JP3186433B2 - 芳香族ジアミン化合物 - Google Patents

芳香族ジアミン化合物

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JP3186433B2 JP13726894A JP13726894A JP3186433B2 JP 3186433 B2 JP3186433 B2 JP 3186433B2 JP 13726894 A JP13726894 A JP 13726894A JP 13726894 A JP13726894 A JP 13726894A JP 3186433 B2 JP3186433 B2 JP 3186433B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な芳香族ジアミン
化合物に関し、詳しくは、高分子材料の原料、例えば、
ジイソシアネート、ビスマレイミド等の樹脂用化成品の
原料、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等の
熱可塑性樹脂の原料、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の
原料、硬化剤或いは改質剤等として有用な新規な芳香族
ジアミン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド、ポリイミド等の熱可塑性樹
脂、ポリビスマレイミド、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂の製造には、いずれも、ジアミン化合物が原料として
用いられるが、近年、それらの樹脂の用途の拡大発展に
伴つて、それらの樹脂について、耐熱性、耐水性、耐薬
品性、電気的特性、機械的特性等の諸性能の一段の向上
が強く求められるに至つており、そこで、そのような要
請に応えるために、新規な樹脂の骨格構造を形成するた
めの新規なジアミン化合物が求められている。
【0003】従来、そのようなジアミン化合物として、
種々のものが開発されている。そのようなジアミン化合
物は、代表的には、一般的に、式 H2N−Ar−O−Ar−R−Ar−O−Ar−NH2 で表わされ、ここに、Arは置換基を有していてもよい
p−フェニレン基であり、Rはハロゲン置換されていて
もよいアルキレン基や、或いはカルボニル基やスルホン
基であるパラ−パラ型構造を有する芳香族ジアミン化合
物であり、例えば、特開昭57−40450号公報、特
開昭64−6246号公報、特開昭64−25126号
公報、特開昭64−25127号公報、特開平1−22
682号公報報、特開平1−238568号公報、特開
平3−90052号公報、特開平3−167163号公
報等に提案されている。
【0004】このような芳香族ジアミン化合物は、例え
ば、前述したように、ポリアミド、ポリイミド、エポキ
シ樹脂、ビスマレイミド化合物等のための原料や架橋
剤、改質剤等として有用であるとされている。しかしな
がら、このような種々の芳香族ジアミン化合物の開発に
もかかわらず、ますます高機能化、高性能化が要請され
ている高分子材料の応用分野の拡大に対しては、十分と
はいえず、更に、新規な芳香族ジアミン化合物の開発が
強く要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな要望に応えるためになされたものであつて、ジイソ
シアネート、ビスマレイミド等の樹脂用の化成品の原料
や、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等の熱
可塑性樹脂の原料、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の原
料ほか、硬化剤や改質剤等として有用である新規な芳香
族ジアミン化合物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による新規なジア
ミン化合物は、一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Ri(i=1〜4)及びRj(j
=1〜4)はそれぞれ独立に水素、アルキル基、シクロ
アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、相
互に同じであつても、異なつていてもよく、Rm及びR
nはそれぞれ独立に水素、アルキル基、ハロゲン化アル
キル基又はフェニル基を示し、相互に同じであつても、
異なつていてもよい。)で表わされることを特徴とす
る。
【0009】即ち、本発明による新規な芳香族ジアミン
化合物は、前述したパラ−パラ型構造を有するものに対
して、オルト−オルト型構造を有する。
【0010】本発明によるこのような芳香族ジアミンの
具体例としては、例えば、ビス〔2−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔2−(4−アミノフ
ェノキシ)−5−メチルフェニル〕メタン、ビス〔2−
(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕
メタン、ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−3,4,5
−トリメチルフェニル〕メタン、ビス〔2−(4−アミ
ノフェノキシ)−3,5,6−トリメチルフェニル〕メタ
ン、ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−5−エチル
フェニル〕メタン、ビス〔2−(4−アミノフェノキ
シ)−3,5−ジエチルフェニル〕メタン、ビス〔2−
(4−アミノフェノキシ)−5−n−プロピルフェニ
ル〕メタン、ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−5
−イソプロピルフェニル〕メタン、ビス〔2−(4−ア
ミノフェノキシ)−3−メチル−5−イソプロピルフェ
ニル〕メタン、ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−
5−メチル−3−イソプロピルフェニル〕メタン、ビス
〔2−(4−アミノフェノキシ)−5−n−ブチルフェ
ニル〕メタン、ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−
5−イソブチルフェニル〕メタン、ビス〔2−(4−ア
ミノフェノキシ)−5−s−ブチルフェニル〕メタン、
ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−3−メチル−5
−t−ブチルフェニル〕メタン、ビス〔2−(4−アミ
ノフェノキシ)−5−メチル−3−t−ブチルフェニ
ル〕メタン、ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−3
−メチル−5−オクチルフェニル〕メタン、ビス〔2−
(4−アミノフェノキシ)−3−メチル−5−ノニルフ
ェニル〕メタン、ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)
−5−フルオロフェニル〕メタン、ビス〔2−(4−ア
ミノフェノキシ)−5−シクロヘキシルフェニル〕メタ
ン、ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−3−メチル
−5−シクロヘキシルフェニル〕メタン、ビス〔2−
(4−アミノフェノキシ)−5−メチル−3−シクロヘ
キシルフェニル〕メタン、ビス〔2−(4−アミノフェ
ノキシ)−5−フェニルフェニル〕メタン、ビス〔2−
(4−アミノフェノキシ)−3−メチル−5−フェニル
フェニル〕メタン、1,1−ビス〔2−(4−アミノフェ
ノキシ)−5−メチルフェニル〕エタン、1,1−ビス
〔2−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェ
ニル〕エタン、1,1−ビス〔2−(4−アミノフェノキ
シ)−5−フェニルフェニル〕エタン、1,1−ビス〔2
−(4−アミノフェノキシ)−5−メチルフェニル〕プ
ロパン、1,1−ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−
3,5−ジメチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔2−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−
ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチル
フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔2−(4−アミノフ
ェノキシ)−5−メチルフェニル〕ブタン、1,1−ビス
〔2−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェ
ニル〕ブタン、2,2−ビス〔2−(4−アミノフェノキ
シ)−3,5−ジメチルフェニル〕ブタン、1,1−ビス
〔2−(4−アミノフェノキシ)−5−メチルフェニ
ル〕−3−メチルプロパン、1,1−ビス〔2−(4−ア
ミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕−3−メ
チルプロパン、1,1−ビス〔2−(4−アミノフェノキ
シ)−3,5−ジメチルフェニル〕デカン、1,1−ビス
〔2−(4−アミノフェノキシ)−5−メチルフェニ
ル〕シクロペンタン、1,1−ビス〔2−(4−アミノフ
ェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕シクロペンタ
ン、1,1−ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−5−
メチルフェニル〕シクロヘキサン、1,1−ビス〔2−
(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕
シクロヘキサン、1,1−ビス〔2−(4−アミノフェノ
キシ)−5−メチルフェニル〕−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、1,1−ビス〔2−(4−アミノフェノキ
シ)−3,5−ジメチルフェニル〕−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、9,9−ビス〔2−(4−アミノフェノ
キシ)−5−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス
〔2−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェ
ニル〕フルオレン等を挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。
【0011】本発明によるこのような芳香族ジアミン化
合物は、一般式(II)
【0012】
【化3】
【0013】(式中、Ri(i=1〜4)及びRj(j
=1〜4)はそれぞれ独立に水素、アルキル基、シクロ
アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、相
互に同じであつても、異なつていてもよく、Rm及びR
nはそれぞれ独立に水素、アルキル基、ハロゲン化アル
キル基又はフェニル基を示し、相互に同じであつても、
異なつていてもよい。)で表わされるビスフェノール化
合物とp−ニトロハロベンゼンとを縮合させて、対応す
る芳香族ジニトロ化合物を得た後、これを常法に従つて
還元することによつて得ることができる。ここに、上記
p−ニトロハロベンゼンとしては、例えば、p−ニトロ
クロルベンゼン又はp−ニトロブロモベンゼンが好まし
く用いられる。
【0014】本発明による芳香族ジアミン化合物の製造
に用いられる上記ビスフェノール化合物としては、例え
ば、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、ビス(2
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス
(2−ヒドロキシ−3,4,5−トリメチルフェニル)メタ
ン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5,6−トリメチルフェニ
ル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−エチルフェニ
ル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフ
ェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−n−プロ
ピルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−イ
ソプロピルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−
3−メチル−5−イソプロピルフェニル)メタン、ビス
(2−ヒドロキシ−5−メチル−3−イソプロピルフェ
ニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−n−ブチル
フェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−イソブ
チルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−s
−ブチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3
−メチル−5−t−ブチルフェニル)メタン、ビス(2
−ヒドロキシ−5−メチル−3−t−ブチルフェニル)
メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−オク
チルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−メ
チル−5−ノニルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロ
キシ−5−フルオロフェニル)メタン、ビス(2−ヒド
ロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メタン、ビス
(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−シクロヘキシルフ
ェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−シクロヘ
キシル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒド
ロキシ−5−フェニルフェニル)メタン、ビス(2−ヒ
ドロキシ−3−メチル−5−フェニルフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−
5−フェニルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス
(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(2−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ブタン、1,1−ビス
(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−メチル
プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)−3−メチルプロパン、1,1−ビス(2−
ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)デカン、1,1−
ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(2−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ
−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、9,9−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)フルオレン等を挙げることが
できるが、しかし、これらに限定されるものではない。
【0015】これらのビスフェノール化合物は、フェノ
ール類とアルデヒド又はケトンとを酸性触媒の存在下に
脱水縮合させる公知の方法によつて得ることができる。
これらビスフェノール化合物は、必要に応じて、再結晶
等の通常の手段によつて、異性体を分離し、精製すれば
よい。
【0016】このような反応によるビスフェノール化合
物の製造において、フェノール類として、無置換のフェ
ノールを用いるよりは、パラ位(4位)に置換基を有す
るフェノール類か、又はパラ位(4位)とオルト位(2
位)にそれぞれ置換基を有するフェノール類を用いる方
が生成する異性体の種類が少なくなるので好ましい。特
に、パラ位(4位)と1つのオルト位(2位)にそれぞ
れ置換基を有するフェノール類を用いることによつて、
異性体が実質的に生成しないので、好ましい結果を得る
ことができる。但し、ビス(2−ヒドロキシフェニル)
メタンについては、既にその合成及び分離精製方法が確
立しているので、この限りではない。
【0017】ビスフェノール化合物とp−ニトロハロベ
ンゼンとの縮合反応は、ビスフェノール化合物に対し
て、p−ニトロハロベンゼン2倍モル以上、好ましくは
2〜3倍モルを、温度50〜250℃、好ましくは、5
0〜180℃にて1〜100時間、有機溶媒中、塩基性
化合物の存在下に反応させる。必要に応じて、反応の促
進のために、触媒として、相間移動触媒や銅触媒等を用
いてもよい。
【0018】上記反応溶媒の好ましい具体例して、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、1,2
−ジクロルエタン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化
水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、
スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
ヘキサメチルホスホニウムトリアミド等の非プロトン性
極性溶媒を挙げることができる。これら有機溶媒は、単
独で、又は混合物として、通常、原料に対して、1〜1
0重量倍の範囲で用いられる。
【0019】上記塩基性化合物としては、アルカリ金属
の水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩やアルコキシド化合物
を挙げることができる。これら塩基性化合物は、単独
で、又は混合物として、通常、ビスフェノール化合物に
対して、2倍モル以上、好ましくは、2〜3倍モルの範
囲で用いられる。
【0020】また、上記触媒としては、第4級アンモニ
ウム塩、第4級ホスホニウム塩、クラウンエーテルのよ
うな環状ポリエーテル、クリプテートのような含窒素環
状ポリエーテル、含窒素鎖状ポリエーテル、ポリエチレ
ングリコール、そのアルキルエーテルのような相間移動
触媒、銅粉、銅塩のような銅化合物を挙げることがで
き、これらは単独で、又は混合物として用いられる。こ
れら触媒は、その種類によつて異なるが、一般的には、
原料に対して、0.01〜200重量%、好ましくは、0.
01〜10重量%の範囲で用いられる。
【0021】上記縮合反応の後、得られた反応混合物を
水洗して、副生した塩類を除去することによつて、ビス
フェノール化合物とp−ニトロハロベンゼンとの縮合反
応生成物、即ち、中間原料としての芳香族ニトロ化合物
の粗結晶を得ることができる。この粗結晶は、必要に応
じて、再結晶してもよいが、通常、そのまま、還元反応
に付す。
【0022】上記還元方法としては、公知のニトロ基を
アミノ基に還元する方法を用いることができる。例え
ば、ニツケル、パラジウム、白金等の金属触媒、これら
金属を適宜の担体に担持させてなる担持触媒、又はニツ
ケルや銅等のラネー触媒等の存在下に、反応に不活性な
反応溶媒中、温度20〜200℃、圧力を常圧乃至50
kgf/cm2 程度にて、水素を用いて、上記芳香族ニトロ化
合物の還元反応を行なうことができる。
【0023】このような還元反応において、上記有機溶
媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等の脂肪族低級アルコール、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ等のエチレングリコールのモノア
ルキルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳
香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテルや、或いは石油エーテル等が単独で、又は混合物
として用いられる。
【0024】還元反応の後、得られた反応混合物から触
媒を濾過等の手段によつて除去した後、溶媒を留去する
等の常法によつて、反応生成物である芳香族ジアミン化
合物を分離し、そのままにて、又は再結晶等によつて精
製して、本発明による芳香族ジアミン化合物を製品とし
て得ることができる。
【0025】
【発明の効果】本発明による新規な芳香族ジアミン化合
物は、前記一般式(I)で表わされ、高分子材料の原
料、例えば、ジイソシアネート、ビスマレイミド等の樹
脂用化成品の原料、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド等の熱可塑性樹脂の原料、或いはエポキシ樹脂
等の熱硬化性樹脂の原料ほか、硬化剤や改質剤等として
有用である。特に、本発明による新規な芳香族ジアミン
化合物は、オルト−オルト型の構造を有するので、例え
ば、種々の有機溶媒に対する溶解性にすぐれ、また、こ
れを原料として得られる樹脂は、耐熱性、耐薬品性、電
気的特性、機械的特性等にすぐれるものである。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0027】実施例1 攪拌機、温度計及び還流冷却管を備えた1リットル容量
四つ口フラスコに1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)メタン22.8g(0.10モル)、p−ニ
トロクロルベンゼン34.7g(0.22モル)、炭酸カリ
ウム41.4g(0.30モル)、酢酸銅1.0g及びジメチ
ルホルムアミド297gを仕込み、攪拌下に130℃に
て8時間反応させた。
【0028】反応終了後、得られた反応混合物を冷却
し、これにメタノール水溶液を加え、析出した結晶を濾
別して、粗結晶を得た。この粗結晶をジメチルホルムア
ミドとメタノールの混合溶媒から再結晶精製して、1,1
−ビス〔2−(4−ニトロフェノキシ)−5−メチルフ
ェニル〕メタン27.2gを得た。次いで、この芳香族ニ
トロ化合物20g、ラネーニッケル2g及びジオキサン
200gを500ml容量の攪拌機付きオートクレーブに
仕込み、窒素置換後、水素を圧入した。反応圧力5気
圧、温度100℃にて水素の吸蔵が認められなくなるま
で、攪拌を続けた。
【0029】反応終了後、得られた反応混合物を冷却
し、オートクレーブから取出し、触媒を濾別し、溶媒を
留去し、得られた残渣にメタノール水溶液を加え、析出
した組成物を濾別し、乾燥させて、目的とする1,1−ビ
ス〔2−(4−アミノフェノキシ)−5−メチルフェニ
ル)メタン16.7gを得た。
【0030】純度(液体クロマトグラフイー):98.5
% マススペクトルの分子イオンピーク(m/e):410 赤外線吸収スペクトル(cm-1): アミノ基: 3430 エーテル基: 1210
【0031】実施例2 攪拌機、温度計及び還流冷却管を備えた1リットル容量
四つ口フラスコに1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−
ジメチルフェニル)デカン57.4g(0.15モル)、p
−ニトロクロルベンゼン49.6g(0.315モル)、炭
酸カリウム62.2g(0.45モル)、酢酸銅0.5g及び
ジメチルホルムアミド430gを仕込み、攪拌下に13
0℃にて30時間反応させた。
【0032】反応終了後、得られた反応混合物を冷却
し、これに水を加え、分液した水層を抜取り、残余の油
層をメタノール水溶液で洗浄分液した。この油層からジ
メチルホルムアミドを留去して、樹脂状の1,1−ビス
〔2−(4−ニトロフェノキシ)−3,5−ジメチルフェ
ニル〕デカン90.5gを得た。
【0033】次いで、この芳香族ニトロ化合物を実施例
1と同様にして還元し、得られた反応混合物から触媒を
濾別し、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルのカ
ラムクロマトグラフイーにより分離、精製した後、溶媒
を留去して、樹脂状の1,1−ビス〔2−(4−アミノフ
ェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕デカン12.1g
を得た。
【0034】純度(液体クロマトグラフイー):95.0
% マススペクトルの分子イオンピーク(m/e):564 赤外線吸収スペクトル(cm-1): アミノ基: 3440 エーテル基: 1220
【0035】実施例3 攪拌機、温度計及び蒸留用冷却管を備えた1リットル容
量四つ口フラスコにビス(2−ヒドロキシフェニル)メ
タン20.0g(0.1モル)、48.4%水酸化カリウム2
4.3g(0.21モル)及びジメチルスルホキシド700
gを加えた後、温度100℃で減圧下にジメチルスルホ
キシド350gを留去した。冷却後、p−ニトロクロル
ベンゼン33.1g(0.21モル)を加え、攪拌下に13
0℃で38時間反応させた。
【0036】反応終了後、得られた反応混合物を冷却
し、これにメタノール水溶液を加え、析出した結晶を濾
別して、ビス〔2−(4−ニトロフェノキシ)フェニ
ル〕メタン41.0gを得た。次いで、この芳香族ニトロ
化合物を実施例1と同様にして還元し、同様に処理し
て、ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メ
タン16.7gを得た。
【0037】純度(液体クロマトグラフイー):98.0
% マススペクトルの分子イオンピーク(m/e):382 赤外線吸収スペクトル(cm-1): アミノ基: 3430 エーテル基: 1210
【0038】実施例4 原料として、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−5−s−ブ
チルフェニル)プロパンを用いた以外は、実施例3と同
様にして、2,2−ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)
−5−s−ブチルフェニル〕プロパン16.2gを得た。
【0039】純度(液体クロマトグラフイー):99.1
% マススペクトルの分子イオンピーク(m/e):522 赤外線吸収スペクトル(cm-1): アミノ基: 3430 エーテル基: 1220
【0040】実施例5 原料として、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニ
ルフェニル)エタンを用いた以外は、実施例3と同様に
して、1,1−ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−5
−フェニルフェニル〕エタン16.9gを得た。
【0041】純度(液体クロマトグラフイー):98.9
% マススペクトルの分子イオンピーク(m/e):548 赤外線吸収スペクトル(cm-1): アミノ基: 3440 エーテル基: 1230
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−40450(JP,A) 特開 昭64−6246(JP,A) 特開 昭64−25126(JP,A) 特開 昭64−25127(JP,A) 特開 平1−22682(JP,A) 特開 平1−238568(JP,A) 特開 平3−90052(JP,A) 特開 平3−167163(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 217/90 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、Ri(i=1〜4)及びRj(j=1〜4)は
    それぞれ独立に水素、アルキル基、シクロアルキル基、
    アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、相互に同じであ
    つても、異なつていてもよく、Rm及びRnはそれぞれ
    独立に水素、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はフ
    ェニル基を示し、相互に同じであつても、異なつていて
    もよい。)で表わされる芳香族ジアミン化合物。
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