JP2002114923A - ポルフィセン化合物およびそれを用いた光情報記録媒体 - Google Patents

ポルフィセン化合物およびそれを用いた光情報記録媒体

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JP2002114923A
JP2002114923A JP2000304874A JP2000304874A JP2002114923A JP 2002114923 A JP2002114923 A JP 2002114923A JP 2000304874 A JP2000304874 A JP 2000304874A JP 2000304874 A JP2000304874 A JP 2000304874A JP 2002114923 A JP2002114923 A JP 2002114923A
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porphycene
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JP2000304874A
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English (en)
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Terumasa Kondou
輝優 近藤
Yoshiyuki Nagataki
義幸 長瀧
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 新規なポルフィセン化合物およびそれを用い
た波長350〜500nmのレーザーで良好な記録、再生
に適した光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 一般式のポルフィセン系化合物を含有す
る光情報記録媒体。 (R1 〜R4は水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、ある
いはアルキル基を表わし、X1 〜X8は独立に水素、ハ
ロゲン、水酸基、ホルミル基、カルボキシル基、シアノ
基、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、アルキル基、
アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、
カルボキシルアルキル基、アルキルカルボニル基、アル
コキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、ア
ルコキシカルボニルアルキル基、芳香環又は複素環を表
わし、X1 〜X8とR1〜R4 のうち隣接する置換基どう
しが結合して環を形成してもよい。Mは2個の水素、ケ
イ素誘導体、ゲルマニウム誘導体、2〜4価の金属誘導
体を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポルフィセ
ン系化合物およびそれを記録層に含有し、青色レーザー
ビームにより情報を記録、再生できる光情報記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から光を用いて、情報を記録し、再
生する光情報記録媒体において、有機色素材料などから
なる色素層が記録層として設けられた光ディスクが知ら
れている。この光ディスクの中でも最近広く普及してい
るものに、書き込み型コンパクトディスク(CD−R)
がある。このCD−Rは、透明基板のプリフォーマット
パターン形成面に色素を含む記録層、金属反射層、保護
層を順次積層してなり、記録層にレーザー光を吸収させ
て熱に変換し、その熱により情報を記録するものであ
る。
【0003】近年、CD−Rの普及が大幅に増加し、よ
り一層の高密度化が要望されている。このため記録に用
いるレーザー光を青色光領域(370〜500nm)に
まで短波長化することが検討されている。このような青
色レーザーを使用する光情報記録媒体の記録層に使用す
る色素材料として特開平8-127174号公報,特開平11-589
55号公報にポルフィリン系化合物、特開平11-334204号
公報にアゾ系化合物、特開平11-334206号公報にジシア
ノビニルフェニル系化合物を使用することがそれぞれ提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし,現在提案され
ているものは、有機溶媒に対する溶解度が低い点や反射
率が低い点で光情報記録媒体としての記録再生特性に問
題を有している。
【0005】本発明の目的は、この問題点を解決する光
情報記録媒体などに好適な色素材料として新規なポルフ
ィセン系化合物を提供し、また、その化合物を記録層に
使用することにより、青色レーザーによる記録および再
生に対応できる光情報記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、下記の一般式で示されるポルフィセン系
化合物および含金属ポルフィセン系化合物を用いること
を特徴とするものである。
【0007】一般式
【化1】 (式中、R1 〜R4は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロ
キシル基、あるいはアルキル基を表わし、X1 〜X8
各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、
ホルミル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ア
ミノ基、スルホン酸基、アルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシルアル
キル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル
基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニ
ルアルキル基、芳香環、複素環を表わし、X1 〜X8
よび R1〜R4 のうち隣接する置換基どうしが結合し
て環状を形成してもよい。Mは2個の水素原子、ケイ素
誘導体、ゲルマニウム誘導体、2価の金属又は3価又は
4価の金属誘導体を表わす。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係るポルフィセン系化合
物は、下記の一般式を有している。 一般式
【化1】 この一般式中のR1 〜R4は、それぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、あるいはメチル
基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチ
ル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、n
-ヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐のア
ルキル基が挙げられる。
【0009】前記一般式中のX1 〜X8はそれぞれ独立
して水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシル基;ホルミ
ル基;カルボキシル基;シアノ基;ニトロ基;アミノ
基;スルホン酸基;あるいはメチル基、エチル基、n-プ
ロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル
基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等の炭
素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル
基、プロペニル基、ベテニル基、ペンテニル基、ヘキセ
ニル基等の1〜20の直鎖または分岐のアルケニル基;
メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポ
キシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、エトキシカ
ルボニルプロポキシ基、sec-ブトキシ基、n-ペンチルオ
キシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基等の
置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖または分岐
のアルコキシ基;ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチ
ル基等の炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基;ベン
ゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、チオフェン
環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン
環、ピラン環等の炭素数6〜12の芳香環または複素
環;カルボキシルメチル基等のカルボキシルアルキル
基;メトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボ
ニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカル
ボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、sec-ブトキシ
カルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキ
シルオキシカルボニル基等の置換されていてもよい炭素
数2〜21の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル
基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキ
シ基、n-プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカ
ルボニルオキシ基、n-ブチルカルボニルオキシ基、sec-
ブチルカルボニルオキシ基、tert-ブチルカルボニルオ
キシ基、n-ペンチルカルボニルオキシ基等の置換されて
いてもよい炭素数2〜21の直鎖または分岐のアルキル
カルボニルオキシ基;メトキシカルボニルメチル基、メ
トキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルメチル
基、エトキシカルボニルエチル基、n-プロポキシカルボ
ニルエチル基、n-プロポキシカルボニルプロピル基、イ
ソプロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカル
ボニルエチル基等の炭素数3〜22の直鎖または分岐の
アルコキシカルボニルアルキル基が挙げられる。また、
1 〜X8およびR1〜R4 のうち隣接する置換基どうし
が結合して環状を形成してもよい。
【0010】前記一般式において、Mは2個の水素原
子、Ni, Co, Cu, Zn, Pd, Pt, Fe, Mn, Sn, Mg, Rh等の
2価の金属、TiO, FeCl, VO, Sn(Y)2等の3〜4価の金
属誘導体およびSi(Y)2, Ge(Y)2等の誘導体(Yはハロゲ
ン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基)等のポルフィセン系化合物に配位すること
ができる誘導体であればよいが、300〜500nmに
極大吸収をもち、モル吸光係数が大きい点で、特にNi,
Zn, Co, Cuが特に好ましい。
【0011】本発明のポルフィセン系化合物としては、
具体的には以下の構造式のものが挙げられる。
【0012】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】 本発明の短波長記録用光情報記録媒体は、基板上にポル
フィセン系化合物および含金属ポルフィセン系化合物を
含む記録層を形成したものである。以下、光情報記録媒
体について詳しく説明する。
【0013】図1と図2は本発明の実施形態に係る光情
報記録媒体の断面図で、これらの図において1は基板、
2は記録層、3は反射層であり、図1の光情報記録媒体
は透明の基板1側からレーザー光を照射し、図2の光情
報記録媒体は記録層2側からレーザー光を照射して情報
の記録、再生を行なう。
【0014】前記基板1としては、使用するレーザー光
に対して、ガラスや種々のプラスチックが用いられる。
プラスチックとしては、ポリカーボネート樹脂、アクリ
ル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、エポ
キシ樹脂等が挙げられるが、高生産性、コスト、耐吸湿
性の点から射出成型ポリカーボネート樹脂基板が特に好
ましい。
【0015】基板1の形状は円盤状、カード状等で良
い。基板1の表面には記録位置を表わすグルーブ及び/
又はピットを有する。また、情報を示すようなピットを
設けても良い。このようなグルーブやピットは、基板1
の成形時に付与するのが好ましいが、基板1上に紫外線
硬化樹脂層を設けて付与することもできる。更に必要に
応じて基板1上に下引き層を設けても良い。
【0016】記録層2としては前記ポルフィセン系化合
物を単独で用いても、記録特性などの改善のために他の
色素と混合しても良い。
【0017】記録層2を設ける方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト
法、スピンコート法、浸漬法等一般に行われている薄膜
形成法で形成することができるが、量産性、コスト面か
らスピンコート法が好ましい。スピンコート法による形
成の場合、スピンコートの後、加熱あるいは溶媒蒸気に
あてる等の処理を行っても良い。
【0018】ドクターブレード法、キャスト法、スピン
コート法、浸漬法等の塗布方法により、記録層2を形成
する場合の塗布溶媒としては、基板1を侵さない溶媒で
あれば特に限定されない。例えばテトラフルオロプロパ
ノール、オクタフルオロペンタノール、ヘキサフルオロ
ブタノール等のパーフルオロアルキルアルコール系溶
媒、ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−2−ブタ
ノン等のケトンアルコール系溶媒、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン等の炭化水素系溶媒、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジ
メチルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、t−
ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の炭化水素系
溶媒、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等の
エーテル系溶媒、乳酸メチル、乳酸エチル、イソ酪酸メ
チル等のヒドロキシルエステル系溶媒などが挙げられ
る。
【0019】必要に応じてバインダー、レベリング剤、
消泡剤などを使用しても良い。バインダーとしてはポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ケトン樹
脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリビニルブ
チラール、ポリカーボネート等が用いられる。
【0020】記録層2の安定性や耐光性の向上のため
に、一重項酸素クエンチャー、紫外線吸収剤等を含有し
ても良い。一重項酸素クエンチャーとしては、遷移含金
属アゾ化合物(例えばアセチルアセトナートキレート、
ビスフェニルジチオール、サリチルアルデヒドオキシ
ム、ビスジチオ−α−ジケトン)等が挙げられる。
【0021】図1の光情報記録媒体の場合、記録層2上
に直接にあるいは他の層を介して反射層3を設ける。反
射層3としては金、銀、アルミニウム、銅、白金等の金
属やこれらの金属を含む合金が用いられるが、反射率や
耐久性の点から銀または銀を主成分とする合金が好まし
い。
【0022】成膜方法としては、例えばスパッタリング
法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等が挙げられ
る。反射率、変調度等の特性を改善するために、記録層
と反射層との間に光干渉層を設けても良い。光干渉層を
形成する材料としては、無機誘電体、ポリマー等が挙げ
られる。
【0023】本発明においては、記録媒体の機械特性を
向上させるために、接着剤を用いて2枚の基板を貼り合
わせても良い。その際、反射層上に保護層を形成しても
良いし、保護層を形成しないで貼り合わせても良い。保
護層としては記録層、反射層を保護できる層であればよ
く、例えば紫外線硬化樹脂、シリコーン系樹脂等により
形成される。貼り合わせに使用される接着剤としては、
紫外線硬化樹脂、ホットメルト接着剤等が使用される。
この時、貼り合わせる基板の両方に記録層を設けても良
いし、片側だけでも良い。
【0024】前記のようにして得られた光情報記録媒体
への記録は、記録媒体の両面または片面に設けた記録層
にレーザー光を照射することにより行う。レーザー光の
照射された部分には、光エネルギーの吸収による、分
解、発熱、溶融等の記録層の熱的変形が起こる。記録さ
れた情報の再生は、レーザー光により、熱的変形が起き
ている部分と起きていない部分の反射率の差を読み取る
ことにより行う。レーザー光は、高密度記録のため波長
は短いほど好ましいが、記録層の吸光度から波長370
〜500nmのものが好ましい。波長370〜500n
mのレーザー光の代表例としては、中心波長410nm
付近の高出力半導体レーザー等が挙げられる。
【0025】以下、本発明を実施例とともに具体的に説
明するが、かかる実施例はその要旨を超えない限り、本
発明を限定するものではない。
【0026】(実施例1)
【化15】 活性亜鉛(2.6g, 40mmol)と塩化銅(I)
(0.4g, 4mmol)のテトラヒドロフラン( TH
F160ml) 溶液中に四塩化チタン(2.2ml, 2
0mmol)を滴下し、3時間加熱還流した。この溶液
に、前記分子構造(A1)で示される 4,4'-ジ-n-ブチ
ル-5,5'-ジホルミル-2,2'-ビピロール (1.50g, 5
mmol) のTHF( 40ml)溶液を滴下した。
【0027】反応溶液を3分間還流した後、炭酸カリウ
ム水溶液にて加水分解した。アルミナカラムクロマトグ
ラフィーにて分離後、メタノール/クロロホルムを用い
て再結晶したところ、90mgのポルフィセン(a)が
得られた。MS分析により分子イオンピークM+=53
4を確認した。
【0028】この化合物aのオクタフルオロペンタノー
ル 1wt%溶液を作製し、平坦なポリカーボネート製円
盤上にスピンコート法により薄膜を形成した。この薄膜
の吸収スペクトルを透過法により測定したところ、λma
x は380nmであった。
【0029】(実施例2)クロロホルム(12ml) に溶
解した化合物 a(21m g、0.04mmol)に1 m
lの飽和酢酸亜鉛メタノール溶液を加えて加熱還流し
た。溶媒を除去して、生じた亜鉛錯体にクロロホルムを
加えて、濾過し、ヘキサン/クロロホルムで再結晶を行
うと20mgのポルフィセン−亜鉛錯体(b)が得られ
た。MS分析により分子イオンピークM+=597を確
認した。この化合物bからなる薄膜の吸収スペクトルを
実施例1と同様に測定したところ、λmax は383nm
であった。
【0030】(実施例3)
【化16】 前記分子構造(A2)で示される 3,3',4,4'-テトラプ
ロピル-5,5'-ジホルミル-2,2'-ビピロール (1.78
g, 5 mmol) を原料として、前記合成と同様な方法
により150mgのオクタエチルポルフィセン(w)が
得られた。MS分析により分子イオンピークM+=61
8を確認した。この化合物wからなる薄膜の吸収スペク
トルを実施例1と同様に測定したところ、λmax は39
0nmであった。
【0031】(実施例4)
【化17】 前記分子構造(A3)で示される 4,4'-テトラピリジル
-5,5'-ジホルミル-2,2'-ビピロール(1.71g, 5 m
mol) を原料として、前記合成と同様な方法により1
60mgのオクタピリジルポルフィセン (s)が得られ
た。MS分析により分子イオンピークM+=634を確
認した。この化合物からなる薄膜の吸収スペクトルを実
施例1と同様に測定したところ、λmax は393nmで
あった。
【0032】実施例5〜10は、実施例1〜4と同様に
合成した。実施例1〜10で合成したポリフィセン化合
物とその塗布膜のλmax を次の表1に示す。なお、表中
の化合物No.(a)〜(v)は前記[化1]〜[化1
3]中の符号(a)〜(v)と合致している。
【0033】
【表1】 (実施例11)実施例1で得られたポルフィセン化合物
0.5gをオクタフルオロペンタノール40g に溶解
し、これを40℃下で30分間超音波分散した後、0.
2μmのフィルターでろ過した。トラックピッチ0.4
μm、溝幅0.15μm、溝深さ140nmのプリグル
ーブで有する0.6mm厚のポリカーボネート基板上
に、この液を回転数1300rpmでスピンコートし、
記録層を形成した。
【0034】次にこの基板を80℃のオーブンで30分
乾燥した後、記録層の上にスパッタリング法により膜厚
100nmのAg膜を成膜し、反射層を形成した。さら
に、この反射層の上に紫外線硬化樹脂を5μmの厚さで
スピンコートし、これに紫外線を照射して硬化させて、
記録層付基板を得た。さらに遅効性紫外線硬化型接着剤
をつけ、全く記録層を形成しない以外は同様にして得ら
れたダミー基板と接着し、光情報記録媒体(11)とし
た。記録層の膜厚は約150nmであった。
【0035】光情報記録媒体(11)に出射波長405
nmを有するレーザー(NA=0.65)を搭載したド
ライブで、線速4m/s、記録パワー8mWで8−16
信号を入力して記録した。これを同ドライブで再生パワ
ー0.5mWで再生信号を測定したところ、反射率が4
9%、変調度61%、ジッター9.5%の良好な再生特
性が得られた。
【0036】(実施例12)実施例2で得られたポルフ
ィセン化合物0.4gをテトラフルオロプロパノール40
gに溶解した。これを40℃下で30分間超音波分散し
た後、0.2μmのフィルターでろ過した。トラックピ
ッチ0.4μm、溝幅0.15μm、溝深さ140nm
のプリグルーブで有する0.6mm厚のポリカーボネー
ト基板上に、この液を回転数1500rpmでスピンコ
ートし、記録層を形成した。 次にこの基板を80℃の
オーブンで30分乾燥した後、記録層の上にスパッタリ
ング法により膜厚100nmのAg膜を成膜し、反射層
を形成した。さらに、この反射層の上に紫外線硬化樹脂
を6μmの厚さでスピンコートし、これに紫外線を照射
して硬化させて、記録層付基板を得た。さらに遅効性紫
外線硬化型接着剤をつけ、全く同じように作製した記録
層付基板と接着し、光情報記録媒体(12)とした。記
録層の膜厚は約150nmであった。
【0037】実施例11と同様にして、記録パワー7.
5mWで8−16信号を入力して記録した。これを実施
例11と同様にして再生信号を測定したところ、反射率
が57%、変調度55%、ジッター9.3%の良好な再
生特性が得られた。
【0038】(実施例13)実施例3で得られたポルフ
ィセン化合物を用い、実施例11と同様にして記録層付
基板を得た。さらに遅効性紫外線硬化型接着剤をつけ、
全く記録層を形成しない以外は同様にして得られたダミ
ー基板と接着し、光情報記録媒体(13)とした。記録
層の膜厚は約160nmであった。
【0039】この光情報記録媒体(13)に実施例11
と同様にして、記録パワー8.5mWで8−16信号を
入力して記録した。これを実施例11と同様にして再生
信号を測定したところ、反射率が48%、変調度57
%、ジッター9.0%の良好な再生特性が得られた。
【0040】実施例14〜20は、実施例4〜10のポ
ルフィセン化合物を使用して実施例11〜13と同様に
して光情報記録媒体を作製し、記録再生特性を評価し
た。
【0041】実施例11〜20により作製した光情報記
録媒体の記録パワー、反射率、変調度、ジッターを次の
表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明のポルフィセン化合物は、いずれ
も350〜500nmの領域に吸収端を有しており、光
情報記録媒体の記録材料として非常に有用である。ま
た、光情報記録媒体以外の用途としては各種光学フィル
ター、プラスチック着色剤などを挙げることができる。
【0044】本発明のポルフィセン化合物を含有するこ
とを特徴とする光情報記録媒体は、表2に示すように3
50〜500nmのレーザー光に対する記録再生特性が
優れ、高反射率、高密度記録が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光情報記録媒体の一部
断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る光情報記録媒体の
一部断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 反射層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式で示され、300〜500
    nmの範囲内に極大吸収を持つことを特徴とするポルフ
    ィセン系化合物。 一般式 【化1】 (式中、R1 〜R4は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロ
    キシル基、あるいはアルキル基を表わし、X1 〜X8
    各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、
    ホルミル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ア
    ミノ基、スルホン酸基、アルキル基、アルケニル基、ア
    ルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシルアル
    キル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル
    基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニ
    ルアルキル基、未置換あるいは置換芳香環、未置換ある
    いは置換複素環を表わし、X1 〜X8およびR1〜R4
    うち隣接する置換基どうしが結合して環状を形成しても
    よい。Mは2個の水素原子、ケイ素誘導体、ゲルマニウ
    ム誘導体、2価の金属又は3価又は4価の金属誘導体を
    表わす。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポルフィセン系化合物に
    おいて、前記Mが2個の水素原子、Ni, Co, Cu, Zn, P
    d, Pt, Fe, Mn, Sn, Mg, Rh等の2価の金属、TiO, FeC
    l, VO, Sn(Y)2等の3〜4価の金属誘導体およびSi(Y)2,
    Ge(Y)2等の誘導体(Yはハロゲン原子、アルキル基、ア
    リール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオ
    キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基)であること
    を特徴とするポルフィセン系化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポルフィセン系化合物に
    おいて、前記MがNi,Co, Cu, Znであることを特徴とす
    るポルフィセン系化合物。
  4. 【請求項4】 薄膜の極大吸収波長が300〜500n
    mであるポルフィセン系化合物を使用したことを特徴と
    する光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 レーザーによる情報の記録および/また
    は再生が可能な記録層を有する光情報記録媒体におい
    て、前記記録層中に前記請求項1ないし請求項3に記載
    のポルフィセン系化合物が存在することを特徴とする光
    情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の光情報記録媒体におい
    て、書き込み及び読み取りのレーザー波長がともに35
    0〜500nmであることを特徴とする光情報記録媒
    体。
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