JP2002083425A - 光記録方法 - Google Patents

光記録方法

Info

Publication number
JP2002083425A
JP2002083425A JP2001188104A JP2001188104A JP2002083425A JP 2002083425 A JP2002083425 A JP 2002083425A JP 2001188104 A JP2001188104 A JP 2001188104A JP 2001188104 A JP2001188104 A JP 2001188104A JP 2002083425 A JP2002083425 A JP 2002083425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
reflectance
optical recording
laser beam
nsec
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001188104A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Arioka
博之 有岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2001188104A priority Critical patent/JP2002083425A/ja
Publication of JP2002083425A publication Critical patent/JP2002083425A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチレベル記録に適した光記録方法を得
る。 【手段】 レーザービームを照射することにより情報を
記録可能な光記録媒体の相対移動方向に、所定長さの複
数の仮想記録セルを連続して規定し、この仮想記録セル
の初期反射率X、及び限界最低反射率Yから規定される
反射率変動幅X−Yの20%を、一定パワーの前記レー
ザービーム照射によって初期反射率Xから変化させるの
に必要な照射時間をAとし、且つ前記反射率変動幅X−
Yの80%を前記レーザービーム照射によって初期反射
率Xから変化させるのに必要な照射時間をBとした場
合、記録層を1.8<(B−A)/A<11となるよう
に設定し、これにより、一定パワーのビームの照射時間
を5段階以上に切り換えてマルチレベル記録可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録に供するデー
タに応じて、レーザービームの照射時間を多段階に切り
換えて照射し、データをマルチレベル記録することを可
能とする光記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光記録媒体のような、再生信号の
長さ(反射信号変調部の長さ)を多段階に変えることに
よってデータを記録する方法に対して、再生信号の深さ
(反射信号の変調度)を多段階に切り換えることによ
り、同じ長さの各信号に複数のデータを記録する方法に
関する研究が数多くなされている。
【0003】この光記録方法によれば、単にピットの有
無による2値のデータを記録した場合と比較して、深さ
方向に複数のデータを記録できるため、一定の長さに割
り当てられる信号の量を増やすことができ、従って、線
記録密度を向上させることが可能となる。再生信号の深
さを多段階に切り換える方法として、一般的に、レーザ
ービームのパワーを多段階に切り換えて、何らかの種類
の異なる記録マークを形成する。現在、その記録媒体と
して、ホログラフを利用したものや記録層を多層とした
ものが提案されている。
【0004】なお、ここでは反射信号の変調度が多段階
に変化するように各データを記録することをマルチレベ
ル記録と呼ぶ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、これらのマルチ
レベル記録は、記録時のレーザービームのパワーが大き
くなるにつれ、即ち形成する反射信号の深さが深くなる
に従い、再生時の信号品質が劣化するという問題があっ
た。この理由は明らかにされていないが、本発明者の予
想では、レーザーのパワーが増大することによって、記
録マークの面積(記録マークエリア)が増大してしまう
ことが原因と考えられる。
【0006】例えば、光記録媒体の記録情報量の高密度
化のために記録マークを短くし、その中で、レーザーの
パワーを多段に切り換えてマルチレベル記録した場合、
その信号品質の劣化が顕著となってしまい、結局、マル
チレベル記録のメリットが生かされない状況であった。
つまり、マルチレベル記録を採用しようとすれば、記録
マークの間隔を広くとり、信号品質が劣化したとしても
ある程度確実にデータ検出できるようにしなければなら
なかった。
【0007】又、従来のように、レーザーパワーを段階
的に切り換えてマルチレベル記録を達成する思想の下で
は、記録マーク長は、記録時の集光ビーム(ビームウエ
スト)の直径よりも大きいものとなってしまう。一般に
集光ビームの直径は、Kλ/NA (K:定数、λ:レ
ーザー波長、NA:レンズの開口数)であらわされる。
CDで利用されるピックアップでは、λ=780nm、
NA=0.45が一般的であり集光ビームの直径は約
1.6μmとなる。この場合、記録マーク長が1.6μm
近傍になると、上記の信号劣化の問題が顕在化し、レー
ザーパワーを変化させる方法での5段階以上のマルチレ
ベル記録は困難であった。
【0008】以上の問題は、レーザービームのパワー設
定、光記録媒体の特性等のあらゆる要素が複雑に絡み合
った結果であると考えるが、本発明者の知る限りその原
因は現在明らかにされておらず、高密度のマルチレベル
記録はその光記録媒体及び記録方法を含めて達成されて
いないのが実情である。
【0009】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたも
のであり、光記録媒体の特性を所定の状態に設定するこ
とで、新たなマルチレベル記録手法を提案し、高密度の
マルチレベル記録を達成することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、光記録媒体
について鋭意研究を重ね、これに多段階記録する記録方
法を見いだし、この記録方法によって、光記録媒体に、
5段階以上の高密度のマルチレベル記録を行うことが可
能であることを確認した。
【0011】即ち、以下の本発明により上記目的が達成
可能となる。
【0012】(1)光透過性基板上に形成される記録層
に対してレーザービームを照射することにより情報を記
録可能な光記録媒体における前記レーザービームとの相
対移動方向に、所定の単位長さ及びこれと直交する方向
の所定の単位幅の複数の仮想記録セルが連続して規定す
ると共に、前記仮想記録セルにおける前記レーザービー
ム未照射状態の初期反射率X%、及び該レーザービーム
既照射状態の限界最低反射率Y%から規定される反射率
変動幅をX/100−Y/100としたとき、その変動
幅全体を100%としたときの20%分を、一定パワー
の前記レーザービーム照射によって初期反射率X%から
変化させるのに必要な照射時間をAとし、且つ、前記反
射率変動幅X/100−Y/100の80%分を前記レ
ーザービーム照射によって初期反射率X%から変化させ
るのに必要な照射時間をBとした場合、前記仮想セル
を、その特性が、1.8<(B−A)/A<11(・・
・関係式(1))になるように設定し、該仮想記録セル
に対して、一定パワーの前記レーザービームの照射時間
を5段階以上に切り換えてマルチレベル記録することを
特徴とする光記録方法。
【0013】(2)前記記録層の特性を、前記レーザー
ビ−ムの照射時間を5段階以上に切り換えてマルチレベ
ル記録することによって形成された複数サイズの記録マ
ークの少なくとも一部に、読み取りレーザーの集光ビー
ムウエストの直径以下の長さとなる記録マークが形成さ
れるようにしたことを特徴とする(1)の光記録方法。
【0014】(3)前記光記録媒体の前記記録層が有機
色素成分を含んで構成されていることを特徴とする
(1)又は(2)の光記録媒体。
【0015】(4)前記記録層の特性を、記録前の前記
仮想記録セルの前記初期反射率Xが40%以上であり、
且つ記録後の前記限界最低反射率Yが(X−10)%以
下となるように設定したことを特徴とする(1)、
(2)又は(3)の光記録方法。
【0016】(5)前記記録層の特性を、記録後の前記
限界最低反射率Yが30%以下となるように設定したこ
とを特徴とする(4)の光記録方法。
【0017】本発明者は、光記録媒体における反射率の
変動特性とマルチレベル記録手法の双方に着目した。特
に、光記録媒体に関しては、レーザービームの照射時間
とそれによる反射率の変化の関係に注目し、上記関係式
(1)範囲内であればマルチレベル記録する際の信号劣
化が大幅に低減することが判明した。
【0018】発明者の解析によると、反射率の変動は、
図5に模式的に表されるように、レーザービームの照射
時間と完全なる比例関係にあるわけではない。全体の反
射率変動は、先ず初期反射率X%に始まり、反射率変動
幅Pの約20%に達するまでの初期時間領域Hにおいて
は反射率変動が小さく、反射率変動幅Pの約80%に達
する間の中間時間領域Iは比較的変動が大きく、最終時
間領域Jでは反射率変動が小さくなり、最終的に限界最
低反射率Y%に収束することが解った。
【0019】この特性から、初期時間領域Hを脱するの
に必要な時間Aと、その後の中間領域Iを脱するまでに
必要な時間Bとの関係が、マルチレベル記録では重要な
ポイントになるとの予想が本発明者によってなされた。
というのも、マルチレベル記録は、初期反射率X%と限
界最低反射率Y%との間で多段階に反射率を設定・記録
する必要があり、その上記の中間時間領域Iを有効活用
する必要があるからである。つまり、記録レーザーにと
っては時間Aと時間Bとのバランスが大変重要な意義を
有している。
【0020】実際に、本発明者の解析によれば、上記関
係式(1)の範囲内では5段階以上のマルチレベル記録
が可能であったが、その範囲外では大きすぎても(10
以上)又小さすぎても(1.8以下)マルチレベル記録
に支障をきたすことが確認されている。例えば、この関
係式(1)において、(B−A)/Aが1.8以下とな
る場合、記録パワーによる反射率変動が急峻であるため
適切な記録パワーが設定できず、又11以上の場合は記
録パワーに対する反射率変動が小さすぎて、適切な記録
パワーが設定出来ないと考えられる。これらは共に、初
期時間Aと中間時間Bのバランスが悪く、マルチレベル
記録に適さない光記録媒体であるといえる。
【0021】この条件を満たす様にするには、記録層の
材料、記録層の膜厚、反射層の材料、基板の材料・厚
み、さらにはレーザーガイド用に基板に刻まれたグルー
ブの形状等を適宜設定する。この方法以外にも、記録時
のレーザーパワーを適宜調整することによっても可能で
ある。設定されたこのレーザーパワーは光記録媒体にお
ける推奨記録パワーとなる。例えば光記録媒体のATI
P等に事前に記録される。例えば、推奨記録パワーを高
く設定すれば(B−A)/Aが大きくなり、小さく設定
すれば(B−A)/Aは小さくなることが分かってい
る。
【0022】なお、上記関係式(1)範囲内において、
特に2≦(B−A)/A≦9が好ましい。
【0023】又、上記の範囲内で設定された光記録媒体
を利用すれば、(従来不可能と考えられていた)読み取
りレーザーの集光ビームウエスト以下の記録マークを含
めることが可能となり、その際の信号の劣化が大幅に低
減される。なお、実際にパワー制御によってレーザービ
ーム照射したのでは、結局、集光ビームウエスト以下の
記録マークの生成は困難である。本発明者は、パワーを
変調するのではなく、一般にガウシアン分布を示すレー
ザー光の一定の強度を示す閾値のみを用いる定パワーと
し、(単位仮想記録セルに対して)照射「時間」を5段
階以上に切り換えてレーザービームを制御することによ
り、集光ビームウエスト以下の記録マークの生成が可能
となることを確認した。以上の各要素から、本発明の光
記録媒体を利用すれば5段階以上且つ集光ビームウエス
ト以下のマークを含んだ極めて高い記録可能密度の光記
録媒体が得られる。
【0024】又上記発明においては、前記光記録媒体の
前記記録層が有機色素成分を含んで構成される事が好ま
しい。実際に、本発明者によって、有機色素成分の反応
で記録マークを生成する方法によって上記のマルチレベ
ル記録が達成されている。
【0025】更に上記発明では、記録前の前記仮想記録
セルの前記初期反射率Xが60%以上であり、且つ記録
後の前記限界最低反射率Yが40%以下であるものが好
ましい。このようにすれば、反射率変動幅を十分に確保
することができるようになり、更に多段の記録マークの
生成が可能となる。
【0026】なお、本発明の光記録方法は次のように構
成してもよい。
【0027】(6)前記仮想記録セルの単位長さを、前
記最大照射時間のレーザービーム照射により形成される
記録マークの長さと略等しく設定することを特徴とする
(1)乃至(5)のいずれかの光記録方法。
【0028】(7)レーザービームガイド用のグルーブ
が設けられ、前記仮想記録セルをレーザービームガイド
用のグルーブ内に設定し、且つ、前記単位幅は前記グル
ーブの幅に一致させたことを特徴とする(1)乃至
(6)のいずれかの光記録方法。
【0029】(8)前記仮想記録セルの一部に、マルチ
レベル光記録媒体であることを示す特定情報を記録する
ことを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかの光記録
方法。
【0030】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の例を図
面を参照して詳細に説明する。
【0031】本発明の実施に用いる光記録媒体(ディス
ク)10は、記録層12に色素を用いたCD−Rであ
り、透明基材からなる基板14と、この基板14の一方
の面(図1において上面)に形成されたレーザービーム
ガイド用のグルーブ16を覆って塗布された色素からな
る前記記録層12と、この記録層12の上側にスパッタ
リング等によって形成された金あるいは銀等の反射膜1
8と、この反射膜18の外側を覆う保護層20とを含ん
で形成されている。
【0032】前記記録層12に用いられる色素は、シア
ニン、メロシアニン、メチン系色素及びその誘導体、ベ
ンゼンチオール金属錯体、フタロシアニン色素、ナフタ
ロシアニン色素、アゾ色素等の有機色素である。
【0033】前記光記録媒体10へのマルチレベル記録
は、図2に示される光記録装置30によって実行され
る。
【0034】この光記録装置30はCD−Rレコーダで
あり、スピンドルサーボ31を介してスピンドルモータ
32により光記録媒体(ディスク)10を線速度一定の
条件で回転駆動させ、レーザー36からのレーザービー
ムによって光記録媒体(ディスク)10に情報を記録す
るものである。
【0035】前記レーザー36は、記録すべき情報に応
じて、レーザードライバ38により、図1、図3に示さ
れる仮想記録セル(詳細後述)40の一つ当りのレーザ
ービーム照射時間、例えばレーザーパルス数が制御され
るようになっている。
【0036】図2の符号42は、対物レンズ42A及び
ハーフミラー42Bを含む記録光学系である。対物レン
ズ42Aはフォーカストラッキングサーボ44によりレ
ーザービームがディスク10の記録層12に集光するよ
うにフォーカストラッキング制御される。又、対物レン
ズ42Aとハーフミラー42Bとは、送りサーボ46に
よって、ディスク10の回転に同期してその内周側から
外周側に所定速度で移動制御される。
【0037】前記スピンドルサーボ31、レーザードラ
イバ38、フォーカストラッキングサーボ44、送りサ
ーボ46は、制御装置50により制御される。記録層1
2に記録すべきデータ(情報)は制御装置50に入力さ
れる。
【0038】次に、前記仮想記録セル40及びこの仮想
記録セル40に記録される記録マークについて説明す
る。
【0039】この仮想記録セル40は、図1に示される
ように、前記グルーブ16内において、ディスク34の
回転方向即ち円周方向Sに連続的に規定されている。各
仮想記録セル40の円周方向Sの長さLは、図3に示さ
れるように、ビーム径(ビームウエストの直径)Dより
短い長さに設定され、各仮想記録セル40毎にレーザー
ビームが照射されることによって、模式的に例示された
記録マーク48A〜48Gが、記録すべき情報に応じて
形成される。
【0040】具体的には、前記レーザー36から出射さ
れるレーザービームのレーザー照射時間を適宜変化させ
ることで、レーザービームの中心部に直径の異なる記録
マーク48A〜48Gが形成される(レーザービームは
円形であるが、ディスク10を回転させながらレーザー
ビームを照射するので、記録マークは照射時間に応じて
長円形となる)。
【0041】何故なら、フォーカシングされたレーザー
ビームは、一般にガウシアン分布をなすが、記録層12
においては、レーザービームの照射エネルギーがある閾
値を超えた部分のみで記録が行われるので、レーザービ
ームの照射時間を変化させることによって、記録層12
に記録可能なレーザービームのスポットサイズが変化す
る為と考えられる。これにより、例えば図3に示される
ような7段階の記録マーク48A〜48Gが形成可能と
なる。
【0042】この場合、記録マーク48A〜48Gの各
大きさは、仮想記録セル40に読み出しレーザービーム
を照射した時の反射光の光反射率が7段階になるように
設定する。前記光反射率は、記録マークが小さいほど大
きくなり、記録マークが形成されていない仮想記録セル
では最大反射率、最大の記録マーク48Gが形成されて
いる仮想記録セルでは最小反射率となる。更に詳細に
は、前記光反射率は、各記録マーク48A〜48Gの仮
想記録セル40に対する面積比及び記録マーク自体の光
透過率を考慮して設定する。
【0043】記録マーク48A〜48G自体の光透過率
は、記録層12を構成する材料がレーザービームの照射
によって分解変質し、その屈折率が変化する場合や、記
録層12の厚さ方向の変化量によって異なる。形成され
た記録マーク部分の光透過率がゼロであれば、これを考
慮しなくてもよい。
【0044】次にこのディスク10の特性について説明
する。
【0045】このディスク10では、仮想記録セル40
における前記レーザービーム未照射状態の初期反射率が
X%、又、レーザービームを(ある程度長時間)照射し
たことによって限界に達した反射率(最低反射率)がY
%であり、これらの値から反射率変動幅(X−Y)%が
規定される。
【0046】この場合、所定パワーのレーザービーム照
射によって、仮想記録セル40の反射率を、初期反射率
X%から反射率変動幅の20%分低下させるのに必要な
照射時間がAであり、更に照射を続けて、反射率変動幅
の80%分低下させるのに必要な照射時間がBである。
【0047】ここで、ディスク10の特性は、上記の各
値から規定される反射率変動バランスT=(B−A)/
Aが、 1.8<(B−A)/A<11(・・・関係式(1)) となるように設定される。これは、基板14、記録層1
2、反射層20等の厚みや材質を適宜調整することによ
り達成される。
【0048】このように設定したことで、仮想記録セル
40に対して、すでに説明したように、一定パワー(推
奨記録パワー)のレーザービームの照射時間を5段階以
上(上記例では7段階)に切り換えてマルチレベル記録
可能となっており、特に、マルチレベル記録の記録マー
ク48A〜48Gの長さが、読み取りレーザーの集光ビ
ームウエストの直径D以下となるようにしても確実にデ
ータ検出が可能となる。
【0049】この結果、集光ビームウエスト以下となる
極めて小さな記録マークを、5段階以上に反射率が異な
るようにして生成が可能となっていることから、極めて
高い記録可能密度の光記録媒体が得られる。
【0050】又上記発明においては、前記光記録媒体の
前記記録層が有機色素成分を含んで構成される事が好ま
しい。実際に、後述の実施例において説明するように、
有機色素成分の反応によって記録マークを生成する方法
によって上記のマルチレベル記録が達成されている。
【0051】このディスク10では、仮想記録セル40
の初期反射率Xが40%以上に設定され、更に限界最低
反射率Yが(X−10)%以下に設定されている。これ
は、ある程度の反射率変動幅を有しなければ5段以上の
マルチレベル記録に適さないからである。又、本発明者
の実験によれば、初期反射率Xが40%以上で反射率変
動幅が10%以上のときマルチレベル記録ができた。
【0052】なお本実施の形態の例では、上記のように
光記録媒体10をCD−Rであるディスクとして構成し
たものを示したが、本発明はこれに限定されるものでな
く、DVD−Rを含む他の光記録媒体に一般に適用され
るものであり、又ディスク状の回転体に限定されるもの
ではない。
【0053】又、上記実施の形態の例において、記録層
12はシアニン等の有機色素を用いたものであるが、本
発明はこれに限定されるものでなく、上記の関係式
(1)を満たす特性のものであれば十分であり、上記以
外の有機色素あるいは無機色素であってもよく、又その
他の材料を適宜用いても構わない。但し、上記のような
有機色素を用いた場合は、レーザービームの5段階以上
の照射時間に対応して、確実に記録マークの大きさを変
化させて記録でき、極めて高い精度で読みとることがで
きた。
【0054】更に、上記実施の形態の例は、データ等の
情報が記録されていない未記録領域を含む光記録媒体1
0についてのものであるが、本発明はこれに限定される
ものでなく、5段階以上に情報がマルチレベル記録され
ている光記録媒体にも適用される。
【0055】更に又、上記光記録装置30によって記録
マークを形成する際に記録層12上に設定される仮想記
録セル40のサイズは、実施の形態の例に限定されるも
のではない。特に、レーザービームのビームウエスト径
を更に小さく絞ることができれば、長さはグルーブ16
の幅と等しくするのがよい。その一方で、8段階等の更
なる多段階に記録マークを記録する場合には、レーザー
ビームウエスト以上に設定しても構わない。その場合、
ある一部の記録マークは、ビームウエスト以上の大きさ
にすることができる。勿論、本発明は、本実施例の構造
にとらわれず、実用化されている種々の構造のディスク
にも本発明を適用することができ、更にグルーブ16を
有しない光記録媒体においても本発明を適用可能であ
る。
【0056】又、記録用のレーザービームは、記録層1
2の位置で円形とされているが、これは、図4に示され
るように、例えば対物レンズ42Aに代えてビーム整形
プリズム42Cを用いて、ビーム形状が、光記録媒体1
0の送り方向に短く、これと直交方向に長い長円形状あ
るいは線状となるようにしてもよい。この場合は、記録
マーク49が短くなるので仮想記録セルを更に短くする
ことができる。即ち記録密度を向上させることができ
る。
【0057】更に、この光記録媒体10では、図1にお
いて符号52で示されるように、あらかじめ、信号変調
の段数に合わせた数の反射率の異なる複数のピットを有
するようにしてもよく、又は当該光記録媒体の一部分に
あらかじめ前述のようにマルチレベル記録を行っても良
い。これらの複数のピット52及び/又はマルチレベル
記録済み部分の記録マーク54には、当該光記録媒体を
個別に識別する情報、マルチレベル記録用光記録媒体で
あることを識別する情報、当該光記録媒体を記録再生す
るためのレーザービームの推奨記録パワーを決定するた
めの情報等の特定情報を記録しておいてもよい。その特
定情報は、当該光記録媒体再生及び/又は記録時に読み
込むことによって、マルチレベル記録用光記録媒体であ
ることを確実に識別したり、さらにそれらを個別に識別
したり、あらかじめ記録されているピットの段数に応じ
てレーザービームの照射時間を決定したりすることがで
き、より確実なマルチレベル記録・再生を行うことがで
きる。
【0058】あるいは図1に符号56で示されるよう
に、レーザービームガイド用のグルーブを一部分途切れ
させるグルーブ中断部を設けることによっても同様の効
果をもたせることもでき。これらの方法は単独で,ある
いは組み合わせて利用することも可能である。
【0059】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。この実施例で
の具体的な条件は次の通りである。
【0060】光記録媒体10として記録層に色素を用い
たCD−Rを使用し、マルチレベル記録の実験を行っ
た。
【0061】記録方法としては、CD−Rの記録評価に
使用されるパルステック製DDU(使用レーザー波長=
784nm)に、高周波信号発生器を接続して行った。
【0062】再生評価もDDUにデジタルオシロスコー
プを接続して行った。
【0063】マルチレベル記録は、4.8m/secの
一定線速度で回転させながら、4MHzのクロック周波
数でレーザービームの照射時間を6段階に変化させて記
録し、再生は同じく定線速度で回転させながら1mWの
レーザービームを照射して、その反射光量の差を検出す
ることによって再生した。
【0064】さらに、このときの再生された信号のジッ
ター値を「Le Croy製デジタルオシロスコープL
C−534EL」に取り込んで測定した。ジッター値
は、記録層へのレーザービームの照射によって形成され
る記録マークの形状に依存し、ジッター値が小さければ
小さいほど、前記記録マークが確実に形成されているこ
とを意味している。これは情報が確実に記録できている
ことと同義であり、従って、再生も確実に行うことがで
きる。
【0065】従来の2値記録再生方法によって記録した
場合を考慮すると、今回用いた評価機によってジッター
値が10%以下と測定されれば、良好な記録が行えたも
のと判断できる。
【0066】
【実施例1】シアニン色素を、塗布溶媒となるフッ素化
アルコールに溶解して濃度2wt%の記録層形成用の色
素溶液を調製し、この溶液を、表面にスパイラル状のプ
レグルーブ(トラックピッチ:1.6μm、プレグルー
ブ幅:0.35μm、プレグルーブの深さ:0.18μ
m)が射出成型により形成されたポリカーボネート(帝
人化成(株)製:パンライトAD5503)からなる直径
120mm、1.2mm厚の光透過性基板のプレグルー
ブ側表面に、回転数200rpm〜5000rpmまで
変化させながらスピンコート法により塗布し、プレグル
ーブ内の底部からの厚さが約200nmの有機色素記録
層を形成した。
【0067】次に、有機色素記録層上にAgを約100
nmの厚さにスパッタリングすることによって光反射層
を形成した。更に光反射層上に紫外線硬化性樹脂(大日
本インキ化学工業(株):SD318)を回転数300
rpm〜4000rpmまで変化させながらスピンコー
ト法により塗布した。塗布後、塗膜の上方から高圧水銀
灯により紫外線を照射して硬化させ、層厚10μmの保
護層を形成した。
【0068】この光記録媒体に、記録時のレーザービー
ムパワーを14mWに設定してマルチレベル記録した。
なお、このときの記録線速度は4.8m/s、記録のク
ロック周波数は4MHz(250nsec)とし、記録
時のレーザー照射時間はそれぞれ(1)50nsec、
(2)80nsec、(3)110nsec、(4)1
40nsec、(5)170nsec、(6)200n
secとした。なお、それぞれの単一信号をディスク1
周にわたって記録した。
【0069】この光記録媒体の初期反射率は72%
(0.72)であり、レーザーを250nsec以上照
射した時に限界最低反射率20%(0.20)になっ
た。従って、反射率変動幅は0.52(=0.72−
0.20)であった。
【0070】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.72から反射率変動幅の20%分(約0.1)低下
させるのに要した照射時間Aは50nsecであり、同
反射率変動幅の80%分(約0.42)低下させるのに
要した照射時間Bは200nsecであった。従って、
反射率変動バランスT=(B−A)/A=3であった。
【0071】この光記録媒体では、6段階のマルチレベ
ル記録が達成されており、その記録データを確実に読み
とることができた。なお、この光記録媒体における上記
(1)〜(6)記録マークのジッター値を下記の表に示
すが、総ての記録マークにおいて10%以下の良好な評
価が得られていることがわかる。
【0072】
【実施例2】実施例1におけるシアニンをフタロシアニ
ンに変更し、塗布溶媒をメチルシクロヘキサンに変更し
て色素溶液を作成した。それ以外は実施例1と全く同様
にして光記録媒体を作製した。
【0073】記録時のレーザービームパワーは13mW
に設定した。なお、このときの記録線速度は4.8m/
sであり、記録のクロック周波数は4MHz(250n
sec)とし、記録時のレーザー照射時間はそれぞれ
(1)50nsec、(2)70nsec、(3)90
nsec、(4)110nsec、(5)130nse
c、(6)150nsecとした。なお、それぞれの単
一信号をディスク1周にわたって記録した。
【0074】この光記録媒体の初期反射率は68%
(0.68)であり、レーザーを250nsec以上照
射した時に限界最低反射率22%(0.22)に達し
た。従って、反射率変動幅は0.46(=0.68−
0.22)であった。
【0075】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.68から反射率変動幅の20%分(約0.92)低
下させるのに要した照射時間Aは50nsecであり、
同反射率変動幅の80%分(約0.37)低下させるの
に要した照射時間Bは150nsecであった。従っ
て、反射率変動バランスT=(B−A)/A=2であっ
た。
【0076】この光記録媒体では6段階のマルチレベル
記録が達成されており、その記録データを確実に読みと
ることができた。なお、この光記録媒体における上記
(1)〜(6)記録マークのジッター値を下記の表に示
すが、総ての記録マークにおいて10%以下の良好な評
価が得られていることがわかる。
【0077】
【実施例3】実施例1の色素溶液をシアニンとアゾ金属
錯体の混合物に変更し、それ以外は同様にして光記録媒
体を作製した。シアニンとアゾ金属錯体の配合比は5
0:50wt%とした。
【0078】記録時はレーザービームパワーを14mW
に設定した。なお、このときの記録線速度は4.8m/
sであり、記録のクロック周波数は4MHz(250n
sec)とし、記録時のレーザー照射時間はそれぞれ
(1)20nsec、(2)56nsec、(3)92
nsec、(4)128nsec、(5)164nse
c、(6)200nsecとした。なお、それぞれの単
一信号をディスク1周にわたって記録した。
【0079】この光記録媒体の初期反射率は70%
(0.70)であり、レーザーを250nsec以上照
射した時に限界最低反射率21%(0.21)に達し
た。従って、反射率変動幅は0.49(=0.70−
0.21)であった。
【0080】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.70から反射率変動幅の20%分(約0.10)低
下させるのに要した照射時間Aは20nsecであり、
同反射率変動幅の80%分(約0.39)低下させるの
に要した照射時間Bは200nsecであった。従っ
て、反射率変動バランスT=(B−A)/A=9であっ
た。
【0081】この光記録媒体でも6段階のマルチレベル
記録が達成されており、その記録データを確実に読みと
ることができた。なお、この光記録媒体における上記
(1)〜(6)記録マークのジッター値を下記の表に示
すが、総ての記録マークにおいて10%以下の良好な評
価が得られていることがわかる。
【0082】
【比較例1】実施例2の色素溶液と同様の構成にして光
記録媒体を作製した。その際、スピンコート法の回転数
を調整することにより色素膜厚を250nmに変更し、
更に反射膜を金に変更した。
【0083】記録時のレーザービームパワーを13mW
に設定し、このときの記録線速度は4.8m/sであ
り、記録のクロック周波数は4MHz(250nse
c)とし、記録時のレーザー照射時間はそれぞれ(1)
50nsec、(2)70nsec、(3)90nse
c、(4)110nsec、(5)130nsec、
(6)150nsecとした。なお、それぞれの単一信
号をディスク1周にわたって記録した。
【0084】この光記録媒体の初期反射率は70%
(0.70)であり、レーザーを250nsec以上照
射した時に限界最低反射率20%(0.20)に達し
た。従って、反射率変動幅は0.50(=0.70−
0.20)であった。
【0085】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.70から反射率変動幅の20%分(0.10)低下
させるのに要した照射時間Aは50nsecであり、同
反射率変動幅の80%分(0.40)低下させるのに要
した照射時間Bは140nsecであった。従って、反
射率変動バランスT=(B−A)/A=1.8であっ
た。
【0086】この光記録媒体では、6段階の記録データ
を確実に読みとることができなかった。なお、この光記
録媒体における上記(1)〜(6)記録マークのジッタ
ー値を下記の表に示すが、総ての記録マークにおいて1
0%以上となっており、不十分な評価となっていること
がわかる。
【0087】
【比較例2】実施例3における色素溶液の配合比を変更
して光記録媒体を作製した。具体的には、シアニンとア
ゾ金属錯体の配合比を30:70wt%とした。
【0088】記録時のレーザービームパワーを15mW
に設定し、このときの記録線速度は4.8m/sであ
り、記録のクロック周波数は4MHz(250nse
c)とし、記録時のレーザー照射時間はそれぞれ(1)
20nsec、(2)64nsec、(3)108ns
ec、(4)152nsec、(5)196nsec、
(6)240nsecとした。なお、それぞれの単一信
号をディスク1周にわたって記録した。
【0089】この光記録媒体の初期反射率は70%
(0.70)であり、レーザーを250nsec以上照
射した時に限界最低反射率20%(0.20)に達し
た。従って、反射率変動幅は0.50(=0.70−
0.20)であった。
【0090】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.70から反射率変動幅の20%分(0.10)低下
させるのに要した照射時間Aは20nsecであり、同
反射率変動幅の80%分(0.40)低下させるのに要
した照射時間Bは240nsecであった。従って、反
射率変動バランスT=(B−A)/A=11であった。
【0091】この光記録媒体では、記録データ(4)
(5)はある程度の確率で読みとることができたが、そ
の他の記録データを確実に読みとることができなかっ
た。なお、この光記録媒体における上記(1)〜(6)
記録マークのジッター値を下記の表に示すが、一部の記
録マークにおいて10%以上となっており、不十分な評
価となっていることがわかる。
【0092】
【比較例3】実施例1と全く同様にして光記録媒体を作
製した。
【0093】ここでは、記録時のレーザービームパワー
を17mWに設定した。なお、このときの記録線速度は
4.8m/s、記録のクロック周波数は4MHz(25
0)とし、記録時のレーザー照射時間はそれぞれ(1)
10nsec、(2)40nsec、(3)70nse
c、(4)100nsec、(5)130nsec、
(6)160nsecとした。
【0094】この光記録媒体の初期反射率は72%
(0.72)であり、レーザーを200nsec以上照
射した時に限界最低反射率20%(0.20)に達し
た。従って、反射率変動幅は0.52(=0.72−
0.20)であった。
【0095】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.72から反射率変動幅の20%分(約0.10)低
下させるのに要した照射時間Aは10nsecであり、
同反射率変動幅の80%分(0.42)低下させるのに
要した照射時間Bは160nsecであった。従って、
反射率変動バランスT=(B−A)/A=15であっ
た。
【0096】この光記録媒体では、総ての記録データを
確実に読みとることができなかった。なお、この光記録
媒体における上記(1)〜(6)記録マークのジッター
値を下記の表に示すが、総ての記録マークにおいて10
%以上となっており、その値は上記比較例2(T=1
1)よりも更に悪化していることが分かる。
【0097】
【比較例4】実施例1と同様にして光記録媒体を作製し
た。
【0098】ここでは記録時のレーザービームパワーを
11mWに設定した。このときの記録線速度は4.8m
/s、記録のクロック周波数は4MHz(250nse
c)とし、記録時のレーザー照射時間はそれぞれ(1)
100nsec、(2)130nsec、(3)160
nsec、(4)190nsec、(5)220nse
c、(6)250nsecとした。
【0099】この光記録媒体の初期反射率は72%
(0.72)であり、レーザーを300nsec以上照
射した時に限界最低反射率20%(0.20)に達し
た。従って、反射率変動幅は0.52(=0.72−
0.20)であった。
【0100】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.72から反射率変動幅の20%分(約0.10)低
下させるのに要した照射時間Aは100nsecであ
り、同反射率変動幅の80%分(0.42)低下させる
のに要した照射時間Bは250nsecであった。従っ
て、反射率変動バランスT=(B−A)/A=1.5で
あった。
【0101】この光記録媒体では、総ての記録データを
確実に読みとることができなかった。なお、この光記録
媒体における上記(1)〜(6)記録マークのジッター
値を下記の表に示すが、総ての記録マークにおいて10
%以上となっており、その値は上記比較例1(T=1.
8)よりも更に悪化していることが分かる。
【0102】以上の結果を表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
【実施例4】実施例1におけるシアニンを、別のシアニ
ンに変更した以外は実施例1と同様にして光記録媒体を
作製した。記録時のレーザービームパワーは14mWに
設定した。なお、このときの記録線速度は4.8m/
s、記録のクロック周波数は4MHz(250nse
c)とし、記録時のレーザー照射時間はそれぞれ(1)
50nsec、(2)75nsec、(3)100ns
ec、(4)125nsec、(5)150nsec、
(6)175nsecとした。なお、それぞれの単一信
号をディスク1周にわたって記録した。
【0105】この光記録媒体の初期反射率は65%
(0.65)であり、レーザーを250nsec以上照
射した時に限界最低反射率28%(0.28)になっ
た。従って、反射率変動幅は0.37(=0.65−
0.28)であった。
【0106】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.65から反射率変動幅の20%分(約0.07)低
下させるのに要した照射時間Aは50nsecであり、
同反射率変動幅の80%分(約0.30)低下させるの
に要した照射時間Bは175nsecであった。従っ
て、反射率変動バランスT=(B−A)/A=2.5で
あった。
【0107】この光記録媒体では、6段階のマルチレベ
ル記録が達成されており、その記録データを確実に読み
とることができた。なお、この光記録媒体における上記
(1)〜(6)記録マークのジッター値を下記の表2に
示すが、総ての記録マークにおいて10%以下の良好な
評価が得られていることがわかる。
【0108】
【比較例5】実施例1におけるシアニンを、更に実施例
4とも異なる別のシアニンに変更した以外は実施例1と
同様にして光記録媒体を作製した。記録時のレーザービ
ームパワーは14mWに設定した。なお、このときの記
録線速度は4.8m/s、記録のクロック周波数は4M
Hz(250nsec)とし、記録時のレーザー照射時
間はそれぞれ(1)15nsec、(2)55nse
c、(3)95nsec、(4)135nsec、
(5)175nsec、(6)215nsecとした。
なお、それぞれの単一信号をディスク1周にわたって記
録した。
【0109】この光記録媒体の初期反射率は65%
(0.65)であり、レーザーを250nsec以上照
射した時に限界最低反射率32%(0.32)になっ
た。従って、反射率変動幅は0.35(=0.65−
0.32)であった。
【0110】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.65から反射率変動幅の20%分(約0.07)低
下させるのに要した照射時間Aは15nsecであり、
同反射率変動幅の80%分(約0.28)低下させるの
に要した照射時間Bは215nsecであった。従っ
て、反射率変動バランスT=(B−A)/A=13.3
であった。
【0111】この光記録媒体では、6段階の記録データ
を確実に読みとることができなかった。なお、この光記
録媒体における上記(1)〜(6)記録マークのジッタ
ー値を下記の表2に示すが、総ての記録マークにおいて
10%以上となっており、不十分な評価となっているこ
とがわかる。
【0112】
【比較例6】実施例1におけるシアニンを、更に実施例
4、比較例5とも異なる別のシアニンに変更した以外は
実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。記録時の
レーザービームパワーは14mWに設定した。なお、こ
のときの記録線速度は4.8m/s、記録のクロック周
波数は4MHz(250nsec)とし、記録時のレー
ザー照射時間はそれぞれ(1)10nsec、(2)5
5nsec、(3)100nsec、(4)145ns
ec、(5)190nsec、(6)235nsecと
した。なお、それぞれの単一信号をディスク1周にわた
って記録した。
【0113】この光記録媒体の初期反射率は71%
(0.71)であり、レーザーを250nsec以上照
射した時に限界最低反射率38%(0.38)になっ
た。従って、反射率変動幅は0.33(=0.71−
0.38)であった。
【0114】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.71から反射率変動幅の20%分(約0.07)低
下させるのに要した照射時間Aは10nsecであり、
同反射率変動幅の80%分(約0.26)低下させるの
に要した照射時間Bは235nsecであった。従っ
て、反射率変動バランスT=(B−A)/A=22.5
であった。
【0115】この光記録媒体では、6段階の記録データ
を確実に読みとることができなかった。なお、この光記
録媒体における上記(1)〜(6)記録マークのジッタ
ー値を下記の表2に示すが、総ての記録マークにおいて
10%以上となっており、不十分な評価となっているこ
とがわかる。
【0116】
【実施例5】実施例2におけるフタロシアニンを別のフ
タロシアニンに変更して色素溶液を作成した。それ以外
は実施例2と全く同様にして光記録媒体を作製した。
【0117】記録時のレーザービームパワーは13mW
に設定した。なお、このときの記録線速度は4.8m/
sであり、記録のクロック周波数は4MHz(250n
sec)とし、記録時のレーザー照射時間はそれぞれ
(1)50nsec、(2)75nsec、(3)10
0nsec、(4)125nsec、(5)150ns
ec、(6)175nsecとした。なお、それぞれの
単一信号をディスク1周にわたって記録した。
【0118】この光記録媒体の初期反射率は43%
(0.43)であり、レーザーを250nsec以上照
射した時に限界最低反射率22%(0.22)に達し
た。従って、反射率変動幅は0.21(=0.43−
0.22)であった。
【0119】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.43から反射率変動幅の20%分(約0.04)低
下させるのに要した照射時間Aは50nsecであり、
同反射率変動幅の80%分(約0.17)低下させるの
に要した照射時間Bは175nsecであった。従っ
て、反射率変動バランスT=(B−A)/A=2.5で
あった。
【0120】この光記録媒体では6段階のマルチレベル
記録が達成されており、その記録データを確実に読みと
ることができた。なお、この光記録媒体における上記
(1)〜(6)記録マークのジッター値を下記の表2に
示すが、総ての記録マークにおいて10%以下の良好な
評価が得られていることがわかる。
【0121】
【実施例6】実施例2におけるフタロシアニンを、実施
例5とも異なる別のフタロシアニンに変更して色素溶液
を作成した。それ以外は実施例2と全く同様にして光記
録媒体を作製した。
【0122】記録時のレーザービームパワーは13mW
に設定した。なお、このときの記録線速度は4.8m/
sであり、記録のクロック周波数は4MHz(250n
sec)とし、記録時のレーザー照射時間はそれぞれ
(1)43nsec、(2)67nsec、(3)94
nsec、(4)121nsec、(5)148nse
c、(6)175nsecとした。なお、それぞれの単
一信号をディスク1周にわたって記録した。
【0123】この光記録媒体の初期反射率は52%
(0.52)であり、レーザーを250nsec以上照
射した時に限界最低反射率22%(0.22)に達し
た。従って、反射率変動幅は0.3(=0.52−0.
22)であった。
【0124】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.3から反射率変動幅の20%分(約0.06)低下
させるのに要した照射時間Aは43nsecであり、同
反射率変動幅の80%分(約0.24)低下させるのに
要した照射時間Bは175nsecであった。従って、
反射率変動バランスT=(B−A)/A=3.07であ
った。
【0125】この光記録媒体では6段階のマルチレベル
記録が達成されており、その記録データを確実に読みと
ることができた。なお、この光記録媒体における上記
(1)〜(6)記録マークのジッター値を下記の表2に
示すが、総ての記録マークにおいて10%以下の良好な
評価が得られていることがわかる。
【0126】
【比較例7】実施例2におけるフタロシアニンを、実施
例5、実施例6とも異なる別のフタロシアニンに変更し
て色素溶液を作成した。それ以外は実施例2と全く同様
にして光記録媒体を作製した。
【0127】記録時のレーザービームパワーは13mW
に設定した。なお、このときの記録線速度は4.8m/
sであり、記録のクロック周波数は4MHz(250n
sec)とし、記録時のレーザー照射時間はそれぞれ
(1)15nsec、(2)57nsec、(3)99
nsec、(4)141nsec、(5)183nse
c、(6)225nsecとした。なお、それぞれの単
一信号をディスク1周にわたって記録した。
【0128】この光記録媒体の初期反射率は37%
(0.37)であり、レーザーを250nsec以上照
射した時に限界最低反射率22%(0.22)に達し
た。従って、反射率変動幅は0.15(=0.37−
0.22)であった。
【0129】光記録媒体の反射率を、上記初期反射率
0.37から反射率変動幅の20%分(約0.03)低
下させるのに要した照射時間Aは15nsecであり、
同反射率変動幅の80%分(約0.12)低下させるの
に要した照射時間Bは225nsecであった。従っ
て、反射率変動バランスT=(B−A)/A=14であ
った。
【0130】この光記録媒体では、6段階の記録データ
を確実に読みとることができなかった。なお、この光記
録媒体における上記(1)〜(6)記録マークのジッタ
ー値を下記の表2に示すが、総ての記録マークにおいて
10%以上となっており、不十分な評価となっているこ
とがわかる。
【0131】
【表2】
【0132】
【発明の効果】本発明によれば、光記録媒体に、確実に
データ検出可能に5段階以上のマルチレベル記録をする
ことができる。しかも、その記録マークの長さが読み取
りレーザーの集光ビーム(ビームウエスト)の直径以下
のものを含めることが可能になるので、情報の記録密度
を飛躍的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる光記録媒体の要部を示す
一部断面とした斜視図
【図2】同光記録媒体にレーザービームを用いて情報を
記録するための光記録装置を示すブロック図
【図3】同光記録装置により記録層に記録マークを形成
する際の、該記録マークと仮想記録セル及びその光反射
率との関係を示す模式図
【図4】仮想記録セルを照射するレーザービームを他の
形状とする場合を示す略示斜視図
【図5】本発明の実施に用いる光記録媒体における反射
率の変動を模式的に示す概念図
【符号の説明】
10…光記録媒体 12…記録層 14…基板 16…グルーブ 18…反射膜 20…保護層 30…光記録装置 32…スピンドル 36…レーザー 38…レーザードライバ 40…仮想記録セル 42…記録光学系 42A…対物レンズ 42B…ハーフミラー 42C…ビーム整形プリズム 44…フォーカスサーボ回路 46…送りサーボ回路 48A〜48G、49、54…記録マーク 52…ピット 56…グルーブ中断部 D…ビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 522 B41M 5/26 Y

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性基板上に形成される記録層に対し
    てレーザービームを照射することにより情報を記録可能
    な光記録媒体における前記レーザービームとの相対移動
    方向に、所定の単位長さ及びこれと直交する方向の所定
    の単位幅の複数の仮想記録セルが連続して規定すると共
    に、 前記仮想記録セルにおける前記レーザービーム未照射状
    態の初期反射率X%、及び該レーザービーム既照射状態
    の限界最低反射率Y%から規定される反射率変動幅をX
    /100−Y/100としたとき、その変動幅全体を1
    00%としたときの20%分を、一定パワーの前記レー
    ザービーム照射によって初期反射率X%から変化させる
    のに必要な照射時間をAとし、且つ、前記反射率変動幅
    X/100−Y/100の80%分を前記レーザービー
    ム照射によって初期反射率X%から変化させるのに必要
    な照射時間をBとした場合、前記仮想セルを、その特性
    が、 1.8<(B−A)/A<11 になるように設定し、 該仮想記録セルに対して、一定パワーの前記レーザービ
    ームの照射時間を5段階以上に切り換えてマルチレベル
    記録することを特徴とする光記録方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記記録層の特性を、 前記レーザービ−ムの照射時間を5段階以上に切り換え
    てマルチレベル記録することによって形成された複数サ
    イズの記録マークの少なくとも一部に、読み取りレーザ
    ーの集光ビームウエストの直径以下の長さとなる記録マ
    ークが形成されるようにしたことを特徴とする光記録方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、 前記光記録媒体の前記記録層が有機色素成分を含んで構
    成されていることを特徴とする光記録媒体。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3において、前記記録層
    の特性を、 記録前の前記仮想記録セルの前記初期反射率Xが40%
    以上であり、且つ記録後の前記限界最低反射率Yが(X
    −10)%以下となるように設定したことを特徴とする
    光記録方法。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記記録層の特性を、
    前記限界最低反射率Yが30%以下となるように設定し
    たことを特徴とする光記録方法。
JP2001188104A 2000-06-27 2001-06-21 光記録方法 Withdrawn JP2002083425A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001188104A JP2002083425A (ja) 2000-06-27 2001-06-21 光記録方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000192130 2000-06-27
JP2000-192130 2000-06-27
JP2001188104A JP2002083425A (ja) 2000-06-27 2001-06-21 光記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002083425A true JP2002083425A (ja) 2002-03-22

Family

ID=26594726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001188104A Withdrawn JP2002083425A (ja) 2000-06-27 2001-06-21 光記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002083425A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7102969B2 (en) 2001-09-12 2006-09-05 Tdk Corporation Multi-level optical recording medium reproducing method and reproducing device
US7167439B2 (en) 2001-12-11 2007-01-23 Tdk Corporation Multilevel optical recording medium with calibration signals
US7221637B2 (en) 2001-06-05 2007-05-22 Tdk Corporation Multi-level optical recording medium, multi-level recording method, and multi-level reproduction method

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7221637B2 (en) 2001-06-05 2007-05-22 Tdk Corporation Multi-level optical recording medium, multi-level recording method, and multi-level reproduction method
US7102969B2 (en) 2001-09-12 2006-09-05 Tdk Corporation Multi-level optical recording medium reproducing method and reproducing device
US7167439B2 (en) 2001-12-11 2007-01-23 Tdk Corporation Multilevel optical recording medium with calibration signals

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6914875B2 (en) Optical recording medium and optical recording method
JP2002117539A (ja) 光記録媒体
US6754166B2 (en) Optical recording medium and optical recording method
US7012870B2 (en) Optical recording method, optical recording medium and optical irradiating time controlling device
US7042824B2 (en) Optical multi-level recording medium and optical multi-level recording method
JP2001184649A (ja) 光記録システム及び光記録媒体
JP2002083446A (ja) 光記録媒体
JP2002083426A (ja) 光記録媒体
JP2002083425A (ja) 光記録方法
JP3472243B2 (ja) 光記録媒体
JP2002083424A (ja) 光記録方法
JP3389575B2 (ja) 光記録媒体
US6956804B2 (en) Optical recording medium with recording marks having different states, and method of recording using the optical recording medium
JP2002083427A (ja) 光記録媒体
JP2001184648A (ja) 光記録方法及び光記録媒体
JP2002083428A (ja) 光記録方法
JP2001184647A (ja) 光記録媒体及び光記録方法
JPH04358331A (ja) 光情報記録媒体
JP2002150562A (ja) 光記録媒体及び光記録方法
JPH04286734A (ja) 光情報記録媒体
JP2596477B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2002304727A (ja) 光記録媒体及び記録方法
JP2002304768A (ja) 光記録媒体及び記録方法
JP2002352428A (ja) 光記録媒体
JP2002304728A (ja) 光記録媒体及び光記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040601

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20040802