JP2002105070A - 新規酸二無水物及び前駆体並びにそれらの製法 - Google Patents

新規酸二無水物及び前駆体並びにそれらの製法

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JP2002105070A
JP2002105070A JP2000299512A JP2000299512A JP2002105070A JP 2002105070 A JP2002105070 A JP 2002105070A JP 2000299512 A JP2000299512 A JP 2000299512A JP 2000299512 A JP2000299512 A JP 2000299512A JP 2002105070 A JP2002105070 A JP 2002105070A
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tetranitrile
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JP2000299512A
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English (en)
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Katsuhide Aichi
且英 愛知
Takashi Masuko
崇 増子
Shinji Takeda
信司 武田
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Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイミド及びその前駆体の原料、エポキシ
樹脂の硬化剤等として有用で、耐加水分解性及び可とう
性に優れたテトラカルボン酸二無水物、上記テトラカル
ボン酸二無水物の原料として有用なテトラカルボン酸及
びその誘導体、上記テトラカルボン酸及びその誘導体の
原料として有用なテトラニトリル、上記テトラカルボン
酸二無水物を高純度、高収率で製造可能なテトラカルボ
ン酸二無水物の製法、テトラカルボン酸の製法並びにテ
トラニトリルの製法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるテトラカル
ボン酸二無水物、特定のテトラカルボン酸及びその誘導
体、特定のテトラニトリル、特定のテトラカルボン酸を
脱水閉環すること特徴とする、下記一般式(1)で表さ
れるテトラカルボン酸二無水物の製法、特定のテトラニ
トリルを加水分解することを特徴とする、特定のテトラ
カルボン酸の製法、特定の化合物と、特定の化合物を反
応させることを特徴とする、特定のテトラニトリルの製
法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なテトラカル
ボン酸二無水物及びその前駆体並びにそれらの製法に関
する。
【0002】
【従来の技術】テトラカルボン酸二無水物は、ポリイミ
ド、ポリイミドイソインドロキナゾリジオン、ポリアミ
ド酸などの高分子の原料や、エポキシ樹脂の硬化剤とし
て有用であり、樹脂成型品、電子回路基板等に用いられ
ている。従来、このようなテトラカルボン酸二無水物と
しては、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジ
(フタル酸無水物)エーテル、ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2−(エチレン)ビストリメリテー
ト酸二無水物、4,4′−(2,2−イソプロピリデン
ジフェノキシ)ビストリメリテート酸二無水物などが用
いられてきた。
【0003】しかし、近年、樹脂成型品や電子材料等に
おいて高性能化のための様々な要求が出現してくるに従
い、現存のテトラカルボン酸二無水物を用いた形では対
応できなくなってきており、所望の特性を発現させるた
めに、新規な構造を有するテトラカルボン酸二無水物の
開発が強く望まれている。
【0004】例えば、従来のテトラカルボン酸二無水物
を用いて得られるポリイミド、ポリアミド酸、ポリイミ
ドイソインドロキナゾリジオン等の高分子材料やエポキ
シ樹脂硬化物は、耐熱性等には優れているものの、柔軟
性及び可とう性に劣るものであった。
【0005】またトリメリット酸を原料として分子内に
長鎖の構造を導入した酸二無水物は、柔軟性や可とう性
は向上するものの、分子内にエステル基が存在するため
に耐加水分解性が低いといった問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1及び2記載の
発明は、ポリイミド及びその前駆体の原料、エポキシ樹
脂の硬化剤等として有用で、耐加水分解性及び可とう性
に優れたテトラカルボン酸二無水物を提供するものであ
る。請求項3記載の発明は、ポリイミド及びその前駆体
の原料、エポキシ樹脂の硬化剤、液晶用材料等として有
用で、耐加水分解性、柔軟性及び可とう性に優れたテト
ラカルボン酸二無水物を提供するものである。
【0007】請求項4記載の発明は、上記テトラカルボ
ン酸二無水物の原料として有用なテトラカルボン酸及び
その誘導体を提供するものである。請求項5記載の発明
は、上記テトラカルボン酸及びその誘導体の原料として
有用なテトラニトリルを提供するものである。
【0008】請求項6記載の発明は、上記テトラカルボ
ン酸二無水物を高純度、高収率で製造可能なテトラカル
ボン酸二無水物の製法を提供するものである。請求項7
記載の発明は、上記テトラカルボン酸を高純度、高収率
で製造可能なテトラカルボン酸の製法を提供するもので
ある。請求項8記載の発明は、上記テトラニトリルを高
純度、高収率で製造可能なテトラニトリルの製法を提供
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【化6】 (式中、Rは水素原子又はハロゲン原子又は炭素数1〜
10のアルキル基又はハロゲン化アルキル基を示し、複
数個のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xは炭
素炭素不飽和結合又は芳香環を含む二価の有機基を示
し、pは0又は1であり、k、m及びnは各々独立に1
〜10の整数である)で表されるテトラカルボン酸二無
水物に関する。
【0010】また本発明は、上記一般式(1)におい
て、複数個のRがすべて水素原子であり、m及びnが1
であり、pが0であり、kが1〜10の整数である上記
テトラカルボン酸二無水物に関する。また本発明は、上
記一般式(1)において、Xがそれぞれ置換基を有して
いてもよいフェニレン基、フェニレンジオキシ基、ビフ
ェニレン基及びビフェニレンオキシ基より選ばれる一つ
の基であり、pが1である上記テトラカルボン酸二無水
物に関する。
【0011】また本発明は、一般式(2)
【化7】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10
のアルキル基又はハロゲン化アルキル基を示し、複数個
のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xは炭素炭
素不飽和結合又は芳香環を含む二価の有機基を示し、p
は0又は1であり、k、m及びnは各々独立に1〜10
の整数である)で表されるテトラカルボン酸及びその誘
導体に関する。
【0012】また本発明は、一般式(3)
【化8】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10
のアルキル基又はハロゲン化アルキル基を示し、複数個
のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xは炭素炭
素不飽和結合又は芳香環を含む二価の有機基を示し、p
は0又は1であり、k、m及びnは各々独立に1〜10
の整数である)で表されるテトラニトリルに関する。
【0013】また本発明は、上記一般式(2)で表され
るテトラカルボン酸を脱水閉環することを特徴とする、
上記一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物
の製法に関する。また本発明は上記一般式(3)で表さ
れるテトラニトリルを加水分解することを特徴とする、
上記一般式(2)で表されるテトラカルボン酸の製法に
関する。
【0014】また本発明は、式(4)
【化9】 で表される化合物と、一般式(5)
【化10】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10
のアルキル基又はハロゲン化アルキル基を示し、複数個
のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xは炭素炭
素不飽和結合又は芳香環を含む二価の有機基を示し、p
は0又は1であり、k、m及びnは各々独立に1〜10
の整数である)で表される化合物を反応させることを特
徴とする、上記一般式(3)で表されるテトラニトリル
の製法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明者らは、一般式(1)
【化11】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10
のアルキル基又はハロゲン化アルキル基を示し、複数個
のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xは炭素炭
素不飽和結合又は芳香環を含む二価の有機基を示し、p
は0又は1であり、k、m及びnは各々独立に1〜10
の整数である)で表されるテトラカルボン酸二無水物
が、このものを用いた高分子材料に柔軟性や可とう性を
付与し、さらに高温高湿下での耐加水分解性を向上する
ために好適であることを見出した。
【0016】上記一般式(1)において、芳香族無水酸
部分とRの繰り返し部分との間は、加水分解を受けにく
いエーテル結合で連結されているため、材料の吸湿性を
極めて低く抑えることが可能である。
【0017】上記一般式(1)中のm及びnの繰り返し
単位は、酸素を含まない炭化水素基の繰り返し構造であ
ることが好ましく、この場合、材料の吸湿性を低く抑え
ることができると同時に、分子構造に柔軟性を付与する
ことで、樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)を低くし
て、温度変化や硬化に伴って発生する応力を緩和する役
割を果たしている。
【0018】Rとしては、例えば、水素原子、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキ
ル基、塩素、フッ素、シュウ素、ヨウ素等のハロゲン
基、トリクロロメチル基、ジクロロメチル基、テトラフ
ルオロエチル基等の一価のハロゲン化アルキル基などが
挙げられ、複数個のRは互いに同一でも異なっていても
よい。
【0019】本発明のテトラカルボン酸二無水物に、例
えば液晶用材料等に求められる、樹脂組成物にした際に
分子配向を制御する効果を付与する方法の一つとして、
上記一般式(1)中のXを、炭素炭素不飽和結合又は芳
香環を含む二価の有機基とする方法が挙げられる。
【0020】このようなXとしては、例えば、エチレン
基、プロピレン基、アセチレン基、プロパジエン(アレ
ン)基、1,3−ブタジエン基、1,3−ブタジイン
基、1,3−ジクロロプロパジエン基、1,3−ジフル
オロプロパジエン基、1,4−ジクロロ−1,3−ブタ
ジエン基、1,4−ジフルオロ−1,3−ブタジエン基
等の不飽和結合含有脂肪族基、フェニレン基、フェニレ
ンジオキシ基、ビフェニレン基、ビフェニレンジオキシ
基、ナフタレン基、ナフタレンジオキシ基等の芳香族基
などが挙げられる。中でも、分子配向性に優れている点
で、芳香族基が好ましい。
【0021】上記一般式(2)で表されるテトラカルボ
ン酸は、上記一般式(1)で示されるテトラカルボン酸
二無水物の原料として有用であり、R及びXとしては、
上記一般式(1)と同様のものが挙げられる。
【0022】上記一般式(3)で表されるテトラニトリ
ルは、上記一般式(2)で表されるテトラカルボン酸の
原料として有用であり、R及びXとしては、上記一般式
(1)と同様のものが挙げられる。
【0023】次に、上記各一般式で表される化合物の製
法について説明する。まず、上記一般式(1)で表され
るテトラカルボン酸二無水物の製法の一例について、そ
の概要を説明する。
【0024】例えば、上記式(4)で表される4−ニト
ロフタロニトリルのニトロ基と、適当な長鎖アルキルを
挟むようなジフェノールとを反応させ、テトラニトリル
体とした後、シアノ基をアルカリで加水分解してテトラ
カルボン酸とし、次いで無水酢酸などを用いて脱水閉環
させることにより合成することができる。
【0025】以下、より詳細に、原料から順に上記一般
式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の製法に
ついて説明する。上記一般式(3)で表されるテトラニ
トリルは、非プロトン性極性溶媒中、適当な塩基の存在
下、上記式(4)で表される4−ニトロフタロニトリル
のニトロ基を、上記一般式(5)で表されるジフェノー
ルに置換することで得ることができる。
【0026】反応を行う際の温度は0℃から100℃が
好ましく、適度な反応速度が得られ、副生成物が少ない
という点で、室温から60℃がより好ましい。反応時間
は反応温度や用いるジフェノールによって変動するが、
一般的に1〜100時間であり、好ましくは5〜50時
間である。
【0027】反応で得られた溶液をその体積の5〜10
倍容の水中に注ぎ入れることによっって生じる固体をろ
別することで、上記一般式(5)で表されるテトラニト
リルを得ることができる。得られたテトラニトリルはこ
のまま次の反応に用いることができる程度に高純度であ
るが、アセトンやメチルエチルケトンなどの溶媒から再
結晶した後に用いることが好ましい。
【0028】用いられる非プロトン性極性溶媒として
は、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン、1−メチル−2−ピロリジノン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ
メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−
ピリミジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テ
トラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ピリジ
ン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン等が挙げ
られ、適度な反応速度が得られる点でN,N−ジメチル
ホルムアミド及びジメチルスルホキシドが好ましい。こ
れらは単独で又は2種類以上組み合わせて使用すること
ができる
【0029】また、この際用いる塩基としては、特に制
限はなく、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸リチウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩、水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水
酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム等の水酸化アルカリ、水素化ナトリ
ウム、水素化カリウム、水素化リチウム等の金属水素化
物などが挙げられ、価格及び取り扱いの容易さの点で、
炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムが好ましい。
【0030】次いで、上記一般式(3)で表されるテト
ラニトリルを、塩基性条件下、加水分解することによ
り、上記一般式(2)で表されるテトラカルボン酸を得
ることができる。
【0031】ここで用いる塩基としては、例えば、水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸
化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
水酸化バリウム等の金属水酸化物等が挙げられる。
【0032】反応溶媒としては、上記一般式(3)で表
されるテトラニトリル及び塩基を完全に溶解すればよ
く、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパ
ノール、2−プロパノール、エチレングリコール等の低
級アルコール類などが挙げられ、これらは単独で又は2
種以上組み合わせて使用することができる。中でも、出
発原料、用いる塩基及び生成物の溶解性の点から水とメ
タノール又はエタノールを組み合わせて用いることが好
ましく、その比率は体積比で2:8〜8:2であること
が好ましく、4:6〜6:4であることがより好まし
い。また、反応を行う温度は0℃から120℃が好まし
く、室温から100℃がより好ましい。
【0033】加水分解で生じたテトラカルボン酸塩溶液
に対し、適当な酸を加えることで上記一般式(2)で表
されるテトラカルボン酸を沈殿させることができる。こ
のとき用いる酸は塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等、pKa
値が1以下であれば特に制限はないが、生成物中に残存
しにくいという理由から揮発性のものが好ましく、塩酸
がより好ましい。
【0034】上記一般式(1)で表されるテトラカルボ
ン酸二無水物は、上記一般式(2)で表されるテトラカ
ルボン酸を、減圧下、好ましくは1〜5mmHgで、150
〜200℃に1〜6時間保ち、分子内脱水縮合すること
により合成することができる。
【0035】また、上記一般式(1)で表されるテトラ
カルボン酸二無水物は、上記一般式(2)で表されるテ
トラカルボン酸を、2当量以上の無水酢酸等の脱水剤共
存下で1〜120分加熱還流後、反応溶液を室温まで放
冷することで析出する結晶をろ別、洗浄し、減圧下加熱
乾燥することによっても合成することができ、脱水閉環
と同時に再結晶による精製ができるという点で、こちら
の方法がより好ましい。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例により制限されるものではない。
【0037】以下の実施例において、得られた生成物の
分析は次の分析機器を用いて行った。 〔NMR測定〕生成物5〜10mgを重クロロホルムある
いは重ジメチルスルホキシド1mlに溶解し、AC−25
0(BRUKER社製)により測定した。 〔IR測定〕生成物約2mgをKBr粉末200mgによく
分散させて、測定用ペレットを作成した。作成したペレ
ットをI−5040((株)日立製作所製)により測定し
た。
【0038】
【化12】
【0039】攪拌子を備えた300mlのナスフラスコ
に、4−ニトロフタロニトリル(I)25.3g(14
6ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(以下D
MFとする)200ml溶液を加え、窒素雰囲気下、室温
で撹拌しながら、3,3−エチレンジオキシジフェノー
ル(II)18.0g(73.2ミリモル)を固体のまま
加え、次いで炭酸カリウム37.1g(269ミリモ
ル)を固体のまま加えた。
【0040】室温で8時間撹拌した後、氷水(1.5リ
ットル)へ注ぎ、生じた固体をろ別、水洗(3回)、メ
タノールで洗浄後(60ml、2回)、減圧下乾燥させ
た。このようにして得たテトラニトリル(III)の粗生
成物(35.8g)をアセトン650mlより再結晶し、
4,4′−〔エチレンジオキシビス(1,3−フェニレ
ン)ジオキシ〕ジフタロニトリル(III)16.1gを
得た。母液を濃縮、再結晶することでさらに11.4g
の結晶を得た(収量27.5g、55.2ミリモル、収
率75%)。
【0041】IR〔KBr disk〕2230cm-1、16
09cm-1、1586cm-1、1563cm-1、1482c
m-1、1274cm-1、1248cm-1、1173cm-1、1
144cm -1 1 H−NMR(DMSO−d6)δ 4.31(2H、
s)、6.76(1H、br)、6.83(1H、s)、
6.92(1H、dd、J=8.3、2.2Hz)、7.3
6−7.43(2H、m)、7.78(1H、d、J=
2.4Hz)、8.09(1H、d、J=8.7Hz)13 C−NMR(DMSO−d6)δ 66.57、10
6.79、108.19、112.25、112.4
6、115.40、115.91、116.66、12
2.10、122.72、131.20、136.2
7、154.81、159.97、160.95
【0042】冷却管及び攪拌子を備えた500mlナスフ
ラスコに、水酸化カリウム33.0g(0.50モル)
の水溶液(100ml)、4,4′−〔エチレンジオキシ
ビス(1,3−フェニレン)ジオキシ〕ジフタロニトリ
ル(III)14.8g(29.6ミリモル)とエタノー
ル100mlを加え、窒素雰囲気下15時間加熱還流し
た。
【0043】室温まで冷却後、エタノールを減圧下留去
し、0℃に冷却して濃塩酸50mlをゆっくりと加えた。
生じた黄白色の粘稠な油状物に酢酸エチル200mlを加
えて撹拌することで溶解し、有機層を分取した。この有
機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、溶液を減圧下留去
し、4,4′−〔エチレンジオキシビス(1,3−フェ
ニレン)ジオキシ〕ジフタル酸(IV)の粗生成物を黄白
色無定型固体として得た(収量19.2g)。
【0044】IR(KBr disk)3432cm-1(b
r)、3073cm-1(br)、1700cm -1、1599cm
-1、1487cm-1、1277cm-1、1221cm-1、11
38cm-1 1H−NMR(DMSO−d6)δ 4.29
(2H、s)、6.67(1H、d、J=8.2Hz)、
7.10(1H、d、J=8.6Hz)、7.13(1
H、s)、7.33(1H、s)7.33(1H、t、
J=8.2Hz)、7.77(1H、d、J=8.6Hz)13 C−NMR(DMSO−d6)δ 66.76、10
6.71、111.33、112.36、116.9
5、119.09、126.12、131.14、13
1.66、136.74、156.35、159.4
4、169.11、167.80、168.80
【0045】冷却管及び攪拌子を備えた200mlナスフ
ラスコに、無水酢酸40ml及び4,4′−〔エチレンジ
オキシビス(1,3−フェニレン)ジオキシ〕ジフタル
酸(IV)19.2gを加え、窒素雰囲気下1時間加熱還
流し、脱水閉環を行った。この溶液を熱時ろ過後、室温
まで放冷して結晶を析出させた。この結晶をろ別し、無
水酢酸(10ml×1回)、トルエン(10ml×3回)で
順次洗浄後、減圧下溶媒を除去した。これを乳鉢で細粉
化した後、減圧下100℃で10時間加熱乾燥させ、
4,4′−〔エチレンジオキシビス(1,3−フェニレ
ン)ジオキシ〕ジフタル酸無水物(V)14.4g(2
6.7ミリモル、テトラニトリル(III)より収率90
%)を得た。
【0046】m.p. 183℃ IR(KBr disk)1854cm-1、1782cm-1、1
613cm-1、1588cm-1、1478cm-1、1265cm
-1、1140cm-1、893cm-1、884cm-1 1 H−NMR(DMSO−d6)δ 4.33(2H、
s)、6.76(1H、dd、J=8.2、2.1Hz)、
6.84(1H、d、J=2.1Hz)、6.94(1
H、dd、J=8.2、2.1Hz)、7.42(1H、
t、J=8.2Hz)、7.44(1H、d、J=2.2
Hz)、7.51(1H、dd、J=8.4、2.2Hz)、
8.06(1H、d、J=8.4Hz)13 C−NMR(DMSO−d6)δ 66.58、10
6.91、112.06、112.52、112.7
2、124.65、124.80、127.83、13
1.26、134.07、155.27、160.0
2、162.47、162.64、163.79
【0047】
【発明の効果】本発明のテトラカルボン酸二無水物は、
ポリイミド及びその前駆体の原料、エポキシ樹脂の硬化
剤、液晶用材料等として有用で、耐加水分解性及び可と
う性に優れたものである。また本発明のテトラカルボン
酸及びその誘導体は、上記テトラカルボン酸二無水物の
原料として有用なものである。また本発明のテトラニト
リルは、上記テトラカルボン酸の原料として有用なもの
である。
【0048】また本発明のテトラカルボン酸二無水物の
製法は、上記テトラカルボン酸二無水物を高純度、高収
率で製造可能な製法である。また本発明のテトラカルボ
ン酸の製法は、上記テトラカルボン酸を高純度、高収率
で製造可能な製法である。また本発明のテトラニトリル
の製法は、上記テトラニトリルを高純度、高収率で製造
可能な製法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】4,4′−〔エチレンジオキシビス(1,3−
フェニレン)ジオキシ〕ジフタロニトリルの1H−NM
Rスペクトルである。
【図2】4,4′−〔エチレンジオキシビス(1,3−
フェニレン)ジオキシ〕ジフタロニトリルの13C−NM
Rスペクトルである。
【図3】4,4′−〔エチレンジオキシビス(1,3−
フェニレン)ジオキシ〕ジフタル酸の1H−NMRスペ
クトルである。
【図4】4,4′−〔エチレンジオキシビス(1,3−
フェニレン)ジオキシ〕ジフタル酸の13C−NMRスペ
クトルである。
【図5】4,4′−〔エチレンジオキシビス(1,3−
フェニレン)ジオキシ〕ジフタル酸無水物の1H−NM
Rスペクトルである。
【図6】4,4′−〔エチレンジオキシビス(1,3−
フェニレン)ジオキシ〕ジフタル酸無水物の13C−NM
Rスペクトルである。
【図7】4,4′−〔エチレンジオキシビス(1,3−
フェニレン)ジオキシ〕ジフタロニトリルのIRスペク
トルである。
【図8】4,4′−〔エチレンジオキシビス(1,3−
フェニレン)ジオキシ〕ジフタル酸のIRスペクトルで
ある。
【図9】4,4′−〔エチレンジオキシビス(1,3−
フェニレン)ジオキシ〕ジフタル酸無水物のIRスペク
トルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C08G 59/42 C08G 59/42 73/10 73/10 Fターム(参考) 4C037 RA11 4H006 AA01 AA02 AB46 AC43 AC46 BA02 BA28 BA29 BA32 BJ50 BP30 BP60 QN30 4H039 CA61 CA65 CD10 CD50 CD90 CE20 4J036 AA01 DB22 4J043 PA01 PA19 QB26 QB31 RA35 TA22 UA152 UA162 UA172 UA262 UB012 UB022 UB032 UB042 UB052 UB082 UB102 UB142

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10
    のアルキル基又はハロゲン化アルキル基を示し、複数個
    のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xは炭素炭
    素不飽和結合又は芳香環を含む二価の有機基を示し、p
    は0又は1であり、k、m及びnは各々独立に1〜10
    の整数である)で表されるテトラカルボン酸二無水物。
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)において、複数個のR
    がすべて水素原子であり、m及びnが1であり、pが0
    であり、kが1〜10の整数である、請求項1記載のテ
    トラカルボン酸二無水物。
  3. 【請求項3】 上記一般式(1)において、Xがそれぞ
    れ置換基を有していてもよいフェニレン基、フェニレン
    ジオキシ基、ビフェニレン基及びビフェニレンジオキシ
    基より選ばれる一つの基であり、pが1である、請求項
    1記載のテトラカルボン酸二無水物。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化2】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10
    のアルキル基又はハロゲン化アルキル基を示し、複数個
    のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xは炭素炭
    素不飽和結合又は芳香環を含む二価の有機基を示し、p
    は0又は1であり、k、m及びnは各々独立に1〜10
    の整数である)で表されるテトラカルボン酸及びその誘
    導体。
  5. 【請求項5】 一般式(3) 【化3】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10
    のアルキル基又はハロゲン化アルキル基を示し、複数個
    のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xは炭素炭
    素不飽和結合又は芳香環を含む二価の有機基を示し、p
    は0又は1であり、k、m及びnは各々独立に1〜10
    の整数である)で表されるテトラニトリル。
  6. 【請求項6】 上記一般式(2)で表されるテトラカル
    ボン酸を脱水閉環すること特徴とする、上記一般式
    (1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の製法。
  7. 【請求項7】 上記一般式(3)で表されるテトラニト
    リルを加水分解することを特徴とする、上記一般式
    (2)で表されるテトラカルボン酸の製法。
  8. 【請求項8】 式(4) 【化4】 で表される化合物と、一般式(5) 【化5】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10
    のアルキル基又はハロゲン化アルキル基を示し、複数個
    のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xは炭素炭
    素不飽和結合又は芳香環を含む二価の有機基を示し、p
    は0又は1であり、k、m及びnは各々独立に1〜10
    の整数である)で表される化合物を反応させることを特
    徴とする、上記一般式(3)で表されるテトラニトリル
    の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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