JP2002105562A - 水素吸蔵合金 - Google Patents

水素吸蔵合金

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 100゜C以下で水素の解離・放出ができ、し
かもアモルファス化や不均化を招くことなく繰り返し吸
蔵や放出ができると共に、軽量で安価な多元系AB2
水素吸蔵合金を提供すること。 【手段】 下記一般式で表される化学組成を有するラ
ーベス相を主相とする3元系および多元系AB2型水素吸
蔵合金である。 (Mg1-xCax)Niz (Mg1-x-aCaxAa)(Ni1-bBb)z ただし、上記式中のAは、Ti、Y、Zr、Nb、Taおよび希
土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素であり、B
は、Al、Si、V、Cr、Mn、Fe、Co、CuおよびZnから選ば
れる少なくとも1種の元素であり、xは、0.1≦x≦0.5、
aは0<a≦0.3、bは0<b≦0.5、zは1.8≦z≦2.2とし
て規定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Mg、Niを主成分と
するAB2型の水素吸蔵合金であって、従来のAB5型の水素
吸蔵合金に比べて水素吸蔵量が多く、室温近傍の温度で
も吸蔵・放出可能で、しかも軽量で比較的安価に提供で
きる点に特徴をもつ水素吸蔵合金に関す
【0002】
【従来の技術】水素は高圧ガスボンベに詰めると、その
体積は約150分の1に縮小され、そして、液化すると約8
00分の1まで縮小することができる。一方、水素吸蔵合
金は、気体状の水素を合金内に吸蔵(吸収)して固体の形
態として蓄えるので、水素の体積は見かけ上約1000分の
1にまで縮小することが可能になる。しかも、水素吸蔵
合金に貯蔵した水素は、液体水素や高圧水素ガスに比べ
て取り扱い方法が単純である。このような意味におい
て、水素の分散輸送・貯蔵を水素吸蔵合金を用いて行う
ことは事実上、大きなメリットがある。また、水素吸蔵
合金を利用する場合、液体水素や高圧力の水素ガスを取
り扱う必要がなくなるので、水素吸蔵合金を用いた水素
貯蔵は安全面においても優れた特性を有している。しか
も、水素吸蔵合金中に貯蔵した水素は、温度や水素圧力
を調整するだけで繰り返し自由に水素を出し入れするこ
とができる。
【0003】このような理由から現在では、高性能な水
素分散輸送・貯蔵用水素吸蔵合金の開発が、水素エネル
ギー利用のために不可欠なものになっている。これまで
に発見されている水素吸蔵合金の基本型としては、LaNi
5等のAB5型、ZrMn2等のAB2型、TiFe等のAB型、Mg2Ni等
のA2B型の金属間化合物やTi-V-Cr系等のBCC固溶体合金
が知られている。これらの中でAB5型やAB2型の水素吸蔵
合金は、希土類元素あるいはZr等の比較的重い元素を主
体としているため軽量化することが困難である。また、
BCC固溶体合金では2mass%以上の水素吸蔵量を有してい
るが、V等の高価な元素を多量に使用するため、コスト
的に不利である。
【0004】一方で、軽量で安価な元素であるMgを主体
としたMg2Ni型合金は、3.6mass%とたいへん大きい水素
吸蔵量を持っていることが知られている。しかし、この
Mg2Ni型合金は、実用的な水素圧力を売るための水素解
離温度が、250C以上と高いのが欠点である。そこ
で、最近では、この解離温度の低下を目的に、アモルフ
ァス化やMgまたはNiの一部を他の元素で置換して水素吸
蔵特性を変える試みがあるが、現実には水素を100
以下で解離させることのできる合金は開発されていない
のが実情である。
【0005】これまでに、Mg2Ni型合金以外で、Mg、Ni
を主原料に用いた水素吸蔵合金については、Mat.Res.Bu
ll.,vol. 15, pp. 275-283(以下、「論文1」とい
う)に、Mg0.5Ca0.5Ni2組成の合金が開示されている。
この論文1に開示されている上記合金の場合、水素を分
散輸送・貯蔵するときに有効な実用温度や水素圧力での
吸蔵・放出となると、平衡水素圧力があまりにも低いた
め、その量は0.7mass%程度以下にしかならない。しか
も、この論文1に開示された合金では、水素の平衡圧力
が100゜Cの高温でも0.3気圧以下と低いため、水素を実
際に出し入れするときには、減圧するための真空ポンプ
やヒーター等の熱源装置も必要になる。
【0006】一方、上記の合金のようにC15型結晶構造
を有するAB2型水素吸蔵合金の一部のものでは、水素吸
蔵により、アモルファス化や不均化が起こることが指摘
されている。(論文2:K.Aoki, X.-G. Li and T.Matsum
oto: Acta Metall Mater., 40,(1992)1717) なお、こ
の論文2の記載によると、A元素とB元素の原子半径化(R
A/RB)が1.37以上の場合、水素を吸蔵してアモルファス
化することが述べられている。しかし、この論文2の記
載では、2元系のAB2型合金の水素吸蔵・放出によって
起こる構造変化の規定に留まっており、多元系およびそ
れ以上の多元系の合金についての規定はなされていな
い。しかも、この論文2では、水素の平衡圧力に影響を
与えているAB2相の格子定数の値についての規定もなさ
れていない。このような背景の下で、水素を100゜C以下
で解離・放出でき、アモルファス化や不均化を回避でき
る、軽量で安価なMg、Niを主原料として用いた多元系AB
2型水素吸蔵合金の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、実際
に分散輸送・貯蔵するときに利用しやすい温度である10
0゜C以下で水素の解離・放出ができ、しかもアモルファ
ス化や不均化を招くことなく繰り返し吸蔵や放出ができ
ると共に、軽量で安価な多元系AB2型水素吸蔵合金を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、従来技術が
抱えている上述した課題を解決するために、MgとNiを主
原料とする多元系AB2型水素吸蔵合について、金属組織
学的および結晶構造学的な考察を加えながら、溶解法を
用いて作製した試料について鋭意研究した結果、本発明
を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は下記の一般式で示される化
学組成を有する、MgCu2タイプのC15型結晶構造のラーベ
ス相を主相とする多元系AB2型水素吸蔵合金であっ
て、 (Mg1-xCax)Niz ただし、式中においてxは、0.1≦x≦0.5、zは1.8≦
z≦2.2として規定される。そして、この合金の格子定
数は7.00Å以下であり、かつA側元素の平均原子半径
(RA)とB側元素の平均原子半径(RB)との比が、次
式; RA / RB ≦ 1.40 の関係を満足することを特徴とする水素吸蔵合金であ
る。
【0010】また本発明は、下記の一般式で示される化
学組成を有する、MgCu2タイプのC15型結晶構造のラーベ
ス相を主相とする多元系AB2型水素吸蔵合金であっ
て、 (Mg1-x-aCaxAa)(Ni1-bBb)z ただし、式中において、Aは、Ti、Y、Zr、Nb、Taおよ
び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素であ
り、BはAl、Si、V、Cr、Mn、Fe、Co、CuおよびZnから
選ばれる少なくとも1種の元素であり、xは0.1≦x≦0.
5、aは0≦z≦0.5、bは0≦b≦0.5、zは1.8≦z≦2.
2として規定される。そして、この合金の格子定数は7.0
0Å以下であり、かつA側元素の平均原子半径(RA)とB
側元素の平均原子半径(RB)との比が、次式; RA / RB ≦ 1.40 の関係を満足することを特徴とする水素吸蔵合金であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の水素吸蔵合金は、下記一
般式で表される化学組成を有するラーベス相を主相とす
る多元系および多元系AB2型水素吸蔵合金である。 (Mg1-xCax)Niz (Mg1-x-aCaxAa)(Ni1-bBb)z ただし、上記式中のAは、Ti、Y、Zr、Nb、Taおよび希
土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素であり、B
は、Al、Si、V、Cr、Mn、Fe、Co、CuおよびZnから選ば
れる少なくとも1種の元素であり、xは、0.1≦x≦0.5、
aは0<a≦0.3、bは0<b≦0.5、zは1.8≦z≦2.2とし
て規定される。
【0012】合金の化学組成が上記の範囲を外れると、
水素吸蔵量が著しく減少して、水素吸蔵合金としての機
能が十分に得られなくなる。例えば、Caの量について
は、xの値を前記の範囲に規定することによって、高い
水素吸蔵量を維持しつつ、水素を放出し難いという課題
を克服することができる。即ち、xが0.1未満ではその
効果が得られず、一方、xが0.5を超えると、水素の吸蔵
・放出の圧力が著しく低下してしまう。より好ましいx
の値は0.15≦x≦0.45であり、さらに好ましい値は0.2≦
x≦0.4である。
【0013】次に、上記Mgに対してA元素の置換量、即
ちaの値を前記範囲に規定することによって、高い水素
吸蔵量を維持しつつ、水素の吸蔵・放出の繰り返しに対
するラーベス相の安定性を向上させることができ、かつ
平衡圧力の調整を行うことができる。このaが0.3を超え
てしまうと、ラーベス相以外の相が析出してしまい、吸
蔵量の減少につながる。より好ましいaの値は0.1≦a≦
0.2である。
【0014】また、Niに対するB元素の置換量、即ちbの
値を前記範囲に規定することによって、高い水素吸蔵量
を維持しつつ、水素の吸蔵・放出の繰り返しに対するラ
ーベス相の安定性を向上させることができ、かつ平衡圧
力の調整を行うことができる。このbが0.5を超えてしま
うと、ラーベス相以外が析出してしまい、吸蔵量の減少
につながる。より好ましいbの値は0.1≦b≦0.4である。
【0015】次に、前記A元素(Mg、Ca)とB元素(Ni)
の比zの値が、上述した上限の範囲である2.2を超えた
り、下限の1.8以下であったりした場合には、ラーベス
相以外の異相が析出してしまい、結果として、吸蔵量の
減少、平衡圧力の変化およびプラトー性の低下等を招く
ことになるので、1.8以上2.2までとした。
【0016】なお、上掲のA元素として規定した希土類
元素は、水素吸蔵合金の低コスト化を図る観点から、L
a、Ce、Pr、およびNdから選ばれる少なくとも1種の元素
を用いることが好ましく、特に希土類元素の混合物であ
るメッシュメタル、例えばCeがリッチなMm、Laがリッチ
なLmを用いることができる。ただし、本発明にかかる水
素吸蔵合金においては、上記希土類成分は必ずしも必須
の成分ではない。
【0017】また、本発明の水素吸蔵合金では、上記AB
2相を主成分として形成している限り、他の合金成分が
含まれていても差し支えない。即ち、本発明の効果を妨
げない範囲内であれば他の合金成分を含有してもよい。
【0018】また、本発明の水素吸蔵合金においては、
C、N、O、F、S等の不純物元素を含むことが許容され
る。これらの不純物の水素吸蔵合金中での含有量は、1m
ass%以下にすることが好ましい。
【0019】上述したように、本発明のAB2型水素吸蔵
合金のラーベス相は、MgCu2型のC15型結晶構造をもち、
かつそのAサイトがMg、Ca、Ti、Y、Zr、Nb、Taおよび
希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素により占
有され、BサイトがNi、Al、Si、V、Cr、Mn、Co、Cuおよ
びZnから選ばれる少なくとも1種の元素により占有され
ている。かかるC15型ラーベス相は、合金中において70v
ol%以上の体積を占めることが望ましい。このC15型ラ
ーベス相が占める割合が70vol%未満の場合、即ち異相
が多量に析出した倍、水素吸蔵量の減少やC15型ラーベ
ス相の結晶性が相対的に劣化する等の問題を招き、その
結果として水素吸蔵合金としての性能が低下するので好
ましくない。なお、上記異相の例(30vol%未満)とし
てはC14型、C36型の他、金属Mg相、Mg2Ni相、Ca2Ni
7層、CaNi3相、金属Ca相、CaO相、Ca(OH)2相などが観察
される。
【0020】合金組織をより均質なC15型ラーベス相に
すること、およびC15型ラーベス相の合金中でのvol%を
調整(増加)するには熱処理条件を調整することにより
行う。好ましい熱処理条件としては、合金の化学組成に
よって異なるものの、アルゴンガス雰囲気下または真空
中において400゜C〜1000゜Cの温度で5〜100時間保持す
る処理を、適宜に調整して行うことが望ましい。上述し
た化学組成を有する本発明の水素吸蔵合金は、とくにA
元素の場合、水素と発熱型の反応をすると共に、原子半
径の小さいものがより好ましい。一方、B元素について
は、水素と吸熱型の反応をする元素であると共に、原子
半径の大きいものがより好ましい。
【0021】以上説明したような条件を満足するAB2
水素吸蔵合金について、本発明ではさらに、A側元素の
平均原子半径(RA:各A側元素の原子半径の加重平均)
とB側元素の平均原子半径(RB:各B側元素の原子半径
の加重平均)との比を、以下のように定める。 RA / RB ≦ 1.40 この原子半径比(RA/RB)が、上記関係を満たしていな
いときには、合金が水素を吸蔵するとアモルファス化し
たり、不均化したりする等の構造変化を起こしてしま
い、吸蔵・放出の繰り返しが困難になってしまう。
【0022】また、本発明の金AB2型水素吸蔵合金は、
C15型ラーベス相の格子定数を7.00Å以下に定める。も
し、上記格子定数が7.00Åを超えるときは、水素の吸蔵
・放出時の平衡圧力が極端に低くなってしまう。
【0023】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより明確にする。なお、実施例における各測定は
以下のように行った。 PCT(水素圧力−組成−温度)特性の測定:全自動ジ
ーベルト装置を用い、合金粉末約5gをステンレス製反
応容器に封入し、活性化処理の後、100Pa以上4.0Mpa以
下の圧力範囲で測定した。初期活性化は80゜Cまで加熱
して真空脱気して、水素を放出させる操作を数回繰り返
した。 X線解析測定:粉末X線解析法にて測定を行った。この
測定結果から、本発明合金がC15型ラーベス構造を有し
ていることを確認した。
【0024】実施例1および比較例1 歩留まりを考慮してMg、Ca、Niを秤量した後、融解し、
合金化して(Mg0.7Ca0.3)Ni2(実施例1)、(Mg0.1Ca0.9)N
i2(比較例1)および(Mg0.9Ca0.1)Ni2(比較例2)を
作製した。作製したこれらの合金に700゜Cで50時間の熱
処理を行った。これらの試料を用いてX線解析およびP
CT特性の測定を行った。これらの結果を表1、図1お
よび図2に示す。また実施例1および比較例1のPCT
特性測定後の試料について粉末X線解析測定を行った結
果を図3に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1による(Mg0.7Ca0.3)Ni2は、格子
定数6.94ÅのC15型ラーベス相構造であった。これに対
し、比較例1による(Mg0.1Ca0.9)Ni2は、格子定数7.21Å
のC15型ラーベス相構造であった。また、比較例2によ
る(Mg0.9Ca0.1)Ni2は、C36型ラーベス相構造であった。
【0027】図2に明らかなように、実施例1合金で
は、水素吸蔵量がH/Mで約0.71(約1.5mass%)であった。
また、比較例1合金および比較例2合金ではほとんど水
素を吸蔵しなかった。図3に明らかなように、実施例1
合金では、水素の吸蔵・放出後でもC15型ラーベス相構
造を維持していた。また、その格子定数は6.94Åであっ
た。しかし比較例1合金では、X線解析ピークが消滅し
ており、C15型ラーベス相構造を確認できなくなった。
【0028】実施例2および実施例3 MgおよびCaの置換物質してTi、Laを用い、さらに歩留ま
りを考慮し、Mg、Ca、Ni、TiまたはLaを秤量した後、融
解し、合金化して(Mg0.5Ca0.4Ti0.1)Ni2(実施例3)を作
製した。作製したこれらの合金は、700゜Cで50時間の熱
処理の後、X線解析およびPCT特性の測定を行った。
これらの結果を表1、図4に示す。図4に示すように、
実施例2による(Mg0.5Ca0.4Ti0.1)Ni2は、格子定数6.97
ÅのC15型ラーベス相構造であった。
【0029】実施例4および実施例5 Niの置換物質としてAl、Coを用いて、さらに歩留まりを
考慮し、Mg、Ca、Ni、AlまたはCoを秤量した後、融解
し、合金化して(Mg0.6Ca0.4)Ni1.9Al0.1(実施例4)およ
び(Mg0.6Ca0.4)Ni1.8Co0.2(実施例5)を作製した。これ
らの試料に対し700゜Cで50時間の熱処理を行いその後X
線解析およびPCT特性の測定を行った。これらの結果
を表1、図5に示す。図5に示すように、実施例4によ
る(Mg0.6Ca0.4)Ni1.9Al0.1は、主相が格子定数7.00Åの
C15型ラーベス相構造であった。また、実施例5による
(Mg0.6Ca0.4)Ni1 .8Co0.2は、主相が格子定数6.98Åのラ
ーベス相構造であった。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来のAB2型の水素吸蔵合金に比べて水素吸蔵量が多く、
室温近傍の温度でも吸蔵・放出することができ、しかも
軽量で比較的安価といった特徴をもつAB2型の水素吸蔵
合金を提供することが可能となった。したがって、本発
明合金を使用することで、高効率な水素エネルギーを利
用した各種技術の実用化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合金(Mg0.7Ca0.3)Ni2、比較例1合金(Mg
0.1Ca0.9)Ni2および比較例2合金(Mg0.9Ca0.1)Ni2
粉末X線解析測定結果を示す図である。
【図2】本発明合金(Mg0.7Ca0.3)Ni2、比較例1合金(Mg
0.1Ca0.9)Ni2および比較例2合金(Mg0.9Ca0.1)Ni2の4
0゜CにおけるPCT曲線を示す図である。
【図3】本発明合金(Mg0.7Ca0.3)Ni2および比較例1合
金(Mg0.1Ca0.9)Ni2の水素・放出後の粉末X線解析測定結
果を示す図である。
【図4】本発明合金(Mg-Ca-A)Ni系合金の粉末X線解析
測定結果を示す図である。
【図5】本発明合金(Mg-Ca)Ni-B系合金の粉末X線解析
測定結果を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式で示される化学組成を有す
    る、MgCu2タイプのC15型結晶構造のラーベス相を主相と
    する多元系AB2型水素吸蔵合金であって、 (Mg1-xCax)Niz ただし、式中においてxは、0.1≦x≦0.5、zは1.8≦
    z≦2.2として規定される。そして、この合金の格子定
    数は7.00Å以下であり、かつ、A側元素の平均原子半径
    (RA)とB側元素の平均原子半径(RB)との比が、次
    式; RA / RB ≦ 1.40 の関係を満足することを特徴とする水素吸蔵合金。
  2. 【請求項2】 下記の一般式で示される化学組成を有す
    る、MgCu2タイプのC15型結晶構造のラーベス相を主相と
    する多元系AB2型水素吸蔵合金であって、 (Mg1-x-aCaxAa)(Ni1-bBb) ただし、式中において、Aは、Ti、Y、Zr、Nb、Taおよ
    び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素であ
    り、BはAl、Si、V、Cr、Mn、Fe、Co、CuおよびZnから
    選ばれる少なくとも1種の元素であり、xは0.1≦x≦0.
    5、aは0≦a≦0.3、bは0≦b≦0.5、zは1.8≦z≦2.2
    として規定される。そして、この合金の格子定数は7.00
    Å以下であり、かつA側元素の平均原子半径(RA)とB
    側元素の平均原子半径(RB)との比が、次式; RA / RB ≦ 1.40 の関係を満足することを特徴とする水素吸蔵合金。
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