスタンパ、1
2a…酸化膜、12p…凸部、13…マザースタンパ、
13a…酸化膜、13d…凹部、14…サンスタンパ、
14p…凸部、15…ディスク基板、15d…凹部、1
6…光学記録層、17…保護層、30…高周波電源、3
1…下部電極、32…上部電極、33…酸素ガスイオ
ン、34…基台、35…石英照射窓、36…紫外線ラン
プ、40…モーター、41…保持具、42…ガラス原
盤、43…循環系、44…電解メッキ液、45…S−ニ
ッケル電極、ST…スタンパ、CH…センターホール、
DC…光ディスク、DR…ドライブ方向、LT…光、M
D1,MD2…金型、MS…注入口、OL…対物レン
ズ、TH…加熱、UV…紫外線、RD…レジスト原盤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 淳 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D121 CB03 CB08 GG02 GG03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学記録媒体の媒体基板の表面に凹凸形状
    を転写するために用いられる光学記録媒体製造用スタン
    パの製造方法であって、 表面に凹凸形状を有する第1スタンパを形成する工程
    と、 酸素ガスによるプラズマ処置により、上記第1スタンパ
    の凹凸形状形成面に第1酸化膜を形成する工程と、 上記第1酸化膜の上層に、上記第1スタンパの凹凸形状
    に沿った凹凸形状を有する第2スタンパを形成する工程
    と、 上記第2スタンパと上記第1酸化膜の界面で剥離する工
    程とを有する光学記録媒体製造用スタンパの製造方法。
  2. 【請求項2】酸素ガスによるプラズマ処置により、上記
    第2スタンパの凹凸形状形成面に第2酸化膜を形成する
    工程と、 上記第2酸化膜の上層に、上記第2スタンパの凹凸形状
    に沿った凹凸形状を有する第3スタンパを形成する工程
    と、 上記第3スタンパと上記第2酸化膜の界面で剥離する工
    程とをさらに有する請求項1に記載の光学記録媒体製造
    用スタンパの製造方法。
  3. 【請求項3】上記第1金型を形成する工程の前に、表面
    に凹凸形状を有する原盤を形成する工程をさらに有し、 上記第1金型を形成する工程においては、上記原盤の凹
    凸形状形成面に、上記原盤の凹凸形状に沿った凹凸形状
    を有する第1金型を形成する請求項1に記載の光学記録
    媒体製造用スタンパの製造方法。
  4. 【請求項4】上記原盤を形成する工程が、原盤基板上に
    レジスト膜を形成する工程と、上記凹凸形状のパターン
    に沿って上記レジスト膜を露光する工程と、上記レジス
    ト膜を現像する工程とを含み、 上記第1金型を形成する工程においては、上記原盤基板
    と上記レジスト膜から構成される凹凸形状に沿った凹凸
    形状を有する第1金型を形成する請求項3に記載の光学
    記録媒体製造用スタンパの製造方法。
  5. 【請求項5】表面に凹凸形状を有する媒体基板上に光学
    記録層を有する光学記録媒体の製造に用いる光学記録媒
    体製造用スタンパの製造方法であって、 表面に凹凸形状を有する第1スタンパを形成する工程
    と、 酸素ガス雰囲気下での紫外線照射処置により、上記第1
    スタンパの凹凸形状形成面に第1酸化膜を形成する工程
    と、 上記第1酸化膜の上層に、上記第1スタンパの凹凸形状
    に沿った凹凸形状を有する第2スタンパを形成する工程
    と、 上記第2スタンパと上記第1酸化膜の界面で剥離する工
    程とを有する光学記録媒体製造用スタンパの製造方法。
  6. 【請求項6】酸素ガスによるプラズマ処置により、上記
    第2スタンパの凹凸形状形成面に第2酸化膜を形成する
    工程と、 上記第2酸化膜の上層に、上記第2スタンパの凹凸形状
    に沿った凹凸形状を有する第3スタンパを形成する工程
    と、 上記第3スタンパと上記第2酸化膜の界面で剥離する工
    程とをさらに有する請求項5に記載の光学記録媒体製造
    用スタンパの製造方法。
  7. 【請求項7】上記第1スタンパを形成する工程の前に、
    表面に凹凸形状を有する原盤を形成する工程をさらに有
    し、 上記第1スタンパを形成する工程においては、上記原盤
    の凹凸形状形成面に、上記原盤の凹凸形状に沿った凹凸
    形状を有する第1スタンパを形成する請求項5に記載の
    光学記録媒体製造用スタンパの製造方法。
  8. 【請求項8】上記原盤を形成する工程が、原盤基板上に
    レジスト膜を形成する工程と、上記凹凸形状のパターン
    に沿って上記レジスト膜を露光する工程と、上記レジス
    ト膜を現像する工程とを含み、 上記第1金型を形成する工程においては、上記原盤基板
    と上記レジスト膜から構成される凹凸形状に沿った凹凸
    形状を有する第1金型を形成する請求項7に記載の光学
    記録媒体製造用スタンパの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8168094B2 (en) 2008-09-25 2012-05-01 Sony Corporation Method for manufacturing disc and method for manufacturing stamper

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