JP4145529B2 - 光学記録媒体及び記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機色素を記録層に用いた追記型光学記録媒体及び記録方法に係わるものであり、詳しくは青色レーザー対応の追記型光学記録媒体及び該光学記録媒体への記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、CD−R/RW、DVD−R/RW、MO等の各種光学記録媒体は、大容量の情報を記憶でき、ランダムアクセスが容易であるために、コンピュータのような情報処理装置における外部記憶装置として広く認知され普及している。これらの中で、CD−RやDVD−Rに代表される有機色素系光記録媒体は、低コストで且つ製造も容易であるという点で、優位性を有するものと考えられている。
また、取り扱う情報量の増大により、媒体の記録密度を高めることが望まれている。近年、開発が著しい青色レーザー等の発振波長の短いレーザーを用いた高密度の記録再生可能な光学記録媒体が提唱されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、CD−RやDVD−Rなどとして市販されている光学記録媒体の場合、例えば、CD−Rは波長780nm程度のレーザー光による記録・再生に適するように、またDVD−Rは波長600〜700nm程度のレーザー光による記録・再生に適するように設計されている。このような、比較的長波長のレーザー光を用いる光学的記録・再生用に適合する記録媒体では、より短波長のレーザーを用いて記録・再生すると、反射率が低く記録・再生ができないという問題を有している。本発明は、より短波長の青色レーザーによって記録・再生が可能な有機色素系光学記録媒体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは青色レーザーに高い感受性を有する有機色素について種々検討した結果、前記一般式[I]及び[II]で示される化合物を、青色レーザーに対応する光学記録媒体の記録層に使用し得ることを知得し本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、基板上にレーザーによる情報の記録又は再生が可能な記録層が設けられた光学記録媒体において、該記録層が下記一般式[I]で示される化合物を含有すること、或いは下記一般式[II]で示される化合物を含有することよりなる光学記録媒体、及び波長が350nm〜530nmのレーザー光を用い、該光記録媒体に対して情報の記録を行うことよりなる光学記録方法に存する。
【0005】
【化3】
{式中、R1〜R4は水素原子または任意の置換基を表し、R1〜R4の隣接する少なくとも2つの置換基は結合して炭化水素環または複素環構造を形成しても良く、該炭化水素環及び該複素環は、置換基を有していてもよい。X1は電子吸引性基を表し、X2は水素原子または−Q−Yを表す。(Qは直接結合、炭素数1または2のアルキレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基を表し、Yは電子吸引性基を表す。該アルキレン基、該アリーレン基および該ヘテロアリーレン基はY以外に任意の置換基を有していてもよい。)X3は酸素原子を表す。R 5は水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、−NR7R8(R7,R8は各々独立して水素原子、置換されてもよい炭化水素基または置換されてもよい複素環基を表す。)、又は−COR9(R9は置換されてもよい炭化水素基または置換されてもよい複素環基を表す。)を表し、R5はR4と結合して置換されてもよい炭化水素環または置換されてもよい複素環構造を形成しても良い。}
【0006】
【化4】
{式中、R1〜R4は水素原子または任意の置換基を表し、R1〜R4の隣接する少なくとも2つの置換基は結合して炭化水素環または複素環構造を形成しても良く、該炭化水素環及び該複素環は、置換基を有していてもよい。環Aは>C=Oと共に置換基を有していてもよい炭素環式ケトン環または複素環式ケトン環を表す。
X3は酸素原子、硫黄原子または=N−R6を表す。(R6は水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基を表す。)
R5は水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、−NR7R8(R7,R8は各々独立して水素原子、置換されてもよい炭化水素基または置換されてもよい複素環基を表す。)、又は−COR9(R9は置換されてもよい炭化水素基または置換されてもよい複素環基を表す。)を表し、R5はR4と結合して置換されてもよい炭化水素環または置換されてもよい複素環構造を形成しても良い。}
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明につき詳細に説明する。
本発明の記録層に使用される化合物は、350〜530nmの青色光領域に適度の吸収を有し、青色レーザーでの記録に適する色素化合物が好ましい。本発明ではかかる色素として、前記一般式[I]及び[II]によって示される色素化合物が使用される。
以下に前記一般式[I]及び[II]で表される化合物について説明する。
【0008】
本発明に係る色素化合物を示す前記一般式[I]及び[II]において、R1〜R4は各々独立に水素原子及び任意の置換基を表し、任意の置換基は、更に置換されていてもよい。該任意の置換基の例としては、次のようなものが例示される。メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-へプチル基等の置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の置換されてもよい炭素数3〜18の環状アルキル基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の置換されてもよい炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の置換されてもよい炭素数3〜18の環状アルケニル基;2-チエニル基、2-ピリジル基、4-ピペリジル基、モルホリノ基等の置換されてもよい複素環基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等の置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等の置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルコキシ基;プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基等の置換されてもよい炭素数3〜18の直鎖または分岐のアルケニルオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基等の置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキルチオ基が挙げられる。
【0009】
他の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;ニトロソ基;シアノ基;イソシアノ基;シアナト基;イソシアナト基;チオシアナト基;イソチオシアナト基;メルカプト基;ヒドロキシ基;ヒドロキシアミノ基;ホルミル基;スルホン酸基;カルボキシル基;−COR20で表されるアシル基、−NR21R22で表されるアミノ基、−NHCOR23で表されるアシルアミノ基、−NHCOOR24で表されるカーバメート基、−COOR25で表されるカルボン酸エステル基、−OCOR26で表されるアシルオキシ基、−CONR27R28で表されるカルバモイル基、−SO2R29で表されるスルホニル基、−SO2NR30R31で表されるスルファモイル基、−SO3R32で表されるスルホン酸エステル基、−NHSO2R33で表されるスルホンアミド基が挙げられる。
【0010】
これらの置換基の位置は特に限定されず、置換基の数も1〜4個の範囲で可能である。複数の置換基を有する場合、同種でも異なってもよい。
ここでR20、R23,R24,R25,R26、R29,R32、R33は置換されてもよい炭化水素基、または置換されてもよい複素環基を表し、R21、R22,R27,R28,R30,R31は水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基のいずれかを表す。
【0011】
このR20〜R33で表される炭化水素基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-へプチル基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜18の環状アルキル基、ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖または分岐のアルケニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜18の環状アルケニル基、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等の炭素数6〜18アリール基を表す。これらの基のアルキル鎖部分及びアリール基部分は後述するR1〜R4のアルキル鎖部分が有し得る置換基で更に置換されていてもよい。
【0012】
またR20〜R33で表される複素環基は、4−ピペリジル基、モルホリノ基、2-モルホリニル基、ピペラジル基等の飽和複素環でも、2-フリル基、2-ピリジル基、2-チアゾリル基、2-キノリル基等の芳香族複素環でもよい。これらは複数のヘテロ原子を含んでいても、さらに置換基を有していてもよく、また結合位置も問わない。複素環として好ましい構造のものは、5〜6員環の飽和複素環、5〜6員環の単環及びその2縮合環の芳香族複素環である。
【0013】
具体的には、−COR20で表される置換されていてもよいアシル基;−NR21R22で表される置換されていてもよいアミノ基;−NHCOR23で表される置換されていてもよいアシルアミノ基;−NHCOOR24で表される置換されていてもよいカーバメート基;−COOR25で表される置換されていてもよいカルボン酸エステル基;−OCOR26で表される置換されていてもよいアシルオキシ基;−CONR27R28で表される置換されていてもよいカルバモイル基;−SO2R29で表される置換されていてもよいスルホニル基;−SO2NR30R31で表される置換されていてもよいスルファモイル基;−SO3R32で表される置換されていてもよいスルホン酸エステル基;−NHSO2R33で表される置換されていてもよいスルホンアミド基の各々の好ましい具体例を以下に示す。
【0014】
アシル基(−COR20)
【化5】
【0015】
アミノ基(−NR21R22)
【化6】
【0016】
アシルアミノ基(−NHCOR23)
【化7】
【0017】
カーバメート基(−NHCOOR24)
【化8】
【0018】
カルボン酸エステル基(−COOR25)
【化9】
【0019】
アシルオキシ基(−OCOR26)
【化10】
【0020】
カルバモイル基(−CONR27R28)
【化11】
【0021】
スルホニル基(−SO2R29)
【化12】
【0022】
スルファモイル基(−SO2NR30R31)
【化13】
【0023】
スルホン酸エステル基(−SO3R32)
【化14】
【0024】
スルホンアミド基(−NHSO2R33)
【化15】
【0025】
R1〜R4が示す直鎖又は分岐のアルキル基、環状アルキル基、直鎖または分岐のアルケニル基、環状アルケニル基、直鎖または分岐のアルコキシ基、直鎖または分岐のアルキルチオ基、及びR20〜R33が示すアルキル基のアルキル鎖部分は、更に置換基を有し得るが、その置換基としては、例えば以下のものが挙げられる。
メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシブトキシ基等の炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基;メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基等の炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルコキシ基;フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオキシ基;アリルオキシ基、ビニルオキシ基等の炭素数2〜12のアルケニルオキシ基等が例示される。
【0026】
更に、他の置換基として、2-チエニル基、2-ピリジル基、4-ピペリジル基、モルホリノ基等の複素環基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシル基;アミノ基;N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等の炭素数1〜10のアルキルアミノ基;メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n-プロピルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n-プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n-ブチルカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n-プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、n-ブトキシカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0027】
R1〜R4の隣接する少なくとも2つの置換基は結合して炭化水素環または複素環構造を形成することが出来る。隣接する2つの置換基、R1とR2、R2とR3、R3とR4が互いに結合して、各々独立に形成する環は、飽和または不飽和の炭化水素環でも、ヘテロ原子を一つまたは複数個含む飽和または不飽和の複素環でもよく、環状構造は単環でも縮合環でもよい。環の員数は特に制限されないが、炭化水素環、複素環共に好ましいのは5〜7員環で、特に好ましいのは5〜6員環である。また、隣接する3つの置換基、例えば、R1〜R3、R2〜R4が互いに結合して縮合環を形成しても良い。
これらが示す好ましい環状構造を下記に示す。
【0028】
【化16】
(上記環構造において、D1〜D3は任意の置換基を表す。)
D1〜D3の任意の置換基としては、R1〜R4のアルキル鎖部分が有し得る置換基が挙げられる。D1〜D3として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基が挙げられる。
また上記環状構造の環は前述したような置換または未置換のアルキル基で置換されていてもよい。このアルキル基が有し得る置換基としては、例えば、前記R1〜R4のアルキル鎖部分が有し得る置換基と同種のものが挙げられる。
【0029】
R1〜R4で表される置換基として好ましいものは、置換されてもよい炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数3〜12の環状アルキル基、置換されてもよい炭素数2〜12の直鎖または分岐のアルケニル基、5〜6員環の飽和複素環基、5〜6員環の単環または2縮合環の複素芳香環基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルコキシ基、置換されてもよい炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキルチオ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、−COR20で表されるアシル基、−NR21R22で表されるアミノ基、−NHCOR23で表されるアシルアミノ基、−NHCOOR24で表されるカーバメート基、−COOR25で表されるカルボン酸エステル基、−OCOR26で表されるアシルオキシ基、−CONR27R28で表されるカルバモイル基、−NHSO2R33で表されるスルホンアミド基が挙げられ、R1とR2、R2とR3、R3とR4が環を形成する場合は、置換されていてもよい5〜6員環の炭化水素環、あるいは置換されていてもよい5〜6員環の複素環が好ましい。
【0030】
中でもR1〜R4で表される置換基として特に好ましいものは、炭素数1〜12の置換されてもよい直鎖または分岐のアルキル基、炭素数3〜18の置換されてもよい環状アルキル基、炭素数1〜12の置換されてもよい直鎖または分岐のアルコキシ基、5〜6員環の飽和複素環基、5〜6員環の複素芳香環基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜12の置換されてもよい直鎖または分岐のアルキルチオ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、−COR20で表されるアシル基、−OCOR26で表されるアシルオキシ基、−NR21R22で表されるアミノ基、−COOR25で表されるカルボン酸エステル基、−CONR27R28で表されるカルバモイル基、−NHSO2R33で表されるスルホンアミド基であり、R1とR2、R2とR3、R3とR4が環を形成する場合は、これらのいずれか一つがベンゼン環構造を形成する場合である。
【0031】
前記一般式[I]及び[II]においてR5は、水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、−NR7R8、−COR9のいずれかを表す。
R5で表される置換されてもよい炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-へプチル基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜18の環状アルキル基、ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖または分岐のアルケニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜18の環状アルケニル基、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等の炭素数6〜18アリール基を表す。これらの基のアルキル鎖部分及びアリール基部分は前述したR1〜R4のアルキル鎖部分が有し得る置換基で更に置換されていてもよい。
【0032】
R5で表される置換されてもよい複素環基としては、4−ピペリジル基、モルホリノ基、2-モルホリニル基、ピペラジル基等の飽和複素環でも、2-フリル基、2-ピリジル基、2-チアゾリル基、2-キノリル基等の芳香族複素環でもよい。これらは複数のヘテロ原子を含んでいても、さらに置換基を有していてもよく、また結合位置も問わない。複素環として好ましい構造のものは、5〜6員環の飽和複素環、5〜6員環の単環及びその2縮合環の芳香族複素環である。
R5が置換されてもよい炭化水素基としてアルキル鎖を有する場合、R4と結合して、飽和または不飽和の炭化水素環や、飽和または不飽和の複素環構造を形成してもよく、環状構造は単環でも縮合環でもよい。環状構造の員数は特に制限されないが、炭化水素環、複素環共に好ましいのは5〜6員環である。これらの好ましい環状構造を下記に示す。
【0033】
【化17】
【0034】
R5で表される−NR7R8のR7、R8は、各々独立に水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基のいずれかを表す。
R7、R8としては、R5として例示した炭化水素基および複素環基と同様の基が挙げられるが、好ましくは、水素原子、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよい複素環基である。
R5で表される−COR9におけるR9は、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基のいずれかを表し、好ましくは炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基である。以下に好ましいR5の例を示す。
【0035】
【化18】
【0036】
【化19】
【0037】
前記一般式[I]においてX 3 は酸素原子を表し、[II]においてX3は、酸素原子、硫黄原子または=N−R6のいずれかを表す。X3で表される=N−R6におけるR6は、水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基のいずれかを表し、好ましくは炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい炭素数6〜20のアリール基である。これらの基が有し得る置換基としては、前述のR1〜R4のアルキル鎖が有し得る置換基におけると同種のものを挙げることが出来る。
【0038】
前記一般式[I]において、X1は電子吸引性基を表し、X2は水素原子、または−Q−Yを表す。ここでQは連結基を表し、炭素数1または2のアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基を表すか、これらの連結基を介さずに直接Yに結合する、つまり、直接結合を表す。YとX1とは独立に電子吸引性基を表す。
【0039】
X1、Yが表す電子吸引性基はとしては、一般にハメット則においてシグマ定数σ(σm及びσp、特にσp)が正の値を持つものが挙げられる。これらの例としては、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ホルミル基、アシル基、カルボン酸エステル基、カルバモイル基、トリアルキルアミノ基、トリフルオロメチル基等のハロゲン置換アルキル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホニル基、スルファモイル基、スルフィニル基等が挙げられる。
これらのX1、Yの表す電子吸引性基として好ましいものとしては、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン置換アルキル基、−COR10で表されるアシル基、−COOR11で表されるカルボン酸エステル基、−CONR12R13で表されるカルバモイル基、−SOR16で表されるスルフィニル基、−SO2R17で表されるスルホニル基、−SO2NR18R19で表されるスルファモイル基である。
【0040】
−COR10で表されるアシル基のR10は、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基のいずれかを表し、これらの中でR10として好ましいものは、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよい5〜7員環の飽和複素環、置換されてもよい5〜6員環の単環及びその2縮合環の複素芳香環である。具体的には、アセチル基、プロピオニル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、2−テノイル基、2−フロイル基、シクロヘキサノイル基等のアシル基が挙げられる。
【0041】
−COOR11で表されるカルボン酸エステル基のR11は置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基を表し、好ましくは、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、5〜7員環の飽和複素環、置換されてもよい5〜6員環の単環及びその2縮合環の複素芳香環である。具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2−ピリジルオキシカルボニル基等のカルボン酸エステル基が挙げられる。
【0042】
−CONR12R13で表されるカルバモイル基のR12,R13は各々独立に水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基、置換されてもよいアミノ基、置換されてもよいアシルアミノ基、置換されてもよいカーバメート基、−COR14、−COOR15を表す。ここでR14,R15は任意の置換基を表し、好ましい置換基としては、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよいアミノ基である。
【0043】
R12,R13として好ましいものとしては、水素原子、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、5〜7員環の飽和複素環、置換されてもよい5〜6員環の単環及びその2縮合環の複素芳香環、置換されてもよいアミノ基、−COR14、−COOR15があげられる。
以下に−CONR12R13で表されるカルバモイル基の構造を示す。
【0044】
【化20】
【0045】
−SOR16で表されるスルフィニル基のR16は、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基を表し、好ましいものとしては、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、5〜7員環の飽和複素環、置換されてもよい5〜6員環の単環及びその2縮合環の複素芳香環である。具体的には、以下に示すスルフィニル基等が挙げられる。
【0046】
【化21】
【0047】
−SO2R17で表されるスルホニル基のR17は、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基を表し、好ましいものとしては、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、5〜7員環の飽和複素環、置換されてもよい5〜6員環の単環及びその2縮合環の複素芳香環である。具体的には、以下に示すスルホニル基等が挙げられる。
【0048】
【化22】
【0049】
−SO2NR18R19で表されるスルファモイル基のR18,R19は水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基を表し、好ましいものとしては、水素原子、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜18のアラルキル基、5〜7員環の飽和複素環、置換されてもよい5〜6員環の単環及びその2縮合環の複素芳香環である。具体的には、以下に示すスルファモイル基等が挙げられる。
【0050】
【化23】
【0051】
上記R10〜R19で表される置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基としては、具体的には前記R20〜R33におけると同様な基を挙げることができる。
Qで表される連結基は、直接結合又は炭素数1〜2のアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基を表し、アルキレン基の場合、炭素原子は水素原子以外に前述のアルキル鎖が有し得る置換基を有していても、そこから分岐したアルキル鎖を有していてもよい。
Qが6員環のアリーレン基、ヘテロアリーレン基を表す場合、電子吸引性基Yが結合部に対してオルト位かパラ位にあることが好ましく、5員環のヘテロアリーレン基である場合は、結合部と電子吸引性基が、2位と4位にあることが好ましい。またこれら連結基に結合するYは複数個でもよい。またYが結合している以外の箇所に置換基を有していてもよい。
これらの連結基と電子吸引性基の好ましい結合を下記に図示する。
【0052】
【化24】
【0053】
(図中G1〜G6は任意の置換基を表し、Yは電子吸引性基を示す。)
G1〜G6として好ましくは、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アリール基、アラルキル基、アシルアミノ基、およびアルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0054】
前記一般式[II]において、環Aは>C=Oと共に炭素環式ケトン構造または複素環式ケトン構造を表す。炭素環式ケトン、複素環式ケトンとは、不飽和または芳香環系の環内の−CH2−や=CH−が、>C=Oに置き換わったものである。また点線で示した環Aの環構造部にも、複数の>C=O、>C=Sや>C=NH等を有していてもよい。
環Aが形成する炭素環式ケトン構造や複素環式ケトン構造は、飽和でも不飽和でもよく、環の員数も特に問わない。また複素環においてはヘテロ原子の数も特に問わない。また環内の炭化水素基部や環を構成する−NH−の水素原子は、任意の置換基(特にアルキル基やアリール基が好ましい)で置換されていてもよい。
これらの炭素環式ケトン構造や複素環式ケトン構造は、環の一部に更なる環が縮合して、縮合環構造を形成してもよい。該環式ケトン構造に縮合する環構造は、炭化水素環、複素環を問わないが、好ましくは、ベンゼン環または5〜6員環の複素芳香環である。
以下に、該環式ケトンが示す構造を図示する。
【0055】
【化25】
【0056】
環Aが形成する炭素環式ケトン構造と複素環式ケトン構造の好ましい例としては、5〜6員環の飽和炭化水素環、5〜6員環の飽和または不飽和の複素環のものである。
一般式[I]、[II]で表される化合物は、その分子量が、好ましくは1000以下、特に好ましくは700以下の化合物である。
一般式[I]、[II]で表される化合物の好ましい例として下記のものが挙げられる。
【0057】
【化26】
【0058】
【化27】
【0059】
【化28】
【0060】
【化29】
【0061】
これら本発明の上記一般式[I],[II]で示される化合物からなる色素は、例えば該色素を含む溶液から記録層の成膜を形成する際の、薄膜形成性に優れているので、光学記録媒体の記録層に使用する色素として極めて有用である。また本発明の色素は、該色素を含有する記録層がより短い波長(350nm〜500nm)領域にレーザー光による記録再生に適した強度の吸収を有しているため、短波長レーザーに対応する記録再生用光学記録媒体に使用する色素として、極めて有用である。
【0062】
本発明の光学記録媒体は、基本的には基板と前記色素化合物を含む記録層とから構成されるものであるが、さらに必要に応じて基板上に下引き層、反射層、保護層等を設けても良い。
好ましい層構成の一例としては、基板上に記録層を設け、該記録層上に金、銀、アルミニウムのような金属反射層および保護層を設けた高反射率の媒体が挙げられる。以下、この構造の媒体を例に、本発明の光学記録媒体について説明する。
【0063】
本発明の光学記録媒体における基板の材質としては、基本的には記録光及び再生光の波長に対し透明であればよい。
このような材質としては、例えばアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に非晶質ポリオレフィン)、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂からなるもの、ガラスからなるもの、ガラス上に光硬化性樹脂等の放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設けたもの等を使用することができる。
【0064】
高生産性、コスト、耐吸湿性などの点からは、射出成型ポリカーボネートが好ましく、耐薬品性、耐吸湿性などの点からは、非晶質ポリオレフィンが好ましい。また高速応答などの点からは、ガラス基板が好ましい。
記録層に接して樹脂基板または樹脂層を設け、その樹脂基板または樹脂層上に記録再生光の案内溝やピットを有していてもよい。案内溝がスパイラル状の場合、この溝ピッチが0.2〜1.2μm程度であることが好ましい。
【0065】
基板上、または必要に応じて下引き層を設けた上に、本発明の化合物を含む記録層を形成する。
記録層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等一般に行われている薄膜形成法が挙げられる。量産性、コスト面からはスピンコート法が好ましい。また、厚みの均一な記録層が得られるという点からは、塗布法よりも真空蒸着法等の方が好ましい。
スピンコート法による成膜の場合、回転数は500〜15000rpmが好ましく、スピンコートの後、場合によっては加熱あるいは溶媒蒸気にあてる等の処理を行っても良い。
【0066】
ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等の塗布方法により記録層を形成する場合の塗布溶媒としては、基板を侵さない溶媒であればよく、特に限定されない。例えば、ジアセトンアルコール、3-ヒドロキシ-3-メチル-2-ブタノン等のケトンアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;n-ヘキサン、n-オクタン等の鎖状炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、n-ブチルシクロヘキサン、tert-ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の環状炭化水素系溶媒;テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール、ヘキサフルオロブタノール等のフルオロアルキルアルコール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒;2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール等のアミノ置換アルコール系溶媒等が挙げられる。
【0067】
真空蒸着法の場合は、例えば本発明の化合物と、必要に応じて他の色素や各種添加剤等の記録層成分を、真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-2〜10-5Pa程度にまで排気した後、るつぼを加熱して記録層成分を蒸発させ、るつぼと向き合って置かれた基板上に蒸着させることにより、記録層を形成する。
【0068】
また、記録層は、記録層の安定や耐光性向上のために、一重項酸素クエンチャーとして遷移金属キレート化合物(例えば、アセチルアセトナートキレート、ビスフェニルジチオール、サリチルアルデヒドオキシム、ビスジチオ−α-ジケトン等)等や、記録感度向上のために金属系化合物等の記録感度向上剤を含有していても良い。ここで金属系化合物とは、遷移金属等の金属が原子、イオン、クラスター等の形で化合物に含まれるものを言い、例えばエチレンジアミン系錯体、アゾメチン系錯体、フェニルヒドロキシアミン系錯体、フェナントロリン系錯体、ジヒドロキシアゾベンゼン系錯体、ジオキシム系錯体、ニトロソアミノフェノール系錯体、ピリジルトリアジン系錯体、アセチルアセトナート系錯体、メタロセン系錯体、ポルフィリン系錯体のような有機金属化合物が挙げられる。金属原子としては特に限定されないが、遷移金属であることが好ましい。
【0069】
さらに、必要に応じて他系統の色素を併用することもできる。他系統の色素としては、主として記録用のレーザー波長域に適度な吸収を有するものであればよく、特に制限されない。また、CD-Rのような770〜830nmから選ばれた波長の近赤外レーザーやDVD-Rのような620〜690nmから選ばれた赤色レーザーでの記録に適する色素を併用して、複数の波長域でのレーザー光による記録に対応する光学記録媒体とすることもできる。
他系統の色素としては含金属アゾ系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、シアニン系色素、アゾ系色素、スクアリリウム系色素、含金属インドアニリン系色素、トリアリールメタン系色素、メロシアニン系色素、アズレニウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、キサンテン系色素、オキサジン系色素、ピリリウム系色素等が挙げられる。
【0070】
さらに、必要に応じて、バインダー、レベリング剤、消泡剤等を併用することもできる。好ましいバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケトン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられる。
記録層の膜厚は、記録方法などに応じて適した膜厚が異なる為、特に限定するものではないが、通常50〜300nmである。
【0071】
記録層の上には、反射層を形成してもよく、その膜厚は好ましくは、厚さ50〜300nmである。反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Cr及びPdの金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。この中でもAu、Al、Agは反射率が高く反射層の材料として適している。これらを主成分とする以外に他成分として下記のものを含んでいても良い。他成分の例としては、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi、Nd、Ta、Ti、Pt、Pdなどの金属及び半金属を挙げることができる。なかでもAgを主成分としているものはコストが安い点、高反射率が出やすい点、更に後で述べる印刷受容層を設ける場合には地色が白く美しいものが得られる点等から特に好ましい。ここで主成分とは含有率が50%以上のものをいう。
【0072】
金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
反射層を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、基板の上や反射層の下に反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系または有機系の中間層、接着層を設けることもできる。
反射層の膜厚は通常40〜200nm程度である。
【0073】
反射層の上に形成する保護層の材料としては、反射層を外力から保護するものであれば特に限定されない。有機物質の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げることができる。また、無機物質としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、MgF2、SnO2等が挙げられる。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、これを塗布、乾燥することによって形成することができる。UV硬化性樹脂は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって形成することができる。UV硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのアクリレート系樹脂を用いることができる。これらの材料は単独であるいは混合して用いても良いし、1層だけではなく多層膜にして用いても良い。
【0074】
保護層の形成方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピンコート法が好ましい。
保護層の膜厚は、一般に0.1〜100μmの範囲であるが、本発明においては、3〜30μmが好ましい。
【0075】
以上の説明は、基板/記録層/反射層/保護層の順に積層された基本的層構成を有し、該基板を通して照射されたレーザー光により記録・再生を行う光学記録媒体を例に行ったが、本発明の特性を損なわない限り、これら各層の間には任意の層を有していてもよい。
また保護層の上に、あるいは保護層を設けず反射層の上に、接着剤層などを介して更に基板を貼り合わせてもよい。該基板は、何ら層を設けていない基板そのものであっても良く、貼り合わせ面またはその反対面に任意の層を有するものでもよい。少なくとも記録層を有する基板を2枚用意し、該記録層が対向するように貼り合わせることにより、両面につき記録・再生可能な光学記録媒体としてもよい。
【0076】
更に、本発明の光学記録媒体は、基板/反射層/記録層/保護被膜を順次積層してなる基本的層構成を有し、該保護被膜を通して照射されたレーザー光により記録・再生を行うものであってもよい。この保護被膜は、フィルムないしシート状のものを接着剤によって貼り合わせてもよいし、あるいは前述の保護層と同様に、成膜用の塗液を塗布することにより形成しても良い。このような基本的層構成の場合も、上記各層間には、本発明の特性を損なわない限り、任意の層を有していてもよい。
【0077】
ところで、光学記録媒体の記録密度を上げるための一つの手段として、対物レンズの開口数を上げて情報記録面に集光される光スポットを微少化することが提案されているが、対物レンズの開口数を上げるとディスクの反り等の影響により集光される光スポットの収差が大きくなり、良好な記録再生信号が安定して得られないという問題が存在する。
このような、媒体の反りによって発生する前記収差を小さくするためには、例えば基板/記録層/反射層/保護層の順に積層された基本的層構成を有し、記録・再生用レーザー光が通過する透明基板の厚みを、0.1mm程度まで薄くするか、基板/反射層/記録層/保護被膜を順次積層してなる光学記録媒体に対し、保護被膜を通して記録・再生することが好ましい。保護被膜の厚みは、通常0.1μm〜0.3mm程度、好ましくは0.1μm〜200μm程度である。
上記いずれの順に積層した媒体においても、必要に応じて、記録・再生光の入射面ではない面に、インクジェット、感熱転写等の各種プリンタ、或いは各種筆記具にて記入(印刷)が可能な印刷受容層を設けてもよい。
【0078】
本発明の光学記録媒体について使用されるレーザー光は、高密度記録のため波長は短いほど好ましいが、特に350〜530nmのレーザー光が好ましい。かかるレーザー光の代表例としては、中心波長405nm、410nm、515nmのレーザー光が挙げられる。
波長350〜530nmの範囲のレーザー光の一例は、405nm、410nmの青色または515nmの青緑色の高出力半導体レーザーを使用することにより得ることができるが、その他、例えば、(a)基本発振波長が740〜960nmの連続発振可能な半導体レーザー、または(b)半導体レーザーによって励起され、且つ基本発振波長が740〜960nmの連続発振可能な固体レーザーのいずれかを第二高調波発生素子(SHG)により波長変換することによっても得ることができる。
【0079】
上記のSHGとしては、反転対称性を欠くピエゾ素子であればいかなるものでもよいが、KDP、ADP、BNN、KN、LBO、化合物半導体などが好ましい。第二高調波の具体例としては、基本発振波長が860nmの半導体レーザーの場合、その倍波の430nm、また半導体レーザー励起の固体レーザーの場合は、CrドープしたLiSrAlF6結晶(基本発振波長860nm)からの倍波の430nmなどが挙げられる。
【0080】
上記のようにして得られた本発明の光学記録媒体への記録は、基板の両面または片面に設けた記録層に0.4〜0.6μm程度に集束したレーザー光を照射することにより行う。レーザー光の照射された部分には、レーザー光エネルギーの吸収による分解、発熱、溶解等の記録層の熱的変形が起こり、光学特性が変化する。
記録された情報の再生は、レーザー光により、光学特性の変化が起きている部分と起きていない部分の反射率の差を読みとることにより行う。
【0081】
【実施例】
以下本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例によって限定されるものではない。
[合成例]
前記一般式[I]、[II]で示される化合物の合成法は特に限定されるものではないが、一般的な製法としては、Tetrahedron,Vol.23(1967),p901やJ. Indian Chem. Soc., Vol.67(1990),p490に記載されているように、イサチン誘導体を、活性メチレンを有する化合物と反応させることによって得られることが知られている。
【0082】
実施例1
(a)製造例
イサチン2.94g(20mmol)とシアノ酢酸エチルエステル2.49g(22mmol)をエタノール20mlに攪拌溶解させ、ピペリジン2滴を加え、油浴中で4時間還流した。反応溶液は室温まで冷却後、析出した固体を濾過して、固形物を濾別し、例示化合物(1)で表される化合物3.93g(収率81.1%)が得られた。
この化合物のクロロホルム中での最大吸収波長(λmax)は338.5nm、モル吸光係数は11,100であった。
【0083】
(b)記録媒体例
前述の例示化合物(1)をオクタフルオロペンタノールに溶解し、1.0wt%に調製した。これをろ過してできた溶解液を直径120mm、厚さ1.2mmの射出成型ポリカーボネート樹脂基板上に滴下し、スピナー法により塗布し、塗布後、100℃で30分間乾燥した。この塗布膜の最大吸収波長(λmax)は、339.0nmであった。
【0084】
実施例2
(a)製造例
5−ニトロイサチン1.92g(10mmol)とシアノ酢酸エチルエステル1.24g(11mmol)をエタノール10mlに攪拌溶解させ、ピペリジン1滴を加え、油浴中で4時間還流した。反応溶液は室温まで冷却後、析出した固体を濾過して、固形物を濾別し、例示化合物(2)で表される化合物2.14g(収率74.5%)が得られた。
この化合物のクロロホルム中での最大吸収波長(λmax)は307.0nm、モル吸光係数は21,300であった。
【0085】
(b)記録媒体例
前述の例示化合物(2)をオクタフルオロペンタノールに溶解し、1.0wt%に調製した。これをろ過してできた溶解液を直径120mm、厚さ1.2mmの射出成型ポリカーボネート樹脂基板上に滴下し、スピナー法により塗布し、塗布後、100℃で30分間乾燥した。この塗布膜の最大吸収波長(λmax)は、308nmであった。
【0086】
実施例3
(a)製造例
前述の例示化合物(2)2.42g(10mmol)を無水酢酸10mlに加え、この溶液を油浴中4時間還流し、室温まで冷却後、水100ml中に滴下した。析出した固体を濾別し、例示化合物(4)で表される化合物2.45g(収率86%)を得た。
この化合物のクロロホルム中での最大吸収波長(λmax)は341.5nm、モル吸光係数は10,300であった。
【0087】
(b)記録媒体例
前述の例示化合物(4)をオクタフルオロペンタノールに溶解し、1.0wt%に調製した。これをろ過してできた溶解液を直径120mm、厚さ1.2mmの射出成型ポリカーボネート樹脂基板上に滴下し、スピナー法により塗布し、塗布後、100℃で30分間乾燥した。この塗布膜の最大吸収波長(λmax)は、342.0nmであった。
【0088】
実施例4
(a)製造例
イサチン2.94g(20mmol)とマロノニトリル1.45g(22mmol)をエタノール20mlに攪拌溶解させ、ピペリジン2滴を加え、油浴中で4時間還流した。反応溶液は室温まで冷却後、析出した固体を濾過して、固形物を濾別し、例示化合物(3)で表される化合物3.78g(収率96.8%)が得られた。
この化合物のクロロホルム中での最大吸収波長(λmax)は351.0nm、モル吸光係数は13,200であった。
【0089】
(b)記録媒体例
前述の例示化合物(3)を乳酸メチルに溶解し、2.0wt%に調製した。これをろ過してできた溶解液を直径120mm、厚さ1.2mmの射出成型ポリカーボネート樹脂基板上に滴下し、スピナー法により塗布し、塗布後、100℃で30分間乾燥した。この塗布膜の最大吸収波長(λmax)は、351.0nmであった。
【0090】
実施例5
(a)製造例
前述の例示化合物(4)1.95g(10mmol)を無水酢酸10mlに加え、この溶液を油浴中4時間還流し、室温まで冷却後、水100ml中に滴下した。析出した固体を濾別し、例示化合物(5)で表される化合物1.98g(収率83.5%)を得た。
この化合物のクロロホルム中での最大吸収波長(λmax)は358.0nm、モル吸光係数は13,100であった。
【0091】
(b)記録媒体例
前述の例示化合物(5)をオクタフルオロペンタノールに溶解し、1.0wt%に調製した。これをろ過してできた溶解液を直径120mm、厚さ1.2mmの射出成型ポリカーボネート樹脂基板上に滴下し、スピナー法により塗布し、塗布後、100℃で30分間乾燥した。この塗布膜の最大吸収波長(λmax)は、371.0nmであった。
【0092】
上記の如く調製したこの塗布膜上に、例えばスパッタリング法等にて銀膜を成膜して反射層を形成し、更に紫外線硬化型樹脂をスピンコート等にて塗布・UV照射により硬化させて保護層を形成し、光学記録媒体とすることができる。この光学記録媒体は、塗布膜のλmaxの値より、350nm〜530nmのレーザー、例えば中心波長405nmの半導体レーザーによる記録再生が可能であることが明らかである。
【0093】
【発明の効果】
本発明の色素化合物を含有する溶液は、短波長のレーザー光による記録・再生に適した吸収を有する塗布膜を形成することが出来、且つ成膜性にも優れているので、本発明化合物を用いた記録層を有する記録媒体は、短波長レーザーに対応する記録・再生用光学記録媒体として有用である。
Claims (12)
- 基板上にレーザーによる情報の記録又は再生が可能な記録層が設けられた光学記録媒体において、該記録層が下記一般式[I]で示される化合物を含有することを特徴とする光学記録媒体。
- 一般式 [ I ] において、R 1 〜R 4 は水素原子または任意の置換基を表し、X 2 は水素原子または−Q−Yを表し(Qは直接結合を表し、Yは電子吸引性基を表す。)、R 5 は水素原子又は−COR 9 (R 9 は置換されてもよい炭化水素基または置換されてもよい複素環基を表す。)を表すことを特徴とする請求項1に記載の光学記録媒体。
- 一般式[I]において、電子吸引性基X1及びYが各々独立にハロゲン置換アルキル基、シアノ基、ニトロ基、−CO−R10(R10は置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基を表す。)、−COOR11(R11は水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基を表す)、−CONR12R13[R12,R13は各々独立に水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基、置換されてもよいアミノ基、置換されてもよいアシルアミノ基、置換されてもよいカーバメート基、−COR14、−COOR15(R14,R15は任意の置換基)を表す。]、−SOR16(R16は置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基を表す。)−SO2R17(R17は置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基を表す。)−SO2NR18R19(R18,R19は各々独立に、水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基を表す。)を表し、Qは直接結合、フェニレン基、又は5〜6員環のヘテロアリーレン基(該フェニレン基および該5〜6員環のへテロアリーレン基は、Y以外に置換基を有していてもよい。)を表すことを特徴とする請求項1または2に記載の光学記録媒体。
- 一般式[I]において、R1〜R4が各々独立に、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数3〜18の環状アルキル基、置換されてもよい炭素数2〜18の直鎖または分岐のアルケニル基、置換されてもよい炭素数3〜18の環状アルケニル基、置換されてもよい複素環基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜24のアラルキル基、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルコキシ基、置換されてもよい炭素数3〜18の直鎖または分岐のアルケニルオキシ基、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキルチオ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、メルカプト基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアミノ基、スルホン酸基、ホルミル基、カルボキシル基、−COR20で表されるアシル基、−NR21R22で表されるアミノ基、−NHCOR23で表されるアシルアミノ基、−NHCOOR24で表されるカーバメート基、−COOR25で表されるカルボン酸エステル基、−OCOR26で表されるアシルオキシ基、−CONR27R28で表されるカルバモイル基、−SO2R29で表されるスルホニル基、−SO2NR30R31で表されるスルファモイル基、−SO3R32で表されるスルホン酸エステル基、−NHSO2R33で表されるスルホンアミド基を表し(R20、R23,R24,R25,R26、R29,R32、R33は置換されてもよい炭化水素基、または置換されてもよい複素環基を表し、R21、R22,R27,R28,R30,R31は水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基のいずれかを表す。)、R1とR2、R2とR3、R3とR4が各々独立に結合して、置換されていてもよい5〜7員環の炭化水素環、あるいは置換されていてもよい5〜6員環の複素環を形成していてもよいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学記録媒体。
- 一般式[I]において、R1〜R4が各々独立に、置換されてもよい炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数3〜18の環状アルキル基、置換されてもよい炭素数2〜12の直鎖または分岐のアルケニル基、5〜6員環の飽和複素環基、5〜6員環の単環または2縮合環の複素芳香環基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルコキシ基、置換されてもよい炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキルチオ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、−COR20で表されるアシル基、−NR21R22で表されるアミノ基、−NHCOR23で表されるアシルアミノ基、−NHCOOR24で表されるカーバメート基、−COOR25で表されるカルボン酸エステル基、−OCOR26で表されるアシルオキシ基、−CONR27R28で表されるカルバモイル基、−NHSO2R33で表されるスルホンアミド基を表し(但し、R20、R23,R24,R25,R26、R33、R21、R22,R27,R28は請求項4におけると同義を表す。)、R1とR2、R2とR3、R3とR4が各々独立に結合して、置換されていてもよい5〜7員環の炭化水素環、あるいは置換されていてもよい5〜6員環の複素環を形成していてもよいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学記録媒体。
- 一般式[I]において、R5が水素原子、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数3〜18の環状アルキル基、置換されてもよい炭素数6〜24のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、−NR7R8(R7,R8は各々独立して水素原子、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数6〜24のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい複素環基を表す。)、−COR9(R9は置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数6〜24のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい複素環基を表す。)を表すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学記録媒体。
- 基板上にレーザーによる情報の記録又は再生が可能な記録層が設けられた光学記録媒体において、該記録層が下記一般式[II]で表される化合物を含有することを特徴とする光学記録媒体。
- 一般式[II]において、環Aが置換されてもよい5〜6員環の炭素環式ケトン環、または置換されていてもよい5〜6員環の複素環式ケトン環であることを特徴とする請求項7に記載の光学記録媒体。
- 一般式[II]において、R1〜R4が各々独立に、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数3〜18の環状アルキル基、置換されてもよい炭素数2〜18の直鎖または分岐のアルケニル基、置換されてもよい炭素数3〜18の環状アルケニル基、置換されてもよい複素環基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜24のアラルキル基、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルコキシ基、置換されてもよい炭素数3〜18の直鎖または分岐のアルケニルオキシ基、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキルチオ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、メルカプト基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアミノ基、スルホン酸基、ホルミル基、カルボキシル基、−COR20で表されるアシル基、−NR21R22で表されるアミノ基、−NHCOR23で表されるアシルアミノ基、−NHCOOR24で表されるカーバメート基、−COOR25で表されるカルボン酸エステル基、−OCOR26で表されるアシルオキシ基、−CONR27R28で表されるカルバモイル基、−SO2R29で表されるスルホニル基、−SO2NR30R31で表されるスルファモイル基、−SO3R32で表されるスルホン酸エステル基、−NHSO2R33で表されるスルホンアミド基を表し(R20、R23,R24,R25,R26、R29,R32、R33は置換されてもよい炭化水素基、または置換されてもよい複素環基を表し、R21、R22,R27,R28,R30,R31は水素原子、置換されてもよい炭化水素基、置換されてもよい複素環基のいずれかを表す。)、R1とR2、R2とR3、R3とR4が各々独立に結合して、置換されていてもよい5〜7員環の炭化水素環、あるいは置換されていてもよい5〜6員環の複素環を形成していてもよいことを特徴とする請求項7または8に記載の光学記録媒体。
- 一般式[II]において、R1〜R4が各々独立に、置換されてもよい炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数3〜18の環状アルキル基、置換されてもよい炭素数2〜12の直鎖または分岐のアルケニル基、5〜6員環の飽和複素環基、5〜6員環の単環または2縮合環の複素芳香環基、置換されてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルコキシ基、置換されてもよい炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキルチオ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、−COR20で表されるアシル基、−NR21R22で表されるアミノ基、−NHCOR23で表されるアシルアミノ基、−NHCOOR24で表されるカーバメート基、−COOR25で表されるカルボン酸エステル基、−OCOR26で表されるアシルオキシ基、−CONR27R28で表されるカルバモイル基、−NHSO2R33で表されるスルホンアミド基を表し(但し、R20、R23,R24,R25,R26、R33、R21、R22,R27,R28は請求項4におけると同義を表す。)、R1とR2、R2とR3、R3とR4が各々独立に結合して、置換されていてもよい5〜7員環の炭化水素環、あるいは置換されていてもよい5〜6員環の複素環を形成していてもよいことを特徴とする請求項7または8に記載の光学記録媒体。
- 一般式[II]において、R5が水素原子、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数3〜18の環状アルキル基、置換されてもよい炭素数6〜24のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、−NR7R8(R7,R8は各々独立して水素原子、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数6〜24のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい複素環基を表す。)、−COR9(R9は置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、置換されてもよい炭素数6〜24のアリール基、置換されてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換されてもよい複素環基を表す。)を表すことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載の光学記録媒体。
- 波長が350nm〜530nmのレーザー光を用い、請求項1〜11に記載の光学記録媒体に対して情報の記録を行うことを特徴とする光学記録方法。
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