JP2002117540A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2002117540A
JP2002117540A JP2000309332A JP2000309332A JP2002117540A JP 2002117540 A JP2002117540 A JP 2002117540A JP 2000309332 A JP2000309332 A JP 2000309332A JP 2000309332 A JP2000309332 A JP 2000309332A JP 2002117540 A JP2002117540 A JP 2002117540A
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irradiation
time
power
laser beam
recording
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Shuji Tsukamoto
修司 塚本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より多段階に記録マークが形成された光記録
媒体を得る。 【解決手段】 レーザービームが照射されて記録マーク
を形成することにより情報が記録される光記録媒体であ
って、記録層に対して、レーザービームとの相対移動方
向に任意の単位長さ及びこれと直交する単位幅となる仮
想記録セルが連続的に規定され、この仮想記録セルに対
して第1段階から最終段階まで順次長くなる5段階以上
の照射時間を設定し、更に、これらの複数段階の照射時
間の中の特定の照射時間におけるレーザービームの照射
パワーの平均値が、これよりも長い他の照射時間におけ
る照射パワーの平均値より大きくなるように設定して、
レーザービームを仮想記録セルに照射し、光反射率が5
段階以上に異なる記録マークを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザービームの
照射により記録マークを形成することにより情報が記録
される光記録媒体に関するものであり、特に、複数の異
なる状態の記録マークを形成してデータをマルチレベル
記録する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光記録媒体のような、再生信号の
長さ(反射信号変調部の長さ)を多段階に変えることに
よってデータを記録する方法に対して、再生信号の深さ
(反射信号の変調度)を多段階に切り替えることによ
り、同じ長さの各信号に複数のデータを記録する方法に
関する研究が数多くなされている。
【0003】この光記録方法によれば、単にピットの有
無による2値のデータを記録した場合と比較して、深さ
方向に複数のデータを記録できるため、一定の長さに割
り当てられる信号の量を増やすことができ、従って、線
記録密度を向上させることが可能となる。再生信号の深
さを多段階に切り換える方法として、一般的に、レーザ
ービームのパワーを多段階に切り換えることが知られて
いる。又現在、その記録媒体としてホログラフを利用し
たものや記録層を多層としたものが提案されている。
【0004】なお、ここでは反射信号の変調度が多段階
に変化するように各データを記録することをマルチレベ
ル記録と呼ぶ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなマルチレベ
ル記録は、記録時に複数段階のパワーでレーザービーム
を照射することから、特にそのパワーが大きくなるにつ
れて再生時の信号品質が劣化するという問題があった。
この理由は明らかにされていないが、本発明者の推定で
は、レーザーのパワーが増大することによって、記録マ
ークの面積(記録マークエリア)が増大してしまうこと
が原因と考えられる。
【0006】例えば、記録媒体の記録情報量の高密度化
のために記録マークを小さくし、その中で、レーザーの
パワーを多段に切り換えてマルチレベル記録した場合、
大きいパワーによって記録された記録マークの信号品質
の劣化が顕著となった。
【0007】つまり、パワー切替によりマルチレベル記
録を採用しようとすれば、記録マークの間隔を広くと
り、信号品質が劣化したとしてもある程度確実にデータ
検出できるようにしなければならなかった。
【0008】又レーザーパワーを段階的に切り換えてマ
ルチレベル記録を達成する従来の思想は、その記録マー
ク長が、最低でも、記録時の集光ビーム(ビームウエス
ト)の半径よりも大きいことが前提となっている。一般
に集光ビームの直径は、Kλ/NA (K:定数、λ:
レーザー波長、NA:レンズの開口数)で表現でき、例
えば、CDで利用されるピックアップではλ=780n
m、NA=0.50であり集光ビームの直径は約0.8
μmとなることから、記録マーク長が0.8μm近傍程度
に小さくなると上記の信号劣化の問題が顕在化した。実
際の所、レーザーパワーを変化させる方法での5段階以
上のマルチレベル記録は極めて困難であった。
【0009】これに対して、本出願時点において未公知
であるが、本出願と同一出願人によってなされた特許出
願(特願2000−187568等)では、レーザービ
ームのパワーではなく、所定の仮想記録セル領域に対し
て照射時間を複数段階で切り換えることにより、仮想記
録セル領域全体での光反射率の異なる記録マークを形成
して、少なくとも5段階のマルチレベル記録が可能とし
た光記録方法が提案されている。
【0010】これは、従来のレーザービーム照射の光記
録方法とは全く異なった技術思想であり、短時間の照射
により、記録マークの形成が可能となり得る。従って、
ビームスポット径よりも小さな記録マークの場合も十分
に考えられ、言い換えると、従来では記録マークが未完
成であると考えられていた短時間照射領域を有効利用し
て多段階(5段階以上)且つ高密度のマルチレベル記録
を実現するものである。
【0011】本発明はこの技術について更に研究を進め
たものであり、レーザービームのパワーを適宜調節する
ことで、更に多くの段数(多値)で且つ読み取り精度の
高いマルチレベル記録を可能にすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、光記録媒体
及び光記録方法について鋭意研究を重ね、より多段階で
且つ安定した高密度のマルチレベル記録を行うことが可
能であることを確認した。
【0013】即ち、以下の本発明により上記目的が達成
可能となる。
【0014】(1)反射層及び記録層を備え、レーザー
ビームの照射により、該記録層に記録マークが形成され
て情報が記録される光記録媒体であって、前記記録層
に、前記レーザービームとの相対移動方向に任意の単位
長さ及びこれと直交する単位幅となる仮想記録セルが該
相対移動方向に連続的に規定され、前記仮想記録セルに
対して第1段階から最終段階まで順次長くなる5段階以
上の照射時間を設定すると共に、該複数段階の照射時間
の中の特定の照射時間におけるレーザービームのパワー
の平均値が、これよりも長い他の照射時間におけるパワ
ーの平均値より大きくなるように設定して、前記レーザ
ービームを前記仮想記録セルに照射したとき、前記仮想
記録セルに光反射率が5段階以上に異なる記録マークが
形成されるようにしたことを特徴とする光記録媒体。
【0015】(2)上記発明(1)において、前記第1
段階から少なくとも第2段階までの複数の照射時間にあ
っては、各段階でのレーザービームのパワーの平均値
が、これらの照射時間よりも長い他の照射時間における
平均値より大きくなるように設定されていることを特徴
とする光記録媒体。
【0016】(3)上記発明(1)又は(2)におい
て、少なくとも前記第1段階の照射時間にあっては、前
記レーザービームのパワーが、照射開始時点から途中時
点までは基準パワーよりも大きく、該途中時点から終端
時点までは前記基準パワーに設定されると共に、前記照
射時間よりも長い他の照射時間にあっては、前記レーザ
ービームのパワーが、照射開始時点から終端時点に亘っ
て前記基準パワーに設定されていることを特徴とする光
記録媒体。
【0017】(4)上記発明(1)又は(2)におい
て、少なくとも前記第1段階の照射時間にあっては、前
記レーザービームのパワーが、照射開始時点から終端時
点に亘って基準パワーよりも大きく設定されると共に、
前記照射時間よりも長い他の照射時間にあっては、前記
レーザービームのパワーが、照射開始時点から終端時点
に亘って前記基準パワーに設定されていることを特徴と
する光記録媒体。
【0018】(5)反射層及び記録層を備え、レーザー
ビームの照射により、該記録層に記録マークが形成され
て情報が記録される光記録媒体であって、前記記録層
に、前記レーザービームとの相対移動方向に任意の単位
長さ及びこれと直交する単位幅となる仮想記録セルが該
相対移動方向に連続的に規定されると共に、前記仮想記
録セルに対して第1段階から最終段階まで順次長くなる
ように5段階以上の照射時間を設定し、更に、前記最終
段階の照射時間よりも短い基準時間を設定し、前記レー
ザービームを、前記複数段階の照射時間のうち前記基準
時間よりも短い照射時間では、その全範囲で基準パワー
よりも大きいパワーによって照射し、前記基準時間より
も長い照射時間では、照射開始時点から前記基準時間経
過までは基準パワーよりも大きいパワーによって照射す
ると共に、該基準時間経過後は前記基準パワーによって
照射するようにし、前記レーザービームの照射時間が短
いほど、前記基準時間経過後の該基準パワーによる照射
時間が減少して前記大きいパワーによる照射時間の割合
が増大することで前記レーザービームのパワーの平均値
が大きくなり、光反射率が5段階以上に異なる記録マー
クが形成されるようにしたことを特徴とする光記録媒
体。
【0019】(6)上記発明(1)乃至(5)のいずれ
かにおいて、前記記録層が有機色素を含んでいることを
特徴とする光記録媒体。
【0020】又、以下の光記録方法によっても上記目的
が達成可能となる。
【0021】(7)反射層及び記録層を備えた光記録媒
体にレーザービームを照射して、該記録層に記録マーク
を形成することにより情報を記録する光記録方法であっ
て、前記記録層に対して、前記レーザービームとの相対
移動方向に任意の単位長さ及びこれと直交する単位幅と
なる仮想記録セルを該相対移動方向に連続的に規定し、
前記仮想記録セルに対して第1段階から最終段階まで順
次長くなる5段階以上の照射時間を設定すると共に、該
複数段階の照射時間の中の特定の照射時間におけるレー
ザービームパワーの平均値が、これよりも長い他の照射
時間における平均値より大きくなるように設定して、前
記レーザービームを前記仮想記録セルに照射し、前記仮
想記録セルに光反射率が5段階以上に異なる記録マーク
を形成することを特徴とする光記録方法。
【0022】(8)上記発明(7)において、前記第1
段階から少なくとも第2段階までの複数の照射時間にあ
っては、各段階でのレーザービームのパワーの平均値が
これらの照射時間よりも長い他の照射時間における平均
値より大きくなるように設定されていることを特徴とす
る光記録方法。
【0023】(9)上記発明(7)又は(8)におい
て、少なくとも第1段階の照射時間にあっては、前記レ
ーザービームのパワーが、照射開始時点から途中時点ま
では基準パワーよりも大きく、該途中時点から終端時点
までは前記基準パワーに設定されると共に、前記照射時
間よりも長い他の照射時間にあっては、前記レーザービ
ームのパワーが、照射開始時点から終端時点に亘って前
記基準パワーに設定されていることを特徴とする光記録
方法。
【0024】(10)上記発明(7)又は(8)におい
て、少なくとも第1段階の照射時間にあっては、前記レ
ーザービームのパワーが、照射開始時点から終端時点に
亘って基準パワーよりも大きく設定されると共に、前記
照射時間よりも長い他の照射時間にあっては、前記レー
ザービームのパワーが、照射開始時点から終端時点に亘
って前記基準パワーに設定されていることを特徴とする
光記録方法。
【0025】(11)反射層及び記録層を備えた光記録
媒体にレーザービームを照射して、該記録層に記録マー
クを形成することにより情報を記録する光記録方法であ
って、前記記録層に対して、前記レーザービームとの相
対移動方向に任意の単位長さ及びこれと直交する単位幅
となる仮想記録セルを該相対移動方向に連続的に規定す
ると共に、前記仮想記録セルに対して第1段階から最終
段階まで順次長くなるように5段階以上の照射時間を設
定し、更に、前記最終段階の照射時間よりも短い基準時
間を設定し、前記レーザービームを、前記複数段階の照
射時間のうち前記基準時間よりも短い照射時間では、そ
の全範囲で基準パワーよりも大きいパワーによって照射
し、前記基準時間よりも長い照射時間では、照射開始時
点から前記基準時間経過までは基準パワーよりも大きい
パワーによって照射すると共に、該基準時間経過後は前
記基準パワーによって照射するように規定し、前記レー
ザービームの照射時間が短いほど、前記基準時間経過後
の該基準パワーによる照射時間が減少して前記大きいパ
ワーによる照射時間の割合が増大することで、前記レー
ザービームのパワーの平均値が大きくなるように設定し
たことを特徴とする光記録方法。
【0026】(12)上記(7)乃至(11)のいずれ
かにおいて、前記記録層が有機色素を含んでおり、該記
録層に情報を記録する際に適用されることを特徴とする
光記録方法。
【0027】なお、上記(7)〜(10)において、基
準パワーよりも大きいパワーでレーザービームを照射す
るのは、未記録状態の光記録媒体の光反射率(初期反射
率)Kに対して反射率の変化量が20%(0.2K)以
内となる記録マークを形成する各段階の場合とすること
が望ましい。又、上記(1)又は(7)における「特定
の照射時間」とは、複数段階の照射時間の中から選択さ
れる1或いは複数の照射時間を意味している。
【0028】
【発明の実施の形態】まず、本実施の形態の原理につい
て説明する。
【0029】図1に、仮想記録セルに対して一定パワー
で最大照射時間T(各仮想記録セルの記録に費やすこと
が出来る最大時間:これを許容照射時間という)に亘っ
てレーザービームを照射したときの、その仮想記録セル
に形成される記録マークの光反射率の低下状態(実線
O)と時間との関係を示す。
【0030】実線Oに示されるように、パワーが一定と
なる条件でレーザービームを照射した場合、初期時間領
域Aにおいては殆ど光反射率が低下しない。そして、中
間領域Bにおいて徐々に光反射率が低下していき、その
低下速度も時間を経るに従って増大する。終端領域Cで
は、その低下速度が徐々に減少していく。
【0031】照射時間を複数段階に設定してレーザービ
ームを仮想記録セルに照射し、光反射率の異なる記録マ
ークを形成する場合、その照射時間の段階数が多いほど
記録密度を高めることが出来る。しかし、1つの仮想記
録セルに費やすことが出来る最大照射時間T(許容照射
時間)を一定と考えた場合、その範囲内で照射時間を多
段階に設定すればするほどその照射時間の「差」が小さ
くなり、それに伴って、光反射率に精度よく「差」をつ
けることが困難となる。この光反射率の差があまりにも
小さすぎると、読み取り時に各記録マークを識別するこ
とが出来ない。
【0032】以上のことから、読み取り精度を高めるた
めには光反射率の差を確実に形成する必要があるので、
ある程度の照射時間の変化によって大きな光反射率変化
を得られることが望ましい。従って、例えば実線Oで実
際に利用できるのは、確実に光反射率が低下している中
間領域Bから終端領域Cにかけての有効利用領域Uであ
り、この領域Uに対応する有効時間設定領域V内で多段
階の照射時間を設定する。これが、本発明の開発過程中
の思想であり、中間時間領域B〜終端時間領域Cにおい
て比較的長い有効時間設定領域Vを得ることが出来るこ
とから実際に5段階以上のマルチレベルが実現されてい
る。
【0033】しかしながら、これでは初期時間領域A〜
中間時間領域Bの間の時間帯(或いは、光反射率の変化
量が20%以内となる領域)が有効活用されていない。
この領域は、適用される記録層の種類(色素の種類等)
やグルーブ形状等によっても異なるが、一般的に光反射
率の低下速度が遅すぎて光反射率変化量を十分に得るこ
とが出来ないからである。この結果、更なる多段階のマ
ルチレベル記録を実現しようとしても光反射率に差がつ
けにくく、ある程度の限界が生じていた。
【0034】そこで本発明者はレーザービームのパワー
を変更することに着目した。具体的には、任意に選択さ
れた1つの照射時間において照射されるレーザービーム
のパワーの平均値(ここでは時間平均を意味する)を、
それよりも長い(任意である1つの)照射時間における
パワー平均値よりも大きく設定することにより、即ち、
選択された2つの照射時間においてパワーの平均値に差
を設けることにより、段階数を増大させることに成功し
た。
【0035】例えば、上記実線Oにおけるパワーの平均
値よりも大きい平均値によってレーザービームを照射し
た状態を実線Pとして模式的に示す。このようにする
と、初期時間領域Aにおける光反射率の低下速度が実線
Oよりも大きくなり、マルチレベル記録が可能な有効利
用領域U1を得ることが出来る。従って、それに対応す
る有効時間設定領域V1内で(Vとは別に)照射時間を
追加的に設定することが出来る。
【0036】従って、実線Oと実線Pを合理的に組み合
わせ、パワーの平均値が異なるようにレーザービームを
照射すれば、実線Oの(U、V)と実線Pの(U1、V
1)の双方によって更に多段階のマルチレベル記録が可
能になる。又設定段階数を増やすことによって、光記録
媒体の記録密度を更に高めることが出来るようになる。
【0037】ところで仮に、実線Pによる平均値「大」
のままで、中間時間領域B〜終端時間領域Cを含めた全
段階の照射時間においてマルチレベル記録を実現しよう
とした場合を考えると、実線Pの延長上の点線によって
示されるように、過渡のパワーによって光反射率の低下
速度が速すぎてしまい、所望の反射率で確実に記録をス
トップさせることが困難になってしまう。
【0038】つまり、総ての段階においてパワーの平均
値を単に大きく設定するのでは意味がなく、要は、照射
時間によって平均値を変化させることによってより多段
階のマルチレベル記録が実現される。
【0039】なお、図1からもわかるように、未記録状
態の光反射率Kに対して、反射率の変化量が20%
(0.2K)以内となる各記録マークにおいて、上記平
均値を「大」に設定し、変化量が20%よりも大きい記
録マークについては平均値を「通常(「大」よりも小さ
い事を意味)」に設定する事が好ましい。
【0040】次に、以下本発明の更に具体的な実施の形
態の例を図2〜図10を参照して詳細に説明する。
【0041】図2に、本発明の第1実施形態に係る光記
録方法が適用される光記録媒体(ディスク)10を示
す。この光記録媒体10は、記録層12に色素を用いた
CD−Rであり、透明基材からなる基板14と、この基
板14の一方の面(図1において上面)に形成されたレ
ーザービームガイド用のグルーブ16を覆って塗布され
た色素からなる前記記録層12と、この記録層12の上
側にスパッタリング等によって形成された金あるいは銀
等の反射膜18と、この反射膜18の外側を覆う保護層
20とを含んで形成されている。
【0042】記録層12に用いられる色素は、シアニ
ン、メロシアニン、メチン系色素及びその誘導体、ベン
ゼンチオール金属錯体、フタロシアニン色素、ナフタロ
シアニン色素、アゾ色素等の有機色素である。
【0043】前記光記録媒体10に適用される光記録方
法は、図3に示される光記録装置30を用いることで実
行される。
【0044】この光記録装置30はCD−Rレコーダで
あり、スピンドルサーボ31を介してスピンドルモータ
32により光記録媒体(ディスク)10を線速度一定の
条件で回転駆動させ、レーザー36からのレーザービー
ムによって光記録媒体(ディスク)10に情報を記録す
るものである。
【0045】前記レーザー36は、記録すべき情報に応
じて、レーザードライバ38により、図2、図4に示さ
れる仮想記録セル(詳細後述)40の一つ当りのレーザ
ービーム照射時間及び照射パワーが制御されるようにな
っている。例えば、照射時間はレーザーパルス数を変化
させることで制御され、又照射パワーは、ドライバ38
自体のパワーユニットを2系列とし、第1パワーユニッ
トと第2パワーユニットを切り換えることで2段階の照
射パワー(高パワーSと基準パワーN)が設定できるよ
うになっている。
【0046】図3の符号42は対物レンズ42A及びハ
ーフミラー42Bを含む記録光学系である。対物レンズ
42Aは、フォーカストラッキングサーボ44によりレ
ーザービームがディスク10の記録層12に集光するよ
うにフォーカストラッキング制御される。又、対物レン
ズ42Aとハーフミラー42Bとは、送りサーボ46に
よって、ディスク10の回転に同期してその内周側から
外周側に所定速度で移動制御される。
【0047】前記スピンドルサーボ31、レーザードラ
イバ38、フォーカストラッキングサーボ44、送りサ
ーボ46は、制御装置50により制御される。記録層1
2に記録すべきデータ(情報)は制御装置50に入力さ
れる。
【0048】次に、前記仮想記録セル40及びこの仮想
記録セル40に記録される記録マークについて説明す
る。
【0049】この仮想記録セル40は、図2に示される
ように、前記グルーブ16内において、ディスク34の
回転方向即ち円周方向Sに連続的に規定されている。各
仮想記録セル40の円周方向Sの長さHは、図4に示さ
れるように、ビーム径(ビームウエストの直径)Dより
短い長さに設定され、各仮想記録セル40毎にレーザー
ビームが照射されることによって、模式的に例示された
記録マーク48A〜48Gが、記録すべき情報に応じて
形成される。
【0050】ここで示されている各記録マーク48A〜
48Gの大きさは、各記録マークの光反射率の低下度合
いを表している。つまり、この図の記録マーク48A〜
48Gが大きいほど、光反射率が低いことを意味してい
る。実際には、記録層12に用いる色素の種類等によっ
て、記録マーク48Aから48Gは、その大きさ、光透
過率の両方又は一方がレーザビーム照射時間に応じて変
化する。
【0051】これにより、例えば図4に示されるような
7段階(これも光反射率の低さを記録マークの大きさで
表現している)の記録マーク48A〜48Gが形成可能
となり、記録マーク48A〜48Gに対して読み取りレ
ーザービームを照射した場合、反射光の光反射率が7段
階となる。
【0052】なお、記録マーク48A〜48Gの光反射
率が変化しているということは、記録マーク48A〜4
8Gにおける記録層12の光透過率及び/又は屈折率が
変化していることと同義である。記録層12を構成する
材料がレーザービームの照射によって分解変質し、その
変質具合(いわゆる焼け具合)が各記録マーク48A〜
48Gによって異なることで光透過率等が変化したり、
その変質部分の量(いわゆる焼け量)が厚さ方向に異な
ることによって光透過率等が変化したりしていると推察
される。
【0053】次に光記録方法について説明する。
【0054】既に光記録媒体10側でも述べたが、記録
層12に対して、レーザービームとの相対移動方向Sに
任意の単位長さH及びこれと直交する単位幅Wとなる仮
想記録セル40を相対移動方向Sに連続的に規定する。
本実施形態では、光記録媒体10が所定の速度(ここで
は4.8m/s)で回転しているので、光記録装置30
側で連続的な所定時間帯(ここでは125ns)を任意
に設定すれば、仮想記録セル40の単位長さH(0.6
μm=4.8m/s×125ns)が規定される。
【0055】なお、仮想記録セル40の単位幅Wは、こ
こではグルーブ16の幅に規定されているが、それ以外
の幅によって規定しても構わない。
【0056】又図5に示されるように、仮想記録セル4
0に対して、第1段階から最終段階まで順次長くなる5
段階以上(本実施形態では7段階)の照射時間を設定す
る。
【0057】この場合、(少なくとも第1段階であれば
よいが)第1段階から第3段階までの照射時間T1、T
2、T3にあっては、レーザービームのパワーが、照射
開始時点から途中時点Y1、Y2、Y3までは基準パワ
ーNよりも大きい高パワーSに設定されると共に、途中
時点Y1、Y2、Y3から終端時点までは基準パワーN
に設定される。従って、例えば第1段階において照射さ
れるパワーの平均値Pwについては、{S×Y1+N×
(T1−Y1)}/T1となり、又、第2段階、第3段
階についても同様に考えることが出来る。なお、この途
中時点Y1、Y2、Y3は各段階で異なるようにしてい
るが、勿論、第1〜第3段階において同一時点に設定し
ても構わない。
【0058】又、第3段階の照射時間T3よりも長い第
4〜第7段階の照射時間T4〜T7にあっては、レーザ
ービームのパワーが照射開始時点から終端時点に亘って
基準パワーNに設定される。従って、第4〜第7段階に
おいて照射されるパワーの平均値Pwは総て基準パワー
Nとなる。
【0059】この結果、7段階の照射時間の中の(いず
れか)特定の照射時間(ここでは第1、第2、第3段階
から任意の1つを選択すればよい)におけるレーザービ
ームのパワーの平均値Pwが、これよりも長い他の照射
時間(ここでは、第4〜第7段階のT4〜T7のいずれ
でもよい)における平均値Pw(N)より大きくなるよ
うに設定されているといえる。
【0060】又同様に、第1段階から第3段階までの複
数の照射時間T1〜T3を集合として考えると、これら
の複数の照射時間T1〜T3にあっては、各段階でのレ
ーザービームのパワーの平均値Pwが、これらの照射時
間よりも長い他の照射時間(ここでは、第4〜第7段階
のT4〜T7から任意の1つを選択すればよい)におけ
る平均値Pw(N)より大きくなるように設定されてい
るといえる。
【0061】そして、以上図5に示したパワー条件の下
でレーザービームを仮想記録セル40に照射すること
で、仮想記録セル40に光反射率が7段階に異なる記録
マーク48A〜48Gが形成される。
【0062】この記録方法における、各段階の照射時間
T1〜T7と、それによって形成される記録マーク48
A〜48Gの光反射率の低下状態との関係を模式的に図
6に示す。
【0063】第1段階〜第3段階の照射時間T1〜T3
においては、第4段階以降よりレーザービームのパワー
の平均値が大きいので即座に光反射率が低下し、短時間
で所望の低下量を得ることが出来る。一方、第4段階か
ら第7段階の照射時間T4〜T7に関しては、光反射率
の低下速度が適度に安定している領域で確実に書込が行
われている。
【0064】このように第1実施形態の光記録媒体及び
光記録方法によれば、レーザービームのパワーの平均値
が照射時間によって適宜調整されるので、開発過程では
不可能と考えられていた短い照射時間領域(本実施形態
における第1〜第3段階)でも記録マーク48A〜48
Cを多段階で形成することが出来るようになる。その結
果、設定段階数を更に増やすことが出来るようになり、
記録密度を高めることが出来るようになる。又、照射時
間が長いとパワーの平均値が(照射時間が短い場合より
も)小さく設定されるので、光反射率が適度に低下する
状態を長時間維持することができ、第4〜第7段階の多
段階に亘って確実に記録マーク48D〜48Gを形成す
ることが出来る。
【0065】ところで、記録パワーを2段階に設定し、
第1〜第3段階において照射スタート時に高パワーSと
なるように設定したのは、記録マークのマークエッジを
シャープさせることを主目的としているのではない。と
いうのも、この光記録方法は、記録マーク自体は仮想記
録セルの中に確実に記録され、その光反射率の変化量に
よってその段階数を認識させて多値記録するものだから
である。
【0066】つまり、従来の2値記録のように、記録マ
ークの「長さ」を認識しなければならない状況では、記
録マークのスタート時点を確実に判断する必要があり、
その観点から記録マークの立ち上がり(マークエッジ)
をシャープにしなければならず、そのためにレーザービ
ームのパワーを多少大きくする等の制御が行われてい
た。しかし、本実施形態では、更に多段階の記録を実現
するという目的から、その光反射率の変化速度を制御す
る事を主目的としてパワーを切り換えるようにしてい
る。
【0067】なお、この実施形態では、パワーを2段階
(基準パワーNと高パワーS)に切り換えることでパワ
ーの平均値を変化させるようにしていたが、同様の思想
の下であればパワーを3段階以上に切り換えることで実
現しても構わない。又、全体として第1〜第3段階まで
は平均値「大」、第4〜第7段階までが平均値「通常」
となるように設定していたが、本発明はそれに限られ
ず、任意に選択された2つの異なる照射時間において、
短い方が平均値「大」、長い方が平均値「通常」となる
ように差を設けていれば、(たとえ他の2つを選択した
場合にはこのような状況が成立していないとしても)本
発明の範疇に属する。
【0068】次に、本発明の第2実施形態に係る光記録
媒体及び光記録方法について説明する。なお、ここでの
光記録媒体及び光記録装置の基本構造については、第1
実施形態で示した光記録媒体10及び光記録装置30と
ほぼ同様であるので、同一部品、部材等については同一
符号を用いて説明し、又それら各部品等の説明及び図示
は省略する。
【0069】本光記録媒体10及び光記録方法では、記
録層12に対して、レーザービームとの相対移動方向S
に任意の単位長さH及びこれと直交する単位幅Wとなる
仮想記録セル40を相対移動方向Sに連続的に規定す
る。これは第1実施形態と同様に、光記録媒体10が所
定の速度(ここでは4.8m/s)で回転していること
から、光記録装置30側で連続的な所定時間帯(ここで
は125ns)を任意に設定すれば、仮想記録セル40
の単位長さH(0.6μm=4.8m/s×125n
s)が規定される。
【0070】又図7に示されるように、仮想記録セル4
0に対して、第1段階から最終段階まで順次長くなる5
段階以上(本実施形態では7段階)の照射時間を設定す
る。
【0071】この際、(少なくとも第1段階であればよ
いが)第3段階までの照射時間T1、T2、T3にあっ
ては、レーザービームのパワーが、照射開始時点から終
端時点に亘って基準パワーNよりも大きい高パワーSに
設定される。
【0072】又、第3段階の照射時間T3よりも長い第
4〜第7段階の照射時間T4〜T7にあっては、レーザ
ービームのパワーが照射開始時点から終端時点に亘って
基準パワーNに設定される。従って、第1〜第3段階に
おける照射パワーの平均値Pwは総て高パワーSであ
り、又、第4〜第7段階の平均値Pwは総て基準パワー
Nとなる。
【0073】この結果、7段階の照射時間の中の(いず
れか)一の照射時間(ここでは第1、第2、第3段階の
いずれかに対応する)におけるレーザービームのパワー
の平均値Pw(S)が、これよりも長い他の照射時間
(ここでは、第4〜第7段階のT4〜T7のいずれかに
対応する)における平均値Pw(N)より大きくなるよ
うに設定されているといえる。
【0074】又同様に、第1段階から第3段階まで(本
発明では少なくとも第2段階までであればよい)の複数
の照射時間T1〜T3を集合として考えると、これらの
複数の照射時間T1〜T3にあっては、各段階でのレー
ザービームのパワーの平均値Pw(S)が、これらの照
射時間よりも長い他の照射時間(ここでは、第4〜第7
段階のT4〜T7いずれでもよい)における平均値Pw
(N)より大きくなるように設定されているといえる。
【0075】そして、以上図7に示したパワー条件の下
でレーザービームを仮想記録セル40に照射すること
で、仮想記録セル40に光反射率が7段階に異なる記録
マーク48A〜48Gが形成される。
【0076】この第2実施形態においても、第1実施形
態と全く同等の作用を得ることが出来る。又第1実施形
態のように途中時点Y1、Y2、Y3によってパワーを
切り換える制御が不要となることから、より簡単に実現
することが出来る。なお、この場合においてもレーザー
ビームのパワーを3段階に切り換えても良く、例えば、
第1〜第7段階にかけて順次パワーが弱くなるように設
定しても構わない。
【0077】次の本発明の第3実施形態に係る光記録媒
体及び光記録方法について説明する。なお、ここでの光
記録媒体及び光記録装置の基本構造については、第1実
施形態で示した光記録媒体10及び光記録装置30と同
様であるので、同一部品、部材等については同一符号を
用いて説明し、又それら各部品等の説明及び図示は省略
する。
【0078】本光記録媒体及び光記録方法では、記録層
12に対して、レーザービームとの相対移動方向Sに任
意の単位長さH及びこれと直交する単位幅Wとなる仮想
記録セル40を相対移動方向Sに連続的に規定する。
【0079】又図8に示されるように、仮想記録セル4
0に対して、第1段階から最終段階まで順次長くなる5
段階以上(本実施形態では7段階)の照射時間を設定す
る。
【0080】更に、最終段階である第7段階の照射時間
T7よりも短くなる基準時間Lを設定する。具体的に本
実施形態では、基準時間Lを第3段階の照射時間T3よ
りも長く且つ第4段階の照射時間T4よりも短くなるよ
うに設定している。
【0081】総ての段階の照射時間T1〜T7のうち基
準時間Lよりも短い照射時間(ここではT1〜T3)で
は、その全範囲で基準パワーNよりも大きい高パワーS
によって照射し、且つ、この基準時間Lよりも長い照射
時間照射時間(ここではT4〜T7)においては、照射
開始時点から基準時間Lを経過するまでは(基準パワー
Nよりも大きい)高パワーSによってレーザービームを
照射すると共に、基準時間Lを経過した後は基準パワー
Nによって照射するように規定する。つまり、照射開始
から基準時間L経過までは強照射区間E、基準時間Lを
経過した後は通常照射区間Fと規定する。
【0082】このようにすると、レーザービームの照射
時間T1〜T7が短いほど、基準時間L経過後の基準パ
ワーNによる照射時間(つまり通常照射区間Fにおける
照射時間)が減少し、高パワーSによる照射時間(つま
り、強照射区間Eにおける照射時間)の割合が増大す
る。その結果、照射時間T1〜T7が短いほどレーザー
ビームのパワー平均値が大きくなる。
【0083】例えば、第7段階における照射パワーの平
均値Pw7は、下記の式によって求めることが出来る。
【0084】 Pw7={S×L+N×(T7−L)}/T7
【0085】又、第4段階における平均値Pw4は、下
記の式によって求めることが出来る。
【0086】 Pw4={S×L+N×(T4−L)}/T4
【0087】ここで、Lが一定で、S>N、T4<T7
であることから、Pw4>Pw7となり、照射時間が短
いほど平均値が大きくなることが解る。なお、第1〜第
3段階においては通常照射区間Fの照射時間は零とな
り、パワーの平均値はSとなる。
【0088】この第3実施形態の光記録媒体10及び光
記録方法においても、第1、第2実施形態と同等の作用
を得ることが出来る。又、設定パワー自体は2段(S,
N)のみであるにもかかわらず、その照射時間の比率に
よって段階的にパワーの平均値を変化させることが出来
る。なお、ここでは、基準時間Lが第3段階の照射時間
T3〜第4段階の照射時間T4の間に設定されたが、こ
れは、最大照射時間の範囲内に設定されていればどこで
も構わない。例えば、図9に示されるように、第1段階
の照射時間T1よりも短い時間に基準時間Lを設定する
ことも可能である。
【0089】本第1〜第3実施形態で示したように、こ
の光記録媒体及び光記録方法は、光記録媒体10の記録
層12が有機色素成分を含んで構成される場合に適して
いる。但し、有機色素成分でない他の記録層、例えば、
無機色素やその他の材料の記録層にも本発明を適用する
ことも勿論可能である。
【0090】なお本実施形態では、上記のように光記録
媒体10をCD−Rであるディスクとして構成したもの
を示したが、本発明に係る光記録媒体はこれに限定され
るものでなく、他の光記録媒体に一般に適用されるもの
であり、又ディスク状の回転体に限定されるものではな
い。
【0091】更に又、上記光記録装置30によって記録
マークを形成する際に設定される仮想記録セル40のサ
イズは、実施の形態の例に限定されるものではない。特
に、レーザービームのビームウエスト径を更に小さく絞
ることができれば、仮想記録セル40の長さはグルーブ
16の幅と等しくするのがよい。その一方で、8段階以
上等の更なる多段階に記録マークを記録する場合には、
レーザービームウエストより大きく設定しても構わな
い。その場合、ある一部の記録マークは、ビームウエス
ト以上の大きさにすることができる。
【0092】又、記録用のレーザービームは、記録層1
2の位置でほぼ円形とされているが、これは、図10に
示されるように、例えば対物レンズ42Aに加えてシリ
ンドリカルレンズ42Cを用いて、ビーム形状が、記録
媒体10の送り方向に短く、これと直交方向に長い長円
形状あるいは線状となるようにしてもよい。この場合
は、記録マーク49が短くなるので仮想記録セルを更に
短くすることができる。即ち記録密度を向上させること
ができる。
【0093】更に、本実施形態では、図2において符号
52で示されるように、光記録媒体10にあらかじめ信
号変調の段数に合わせた数の反射率の異なる複数のピッ
トを有するようにしても良い。これらの複数のピット5
2には、この記録媒体10を個別に識別する情報、マル
チレベル記録用光記録媒体であることを識別する情報、
当該記録媒体を記録再生するためのレーザービームのパ
ワー情報等の特定情報を記録しておいてもよい。その特
定情報を光記録媒体10の記録時に読み込んで、それに
従ってレーザービームのパワーを設定して光記録する場
合も本発明の範疇に含まれる概念である。
【0094】その他にも、この特定情報によって、マル
チレベル記録用光記録媒体であることを確実に識別した
り、あらかじめ記録されているピットの段数に応じてレ
ーザービームの照射時間を決定したりすることも可能で
あり、より確実なマルチレベル記録・再生を行うことが
できる。
【0095】あるいは図2に符号56で示されるよう
に、レーザービームガイド用のグルーブを一部分途切れ
させるグルーブ中断部を設けることによっても同様の効
果をもたせることもでき。これらの方法は単独で、ある
いは組み合わせて利用することも可能である。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、より多段階に記録マー
クが形成された光記録媒体を得ることが出来るようにな
り、情報の記録密度を飛躍的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるレーザービームの照射時間と光
反射率の変化を模式的に説明する線図
【図2】本発明の第1実施形態に係る光記録媒体の要部
を示す一部断面とした斜視図
【図3】同光記録媒体にデータを記録するためにレーザ
ービームを用いて情報を記録するための光記録装置を示
すブロック図
【図4】同光記録装置により記録層に記録マークを形成
する際の、該記録マークと仮想記録セル及びその光反射
率との関係を示す模式図
【図5】第1実施形態に係る光記録媒体に照射されるレ
ーザービームのパワーの設定状況を示すタイムチャート
【図6】同記録媒体における各記録マークの光反射率の
低下状態を示す線図
【図7】第2実施形態に係る光記録媒体に照射されるレ
ーザービームパワーの設定状況を示すタイムチャート
【図8】第3実施形態に係る光記録媒体に照射されるレ
ーザービームパワーの設定状況を示すタイムチャート
【図9】第3実施形態の他の例に係る光記録媒体に照射
されるレーザービームのパワーの設定状況を示すタイム
チャート
【図10】仮想記録セルに対して照射するレーザービー
ムを他の形状とする場合を示す略示斜視図
【符号の説明】
10…光記録媒体 12…記録層 14…基板 16…グルーブ 18…反射膜 20…保護層 30…光記録装置 32…スピンドル 36…レーザー 38…レーザードライバ 40…仮想記録セル 42…記録光学素 42A…対物レンズ 42B…ハーフミラー 42C…シリンドリカルレンズ 44…フォーカスサーボ回路 46…送りサーボ回路 48A〜48G、49、54…記録マーク 52…ピット 56…グルーブ中断部 D…ビーム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射層及び記録層を備え、レーザービーム
    の照射により、該記録層に記録マークが形成されて情報
    が記録される光記録媒体であって、 前記記録層に、前記レーザービームとの相対移動方向に
    任意の単位長さ及びこれと直交する単位幅となる仮想記
    録セルが該相対移動方向に連続的に規定され、 前記仮想記録セルに対して第1段階から最終段階まで順
    次長くなる5段階以上の照射時間を設定すると共に、該
    複数段階の照射時間の中の特定の照射時間におけるレー
    ザービームのパワーの平均値が、これよりも長い他の照
    射時間におけるパワーの平均値より大きくなるように設
    定して、前記レーザービームを前記仮想記録セルに照射
    したとき、前記仮想記録セルに光反射率が5段階以上に
    異なる記録マークが形成されるようにしたことを特徴と
    する光記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記第1段階から少なくとも第2段階までの複数の照射
    時間にあっては、各段階でのレーザービームのパワーの
    平均値が、これらの照射時間よりも長い他の照射時間に
    おける平均値より大きくなるように設定されていること
    を特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、 少なくとも前記第1段階の照射時間にあっては、前記レ
    ーザービームのパワーが、照射開始時点から途中時点ま
    では基準パワーよりも大きく、該途中時点から終端時点
    までは前記基準パワーに設定されると共に、 前記照射時間よりも長い他の照射時間にあっては、前記
    レーザービームのパワーが、照射開始時点から終端時点
    に亘って前記基準パワーに設定されていることを特徴と
    する光記録媒体。
  4. 【請求項4】請求項1又は2において、 少なくとも前記第1段階の照射時間にあっては、前記レ
    ーザービームのパワーが、照射開始時点から終端時点に
    亘って基準パワーよりも大きく設定されると共に、 前記照射時間よりも長い他の照射時間にあっては、前記
    レーザービームのパワーが、照射開始時点から終端時点
    に亘って前記基準パワーに設定されていることを特徴と
    する光記録媒体。
  5. 【請求項5】反射層及び記録層を備え、レーザービーム
    の照射により、該記録層に記録マークが形成されて情報
    が記録される光記録媒体であって、 前記記録層に、前記レーザービームとの相対移動方向に
    任意の単位長さ及びこれと直交する単位幅となる仮想記
    録セルが該相対移動方向に連続的に規定されると共に、 前記仮想記録セルに対して第1段階から最終段階まで順
    次長くなるように5段階以上の照射時間を設定し、更
    に、前記最終段階の照射時間よりも短い基準時間を設定
    し、前記レーザービームを、前記複数段階の照射時間の
    うち前記基準時間よりも短い照射時間では、その全範囲
    で基準パワーよりも大きいパワーによって照射し、前記
    基準時間よりも長い照射時間では、照射開始時点から前
    記基準時間経過までは基準パワーよりも大きいパワーに
    よって照射すると共に、該基準時間経過後は前記基準パ
    ワーによって照射するようにし、 前記レーザービームの照射時間が短いほど、前記基準時
    間経過後の該基準パワーによる照射時間が減少して前記
    大きいパワーによる照射時間の割合が増大することで前
    記レーザービームのパワーの平均値が大きくなり、光反
    射率が5段階以上に異なる記録マークが形成されるよう
    にしたことを特徴とする光記録媒体。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかにおいて、 前記記録層が有機色素を含んでいることを特徴とする光
    記録媒体。
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