JP2002109956A - 導体ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法 - Google Patents

導体ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法

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JP2002109956A JP2000296944A JP2000296944A JP2002109956A JP 2002109956 A JP2002109956 A JP 2002109956A JP 2000296944 A JP2000296944 A JP 2000296944A JP 2000296944 A JP2000296944 A JP 2000296944A JP 2002109956 A JP2002109956 A JP 2002109956A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低融点金属および熱硬化性樹脂を含有する導体
ぺーストを熱処理すると、熱硬化性樹脂が先に硬化した
後に低融点金属が溶融するために、低融点金属による有
用な導体路の形成ができなかった。 【解決手段】熱硬化性樹脂成分5〜20重量%と、融点
が熱硬化性樹脂の熱硬化温度よりも10℃以上低い低融
点金属を20〜80重量%有する導体成分80〜95重
量%とからなる導体ペーストを用い、熱硬化性樹脂を含
有する未硬化の絶縁シート11のビアホール12中にこ
の導体ペーストを充填し、配線回路層14を形成後、絶
縁シート11を低融点金属の融点以上、熱硬化温度未満
の温度に加熱してビアホール導体13中の導体成分同士
を結合させた後、熱硬化性樹脂の熱硬化温度に加熱して
硬化することによって、ビアホール導体13の導電率を
向上させるとともに、導電性粉末間、あるいは導電性粉
末と配線回路層14間を強固に接合することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁基板表面や内
部に配線層やビアホール導体等の配線回路層を形成した
配線基板における配線回路層用として好適な導体ペース
トおよびそれを用いた配線基板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】近年、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の
熱硬化性樹脂を含む絶縁基板の表面に配線回路層を形成
した、いわゆるプリント基板が回路基板や半導体素子を
搭載したパッケージ等に適用されている。このようなプ
リント基板において配線回路層を形成する方法として
は、絶縁基板の表面に銅箔を接着した後、これをエッチ
ングして配線パターンを形成する方法、または配線パタ
ーンに形成された銅箔を絶縁基板に転写する方法、絶縁
基板の表面に金属メッキ法によって配線パターンを形成
する方法等が用いられている。
【0003】また、配線の多層化に伴い、異なる層間の
配線回路層をビアホール導体によって電気的に接続する
ことも行われているが、このビアホール導体は多層配線
基板の絶縁基板の所定の箇所にドリル等でビアホールを
開けた後に、ビアホール内の内壁にメッキ等を施すのが
一般的である。
【0004】ところが、上記のような方法では化学的な
メッキ処理を施すのに用いられる薬品が高価であり、処
理時間も長いなど生産性と経済性に難がある。また、内
壁にメッキを施したビアホール導体は、多層構造におけ
る任意の層間に形成することが難しく、配線回路層の密
度を向上できないという問題がある。
【0005】このような問題に対して、最近では配線回
路層を銀、銅、ハンダなどの金属粉末と熱硬化性樹脂や
活性剤とを混合した導体ペーストを用い、これを絶縁基
板の表面に塗布したり、ビアホール内に充填し、積層し
て多層化する方法が、特許第2603053号公報、特
公平5−39360号公報、特開昭55−160072
号公報等にて開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
導体ペーストの充填によるビアホール導体を形成する方
法では、導電性ペースト中の熱硬化性樹脂成分の量が多
く、またビアホール導体中において金属粉末間の接触性
が充分でないために、ビアホール導体の導電率が低いと
いう問題があった。
【0007】このような問題に対して、ペースト中に銅
などの粉末とともに、Pb−Snなどの低融点金属を含
有させて銅粉末間を低融点金属によって接続させてビア
ホール導体の導電率を高めることも提案されている。
【0008】しかしながら、配線基板のビアホール導体
中の低融点金属成分が完全に溶融する前に、ビアホール
導体中の熱硬化性樹脂が硬化を始めた場合、ビアホール
導体中の導体粉末間の接続および銅箔などからなる配線
層とビアホール導体の接続状態が悪くなり、ビアホール
導体の導電率が低下したり、配線層との接続信頼性が低
くなるという問題があった。
【0009】従って本発明はこのような欠点を解消し、
高い導電性を有するビアホール導体の形成が可能な導体
ペーストと、これを用いて少なくとも熱硬化性樹脂を含
有する絶縁基板を具備してなる配線基板に対して、配線
層同士を電気的に接続するビアホール導体の導電性を高
めるとともに、配線層との接続信頼性の高い配線基板を
製造するための方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の導体ペースト
は、熱硬化性樹脂成分を5〜20重量%と、融点が前記
熱硬化性樹脂の熱硬化温度よりも10℃以上低い低融点
金属を含有する導体成分を80〜95重量%の割合でそ
れぞれ含有することを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の配線基板の製造方法は、少
なくとも第1の熱硬化性樹脂を含有する未硬化あるいは
半硬化状態の絶縁シートにビアホールを形成する工程
と、該ビアホール中に、第2の熱硬化性樹脂成分を5〜
20重量%と、融点が前記第1および第2の熱硬化性樹
脂の熱硬化温度よりも10℃以上低い低融点金属を含有
する導体成分を80〜95重量%の割合でそれぞれ含有
することを特徴とする導体ペーストを充填してビアホー
ル導体を形成する工程と、前記ビアホール導体形成部を
含む前記絶縁シート表面に配線回路層を形成する工程
と、該絶縁シートを前記低融点金属の融点以上、前記第
1および第2の熱硬化温度未満の温度に加熱して前記ビ
アホール導体中の導体成分同士を結合させた後、前記第
1および第2の熱硬化性樹脂の熱硬化温度に加熱して硬
化する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0012】なお、上記の導体ペーストおよび配線基板
の製造方法によれば、前記導体ペースト中の低融点金属
としては、インジウム(In)、錫(Sn)、あるいは
これらを含有する合金あるいは混合物がその融点から適
当であって、この低融点金属を20〜80重量%含有す
ることがビアホール導体の導電性を高める上で望まし
い。
【0013】また、配線基板の製造方法においては、前
記第1の熱硬化性樹脂と、第2の熱硬化性樹脂が同じ樹
脂からなることが最終的な硬化処理を同時に行なうこと
ができる。
【0014】このように、本発明によれば、導体成分と
熱硬化性樹脂を含有する導体ペーストにおいて、前記導
体成分中に低融点金属を含有させるととともに、その低
融点金属の融点が前記熱硬化性樹脂の硬化温度よりも低
くなるように低融点金属および熱硬化性樹脂を選択的に
組み合わせることによって、熱硬化性樹脂が硬化する前
に、低融点金属が溶融してペースト中の導体成分同士を
結合して導電路を形成することができる。
【0015】したがって、配線基板を製造するにあた
り、未硬化の絶縁シートに上記の導体ペーストを充填し
たビアホール導体を形成した後、配線回路層を形成し、
絶縁シートを熱硬化する際に、一旦、前記低融点金属の
融点以上、前記第1および第2の熱硬化温度未満の温度
に加熱して前記ビアホール導体中の導体成分同士を結合
させた後に、前記第1および第2の熱硬化性樹脂の熱硬
化温度に加熱して硬化することによって、ビアホール導
体の導電率を高めることができるとともに、配線層とビ
アホール導体との接続信頼性を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の導体ペーストは、基本的
な成分として、熱硬化性樹脂成分を5〜20重量%と、
導体成分を80〜95重量%の割合で含有するものであ
る。これは、前記有機樹脂成分の含有量が5重量%より
少ない、あるいは導体成分量が95重量%よりも多い
と、ペーストの粘度が高すぎてビアホール内への埋込み
性が悪くなり、導体配線の抵抗が増加するためである。
逆に、熱硬化性樹脂成分が20重量%より多い、あるい
は導体成分が80重量%よりも少ないと、ペーストとし
ての粘度が低く保形性が低下して絶縁基板の表面からペ
ーストがにじむ恐れがあるとともに、抵抗が増大する。
特に熱硬化性樹脂の特に望ましい含有量は、下限値が7
重量%以上、上限値が14重量%以下であり、導体成分
の特に望ましい含有量は、下限値が86重量%、上限値
が93重量%である。
【0017】また、本発明によれば、上記の導体成分中
に、融点T1(℃)が前記熱硬化性樹脂の熱硬化温度T
2(℃)よりも10℃以上低い低融点金属を含有するも
のである。つまり、T1≦T2−10を満足することを
特徴とするものである。ここで、上記低融点金属の融点
とは、溶融開始温度を意味し、また熱硬化性樹脂の熱硬
化温度とは、硬化開始温度を意味するものである。
【0018】低融点金属の融点T1が前記熱硬化性樹脂
の熱硬化温度T2に対して、T1>T2−10の場合に
は、低融点金属が溶融して導電性粉末間さらには導電性
粉末と銅箔等の配線間との接続がなされる前に熱硬化樹
脂が硬化してしまい、接続信頼性が低くなってしまうた
めである。特に、上記融点T1と熱硬化温度T2とは、
T1≦T2−15、さらにはT1≦T2−20であるこ
とが上記の効果を発揮させる上で望ましい。
【0019】また、この低融点金属の含有量はペースト
全量中において、20〜80重量%の割合で含まれるこ
とが必要である。これは、低融点金属が20重量%より
少ないと導電性粉末間や導電性粉末と銅箔等の配線間の
接続信頼性が低くなり、80重量%より多いと低融点金
属が溶融した際の収縮量が大きくなるために導体に隙間
ができてしまい信頼性の低下につながるとともに、導体
の抵抗が増大するためである。低融点金属粉末の特に望
ましい範囲は、下限値が25重量%以上、さらに30重
量%以上、上限値が60重量%以下、さらに50重量%
以下であり、特に30〜50重量%が最適である。
【0020】本発明における導体成分は、上記の低融点
金属のみ、あるいは低融点金属と他の金属との混合物で
あってもよい。他の金属としては、金、銀、パラジウ
ム、銅、ニッケル、の群から選ばれる少なくとも1種で
あることが望ましく、具体的には、上記の純粋な金属お
よびそれらの合金あるいは混合物、さらには上記から選
ばれる金属の核に他の金属を被覆したものを用いること
ができる。
【0021】特に、絶縁基板へのマイグレーション抑制
およびコストの点で銅が好ましく、化学的安定性を考慮
すると銀を被覆した銅粉末が最適である。また、錫を含
有する低融点金属を添加した場合には、Cu3Snを析
出させて耐熱性を高めることが望ましい。
【0022】熱硬化性樹脂成分としては、熱硬化性樹脂
のみならず、その他に硬化剤、硬化促進剤の他、場合に
よっては溶剤が含まれる。
【0023】熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、
ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂の群から選ばれ
る少なくとも1種を用いることができるが、とりわけ、
エポキシ系樹脂が望ましい。また、硬化剤や硬化促進剤
としては、熱硬化性樹脂に応じて公知のものが使用され
るが、例えば、エポキシ系樹脂の場合には、硬化剤とし
てフェノールノボラック樹脂、ジシアンジアミド、芳香
族アミン類、ジアミノマレオニトリル、ヒドラジッドの
群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0024】また、硬化促進剤は、熱硬化温度(硬化開
始温度)の調整のために添加されるが、前記有機樹脂が
硬化促進剤等で硬化開始温度を変更させることができ
る。例えば、有機樹脂がエポキシ系樹脂であればイミダ
ゾール類、ベンジリジメチルアミンの群から選ばれる少
なくとも1種が好適に用いられ、ラジカル重合を行う樹
脂であればハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオ
キサイドの群から選ばれる少なくとも1種の有機過酸化
物が好適に添加される。この硬化促進剤は、0.1〜1
0重量%の割合で添加される。
【0025】さらに、これら硬化剤や硬化促進剤として
の効果を有するラジカル重合開始剤として、ハイドロパ
ーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアリルパ
ーオキサイドの群から選ばれる少なくとも1種の有機過
酸化物を0.25〜3重量%の割合で配合するのが好ま
しい。この有機過酸化物は導体配線中のトリアリルイソ
シアヌレートの硬化を促進することから該硬化温度を3
0℃以上、特に50℃以上低下させることができる。
【0026】また、ペースト中にはラジカル反応禁止剤
等は導体配線中のトリアリルイソシアヌレートの硬化を
抑制することから添加しないことが望ましい。
【0027】さらに、導体ペースト中には、粘度調整の
ために、例えば、イソプロピルアルコール、テオピネオ
ール、2−オクタール、ブチルカルビトールアセテート
等を微量添加することもできるが、絶縁基板および導体
配線を熱硬化させる際に溶剤成分が揮発し、導体配線中
の充填密度が低下するとともに、揮発気体により絶縁層
間に膨れを生じる等の問題があるために、溶剤を実質的
に含有しないことが望ましい。
【0028】ペーストの調製方法にあたっては、上記熱
硬化性樹脂成分、導体成分の組成物を攪拌脱泡機、プラ
ネタリーミキサ、回転ミルや3本ロール等で混練するこ
とにより所定粘度の導電性ペーストを作製することがで
きる。
【0029】また、上記混合方法により混合された導体
ペーストの粘度については、印刷した時にダレ、にじみ
が生じずファインピッチのビアホール導体を形成するこ
とができ、また、ペーストをビアホール内への埋込充填
性を高める上で、せん断速度=100s-1において20
〜1000Pa・sであることが望ましい。
【0030】次に、上記導体ペーストを用いて配線基板
を作製する方法について説明する。まず、図1(a)に
示すように、未硬化または半硬化状態の軟質の絶縁シー
ト11に対して、レーザー加工やマイクロドリルなどに
よってビアホール12を形成する。
【0031】配線基板1は、少なくとも熱硬化性樹脂を
含む絶縁材料から構成されるが、具体的には、有機樹脂
としては例えば、PPE(ポリフェニレンエーテル)、
BTレジン(ビスマレイミドトリアジン)、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の
合成樹脂およびそれらの混合物が使用可能であるが、と
りわけ誘電特性がよく、吸水率が低い点でPPE(ポリ
フェニレンエーテル)を含有することが望ましい。
【0032】また、この有機樹脂の中には、基板全体の
強度を高めるために、フィラーを複合化させることもで
きる。フィラーとしては、SiO2、Al23、Zr
2、TiO2、AlN、SiC、BaTiO3、SrT
iO3、ゼオライト、CaTiO3等の無機質フィラーが
好適に使用される。また、ガラスやアラミド樹脂からな
る不織布、織布等に上記樹脂を含浸させて用いてもよ
い。このようにフィラーと複合化する場合、有機樹脂と
フィラーとは体積比率で30:70〜70:30の比率
で複合化することが望ましい。
【0033】そして、図1(b)に示すように、そのビ
アホール12内に、前述したようにしてせん断速度=1
00s-1において、20〜1000Pa・sに調製され
た本発明の導体ペーストをスクリーン印刷等によって充
填してビアホール導体13を形成する。かかる粘度のペ
ーストによれば、ビアホールからのペーストの流出を防
止し、ビアホールへのペーストの埋込充填性を高めるこ
とができる。
【0034】また、導体ペーストの粘度が上記範囲であ
れば、ビアホール内へ充填したペーストの上面の一部が
絶縁基板表面に対して突出するように形成でき、これを
後述する配線回路層の形成時または絶縁基板の積層時に
圧縮することによってビアホール導体と配線回路層との
接続性を高めることもできる。
【0035】そして、ペースト充填後に、所望により、
有機バインダの融点以下に冷却することにより、ビアホ
ール内の導電性ペーストの粘度を、せん断速度=100
-1において、760〜2500Pa・sに高めること
によりビアホール中のペーストの保形性を高め、ペース
トのビアホールからのダレの発生やにじみを防止でき
る。
【0036】次に、ビアホール導体13を形成した絶縁
シート11の表面に、配線回路層14を形成する。配線
回路層14としては、銅、アルミニウム、金、銀のうち
から選ばれる少なくとも1種、または2種以上の合金、
特に、銅あるいは銅を含む合金からなる厚さ5〜40μ
mの金属箔によって形成することにより、ビアホール導
体13を両端を封止して外気の影響を防止でき、しかも
導電性ペーストを充填して形成したビアホール導体13
との電気的な接続性に優れることから最も望ましい。
【0037】この金属箔による配線回路層14の形成
は、a)絶縁シートの表面に金属箔を貼り付けた後、エ
ッチング処理して回路パターンを形成する方法、b)絶
縁シート表面にレジストを形成して、メッキにより金属
箔層を形成する方法、c)転写シート表面に金属箔を貼
り付けた後、エッチング処理して回路パターンを形成し
た後、この金属箔の回路パターンを絶縁シート表面に転
写させる方法、等が挙げられるが、この中でも、絶縁シ
ートをエッチングやメッキ液などに浸漬する必要がな
く、ビアホール導体内への薬品の侵入を防止する上で
は、c)の転写法が最も望ましい。
【0038】そこで、c)転写法による配線回路層を例
にして以下に説明する。
【0039】図1(c)に示すように、転写シート15
の表面に、金属箔からなる配線回路層14を形成する。
この配線回路層14は、転写シート15の表面に金属箔
を接着剤によって接着した後、この金属箔の表面にレジ
ストを回路パターン状に塗布した後、エッチング処理お
よびレジスト除去を行って形成される。この時、金属箔
からなる配線回路層14露出面は、エッチング等により
表面粗さ(Ra)0.1〜5μm、特に0.2〜4μm
程度に粗化されていることが望ましい。
【0040】次に、図1(d)に示すように、配線回路
層14が形成された転写シート15を前記ビアホール導
体13が形成された軟質の絶縁シート11の表面に位置
合わせして加圧積層した後、転写シート15を剥がして
配線回路層14を絶縁シート11に転写させることによ
り配線層aが形成される。
【0041】この時、絶縁シート11が軟質状態である
ことから、配線回路層14は、絶縁シート11の表面に
埋設され、実質的に絶縁シート11表面と配線回路層1
4の表面が同一平面となるように加圧積層する。この時
の加圧積層条件としては、圧力2MPa以上、温度60
〜240℃が適当である。
【0042】このようにして作製した配線層を後述する
硬化処理によって1層の絶縁層の片面または両面に配線
回路層を形成した配線基板を作製することができるが、
以下、多層配線基板を作製する場合について以下に述べ
る。
【0043】上記のようにして作製された一単位の配線
層aに対して、同様にして作製された一単位の配線層
b、cを図1(e)に示すように積層圧着する。そし
て、この積層体を絶縁シート中の熱硬化性樹脂が硬化す
る温度に加熱して完全硬化する。この時、本発明によれ
ば、第1の加熱工程として、ビアホール中に充填した導
体ペースト中の低融点金属の融点以上、そして、絶縁シ
ートの熱硬化性樹脂の熱硬化温度および導体ペースト中
の熱硬化性樹脂の熱硬化温度よりも低い温度で加熱する
ことによって、低融点金属が溶融して銅粉末などの他の
導体粉末同士を溶融した金属によって結合させ、ビアホ
ール導体中の粒子同士の結合性を高めることができる。
【0044】その後、第2の加熱工程として、絶縁シー
トの熱硬化性樹脂の熱硬化温度および導体ペースト中の
熱硬化性樹脂の熱硬化温度以上の温度に加熱することに
よって、絶縁シートおよびビアホール導体中の熱硬化性
樹脂を完全に硬化することによって、低い抵抗のビアホ
ール導体と、配線回路層との接続性に優れた信頼性の高
い多層配線基板を作製することができる。
【0045】なお、上記の転写シートからの回路転写に
よって配線回路層を形成する方法では、絶縁シートへの
ビアホール形成や積層化と、金属箔のパターン化による
配線回路層の形成工程を並列的に行うことができるため
に、配線基板における製造時間を大幅に短縮することが
できる。
【0046】また、上述の方法では、完全硬化時の加熱
工程を第1の加熱工程、第2の加熱工程と段階的に行な
ったが、この加熱工程は、連続的であってもよく、例え
ば、最終的な完全硬化温度に加熱昇温する過程におい
て、前記第1の加熱工程で説明したような現象が効果的
に発生するように昇温速度等を制御すればよい。
【0047】また、上記の製造方法では、絶縁シートの
完全硬化およびビアホール導体の加熱処理を多層化後に
一括して行ったが、この加熱処理は、積層前に個々の絶
縁シートに対して施して硬化した後、積層して多層化す
ることも可能である。
【0048】また、上記導体ペーストは、上記の製造方
法では、ビアホール導体形成用として用いたが、本発明
の導体ペーストはこれに限定されるものではなく、配線
基板における配線層用として用いることもでき、この場
合でも、配線層の保形性を高めるという効果がある。
【0049】
【実施例】まず、平均粒径が5.3μmのAg被覆Cu
粉末(銀含有量3重量%)と、表1の組成物および融点
(溶融開始温度)からなる低融点金属と、表1の熱硬化
温度(熱硬化開始温度)を有する熱硬化性樹脂とを表1
に示す割合で調合し、3本ロールで混練して導体ペース
トを調製した。
【0050】一方、ポリフェニレンエーテル樹脂40体
積%と、シリカを60体積%からなるBステージの絶縁
シートに対して、マイクロドリルによって直径が200
μmのビアホールをビアホールの中心間の間隔500μ
mで2つ形成し、そのビアホール内に前記のようにして
調製した導体ペーストを充填した。
【0051】そして、導体ペーストを埋め込んだBステ
ージ状態の絶縁シートの両面に、厚さ12μmの銅箔か
らなる配線回路層を転写法により前記ビアホール導体の
両端を挟持するように貼り合わせた後、200〜240
℃で、2MPaの圧力で、60分間硬化処理を行い、単
層の配線基板を作製した。
【0052】得られた配線基板におけるビアホール導体
の体積固有抵抗率(表中ではビア抵抗と記載)を測定
し、表1に示した。なお、この体積固有抵抗の測定は、
ビアホール導体を両側から挟持する金属箔からなる配線
回路層間の抵抗を測定したものである。
【0053】さらに、85℃、85%相対湿度において
1000時間経過後の導通抵抗(テスト1)と、95%
相対湿度中、−55〜+125℃の温度範囲において1
000サイクル後の導通抵抗(テスト2)を測定し、さ
らに、150℃、1000時間経過後の導通抵抗(テス
ト3)を測定し、それぞれの条件における(初期抵抗と
テスト後の抵抗差/初期抵抗)×100(%)で表され
る抵抗変化率を計算し、それぞれ表1に示した。
【0054】また、硬化後の配線基板を200℃に加
熱、冷却した後、絶縁基板のビアホール導体形成部周囲
について外観検査を行い、配線基板の膨れやボイドの発
生、絶縁基板間に存在する不要な導電性粒子の有無を確
認した。
【0055】
【表1】
【0056】表1の結果から明らかなように、低融点金
属の融点が熱硬化性樹脂の熱硬化温度よりも高い従来の
試料No.10〜13、21では、導電率が低く、接続
信頼性も低いものであった。なお、熱硬化性樹脂の含有
量が5重量%よりも少ない試料No.1、20重量%よ
りも多い試料No.16では、いずれも初期抵抗が高い
ものであった。
【0057】これに対して、導体ペースト中における低
融点金属の融点が熱硬化性樹脂の熱硬化温度よりも10
℃以上低い場合、配線基板における例えばビアホール内
に導体ペーストを充填して形成したビアホール導体の導
電率を高めるとともに、ビアホール導体およびビアホー
ル導体と配線層との接続信頼性を高めることができた。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の導体ペー
ストは、低融点金属が十分に溶融して導電路を形成した
後に熱硬化性樹脂が硬化することにより、ビアホール導
体の導電率を向上させることができるとともに、導電性
粉末間、あるいは導電性粉末と配線回路層間を強固に接
合し、導電性の変化のない安定性を有する配線基板を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の製造方法を説明するための
工程図である。
【符号の説明】
1 配線基板 11 絶縁シート 12 ビアホール 13 ビアホール導体 14 配線回路層 15 転写シート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂成分5〜20重量%と、融点
    が前記熱硬化性樹脂の熱硬化温度よりも10℃以上低い
    低融点金属を20〜80重量%含有する導体成分80〜
    95重量%と、からなることを特徴とする導体ペース
    ト。
  2. 【請求項2】前記低融点金属が、インジウム(In)、
    錫(Sn)、あるいはこれらを含有する合金あるいは混
    合物であることを特徴とする請求項1記載の導体ペース
    ト。
  3. 【請求項3】少なくとも第1の熱硬化性樹脂を含有する
    未硬化あるいは半硬化状態の絶縁シートにビアホールを
    形成する工程と、該ビアホール中に、第2の熱硬化性樹
    脂成分5〜20重量%と、融点が前記第1および第2の
    熱硬化性樹脂の熱硬化温度よりも10℃以上低い低融点
    金属を20〜80重量%含有する導体成分80〜95重
    量%とからなる導体ペーストを充填してビアホール導体
    を形成する工程と、前記ビアホール導体形成部を含む前
    記絶縁シート表面に配線回路層を形成する工程と、該絶
    縁シートを前記低融点金属の融点以上、前記第1および
    第2の熱硬化温度未満の温度に加熱して前記ビアホール
    導体中の導体成分同士を結合させた後、前記第1および
    第2の熱硬化性樹脂の熱硬化温度に加熱して硬化する工
    程とを具備することを特徴とする配線基板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記導体ペースト中の低融点金属が、イン
    ジウム(In)、錫(Sn)、あるいはこれらを含有す
    る合金あるいは混合物であることを特徴とする請求項3
    記載の配線基板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記第1の熱硬化性樹脂と、第2の熱硬化
    性樹脂が同じ樹脂からなることを特徴とする請求項3ま
    たは請求項4のいずれか記載の配線基板の製造方法。
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