JP3132782B2 - 芳香族ジニトロ化合物、芳香族ジアミノ化合物及びそれらの製造方法 - Google Patents

芳香族ジニトロ化合物、芳香族ジアミノ化合物及びそれらの製造方法

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JP3132782B2 JP04123337A JP12333792A JP3132782B2 JP 3132782 B2 JP3132782 B2 JP 3132782B2 JP 04123337 A JP04123337 A JP 04123337A JP 12333792 A JP12333792 A JP 12333792A JP 3132782 B2 JP3132782 B2 JP 3132782B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な芳香族ジニトロ
化合物、芳香族ジアミノ化合物およびそれらの製造方法
に関する。これらの化合物は、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリアミドイミド、ビスマレイミドおよびエポキシ
樹脂等の出発原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は、その熱的、機械的特
性の高さから航空機材料や電気材料をはじめとする各種
分野において注目されている。しかしながら、ポリイミ
ド樹脂は高性能である反面、成形加工性に乏しいという
問題点を有していた。例えば、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテルとピロメリット酸からなる芳香族ポリイ
ミド(Du’pont社、商品名「Vespel」)は
不溶、不融であるため、粉末焼結成形という特殊な加工
法を用いる。このため、複雑な形状の加工品が得られ難
く、満足な成形品を得るには、粉末焼結成形品をさらに
切削等により仕上げ加工をしなければならないので、加
工コストが高くなるという欠点がある。
【0003】このような欠点を改良する目的で、原料の
ジアミン成分を改良する方法が試みられている。例え
ば、モノマー単位中の結合基や折れ構造などによって、
対応するポリイミドのガラス転移温度や溶融流動性をコ
ントロールする方法が知られている。この様な概念によ
って、3,3’−ジアミノベンゾフェノンとベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物からなるポリイミド(N
ASA、LARC−TPI)が熱可塑性のポリイミドと
して開発されている。しかし、このポリイミドは優れた
耐熱性、接着性を示すものの、未だ溶融時の流動性が不
足しており、現在は接着剤が主な用途であるにすぎな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の問題点を解決し、溶液粘度の低さ、低成形収縮率、自
己強化効果、低吸水性等の種々の特性が期待できる液晶
ポリイミドのモノマーとなり得るジアミノ化合物を開発
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成するに
到った。すなわち、本発明は、一般式(1)で表される
芳香族ジニトロ化合物および一般式(2)(化6)で表
される芳香族ジアミノ化合物に関するものである。
【0006】
【化6】 (式中、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基または
シアノ基を表し、R1、R2のうち少なくとも1つは水素原
子以外の置換基である) 本発明は、また、式(3)で表されるビス(4−ヒドロ
キシクミル)ベンゼン誘導体と一般式(4)(化7)で
表されるp−ハロゲノニトロ化合物とを、塩基の存在
下、非プロトン性極性溶剤中で縮合させる芳香族ジニト
ロ化合物の製造方法およびこの芳香族ジニトロ化合物を
還元する芳香族ジアミノ化合物の製造方法に関するもの
である。
【0007】
【化7】 (式中、Xはハロゲン原子を表し、R1、R2はそれぞれ独
立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキ
ル基、アルコキシ基またはシアノ基を表し、R1、R2のう
ち少なくとも1つは水素原子以外の置換基である)
【0008】本発明に係る芳香族ジニトロ化合物および
芳香族ジアミノ化合物は、いずれも新規化合物であり、
本発明のジアミノ化合物をモノマーユニットにして得ら
れるポリイミドは液晶ポリマーで、溶液粘度の低さ、低
成形収縮率、自己強化効果、低吸水性等の液晶性に由来
する種々の特性を示す。本発明のジニトロ化合物は、式
(3)で表されるビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼ
ン誘導体と式(4)で表されるp−ハロゲノニトロ化合
物を塩基の存在下、非プロトン性極性溶剤中で反応させ
ることにより高収率で製造できる。式(3)で表される
ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン誘導体の製法は
公知であり、ビス(2−ヒドロキシプロパン−2−イ
ル)ベンゼンとフェノール化合物を酸触媒の存在下に反
応させて容易に得られる。
【0009】本発明で用いるフェノール化合物として
は、フェノールをはじめ、クレゾール、エチルフェノー
ル、イソプロピルフェノール等のアルキルフェノール、
グアイヤコール、エトキシフェノール等のアルコキシフ
ェノール、クロロフェノール、フルオロフェノール等の
ハロゲノフェノール等が挙げられる。これらの化合物と
ビス(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ベンゼンを
上記方法で反応させて式(3)で表されるビス(4−ヒ
ドロキシクミル)ベンゼン誘導体が得られる。
【0010】本発明で用いる式(4)で表されるp−ハ
ロゲノニトロ化合物としては、p−ニトロフルオロベン
ゼン、p−ニトロクロロベンゼン、p−ニトロブロモベ
ンゼン、2−フルオロ−5−ニトロトルエン、2−クロ
ロ−5−ニトロトルエン、2−ブロモ−5−ニトロトル
エン、2−フルオロ−5−ニトロベンゾニトリル、2−
クロロ−5−ニトロベンゾニトリル、2−ブロモ−5−
ニトロベンゾニトリル、5−フルオロ−2−ニトロトル
エン、5−クロロ−2−ニトロトルエン、5−ブロモ−
2−ニトロトルエン、5−フルオロ−2−ニトロアニソ
ール、5−クロロ−2−ニトロアニソール、5−ブロモ
−2−ニトロアニソール、5−フルオロ−2−ニトロベ
ンゾニトリル、5−クロロ−2−ニトロベンゾニトリ
ル、5−ブロモ−2−ニトロベンゾニトリル、3,4−
ジフルオロニトロベンゼン、3,4−ジクロロニトロベ
ンゼン3,4−ジブロモニトロベンゼン等が挙げられ
る。これらは市販されており比較的容易に入手できる。
本発明の方法では、ビス(4−ヒドロキシクミル)ベン
ゼン誘導体に対して、p−ハロゲノニトロ化合物は2倍
当量以上あればよく、後処理の煩雑さ、コスト等を考慮
して、2〜2.5倍当量用いて行うのが好ましい。
【0011】本発明で使用する塩基としては、アルカリ
金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物またはアルコキシ
ドであり、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、ナトリウ
ムメトキシド、カリウムイソプロポキシド等が挙げられ
る。これらの塩基の使用量は、原料のビス(4−ヒドロ
キシクミル)ベンゼン誘導体の水酸基に対して当量以上
あればよく、具体的には1〜2倍当量あれば良い。
【0012】本発明で使用する溶剤としては、ホルムア
ミド、N−メチルホルムアミド、N、N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン等が挙げられる。これらの溶剤の使用量
は、特に限定されないが、通常、原料に対して1〜10
重量倍である。本発明では、反応を促進するための触媒
として、銅粉および銅系化合物またはクラウンエーテ
ル、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、四
級ホスホニウム塩のような相間移動触媒を使用してもな
んら差しつかえない。反応温度は通常、40〜250℃
の範囲であるが、好ましくは60〜180℃の範囲であ
る。
【0013】本発明の一般的な反応方法としては、所定
量のビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン誘導体、塩
基および溶剤を装入し、ビス(4−ヒドロキシクミル)
ベンゼン誘導体をアルカリ金属塩とした後、p−ハロゲ
ノニトロ化合物を添加して反応させるか、あるいは、あ
らかじめp−ハロゲノニトロ化合物を含む全原料を同時
に加え、そのまま昇温して反応させるかのいずれであっ
てもよい。また、これらに限定されるものではなく、そ
の他の方法により適宜実施できる。反応系内に水が存在
する場合の除去方法として、窒素ガス等を通気させるこ
とによって、反応中、系外に排気させる方法があるが、
一般的にはベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベン
ゼン等を少量使用して共沸により系外へと取り除く方法
が多用される。反応の終点は、薄層クロマトグラフィー
または高速液体クロマトグラフィーにより原料の減少を
みながら決定することができる。反応終了後、濃縮した
のち、あるいはそのまま水等に排出して粗ジニトロ化合
物を得る。このものは、溶剤で再結晶またはスラッジン
グすることにより精製することができる。
【0014】本発明のジアミノ化合物は、上記製造法に
よって得られた対応するジニトロ化合物を還元すること
により製造することができる。このジニトロ化合物を還
元する方法は特に制限はなく、ニトロ基をアミノ基に還
元する通常の方法、例えば、新実験化学講座、15巻、
酸化と還元II、丸善(1977)に記載の方法を適用で
きるが、工業的には接触還元が好ましい。接触還元の場
合、使用される還元触媒としては、一般に接触還元に用
いられている金属触媒、例えば、ニッケル、パラジウ
ム、白金、ロジウム、ルテニウム、コバルト、銅などを
使用することができる。工業的には、パラジウム触媒を
使用するのが好ましい。これらの触媒は、金属の状態で
も使用することができるが、通常はカーボン、硫酸バリ
ウム、シリカゲル、アルミナ、セライトなどの担体表面
に担持させて用いたり、また、ニッケル、コバルト、銅
などのラネー触媒としても用いられる。触媒の使用量
は、特に制限はないが、原料のジニトロ化合物に対し
て、金属として0.01〜10重量%の範囲であり、通
常、金属の状態で使用する場合は2〜8重量%、担体に
担持させた場合では、0.1〜5重量%の範囲である。
【0015】本発明の還元反応で使用する反応溶媒とし
ては、反応に不活性なものであれば特に制限されるもの
ではなく、例えば、メタノ−ル、エタノール、イソプロ
ピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のグリコール類、エーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソル
ブ等のエーテル類が好ましく、場合によっては、ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,
1,2−トリクロロエタン、テトラクロロエタン等のハ
ロゲン化炭化水素類およびN,N−ジメチルホルムアミ
ド等も使用できる。なお、水と混和しない反応溶媒を使
用した際に、反応の進行が遅い場合は、四級アンモニウ
ム塩、四級ホスホニウム塩のような一般に使用されてい
る相関移動触媒を加えることによって速めることができ
る。溶媒の使用量は、原料を懸濁させるか、あるいは、
完全に溶解させるに足る量で十分であり、特に制限され
ないが、通常、原料に対して0.5〜10重量倍であ
る。
【0016】反応温度は、特に制限はなく、20〜20
0℃の範囲であるが、好ましくは、20〜100℃の範
囲である。反応圧力は、常圧〜50atm程度である。
【0017】反応は、通常、原料を溶媒に溶解もしくは
懸濁させた状態で触媒を加え、ついで撹拌下に所定の温
度で水素を導入して還元反応を行う。反応の終点は、水
素吸収量あるいは薄層クロマトグラフィ−や高速液体ク
ロマトグラフィ−などによっても決定できる。反応終了
後、還元に使用した触媒を除いた後、反応溶剤を留去す
ることにより、目的物が得られる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものでは
ない。 実施例1 温度計、還流冷却器、撹拌器を取り付けた四つ口フラス
コに、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)200
g、トルエン10g、2−クロロ−5−ニトロトルエン
80g(0.466mol)、1,3−ビス(4−ヒド
ロキシクミル)ベンゼン78.8g(0.227mo
l)、炭酸カリウム37.7g(0.273mol)を
それぞれ装入し撹拌下に150℃まで昇温した後、15
0℃で7時間熟成した。反応終了後、90℃に冷却し、
濾過することによって無機塩を取り除いた。濾液に水5
6mlを加え、室温まで冷却して目的物を晶析させた。
析出した結晶を濾別し、さらにイソプロピルアルコール
でスラッジングすることにより目的物である1,3−ビ
ス〔4−(4−ニトロ−1−メチルフェノキシ)クミ
ル〕ベンゼンを得た。融点116.3〜117.6℃、
収量133.9g、収率96%1 H−NMR δ(CDCl3 、ppm):1.79
(s、12H(1) )、2.50(s、6H(2) )、6.
80〜7.44(m、6H(3) )、6.97(d、4H
(4) )、7.32(d、4H(5) )、8.07(dd、
2H(6) )、8.24(d、2H(7) ) (1) 〜(7) は下記式(化8)の位置を表す。
【0019】
【化8】 元素分析(C38362 6 計算値(%) 74.01 5.88 4.54 実測値(%) 74.28 5.59 4.70
【0020】実施例2 温度計、還流冷却器、撹拌器を取り付けた還元装置に、
1,3−ビス〔4−(4−ニトロ−2−メチルフェノキ
シ)クミル〕ベンゼン120g、(0.195mo
l)、イソプロピルアルコール400gおよび5%−P
d/C5g(50%含水品)を装入し、水素雰囲気下7
0〜80℃で4時間反応した。反応終了後、触媒を濾別
し濾液を減圧濃縮して、淡黄色結晶の1,3−ビス〔4
−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)クミル〕ベン
ゼンを得た。 融点118.1〜118.2℃、収量89.0g、収率
82%1 H−NMR δ(CDCl3 、ppm):1.84
(s、12H(1) )、2.33(s、6H(2) )、3.
52(s、4H(3) )、6.64〜7.47(m、10
H(4) )、6.94(d、4H(5) )、7.29(d、
4H(6) ) (1) 〜(6) は下記式(化9)の位置を表す。
【0021】
【化9】 元素分析(C38402 2 計算値(%) 81.98 7.24 5.03 実測値(%) 82.18 7.22 5.15
【0022】実施例3 温度計、還流冷却器、撹拌器を取り付けた四つ口フラス
コに、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)130
g、トルエン20g、2−クロロ−5−ニトロベンゾニ
トリル55g(0.301mol)、1,3−ビス(4
−ヒドロキシクミル)ベンゼン50.6g(0.146
mol)、炭酸カリウム24.5g(0.177mo
l)をそれぞれ装入し撹拌下に120℃まで昇温した
後、120℃で6時間熟成した。反応終了後、90℃に
冷却し、濾過することによって無機塩を取り除いた。濾
液に水25mlを加え、室温まで冷却して目的物を晶析
させた。析出した結晶を濾別し、さらにイソプロピルア
ルコールでスラッジングすることにより目的物である
1,3−ビス〔4−(4−ニトロ−2−シアノフェノキ
シ)クミル〕ベンゼンを得た。融点209.4〜21
0.5℃、収量89.0g、収率95%1 H−NMR δ(CDCl3 、ppm):1.64
(s、12H(1) )、6.93(d、4H(2) )7.0
6〜7.36(m、6H(3) )、7.17(d、4H
(4) )、8.42(dd、2H(5) )、8.81(d、
2H(6) ) (1) 〜(6) は下記式(化10)の位置を表す。
【0023】
【化10】 元素分析(C38304 6 計算値(%) 71.46 4.73 8.77 実測値(%) 71.81 4.71 8.70
【0024】実施例4 温度計、還流冷却器、撹拌器を取り付けた還元装置に、
1,3−ビス〔4−(4−ニトロ−2−シアノフェノキ
シ)クミル〕ベンゼン68g(0.106mol)、メ
チルセロソルブ200gおよび5%−Pd/C3g(5
0%含水品)を装入し、水素雰囲気下70〜80℃で4
時間反応した。反応終了後、触媒を濾別し濾液を減圧濃
縮して、淡黄色結晶の1,3−ビス〔4−(4−アミノ
−2−シアノフェノキシ)クミル〕ベンゼンを得た。 融点191.4〜192.4℃、収量51.8g、収率
84%1 H−NMR δ(CDCl3 、ppm):1.56
(s、12H(1) )、5.42(s、4H(2) )、6.
76〜7.25(m、10H(3) )、6.81(d、4
H(4) )、7.14(d、4H(5) ) (1) 〜(5) は下記式(化11)の位置を表す。
【0025】
【化11】 元素分析(C38344 2 計算値(%) 78.87 5.92 9.68 実測値(%) 78.90 5.94 4.73
【0026】実施例5 温度計、還流冷却器、撹拌器を取り付けた四つ口フラス
コに、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)200
g、3,4−ジフルオロニトロベンゼン65g(0.4
09mol)、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)
ベンゼン69.1g(0.199mol)、炭酸カリウ
ム33.1g(0.239mol)をそれぞれ装入し撹
拌下に80℃まで昇温した後、80℃で6時間熟成し
た。反応終了後、濾過することによって無機塩を取り除
いた。濾液に水50mlを加え、室温まで冷却して目的
物を晶析させた。析出した結晶を濾別し、さらにイソプ
ロピルアルコールでスラッジングすることにより目的物
である1,3−ビス〔4−(4−ニトロ−2−フルオロ
フェノキシ)クミル〕ベンゼンを得た。 融点150.7〜151.8℃、収量129.4g、収
率97%1 H−NMR δ(CDCl3 、ppm):1.72
(s、12H(1) )、7.00(d、4H(2) )、6.
88〜7.34(m、6H(3) )、7.29(d、4H
(4) )、8.05(d、2H(5) )、8.06(dd、
2H(6) ) (1) 〜(6) は下記式(化12)の位置を表す。
【0027】
【化12】 元素分析(C36302 6 2 計算値(%) 69.22 4.84 4.48 6.08 実測値(%) 69.41 4.80 4.39 6.10
【0028】実施例6 温度計、還流冷却器、撹拌器を取り付けた還元装置に、
1,3−ビス〔4−(4−ニトロ−2−フルオロフェノ
キシ)クミル〕ベンゼン115g(0.184mo
l)、イソプロピルアルコール250gおよび5%−P
d/C4.8g(50%含水品)を装入し、水素雰囲気
下70〜80℃で4時間反応した。反応終了後、触媒を
濾別し濾液を減圧濃縮して、淡黄色結晶の1,3−ビス
〔4−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)クミ
ル〕ベンゼンを得た。 融点103.8〜105.6℃、収量84.2g、収率
81%1 H−NMR δ(CDCl3 、ppm):1.82
(s、12H(1) )、3.70(s、4H(2) )、6.
65(dd、2H(3) )、6.66(d、2H(4) )、
6.94〜7.45(m、6H(5) )、7.00(d、
4H(6) )、7.33(d、4H(7) ) (1) 〜(7) は下記式(化13)の位置を表す。
【0029】
【化13】 元素分析(C36342 2 2 計算値(%) 76.57 6.07 5.96 6.73 実測値(%) 76.55 6.11 5.91 6.77
【0030】使用例 実施例2および実施例6で得られたジアミンとピロメリ
ット酸二無水物(PMDA)とをそれぞれ縮合させてポ
リイミドを得た。得られたポリイミドの物性を以下(表
1)に示した。また、これらのポリイミドと市販のポリ
エーテルスルホン(PES、ICI社製、商品名:VICT
REX PES 4100P )とを重量比7/3で混合し、370 ℃に
おいて測定した溶融粘度をあわせて示した。
【0031】
【表1】 ( PES単独での溶融粘度は5700(370℃))本ポ
リイミドをPESに混合することにより、溶融粘度が大
幅に低減し、また、得られたストランドは押出芳香に配
向して繊維状のフィブリルが観察されるなど液晶性高分
子特有の性質が認められた。
【0032】
【発明の効果】本発明によって提供される芳香族ジアミ
ンは、成形加工性や溶剤溶解性に優れた液晶ポリイミド
用の原料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−1232(JP,A) 特開 平3−160024(JP,A) 特開 昭58−180531(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 205/38 C07C 201/12 C07C 213/02 C07C 217/90 C07C 255/54 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1)で表される芳香族
    ジニトロ化合物。 【化1】 (式中、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基または
    シアノ基を表し、R1、R2のうち少なくとも1つは水素原
    子以外の置換基である)
  2. 【請求項2】 一般式(2)(化2)で表される芳香族
    ジアミノ化合物。 【化2】 (式中、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基または
    シアノ基を表し、R1、R2のうち少なくとも1つは水素原
    子以外の置換基である)
  3. 【請求項3】 式(3)(化3)で表されるビス(4−
    ヒドロキシクミル)ベンゼン誘導体と、 【化3】 一般式(4)(化4)で表されるp−ハロゲノニトロ化
    合物とを、 【化4】 (式中、Xはハロゲン原子を表し、R1、R2はそれぞれ独
    立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキ
    ル基、アルコキシ基またはシアノ基を表し、R1、R2のう
    ち少なくとも1つは水素原子以外の置換基である)塩基
    の存在下、非プロトン性極性溶剤中で縮合させることを
    特徴とする請求項1記載の芳香族ジニトロ化合物の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 一般式(1)(化5)で表される芳香族
    ジニトロ化合物を還元することを特徴とする請求項2記
    載の芳香族ジアミノ化合物の製造方法。 【化5】 (式中、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基または
    シアノ基を表し、R1、R2のうち少なくとも1つは水素原
    子以外の置換基である)
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