JP2002110489A - 半導体装置の回路特性のシミュレータ、及び、シミュレート方法 - Google Patents

半導体装置の回路特性のシミュレータ、及び、シミュレート方法

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JP2002110489A JP2000292770A JP2000292770A JP2002110489A JP 2002110489 A JP2002110489 A JP 2002110489A JP 2000292770 A JP2000292770 A JP 2000292770A JP 2000292770 A JP2000292770 A JP 2000292770A JP 2002110489 A JP2002110489 A JP 2002110489A
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哲哉 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体装置の製造プロセスの変動による回路
特性の変動を高精度かつ高速に予測するシミュレート方
法を提供する。 【解決手段】 半導体装置の製造プロセスの変動の度数
分布を入力する。この変動によってこの半導体装置を構
成するデバイスの特性の最も変動した第1の特性値をモ
ンテカルロ解析で求める。そして、このデバイスの特性
のワーストケースの第2の特性値を第1の特性値に一致
させるように、製造プロセスの変動幅を決定する。最後
に、この変動幅に基づいて、この半導体装置の回路特性
のワーストケースの第3の特性値を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSI等の半導体
装置の回路設計に関し、特にプロセスの変動に起因した
回路特性変動の予測に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置、特に、LSI製品にとって
量産初期の段階から高い歩留まりを確保することは、コ
スト削減とTAT短縮の両面から極めて重要である。こ
の歩留りは回路特性の変動によって左右される。そし
て、回路特性に変動をもたらす要因が、製造プロセス変
動である。もしも製造プロセスが全く変動しなければ回
路特性は変動せず、回路の最適化さえ行えば、常に10
0%の歩留りを達成できる。しかし現実には、製造プロ
セス変動を完全に除去することは原理的に不可能であ
る。
【0003】高歩留りを得るためには、製造プロセスの
変動による回路特性の変動を高精度に予測し、その予測
結果を基にして回路を最適化する必要がある。
【0004】図12は、従来の半導体装置の回路特性の
シミュレート方法のフローチャートである。まず、ステ
ップS11に示すように、半導体装置の製造プロセスの
変動幅を入力する。次に、ステップS12に示すよう
に、プロセス変動のワーストケース解析を行う。この解
析により半導体装置を構成する個々のデバイスの電気的
特性の変動幅が求められる。次に、ステップS13に示
すように、デバイスの電気的特性の変動幅に基づいて半
導体装置の電気回路のワーストケース解析を行う。この
解析により回路特性の変動が求められる。
【0005】今日のLSI等の半導体装置の主流はCM
OS(Complementary−Oxide−Me
tal−Semiconducor)であるため、CM
OSについて記述する。CMOSとは、n型MOSトラ
ンジスタ(nFET)とp型MOSトランジスタ(pF
ET)を相補的(Complementary)に組み
合わせて回路を構成する技術である。従って、LSI回
路は、nFETとpFETを基本素子とし、これらの素
子の複合体として構成されている。このことから明らか
なように、回路特性が変動する要因は、デバイス特性
(nFETとpFETの電気的特性)が変動するからで
あり、更に、デバイス特性が変動する要因は、製造時に
おけるnFETとpFETのプロセス変動(プロセスパ
ラメータ値の変動)が存在するからである。ここでデバ
イス特性とは、nFETとpFETの電気的特性、例え
ば、しきい値電圧値や飽和電流値のことである。回路特
性とは、いわゆる回路スペックといわれるような、回路
の伝播遅延時間、アクセスタイム、周波数、消費電力等
のことである。
【0006】図13に示すようなnFETとpFETに
おいて、デバイス特性を決定する重要なプロセスパラメ
ータは、ゲート長(L)、ゲート酸化膜厚(Tox)と
チャネル不純物濃度(Nch)の3つである。そこで、
図12のステップS11に示すように、プロセスの変動
幅として、ゲート長(L)の変動幅(ΔL)、ゲート酸
化膜厚(Tox)の変動幅(ΔTox)とチャネル不純
物濃度(Nch)の変動幅(ΔNch)の3つを入力す
る。
【0007】次に、ステップS12に示すように、プロ
セス変動のワーストケース解析を行う。プロセス変動に
起因した回路特性変動を予測する方法として、従来より
ワーストケース解析が用いられている。ワーストケース
解析の基本的な考え方は、「プロセス変動のワーストケ
ースがデバイス特性のワーストケースを与え、このデバ
イス特性のワーストケースが回路特性のワーストケース
を与える」というものである。このことは、プロセス変
動のワーストケースさえ分かれば、デバイス特性と回路
特性の変動が予測可能であることを意味する。そのため
最初に、プロセス変動のワーストケースを求めておく必
要がある。
【0008】プロセス変動のワーストケースは、各プロ
セスパラメータ(L,Tox,Nch)の最小値又は最
大値を組み合わせることで実現できる。一般に、プロセ
スパラメータの変動は、ノミナル値(変動量ゼロのとき
のプロセスパラメータ値)に対して左右対称なガウス分
布となる。プロセスパラメータPに関するガウス分布の
ノミナル値をP0、標準偏差をσとするとき、統計学に
おける3σの法則によれば、プロセスパラメータPの変
動値がP0±3σ以内に収まる確率は99.7%であ
る。従って、プロセスパラメータPの最小値はP0−3
σ、最大値はP0+3σと実質的に考えて良い。従来技
術におけるワーストケース解析では、各プロセス変動の
最大値と最小値として、それぞれ+3σ、−3σの変動
量を常に用いる。つまり、ゲート長(L)、ゲート酸化
膜厚(Tox)、チャネル不純物濃度(Nch)が持つ
ガウス分布のノミナル値と標準偏差を各々、(L0,σ
)、(T0,σΥ)、(N0,σ)とするとき、各
プロセスパラメータの最小値と最大値は各々、(L0−
3σ,L0+3σ)、(T0−3σ、T0+3σ
)、(N0−3σ、N0+3σ)である。
【0009】2つのプロセス変動量ΔL、及び、ΔTo
xは各々、同一チップ内で一律共通な変動量を持つ。こ
れに対して変動量ΔNchは、同一チップ内であって
も、nFETとpFETでは全く独立な変動量を持つ。
つまり、CMOS回路においては、nFETのチャネル
不純物濃度変動(ΔNch(nFET))と、pFET
のチャネル不純物濃度変動(ΔNch(pFET))と
を、互いに独立に取り扱う必要がある。従って、デバイ
ス特性変動、及び、回路特性変動を予測するために考慮
すべきプロセス変動としては、ΔL、ΔTox、ΔNc
h(nFET)とΔNch(pFET)の4種類を用い
れば良い。
【0010】以上により、従来技術におけるワーストケ
ース解析では、図14に示されるように、4種類の各プ
ロセスの変動量の最大値(+)と最小値(−)を組合わ
せた16個のケース(2=16通り)に対して、デバ
イス特性と回路特性をそれぞれ計算し、16個のケース
の中からワーストケースを選択する。具体的には、ノミ
ナル条件に対応するノミナルSpiceモデル(回路シ
ミュレーションで使用される入力パラメータセット)に
対して、図14に示されるプロセス変動(Case=1
〜16)を与える。つまり、ノミナルSpiceパラメ
ータP0に対し、変動量ΔPを加算して、P=P0+Δ
Pとすることにより、新たなコーナーSpiceモデル
Pを生成する。これにより、16通りのコーナーSpi
ceモデルを生成し、16通りのそれぞれについてデバ
イス特性と回路特性のシミュレーションを実行する。
【0011】しかし、こうして得られたデバイス特性や
回路特性は、半導体装置の実測値と比べて一致しないこ
とがあった。すなわち、シミュレーション上は取りうる
特性値であっても、実測上は測定されない値であること
があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
この不一致はデバイス特性のワーストケース解析の精度
が悪いためであると考え、デバイス特性のプロセス変動
による分散特性が精度良く計算できるモンテカルロ解析
と比較した。
【0013】図15は、図14に示される各Case
が、デバイス特性としてのIdr散布図上のどこに位置
するかを、□印で示したものである。横軸はnFETの
ドライブ電流(Idr(nFET))であり、縦軸はp
FETのドライブ電流の絶対値(|Idr(pFET)
|)である。図15は、図14中の+が全て+3σの変
動幅の場合を示しており、−が全て−3σの変動幅の場
合である。
【0014】ワーストケース解析に対するレファレンス
として、モンテカルロ解析による回路シミュレーション
から得られる厳密なIdr散布図を×印同士を結んで形
成される楕円形で示した。モンテカルロ解析によるとI
dr値はこの楕円形の内側の値しか取らない。この右上
がりの×印から成る楕円は、4種類のプロセス変動(Δ
L,ΔTox,ΔNch(nfet)、ΔNch(pf
et))に対して、それぞれ独立なガウス分布を与え、
回路シミュレーションにより2000回のモンテカルロ
計算を実行した結果、得られた散布図の外周である。こ
のようにIdr散布図が右上がりの楕円形を示すことか
ら、Idr(nfet)と|Idr(pfet)|は強
い正の相関があることが分かる。また、各図の楕円中心
からやや左下に位置する十字の矢印14と17は、Id
r(nfet)のノミナル値(縦矢印17)と|Idr
(pfet)|のノミナル値(横矢印14)を意味して
いる。
【0015】なお、モンテカルロ解析でも回路特性の変
動幅はわかるにも関わらず、ワーストケース解析を行う
のは、解析時間が極めて長いためである。比較的小規模
な回路(<数1000素子)であれば、シミュレーショ
ン時間を要しないため、デバイス特性と同様に、回路特
性に関してもモンテカルロ解析を用いて直接、その変動
を求めても良い。しかし、大規模回路(数1000〜数
10,000素子)の場合には、1回のシミュレーショ
ン時間が数時間を要することがあるため、例えば200
0回のモンテカルロ解析を適用することは、計算効率
上、現実的でない。この解析時間は、開発スピードが要
求される半導体装置の開発には致命的であり、モンテカ
ルロ解析は適用できない。
【0016】両解析結果を比較すると、ワーストケース
解析の結果である□印の中には、モンテカルロ解析によ
る厳密な楕円形のIdr散布図から大きく外れている□
印が存在することが分かる。これが従来技術におけるワ
ーストケース解析の致命的な問題点と成っていると考え
られた。すなわち、プロセス変動が各プロセスパラメー
タに対して各々、±3σの変動幅を持つことは正しい。
しかし、各プロセスパラメータの変動量の絶対値が同時
に全て3σとなる確率は極めて低く、現実にはそのよう
なケースがほとんど発生しない場合がある。そのため図
15に見るように、過剰な(over−estimat
eな)予測結果が得られてしまうと考えられた。これ
が、従来技術におけるワーストケース解析の図12のフ
ローチャートの手法が実状に合わない理由である。
【0017】上記の過剰な予測結果から、それに対応す
るコーナーSpiceモデルを求め、そのコーナーSp
iceモデルを用いて回路特性のワーストケースを予測
する。この場合、過剰な予測結果はさらに過剰な予測結
果を生むので、回路特性の予測の精度は全く保証されな
い。これが従来技術におけるワーストケース解析の問題
点である。即ち、従来技術によるワーストケース解析で
は、プロセス変動起因によるデバイス特性、及び、回路
特性の変動を高精度に予測することが不可能である。
【0018】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、半導体装置の製造プ
ロセスの変動による回路特性の変動を高精度かつ高速に
予測する半導体装置の回路特性のシミュレータを提供す
ることにある。
【0019】また、本発明の目的は、半導体装置の製造
プロセスの変動による回路特性の変動を高精度かつ高速
に予測する半導体装置の回路特性のシミュレート方法を
提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記問題点を
解決するための本発明の第1の特徴は、半導体装置の製
造プロセスの変動によって半導体装置を構成するデバイ
スの特性の最も変動した第1の特性値を求めるステップ
と、デバイスの特性のワーストケースの第2の特性値を
第1の特性値に一致させる製造プロセスの変動幅を決定
するステップと、この変動幅に基づいて半導体装置の回
路特性のワーストケースの第3の特性値を決定するステ
ップとを有する半導体装置の回路特性のシミュレート方
法にある。ここで、「ワーストケース」とは、製造プロ
セスの取りうる最大の変動が起きる場合のことである。
このことにより、半導体装置の回路特性のワーストケー
スの第3の特性値を高精度かつ高速に求めることができ
る。
【0021】本発明の第1の特徴は、第1の特性値を求
めるステップが、半導体装置の製造プロセスの変動の度
数分布を入力するステップと、この変動によって半導体
装置を構成するデバイスの特性の最も変動した第1の特
性値をモンテカルロ解析で求めるステップとを有するこ
とにより一層効果的である。このことにより、デバイス
の特性の最も変動した第1の特性値を高精度に求めるこ
とができる。
【0022】本発明の第1の特徴は、プロセスの変動幅
を決定するステップが、度数分布をガウス分布で近似し
σを求めるステップと、変動幅をこのσで規格化したσ
値に変換するステップとを有し、第3の特性値を決定す
るステップがσ値に基づいて第3の特性値を決定するこ
とにより一層効果的である。このことにより、製造プロ
セスの変動が複数あっても、σ値1つで第2の特性値が
算出できるので、この算出の高速化が可能である。
【0023】本発明の第1の特徴は、プロセスの変動幅
が式1の関数Fの値が極小値となる条件により決定する
ことにより一層効果的である。
【0024】 F=[(x−x0)+(y−y0)1/2 ……式1 ここで、(x,y)及び(x0,y0)はそれぞれ、第
2の特性値と第1の特性値のデバイスの特性平面上の位
置である。このことにより、本発明のシミュレーション
方法の自動化が可能になる。
【0025】本発明の第1の特徴は、デバイスが、電界
効果トランジスタ(FET)であることにより一層効果
的である。このFETは半導体基板に同一構造で多数製
造することが可能であり、互いに接続することにより大
規模な回路を形成することができる。このことにより、
1つのFETについてのみ第2の特性値と第1の特性値
を求めればよいので、本発明のシミュレーション方法の
高速化が可能になる。
【0026】本発明の第1の特徴は、製造プロセスの変
動の物理量が、ゲート長とゲート酸化膜厚であることに
より一層効果的である。このことにより、デバイスの特
性に大きな影響を与える物理量のみを変動させるので、
本発明のシミュレーション方法の高速化が可能になる。
さらに、製造プロセスの変動の物理量にチャネル不純物
濃度と拡散層抵抗Rdsの少なくとも1つを加えること
により一層効果的である。このことにより、デバイスの
特性に比較的大きな影響を与える物理量をも変動させる
ので、本発明のシミュレーション方法の高精度化が可能
になる。
【0027】本発明の第1の特徴は、デバイスの特性
が、ドライブ電流としきい値電圧の少なくとも1つであ
ることにより一層効果的である。このことにより、ドラ
イブ電流やしきい値電圧に基づいて回路特性のアクセス
タイムや伝搬遅延時間等を算出することが可能になる。
【0028】本発明の第1の特徴は、回路特性が、アク
セスタイム、伝搬遅延時間、周波数と消費電力の少なく
とも1つであることにより一層効果的である。このこと
により、これらのアクセスタイム等をもとに回路やFE
Tのノミナル値の最適化が可能になる。
【0029】次に、本発明の第2の特徴は、半導体装置
の製造プロセスの変動の度数分布を入力する入出力部
と、この変動によって半導体装置を構成するデバイスの
特性で最も変動した第1の特性値を求めるモンテカルロ
解析部と、デバイスの特性のワーストケースの第2の特
性値を製造プロセスの変動幅の関数として求める第1の
ワーストケース解析部と、第2の特性値を第1の特性値
に一致させる変動幅を決定する算出部と、この変動幅に
基づいて半導体装置の回路特性のワーストケースの第3
の特性値を決定する第2のワーストケース解析部とを有
する半導体装置の回路特性のシミュレータにある。この
ことにより、半導体装置の回路特性のワーストケースの
第3の特性値を高精度かつ高速に求めることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の
実施の形態として半導体装置の回路特性のシミュレー
タ、及び、シミュレート方法について説明する。以下の
図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は
類似の符号を付している。また、図面は模式的なもので
あり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は
現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0031】図1は、本発明の実施の形態に係る半導体
装置の回路特性のシミュレータの構成図である。半導体
装置の回路特性のシミュレータは、演算部1と、記録部
6乃至9と、入出力部10とで構成される。演算部1、
記録部6乃至9と入出力部10はバス11で相互に接続
されている。演算部1は、プロセス変動のモンテカルロ
解析部2と、任意のσ値に対するプロセス変動のワース
トケース解析部3と、最大変動幅に対するσ値の算出部
4と、回路特性のワーストケース解析部5とを有してい
る。記録部6乃至9は、回路情報記録部6と、プロセス
変動幅記録部7と、デバイス特性の変動幅記録部8と、
回路特性の変動幅記録部9とを有している。
【0032】図2は、本発明の実施の形態に係る半導体
装置の回路特性のシミュレータを用いて行うシミュレー
ト方法のフローチャートである。
【0033】まず、ステップS1において、図1の入出
力部10から半導体装置の結線情報やFETの個数など
の回路規模等を入力し、これらを回路情報として回路情
報記録部6に記録する。さらに、プロセスの変動幅を入
出力部10から入力し、プロセス変動幅記録部7に記録
する。プロセスの変動幅としては、ゲート長(L)の変
動幅(ΔL)、ゲート酸化膜厚(Tox)の変動幅(Δ
Tox)とチャネル不純物濃度(Nch)の変動幅(Δ
Nch)の3つを取り上げる。なお、ゲート長(L)、
ゲート酸化膜厚(Tox)とチャネル不純物濃度(Nc
h)の度数分布はガウス分布となるので、それぞれの変
動幅はノミナル値から何σ離れているかを表すσ値で表
せる。そして、それぞれの変動幅は、σ値の関数として
表しておくと後のステップS5以降を実行し易い。な
お、σ値はそれぞれの変動幅毎に異なった値をとっても
よく、例えば、σ値としては、ノミナル値から大きくな
る方向と小さくなる方向とで同一の値を設定しても良い
し異なる値を設定しても良く、プロセスの特性に合わせ
て設定すればよい。同様に、ゲート長(L)、ゲート酸
化膜厚(Tox)とチャネル不純物濃度(Nch)とで
同一のσ値を設定しても良いしそれぞれに異なるσ値を
設定しても良い。異なるσ値を設定する場合は判別可能
なように扱えばよい。
【0034】次に、ステップS2において、半導体装置
の回路特性のモンテカルロ解析が可能か否かを判断す
る。可能な場合は、ステップS3の回路特性のモンテカ
ルロ解析を実行する。回路特性のモンテカルロ解析に要
する時間が長く成りすぎないことが判断基準となる。具
体的には回路を構成するFETの数等の回路規模の大小
が判断基準となる。なお、ステップS3の回路特性のモ
ンテカルロ解析においては、回路を構成する個々のFE
T等のデバイスについてステップS4のプロセス変動の
モンテカルロ解析を実行する。ステップS4のプロセス
変動のモンテカルロ解析は、図1のプロセス変動のモン
テカルロ解析部2において実行される。この解析によっ
て回路特性の変動が求まり本発明に係るシミュレート方
法を終了する。
【0035】ステップS2において回路特性のモンテカ
ルロ解析が不可能と判断した場合は、ステップS5とS
6を実行する。両ステップは並列処理をすることによっ
て本発明に係るシミュレート方法に要する時間の短縮が
できるが、どちらかを先に実行しても良い。
【0036】ステップS5において、σ値を変数として
プロセス変動のワーストケース解析を、デバイスについ
て、図1の任意のσ値に対するプロセス変動のワースト
ケース解析部3において実行する。半導体装置の回路は
同一構造の複数のFET等のデバイスを用いる。プロセ
ス変動の解析を同一構造のデバイスに対して行っても同
一の結果しか得られないので、異なる構造毎に1回ずつ
解析を行えばよい。例えば、回路内のnFETがすべて
同一の構造をしていれば、そのnFETについて1回解
析を行えばよい。
【0037】図3と図4は、CMOSFETについて、
変動量幅を変えて(σ値を変えて)プロセス変動に対す
る駆動電流IdrをFET毎にワーストケース解析で算
出した結果である。図3はσ値が±1σの場合であり、
ゲート長の変動幅(ΔL)、ゲート酸化膜厚の変動幅
(ΔTox)とチャネル不純物濃度の変動幅(ΔNc
h)を同一の±1σに設定している。また、ノミナル値
からの正方向と負方向への変動幅も+1σと−1σで等
しくした。一方、図4はσ値が±2σの場合である。さ
らに、前に説明した図15はσ値が±3σの場合に該当
する。
【0038】図14に示される各ケース(Case)1
乃至16が、デバイス特性としてのIdr散布図上のど
こに位置するかを□印で示した。1乃至16のケース番
号が、それぞれ図3、図4と図15のC1乃至C16に
対応する。図3、図4と図15の横軸はnFETに対す
るドライブ電流(駆動電流:Idr(nFET))、縦
軸はpFETに対するドライブ電流の絶対値(|Idr
(pFET)|)である。ここで、矢印14と17の交
点は、プロセス変動が無い場合のドライブ電流値を与え
るので、この交点から最も離れた□印がワーストケース
を与えることになる。これより、図3から、σ値が±1
σの場合は、ケースC1とC16がワーストケースとな
ることがわかる。図4のσ値が±2σの場合において
も、図15のσ値が±3σの場合においても、ケースC
1とC16がワーストケースとなる。
【0039】そして、デバイス特性の変動幅Wは、矢印
14と17の交点と、ケースC1又はC16の間の、グ
ラフ平面上の距離のことである。ワーストケースとなる
ケースC1とC16の駆動電流値や、デバイス特性の変
動幅Wは、図1のデバイス特性の変動幅記録部8に記録
される。図3、図4と図15についてこれらを比較し
た。ケースC1は、σ値が−1σ、−2σ、−3σと変
化するにつれて、Idr(nFET)と|Idr(pF
ET)|は減少することがわかった。ケースC16は、
σ値が1σ、2σ、3σと変化するにつれて、Idr
(nFET)と|Idr(pFET)|は増加すること
がわかった。
【0040】図5は、CMOSFETについて、プロセ
ス変動に対するワーストケース解析で算出した各ケース
の駆動電流の、各プロセス変動の変動量との関係を示す
図である。各ケースのグラフ上の配置位置が、プロセス
変動(ΔL,ΔTox,ΔNch(nFET),ΔNc
h(pFET))の大きさによって制御可能である点で
ある。16通りのケースC1乃至C16の位置は、4組
のグループG1乃至G4に分けられる。例えば、グルー
プG4は、4つのケースC13乃至C16で構成され、
この4つのケースC13乃至C16の配置位置は、この
配置位置を角として長方形が形成できる位置である。グ
ループG1乃至G4の位置は、ΔLとΔToxの変動量
の和で決まる。4組の各グループ内の4つのケースの位
置のIdr(nFET)方向の広がりの度合いはΔNc
h(nFET)で決まり、|Idr(pFET)|方向
の広がりの度合いはΔNch(pFET)で決まる。こ
れらのことより、ΔLとΔToxのプロセス変動による
Idrの変動量は、ΔNch(nFET)とΔNch
(pFET)のプロセス変動によるIdrの変動量より
大きいことがわかる。
【0041】なお、このCMOSFETについてはワー
ストケースが図3等からケースC1とC16とであるこ
とがグラフ上で容易にわかるが、ワーストケースを自動
判定するような場合には、すべてのケースC1乃至C1
6についてノミナル値の交点からの距離を算出し、この
距離の最大値を選択する必要がある。ただ、必ずしもす
べてのケースについて距離を算出する必要は無い。すな
わち、ケースC1とC16のノミナル値の交点からの距
離の他に、ケースC6の位置からケースC11の位置ま
での距離の2分の1や、ケースC6とケースC11にお
けるIdr(nFET)値の差の2分の1の値を、最大
値選択の選択肢にすればよい。ケースC7とC10につ
いても同様なことがいえる。このことにより、選択肢を
減らすことができる。
【0042】図6は、CMOSFETについて、各プロ
セス変動に対する駆動電流の変動量の関係を示す図であ
る。各プロセス変動(ΔL、ΔTox、ΔNch(nF
ET)、ΔNch(pFET))を、σ値で−3σ、−
2σ、−1σ、0σ、+1σ、+2σ、+3σ変動させ
た時のIdrの値を示している。例えば、ΔLを変動さ
せる場合、ΔL以外のプロセス変動はゼロとしている。
σ値の絶対値が大きくなるほど、プロセス変動時のId
rの値は、ノミナル値から離れた位置へ移動する。ΔL
の変動がIdrの変動に一番大きく寄与しており、次
に、ΔToxが寄与していることが分かる。また、ΔN
ch(nFET)とΔNch(pFET)は、それぞれ
Idr(nFET)のみ、Idr(pFET)のみの変
動に対して寄与する。なお、Idr(nFET)、Id
r(pFET)の変動に、ΔLとΔToxの変動は大き
く寄与するが、ΔNch(nFET)とΔNch(pF
ET)の変動はほとんど寄与していない。これより、Δ
Nch(nFET)とΔNch(pFET)の変動を考
慮せずにIdr(nFET)、Idr(pFET)の変
動を求めることにより、高い精度を維持しつつ、より高
速に、デバイス特性さらには回路特性の変動の予測がで
きる。
【0043】図2のステップS6において、ステップS
5において解析を行ったデバイスと同一あるいは構造が
同一のデバイスについて、プロセス変動のモンテカルロ
解析を、図1のプロセス変動のモンテカルロ解析部2に
おいて実行する。図3、図4と図15には、CMOSF
ETについて、プロセス変動に対する駆動電流をモンテ
カルロ解析で算出した同一の結果を×印で表している。
繰り返し各図に表示したのは、ワーストケース解析に対
するレファレンスとするためである。
【0044】モンテカルロ回路シミュレーションから得
られる厳密なIdr散布図を×印で描かれる楕円形で示
した。即ち、各図における右上がりの楕円状に配置され
る54個の×印は、4種類のプロセス変動(ΔL,ΔT
ox,ΔNch(nfet)、ΔNch(pfet))
に対して、それぞれ独立なガウス分布を与え、回路シミ
ュレーションにより2000回のモンテカルロ計算を実
行した結果、得られた2000個の×印の散布図の最外
周に存在した×印である。
【0045】このようにIdr散布図が右上がりの楕円
形を示すことから、Idr(nFET)と|Idr(p
FET)|は強い正の相関があることが分かる。また、
各図の楕円中心からやや左下に位置する十字の矢印14
と17は、Idr(nFET)のノミナル値(縦矢印1
7)と|Idr(pFET)|のノミナル値(横矢印1
4)を意味している。
【0046】ここで、矢印14と17の交点は、プロセ
ス変動が無い場合のドライブ電流値を与えるので、この
交点から最も離れた×印がデバイス特性の最大変動幅M
を与えることになる。これより、図3、図4と図15か
ら、最大変動幅Mを与える×印は、×印SSとFFであ
ることがわかる。なお、デバイス特性の最大変動幅M
は、矢印14と17の交点と、×印SSとFFの間の、
グラフ平面上の距離のことである。
【0047】図3、図4と図15において、×印SSと
FFの配置位置に対する、ワーストケースとなるケース
C1とC16の配置位置は、σ値によって変化する。矢
印14と17の交点からの距離を基準とすると、σ値が
±1σと±2σの場合は、×印SSとFFから交点まで
の距離より、ケースC1とC16から交点までの距離の
方が短い。一方、σ値が±3σの場合は、×印SSとF
Fから交点までの距離より、ケースC1とC16から交
点までの距離の方が長い。これより、σ値として±2σ
と±3σの間にある特定の値に設定することにより、ワ
ーストケースとなるケースC1とC16の配置位置を、
×印SSとFFの配置位置に一致させたり、近傍に配置
することができる。
【0048】そこで、ワーストケースの位置が、本来の
Idr散布図(楕円形)のエッジに一致するように、σ
値を最適化する。ここでσ値の最適化とは、パラメータ
kを用いてσ値を、σ値=±k・σと表現するとき、パ
ラメータkの値を最適化することを意味する。σ自体を
最適化するのではない。図2のステップS7に示すよう
に、σ値を変化させて、ワーストケースにおける変動幅
Wを、モンテカルロ解析における最大変動幅Mに近づけ
る。すなわち、関数Fの値を最小にするσ値を求める。
これには、ワーストケース解析における各ケースC1乃
至C16のグラフ上の位置を、プロセス変動(ΔL、Δ
Tox、ΔNch(nFET)、ΔNch(pFE
T))の大きさを変えることで(σ値を変えることで)
制御できることを利用する。
【0049】具体的には、ワーストケースとなるケース
C1とC16のIdr散布図上での位置を、モンテカル
ロ解析によって得られた厳密なIdr散布図上の×印S
Sの位置(x10、y10)と、×印FFの位置(xu
0、yu0)に合わせ込む。なお、x10とxu0の値
はIdr(nFET)の値になるが、Idr(nFE
T)の値をノミナル値をゼロとし分散を1単位とするス
ケールに規格化しても良い。y10とyu0の値も同様
に規格化しても良い。このことにより、異なる単位系等
を有する回路特性においても上記の合わせ込みが可能に
なる。
【0050】そして、合わせ込むために式1で定義され
る関数Fを導入する。
【0051】 F=[(x−x0)+(y−y0)1/2 …式1 式1において、xとyは、ワーストケースとなるケース
C1、または、C16のIdr散布図上の位置(x、
y)を意味する。このxとyはσ値の関数として表され
る。一方、x0はx10とxu0の総称であり、y0は
y10とyu0の総称である。関数Fより、式2で表さ
れる関数F1は、ケースC1と×印SSのIdr散布図
上の距離を意味する。同様に、式3で表される関数F1
6は、ケースC16と×印FFのIdr散布図上の距離
を意味する。これより、合わせ込むためには、関数F1
とF16の値を極小にするパラメータσ値を求めれば良
い。なお、ここでは簡単のため、4種類のプロセス変動
のσ値を共通に動かしている。
【0052】 F1=[(x1−xl0)+(y1−yl0)1/2 …式2 F16=[(x16−xu0)+(y16−yu0)1/2 …式3 図8に、横軸をパラメータσ値の絶対値、縦軸を関数F
として、関数F1、関数F16と関数F1とF16の和
を示す。横軸のσ値はσで割って規格化している。これ
より、関数F1はσ値の絶対値が2.19σのとき極小
となることがわかる。関数F16はσ値の絶対値が2.
43σのとき極小となる。また、関数F1とF16の和
は、σ値の絶対値が2.375σのとき極小となる。関
数F1とF16の和を評価するのは、ワーストケース同
士関数F1とF16をともに小さくする1つのσ値をみ
つけるためである。以下では、このσ値2.375σ
を、「最適化後のσ値」と呼ぶ。なお、最適化後のσ値
としては、関数F1で極小となるσ値の絶対値と、関数
F16で極小となるσ値の絶対値の平均値を用いてもよ
い。さらに、関数F1で極小となるσ値の絶対値より、
関数F16で極小となるσ値の絶対値の方が大きいの
で、ケースC1よりケースC16の方がよりワーストケ
ースであると考え、最適化後のσ値として、関数F16
で極小となるσ値の絶対値2.43σを採用しても良
い。
【0053】図9に、σ値2.375σを「最適化後の
σ値」として用いて、実際にワーストケース解析におけ
るIdr散布図上のケースC1乃至C16の位置を求め
た結果を示した。図9でも図8と同様に4種類のプロセ
ス変動のσ値を一律±2.375σとしている。このよ
うに、モンテカルロ回路シミュレーションによる厳密な
Idr散布図(楕円形)のエッジと、ワーストケース解
析におけるケースの位置とを良好に一致させることが出
来る。
【0054】ここまでをまとめると、図2のステップS
6において、モンテカルロ回路シミュレーションにより
(モンテカルロ・デバイスシミュレーションを用いても
良い)、デバイス特性変動としての厳密なIdr散布図
を求める。ここでのモンテカルロ解析は、単体MOSト
ランジスタ1個のみのデバイス特性に対して適用され
る。そのため、特に回路シミュレーションにおいて、通
常モンテカルロ計算で問題となる計算効率の低下は気に
する必要が無い。次に、ステップS5において単体MO
Sトランジスタ1個のみのデバイス特性に対してワース
トケース解析を行う。これらの解析結果は、図1のデバ
イス特性の変動幅記録部8に記録される。そして、ステ
ップS7において、図1の最大変動幅に対応するσ値の
算出部で、モンテカルロ解析の結果と、ワーストケース
解析の結果とを図8のように比較することにより、ワー
ストケース解析におけるパラメータσ値を合わせ込むこ
とができ、最適化後のσ値が得られる。
【0055】さらにステップを進め、次に図2のステッ
プS8において、図1の回路特性のワーストケース解析
部5で、回路特性のワーストケース解析を行い回路特性
の変動を求める。この解析結果は、回路特性の変動幅記
録部9に記録される。その場合、デバイス特性の変動解
析から既に得られている「最適化後のσ値」を用いるこ
とにより、大規模回路の回路特性変動を高速かつ高精度
に予測することが可能である。
【0056】回路特性の変動の予測結果について、図1
0と図11を用いて以下に説明する。図10は、回路特
性としてアクセスタイム(tAC)の挙動を調べたもの
である。ワーストケース解析におけるσ値を±1σ,±
2σ,±3σとした時の各ケースC1乃至C16(横
軸)に対するアクセスタイムの値(縦軸に加えて、厳密
なモンテカルロ解析によって得られたアクセスタイムの
最大値(約5[ns]の水平矢印21)、ノミナル値
(約3.9[ns]の水平矢印20)、最小値(約3.
4[ns]の水平矢印19)を図示している。これよ
り、σ値が±3σの時、ケースC1乃至C4ではアクセ
スタイムの最大値を過大評価(over−estima
te)しており、一方、ケースC16ではアクセスタイ
ムの最小値を過小評価(under−estimat
e)していることが分かる。また、σ値が±1σと±2
σの時は、ノミナル値からの最大の変動幅がモンテカル
ロ解析によって得られた最大の変動幅よりも小さくなっ
てしまう。このことは、回路特性としてのアクセスタイ
ムの変動(最大値と最小値)をワーストケース解析を用
いて正確に予測するためには、σ値の絶対値が2σ以上
で3σ以下の、最適化されたσ値を用いなければならな
いことを意味している。このことはステップS7で得ら
れた結果と一致する。
【0057】図11は、ケースC1及びC16に対し
て、σ値の絶対値(横軸)をパラメータとして変化させ
た時のアクセスタイムtAC(縦軸)の挙動を示してい
る。横軸のσ値はσで割って規格化している。ケースC
1が厳密なアクセスタイムの最大値を予測するために
は、σ値の絶対値を2.35σに設定すればよいことが
分かる。同様にして、ケースC16が厳密なアクセスタ
イムの最小値を予測するためには、σ値の絶対値を2.
4σに設定すれば良いことが分かる。これらのσ値の絶
対値は、図8においてデバイス特性の変動において導出
したσ値の絶対値2.375σ等と良く一致している。
即ち、図2の手順に従い、ステップS5乃至S7におい
て、図8のようにデバイス特性変動に対してσ値を最適
化する。次に、ステップS8において、その「最適化後
のσ値」を用いて回路特性変動に対してワーストケース
解析を行う。このことにより、ワーストケース解析では
実現不可能であったプロセス変動に起因した回路特性変
動を、高速かつ高精度に予測可能である。このようにし
て得られた回路特性の変動結果を基にして、回路を最適
化(プロセスパラメータのノミナル値を最適化、あるい
は、トランジスタの数の最適化)をすることにより、プ
ロセスウィンドウを広げることができ、LSIの量産で
高い歩留りを達成できる。
【0058】上記のように、本発明は1つの実施の形態
によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図
面はこの発明を限定するものであると理解すべきではな
い。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実
施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発
明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲
に係る発明特定事項によってのみ定められるものであ
る。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
半導体装置の製造プロセスの変動による回路特性の変動
を高精度かつ高速に予測する半導体装置の回路特性のシ
ミュレータを提供できる。
【0060】また、本発明によれば、半導体装置の製造
プロセスの変動による回路特性の変動を高精度かつ高速
に予測する半導体装置の回路特性のシミュレート方法を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る半導体装置の回路特
性のシミュレータの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る半導体装置の回路特
性のシミュレート方法のフローチャートである。
【図3】CMOSFETについて、変動量幅を1σとし
たプロセス変動に対する駆動電流をワーストケース解析
で算出した結果である。
【図4】CMOSFETについて、変動量幅を2σとし
たプロセス変動に対する駆動電流をワーストケース解析
で算出した結果である。
【図5】CMOSFETについて、プロセス変動に対す
るワーストケース解析で算出した駆動電流の変動量との
関係を示す図である。
【図6】CMOSFETについて、各プロセス変動に対
する駆動電流の変動量の関係を示す図である。
【図7】ワーストケース解析の結果を、モンテカルロ解
析の結果と一致させる変動量幅の算出方法を説明するた
めの図(その1)である。
【図8】ワーストケース解析の結果を、モンテカルロ解
析の結果と一致させる変動量幅の算出方法を説明するた
めの図(その2)である。
【図9】ワーストケース解析の結果を、モンテカルロ解
析の結果と一致させる変動量幅の算出方法を説明するた
めの図(その3)である。
【図10】変動量幅を一定にしたプロセス変動のワース
トケース解析に基づいて算出したケース毎の回路特性
(アクセスタイム)である。
【図11】プロセス変動の変動量幅を変えて算出したワ
ーストケース解析に基づいて算出したケース1と16の
回路特性(アクセスタイム)である。
【図12】従来の半導体装置の回路特性のシミュレート
方法のフローチャートである。
【図13】半導体装置におけるプロセス変動による変動
量を説明するための図である。
【図14】ワーストケース解析の各ケースの、半導体装
置におけるプロセス変動による変動量を規定する表であ
る。
【図15】CMOSFETについて、変動量幅を3σと
したプロセス変動に対する駆動電流をワーストケース解
析で算出した結果である。
【符号の説明】
1 演算部 2 プロセス変動のモンテカルロ解析部 3 任意のσ値に対するプロセス変動のワーストケース
解析部 4 最大変動幅に対するσ値の算出部 5 回路特性のワーストケース解析部 6 回路情報記録部 7 プロセス変動幅記録部 8 デバイス特性の変動幅記録部 9 回路特性の変動幅記録部 10 入出力部 11 バス 12 モンテカルロ解析結果の駆動電流値の存在する領
域 13、16、19 取りうる最小値 14、17、20 プロセス変動が無い場合 15、18、21 取りうる最大値 31 シリコン基板 32 チャネル領域 33 ソース領域 34 ドレイン領域 35 ゲート絶縁膜 36 ゲート電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体装置の製造プロセスの変動によっ
    て前記半導体装置を構成するデバイスの特性の最も変動
    した第1の特性値を求めるステップと、 前記特性のワーストケースの第2の特性値を前記第1の
    特性値に一致させる前記プロセスの変動幅を決定するス
    テップと、 前記変動幅に基づいて、前記半導体装置の回路特性のワ
    ーストケースの第3の特性値を決定するステップとを有
    することを特徴とする半導体装置の回路特性のシミュレ
    ート方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の特性値を求めるステップが、 半導体装置の製造プロセスの変動の度数分布を入力する
    ステップと、 前記変動によって前記半導体装置を構成するデバイスの
    特性の最も変動した第1の特性値をモンテカルロ解析で
    求めるステップとを有することを特徴とする請求項1に
    記載のシミュレート方法。
  3. 【請求項3】 前記プロセスの変動幅を決定するステッ
    プが、前記度数分布をガウス分布で近似しσを求めるス
    テップと、前記変動幅を前記σで規格化したσ値を求め
    るステップとを有し、 前記第3の特性値を決定するステップが、前記σ値に基
    づいて、前記第3の特性値を決定することを特徴とする
    請求項2に記載のシミュレート方法。
  4. 【請求項4】 前記プロセスの変動幅が、式1の関数F
    の値が極小値となる条件により決定することを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1つに記載のシミュレート
    方法。 F=[(x−x0)+(y−y0)1/2 ……式1 ここで、(x,y)及び(x0,y0)はそれぞれ、前
    記第2の特性値と前記第1の特性値の前記デバイスの特
    性平面上の位置である。
  5. 【請求項5】 前記デバイスが、電界効果トランジスタ
    (FET)であることを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれか1つに記載のシミュレート方法。
  6. 【請求項6】 前記製造プロセスの変動の物理量が、ゲ
    ート長とゲート酸化膜厚であることを特徴とする請求項
    1乃至5のいずれか1つに記載のシミュレート方法。
  7. 【請求項7】 前記物理量が、さらに、チャネル不純物
    濃度と拡散層抵抗の少なくとも1つであることを特徴と
    する請求項6に記載のシミュレート方法。
  8. 【請求項8】 前記デバイスの特性が、ドライブ電流と
    しきい値電圧の少なくとも1つであることを特徴とする
    請求項5乃至7のいずれか1つに記載のシミュレート方
    法。
  9. 【請求項9】 前記回路特性が、アクセスタイム、伝搬
    遅延時間、周波数と消費電力の少なくとも1つであるこ
    とを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1つに記載の
    シミュレート方法。
  10. 【請求項10】 半導体装置の製造プロセスの変動の度
    数分布を入力する入出力部と、 前記変動によって前記半導体装置を構成するデバイスの
    特性で最も変動した第1の特性値を求めるモンテカルロ
    解析部と、 前記特性のワーストケースの第2の特性値を前記プロセ
    スの変動幅の関数として求める第1のワーストケース解
    析部と、 前記第2の特性値を前記第1の特性値に一致させる前記
    変動幅を決定する算出部と、 前記変動幅に基づいて、前記半導体装置の回路特性のワ
    ーストケースの第3の特性値を決定する第2のワースト
    ケース解析部とを有することを特徴とする半導体装置の
    回路特性のシミュレータ。
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