JP2002115067A - 薄膜成膜液体原料用気化器 - Google Patents
薄膜成膜液体原料用気化器Info
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Abstract
を行うCVD装置において、成膜領域に供給できるガス
状原料流量を増大させることを可能とし、しかも、パー
ティクルの発生原因となる気化器内部での膜剥がれを防
止した薄膜成膜液体原料用気化器を提案する。 【解決手段】先端側に噴霧口を備え、薄膜成膜液体原料
を当該噴霧口の方向に噴霧する噴霧器と、当該噴霧器の
先端側に一端側が接続され、他端側が真空容器側への配
管に接続されている気化室とで構成され、前記気化室は
その内部に、気化部を収容していると共に、前記噴霧器
の噴霧口から噴霧された後に気化されたガス状の薄膜成
膜原料が前記真空容器側への配管に通過していく流路を
備えており、前記気化部は、前記噴霧器の噴霧口に対向
する側に備えられていて前記噴霧口側に対して凹湾する
曲面に形成されている気化面と、当該気化面を前記噴霧
器の噴霧口から噴霧された薄膜成膜液体原料を気化させ
るために加熱する内蔵された発熱手段とを備えている薄
膜成膜液体原料用気化器によって課題を解決した。
Description
て薄膜を作成するCVD装置に関し、特に、液体原料を
気化して真空容器に導入する際の気化器に関するもので
ある。
プレイ(LCD)等の製作では、基板の表面に薄膜を形
成する工程が存在する。この薄膜作製工程では、反応性
ガスの化学反応を利用して成膜を行うCVD装置を用い
ることが広く行われている。CVD装置では、反応室内
に加熱状態で配置された基板の表面に対して、原料ガス
供給系から原料ガスを導入し、化学反応を利用して当該
表面に薄膜を作製している。
近年、有機金属錯体を使用する方法が採用されている。
なかでも半導体デバイスの配線用金属材料の分野では高
マイグレーション耐性で低比抵抗を有する銅(Cu)が
次世代の配線材料として有力視されている。Cu膜を成
膜するCu−CVDプロセスでは、原料として、例えば
トリメチルビニルシリルヘキサフルオロアセチルアセト
ナト酸塩銅(以下、「Cu(hfac)(tmvs)」
と表す。)のごとき常温常圧で液体であるβ−ジケトン
錯体のヘキサフルオロアセチルアセトナト酸塩銅誘導体
である有機金属錯体が使用される。
Dの原料であるCu(hfac)(tmvs)の蒸気圧
は、20℃で8Pa、60℃で130Paと低く、これ
を素早く気化させるにはCu−CVDプロセスで使用す
る気化雰囲気を低圧、かつ、高温にしなければならな
い。又、一般に、Cu(hfac)(tmvs)のよう
な有機金属錯体は、熱に対して不安定であり、気化温度
より高く、分解温度より低く制御された温度環境下で使
う必要がある。
の内部で膜剥がれを起こすことがあり、これが気化器内
で気化した原料ガスとともに真空容器内に導入される
と、いわゆるパーティクルとなる。このようなパーティ
クルが、特に、半導体デバイスにおける配線の作製工程
で発生すると、配線の断線等の問題を起こし、歩留りの
低下を招く。
気化器として、例えば、J.Vac.Soc.Jnp
(真空)、Vol.42、No.10、1999には、
直接噴霧方式気化器が提案されている。
は、微量の液体原料を反応炉中に直接噴霧し、微小な大
きさの液滴を生成するものである。生成された微小な大
きさの液滴は、ウェハーを加熱しているサセプタからの
輻射熱および反応炉内の気体からの熱を受けて気化す
る。この直接噴霧方式気化器は、気化専用の熱源を必要
としない点等に特徴がある。
れる液滴のうち、液滴粒径の制御が充分でない液滴が生
じた場合、あるいは生成された液滴がサセプタから十分
な熱を受けない真空容器内の領域へ散逸した場合、液滴
の状態のまま、またはパーティクルの状態でウェハー上
に落下することになる。これらの現象は、真空容器内へ
の薄膜成膜原料の供給量、つまり、噴霧による原料ガス
の流量が高まるにつれて現れやすくなる。上述の制御し
きれない液滴の発生はパーティクルの発生を招くおそれ
があり、ウェハー上へのそれらの異物落下は、半導体デ
バイスで使われるCVD装置、特に配線形成工程で生産
機として使用されるCu−CVDでは、配線の断線等を
招き重大な問題になる。
成のプロセスとは、微細かつ深いビアホール、狭幅トレ
ンチ、広幅トレンチ等が共存する配線用パターンにCu
膜を成膜し埋め込んでいく工程のことであるが、このよ
うな配線パターンに対して、生産性に大きく影響する成
膜速度を高く維持するためには、Cu−CVD装置用気
化器として、熱的に不安定な液体原料を効率よく気化さ
せ、Cu膜の成膜領域であるウェハー上に、充分、かつ
安定的に原料ガスを供給することが最低限必要とされて
いる。
料を気化し真空容器内で成膜を行うCVD装置におい
て、成膜領域に供給できるガス状原料流量を気化器内の
気化効率を改善することで増大させることを可能とし、
しかも、成膜領域に供給できるガス状原料流量を安定的
に維持し、なおかつ、パーティクルの発生原因となる気
化器内部での膜剥がれを防止することにある。
体原料用気化器は前記課題を解決するため、以下のよう
に構成されている。
は、先端側に噴霧口を備え、薄膜成膜液体原料を当該噴
霧口の方向、すなわち、本発明の好ましい実施形態を表
す図1図示の気化器において噴霧器の噴霧口の中心Pを
通るP−P´線で表される方向に噴霧する噴霧器と、当
該噴霧器の先端側に一端側が接続され、他端側が真空容
器側への配管に接続されている気化室とで構成されてい
る。前記気化室はその内部に、気化部を収容していると
共に、前記噴霧器の噴霧口から噴霧された後に気化され
たガス状の薄膜成膜原料が前記真空容器側への配管に通
過していく流路を備えている。また、前記気化部は、前
記噴霧器の噴霧口に対向する側に備えられている気化面
と、前記噴霧器の噴霧口から噴霧された薄膜成膜液体原
料を気化させるために当該気化面を加熱する内蔵された
発熱手段とを備えている。
体原料を、先端側に備えられている噴霧口から、当該噴
霧口の方向の速度成分と、当該噴霧口の中心を通る噴霧
口の方向を回転運動の中心軸とする円周方向の速度成分
とを有するようにして、当該噴霧口の方向へ噴霧するよ
うに構成することができる。このようにすれば、気化室
内に前記噴霧口から噴霧された薄膜成膜液体原料、この
時、液体原料は霧状になって、あるいは細粒化された液
滴となって噴霧口から噴霧されているが、この液体原料
は、気化室内で旋回流となって前記気化部方向に向かう
ので、液体原料の微粒化が進み、気化効率の向上を図る
ことができる。
器においては、気化部の気化面を、噴霧器の噴霧口側に
対して凹湾する曲面に形成し、噴霧器の噴霧口から噴霧
された薄膜成膜液体原料の気化は、当該気化面及び当該
気化面によって囲まれる領域内において行われるように
することができる。
よって、角部を最小限にすることができ、膜剥がれを起
こりにくくすることができる。しかも、気化面を噴霧器
の噴霧口側に対して凹湾する曲面に形成することによっ
て、気化面の表面積を広くとることができる。このよう
に角部を最小限にし、なおかつ広い表面積で凹湾してい
て熱を内包することのできる構造とすることによって、
均一な温度制御を可能にし、気化効率を高めることがで
きる。
口側に対して凹湾する曲面に形成されているとは、本発
明の好ましい実施形態を表す図1、図4図示の気化器に
おいて、気化面の一方の終端を構成する符号Qで表され
る部分から、気化面の他方の終端を構成する符号Q´で
表される部分までが、噴霧器21の噴霧口に対して凹湾
する曲面に形成されている形態のことをいい、かかる形
態の中には、図1、図4図示のように、噴霧器21の噴
霧口の中心Pに対向する部分が、噴霧口の中心P方向に
向けて先細に立ち上がっており、この先細の先端(図1
中、符号Q0で示される部分)を中心として、線対称あ
るいは軸対称に、噴霧口側に対して凹湾する気化面が形
成され、気化面の一方の終端を構成する符号Qで表され
る部分から、気化面の他方の終端を構成する符号Q´で
表される部分までにおいて、噴霧器21の噴霧口側に対
して凹湾する曲面が存在している形態を含むものであ
る。
噴霧された薄膜成膜液体原料の気化が、気化面及び気化
面によって囲まれる領域内において行われるとは、噴霧
器の噴霧口から噴霧された薄膜成膜液体原料、この時、
液体原料は霧状になって、あるいは細粒化された液滴と
なって噴霧口から噴霧されているが、この液体原料の気
化が、凹湾する曲面に形成されている気化面の表面又
は、凹湾する曲面に形成されている気化面によって囲ま
れている空間、または前記気化面の表面及び前記気化面
によって囲まれている空間の双方、において行われるこ
とをいう。
上がり、すなわち、設定されているガス状の薄膜成膜原
料の流量にスタートからどのくらいの時間で到達できる
かは、重要な項目であるが、噴霧器の噴霧口から噴霧さ
れた薄膜成膜液体原料の気化が、気化面以外の、気化面
によって囲まれている空間においても行われるというこ
とは、この気化の立上がりという観点から有利である。
本発明の薄膜成膜液体原料用気化器においては、前記の
ように、主に、気化部の気化面以外の、広い表面積で凹
湾していて熱を内包することのできる気化面によって囲
まれている空間において気化が行われ得るので、本発明
の気化器は、前述した均一な温度制御、気化効率の向上
に加えて、気化の立上がりという観点からも優れている
ものである。
凹湾する曲面に形成されている気化部の気化面は、図1
図示のように、噴霧器21の噴霧口の中心Pに対向する
部分が、噴霧口の中心P方向に向けて先細に立ち上がっ
ており、この先細の先端(図1中、符号Q0で示される
部分)を中心として、線対称あるいは軸対称に、噴霧口
側に対して凹曲面からなる気化面として構成することが
できる。
いる液体原料を捕集しての凹湾している気化面への誘
導、気化面と液体原料との接触面積の増大による気化効
率の向上、等において有利である。
対して凹湾する曲面に形成されている気化部の気化面
は、図4図示のように、噴霧器の噴霧口Pに対向する位
置で、当該噴霧口の近傍まで伸びる先細の棒状体を備え
ている構造にすることもできる。
に接していないので、前記内蔵されている発熱手段によ
って噴霧口とは独立に温度制御されている気化部の気化
面と噴霧器の噴霧口との間の熱的絶縁を図ることができ
る。同時に、噴霧器の噴霧口から噴霧されている液体原
料が比較的大きな涙滴状になりそうな場合であっても、
液体原料をそのように比較的大きな涙滴状になる前に当
該先細の棒状体によって気化部の気化面に滑らかに誘導
し、圧力スパイクの発生を防止して、安定した、かつ、
正常な成膜プロセスの進行を維持、継続することができ
る。なお、このような構成としても、図4図示のよう
に、角部を最小限にすることは可能であり、膜剥がれを
起こりにくくできるという本発明の気化器の優れた点を
維持することができる。
は、更に、気化室の内部に備えられている流路に、これ
を加熱するための発熱手段が備えられている構成とする
ことができる。
する温度と、噴霧器の噴霧口から噴霧された後に気化さ
れたガス状の薄膜成膜原料が真空容器側への配管に通過
していく流路を加熱する温度とをそれぞれ独立して制御
することができる。
膜原料は、気化部及びその気化面とは独立した系統で温
度制御された流路を通った後、配管等を介して真空容器
に導入されることになる。このように気化部の気化面と
流路とを独立して温度制御することにより、気化面は噴
霧器の噴霧口から噴霧された霧状の、あるいは細粒化さ
れて液滴となっている薄膜成膜液体原料を気化させるの
に最適な温度、又、前記流路の内面は、気化されたガス
状の薄膜成膜原料が凝結又は分解しない温度という、そ
れぞれ異なる温度下におかれることになる。一般的に
は、流路の温度は、原料ガスの分解を抑えるため気化面
の温度より低く設定される。
おいて、気化部は、気化室の内部に着脱可能に収容され
る構成として、簡単に交換可能とすることができる。
膜剥がれ防止、パーティクル発生防止の観点から、気化
面を含めた気化部の前記気化されたガス状の薄膜成膜原
料に接触する面は、アルミニウム又はアルミニウム合金
であってその表面粗さは6.3μmRyより平滑な研磨
加工が施されているもの、あるいは、銅又は銅合金から
形成しておくことが望ましく、更に好ましくは、気化面
を含めた気化部の前記気化されたガス状の薄膜成膜原料
に接触する面及び、気化室内部の前記気化されたガス状
の薄膜成膜原料に接触する面を、アルミニウム又はアル
ミニウム合金であってその表面粗さは6.3μmRyよ
り平滑な研磨加工が施されているもの、あるいは、銅又
は銅合金から形成しておくことが望ましい。
添付図面に基づいて説明する。
気化器(以下「気化器」と表す)17を含むCVD装置
の一例の概略図を示すものである。
D装置であり、真空容器10の反応室内に配置した基板
の表面に配線用Cu膜をCVD法によって堆積させる装
置である。
7からガス状の薄膜成膜原料を導入するための配管1
8、20がバルブ19を介して接続されており、又、真
空容器10の内部を減圧するための排気系22が接続さ
れている。
成膜液体原料(以下「液体原料」と表す)12が収容さ
れている。液体原料12としては、例えば、Cu(hf
ac)(tmvs)(トリメチルビニルシリルヘキサフ
ルオロアセチルアセトナト酸塩銅)などの、β−ジケト
ン錯体のヘキサフルオロアセチルアセトナト酸塩銅誘導
体を用いることができる。
(ヘリウム)ガスが供給されている。このように、原料
容器11の内部にHeガスによる圧力が加えられること
により、液体原料12が液体配管14へ押し出される。
化器17とを流量計15を介して接続している。この場
合、本発明に係る気化器17は、真空容器10の天蓋
(図示せず)が開閉する範囲から外れた位置に設置され
る。液体配管14、16は原料容器11から気化器17
まで液体原料12を液体状態のままで送るための配管で
ある。
示す図面である。図2は、図3図示のCVD装置におけ
る気化器17の部分を拡大して表したものであり、図1
は、図2のA−A´面の断面図である。
7の内部構造を説明する。
噴霧口を備えている噴霧器21と、噴霧器21の先端側
に一端側が接続され、他端側が流路25a、25bを経
て真空容器10側への配管18に接続されている気化室
26とで構成されている。
いると共に、加圧されたAr(アルゴン)、N2(窒
素)、H2(水素)等のキャリアガス用の配管も接続さ
れており、液体配管16より供給された液体原料12
が、噴霧口から噴霧口の方向に噴霧され、気化室26内
で微小な大きさの液滴が生成される。
している。気化部23は、噴霧器21の噴霧口に対向す
る側に備えられている気化面24と、この気化面24を
噴霧器21の噴霧口から噴霧された液体原料12を気化
させるために加熱する内蔵された発熱手段であるヒータ
27とを備えている。また、気化室26はその内部に、
気化されたガス状の薄膜成膜原料が真空容器10側への
配管18に通過していく流路25a、25bを備えてい
る。
図1中、気化面の一方の終端を構成する符号Qで表され
る部分から、気化面の他方の終端を構成する符号Q´で
表される部分までのことをいうが、図1図示の実施形態
においては、噴霧器21の噴霧口の中心Pに対向する部
分が、噴霧口の中心P方向に向けて先細に立ち上がって
おり、この先細の先端(図1中、符号Q0で示される部
分)を中心として、線対称あるいは軸対称に、噴霧口側
に対して凹曲面からなる気化面24、24が構成されて
いるので、図1中、符号Qで示される位置から符号Q0
で示される位置を経て、符号Q´で示される位置に至る
曲面が気化部23における気化面を形成している。
4の終端Q、Q´から配管18へ向かう矢示30a、3
0c、30b、30dの方向にあるガス状原料の流路の
ことである。
霧された液滴は、粒径分布をもち、平均粒径は、約数1
0μm程度である。なお、ここで、噴霧口の方向とは、
噴霧口の中心Pから気化部23に対し鉛直な方向という
ことであり、図1においてP−P´で表される方向であ
る。
霧口の方向に対し線対称あるいは軸対称の凹曲面からな
る気化面24、24が示されており、図1中、符号Q0
で表される位置、すなわち噴霧器21の噴霧口の中心P
に対向する部分は、図1図示のように、噴霧口の中心P
方向に向けて先細に立ち上がり、この符号Q0で表され
る位置を中心として、噴霧口の方向に対し線対称あるい
は軸対称な凹曲面からなる気化面24、24が形成され
ている。この符号Q0で表される先細の部分は、噴霧器
21の噴霧口から噴霧されている液体原料を捕集して、
滑らかに気化面24、24に誘導し、これによって液体
原料と気化面24、24との接触面積を拡大させて気化
効率を高め、かつ、気化されたガス状の薄膜成膜原料が
気化室26の内部に止まることなく、図1におけるP−
P´線を含む平面で分割される2つの方向(矢示30
a、30bを経て、それぞれ矢示30c、30dへと続
く方向)への流れを生じさせる役割を果たしている。
係は、気化面24、24が噴霧器21の噴霧口に対向す
る位置にあり、噴霧口から噴霧される液滴の飛散する角
度(噴霧角)が、気化面を形成している凹曲面の終端に
位置するQ、Q´と噴霧口の中心Pとがなす角度である
∠QPQ´の範囲内に入っているものであれば、任意に
決められる。つまり、噴霧器21に関しては、上述の平
均粒径の液滴を生成できる機能、及び噴霧角が気化面を
構成している凹曲面の終端に位置するQ、Q´と噴霧口
の中心Pとがなす角度である∠QPQ´以内であるとい
う条件を満足するものであれば、限定されるものではな
い。
ているヒーター27によって加熱されており、また、前
記のように噴霧口から噴霧される液滴の飛散する角度
(噴霧角)が、気化面を構成している凹曲面の終端に位
置するQ、Q´と噴霧口の中心Pとがなす角度である∠
QPQ´の範囲内に入るようにされているので、噴霧器
21の噴霧口から噴霧された液体原料の気化は、気化面
24、24において、又は、気化面24、24によって
囲まれる空間において(すなわち、図1中、符号Qで示
される位置から符号Q0で示される位置までの気化面2
4で囲まれる空間、及び、符号Q0で示される位置から
符号Q´で示される位置までの気化面24で囲まれる空
間において)、又は、気化面24、24及び気化面2
4、24によって囲まれる空間の双方において実現され
ることになる。
いる結果、たとえ気化面24、24で液体原料が分解し
てしまったとしても、その他の場所で膜が付着すること
はなくなる。そこで、気化室26の内部に着脱可能であ
って、気化室26の内壁の一側壁に固定されることによ
って気化室26の内部に取り付けられる気化部23の気
化面24を含む全体を、気化室26から引き出して取り
外し、新しい気化部23と交換することによってメンテ
ナンスを行うことが可能であり、安定した気化器の稼働
を得ることができる。
を表すものである。図4図示の実施形態においては、図
1で説明した実施形態の凹曲面の符号Q0で示される位
置の上に、噴霧器21の噴霧口近傍まで伸びる先細の棒
状体29が備えられている点が、図1で説明した実施形
態と相違している。
に向けて一定量噴霧されている液体原料が、涙滴状の比
較的大きな液滴に成長することがあり、このように比較
的大きな液滴に成長した液体原料が不規則に気化面2
4、24に落下すると、前記一定の噴霧量に対応して一
定であった気化量が突発的に増加してしまう圧力スパイ
クという現象が生じる。このような突発的な気化量の増
加は、正常な成膜プロセスを阻害する要因となるため、
未然に防止する必要がある。
ける凹曲面からなる気化面24、24上の符号Q0で表
される部分は前述のとおり、噴霧器21の噴霧口から噴
霧されている液体原料を捕集し滑らかに気化面24、2
4に誘導する役割等も果たすものであるが、更に、図4
図示の実施形態のように噴霧器21の噴霧口近傍まで伸
びる先細の棒状体29を配備しておくことによって、液
体原料が涙滴状の比較的大きな液滴に成長する前に、こ
れを捕集して気化面24、24に誘導することが可能に
なり、圧力スパイクの発生をより効果的に防止すること
ができる。
比較的大きな液滴に成長する前にこれを捕集しようとす
るものであるが、噴霧器21の噴霧口には接していない
ため、ヒーター27によって噴霧器21の噴霧口とは独
立に温度制御されている気化面24と噴霧口との間の熱
的絶縁が図られている。
上の符号Q0で表される部分は、符号Q、Q´で表され
る部分を含む水平面と同一の平面上に位置しているが、
符号Q0で表される部分を、符号Q、Q´で表される部
分の位置よりも高くし、その分、棒状体29を短くする
構成としても構わない。
分を、符号Q、Q´で表される部分の位置よりも低く
し、その分、棒状体29を長くする構成も考えられる。
すなわち、気化面24、24を広く形成するよりは、気
化面24によって囲まれる空間を広げる構成とすること
も考えられる。しかし、このようにすると、温度調整機
能を持たない棒状体29が長くなり、液滴に成長しつつ
ある液体原料が気化面24に到達するまでの時間がかか
ってしまうため、符号Q0で表される部分を、符号Q、
Q´で表される部分の位置よりも低くして気化面24に
よって囲まれる空間を広げるよりは、気化面24、24
の符号Q0で表される部分が、符号Q、Q´で表される
部分を含む水平面と同一の平面上、あるいは符号Q、Q
´で表される部分の位置よりも高くなるように構成する
方が望ましい。
化器の他の実施形態を説明するものである。図6図示の
薄膜成膜液体原料用気化器は、例えば、旋回流を与える
不図示の板状部材(与旋回板等)と組み合わせることに
より、噴霧器21が、薄膜成膜液体原料を、先端側に備
えられている噴霧口Pから、矢示31で示される噴霧口
の方向の速度成分と、噴霧口Pの中心を通る噴霧口の方
向(P−P´方向)を回転運動の中心軸とする円周方向
の速度成分(矢示32で示される速度成分)とを有する
ようにして、噴霧口の方向(P−P´方向)へ噴霧でき
るように構成されているものであり、他の構成は、図1
を用いて説明した本発明の気化器と同一である。そこ
で、図1図示の気化器と同一の構成部材については図1
の場合と同一の符号を付してその説明は省略する。
器21が前記のように構成されているので、気化室26
内に噴霧口Pから噴霧された薄膜成膜液体原料、この
時、液体原料は霧状になって、あるいは細粒化された液
滴となって噴霧口Pから噴霧されているが、この液体原
料は、気化室26内で矢示33で示すように旋回流とな
って気化部23方向に向かう。そこで、このような構成
の噴霧器21を採用することによって液体原料の微粒化
を促進させ、気化効率の向上を図ることができる。
弁(不図示)に、渦巻き噴射弁、流体噴射弁、ホール噴
射弁、ピストル噴射弁などを用い、一般の燃焼機器類で
用いられている微粒化方式を採用することによって、本
発明の気化器における噴霧器21を前記のように構成
し、薄膜成膜液体原料を噴霧口Pから、矢示31で示さ
れる噴霧口の方向の速度成分と、噴霧口Pの中心を通る
噴霧口の方向(P−P´方向)を回転運動の中心軸とす
る円周方向の速度成分(矢示32で示される速度成分)
とを有するようにして、噴霧口の方向(P−P´)に噴
霧させることもできる。
て、気化面24を含めた気化部23のガス状原料に接触
する面は、良好な気化効率を得るために、熱伝導性の良
い部材、例えば、銅やアルミニウム、もしくはこれらの
合金で構成されていることが望ましい。
用いる場合には、膜剥がれを起こりにくくするため、気
化面24を含めた気化部23のガス状原料に接触する面
は、密着性の良好な銅、もしくは、銅合金で構成するこ
とが好ましい。なお、この場合、更に、気化室26内部
のガス状原料に接触する面も密着性の良好な銅、もしく
は、銅合金で構成しておけば、膜剥がれを起こりにくく
する上で更に効果的である。
17を用いる場合に、表面粗さが6.3μmRyより平
滑な研磨加工が施されているアルミニウム又はアルミニ
ウム合金で気化面24を含めた気化部23のガス状原料
に接触する面を構成しておけば、表面におけるガス状原
料の吸着そのものが減少するため、パーティクルの発生
の防止に効果的である。なお、この場合、更に、気化室
26内部のガス状原料に接触する面も表面粗さが6.3
μmRyより平滑な研磨加工が施されているアルミニウ
ム又はアルミニウム合金で構成しておけば、パーティク
ルの発生の防止に一層効果的である。この研磨加工によ
る表面粗さは、外観的には鏡面と同じものであり、加工
の方法としては、例えば、バフ仕上げを採用している。
は、やはり、Cu−CVD装置で使用する場合、その原
料が、例えばCu(hfac)(tmvs)であると
き、気化面は70℃に設定されるため、ヒーター27の
性能としては、せいぜい100℃ぐらいに加熱できる性
能があれば充分である。
し、又、流路25a、25bの内面に材料ガスが分解・
付着するのを防止するため、発熱手段としてのヒーター
28により気化面24とは異なり、かつ通常は、気化面
24より低めの温度で独立に加熱されている。本発明に
係る気化器を、Cu−CVD装置で使用する場合、その
原料が、例えば、Cu(hfac)(tmvs)である
とき、流路25a、25bの内面は60℃に設定され
る。
3はヒーター27を内蔵した状態で気化室26に着脱が
可能な構造とされており、適切に気化部23を交換する
ことによって、気化面24での膜剥がれによるパーティ
クルの発生を効果的に防止できる。
体原料(液滴)に直接さらされるのは、気化面24だけ
であり、又、真空容器10側へのガス状原料の流路25
a、25bは、図1、図4図示のように、その内面の角
部を最小限にした構造であり、ガス状原料に対する耐腐
食性、及び、熱伝導性に問題が無ければ材質で限定され
るものではない。ただし、上述のとおり、Cu−CVD
装置に本発明の気化器17を用いる場合には、銅やその
合金、あるいは表面粗さが6.3μmRyより平滑な研
磨加工が施されているアルミニウムやその合金とするこ
とが望ましい。
その有用性が最も発揮されるCu−CVDの主要な原
料、Cu(hfac)(tmvs)を中心に記したが、
気化面24、および流路25a、25bの加熱温度を、
液体原料固有の気化点及び分解点等に対応した温度にそ
れぞれ独立に調整することで、他の液体原料にも適用で
きる構造であり、本発明は上記に記述した実施形態に限
定されるものではない。
面を参照して説明したが、本発明はかかる実施形態に限
定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握
される技術的範囲に於いて、種々の形態に変更可能であ
る。
部分において、噴霧器21が2台並列に気化室26に接
続されている構成とすることもできる。
用して、一例としてCu(hfac)(tmvs)を用
いたCu−CVDプロセスを行ったところ、真空容器1
0に導入可能な銅のガス状原料は、従来1.1g/mi
n.の流量が、本発明に係る気化器17を使用した場
合、2.4g/min.の高い値を示した(キャリアガ
スの流量:0.3l/min、全圧:1.0KPa、気
化面24の温度:70℃、流路25a、25bの温度:
60℃の条件でCu−CVDプロセスを行った)。
度を170nm/min.から2倍の340nm/mi
n.まで高められたことを意味し、つまり、大口径化が
進む半導体デバイス用基板で、しかも、深いビアホー
ル、狭幅トレンチ、広幅トレンチ等が共存する複雑な配
線用パターンに対して、従来の成膜時間を半減させたこ
とになる。
クルの発生は、最適な温度調整(Cu(hfac)(t
mvs)の場合、気化面24の温度:70℃、流路25
a、25bの温度:60℃)と適切な気化部23の定期
的な交換により生産上、全く支障がなく、また、気化室
26内での圧力スパイクも発生しなかった。
体デバイスの生産工程において、配線の形成(埋め込
み)という、ガス状原料大流量供給(高速成膜)とパー
ティクル削減の両方が強く求められる工程においては、
特に産業上有用である。
を示す図。
略を示す図。
D装置の概略の構成を説明する図。
構造を示す図。
の薄膜成膜液体原料用気化器の例の概略を示す図。
構造を示す図。
Claims (10)
- 【請求項1】 先端側に噴霧口を備え、薄膜成膜液体原
料を当該噴霧口の方向に噴霧する噴霧器と、 当該噴霧器の先端側に一端側が接続され、他端側が真空
容器側への配管に接続されている気化室とで構成され、 前記気化室はその内部に、前記噴霧器の噴霧口に対向す
る側に備えられている気化面と、前記噴霧器の噴霧口か
ら噴霧された薄膜成膜液体原料を気化させるために当該
気化面を加熱する内蔵された発熱手段とを備えている気
化部を収容していると共に、気化されたガス状の薄膜成
膜原料が前記真空容器側への配管に通過していく流路を
備えていることを特徴とする薄膜成膜液体原料用気化
器。 - 【請求項2】 噴霧器は、薄膜成膜液体原料を、先端側
に備えられている噴霧口から、当該噴霧口の方向の速度
成分と、当該噴霧口の中心を通る噴霧口の方向を回転運
動の中心軸とする円周方向の速度成分とを有するように
して、当該噴霧口の方向へ噴霧するように構成されてい
ることを特徴とする請求項1記載の薄膜成膜液体原料用
気化器。 - 【請求項3】 気化部の前記気化面は、前記噴霧器の噴
霧口側に対して凹湾する曲面に形成されており、前記噴
霧器の噴霧口から噴霧された薄膜成膜液体原料の気化
は、当該気化面及び当該気化面によって囲まれる領域内
において行われることを特徴とする請求項1又は2記載
の薄膜成膜液体原料用気化器。 - 【請求項4】 気化部の前記気化面は、前記噴霧器の噴
霧口に対向する位置で、当該噴霧口の近傍まで伸びる先
細の棒状体を備えていることを特徴とする請求項3記載
の薄膜成膜液体原料用気化器。 - 【請求項5】 気化室の内部に備えられている前記流路
には、これを加熱するための発熱手段が備えられている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の
薄膜成膜液体原料用気化器。 - 【請求項6】 気化部は、気化室の内部に着脱可能に収
容されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一
項記載の薄膜成膜液体原料用気化器。 - 【請求項7】 気化面を含めた気化部の前記気化された
ガス状の薄膜成膜原料に接触する面は、銅又は銅合金か
らなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれ
か一項記載の薄膜成膜液体原料用気化器。 - 【請求項8】 請求項7記載の薄膜成膜液体原料用気化
器において、更に、気化室内部の前記気化されたガス状
の薄膜成膜原料に接触する面も銅又は銅合金からなるこ
とを特徴とする薄膜成膜液体原料用気化器。 - 【請求項9】 気化面を含めた気化部の前記気化された
ガス状の薄膜成膜原料に接触する面は、アルミニウム又
はアルミニウム合金からなり、かつ、その表面粗さは
6.3μmRyより平滑な研磨加工が施されているもの
であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれ
か一項記載の薄膜成膜液体原料用気化器。 - 【請求項10】 請求項9記載の薄膜成膜液体原料用気
化器において、更に、気化室内部の前記気化されたガス
状の薄膜成膜原料に接触する面もアルミニウム又はアル
ミニウム合金からなり、かつ、その表面粗さは6.3μ
mRyより平滑な研磨加工が施されているものであるこ
とを特徴とする薄膜成膜液体原料用気化器。
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