JP2002106578A - ポリマ潤滑剤封入転がり軸受およびその製造方法 - Google Patents
ポリマ潤滑剤封入転がり軸受およびその製造方法Info
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Abstract
摩擦抵抗を軽減し、回転トルクの減少、自己加熱による
ポリマ潤滑剤の溶融・破損を防止し、基油の酸化劣化を
抑制することのできるポリマ潤滑剤封入転がり軸受とそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリマ潤滑剤5の表面のうち、内輪1、
外輪2および転動体(ころ)3と接触する面の少なくと
も1つの面に、PTFEやポリプロピレン等の樹脂粉末
等からなる多数の凸構造体6を設けることで、内輪1、
外輪2、転動体3に対する接触面積を少なくし、摩擦抵
抗を軽減する。
Description
複数の転動体を転動自在に配置するとともに、これらの
間に形成される空間にポリマ潤滑剤を封入してなるポリ
マ潤滑剤封入転がり軸受に関する。
道面と転動体、あるいは外輪軌道面と転動体との間の潤
滑性を向上させるために、内輪と外輪の間の環状空間に
潤滑油が供給されたり、あるいはグリースが封入され
る。このような潤滑油やグリースを内輪と外輪の間の空
間に供給もしくは封入するために、あるいはその空間内
に外部から水や異物等が侵入することを防止するため
に、通常、内輪と外輪との間の空間を密閉もしくは外部
と仕切るべく、接触型シールやラビリンスシール等が用
いられる。
1つの軌道面を形成するとともに、内輪には2列の軌道
面を形成した自動調心ころ軸受等においては、ある種の
条件下で使用すると、転動体が外輪軌道面からはみ出し
て回転する場合があり、上記のような通常の潤滑法を用
いたのでは潤滑油やグリースが軸受外に流出する恐れが
ある。
来、内輪と外輪の間に形成される空間に、合成樹脂と、
潤滑油またはグリースとの混合体を加熱溶融させた後
に、冷却して固化させてなるポリマ潤滑剤を封入するこ
とが行われる(例えば特開平6−50330号)。ま
た、高所や装置の奥まった位置等にある転がり軸受で
は、グリース封入タイプを用いると、グリースの追加注
入等の給油メンテナンスが困難となるが、このような用
途の転がり軸受においても、内外輪間に形成される環状
空間内にポリマ潤滑剤を封入した転がり軸受が用いられ
る。
子量ポリエチレン樹脂と、潤滑油もしくはグリースを混
合したものを固化させたものであり、これを転がり軸受
の内外輪間に封入するに際しては、上記した混合物を未
硬化状態で内輪と外輪およびこれらの間に設けられた転
動体の間に充填した後、冷却して固化させる。
の回転によりポリマ内に含有する潤滑油ないしはグリー
スが徐々に放出されて内外輪の軌道面と転動体との間に
行き渡り、長期にわたって良好な潤滑状態を維持するこ
とができる。
うな従来のポリマ潤滑剤封入転がり軸受においては、ポ
リマ潤滑剤は一般的に内輪と外輪および転動体の間に密
に封入されるため、転がり軸受の回転時に、このポリマ
潤滑剤が転動体もしくは内輪・外輪と接触することによ
る滑り摩擦抵抗の発生に起因して、転がり軸受の回転ト
ルクが増大するばかりでなく、自己発熱によりポリマ潤
滑剤中の基油の酸化劣化が生じたり、更にはポリマ潤滑
剤が溶融してしまったり、あるいは破損してしまうとい
う問題があった。
もので、ポリマ潤滑剤封入転がり軸受におけるポリマ潤
滑剤と転動体、内輪、および外輪との間の滑り摩擦抵抗
を軽減することができ、もって上記した諸問題点を一挙
に解決することのできるポリマ潤滑剤封入転がり軸受
と、そのような構成を有するポリマ潤滑剤封入転がり軸
受を製造する方法の提供を目的としている。
め、本発明のポリマ潤滑剤封入転がり軸受は、内輪と外
輪の間に複数の転動体が転動自在に配置されているとと
もに、これら内輪、外輪および各転動体の間に形成され
る空間に、ポリマに潤滑油を混合して固化させてなるポ
リマ潤滑剤が封入されてなる転がり軸受において、上記
ポリマ潤滑剤の表面のうち、転がり軸受の内輪、外輪お
よび転動体と接触する面のうち少なくとも1つの面に、
多数の微細な凸構造体が設けられていることによって特
徴づけられる(請求項1)。
軸受においては、上記凸構造体が、上記ポリマ潤滑剤に
用いる樹脂よりも低摩擦の材質からなる樹脂粉末からな
り、その樹脂粉末が当該ポリマ潤滑剤の樹脂に対して一
部突出した状態で保持された構成(請求項2)を好適に
採用することができる。
受の製造方法は、請求項1または2に係る発明のポリマ
潤滑剤封入転がり軸受を製造する方法であって、このう
ち、請求項3に係る発明は、上記ポリマ潤滑剤を上記空
間に封入する前に、当該ポリマ潤滑剤に用いる樹脂より
も高融点かつ低摩擦の材質からなる樹脂粉末を混合させ
た初期潤滑油を、封入後のポリマ潤滑油が接触する転が
り軸受の表面の少なくとも一部に塗布もくしは注ぎかけ
ることによって特徴づけられる。
封入転がり軸受の製造方法は、上記ポリマ潤滑剤を上記
空間に封入する前に、当該ポリマ潤滑剤に用いる樹脂よ
りも高融点かつ低摩擦の材質からなる樹脂粉末を溶剤に
分散させてなるエマルジョンを、封入後のポリマ潤滑剤
が接触する転がり軸受の表面の少なくとも一部に塗布し
て乾燥させることによって特徴づけられる。
封入転がり軸受の製造方法は、上記ポリマ潤滑剤の原料
に、当該ポリマ潤滑剤に用いる樹脂よりも高融点かつ低
摩擦の材質からなる樹脂粉末を添加しておき、その原料
を加熱溶融させて上記空間に充填した後、冷却・固化さ
せることによって特徴づけられる。
求項1)は、転がり軸受の内外輪および転動体の間の空
間に封入されるポリマ潤滑剤の表面のうち、内輪、外輪
および転動体に接触する面の少なくとも1つの面に、多
数の微細な凸構造体を設けた構成を採用することによ
り、ポリマ潤滑剤を内輪、外輪および転動体に対する接
触部分のうちの少なくとも一部を密着させず、ポリマ潤
滑剤をその表面の凸構造体のみにおいて接触させること
により、ポリマ潤滑剤と転がり軸受の各部品との接触面
積を少なくし、その滑り摩擦抵抗を軽減させるものであ
る。
いる樹脂、つまり超高分子量ポリエチレン等よりも低摩
擦の材質からなる樹脂粉末、例えばPTFEやポリプロ
ピレン等の樹脂粉末を用いて、その樹脂粉末をポリマ潤
滑剤の樹脂に対して一部突出させた状態で保持させる構
造(請求項2)を採用することにより、滑り摩擦抵抗の
軽減効果をより一層確実なものとすることができる。
ような多数の微細な凸構造体を表面に有するポリマ潤滑
剤を封入した転がり軸受を製造するための好適な方法で
あり、請項3に係る発明では、ポリマ潤滑剤を転がり軸
受の内輪、外輪および転動体の間の空間に封入する前
に、転がり軸受の内輪、外輪および転動体の表面のう
ち、ポリマ潤滑剤が接触する部位の少なくとも一部に対
して、ポリマ潤滑剤に用いる樹脂よりも高融点かつ低摩
擦の材質、例えば上記したPTFEやポリプロピレン等
の樹脂粉末を、初期潤滑油、つまりポリマ潤滑剤を封入
する前に当該ポリマ潤滑剤が接触する転がり軸受部品の
表面に油膜を形成するための潤滑油に混合・分散させた
ものを、塗布ないしは注ぎかける。その状態で未硬化の
ポリマ潤滑剤を内輪、外輪および転動体の間の空間に充
填して冷却して固化させると、内輪、外輪および転動体
の表面に初期潤滑油とともに付着している樹脂粉末がポ
リマ潤滑剤の樹脂の表面に対して一部が突出した状態で
保持され、請求項1または2に係る発明の構成を有する
ポリマ潤滑剤封入転がり軸受が得られる。
滑剤を封入する前の転がり軸受の内輪、外輪および転動
体の上記と同等の部位に、同じくPTFEやポリプロピ
レン等の樹脂粉末を適当な溶剤に分散させてなるエマル
ジョンを塗布して乾燥させておく。この状態で未硬化の
ポリマ潤滑剤を内輪、外輪および転動体の間の空間に充
填して固化させると、内輪、外輪および転動体の表面に
付着している樹脂粉末がポリマ潤滑剤の樹脂の表面に対
して一部が突出した状態で保持され、請求項1または2
に係る発明の構成を有するポリマ潤滑剤封入転がり軸受
が得られる。
滑剤の原料にあらかじめ上記と同様のPTFEやポリプ
ロピレン等の樹脂粉末を添加しておく。このような原料
を加熱溶融させて転がり軸受の内輪、外輪および転動体
の間の空間に充填し、冷却により固化させることによっ
て、樹脂粉末がポリマ潤滑剤の全体に分散した状態とな
り、表面にもその樹脂粉末が突出した状態となり、請求
項1または2に係る発明の構成を有するポリマ潤滑剤封
入転がり軸受が得られる。
実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形
態の模式的軸平行断面図である。この例は自動調心ころ
軸受に本発明を適用したものであり、内輪1の外周には
案内鍔1cを挟んでその両側に互いに平行な2列の軌道
面1a,1bが形成され、また、その各軌道面1a,1
bの外側には脱落防止鍔1dが形成されているととも
に、外輪2の内周には球面からなる1つの軌道面2aが
形成されている。
1のの2列の軌道面1a,1bに沿って、それぞれ複数
のころ(転動体)3が、それぞれ保持器4によって周方
向に一定の間隔を開けて保持された状態で、内輪1の軌
道面1aまたは1bと、外輪2の軌道面2の双方に対し
て転動自在に配置されている。
間には、ポリマ潤滑剤5が封入されている。ポリマ潤滑
剤5は、超高分子量ポリエチレンと潤滑油もしくはグリ
ースとを混合した原料を、組立後の内輪1と外輪2の間
に注入し、冷却することによって固化させた公知のもの
である。そして、このポリマ潤滑剤5の表面のうち、内
輪1、外輪2およびころ3に接触する部位の表面には、
微細な凸構造体6が設けられている。
ッ化エチレン)やポリプロピレン等の、ポリマ潤滑剤5
の樹脂成分として用いられる超高分子量ポリエチレンよ
りも高融点で、かつ、低摩擦な材質の樹脂粉末からな
り、図2に要部の模式的断面図を示すように、ポリマ潤
滑剤5の樹脂5aの表面に対して、一部が外部に突出な
いしは露呈した状態で保持されている。この凸構造体6
を形成する樹脂粉末の粒子径は、特に限定されるもので
はないが、50〜150μmの範囲の粒子径とすること
が好ましい。
5は、内輪1、外輪2および各ころ3に対して、表面に
設けられたPTFEやポリプロピレン等の低摩擦の樹脂
粉末からなる凸構造体6を介して接触することになり、
ポリマ潤滑剤が転がり軸受の内輪、外輪およびころに対
して全面的に密着する従来のこの種の転がり軸受に比し
て、相互の接触面積が小さくなり、転がり軸受の回転時
における滑り摩擦抵抗を低減させることができ、滑り摩
擦抵抗による回転トルクの低減および発熱量の低減を達
成することができる。
法について、図3に示す手順説明図を参照しつつ説明す
る。まず、内輪1、外輪2、ころ3および保持器4から
なる自動調心ころ軸受を組み立てた後、これらの軸受部
品の表面の内、少なくとも封入後のポリマ潤滑剤5が接
触する部位、つまり、内輪1の軌道面1a,1b、案内
鍔1cの両側面および外周面、外輪2の軌道面2a、各
ころ3の転送面(外周面)等に、PTFEもしくはポリ
プロピレン等の樹脂粉末60を混合・拡散させた初期潤
滑油を塗布もしくは注ぎかける。これにより、図3
(A)に模式的断面図を示すように、その初期潤滑油を
塗布もしくは注ぎかけた部位には、樹脂粉末60が混在
した初期潤滑油の油膜61が形成される。
すように、射出成形金型10内に自動調心ころ軸受を挿
入して、射出成形法により、内輪1、外輪2およびころ
3の間に形成された空間内にポリマ潤滑剤の原料50を
溶融状態で注入し、冷却して固化させる。
が固化する際に、粉末樹脂60がポリマ潤滑剤原料50
中の樹脂中に一部が没入し、他の部分が外側に突出した
図2に模式的に示したような構造のもとに、樹脂粉末6
0がポリマ潤滑剤5に保持された状態となり、図1に示
したポリマ潤滑剤封入転がり軸受が得られる。
リマ潤滑剤封入転がり軸受は、以下の手順によっても製
造することができる。すなわち、上記と同様のPTFE
やポリプロピレン等の樹脂粉末を、当該樹脂粉末および
ポリマ潤滑剤に用いる樹脂および潤滑油のいずれに対し
ても不活性な揮発性の溶剤に分散させ、内輪1、外輪2
および転動体3の表面のうち、上記した製造方法の例と
同等の部位に塗布した後に乾燥させる。この状態では、
図4に模式的に示すように、塗布位置における転がり軸
受部品の表面には、樹脂粉末60が付着した状態とな
る。この状態で上記の製法例と同様にしてポリマ潤滑剤
原料を射出成形法等によって内輪1、外輪2およびころ
3の間の空間に注入し、冷却して固化させることによ
り、樹脂粉末60がポリマ潤滑剤6の樹脂中に一部が没
入し、他の部分が外部に突出した図2に示した構造のも
とに、樹脂粉末60がポリマ潤滑剤5の表面に保持され
た状態となり、図1に示したポリマ潤滑剤封入転がり軸
受が得られる。
滑剤の表面のうち、転がり軸受の内輪、外輪および転動
体と接触する面の全てにおいて多数の微細な凸構造体を
設けた例を示したが、これらの面のうちの少なくとも1
つの面に微細な凸構造体を設けても、ポリマ潤滑材の転
がり軸受部品に対する滑り摩擦抵抗を軽減することがで
き、本発明はこのような構成をも含む。
を有するポリマ潤滑剤封入転がり軸受は、以下の手順に
よっても製造することができる。すなわち、超高分子量
ポリエチレンと潤滑油もしくはグリースとからなるポリ
マ潤滑剤5の原料中に、上記と同様のPTFEやポリプ
ロピレン等からなる樹脂粉末60を添加しておく。その
ポリマ潤滑剤原料を上記した各例と同様にして射出成形
法等によって内輪1、外輪2およびころ3の間の空間に
注入し、冷却して固化させることにりよ、樹脂粉末60
はポリマ潤滑剤5の全体に分散した状態で保持されるこ
とになり、従ってその表面にも露出ないしは突出した状
態となり、機能的には図1に示したものと同等のポリマ
潤滑剤封入転がり軸受が得られる。
適用した例を示したが、本発明はこれに限定されること
なく、玉軸受や円筒ころ軸受等の他の種類の転がり軸受
にも等しく適用し得ることは勿論である。
軸受の内輪、外輪および転動体の間に封入されるポリマ
潤滑剤の表面のうち、転がり軸受の内輪、外輪およびこ
ろに対して接触する面の少なくとも1つの面に凸構造体
を設け、ポリマ潤滑剤がその凸構造体を介してこれらの
転がり軸受部品に対して接触するように構成しているの
で、ポリマ潤滑剤が軸受部品に対して面接触する従来の
この種の転がり軸受に比して、ポリマ潤滑剤と軸受部品
との間の摩擦抵抗を軽減させることができる結果、回転
トルクの減少、摩擦による自己発熱に起因するポリマ潤
滑剤の溶融・破損の防止およびそれに伴う限界回転数の
向上を達成することができるとともに、自己発熱による
基油の酸化劣化をも抑制することができる。
造体としてポリマ潤滑剤に用いられる超高分子量ポリエ
チレン等の樹脂よりも摩擦係数の低いPTFEやポリプ
ロピレン等の樹脂粉末を用いることにより、摩擦抵抗の
軽減効果はより一層確実なものとなる。
封入転がり軸受は、ポリマ潤滑剤に用いる樹脂よりも高
融点で低摩擦の樹脂粉末を、初期潤滑剤もしくは溶剤に
分散させて、ポリマ潤滑剤の封入工程の前に転がり軸受
の表面に塗布するか(請求項3もしくは4)、あるいは
ポリマ潤滑剤の原料にあらかじめ添加しておくこと(請
求項5)により、特殊な工程を用いることなく、従って
コストをあまり上昇させることなく製造することができ
る。
断面図である。
る。
で、(A)は樹脂粉末60を混合・拡散させた初期潤滑
油を転がり軸受の所要部位に塗布した状態を示す模式的
断面図、(B)は射出成形法によりポリマ潤滑剤原料5
0を転がり軸受内部に注入する工程の模式的図である。
図で、樹脂粉末60を分散させた溶剤を転がり軸受の所
要部位に塗布して乾燥させた状態を示す模式図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 内輪と外輪の間に複数の転動体が転動自
在に配置されているとともに、これら内輪、外輪および
各転動体の間に形成される空間に、ポリマに潤滑油を混
合して固化させてなるポリマ潤滑剤が封入されてなる転
がり軸受において、 上記ポリマ潤滑剤の表面のうち、転がり軸受の内輪、外
輪および転動体と接触する面の少なくとも1つの面に、
多数の微細な凸構造体が設けられていることを特徴とす
るポリマ潤滑剤封入転がり軸受。 - 【請求項2】 上記凸構造体が、上記ポリマ潤滑剤に用
いる樹脂よりも低摩擦の材質からなる樹脂粉末からな
り、その樹脂粉末が当該ポリマ潤滑剤の樹脂に対して一
部突出した状態で保持されていることを特徴とする請求
項1に記載のポリマ潤滑剤封入転がり軸受。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載のポリマ潤滑剤
封入転がり軸受を製造する方法であって、 上記ポリマ潤滑剤を上記空間に封入する工程の前に、当
該ポリマ潤滑剤に用いる樹脂よりも高融点かつ低摩擦の
材質からなる樹脂粉末を混合・分散させた初期潤滑油
を、封入後のポリマ潤滑油が接触する転がり軸受の表面
の少なくとも一部に塗布もくしは注ぎかけることを特徴
とするポリマ潤滑剤封入転がり軸受の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載のポリマ潤滑剤
封入転がり軸受を製造する方法であって、 上記ポリマ潤滑剤を上記空間に封入する工程の前に、当
該ポリマ潤滑剤に用いる樹脂よりも高融点かつ低摩擦の
材質からなる樹脂粉末を溶剤に分散させてなるエマルジ
ョンを、封入後のポリマ潤滑剤が接触する転がり軸受の
表面の少なくとも一部に塗布して乾燥させることを特徴
とするポリマ潤滑剤封入軸受の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1または2に記載のポリマ潤滑剤
封入転がり軸受を製造する方法であって、 上記ポリマ潤滑剤の原料に、当該ポリマ潤滑剤に用いる
樹脂よりも高融点かつ低摩擦の材質からなる樹脂粉末を
添加しておき、その原料を加熱溶融させて上記空間に注
入し、冷却・固化させることを特徴とするポリマ潤滑剤
封入転がり軸受の製造方法。
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JP2000303072A JP4078505B2 (ja) | 2000-10-03 | 2000-10-03 | ポリマ潤滑剤封入転がり軸受およびその製造方法 |
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KR101285226B1 (ko) | 2012-06-27 | 2013-07-11 | 연세대학교 산학협력단 | 공차 보상 기능을 갖는 나노/마이크로 롤러 베어링 및 그 제조방법 |
FR3013088A1 (fr) * | 2013-11-14 | 2015-05-15 | Renault Sa | Dispositif de liaison d'une roue a une structure de vehicule automobile comprenant un roulement comportant un lubrifiant solide |
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2000
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